2024年9月26日木曜日

細胞種特異的細胞外小胞分離、目標精度(1ppm)達成の為の1次素案

細胞種特異的細胞外小胞分離技術において
最終的に1ppmの精度で
癌細胞由来の細胞外小胞だけを分離する事を目指します。

これを達成するためにはS/N比をどれくらいにしなければならないか?
単純にS/N比が1 * 10^6だと1ppmの精度での癌細胞の検出はできません。
これよりも少なくとも1桁、2桁大きいS/N比が必要です。

脳腫瘍のSurfaceomeのデータを見ると
最大で50倍程度の発現量の差なので(1)、
この程度の差ではS/N比で7桁程度の差を持って
分離する事は到底できません。

従って、分離の次元を上げる必要があります。
基本的に、今、1次評価の時点で
私の中の頭の中にある素案では5つです。

(1D)タンパク質特異性:発現量の多い対タンパク質の装飾
(2D)結合力特異性
(3D)組み合わせ「AND」;タンパク質構造/結合力
(4D)重さ特異性:沈降速度
(5D)細胞外マトリックス-インテグリン仲介沈降

これらです。
(1D)タンパク質特異性はSurfaceomeで
エクソソーム発現量の多いタンパク質を特異的に選択します。
それで沈降媒体と2量体化させ
沈降速度の違いで分離します。

それに対して
(2D)結合力特異性は結合力の差を利用します。
(1D)で2量体化したタンパク質を
物理的、化学的な最適化されたストレスで分離させ
それによって劇的に精度を高めます。
これで精度が補償される可能性があります。

もう1次元、工夫の余地があります。
それで精製されたタンパク質を一度、乖離して
別のマーカータンパク質で、もう一度、
2量体かさせ、沈降させます。
Surfaceomeで発現量の最も多い次の2番目のマーカーでも構いません。
そうすると2つのマーカータンパク質の「AND」となるので
その信頼性が高まります。
これが(3D)組み合わせです。
それで沈降させ、分離します。
そして、また(2D)の結合力特異性で分けます。
従って、
結合力特異性は(3D)と組み合わせてでき、
2つのタンパク質の「AND」でかつ、結合力でも「AND」にできます。

そうするとS/N比も現実的なものに近づいてくるかもしれません。
ただし、そのための工数はそれに応じて増加します。

(5D)インテグリン-細胞外マトリックス沈降は
インテグリンは細胞外マトリックスと結合性を持つので、
細胞外マトリックスのポリマーを合成して
細胞外小胞がある溶液の中に入れます。
それで、複数のインテグリン膜タンパク質を持つ
細胞外小胞を引き付けます。
従って、この(5D)では沈降媒体として細胞外小胞を使うのではなく、
沈降媒体はありません。
細胞外マトリックスを入れて、
インテグリンを発現している細胞外小胞を
細胞外マトリックスを導線として複合体化させて沈降させます。
今は、まだはっきりわかっていませんが、
細胞外マトリックスの特性を制御する事で
特定の型のインテグリンと強く結合する条件を探します。

基本的に細胞外小胞はエクソソームも含めて
インテグリンは基本的な膜タンパク質であり、
細胞外マトリックスのRGDドメインと結合します。
インテグリンに関しては
細胞外マトリックスを介して複合体化させて
沈降させる事を考えます。
良い、細胞外マトリックスが見つかれば、
(2D)結合力特異性モデルと合わせて
より、初期として容易に分離できる可能性があります。


(参考文献)
(1)
Valeria Governa 1, Hugo Talbot 1, Kelin Gonçalves de Oliveira 1, Myriam Cerezo-Magaña 1, Anna Bång-Rudenstam 1, Maria C Johansson 1, Ann-Sofie Månsson 1, Karin Forsberg-Nilsson 2, György Marko-Varga 3 4 5, Julio Enríquez Pérez 6, Anna Darabi 6, Johan Malmström 7, Johan Bengzon 6 8, Charlotte Welinder 1, Mattias Belting 9 2
Landscape of surfaceome and endocytome in human glioma is divergent and depends on cellular spatial organization
Proc Natl Acad Sci U S A. 2022 Mar 1;119(9):e2114456119.

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