2024年9月24日火曜日

AI利用、MRIによる赤血球-エクソソーム複合体対象の小児脳腫瘍特異的薬物送達追跡

(背景)
元々、実験、検証前に想定していた難易度が
実際に実施したら変わるという事は十分に考えられますが、
私の系統的なプロジェクトの中で一番難しい課題は
「患者さんの体内のエクソソームを非侵襲かつ安全に
画像によって追跡して、薬物送達を確認する。」
ということです。
◎エクソソームの重水素のラベリング
◎大きな細胞との複合体化
◎細胞の重水素ラベリング
◎磁気共鳴分析(MRI)装置の最適化、高性能化
⇒重水素信号に適したハードウェア設計
⇒空間分解能の改善(より小さいもの正確に観察するため)
⇒時間分解能の改善(動きをリアルタイムでトレースするため)
⇒信号ノイズ比(S/N比)の改善
これらが少なくとも求められますが、
必要な機能を補う強力な手段として
「人工知能、強化学習による画像推論」があります。
極端な話、動きのパターンが決まっているところは
人工知能によって全て正確に推論してもらって、
そこの測定は極めて荒くしてしても大丈夫というレベルにしたいです。

この画像推論をする上で必須になる要素は
「特徴量」の決定です。
コンピューター上での作業である以上、
すべては数字データです。
従って、基本的には数字データの傾向から判断する必要があります。
しかし、単に
統計(最高、最低、微分係数、標準偏差など)
こういった統計値を利用し、
フィルタマスク(カーネル)で無差別的に
数字の特徴を定義していくだけでは
脳神経の複雑な組織に対して、
細かく画像を整合、重ね合わせながら推論させる事はできません。
機械学習の評価の際に必要な
重みづけ関数(シグモイド関数、tanh関数など)
損失関数(損失関数、平均二乗誤差、クロスエントロピー損失など)
これらを有効に機能させるためには
目的に応じた適切な「特徴量」の定義が必要になります。


(目的)
今回の目的は
「患者さんの体内のエクソソーム-赤血球複合体の動き
を磁気共鳴分析で追跡して、
子どもの脳腫瘍組織迄の薬物送達を確認する。」
これに絞って、適切な「特徴量」の定義を行います。

まず初めに「エクソソーム-赤血球」を分析対象としてフォーカスし
想定される特徴量について詳しく考えます。
こちらは実際に詳しく信号取得を行う部分です。
しかし、人工知能の推論を利用する可能性も探ります。

次に、分析対象物「エクソソーム-赤血球」以外の
とりわけ脳組織において想定される特徴量について詳しく考えます。
こちらが特に人工知能の推論を多く必要とする部分です。
重水素にラジオ波共鳴周波数をあわせると
水素に対して150ppmしか重水素はないので
磁気共鳴の像は、真っ暗になると思われます。
従って、バックグラウンド画像として
水素に共鳴波長を合わせて、
組織の画像をタイミングを変えて取得する必要があります。
その時に、重水素の焦点をあわせて
薬物動態を集中的に観ている時には
バックグラウンド画像を
新たに取得しなくてもいいようにしておきたい。
従って、動きのパターンを高度に人工知能に学習させて
その推論によってバックグラウンド画像を生成するという事です。

--------------
<<対象:エクソソーム-赤血球複合体>>


(前提条件)
赤血球とエクソソームを複合体化して(1)、
両方を重水素ラベリングして
血液内の動きを磁気共鳴分析(MRI)で分析する設定とします。

赤血球の大きさは約6-8μm(6000-8000nm)です。
一方でエクソソームは約30-50nmです。

人の血管の内径は
大動脈:2,000 - 25,000 (μm)
動脈:1,000 - 4,000(μm)
細動脈:20 - 30 (μm)
毛細血管:1 - 8 (μm)
細静脈:2 - 20 (μm)
静脈:500 - 5,000(μm)
(参考文献(2) Fig.2より)

最終的に脳の各領域に延びる血管系の範囲を 1 - 200 (μm)とする。
(参考文献(3) Supplementary Video 1)

磁気共鳴分析装置の空間分解能を500μm角ボクセル(今の2倍)。
リピートタイム 1ms (高速勾配エコーイメージングを想定)
リピート毎の分析範囲 0.5mm(幅) - 100mm (長さ):1ラインスキャン

(特徴量)

(0)前提
ボクセルの短軸:500μmと想定し、
最終的に小児脳腫瘍のある脳の領域に薬物が届いているかどうかの
判断の為の血管径を1-1,000μm程度とする(4)。
この範囲を定義する理由は
確かに脳に送達されているかは頸動脈など
径の大きな動脈が対象となるが、
細胞種特異的薬物送達システムの判断の為には
脳腫瘍がある脳の領域へ分岐している動脈である必要があります。
上に、そのための血管径の範囲を仮に定めました。

他方で、毛細血管と中程度の径を持つ血管内では
MRIで検出する赤血球-エクソソーム重水素信号の
時系列パターンと特徴量の関係性が変わってきます。

まず、必要になるのが
「ボクセル内に存在する赤血球-エクソソーム複合体」
これの密度です。
ただし、実際にはこれが薬物送達のキャリアですから、
その数は当然、薬物送達効率に依存するのですが、
バックグラウンドとして
血液中に一般的に含まれる赤血球の濃度について定義します。

赤血球数は4,200,000 - 5,900,000 cells/cm^3です(5)。
この濃度から500μm^3では 525 - 737.5個となります。
仮に径が200μmの血管が横切るとすると
ボクセル内の血管空間占有率は12.6%となるので、
その個数はだいたい66個~93個です。
それよりも大きな径の血管を想定して
ここでは仮に100個と仮定します。
従って、だいたい一つのボクセル内に
100個程度の赤血球が通常存在することになります。

赤血球の径が6 - 8μmなので100個入るボクセルは
100^(1/3)なので4.462倍となるので27.8-37.1μmボクセルくらいになります。
これは仮に赤血球100個が集合しているとして
500μmボクセル内での占有体積となります。
これを30μmボクセルとすると、
体積占有率は(30^3)/(500^3) = 0.0216%(0.000216)となります。

従って、ボクセル内の正味の赤血球の信号は
バックグラウンドをゼロとした場合
1万分の2くらいの体積占有率の信号しか得られません。
また、細胞体積全てが重水素信号をだすわけではないですから
もっと、その信号は薄められることになります。

仮に血管がボクセルよりも太く空間占有率が100%だとします。
そうすると赤血球は600個になります。
600^(1/3)なので8.434倍となるので60μmボクセル。
体積占有率は(60^3)/(500^3) = 0.1728%(0.001728)となります。

仮に赤血球をエンジニアリングする事で
赤血球の局所的な濃度を5倍にできたとします。
そうすると同じ血管空間占有率では5倍なので500個となります。

ここでどういった問題が生じるか?
1ボクセル内の赤血球-エクソソーム複合体からの信号強度
血管の体積占有率によっても変わるので
その信号強度が
真に赤血球-エクソソーム複合体の密度上昇によるものなのか?
それとも
血管体積占有率の上昇によるものなのか?
あるいは、その両方?
それらがちゃんと血管造影してボクセルごと、
血管体積占有率を計算しないとわからないという事です。
ここで、AIソフトフェアの力が必要になると思います
ただ、
そのボクセルがほとんど毛細血管によって占有されている場合には
統計的にある程度は血管体積占有率は平均化されてくるかもしれません。
問題は、太い血管が通るルートは
血管体積占有率が高くなるため、信号は強く出るという事です。

もう1つは元々、重水素は水素に比べて、局所磁場が弱いため
おおよそ6倍くらい信号が弱いとされています。
それはラーモア共鳴周波数の比でおおよそ示されます。

血液中の水の割合は約50%くらいです(6)。
でも、細胞中にも水があります。
細胞の中の67%が水であるとします。
そうすると実質的に5/6、
すなわち血液中は実際に細胞と水以外の成分があるとして
約80%程度は水という事です。
この見積もりを元に、
その血液の水の水素に対して
赤血球にラベリングした重水素の数の比を概算します。

赤血球の体積占有率は0.02%くらいです。
また、重水素置換できる効率、領域も限られます。
なぜなら、細胞膜だけだからです。
その割合を1%とすると0.0002%です(もっと低いかもしれません)。
一方、水の体積占有率は血管体積占有率のロスがあるとして
仮に70%くらいだとすると、

(0.0002/70) * (1/6) ≒ 5.0 * 10^-7

このような信号強度になります。
すなわち、今、水の水素から得られているラジオ波信号に対して
赤血球の重水素から得られると期待されるラジオ波信号は
私の概算では6桁から7桁くらい強度が低いことになります。

2次評価でどうなるかわかりませんが、
このエクソソーム-赤血球複合体の磁気共鳴分析による追跡が
物理的に絶対に無理という話になれば、
無駄に資源を投資するわけにもいかないので、
「持続的に」「諦めずに」研究開発するのは、
少なくとも「私一人」とか
「2,3人(私を含めて)」レベルのリソースにして、
追跡ができない前提で進めるのも一つの戦略です。
ただ、「私は辞めないよ。」です。
しかし、色んな前提条件とバイアスがあるため
下記に示す最低条件(妥協案)も含めて
重要な技術であるには変わりないので
2次評価では慎重に実現可能性を評価(Feasible study)。
これをしなければなりません、

すでに、ガドニウムによる血管造影は一般的で、可能です(7)。
しかし、ガドニウムによって造影が可能になるのは
「体内に豊富にある水分子との相互作用」によります(Open AI)。
磁性を強めるにしても
その干渉対象は豊富にある水素である必要があります。

しかし、赤血球で重水素置換するときに
赤血球にある54.8% ~ 78.1%の水(9)を重水にすれば、
エンジニアリングによる最大で80%くらい重水素にできるため、
上の見積もりでは1%として算出しましたが、
これが80%の80倍になれば、水素のとの信号比は

 Signal ratio(D/H) ≒ 4.0 * 10^-5

この値となります。
さらに、下述するように重水素にガドニウム造影剤を入れる事を考えます。
例えば、1.5Tでは最大で10倍程度の信号強度増加が見込まれます(18)。

 Signal ratio(D/H,Gd) ≒ 4.0 * 10^-4

これに対して、空間分解能を1軸:5倍下げる事を考えます。
すなわち、5mm角のボクセルとします。
そうすると微小残存病変カットオフ1cmの腫瘍に対して
8ボクセルとなります。
そうすると原理的には125倍になりますが、仮に100倍とします。

 Signal ratio(D/H,Gd,R5m) = 4.0 * 10^-2 (※S/N比は変わらない)


さらに腫瘍がある部分を集中的に10倍時間をかけて測定します。

 Signal ratio(D/H,Gd,R5m,T*10) = 0.4 (※S/N比は変わらない)

このようにすると腫瘍組織の周りの解析における
低解像度での「赤血球-エクソソーム濃度」。
これについては十分な信号強度が得られる可能性があります。
このレベルで有れば
実際の医療現場で先生(医師、技師、医療スタッフ)、
患者さんに用意できる装置の仕様となりそうです。
しかし、
これでは薬物の動態の把握、薬物をリアルタイムでは追跡できません。
確かに薬物が腫瘍組織の周りに届いているという事の確認です。
これを「最低条件」と1次評価で定めました、


ここで一つ新たなアイデアが生まれました。
すなわちエクソソームと赤血球の複合体において、
赤血球の多くを占める水を重水にするのであれば、
脂質膜の水素を必ずしも、重水にする必要があるのか?
このような問いが生まれます。
赤血球の中の水が、どれくらい保持されるかわかりませんが、
赤血球の中の水は変わるけど
だいたい54.8% ~ 78.1%です(9)。
ある程度は体内で置換されるとして
水を完全に重水に変えて、80%重水にできたら、
脂質膜の重水置換がいらないかもしれません。
エクソソーム重水素置換不要としたら、プロセスは楽になります。

ただし、Patrick G. Gallagher(敬称略)らが
Figure 1に示すように赤血球には
AQP1, AQP3という水チャンネルがあり、水を交換しています(16)。
例えば、脳神経系ではタウリンなど
細胞の浸透圧、容積を調整している物質もあります(17)。
こうしたチャンネル、物質の機序を赤血球でよく理解して、
中の重水の循環器中での寿命を高めるにする必要があります。
赤血球の中の重水の寿命は
赤血球-エクソソーム複合体の
重水素依存の信号強度の保持に関わると考えられるからです。

次の付加的対策は、
赤血球内の置換する重水に対して、造影剤である
ガドニウムを高密度で入れるということです。
それを赤血球の中で保持することが求められます。
ガドニウムで重水の共鳴周波数がシフトしてくれれば、
体内に元々低濃度である重水のバックグラウンド信号が
さらに小さくなるので
重水に着目した時にS/N比が上がる事が期待されます。

自然の水中の重水素/水素比は1.5 × 10^-4(150ppm)くらいです(8)。
さらに重水素MRI信号は弱いので
元々の身体からのMRI重水素信号は水素に対して5桁~6桁低いです。
従って、ノイズ信号がなければ、
重水素MRI信号は非常に暗くなることが想定されます。
上述したような赤血球-エクソソームの
効果的な重水素造影ができれば、
その真っ暗なバックグラウンドの中に
いくつかのシグナルの集合や点が見えるという事です。
しかし、それが「どこ?」に位置しているかわからないため、
上述したように水素の組織画像と
正確に3次元位置をあわせて、整合させて
それらの重水素信号の組織位置を確定させる必要があります。
但し、最低限の造影として
バックグラウンド画像は(その周りの血管造影を含めて)
腫瘍組織だけでもかまいません。
腫瘍組織の近くに「どれだけの濃度の薬剤が集まっているか?」
これが評価できれば、最低限の条件を満たすと(1次)評価します。

この目的を果たすためには必ずしも
「広範囲の画像」「高い解像度」
これらを必要としませんから
信号強度を上げるために空間、時間分解能を下げて
S/N比は変わらなくても、
信号強度の底上げを図ります。

ここまでの対策が想定通りであれば、
赤血球-エクソソーム複合体からの
重水素信号が現実的に計測できるレベルにはなりそうです。

2次評価を通過すれば、
こういった開発は他のプロジェクトと並行して進められます。

もう一つの最高峰に重要なプロジェクトが
癌細胞特異的エクソソームの液体生検による物質分析です。

このエクソソームによる液体生検の解析で
今よりも少ない(脳腫瘍)癌細胞を高精度に識別できる。
かつ、その組織学的な位置が特定できる可能性があります。

では、ここから、それを見積もる、評価するために
血中のエクソソーム濃度から
癌細胞由来のエクソソームを特定正確性(ppm)と
癌細胞数(組織の大きさ)の関係性について概算します。
結論から言うと
癌細胞が100 EVs/minの分泌速度であるとすると
1ppmの選択正確性で癌細胞由来エクソソームを特定出来たら
約1万個の癌細胞の精度で
癌細胞のみのエクソソームを抽出でき、
エクソソームの膜、表面タンパク質、内容物を評価する事で
癌細胞の膜、表面タンパク質、
タンパク質、脂質、糖、遺伝子(RNA,DNA)などを
特異的に、純度を上げて分析できる事になります。

一方で、癌細胞の有無はこの1ppmの解像度が無くても
無差別に細胞外小胞だけを分析して
通常の細胞由来の物質と混合した状態で
1ppmの精度で癌細胞の遺伝子などを特定出来たら
そもそも、癌細胞特異的エクソソーム分離技術は必要ありません。
この1ppmという精度は
「10000個という少ない癌細胞の物質のみ」を
分析する事が許される正確性になります。

この10000個というのは癌細胞一つが10μmであるとすると(10)、
体積の細胞充実度が1%のような荒い組織であっても
その大きさが計算上、1mmボクセルです。
今の現状の固形癌の微小残存病変のカットオフは1cmとされます(11)。
MRIなどで検出されるような腫瘍組織よりも
小さい腫瘍組織において、
もし、1ppmという精度でエクソソームを分離出来たら
そのような今までの検出限界以下の癌細胞の検出ではなく、
その癌細胞だけの物質を特異的に扱う事が許される正確性になります。

これによって、検出限界以下の癌細胞に対して
将来的に再発しないように
その数を確認しながら、
適切な薬物を選択できる事を示唆します。

実際に、癌細胞一つの大きさから
そのまま、腫瘍組織の大きさを計算すると
人の身体の中に含まれるすべての細胞数と
身体の大きさを考慮すると、大きな誤差があります。
従って、
身体の全細胞数が過小評価されているか、
癌細胞一つの大きさが違うか、
上で述べた様に腫瘍組織の中に占める
細胞の体積比率が低いかです。

実際、癌細胞が1000個集まって組織を形成していたら
だいたい100-200μmくらいの組織になります。
1cmというと5*10^8 - 10^9個くらいの癌細胞の数になります。
でも実際には子供の全身の細胞数は1.5 * 10^13くらいなので
この計算で行くと10cm角で10^12乗になるので
身体の大きさからいうと
過大評価していることになります。
実際には細胞外マトリックスや内腔があるという事です。
癌には「細胞充実度(Cellularity)」という指標があり、
これが高い方が悪性度が高いわけですが、
乳がんで平均40%、膵臓がんで10 - 90%(ave.25.9%)(15)です。


血液中の細胞外小胞の量が 10^10 EVs/ml(12)
血液は1kgあたり 80-90mlなので
6歳が体重20kg少しとして、2000mL
そうすると体内に準平衡状態(生成⇔取り込み、分解、代謝、排出)で存在する
細胞外小胞の数は 2 * 10^13個となります。
血液の寿命は120日(13)なので、
細胞外小胞の寿命も仮に同じ程度だとすると
細胞外小胞の分泌量は1.2 * 10^8 EVs/minとなります。
しかし、実際は
一分当たりの血漿の細胞外小胞分泌量は
1.5 * 10^12 EVs/minと見積もられています。
という事は血液よりも回転率が速いという事です。
だいたい、13分くらいということになります。
細胞外小胞は細胞に取り込まれるからです。

身体の細胞数はどれくらいか?
人の細胞数は子供の場合、15兆個(1.5 * 10^13)とすると
全ての細胞の細胞外小胞がロスなく血液に滲出しているとしたら
1分間で0.1個という計算になります。
実際は
単球で 24 - 66 EVs/cell/min
赤血球で 3.0 * 10^-3 EVs/cell/min
このようになっています。
ちなみに、癌がある状態では
血液中の細胞外小胞が2倍になったという報告があります。
そうすると10^12EVs/minを分泌することになります。
だいたい、固形癌の平均の大きさが10cmボクセルです。
細胞充実度が30%(2D)⇔9%(3D)であるとすると
腫瘍組織実効体積が90cm^3となります。
癌細胞1つの径10μmであるとすると
腫瘍組織実行体積当たり、1 * 10^11個平均あることになります。
身体の細胞の中の1/150くらいが癌の計算になります。
1/150はちょっと多いので、1/1000くらいとします。
すなわち1.5 × 10^10個くらいです。
それで10^12個オーダーで一分間で細胞外小胞が増えるわけですから、
一個あたり、だいたい100 EVs/cell/miniとなります。
この辺でだいたい、妥当かなという感じがします。

そうすると1000個オーダーの癌細胞では
1 * 10^5 EVs/minとなりますから
だいたい、血液中にある細胞外小胞の7桁落ちくらいの精度があると
これくらいの数の癌細胞が検出できるということになります。
血液中の細胞外小胞の量が 10^10 EVs/ml。
これくらいなので、7桁落ちなので
1000個/mlくらいが1000個オーダーの癌細胞です。
ちょうど1mlあたり1個のEVsが1個の癌細胞に当たるという計算になります。
子どもの場合、採血できるのが最大で20mLなので、
だいたい、2万個/1000 cancer cells/20mLとなりますが、
分離できるエクソソームは一部なので
その1/10だとしたら2000 Exosomes/1000 cancer cells/20mLです。

私の概算では
癌細胞 1000個 0.1ppmの精度
癌細胞 10000個 1ppmの精度
、、、
このようになります。
従って、1ppmくらいの特異性で癌細胞由来のエクソソームを分離出来たら
だいたい補正して1mm~数mmボクセルくらいの癌細胞が検出できるので
この大きさは磁気共鳴装置の数ボクセルくらい。
そうすると
もし、エクソソームの分離技術を頑張って、
1ppmくらいの精度で、癌由来のエクソソームを分離出来たら
そこから推定される腫瘍組織の大きさは
磁気共鳴分析(MRI)で検出できるレベルではないということです。

今の1cm(10mm以下)という微小残存病変のカットオフは
細胞レベルで見ると、まだ、ちょっと評価として荒いといえそうです。

少なくとも今、MRIで分析できるような
センチメートルオーダーの腫瘍組織以下の
ミリメートルオーダーの腫瘍組織が
エクソソームによって検出され、
それに対して、適切な投薬が可能になる可能性があります。
その薬物送達を視覚化する
磁気共鳴分析/全頭部固定集束超音波の装置側のプロジェクトでは
そうした分析不可能な小さな癌に対しての
薬物送達を評価することになる可能性がある。
このことを想定して、装置開発する必要があります。

上述した最低条件を満たすことを考えつつ行う
それよりも先にある薬物動態のリアルタイム解析は
超音波を使った薬物リリースの為に必要となります。
こうした超音波を使った薬物送達を(19)
先生(医師、技師)、患者さんに
それぞれ治療モダリティー、治療として提供するためには
最低条件よりももう少し厳しい条件での装置性能を満たす必要性があります。
おそらく
トラッキングで持たらされる一番の付加価値は
この超音波駆動の薬物送達技術にあると思われます(19)。
場合によれば、
赤血球-エクソソーム複合体を
この外因的信号である超音波で病変部位で選択的に解除する必要があります。
そのタイミングの決定の為には
最低条件よりももっと厳しい装置性能が求められます。




(1)空間的特徴

(11)定速度
定義:定速度とは赤血球-エクソソーム複合体の動きにおいて、
特定の群速度が一様に保たれている状態。
従って、少なくともボクセルの半分程度の径以上の
血管内の赤血球-エクソソーム複合体の群速度の検出をする際の
特徴量として定義します。
なぜなら、ボクセル内に多くの血管が通過すると
それらの足し合わせになるため
赤血球-エクソソーム複合体の血管内の実際の動きと
各ボクセルから放出される信号の時系列パターンが変わってきます。
従って、特徴量としては同じ速度でも別に定義する必要があります。

ボクセルをおおよそ満たす径のある血管では
その血管内の赤血球-エクソソーム複合体が主な信号元となります。
従って、この血管に沿うボクセルの信号強度の時系列パターンは
血球-エクソソーム複合体の定速度を主に反映すると考えます。






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