2024年9月30日月曜日 0 コメント

超高解像度を持つ物質分離技術の細胞生物学的価値と普遍的価値

細胞種解像度を持った細胞外小胞分離技術は、
どういう初期的に残念な結果があったとしても
絶対に辞めるべきではありません。
技術が成立した時の付加価値からして
決して、研究開発人材資源が私1人という事はないと思いますが、
私の意気込みとしては、
私は1人でも、一生かけてでも
この技術にこだわって研究開発、
そして産業応用を目標として頑張っていく。
このことがあります。

細胞種解像度を持った細胞外小胞分離技術は
「分ける」という非常に普遍的な機能の改善であるため、
それによって可能になる事は無数にあります。

Filopodium由来の細胞外小胞があります。
このフィロポディアは指先のような細い細胞突起であり、
こうしたフィロポディアは
神経細胞(2)、アストロサイト(3)、癌細胞(4)
これらなどから発現が確認されています。
このフィロポディアは細胞骨格の伸長に伴う
細胞突起なので、原理的には
もっと多様な細胞で生じる可能性があります。

こうしたフィロポディア由来の細胞外小胞は
通常は得られにくい細胞の細胞骨格が内腔に含まれる可能性があるため、
細胞の細胞骨格の構造情報の一部を
このフィロポディア由来の細胞外小胞を輸送媒体として
取得できる可能性があります。
こうした細胞骨格は細胞種ごとに異なる構造を取る可能性があるため
細胞外小胞から放出細胞種を特定する上で
膜タンパク質と並列して重要な物質情報となる可能性があります。
また、フィロポディアの膜情報や
膜タンパク質、あるいは局所細胞質の物質情報がわかる事で
フィロポディアを通じた構造安定性、運動性のメカニズム、
あるいはフィロポディアを通じた細胞間コミュニケーション。
これらの機序がより詳細にわかる可能性があります。
但し、フィロポディア由来の細胞外小胞を
採血などの液体生検で分離精製するためには
非常に高い感度(S/N比)を必要とするかもしれません。

実際にフィロポディアは癌細胞でいえば、
その運動性に関わるわけですから
フィロポディアを「触手」として
細胞外マトリックスなどを動線としながら、
間質、細胞内滲出を通じて、転移する事も考えられます。

こうしたフィロポディアは
神経細胞の連結の「初期過程」に関わります。
また、シナプスの構造安定性に関わります。

細胞外小胞は放出された時点での「即時の刻印、痕跡」ですから
いわば、「時間が止まった」状態での物質が保持されます。
細胞のように状態が変化しないからです。
フィロポディア由来の細胞外小胞は
ひょっとしたら内腔に「細胞骨格があること」で
その存在を識別できる可能性がありますが、
この細胞外小胞の膜、膜タンパク質、内腔は
神経細胞の初期過程、シナプスの構造安定性、
癌細胞の転移などの運動過程を
そのまま「生き写した」存在として
私たちは液体生検を通じて、それを知る機会が与えられます。

これを可能にするのが私が提唱する
超高解像度の物質分離技術です。


細胞外小胞はフィロポディアの神経系の作用、
下述する癌細胞のアポトーシスなど
細胞生物学的な
「プロセス」「過程」を検出することが可能になるかもしれません。
それ以外にも
例えば、組織の炎症、修復の過程で
白血球の活性化や間葉系幹細胞による創傷治癒(5-7)。
こうした炎症、修復過程の「プロセスの痕跡」を
捉える事ができる可能性があります。
なぜなら、細胞外小胞は細胞のように「状態を変えない」からです。
その都度、放出される細胞外小胞には
その時点での状態の「痕跡が保存」されるからです。

癌細胞などを含めて、細胞が細胞死するときには
アポトーシス小体などを放出します。
しかし、こうした細胞が細胞死するときに
放出される細胞外小胞は想定されるよりも多様かもしれません。
こうした細胞死した時の
アポトーシス小体を含めた細胞外小胞の特徴の
バックグラウンド、参照データをしっかりとって、
その上で、
生体内からリアルタイムに患者さんごと
細胞外小胞膜タンパク質特異的に高解像度で分離できれば、
細胞死のメカニズムをより詳しく理解できるかもしれないし、
それが難しくても、
実際に「細胞死した」という証拠をトレースできます。
例えば、
集束超音波装置で腫瘍組織を温熱により治療した時に
その熱によって癌細胞が凝固壊死しますが、
その細胞死したシグナルを
液体生検からリアルタイムで
細胞外小胞をマーカーとして取得する事で
実際に癌細胞が熱によって確かに壊死したという事実と
その細胞死量を一定の精度で定量化する事が
可能になるかもしれません。

膜タンパク質、膜など、
あるいは幾何学的、統計的な情報から
人工知能によるマッチングなどを含めて
細胞外小胞の分離技術が
私が想定する形に近い完成度で実現すれば、
少なくとも
細胞外小胞についての細胞生物学をもっと詳しく調べよう
という大きな駆動力につながります。
なぜなら、それの出口戦略として
リアルタイム、人、患者さんごと、細胞種ごとで
その細胞外小胞をより細かく分離出来る技術があるからです。
こうした細胞外小胞の基礎研究は
人に対する臨床応用研究に高い確率でつながります。
それが個別化医療に将来的につながる可能性があります。

また、こうした細胞外小胞による分離技術は
単に細胞外小胞の分離に留まりません。
身体の特に血液、尿、便、唾液など
容易に取得可能な生検の小胞だけではなく
核酸、タンパク質、脂質、糖などの物質情報を
「構造解像度」で分離する事にも貢献する可能性があります。
そうすると、
それによるマルチオミックス解析が非常に楽になり、
もっと、構造的な多様性を詳しく調べる事が
できるようになるかもしれません。
例えば、
インテグリンだけを血液から抽出して
それを元にトップダウンプロテオーム解析すると
インテグリンの分子量とアミノ酸配列はおおよそ既知ですから、
それ以外の様々な特徴量を抽出することができます。

冒頭で述べた様に全ての前提が
細胞種解像度を持った、
膜タンパク質、膜などの構造、
特徴量抽出による人工知能マッチングなどによる
非常に高解像度の細胞外小胞の分離技術が成立する事です。
私はこの開発を私自身の心身の健康を維持しながら、
生涯かけて、なんとしても成功させなければなりません。
それが私に課せられた使命です。


(参考文献)
(2)
Charlotte B Wit 1, P Robin Hiesinger
Neuronal filopodia: From stochastic dynamics to robustness of brain morphogenesis
Semin Cell Dev Biol. 2023 Jan 15:133:10-19.
(3)
A H Cornell-Bell 1, P G Thomas, S J Smith
The excitatory neurotransmitter glutamate causes filopodia formation in cultured hippocampal astrocytes
Glia. 1990;3(5):322-34. 
(4)
Laras Pratiwi, Elisa Elisa, Henry Sutanto
Probing the protrusions: lamellipodia and filopodia in cancer invasion and beyond
Mechanobiology in Medicine Volume 2, Issue 2, June 2024, 100064
(5)
Donghui Bian, Yan Wu, Guodong Song, Ramyar Azizi & Amir Zamani 
The application of mesenchymal stromal cells (MSCs) and their derivative exosome in skin wound healing: a comprehensive review
Stem Cell Research & Therapy volume 13, Article number: 24 (2022) 
(6)
Scott Maxson, Erasmo A. Lopez, Dana Yoo, Alla Danilkovitch-Miagkova, and Michelle A. LeRouxcorresponding author
Concise Review: Role of Mesenchymal Stem Cells in Wound Repair
Stem Cells Transl Med. 2012 Feb; 1(2): 142–149.
(7)
Tasaduq Manzoor, Afnan Saleem, Nida Farooq, Lateef Ahmad Dar, Junaid Nazir, Sahar Saleem, Sameena Ismail, Mudasir Bashir Gugjoo, Parvaiz A. Shiekh & Syed Mudasir Ahmad
Extracellular vesicles derived from mesenchymal stem cells — a novel therapeutic tool in infectious diseases
Inflammation and Regeneration volume 43, Article number: 17 (2023)
 

0 コメント

細胞種特異的細胞外小胞分離技術のiPS細胞技術再生医療と遺伝子治療の評価への貢献

細胞種分解能で細胞外小胞を分離できるようになったら
評価という意味でいくつかの先端的医療に貢献できます。
その具体的な方法を示していきます。
その方法は
(DT1)遺伝子的バーコーディングと
(DT2)結合親和性バーコーディングです。
後者(DT2)は、多分、リスクがあると判断されると思いますが、
それは先入観も含まれます。
下にそれについて、詳細に説明しますが、
これができるようになると非常に便利です。
(DT2)の結合親和性バーコーディングは
細胞種特異的細胞外小胞の
高精度な分離手順と高度に関連、紐づきます。

多分、今日述べる事の一部は
昨日(9/28)の私の記事を読まれていたら
ハーバード大学の先生方は
絶対に既に気付いている事だと思われます(2)。
多分、それは日本の先生も同じだとおもいます(3)。
しかし、(DT2)はないと思う。


iPS細胞技術で脳、心臓、肺、肝臓、腎臓、消化器、骨、骨格筋。
これらの組織、臓器をその人の細胞の時計を戻して、
より状態の良い若い細胞で書き換えていく事をします。
そうした臓器書き換えがどういったプロセスで生じるか?
それについてはわかっていません。
おそらく人ではできないので、
マウス、ゼブラフィッシュ、あるいは豚などで
行う事が前実験としてあると思われます。

臓器を書き換えていくプロセスで
iPS細胞技術由来の細胞を追跡可能な形でマーキングする事を考えます。
わかりやすくいうと
「これが書き換えた細胞だよ。と印をつける。」
ということです。
それを最終的に人から継続的に採血する事によって、
どういった細胞種、量で書き変わっていくかを確認できるようにします。
その印は「識別可能な遺伝子配列(バーコーディング)」
これが一つの有力な候補です。
分化、増殖を経ても高度に保持されるDNAの
miRNAコーディング領域があります。
実際にmiRNAは特定のDNA配列をコピーして産生されます。
従って、miRNAの配列はDNAの特定の配列を引き継ぐことになります。
(参考文献(1) Fig.1)
従って、iPS細胞技術の初期化プロセスの中で
分化前の初期の段階で高度に保持されるDNAに
miRNAに転写される領域内で識別可能な特異的な配列になるように
遺伝子改変を加える事で、miRNAに識別可能な特異的な配列が転写されます。
そのmiRNAはエクソソームに搭載されるため、
そのエクソソームを細胞種特異的に分離する事で、
そのmiRNA依存的にiPS細胞由来の細胞を永続的に追跡できます。
これは(DT1)遺伝子的バーコーディングの手順です。

では、(DT2)結合親和性バーコーディングとは?
これは、最終的に細胞種特異的に細胞外小胞を分離する過程で
高い確率で結合親和性で細胞外小胞を高精度に分離する事をします。
従って、予め、
特定の識別可能な結合親和性をもつ細胞外マーカーが
発現するようにiPS細胞のDNAの配列を書き換えるという事です。
例えば、高度にエクソソームに発現される
テトラスパニン、インテグリン、コネクソンなどがあります。

もう少し具体的かつ詳しい説明が必要でしょう。
例えば、
細胞外小胞をインテグリン-細胞外マトリックス依存的に
沈降させ、分離するプロセスを考えます。
その時に沈んだ後、一定の結合親和性で乖離する
物理的、化学的、機械的ストレスで結合を解消させ
結合親和性依存的に分離するプロセスが想定されます。

バーコーディングを含めて考えると
このプロセスを成立させる事は非常に重要です。

例えば、インテグリンと細胞外マトリックスの
結合親和性(Kd:The equilibrium dissociation constant (Kd))
10^-6 - 10^-8 M
これが一定の条件で最適化された細胞外マトリックスに対する
「自然な」インテグリンの結合親和性の範囲がこれくらいだとします。
これは、「仮の」の値です。

それに対して Kd = 10^-2 - 10^-4 or 10^-10 - 10^-12
このように「通常ではありえない」結合親和性を持つ
インテグリンをインテグリンDNA配列部位に対して
遺伝子改変を行う事でできるようにします。
もちろん、これはいくつかのリスク、チャレンジ(困難性)があります。

インテグリンは非常に細胞生物学上、重要な細胞接着分子のため
こうした構造改変は機能に影響を与える可能性があるため、
細胞の機能を異常にしてしまう可能性があります。
ただし、特定の細胞外マトリックスに対して
そうした結合親和性の改変を加える事が必ずしも
全体的な細胞の健康に大きく被害を与えるとは限りません。

もう1つのチャンレンジはDNAの遺伝子配列が1対1で
インテグリンの高度な3次元構造と一致しないという事です。
転写因子多様性やチャペロンなどを含めた3次元折り畳み因子によって
遺伝子配列とは独立の構造制御因子がある事です。
従って、DNAの遺伝子配列を任意の変えたとしても
それが、インテグリンの狙いの構造、結合親和性を保証する
ことにはならないということです。
しかし、これも実験しないことにはわかりません。

では、遺伝子コーディングがあるのに
なぜ、結合親和性コーディングなど難しいことを
あえて挑戦する必要があるか?
その付加価値は一体どこにあるのか?

それは、もし、表面タンパク質の結合親和性によるコーディングができたら
細胞種特異的分離技術のプロセスそのもので識別が可能になる事です。
すなわち、遺伝子コーディングで必要となる
細胞種特異的分離技術の為の表面マーカーの
バックグランド、参照データを必要としなくなる
ということがあります。
その表面タンパク質を頼りに追跡することができます。
これができるようになることは
この技術において非常に重要なことです。
私たち(少なくとも私は)この可能性がある事
すなわち、結合親和性コーディングを
常に頭に置いておく必要があります。

但し、細胞種によって当然、発現されるインテグリンの型が異なるし
転写因子も異なるので、上の方法は全ては網羅できない可能性が高いです。
そもそもiPS細胞で臓器形成していく過程は
いろんな細胞種に分化して、勢力を増していく事を考えると
当然、その過程の中でインテグリンはDNAと独立した形で
発現量、3次元構造を変える可能性があるからです。
しかし、
臓器介入を行う場合において、色んなケースが考えられるため
特定のケースではこれが成立するかもしれません。

この記事では、
結合親和性でバーコーディングする方法が存在する。
これを目指す価値は確かにあるという事は述べたい。

iPS細胞技術を使った再生医療では
iPS細胞技術を使って若い細胞に書き換えた細胞を識別して
追跡したいという事があります。
どのようにその若い細胞種が勢力を増して
組織、臓器を書き換えていくかを知る事は重要です。
こうした知見は、おそらく今は存在しません。
なぜなら、iPS細胞技術ができて、
まだ数十年も経っていないことと
再生した臓器を生体内で評価する手法が
おそらく確立していないからです。

この評価ができるようになると、
将来的に人に対して組織、臓器を生体内で
制御、確認しながら書き換えていくことが可能になるかもしれません。
当然、液体生検によるバイオマーカーは
視覚的な情報は得られませんから、
確かに存在する需要として、「視覚的に確認したい」ということがあります。
それも可能になるかもしれません。

具体的には
細胞種特異的細胞外小胞分離技術で
iPS細胞技術で書き換えた細胞から発現される
細胞外小胞を特定できるようになります。
その細胞外小胞には、膜タンパク質の情報がありますから、
高度な技術を要しますが、
その膜タンパク質情報に基づいて視覚的な追跡を試みます。

例えば、磁気共鳴分析で識別可能な
赤血球、血小板、白血球、
それと複合体化した細胞外小胞を設計します。
例えば、
細胞膜を重水素、細胞内の水を重水に変えます。
その複合体は
事前にiPS細胞技術によって同定した
細胞種の膜表面に含まれる膜タンパク質に対して
非常に高い結合親和性を持つ膜タンパク質が装飾されています。
従って、生体内でその細胞種に強く引き付けられます。
その赤血球-細胞外小胞複合体の
生体内の濃度分布、リアルタイム追跡によって
視覚的に確認するという方法です。

こうした循環器を通る細胞は
組織内に張り巡らされる毛細血管にも滲出するため、
ある程度は組織内の情報も取る事が出来きます。
しかし、
循環器から遠い上皮組織、内腔の情報は
この方法では少し難しさがあるかもしれません。

ただ、視覚的な確認の中で、
私が広島大学、東京大学と開発する(したい)
磁気共鳴分析/全頭部固定集束超音波装置の
重水、重水素を使った濃度分析、追跡技術が
将来的にiPS細胞の再生医療の評価に役立つ可能性があります。

その可能性を含めると最終的に
複数の重要な目的を果たせるため
重水、重水素を使った濃度分析、追跡技術は
ここで説明したことも含めて、
出来た時の付加価値をしっかり訴求しながら
一時的な結果に振り回されず、
持続的に、あきらめずに開発していく必要があります。


iPS細胞の分化技術以外にも
Crispr Cas9などの遺伝子改変が
「実際にどの細胞で生じたか?」
その確認を行う事も可能です。

例えば、Crisper Cas9など遺伝子改変媒体と同時に
遺伝子バーコーディングした識別可能なmiRNAを入れます。
それによって
遺伝子改変が確かに細胞内で生じたという証拠は得られませんが、
その媒体が確かにその細胞種に送達された。
この事は確認できます。
すなわち、miRNAをエクソソームで分離して
検出する事で、どの細胞種に送達されたかの確認が可能です。

では、実際に遺伝子が書き換えられた。
それを確認するにはどうしたらいいでしょうか?
1つは
Crispr Cas9で遺伝子改変した時の
物質的、幾何学的、電気的機能が
分泌される細胞外小胞に特異的に搭載されれば、それが可能になります。
但し、遺伝子改変した機能が特異性を持って
細胞外小胞に必ずしも搭載されるとは限りません。

もう1つは「AND」の機能です。
すなわち、Crispr Cas9で遺伝子改変するためには
「AND」として、エクソソームで識別可能な
miRNAのコーディング領域も遺伝子改変する必要があるシステムです。
その「AND」の機能を含めるためには
gRNAとプロモーターなどを最適化する必要があります。

遺伝子改変が人の身体の中で
どういった細胞種で実際に生じているか?
オフターゲットなども懸念されるので、
本当に変えたい細胞だけ、特定の遺伝子改変を行い、
それをリアルタイムで評価できるシステムを構築する事は、
遺伝子治療の可否に関わる根本的な事なので、
この細胞種特異的細胞外小胞分離技術は
遺伝子治療の評価において非常に重要になる可能性があります。


(参考文献)
(1)
Julia Winter, Stephanie Jung, Sarina Keller, Richard I. Gregory & Sven Diederichs
Many roads to maturity: microRNA biogenesis pathways and their regulation
Nature Cell Biology volume 11, pages228–234 (2009)
(2)
Jocelyn Y. Kishi, Ninning Liu, Emma R. West, Kuanwei Sheng, Jack J. Jordanides, Matthew Serrata, Constance L. Cepko, Sinem K. Saka & Peng Yin
Light-Seq: light-directed in situ barcoding of biomolecules in fixed cells and tissues for spatially indexed sequencing
Nature Methods volume 19, pages1393–1402 (2022)
(3)
Erica Carolina, Yoshiki Kuse, Ayumu Okumura, Kenji Aoshima, Tomomi Tadokoro, Shinya Matsumoto, Eriko Kanai, Takashi Okumura, Toshiharu Kasai, Souichiro Yamabe, Yuji Nishikawa, Kiyoshi Yamaguchi, Yoichi Furukawa, Naoki Tanimizu & Hideki Taniguchi
Generation of human iPSC-derived 3D bile duct within liver organoid by incorporating human iPSC-derived blood vessel
Nature Communications volume 15, Article number: 7424 (2024) 

0 コメント

超高解像度を持つ細胞外小胞分離技術 ~総括~

(背景)
宇宙、地球には天文学的な数の物質があります。
生物、人、もっといえば、人間一人の身体の中においても
その数のスケールは構造ベースで考えると天文学的になります。
そうした数は定量できる次元を超えています。
自然に、全く何一つ同じものはない。
それはまるでフェルミ粒子は同じ量子状態をとれない。
このことにもつながるように思えます。

しかし、人は、そうした自然の異種性、非同一性の中に
人だけが主に構築する「概念」を持ち込み、
一定の精度で集合を作り、
それを概念上は同一のものとして定義します。
そうしたいわば、近似が
少し大げさですが私たちの近代的生活を支えています。

その「概念」とは特定の解像度で分離した集合として定義する。
このようにもいえます。
その概念は頭の中だけで形成されることもあります。
芸術、数学がその代表であり、
より近代的なところでは人工知能、仮想空間がそうです。

分類学(Taxonomy)という学問があります。
生物を種々な共通的な特徴によって分類し、
体系的にまとめ、生物多様性を理解する。
このように定義されます。
広義にいえば、数学も含め、あらゆる学問は
人による理解を伴なうモノであり、
生物が共通的に持つ感覚から超越した領域を含みます。

こうした「理解」「概念」のために
人は簡単な言葉でいえば「分ける」という事を
ひたすらしてきました。
この「分ける」という取り組みが、
間違いなく今日の人類の繁栄に関係しています。

超高解像度細胞外小胞分離技術は、
物質の構造解像度で、物質を「分ける」という事を目指します。

人が部屋の中を掃除するときを考えます。
衣類、ゴミ、常備薬、書物、食品など
生活に必要な様々な「物質」がありますが、
片づける時には、傾向として
こうした分類可能な生活要因を個別に分ける事をします。

人には上述した「概念化」も含めて
「分ける」という事が極めて生活の中で基本的な事なので
超高解像度細胞外小胞分離技術と
仮に、たいそうな名称で定義しています。
根本は「分ける」ということなので、
その内容を知ると、極めて普通の事で
この技術の背景に存在する重要性を多くの人は気づきません。

もし、そこに気付いているなら、
すでに世界の誰かが、この技術を発明し、
それを実用化し、すでに普及しているはずです。

超高解像度細胞外小胞分離技術は
物質間の結合と重さの違いに着目して
物質を分離する事を目的としています。
この物質を分けるという事は
人間の営みにおいて極めて基本的、かつ普遍的な事なので
元々、出発点が医療ではありますが、
その適用範囲は
あらゆる学問、あるいは人の生活に関わります。

この技術が実現した時の応用が「無数」にあるのは
その分けるという行為が
今まで人間がしてきた近代的生活のプロセスの中で
基本的必要要件の一つだからです。

少し、私が目指す領域とは離れた応用について
ここで少し考えてみましょう。

世界に80億人の人が生活しています。
その生活の中で排出される膨大なゴミがあります。
日本では、そのゴミは適切に処理され、
それが道端に散乱していることはありません。
しかし、区画化されたごみ捨て場に
誰もいない早朝にカラスが来て、
排出されたごみがあたりに散乱することがあります。
でも、誰かが掃除をして、また、綺麗に保たれます。
今では、ゴミはある程度は分けられます、
ゴミ処理場でのごみの処理において、
ゴミを分類して、焼却など適切な処理を行うための
労力、エネルギーは膨大です。
上述したように散乱したごみを綺麗にする
人がいるから、道端は綺麗に保たれ
それによって衛生状態も維持されます。
そこにも人による労力が費やされます。

もし、こうしたごみを非常に高精度に分ける技術があれば、
生活の中でのごみの処理、リサイクルは非常に楽になります。
私が開発する超高分解能細胞外小胞分離技術と
こうした生活の中でのごみ処理問題は
スケールが違うので当然、そのまま当てはめることができませんが、
広義に基本的なコンセプトに着目すると
新たに効率的にごみを処理するプロセスに貢献するかもしれません。
例えば、
私の分離技術では「重さ」に着目しますが、
ごみを「重さ」と「沈降速度」で簡便に分ける事で
ゴミ処理において何か付加価値をもたらすことはないか?

「分ける」という事は
このような全く異なるスケールでの分類の応用としても
生かす事ができるくらい普遍的な事です。

従って、私が、分子構造レベルで
結合性、重さ、沈降速度に主に基づいて分けるというシステムは
単に医療だけではなく、
宇宙を含めた工学、生物学、薬学、
それに紐づく様々な分野において貢献しうることです。

分けるという事は地味なことですが、
上述したような人間の営みにおいて基本的な事であるがゆえに
その応用は無数にあり、
それによってもたらされる付加価値は膨大であるという事です。
少なくとも、それに私は気づいたという事です。

従って、この総括では
その「無数」に存在しうる応用において
一つ一つ具体的な応用を示すことはしませんし、
とても、そうした応用を1人の人間が全て包括する事は不可能です。

日本を始め、世界には
多くの人がいて、知識、知恵、経験などの知的資産があります。
また、応用を可能とする技術的資産もあります。
私が出発点として示した
この普遍的な分離技術を是非、
極端な話、技術に関わらない主婦の方も含めて
色んな観点で考え、
人の持続可能かつ近代的な生活に貢献してほしいと思います。


(技術)
上述したように応用範囲は非常に広いですが、
私個人としては、生物学、薬学、医学、医療。
その中でも特に医療。
もっといえば、小児医療。
さらにしぼれば、小児がん、小児脳腫瘍。
これの顕著な改善のために、この超高精度な分離技術を適用します。

この総括ではそうした目的に応じて
内容をある程度絞って、書き記します。

私の目的の最も下位、具象、核にあるのが小児脳腫瘍です。
従って、患者(お子さん)の脳神経内にある
癌細胞から出る物質を「分ける」事を目指します。

それを実現するために考えているより具体的な手段は
癌細胞から放出される細胞外小胞を
採血を通して、1ppmの精度で検出し、分離精製する事を目指します。

1ppmとは1 part per millionですから
全細胞外小胞10^6個から1個の精度で分離精製する事を示します。
そのためには
分離するためのS/N比。
ここにおける
S(シグナル)は、癌細胞由来の細胞外小胞を検出する精度
N(ノイズ)は、癌細胞由来ではない細胞外小胞を検出してしまうレベル
このように定義すると
分離精製の精度である10^6のS/N比では足りません。
その精度では1ppmしか含まない癌細胞の細胞外小胞環境にある時、
半分以上の無視できないレベルで
癌細胞由来ではない細胞外小胞を検出してしまいます。
それくらいの数しかない癌細胞を99%含むような
分離精製を実現するためには
少なくとも1ppmよりも2桁程度高いS/N比を実現する必要があります。
すなわち、S/N比:10^8ということです。

この精度は、細胞外小胞を実際に薬物キャリアとして利用する
あるいは液体生検のバイオマーカーとして利用するために
実務経験として扱ったことのある人にとっては
明かに度を越えた難しさであるという事は自明です。

では、具体的にどういった技術で
特定の細胞種、上の例では脳神経系の癌細胞の細胞外小胞を
非常に高精度に識別して、分離精製する事ができるでしょうか?

まずは、それについての概要を説明します。

癌細胞由来の細胞外小胞の生物発生機序は一つではないですが、
非常に小さなExomereなど、発生機序が未だはっきりしない
ものを除けば、おおよそ共通なことがあります。
細胞質にある物質を内腔に含み
その内腔を囲む膜は細胞膜から生成されます。
また、細胞膜上の膜タンパク質は
そのまま細胞外小胞の膜タンパク質として引き継がれます。
こういった
細胞外小胞の物質は癌細胞の情報そのものですから
その物質情報だけではなく、
幾何学的、電気的に現れる特徴も含めて
癌細胞由来の細胞外小胞を分離精製する事を試みます。

そのための方法を一つの限定する事はしませんし、
それが可能なあらゆる方法が技術開発の対象となりますが、
今、1次評価の現時点で想定している事は
モノクローナル抗体による免疫沈降のコンセプトに倣い、
結合性、重さ、沈降速度による分離です。
より具体的には
癌細胞由来の細胞外小胞に特徴的に発現される、
あるいは統計的に多く発現される膜タンパク質に
特異的な結合親和性を持つ膜タンパク質を装飾した
分離精製媒体である細胞外小胞を
エンジニアリングによって別途用意し、
それらの結合によって、重さによって差別化し、
その重さの違いによる沈降速度を精度よく利用して
溶液内で分離する事を試みます。

こうした方法は極めて先進的ですが、
それでも上述した1ppmしか含まれない
癌細胞由来の細胞外小胞を精度よく分離精製するために
求められる仕様には
一つの分離メカニズムでは到底、到達しません。

例えば、脳腫瘍の表面タンパク質に着目したプロテオーム解析、
すなわちSurfacomeのデータを見ると、
Receptor-type tyrosine-protein phosphatase eta
これであるDEP-1と呼ばれる表面タンパク質。
(参考文献(2) Figure 8)
これは癌細胞で約48倍(log2:5.61)発現されています(1)。
このThe protein tyrosine phosphatase (Ptp) familyと
一般的な癌との関連は指摘されています(3)。
しかし、
最も通常細胞と差が現れたこのタンパク質でさえも50倍の差です。

従って、もし、特異的な結合でもって
細胞外小胞で分離する事を試みても、
せいぜい1/100程度の精度、すなわちS/N比10^2くらいが限界です。
もし、S/N比を7桁、8桁高めるためには
これと合わせたタンデム(直列)な対策が必要になります。

言い換えると、複数の乗算される高次の対策が必要です。
基本的に、今、1次評価の時点で
私の頭の中にある素案は下の5つです。

(1D)タンパク質特異性:発現量の多い対タンパク質の装飾
(2D)結合力特異性
(3D)組み合わせ「AND」;タンパク質構造/結合力
(4D)重さ特異性:沈降速度
(5D)細胞外マトリックス-インテグリン仲介沈降

これに加えて、
バックグラウンド、参照データを集め、
癌細胞由来の細胞外小胞の幾何学的、電気的データが
下記に示す、様々な特徴量に対して
特異的に明示されると
その結果から想起される
別の次元の分離プロトコルが生じる可能性はあります。

(特徴量)
サイズ:粒子の直径や長さ(例えば、ナノ粒子追跡法で得られるサイズ分布)。
形状の均一性:球形か楕円形か、などの形状的な偏りを示す指標(例えばアスペクト比)。
表面テクスチャ:表面の滑らかさや粗さを反映した特徴。
凸性:粒子が凸形かどうかを示す指標。
輪郭の複雑さ:フラクタル次元などを用いて輪郭の複雑さを計算。
膜の厚みや密度
上述した特徴量の細胞外小胞の統計的なバラツキ
上述した特徴量のサイズ依存性
付着物質

例えば、硬さ、柔らかさは反発係数として物理的に現れてきますから
沈降のプロセスで人工物と多く衝突させることで
それによる速度差によって
硬さ、柔らかさに応じて細胞外小胞を分離出来る可能性があります。

上の5つの次元の対策について、一つ一つ説明していきます。

(1D)タンパク質特異性:発現量の多い対タンパク質の装飾
 

2024年9月29日日曜日 0 コメント

細胞種特異的細胞外小胞分離技術のiPS細胞技術再生医療と遺伝子医療の評価への貢献

細胞種分解能で細胞外小胞を分離できるようになったら
評価という意味でいくつかの先端的医療に貢献できます。
その具体的な方法を示していきます。
その方法は
(DT1)遺伝子的バーコーディングと
(DT2)結合親和性バーコーディングです。
後者(DT2)は、多分、リスクがあると判断されると思いますが、
それは先入観も含まれます。
下にそれについて、詳細に説明しますが、
これができるようになると非常に便利です。
(DT2)の結合親和性バーコーディングは
細胞種特異的細胞外小胞の
高精度な分離手順と高度に関連、紐づきます。

多分、今日述べる事の一部は
昨日(9/28)の私の記事を読まれていたら
ハーバード大学の先生方は
絶対に既に気付いている事だと思われます(2)。
多分、それは日本の先生も同じだとおもいます(3)。
しかし、(DT2)はないと思う。


iPS細胞技術で脳、心臓、肺、肝臓、腎臓、消化器、骨、骨格筋。
これらの組織、臓器をその人の細胞の時計を戻して、
より状態の良い若い細胞で書き換えていく事をします。
そうした臓器書き換えがどういったプロセスで生じるか?
それについてはわかっていません。
おそらく人ではできないので、
マウス、ゼブラフィッシュ、あるいは豚などで
行う事が前実験としてあると思われます。

臓器を書き換えていくプロセスで
iPS細胞技術由来の細胞を追跡可能な形でマーキングする事を考えます。
わかりやすくいうと
「これが書き換えた細胞だよ。と印をつける。」
ということです。
それを最終的に人から継続的に採血する事によって、
どういった細胞種、量で書き変わっていくかを確認できるようにします。
その印は「識別可能な遺伝子配列(バーコーディング)」
これが一つの有力な候補です。
分化、増殖を経ても高度に保持されるDNAの
miRNAコーディング領域があります。
実際にmiRNAは特定のDNA配列をコピーして産生されます。
従って、miRNAの配列はDNAの特定の配列を引き継ぐことになります。
(参考文献(1) Fig.1)
従って、iPS細胞技術の初期化プロセスの中で
分化前の初期の段階で高度に保持されるDNAに
miRNAに転写される領域内で識別可能な特異的な配列になるように
遺伝子改変を加える事で、miRNAに識別可能な特異的な配列が転写されます。
そのmiRNAはエクソソームに搭載されるため、
そのエクソソームを細胞種特異的に分離する事で、
そのmiRNA依存的にiPS細胞由来の細胞を永続的に追跡できます。
これは(DT1)遺伝子的バーコーディングの手順です。

では、(DT2)結合親和性バーコーディングとは?
これは、最終的に細胞種特異的に細胞外小胞を分離する過程で
高い確率で結合親和性で細胞外小胞を高精度に分離する事をします。
従って、予め、
特定の識別可能な結合親和性をもつ細胞外マーカーが
発現するようにiPS細胞のDNAの配列を書き換えるという事です。
例えば、高度にエクソソームに発現される
テトラスパニン、インテグリン、コネクソンなどがあります。

もう少し具体的かつ詳しい説明が必要でしょう。
例えば、
細胞外小胞をインテグリン-細胞外マトリックス依存的に
沈降させ、分離するプロセスを考えます。
その時に沈んだ後、一定の結合親和性で乖離する
物理的、化学的、機械的ストレスで結合を解消させ
結合親和性依存的に分離するプロセスが想定されます。

バーコーディングを含めて考えると
このプロセスを成立させる事は非常に重要です。

例えば、インテグリンと細胞外マトリックスの
結合親和性(Kd:The equilibrium dissociation constant (Kd))
10^-6 - 10^-8 M
これが一定の条件で最適化された細胞外マトリックスに対する
「自然な」インテグリンの結合親和性の範囲がこれくらいだとします。
これは、「仮の」の値です。

それに対して Kd = 10^-2 - 10^-4 or 10^-10 - 10^-12
このように「通常ではありえない」結合親和性を持つ
インテグリンをインテグリンDNA配列部位に対して
遺伝子改変を行う事でできるようにします。
もちろん、これはいくつかのリスク、チャレンジ(困難性)があります。

インテグリンは非常に細胞生物学上、重要な細胞接着分子のため
こうした構造改変は機能に影響を与える可能性があるため、
細胞の機能を異常にしてしまう可能性があります。
ただし、特定の細胞外マトリックスに対して
そうした結合親和性の改変を加える事が必ずしも
全体的な細胞の健康に大きく被害を与えるとは限りません。

もう1つのチャンレンジはDNAの遺伝子配列が1対1で
インテグリンの高度な3次元構造と一致しないという事です。
転写因子多様性やチャペロンなどを含めた3次元折り畳み因子によって
遺伝子配列とは独立の構造制御因子がある事です。
従って、DNAの遺伝子配列を任意の変えたとしても
それが、インテグリンの狙いの構造、結合親和性を保証する
ことにはならないということです。
しかし、これも実験しないことにはわかりません。

では、遺伝子コーディングがあるのに
なぜ、結合親和性コーディングなど難しいことを
あえて挑戦する必要があるか?
その付加価値は一体どこにあるのか?

それは、もし、表面タンパク質の結合親和性によるコーディングができたら
細胞種特異的分離技術のプロセスそのもので識別が可能になる事です。
すなわち、遺伝子コーディングで必要となる
細胞種特異的分離技術の為の表面マーカーの
バックグランド、参照データを必要としなくなる
ということがあります。
その表面タンパク質を頼りに追跡することができます。
これができるようになることは
この技術において非常に重要なことです。
私たち(少なくとも私は)この可能性がある事
すなわち、結合親和性コーディングを
常に頭に置いておく必要があります。

但し、細胞種によって当然、発現されるインテグリンの型が異なるし
転写因子も異なるので、上の方法は全ては網羅できない可能性が高いです。
そもそもiPS細胞で臓器形成していく過程は
いろんな細胞種に分化して、勢力を増していく事を考えると
当然、その過程の中でインテグリンはDNAと独立した形で
発現量、3次元構造を変える可能性があるからです。
しかし、
臓器介入を行う場合において、色んなケースが考えられるため
特定のケースではこれが成立するかもしれません。

この記事では、
結合親和性でバーコーディングする方法が存在する。
これを目指す価値は確かにあるという事は述べたい。

iPS細胞技術を使った再生医療では
iPS細胞技術を使って若い細胞に書き換えた細胞を識別して
追跡したいという事があります。
どのようにその若い細胞種が勢力を増して
組織、臓器を書き換えていくかを知る事は重要です。
こうした知見は、おそらく今は存在しません。
なぜなら、iPS細胞技術ができて、
まだ数十年も経っていないことと
再生した臓器を生体内で評価する手法が
おそらく確立していないからです。

この評価ができるようになると、
将来的に人に対して組織、臓器を生体内で
制御、確認しながら書き換えていくことが可能になるかもしれません。
当然、液体生検によるバイオマーカーは
視覚的な情報は得られませんから、
確かに存在する需要として、「視覚的に確認したい」ということがあります。
それも可能になるかもしれません。

具体的には
細胞種特異的細胞外小胞分離技術で
iPS細胞技術で書き換えた細胞から発現される
細胞外小胞を特定できるようになります。
その細胞外小胞には、膜タンパク質の情報がありますから、
高度な技術を要しますが、
その膜タンパク質情報に基づいて視覚的な追跡を試みます。

例えば、磁気共鳴分析で識別可能な
赤血球、血小板、白血球、
それと複合体化した細胞外小胞を設計します。
例えば、
細胞膜を重水素、細胞内の水を重水に変えます。
その複合体は
事前にiPS細胞技術によって同定した
細胞種の膜表面に含まれる膜タンパク質に対して
非常に高い結合親和性を持つ膜タンパク質が装飾されています。
従って、生体内でその細胞種に強く引き付けられます。
その赤血球-細胞外小胞複合体の
生体内の濃度分布、リアルタイム追跡によって
視覚的に確認するという方法です。

こうした循環器を通る細胞は
組織内に張り巡らされる毛細血管にも滲出するため、
ある程度は組織内の情報も取る事が出来きます。
しかし、
循環器から遠い上皮組織、内腔の情報は
この方法では少し難しさがあるかもしれません。

ただ、視覚的な確認の中で、
私が広島大学、東京大学と開発する(したい)
磁気共鳴分析/全頭部固定集束超音波装置の
重水、重水素を使った濃度分析、追跡技術が
将来的にiPS細胞の再生医療の評価に役立つ可能性があります。

その可能性を含めると最終的に
複数の重要な目的を果たせるため
重水、重水素を使った濃度分析、追跡技術は
ここで説明したことも含めて、
出来た時の付加価値をしっかり訴求しながら
一時的な結果に振り回されず、
持続的に、あきらめずに開発していく必要があります。


iPS細胞の分化技術以外にも
Crispr Cas9などの遺伝子改変が
「実際にどの細胞で生じたか?」
その確認を行う事も可能です。

例えば、Crisper Cas9など遺伝子改変媒体と同時に
遺伝子バーコーディングした識別可能なmiRNAを入れます。
それによって
遺伝子改変が確かに細胞内で生じたという証拠は得られませんが、
その媒体が確かにその細胞種に送達された。
この事は確認できます。
すなわち、miRNAをエクソソームで分離して
検出する事で、どの細胞種に送達されたかの確認が可能です。

では、実際に遺伝子が書き換えられた。
それを確認するにはどうしたらいいでしょうか?
1つは
Crispr Cas9で遺伝子改変した時の
物質的、幾何学的、電気的機能が
分泌される細胞外小胞に特異的に搭載されれば、それが可能になります。
但し、遺伝子改変した機能が特異性を持って
細胞外小胞に必ずしも搭載されるとは限りません。

もう1つは「AND」の機能です。
すなわち、Crispr Cas9で遺伝子改変するためには
「AND」として、エクソソームで識別可能な
miRNAのコーディング領域も遺伝子改変する必要があるシステムです。
その「AND」の機能を含めるためには
gRNAとプロモーターなどを最適化する必要があります。

遺伝子改変が人の身体の中で
どういった細胞種で実際に生じているか?
オフターゲットなども懸念されるので、
本当に変えたい細胞だけ、特定の遺伝子改変を行い、
それをリアルタイムで評価できるシステムを構築する事は、
遺伝子治療の可否に関わる根本的な事なので、
この細胞種特異的細胞外小胞分離技術は
遺伝子治療の評価において非常に重要になる可能性があります。


(参考文献)
(1)
Julia Winter, Stephanie Jung, Sarina Keller, Richard I. Gregory & Sven Diederichs
Many roads to maturity: microRNA biogenesis pathways and their regulation
Nature Cell Biology volume 11, pages228–234 (2009)
(2)
Jocelyn Y. Kishi, Ninning Liu, Emma R. West, Kuanwei Sheng, Jack J. Jordanides, Matthew Serrata, Constance L. Cepko, Sinem K. Saka & Peng Yin
Light-Seq: light-directed in situ barcoding of biomolecules in fixed cells and tissues for spatially indexed sequencing
Nature Methods volume 19, pages1393–1402 (2022)
(3)
Erica Carolina, Yoshiki Kuse, Ayumu Okumura, Kenji Aoshima, Tomomi Tadokoro, Shinya Matsumoto, Eriko Kanai, Takashi Okumura, Toshiharu Kasai, Souichiro Yamabe, Yuji Nishikawa, Kiyoshi Yamaguchi, Yoichi Furukawa, Naoki Tanimizu & Hideki Taniguchi
Generation of human iPSC-derived 3D bile duct within liver organoid by incorporating human iPSC-derived blood vessel
Nature Communications volume 15, Article number: 7424 (2024) 

2024年9月28日土曜日 0 コメント

細胞種特異的細胞外小胞分離技術の本当の付加価値

薬物送達学、ドラックデリバリーシステム(DDS)において
これらの学問は、その名の通り薬物の送達、
すなわち、
患者さんに薬を処方、投与した時の
病変部位までのどのような機序で届くのか?
また、届いた薬剤がどのように細胞内に入り、薬効を示すのか?
こういったダイナミクス、動的機序を考えることが中心です。
一方で、
まだ現時点で、少なくとも活発に
議論、研究されていないことがあります。
それが「薬物送達の評価」です。
言い換えると
「投与した薬。本当に病気の細胞のに届いていますか?」
「届いているなら、どれくらいの効率ですか?」
この動的機序を確認する事です。
この評価は薬物送達学の理念からすると本質的な事の一つであり、
このダイナミクスを追究する最も関連性の高い学問が
薬物送達システム、ドラッグデリバリーシステムです。

しかしながら、これを評価する事は容易ではありません。
考えられる方法は二つあります。
1つは、MRI、超音波、CTなどの画像診断(視覚的な診断)によって確認する事。
もう1つは、細胞外小胞などのプロキシ(代理)マーカー
これについて確認する事。
これらがあります。

今日は、細胞外小胞によるプロキシマーカーによっての確認。
これのモデルについての提案と、
細胞種特異的細胞外小胞がもたらす付加価値を創案します。
これらは、本日、初めて公開することになります。


(細胞外小胞による確認方法)
細胞外小胞による確認は、薬物が本当に目的の細胞種に届いたかどうか?
そのマーカーとなる体の中にほとんど存在しない
後で識別可能な人工的な物質(DNA、RNA、タンパク質、脂質など)。
これを遊離物質、複合体物質、細胞外小胞キャリア。
これらによって病変部位まで届けます。
その物質が本当に目的の細胞種まで届き、
細胞質に分布する事が出来たら、
その細胞質の物質として、また、
エクソソームやエクトソームなどの細胞外小胞の中に
それらの物質が含まれる機会があります。
従って、これらの識別可能な人工的な物質が
実際に細胞外小胞に含まれやすいような構造である必要があります。
例えば、エクソソームに入れたい場合は
ESCRTやテトラスパニンと結合性を持ちながら、
かつ、身体の中にはほとんど存在しない人工的な物質を入れます。

ここで、私が実施する
細胞種特異的細胞外小胞分離技術が役に立ちます。
すなわち
この分離技術で細胞種特異的に、細胞種解像度を持って
細胞外小胞を分離できます。
病変部位の標的細胞種から放出される細胞外小胞の中に
この人工的なマーカー物質が含まれているかどうかを解析することで
投与した物質、複合体物質、
(薬物キャリアとしての)細胞外小胞が
本当に病変部位の細胞種に届いているか?
それを病変部位の細胞種が放出する細胞外小胞と
人工的に設計したマーカー物質を代理(プロキシ)として評価できます。

送達効率を測るためには定量しないといけないので、
比較対象を定めて、定量するか?
代理マーカーの絶対的な数で定量するか?
よく考えてシステム設計する必要があります。

いずれにしても、
細胞種特異的細胞外小胞分離技術は
この細胞種特異的薬物送達システムの評価において
最も大切な項目として位置づけられる
「本当に病変部位に薬物が送達されているか?」
そのプロキシマーカーを通じての評価技術として
一つの最有力となるものです。

従って、この可能性、他の可能性も考えると
この細胞種解像度を持った非常に高い精度の
細胞外小胞の分離技術は「絶対に」成功させる必要があります。
実験して、「想定外の事」が起こるかもしれませんが、
少なくとも私は「あきらめないで」
達成できるまで実施し続けなればいけない最重要の技術です。

当然、私はこれを小児脳腫瘍のために行います。
患者様から脳腫瘍の組織を頂いて
その癌細胞から
細胞自身の表面マーカー、膜、内容物
あらゆるサイズの細胞外小胞の表面マーカー、膜、内容物
これらを余すところなく多元的に評価して、
物質としてのバックグラウンド、参照データを構築します。
それに加えて、
後で、AI(人工知能)で画像データから推論できるように
以下に代表される特徴量を含め
その定義の為の強化学習、推論テストを行います。

(特徴量)
サイズ:粒子の直径や長さ(例えば、ナノ粒子追跡法で得られるサイズ分布)。
形状の均一性:球形か楕円形か、などの形状的な偏りを示す指標(例えばアスペクト比)。
表面テクスチャ:表面の滑らかさや粗さを反映した特徴。
凸性:粒子が凸形かどうかを示す指標。
輪郭の複雑さ:フラクタル次元などを用いて輪郭の複雑さを計算。
膜の厚みや密度
上述した特徴量の細胞外小胞の統計的なバラツキ
上述した特徴量のサイズ依存性
付着物質

こうした人工知能によって後で
画像データからオートメーション(自動)で
脳腫瘍細胞外小胞の「確からしさ」を評価できるシステムを構築します。

これは当然、脳腫瘍の患者(お子さん)の
癌細胞の物質的な特徴を包括的に分析して
それを診断、病理解析、治療に生かす事ができます。

他方で、こうしたバックグラウンドデータは
上述した構想、方法、手順で
私が提案している磁気共鳴分析による画像診断とは違った様式で
薬物、薬物キャリア(細胞外小胞など)が
本当に病変部位の細胞種に届いているか?
それを代理マーカーを通じて確認する事にもつながります。

従って、私のプロジェクトにおいて中心である
(s)細胞種特異的薬物送達システム
(*)高精度細胞外小胞分離技術による個別化医療
これら両方に
共通の技術資源で貢献する事になります。
バックグラウンド参照データを取る事は
少なくとも多くの人的、時間的、経済的資源を要しますが、
細胞種特異的薬物送達システム、
高精度細胞外小胞分離技術による個別化医療。
これらの付加価値は膨大なので、
それをペイするだけの十分なリターンは保証されます。
従って、その前提条件、
すなわち、この分離技術が基本的なところで成立するか?
それについて実験を早期に初め、立証する必要があります。
しかし、ここで宣言しますが、
そこで仮に予想外の事が起き、
今のままではできそうにないとなったとしても、
その一時的な結果で
私がこの技術の取り組みを辞めることはありません。
それだけ私の人生において重要な技術であるという事です。

この人工物質、細胞外小胞をプロキシとした
薬物送達評価技術は、まさに今、思いついて、
急遽、今日の予定を書き換えました。

細胞種特異的、細胞種解像度をもった
細胞外小胞の分離技術が本当に可能になった時、
それによって今までできなかったどのような事が可能になるのか?
その可能性については、
色んな先入観を取っ払って、ゼロベースで
私を含めた利害関係される方が
広範なバックグラウンド、知識、知恵をもって考える必要があります。
私も、今日から、また
その利用可能性についてよく考えていきます。

今、それについてOpen AIに聞いてみます。
あまりいい答えはありませんでした。

(iPS細胞技術との融合)
例えば、iPS細胞技術が目指すものと付加価値を共有できないだろうか?

iPS細胞技術は患者さんの病態を再現できるので
多くの病態を再現した細胞を培養して
色んな薬をランダムに作用させて
効果のある薬剤をスクリーニングできます。

当然、その薬剤には薬理があります。
どういった細胞内機序を誘導したら
脳腫瘍の癌細胞を死滅させる事ができるのか?
その一つの答えをスクリーニングで得られます。

iPS細胞技術で患者さんの病態を再現するときに
その細胞から当然、細胞外小胞が放出されます。
その細胞外小胞と
実際に液体生検から分析した
病変部位解像度で高精度に分離した細胞外小胞を
物質的、幾何学的に「比較する」ことで
iPS細胞技術で病態を再現した癌細胞が
患者さんに残存している癌細胞と
どれくらいマッチ、整合しているかを
細胞外小胞を代理マーカー、プロキシとして評価できます。

もし、この一致度が高いと、
あるいは、この一致度が高くなるような
培養条件が見つかれば、
あるいは数あるiPS細胞の中から
一致度が高い細胞を見つける事ができたら、
原理的に、残存した細胞を細胞外小胞のマッチングを仲介して
iPS細胞技術で得られることになります。
そうすると
それに対して薬剤スクリーニングしたら
実際に患者さんに投与する前に
残存した細胞に対して体外で薬効を確かめることができます。

言い換えると
iPS細胞技術と細胞種特異的細胞外小胞分離技術を組み合わせる事で
患者さんの残存病変の「細胞そのもの」が
体外で得られるということです。
これは別に病変部位だけに限りません。
人、もっといえば生物の身体の中のあらゆる細胞種に
敷衍的、普遍的に適用可能です。

細胞種特異的細胞外小胞分離技術は
iPS細胞技術によって作り出した細胞が
本当に患者さんの身体の中のあらゆる細胞と一致しているか?
この評価に使う事が出来る可能性がある。
これが細胞外小胞をプロキシとして行う事で
逆に、その整合度を高くするためには
どうやってiPS細胞技術を使って各細胞に分化すればいいか?
そのプロセスの最適化、そのものに関与します。
当然、身体の中の細胞と
体外で培養した細胞は
免疫的、内分泌的、機械的、細胞間
これらの相互作用が異なりますから
完全に再現する事は難しい部分があります。
しかし、それは私の想像であり、正しくないかもしれません。
少なくとも細胞外小胞の一致度を見る事で
その確からしさを評価できる可能性があります。

これ、iPS細胞技術を使った再生医療にも生かせませんか?

例えば、iPS細胞技術で生み出した細胞種をラベリングします。
このラベリングを物質でする場合には、
その物質は体にとって無害であるという事は事前確認されます。
この物質は細胞外小胞にカーゴされやすいような特性にしておいて、
常に、iPS細胞技術で生み出した細胞の痕跡を
このラベラー物質と細胞外小胞で追跡します。
それによって体内で、どういった分化、増殖、生着の
時間的な軌跡、軌道を描いているかを確認します。

それによって、心臓、肺、腎臓、肝臓、消化器、脳
あらゆる組織において、
体内でiPS細胞誘導で臓器再生するときに
うまく安全な形で、持続される形で
物質によるラベリングができたら、
iPS細胞由来の細胞が
どういった分化、増殖、生着過程を経て
身体の中の組織を新たに書き換えていくか?
それを細胞外小胞でずっと追跡する事ができる可能性があります。





 

2024年9月27日金曜日 0 コメント

なぜ、私は細胞外小胞分離技術に注力するのか?

細胞外小胞の分離技術はS/N比10^7-10^8、
これくらいの感度を目指しますが、
これは微小残存病変を想定した
組織として非常に小さなものを想定した感度です。
実際にはこれよりも数桁落ちたとしても
それでも劇的な改善です。
これができるとなると
生物学、薬学、医学、医療において
私は利用の仕方をちゃんと最適化すれば
地味なことだけど、劇的な影響を与えると考えます。

私は小児脳腫瘍に焦点を当てているため、
基本的には脳腫瘍の治療のためにどうすればいいか?
それを考える事が中心ですが、
ここでは、違った疾患に対する価値について考えます。
といっても、ほんの少しの考察です。

例えば、主に高齢期で生じ、
日本を始め、世界の平均寿命が延びて、
同時に出生率が下がった時に問題となる
アルツハイマー病、パーキンソン病、
それらと独立ではないですが認知症。
これら、高齢期に好発する脳神経系変性疾患があります。
医療資源、
それを経済的、体力、精神的にも支える
特に若い世代に対しての社会問題も想定されます。
すなわち、単に医療の問題だけではないということです。
少し、口語的に言い方を変えると
「その重い負担を誰が支えるんだ?」
「それ、私たちの子供の世代だぞ。」
ということです。
ジリジリと、徐々に静かな有事として
この問題が大きくなります。

今の時点であまり明言しないです。
今日はきっかけがあったので(4)、
私の頭の中にある事の一部をこの記事で説明します。

当然、小児脳腫瘍は脳神経系のがんなので
それに対して開発していく医療技術、医療システムは
脳神経系に高い親和性を持つ事になります。
例えば、
磁気共鳴分析/全頭部固定集束超音波装置の開発は
主に脳神経系の組織を観察したり、
あるいは、脳神経系の病変を治療するためのものです。
これは、上述した疾患、精神疾患を含め
脳神経系の疾患に広く適用可能です。
例えば、
超音波で特定の脳神経を刺激する事は
すでに治療として提案されています。
私の技術の中で非常に重要な項目です。

もう一つ、私の技術の中で最重要なのは
細胞種特異的な、細胞種解像度を持った
非常に高い選別性を有する細胞外小胞分離技術です。
これを高次元の分離方法で実現させる事を考えます。
考え方、方法としては比較的シンプルなので
低中所得国でも、うまくいけば普及する可能性があります。

この細胞種特異的薬物送達システムは
少し大げさですが、私の人生そのものです。
私の生涯、切って離せる技術ではないということです。
従って、一番の思い入れがあるということです、
本当なら、この技術を最優先でやるのが筋ということになります。

しかし、私は、技術して
言い方は悪いですが「泥くさい部分も含む」
細胞外小胞の分離技術を最優先、最重要として定めています。
少なくとも科学技術として、全然、華々しくはないです。

なぜだと思われますか?

出来た時に、私の中では総合的に考えて
医療、社会、産業、安全保障(公衆衛生)あらゆる意味で
一番、早く、広範に付加価値をもたらすことができる技術だからです。
本当は個人的な思いとしては
細胞種特異的薬物送達システム。
これを最優先にしたいけど、
技術としても共通な部分もあるし、
分離技術を先にやるべきだという結論になっています。

この分離技術は私の取り組みとしては
脳神経系の小児脳腫瘍の
診断、(病理)分析、(個別)治療のために行います。
具体的には、脳神経系の病変部位、構成される細胞種からの
細胞外小胞を超高精度に検出する事を目指します。
脳神経系の細胞外小胞の循環器滲出は
血液脳関門があるので少し特別な要素があります。
従って、この先行した研究開発、そして産業化は
上述したような社会問題にもなりうる
脳神経系の神経変性疾患や精神疾患の
同じような診断、(病理)分析、(個別)治療に生かす事ができます。
より具体的には
アルツハイマー病のアミロイドβを細胞外小胞から取得し、
今までよりもさらに高感度に分析することができます。
バックグラウンドの参照データとして
アルツハイマー病の病理をもつ神経系細胞の
表面タンパク質(糖も含む)マーカーをある程度、特定して
それを標的にして、
脳腫瘍と同じような手順で
病変部位の細胞種特異的な細胞外小胞分離技術を行い、
精製された病変部位特異的な物質を
内容物、膜、表面物質にわけて
マルチオミックス解析をすることで、
非常に高度な診断、病理分析、個別治療を提供できる可能性があります。
こういった方法(Methods)、手順(Protocol)は
小児脳腫瘍とほとんど共通なので、
一旦、個人の患者さんに適用できるような
装置処理能力の向上、人的労力、コスト低減。
これらのシステムを構築すれば、
それは他のあらゆる疾患に多く適用可能ということです。

このシステムを有効に構築するため
私も主要に関与して
別で医療機関に対してサービスを提供する法人を立ち上げてもいいです。
最終的にデータに基づいて薬の提案を先生(医師)にするまでの
手順を完全に病院ごとわけてするよりも
特定の法人がすべてそこまでを請け負って、
責任を持ってサービスとして集中的に行う。
私は、どちらかというとそういうシナリオが現実的であると考えています。
当然、今の私の頭の中にも素案として、
ラージ言語モデルを含めてどういう風に人工知能を使い
それに対して、結果出力したいかというのがあります。

今、重要な情報としてValeria Governa先生らが報告してる
グリオーマ(膠芽細胞腫:GBM)の
人の細胞由来のSurfaceomeの論文を観ています(4)。
背景の所では、細胞の表面を標的にした現在承認された薬剤は
おおよそ2/3(67%)にあたるとされています(7)。
抗体薬物複合体も含めた抗体薬剤も含まれます(5,6)。
これだけ承認される(全体の67%)という事は
臨床で確かな効果があるという統計的な示唆です。
表面タンパク質は細胞種特異的薬物送達の基本的概念にもあるように
薬物送達のための標的としても利用できるし、
例えば、細胞接着分子では様々なアダプタータンパク質、細胞骨格を
細胞内で引き付ける為、
細胞接着分子の結合による配座などの変化は
そうした物質を介して、細胞の機能に関わる細胞内経路を誘導します。
従って、
標的としても利用できるし、
結合した時の細胞内機能の制御にも関与できるという事です。
逆言えば、それがあるからこそ
表面マーカーを標的とした薬物も薬効を示すということです(5,6)。

従って、細胞表面にある物質を包括的の評価する事は大切ですが、
個別の患者さんに対して組織取得して分析する事には限界があります。
でも、そういう課題を取っ払った状態で
潜在的にある個別医療の需要には
表面タンパク質が重要なのであれば、
それぞれの患者さんに対してリアルタイムで
病変部位の様々な細胞種の表面タンパク質を分析して
それを標的として定めたいという事があります。

確認ですが、この分離技術とは関係なく
確かに需要としてありますよね?

でも、組織を都度、あらゆる患者さんに対して
とても取得できないから、現実的にはできません。
数少ない脳腫瘍のSurfaceomeの報告も
マウスや人のケースですが、
実際に人の身体の中の環境で生育した病変細胞ではありません。
特殊な細胞株で任意の条件で培養した細胞です(4)。

人の身体の中では免疫細胞による免疫的作用
細胞外マトリックスによる機械的作用(8)
代謝物質、細胞外小胞による内分泌的作用
細胞同士の相互作用(組織的作用)
いろんな影響を受けて、
細胞は表面タンパク質を調整しています。
従って、分析されたSurfaceomeの結果は
条件によって異なる可能性があるし、
患者さんによっても異なるし、
もっといえば、1人の患者さんでも毎日変化しているかもしれません。

そうした中で正確性にはある程度、限界がありますが、
それでも患者さんごとリアルタイムに
病変部位の表面タンパク質を高精度に分析出来たら
こうしたケースよりも正確性は上がると考えられます。

確かに細胞外小胞では細胞全体の情報は取れません。
例えば、高度に組織的に保持された
細胞核にある染色体の情報を取る事は難しいです。
しかし、
あらゆるサイズの細胞外小胞を特異的に分離すれば、
リアルタイムで、患者さんごと、
病変部位の細胞の物質の「一部」を分析する事ができます。

もちろん、難しさはある。
例えば、循環器で関係のない物質を付着させたり
取り込んだりします。
そうしたのは全てノイズであり
それをどうハード、ソフト(データ処理(9))で除去するか?
そうした課題は確かにあります。
しかし、これは多分、乗り越える事はできます。

例えば、細胞外小胞の膜情報は
元々はそれは細胞内の膜ですから
エンドソーム、細胞膜の2重脂質膜の情報そのものです。
表面タンパク質も同様。
内腔の内容物は細胞質にある物質です。

非常に高精度に分離する技術がもし成功すれば、
単に、今までのように病気があると診断するだけではなく、
病変部位にある細胞種の細胞の情報を
特異的に分離して分析するチャンス、機会が与えられるという事です。
しかも、その手段は液体生検、
すなわち血液、尿、(高度化すれば)唾液で可能です。
組織取得よりも極めて現実的な方法で
リアルタイムの患者さんの情報を得られる可能性がある
ということです。

私が行おうとしていることは
個別の患者さんに対して医療現場でそれが機能するような
システムを組むことを開発する事です。
非常に精度の高い分離技術を開発したとしても、
その物質情報を分析する能力(装置能力、コスト、情報処理能力)。
これらがなければ、私たちの努力の半分は無駄になります。
だから、同時にやらないといけない事は
そうした一連の分析がその時の資源で実現可能で、
その分析に対して有効な結果を出力するシステムの構築です。
それを、個別の医療機関の医師を始めとした
医療スタッフに届けるという事です。

当然、私の対象疾患は小児脳腫瘍なので
それに対してこうしたシステムが機能するように動きますが、
説明からわかるように、
これは小児脳腫瘍にしか当てはめる事の出来ない
システムではありません。
方法と手順からして、全ての疾患に適用可能です。

ただ、今わからない事の一つとして
細胞外小胞だけからの情報で、
どこまで正確に病変部位の細胞種の情報を分析できるか?
その前提に対する不確定性は残ります。
それに対しても、より有効になるように
「あらゆるサイズ」
「あらゆる小胞の物質(表面物質、膜、内容物)」
これらを分析対象とすることで
その限定性の程度を緩和するということです。

展望として確かな潜在性はあるものの、
この事も含めて、実際にシステムとして
どれくらい有効に機能するかはわかりません。
従って、
それを私は優先的に検証するということです。

同時にこれは医療だけでなく
環境、食品、安全保障(主に感染症、パンデミック)。
これらにも関わります。

技術として地味で、華々しくはありません。
沈んでいく物質を分けるだけです。
一流の科学雑誌に掲載されるような技術ではありません。
でも、だからこそ、シンプルで普及可能ということです。
高尚な設備を必要としないかもしれません。

細胞種特異的薬物送達システムを超えて、
なぜ、私が最も注力して分離技術をするのか?
私が本当に医療のことを強い思いを持って考えているからです。
言い換えると
私の独自の技術を成立させるよりも
運悪く難しい疾患を抱えた人たちの命を救い、
その人の幸せの一部に貢献する事のほうがずっと大事です。
素直に私の頭の中にある技術を俯瞰した時、
この地道な分離技術が一番大事である。
その判断によるものです。

ただし、私は今は「頭の中」「文章」だけで考えています。
実際に実験、検証するとなると状況には必ず相違があります。
血液中の細胞外小胞を1ppmの精度で特異的に分けるという事は
はっきりいって「むちゃくちゃな」目標です。
これの難しさは細胞外小胞を実際に扱っている人は
私以上に知っていることです。
従って、
日本政府も含めて、
「できる」という前提で考えてもらっては困ります。
また、私が想定している付加価値が
何らかの理由で出せないかもしれない。
でも、今は、
非常に限られた情報の中で知恵を絞って
何とかできるように考えている段階です。
文章を読むとあたかもできるように錯覚するかもしれないですが、
まだ、実験の一つもしていないということです。
それが絶対的な事実です。


(参考文献)
(1)
Andres Cubillos-Ruiz, Tingxi Guo, Anna Sokolovska, Paul F. Miller, James J. Collins, Timothy K. Lu & Jose M. Lora 
Engineering living therapeutics with synthetic biology
Nature Reviews Drug Discovery (2021)
(2)
Jingjing Gao, Ziting (Judy) Xia, Swetharajan Gunasekar, Christopher Jiang, Jeffrey M. Karp & Nitin Joshi 
Precision drug delivery to the central nervous system using engineered nanoparticles
Nature Reviews Materials volume 9, pages567–588 (2024)
(3)
Melanie Generali, Yoshihiko Fujita, Debora Kehl, Moe Hirosawa, Maximilian Y. Emmert, Jun Takahashi, Simon P. Hoerstrup & Hirohide Saito
Purification technologies for induced pluripotent stem cell therapies
Nature Reviews Bioengineering (2024)
(4)
Valeria Governa 1, Hugo Talbot 1, Kelin Gonçalves de Oliveira 1, Myriam Cerezo-Magaña 1, Anna Bång-Rudenstam 1, Maria C Johansson 1, Ann-Sofie Månsson 1, Karin Forsberg-Nilsson 2, György Marko-Varga 3 4 5, Julio Enríquez Pérez 6, Anna Darabi 6, Johan Malmström 7, Johan Bengzon 6 8, Charlotte Welinder 1, Mattias Belting 9
Landscape of surfaceome and endocytome in human glioma is divergent and depends on cellular spatial organization
Proc Natl Acad Sci U S A. 2022 Mar 1;119(9):e2114456119.
(5)
Izuma Nakayama, Changsong Qi, Yang Chen, Yoshiaki Nakamura, Lin Shen & Kohei Shitara
Claudin 18.2 as a novel therapeutic target
Nature Reviews Clinical Oncology volume 21, pages354–369 (2024)
(6)
Manish A. Shah, Kohei Shitara, Jaffer A. Ajani, Yung-Jue Bang, Peter Enzinger, David Ilson, Florian Lordick, Eric Van Cutsem, Javier Gallego Plazas, Jing Huang, Lin Shen, Sang Cheul Oh, Patrapim Sunpaweravong, Hwoei Fen Soo Hoo, Haci Mehmet Turk, Mok Oh, Jung Wook Park, Diarmuid Moran, Pranob Bhattacharya, Ahsan Arozullah & Rui-Hua Xu
Zolbetuximab plus CAPOX in CLDN18.2-positive gastric or gastroesophageal junction adenocarcinoma: the randomized, phase 3 GLOW trial
Nature Medicine volume 29, pages2133–2141 (2023)
(7)
Damaris Bausch-Fluck 1 2, Ulrich Goldmann 1, Sebastian Müller 1, Marc van Oostrum 1 2, Maik Müller 1 2, Olga T Schubert 1, Bernd Wollscheid 3 
The in silico human surfaceome
Proc Natl Acad Sci U S A. 2018 Nov 13;115(46):E10988-E10997. 
(8)
Bailong Xiao
Mechanisms of mechanotransduction and physiological roles of PIEZO channels
Nature Reviews Molecular Cell Biology (2024)
(9)
Shuping Zhao, Bob Zhang, Jian Yang, Jianhang Zhou & Yong Xu 
Linear discriminant analysis
Nature Reviews Methods Primers volume 4, Article number: 70 (2024) 

2024年9月26日木曜日 0 コメント

細胞種特異的細胞外小胞分離、目標精度(1ppm)達成の為の1次素案

細胞種特異的細胞外小胞分離技術において
最終的に1ppmの精度で
癌細胞由来の細胞外小胞だけを分離する事を目指します。

これを達成するためにはS/N比をどれくらいにしなければならないか?
単純にS/N比が1 * 10^6だと1ppmの精度での癌細胞の検出はできません。
これよりも少なくとも1桁、2桁大きいS/N比が必要です。

脳腫瘍のSurfaceomeのデータを見ると
最大で50倍程度の発現量の差なので(1)、
この程度の差ではS/N比で7桁程度の差を持って
分離する事は到底できません。

従って、分離の次元を上げる必要があります。
基本的に、今、1次評価の時点で
私の中の頭の中にある素案では5つです。

(1D)タンパク質特異性:発現量の多い対タンパク質の装飾
(2D)結合力特異性
(3D)組み合わせ「AND」;タンパク質構造/結合力
(4D)重さ特異性:沈降速度
(5D)細胞外マトリックス-インテグリン仲介沈降

これらです。
(1D)タンパク質特異性はSurfaceomeで
エクソソーム発現量の多いタンパク質を特異的に選択します。
それで沈降媒体と2量体化させ
沈降速度の違いで分離します。

それに対して
(2D)結合力特異性は結合力の差を利用します。
(1D)で2量体化したタンパク質を
物理的、化学的な最適化されたストレスで分離させ
それによって劇的に精度を高めます。
これで精度が補償される可能性があります。

もう1次元、工夫の余地があります。
それで精製されたタンパク質を一度、乖離して
別のマーカータンパク質で、もう一度、
2量体かさせ、沈降させます。
Surfaceomeで発現量の最も多い次の2番目のマーカーでも構いません。
そうすると2つのマーカータンパク質の「AND」となるので
その信頼性が高まります。
これが(3D)組み合わせです。
それで沈降させ、分離します。
そして、また(2D)の結合力特異性で分けます。
従って、
結合力特異性は(3D)と組み合わせてでき、
2つのタンパク質の「AND」でかつ、結合力でも「AND」にできます。

そうするとS/N比も現実的なものに近づいてくるかもしれません。
ただし、そのための工数はそれに応じて増加します。

(5D)インテグリン-細胞外マトリックス沈降は
インテグリンは細胞外マトリックスと結合性を持つので、
細胞外マトリックスのポリマーを合成して
細胞外小胞がある溶液の中に入れます。
それで、複数のインテグリン膜タンパク質を持つ
細胞外小胞を引き付けます。
従って、この(5D)では沈降媒体として細胞外小胞を使うのではなく、
沈降媒体はありません。
細胞外マトリックスを入れて、
インテグリンを発現している細胞外小胞を
細胞外マトリックスを導線として複合体化させて沈降させます。
今は、まだはっきりわかっていませんが、
細胞外マトリックスの特性を制御する事で
特定の型のインテグリンと強く結合する条件を探します。

基本的に細胞外小胞はエクソソームも含めて
インテグリンは基本的な膜タンパク質であり、
細胞外マトリックスのRGDドメインと結合します。
インテグリンに関しては
細胞外マトリックスを介して複合体化させて
沈降させる事を考えます。
良い、細胞外マトリックスが見つかれば、
(2D)結合力特異性モデルと合わせて
より、初期として容易に分離できる可能性があります。


(参考文献)
(1)
Valeria Governa 1, Hugo Talbot 1, Kelin Gonçalves de Oliveira 1, Myriam Cerezo-Magaña 1, Anna Bång-Rudenstam 1, Maria C Johansson 1, Ann-Sofie Månsson 1, Karin Forsberg-Nilsson 2, György Marko-Varga 3 4 5, Julio Enríquez Pérez 6, Anna Darabi 6, Johan Malmström 7, Johan Bengzon 6 8, Charlotte Welinder 1, Mattias Belting 9 2
Landscape of surfaceome and endocytome in human glioma is divergent and depends on cellular spatial organization
Proc Natl Acad Sci U S A. 2022 Mar 1;119(9):e2114456119.

0 コメント

細胞種特異的細胞外小胞分離技術評価の為の参照データの構築について

実際に血液などの(液体)生検から
癌細胞由来の細胞外小胞を高精度で分離するときに
「確かにそれが癌細胞由来の細胞外小胞である」
この確からしさをどうやって評価するか?
この前提となる問題、課題があると思われます。

ここでは小児脳腫瘍について、例説します。

私が現在評価する中での必要条件は
バックグラウンドの参照データを構築するということです。

具体的には
小児脳腫瘍の組織を取り出して、
その癌細胞から放出されるエクソソームを分析します。
内容物、膜構成、表面タンパク質、
大きさ分布、形、電荷。
これらあらゆることがベースデータとなります。
しかし、当然、脳腫瘍の種類ごとに
こうした物質的、幾何学的、電気的特性は大きな偏差がある。
この可能性もありますし、
1人の患者(お子さん)でも、データとして収束しないかもしれません。

脳腫瘍は外科的に除去される臨床のケースが多いと推定しています。
当然、先生(外科医)と患者様の同意が必要ですが、
摘出した脳腫瘍の組織を頂いて、
構成される癌細胞を精製、場合によっては培養して
そこから生み出されるあらゆるサイズの細胞外小胞を分析します。

この細胞外小胞が
私が生検で目指す「ゴール」です。
得られた癌細胞の細胞外小胞を余すところなく
内容物、膜構成、表面タンパク質、
大きさ分布、形、電荷。
これらなどの統計的情報を取得します。
分類できる項目はできるだけ細かく分ける事を考えます。
その分類を合成する事は任意に可能ですが、
分類せずに分析すると、後に分ける事ができないからです。
典型例としては
細胞外小胞の「大きさ」を区分して分けて分析する
ということです。
Exomere、Supermereなど未開の細胞外小胞も
生物学そのものへの貢献も考慮して、分析対象とします。

このデータが
後に分離した細胞外小胞が
「確かに癌細胞由来の細胞外小胞である」
とプロセス段階で評価するための
バックグラウンド、参照データとなります。
従って、貴重なデータなので、非常に慎重に扱う必要があります。
少なくともどういった条件、項目でデータを取るのか?
それについては2次評価でしっかり議論する必要があります。

この組織から得た癌細胞からの細胞外小胞を
骨の髄まで余すところなく分析する事は
私が強い決意を持って実現を目指す
細胞種解像度の細胞外小胞分離技術ができるかどうか。
その確認を待たずして、実施したいということがあります。
この組織解析自体が、評価に使えるため、
細胞種解像度の細胞外小胞分離技術開発のプロセス、達成有無に
直接的に関連するということもあります。

もう1つは、癌細胞の細胞外小胞を徹底的に分析する事が
私が生検で目指す「ゴール」なので
その価値を事前に確認できるという事があります。
具体的にどういう物質的情報が得られるかがわかるので
そこからどう薬の選択を含めた治療に役立てるのか?
それを事前に評価する事が可能になります。
それを高い精度で行うためには
データを取る段階で、「個人」で分けたデータも
少なくとも一部は用意しておく必要があります。
なぜなら、最終的に患者さん一人の癌細胞の組織から、
細胞外小胞を通じて、物質、幾何情報も含めた
様々な分析を行い、そこから投薬を決定する
というシナリオを描いているからです。
それを事前に評価できるというのは大きなチャンスなので
できれば、データ分析は個人で分けたいということがあります。

医師にデータを届ける時にも
複雑な大量のデータをそのまま渡しても
先生がそれを解釈するのが非常に大変ということがありますから、
ある程度、コンピューター(人工知能)が
特徴を抽出して、薬剤処方につなげる結果を
複数のパターンで出力するアルゴリズムを組み
環境を構築する必要があります。
上述したようにすでに組織から取得した
私が目指す「ゴールの型」となるデータがあれば、
それを元に事前にこうしたシステムを構築する事が可能になります。

細胞外小胞による評価の達成の有無にかかわらず、
手術で取り出した癌細胞の細胞内の物質を分析して
それをアドジュバントを含めた内科的治療に生かす
というプロセスも当然考えられますから、
その物質の評価に対しても整合するように
コンピューター(人工知能)アルゴリズムを組みます。

お子さんの脳腫瘍の組織を外科的に摘出する機会があるなら
当然、その生の組織を癌細胞、細胞外小胞を含めて
分析する、治療手順を確立する事は
当然、必要なことです。
それに対して、液体生検で細胞外小胞を分析する価値は
「残存している癌細胞特異的に」
癌細胞内の物質の一部を分析できる事と、
「半年後、1年後、数年後、、」
どのタイミングでも頭蓋骨をへき開することなしに
残存している癌細胞特異的に
癌細胞内の物質の一部を分析できることにあります。

ここについては、大切なところなので
もう少し詳しい説明が必要です。

(特に子どもの)腫瘍組織は
組織内、個体内(お子さん1人)での異種性があります
(inter- and intra-tumor heterogeneity)
目的は「残っている癌細胞を消滅させる事」ですから、
残っている細胞に対して、より適した薬剤を選択したい
ということがあります。
大きな腫瘍を分析すると
細胞形質に大きな偏差がある場合、
残っている癌細胞とは異なる特徴量を抽出して
適切ではない薬物が選択される確率が上がるということがあります。
液体生検による細胞外小胞の分析では
細胞外小胞は回転率が高いので(12分)、
一定の時間を空ければ、
血液中に存在する癌細胞由来の細胞外小胞は
そのほとんどが「残存している癌細胞」由来の細胞外小胞になります。
これをそのまま分離して、高度に分析するわけですから、
残っている癌細胞を精度よく分析する事が可能になります。
それによって抜き取った組織ごと多くの物質情報を得るよりも
それが少なく、より正確に絞られるため、
それに基づくデータ分析も正確になり、
適切な薬剤、治療が実現される可能性があります。

一方で、
組織の解析は、そのまま取り出したものをみればいいわけですから
私たちが苦労して開発する高度な分離技術を必要とせず、
その気になれば、今すぐにでも実施できることですし、
すでに、それは実施されているかもしれません。
組織ごとの解析が可能なので、
細胞外小胞とは異なり、完全な細胞の情報を取ることができます。
どちらにも有利、不利があり、
両方行う事で、相互補完的な治療付加価値が生まれます。
例えば、
細胞外小胞から得られる一部の物質情報と
組織を抽出した時に得られた細胞ごとの物質情報を整合する事で
より、残存している癌細胞に対して
正確な治療が行える可能性があります。

もし、今、組織解析が行われていないのであれば、
すでに装置処理能力、人的労力、コストの問題で
それが実施できないということがあるかもしれません。
この問題は
細胞種解像度で細胞外小胞を抽出する技術を開発しても
今のままでは同じように個別の患者さんに適用できない
という結果にもつながるので、
装置処理能力、人的労力、コストの問題を乗り越えられるように
徹底的な自動化、人工知能の組み込み。
これらなどを行う必要があります。

逆に言えば、これを機にこうした開発をすることは
私の最重要なプロジェクトである
細胞種解像度を持った細胞外小胞分離技術の
実現の可、不可にかかわらず、
外科的に摘出した癌細胞を患者さんごと
実現可能な形で分析して、内科的治療に生かせる。
この事に繋がります。
従って、こうした可能性を含めてシステム開発が必要で
それは、私のプロジェクトに対する
一つのリスクヘッジになり、
また、両方達成した時の相乗効果を生むことになります。

ここまで説明すると一部の人は
「細胞解像度の細胞外小胞の分離技術はいらないのではないか?」
このように思われるかもしれません。
それは高い確率で見当違いです。
脳腫瘍は外科的手術だけではなく、放射線によっても治療されます。
また、それ以外の内科による治療の可能性もあります。
従って、必ずしも組織が手に入るわけではない
ということが一つとしてあります。
このいずれの治療のケースでも
癌細胞特異的な細胞外小胞の分離技術は適用可能です。

もう1つは、この技術の波及効果を考える必要がある
ということです。
きちんとバックグラウンドデータベースを構築する。
それに基づいて細胞種ごと表面タンパク質依存的に
高精度で分離する技術は、
組織が手に入りにくい他の疾患や
全身性の疾患などの治療にも原理的に適用可能です。
また、
腫瘍組織は高度、高次に微小環境を形成するため
血管の細胞種、周辺のグリア細胞、免疫細胞
線維芽細胞など関連性のある他の細胞種の
細胞の一部の情報をそこから分泌された細胞外小胞を
骨の髄まで分析する事で
その細胞の形質の一部を理解する事が可能です。

あるいは、この技術は
世界の感染症の管理、海などの微生物を通した環境管理、
効果的な敗血症の治療システムの構築など
医療、環境など様々な事に貢献する事ができます。
これを機に
色んな微生物の表面タンパク質を調べるきっかけになります。
今は、まだわかっていないことが多いからです。
こうした明確な目的、出口戦略があれば、
今までよりも詳しいデータベースの構築の駆動力になります。
また、そのデータベースに基づいて
適切に設計された細胞外小胞の分離技術で
より高精度に微生物を分析、管理することが可能になります。


後、参照(レファレンス)、バックグラウンドデータとして
もう一つ、私が1次評価として必要と考えるのが、
癌細胞と特性を比較する通常細胞の細胞外小胞のデータです。
この時には、
癌のないお子様に採血の協力をしていただいて、
その血液のデータから、通常細胞の細胞外小胞を分析します。
このとき、「お子様」「採血」としたのは
最終的に細胞外小胞を実際に分析するときに
脳腫瘍を頂く患者様が子どもの場合には
その比較データも同じようにお子様にしたいという事。
実際に液体生検の手段は血液を想定している事。
これらが理由としてあります。
できるだけ実施する条件と揃えて
参照データを構築したいということがあります。

特に重要なのが「表面タンパク質」のデータです。
これが小児脳腫瘍の癌細胞から分泌された
細胞外小胞を1ppmという高精度で分離するための
基本的な手段に関わるからです。

重要なのは表面タンパク質の「有無」よりも
その「発現量」です。
他のあらゆる細胞種に観られず
癌細胞の細胞外小胞だけが発現していて
かつ、それが高頻度で発現している表面タンパク質が
今の1次評価の時点で「ない」とは言えませんが、
身体の連続性を考えると、その確率は低いといえるので、
発現量を「相対的に定量したい」ということがあります。

その為には比較対象とする細胞外小胞の
少なくとも大きさが揃い(表面積の近似)、
かつ分析対象の細胞外小胞の数を正確に定量する必要があります。
様々な表面タンパク質が出てくると思います。
例えば、インテグリンαvβ3が(1)
最も発現頻度も高く、発現比(癌細胞/通常細胞)も大きいとすれば、
このインテグリンαvβ3との特異的結合を想定して
選択的沈降のキャリアである
細胞外小胞のバイオエンジニアリングを試みます。

例えば、小児脳腫瘍の癌細胞のストックがあれば、
そこから細胞外小胞を分泌させ、
事前に血液から採取した通常細胞の細胞外小胞と
個別に正確に定量し、
0.1ppm、1ppm、10ppm、100ppm
これらの数の比(癌細胞EVs/通常細胞EVs)で混合して
実際にインテグリンαvβ3で分離できるか?
その実験モデルを構築する事もできます。
こういった実験は
細胞種解像度での細胞外小胞分離技術の実験手順、
その性能評価に直接的に関わるため、
やはり、実際の組織、血液による
癌細胞と通常細胞の参照データを構築する事は
細胞外小胞の分離ができるかどうかの決定を
待たずにすることが求められます。
もし、より慎重な判断でもって決定する場合には
最低限の前提条件を確認してから行うでも可能です。
例えば、
そもそも、細胞外小胞に任意のタンパク質が装飾できるのか?
装飾できたとして、ちゃんと結合して、沈降速度に違いがでるのか?
こうしたことは分離技術の基本的なことなので
それをまず、確認するというのがより安全な選択肢です。

また、細胞外小胞の形を決める特徴量を
できるだけ高次元に定義するため
癌細胞由来の細胞外小胞と通常細胞由来の細胞外小胞を
◎SEMなどの電子顕微鏡
◎Stimulated emission depletion microscopy⇔輪郭蛍光剤塗布の有無
◎光学顕微鏡⇔輪郭蛍光剤塗布の有無
これらなどスケールの異なる顕微鏡でデータ化して
以下の想定される特徴量を定義します。

(特徴量)
サイズ:粒子の直径や長さ(例えば、ナノ粒子追跡法で得られるサイズ分布)。
形状の均一性:球形か楕円形か、などの形状的な偏りを示す指標(例えばアスペクト比)。
表面テクスチャ:表面の滑らかさや粗さを反映した特徴。
凸性:粒子が凸形かどうかを示す指標。
輪郭の複雑さ:フラクタル次元などを用いて輪郭の複雑さを計算。
膜の厚みや密度:透過型電子顕微鏡(TEM)画像から膜の構造情報を抽出。

これを元に人工知能でトレーニングして、
初めに出所がわかっている細胞外小胞によって
正確な推論が可能かどうかをテストします。

最終的に患者さんから
表面マーカーを頼りに分離した
「正解のわからない」
癌細胞由来と思われる細胞外小胞に対して
事前に正解のわかっている癌細胞/通常細胞の特徴量の違いによって
学習した人工知能モデルを使って、
その形から癌細胞かどうかの確からしさを評価します。
その時には細胞外小胞のサイズに応じて
適切な分析方法を選択します。
電子顕微鏡の場合はダメージを与える為、
複数のランダム抜き取り検査になると想定されます。

(参考文献)
(1)
William Echavidre,1 Jérôme Durivault,1 Célia Gotorbe,1 Thays Blanchard,1 Marina Pagnuzzi,1 Valérie Vial,1 Florian Raes,2 Alexis Broisat,2 Rémy Villeneuve,3 Régis Amblard,3 Nicolas Garnier,3 Cécile Ortholan,4 Marc Faraggi,5 Benjamin Serrano,3 Vincent Picco,corresponding author1 and Christopher Montemagnocorresponding author1
Integrin-αvβ3 is a Therapeutically Targetable Fundamental Factor in Medulloblastoma Tumorigenicity and Radioresistance
Cancer Res Commun. 2023 Dec; 3(12): 2483–2496.

0 コメント

細胞外小胞のガイドラインと私の取り組み

(序論)(1)
The International Society for Extracellular Vesicles (ISEV)。
これが細胞外小胞の生物学的、医療的なニーズの高まりを受けて
2014年に
Minimal Information for Studies of Extracellular Vesicles 
(MISEV) guidelines
すなわち、細胞外小胞の研究をするにあたり
必要最小限の不可欠な情報をガイドラインとして提供されています(2)。
この2014年のガイドラインでは
細胞外小胞の分離、特性(形質決定、評価)、機能。
これらについて定義されています。

これらのガイドライン制定の主要なゴールは
研究、編集者、総括など研究開発、科学論文に関わる人に対して
細胞外小胞の分野特異的な
実験的な必要条件、
また、科学論文で報告するときの必要条件を
広く普及させることにあります。

昨日この医療の部屋で(9/18)に発表した癌治療に対する
エクソソームのバイオマーカーとしての利用の記事があります。
(小児脳腫瘍の治療方針)
私は小児脳腫瘍に注力しますが、
当然、私の頭の中にはこうした方法、手順は
小児脳腫瘍に限らない、大人の脳腫瘍、
あるいはその他の希少な癌を含めた
全身の癌種に対して、少なくとも一部適用できるだろう
と想定して執筆しました。
エクソソームを含めた細胞外小胞は
こうした癌治療に留まらず、未来の医療において
世界に多くの果実を提供する潜在性を有しています。

細胞外小胞は広義には「細胞外」の小胞ですから
グラム陰性、グラム陽性細菌から放出される
細胞外小胞も含まれます(3,4)。
細菌由来の物を含めて細胞外小胞を今までよりも
高い特異性、高いスループットで分離する技術を開発すれば、
医療だけならず、
海、土壌、氷河、環境水などの環境調査、環境管理、
微生物の分析、(感染症を含めた)管理、
今は治療が難しい敗血症医療の発展。
医療だけにとどまらず、環境などを含めた様々な分野で応用可能です。

そうした中で細胞外小胞に関心を示す人、団体は増えており(1)、
この2018年のガイドラインの制定、報告に関与した
著者、団体、国の数は2014年よりも顕著に増えています(1,2)。
ただ、細胞外小胞は、
生物学的機序を通じて多様な様式で
細胞外に放出される自然な小胞であり、
細胞を持つあらゆる生物、より細かくは細胞種が放出するものなので、
多種多様で、術語体系も含めて、
生物学的機序まで踏み込んだ様式で定義づけする必要性があります。

我が国、日本でも、このガイドラインの制定の報告に関与し(1,5)、
国内でも日本細胞外小胞学会を結成しています。
その理事長を務められる
日本のエクソソーム研究の第一人者である
東京医科大学総合研究所の落谷孝広先生(特任教授)は
細胞外小胞を実験的に扱うにあたり、
細胞外小胞の特性の異種性が一つの大きな課題であると明言されています。
これは、産業上の応用においてもそうです。
また、日本では安易にエクソソームを医療応用する事に対して
現時点で厚生労働省、日本細胞外小胞学会を中心として
警鐘を鳴らしている実情があります。
同じようなナノ粒子である合成ナノ粒子よりも複雑で、
様々な面で取り扱いが難しく、
適性に社会に対して付加価値を提供していくためには
こうしたガイドラインの理解、関与は欠かせません(1,2,5)。
また、細胞生物学の高度な理解も必要です(6-8)。

上述したように細胞外小胞はあらゆる細胞種から
生物発生し、分泌されます。
それは、病変部位の細胞種でも同様です。
例えば、癌細胞は通常細胞よりも
多くの細胞外小胞を循環器中に放出する事が知られています。
従って、癌細胞特異的な細胞外小胞の特性があります(9,10)。
感染症においても上述した
細菌特有の細胞外小胞があるだけではなく(3,4)、
ウィルス感染を含めた細胞の炎症や
免疫細胞との関連もあります(11,12)。
また、エイジング(老化)とも関連があります(13)。
細胞が老化しても癌細胞と同様に
細胞外小胞の一つであるエクソソームの分泌が増える
と言われています(13)。
これらの主に総括論文の発表の年月からわかるとおり、
活発に研究され、その輪郭が明らかになり始めたのは
ここ10年にも満たない最近の事です。
研究開発、産業化が先走りすることがないように
世界的なコンソーシアム(ISEV)、
あるいは各国の学会(日本の場合、日本細胞外小胞学会)が
取り扱いのためのガイドラインを制定して、
それを関係者、ステークホルダーに普及させる必要があります。

そのステークホルダー(利害関係者)の一人である私が
このガイドラインについて参照し(1)、
1次評価の段階で、ブログ(医療の部屋)を通じて
日本を中心とした(日本語)世界の読者と情報共有するのは
必要不可欠な取り組みです。
iPS細胞技術利用細胞種由来のエクソソームを
(s)細胞種特異的薬物送達システムのための
薬物キャリアとして利用することを決定しています。
さらにこうした薬物(薬学)だけではなく、
診断、治療(投薬)など医療(医学)のために
高度な分離技術、マルチオミックス解析を確立し
バイオマーカーとして利用する事に
技術的に貢献する事も決定しています。
エクソソームに人生を掛けて関与していく以上、
私自身がISEVに積極的に関係性を持つ事が重要です。

世界的なつながりを持つ科学論文では、
その成果が革新的であり、
かつ社会的付加価値が高い報告であればあるほど、
第三者がその論文の手順で実験を行ったときに、
同じ(少なくとも類似する)結果が再現することが非常に重要です。
しかしながら、
細胞外小胞は様々な因子での複雑性から
再現実験を実現するための
十分な情報が提供されていないとされています(1)。
細かいことをいえば、
細胞種の個別の情報があったとしても
その細胞の酸性度、酸化ストレス、培地、受容体など
その細胞種がどういった環境的条件に曝され、
そこから細胞外小胞を抽出したかによって
細胞外小胞の内包物などが変化してしまいます。


(術語体系:Nomenclature)
ISEVは脂質2重層で囲まれ、細胞から自然に分泌された
粒子(Particles)の包括的な用語して
「細胞外小胞(Extracellular vesicle:EV)」とすることを是認しています。
ただし、この細胞外小胞は機能的な核を持たず、
自身が複製能を持たない事が前提としてあります。

多胞性エンドソーム(MVB: multivesicular body)内に含まれる
小胞内小胞(ILVs:intraluminal vesicles)。
これを経由して細胞内のエンドソームから
エクソサイトーシスされて放出される細胞外小胞を
「エクソソーム(エキソソーム):Exosome」と定義します。
一方で、
細胞膜が直接、萌芽(budding)して小胞を形成するものは
「エクトソーム:Ectosomes(microparticles/microvesicles)」
このように定義されます。

注意が必要なのは大きさで定義されるわけではありません。
エクソソームの典型的な大きさは50-150nm
エクトソームのは100-10000nmであり(14,20)
平均的には細胞膜の直接的な突起によって生じた
エクトソームのほうが大きいですが、
100-150nmの範囲は大きさとして重複します。

細胞内の生成経路は多くの場合、追跡できないので
大きさ以外の特異的なマーカーによって区別する必要がありますが、
その合意はまだとられていません(1)。
その理由は、エクソソームもエクトソームも
細胞膜の情報を膜情報として引き継ぐため、
細胞内の形成場所、機序は違っても
その資源となる物質は細胞膜で共通です。
例えば、
エクソソームはテトラスパニンが形成において
重要な役割を担っていますが、
このテトラスパニンはエクトソームの
細胞膜にも含まれる事がある事から
その形成に関わっていても、
識別できる特異的なマーカーとして指定する事ができません。
例えば、細胞骨格の断片など
両者を分ける決定的なマーカーが必要ですが、
それを見つける事は少なくとも容易ではありません。
私の現在の印象では
小さな細胞外小胞は、一部はエクトソームが含まれているものの
エクソソームと呼ばれることが多いと認識しています。

大きさによる定義もまだ決定されていません。
小さいものはSmall EVs(sEVs)とされます。
中程度、大きなものはMedium/large EVsとされます。
しかし、
その境界は100nm、200nmといった別れた見解があります(1)。

私が過去、エクソソームの科学論文を見てきた限り
エクソソームがどの細胞種から分泌されたかの
術語体系は
例えば、神経細胞からエクソソームが放出されたものは
Neuron-derived exosomesと呼ばれることが多いです(15)。
また、Neuronal Exosomeと形容詞として修飾する場合もあります(16)。
日本語では神経細胞由来エクソソームと呼ばれます。
「由来」という言葉が利用されることが一般的です(17)。
他方で
環境因子で細胞外小胞を修飾する場合もあります。
例えば、低酸素状態で分泌された細胞外小胞では
Hypoxic extracellular vesiclesと命名されることがあります(18)。
細胞死した時に生じた細胞外小胞は
アポトーシス小体(Apoptotic bodies)と呼ばれます。
癌細胞のように代表的な病変細胞から、
特異的に分泌されるエクトソームを
Oncosomesと呼ばれることがあります(19)。


(収集条件)(1)
基本的に記載必要な収集条件は
放出細胞種、培地、収穫条件(harvesting conditions)です。
また
短鎖反復配列(Short Tandem Repeat, STR)などを用いて
細胞外小胞を取得した細胞が
他の異なる細胞株で汚染されていないことを証明する必要もあります。
また、培地で細胞死している割合が大きいと
(おそらく)アポトーシス小体など
目的の機序の異なる細胞外小胞も混入してしまうため
不死化(immortalization)などを使って
細胞死の割合を収穫時に減らしておくことも重要です。
その細胞死の割合を計測、定量化し、
それを記載することも有効です。
また、
活性化、癌化、老化などを含めた細胞の特性を
明かにすることも重要です。
培地に入れた日数、細胞培養密度などもあります。
また、培地の細胞のコンフルエンス、
すなわちポストコンフルエンスに達して
細胞極性が発達して、細胞外小胞が分泌されやすい状態に
達しているかも重要です。
培地の量、培地の形、生物反応器(bioreactor)システムも
細胞外小胞の特性に影響を与える為、
再現実験を実現するためには記載が必要です。
表面コーティングの有無、
酸素濃度のなどのガスの状態も重要です。
細胞外小胞の収穫の頻度、インターバルも要素としてあります。
また、培地に微生物が入らないような処理も必要です。
微生物由来の細胞外小胞が混入する可能性があるからです。

グルコース、抗菌薬、成長因子は
細胞外小胞の産生、構成に影響を与えます。
血清のような細胞外小胞を含んでいる可能性のある
媒質要素を記載する必要があります。
理想的にはウシ胎仔血清(fetal calf serum (FCS or FBS))
その他の種の血清がない無血清培地を組むことです。
血小板、下垂体エキス、胆汁塩などが含まれていると
外来の細胞外小胞が含まれる可能性があります。
無血清培地の使用が難しい場合や、
何らかの理由でこれらの成分を使用する必要がある場合には、
非条件培地(細胞が存在しない培地)の対照を
用意することが重要です。
この対照実験により、培地自体の寄与を評価し、
細胞から放出されたEVの正確な測定を行うことができます。
これは細胞がない条件で
バックグラウンドとしての細胞外小胞の確認を行うためです。
いつ、どのように無血清培地に変更したか?
細胞外小胞の収穫の履歴を明記する事も重要です。

完全な培地からエクソソームを得るための
いくつかの公平かつ効果的な手順があります。
例えば、18時間、100000gの超遠心分離を行う事です(21)。
遠心力を強くすれば、もっと時間を短くすることができます。

ただ、
血清を含む培地は、細胞にとって必要な
栄養素や成長因子、接着因子など。
これらを豊富に含んでいるため、
細胞の増殖、維持、分化を効果的にサポートします。
これにより、細胞培養の成功率が高まり、
研究や産業における細胞利用が容易になります。
今、エクソソームフリーの
血清を売る供給業者が増えてきているので
それを利用することも一つの有効な手段です。
これを研究開発者が利用する場合には
製品名とロット番号を報告する必要があります。

細胞外小胞、エクソソームの精製においての
熱履歴やフィルター条件を記載することも求められます。


(液体生検)
例えば、人の血液中から液体生検として
細胞外小胞を分析するときにも注意が必要です。
年齢、生物学的性別、妊娠履歴、閉経、
空腹状態、運動レベル、食事、BMI、病気の有無、既往歴。
これらは循環器の細胞外小胞に影響を与えます。
他の処理条件。
取得量、容器のタイプ、プロセス時間、
抗凝固剤の選択、攪拌条件、貯蔵温度、輸送経路。
これらについても細かい記載が必要です。


(組織取得)
オルガノイド、生体内組織も含めて
組織から細胞外小胞を取得する場合には、
血液中など液体とは異なる難しさがあります。
取得した小胞が
本当に「細胞外」の小胞かを保証する手段が難しいです。
なぜなら、組織中の一部の細胞が破壊されて
「細胞内」の小胞も混じる事があるからです。
特に細胞構造が複雑な脳の場合は顕著です。
従って、
組織から細胞外小胞を分析する場合には
こうした可能性を考慮して
どのような条件で組織を扱ったかの履歴を
正確に明記する事が重要です。


(貯蔵)
細胞外小胞は液体生検としてのバイオマーカー、
薬物送達キャリア、
あるいは食品、環境調査など
様々な用途が考えられますが、
元々、身体(生物)の中にある自然な小胞で
その寿命は私が計算する限り、20分にも満たないです。
言い換えれば、
ほとんどの細胞外小胞は20分以内に
別の細胞に取り込まれるか、肝臓などで代謝されます。
従って、もともと長期貯蔵には向かない。
この事が特性としてあるのかもしれません。

2018年時点のガイドラインでは
細胞外小胞の具体的な貯蔵条件ガイドラインは
定義されていません(1)。

低中所得国などでの利用も想定すると
室温、冷蔵温度程度で少なくとも1週間-1か月程度、
おおよその特性が維持される条件を見つけたいという事があります。
しかしながら、
-80℃という管理としては厳しく、
特別な冷却装置が必要な条件で
かつ、保存液が血漿であっても、
6か月経過すると細胞外小胞の90%以上は分解されてしまいます。
すなわち、細胞外小胞の量が1桁以上少なくなります。
(参考文献(22) FIGURE 2)
従って、最適な条件であっても
最低、1か月以内には一連のプロセスを終えたい。
このことがあります。

但し、こうした貯蔵に関する結果は、
容器、物理(環境)的条件、分析(評価)方法、温度プロファイル、
内容物に含まれる細胞外小胞の精製状態
(大きさ、特性均一性あど)
これらによって当然、変わり得ることです。
私自身も関わって、企業レベルの精度で管理した時には
変わる可能性もあるので、
今、研究レベルで示される結果を
そのまま変わりえない情報として
受け取っているわけではありません。
但し、
貯蔵時間はどのような条件にしろ基本的な因子なので
細胞外小胞を製品として扱う限りにおいては
その時間を最大限、短縮する取り組みは求められます。


(分離、精製、管理)
上述したように細胞外小胞は合成ナノ粒子とは異なり、
細胞から生物発生された細胞外に放出された小胞の総体です。
どういった条件で細胞外小胞を取得するかによりますが、
大きさ、電荷、膜構成、内容物、表面物質、形。
様々な因子で異種性があります。
また、細胞外小胞の回収率(Recovery)を上げようとすると
細胞外小胞以外の物質も含まれてしまいます。
さらに、上述した因子ごとに
特性を揃えて精製しようとする場合、
それぞれの分離工程で必ず損失が生じるので
高い回収率と高い特異性は
少なくとも2018年の段階では達成されていません
(参考文献(1) Table 1, 4) high recovery and high specificity)

ガイドラインで挙げられている分離方法は以下です。

Field-flow fractionation (FFF)
フィールドフロー分画法

Asymmetric flow field-flow fractionation (AFFF, A4F, or AF4)
非対称流動フィールドフロー分画法

Field-free viscoelastic flow
フィールドフリー粘弾性流動

Alternating current electrophoresis
交流電気泳動

Acoustic separation
音響分離

Size exclusion chromatography (SEC)
サイズ排除クロマトグラフィー

Ion exchange chromatography
イオン交換クロマトグラフィー

Microfiltration
マイクロフィルトレーション

Fluorescence-activated sorting
蛍光活性化細胞分離

Deterministic lateral displacement (DLD) arrays
決定論的側方変位アレイ

Immunoisolation or affinity isolation
免疫分離またはアフィニティ分離

Lipid affinity isolation
脂質アフィニティ分離

Precipitation/combination techniques
沈殿法・組み合わせ技術

Hydrostatic filtration dialysis
静水圧ろ過透析

High-performance liquid chromatography (HPLC) or Fast protein liquid chromatography (FPLC)
高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)/高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)

このような様々な方法がありますが、
私自身の取り組みとしては
細胞種ごとの細胞外小胞、
その中のエクソソームの高精度な分離を目指すため、
大きさは最も適切な方法で分ける事を考えますが、
特異性に関しては
免疫沈降法をさらに発展させた方法で高精度な分離を試みます。
もともとモノクローナル抗体を用いた
免疫沈降法は特異性が高いと評価されています。
(参考文献(23) Fig.3a)
具体的には沈降に関しては、重さの違いで沈降させるため
対象となる細胞外小胞よりも重い沈降媒体を利用します。
例えば、
30-150nm程度の径のエクソソームを選択的に沈降させる場合は
それよりも重い300nm以上の径の細胞外小胞を沈降媒体として利用します。
その細胞外小胞は原理的にモノクローナル抗体よりも
生物発生、クリックケミストリーなどを含めると
多くの特異的な構造体を装飾できるため、
免疫沈降よりもさらに特異性に優れる可能性があります。
エクソソームの表面マーカーは
分泌された細胞種の細胞膜のタンパク質を反映しているので
そこから、適切な表面マーカーの選定により、高度な精製を試みます。
300nm以上の径の細胞外小胞は
生物発生させる段階で多くのノイズとなる表面物質を装飾し
それが非特異性に関わるため、
最終的に1ppmレベルでの特異性を
産業レベルで達成する事を目指す中で、
乗り越えなければならない多くの課題があります。
例えば、現時点、1次評価で
パソコンの前だけで考えられる案としては
沈降媒体として利用する細胞外小胞に
できるだけ高密度な標的マーカーリガンドを装飾させます。
それが一つ、基本的な要素です。
それに対して、バックグラウンドノイズ、
すなわち意図しない表面タンパク質や糖があります。
癌像診断などと同様にS/N比の考え方によります。
シグナル、すなわち表面マーカーリガントの密度を上げる。
ノイズ、すなわちそれ以外の表面タンパク質、糖を減らす。
そのためにあらゆる対策を講じます。
例えば、分泌後に特にノイズとして感度の高い物質は
選択的に酵素などで分解して無効化することを考えます。
一方で、
標的マーカーも、
厳密に細胞種特異的なそれがあるとは限りませんし、
むしろ、そういう物質が見つかる事はおそらく稀です。
適切な表面マーカーを指定するという事は基本的にありますが、
選択的沈降といっても
一定の異なるエクソソームも普通に考えると沈降します。
1ppmというのはその「効率」ですから、
最終的には1回の沈降で最大の効率を目指しますが、
妥協的な目標としては、数回繰りかえして
その純度を上げていくという事も想定範囲にあります。
一方で、根本的な事として
例えば、脳神経系の癌細胞から放出されたエクソソームを
1ppmの精度(S/N比 = 1 * 10^6 - 10^8)で分離する事を目指すときには
どうやって、それが癌細胞から出たエクソソームか?
その実態、確からしさを評価する方法も求められます。

いずれにしても、こうした取り組みは
現時点の精製レベルを
大きく凌駕するところを目標としていますから
細胞外小胞の将来的な分離、精製に関する
ガイドライン制定にも貢献していくものです。
例えば、
こうした取り組みが貢献するところは
単に、細胞外小胞の分離技術の改善、成熟化だけではありません。
細胞種特異的な表面マーカーを探すことは
そういったデータベースを構築する事です。
これも細胞外小胞研究において大きなことです。

トップダウンプロテオーム解析などでも言われていることですが(24)、
基本的にタンパク質など生体内の物質は
多くの物質と結合したり、
それそのものが同種多量体を形成したりします。
従って、
独立な物質として存在しにくいということがあります。
言い換えれば、凝集が生じるということです。
こうした特徴は、同じように生体内の自然な物質である
細胞外小胞でも言える事です。
扱う濃度が高くなればなるほど、
「物質をそのまま分離して維持する」
この事は基本的かつ前提のようですが、
細胞外小胞を扱う私たちにとっては無視できない難しい事です。

細胞外小胞は分析、薬物キャリアにおいて
特に製品として扱う際には
その数を正確に計測して、出荷の際には示す必要があります。
そうではなく研究においても
例えば、細胞外小胞を沈降に利用する場合、
その数が重要な評価項目です。
フローサイトメトリーのような方法がありますが(1)、
高いスループットで正確に数を計測できる方法を
開発、確立する必要があります。
例えば、細胞外小胞を通過させて
その動画をイメージングするにしても
あるいは溶液中に分布する静止画をイメージングするにしても
細胞外小胞の特徴量を多次元的に定義して、
人工知能を使って数を定義するという取り組みも必要です。

細胞外小胞は細胞膜が膜として利用されます。
少なくともこれらは独立ではありません。
従って、細胞膜と同様の脂質構成を取りますが、
その脂質膜の構成は細胞膜と同様に異種性があります。
その脂質膜の材料を直接的に定義できる方法ではありませんが、
脂質膜が元々持つ、機械的特性に着目して
それに基づく蛍光発光の緩和時間を区別する方法があります(25)。
この方法によれば、
飽和脂質と不飽和脂質の比率を
この緩和時間に基づいて算出する事が可能です。

実際に細胞外小胞を表面マーカーによって
細胞種ごとにわけることができたら
それを分けて、イメージングして
人工知能の強化学習に組み込むという事は必要です。
目視では、なかなか気づかない特徴量を
統計的に抽出できる可能性があります。
例えば、
癌細胞由来のエクソソームの形は
癌細胞特異的な形状の特徴がどこかにあるかもしれません、
もし、イメージングだけで
ある一定の正確性でエクソソームを
分泌細胞種ごと分離、精製できたら、
細胞外小胞沈降の後のフィードバック評価にも利用できます。
あるいは、分離する前の混合状態で
種類ごとの数を計測できる可能性も出てきます。
細胞外小胞沈降で表面タンパク質ごとに
細胞外小胞を分離、精製する取り組みを行う中で
こうした人工知能を使った
不可視の特徴量を抽出する取り組みは並行して必要です。
ただ、対象がエクソソームの場合は
30-150nmと非常に小さいので
こうした形などによる特徴量の抽出は難航するかもしれません。
例えば
Stimulated emission depletion microscopyを使うと
100nmくらいの見え方は
Gražvydas Lukinavičius(敬称略)らが示す
Fig.6aのような精度になります(26)。
細胞外小胞、エクソソームの外周を上手に
蛍光色素(例えば、ディロカーミンやNile Redなど)で
光らせる事ができたら、
輪郭を強調して、形の評価がより正確にできるかもしれません。

上述したように
細胞外小胞の生物発生、クリックケミストリーなどで
タンパク質を結合させるときには、
モノクローナル抗体に比べて
微妙な3次元構造をmRNA、シャペロンを制御する事によって
変える事が原理的に可能です。
確かに
癌細胞から分泌される細胞外小胞は
癌細胞「だけ」が特異的に持つ膜タンパク質を持つかどうか?
また、あったとしても、100%ではないし、
径の小さなエクソソームの場合は
膜表面積が小さいため、その割合が下がる可能性もあります。
テトラスパニンと複合体化しやすい膜タンパク質は
私たちが想定している以上に限られるかもしれません。
1次評価の現時点では未知の事が多いですが
今日、それに対して、今まで示さなかった
新たな提案が2つほどあります。

この細胞外小胞を使った特異的沈降方法は
単に結合の「有無」だけがパラメータではありません。
結合には結合親和性 Binding affinity
言い換えると、平衡解離定数
Equilibrium dissociation constant(KD)。
これがそれぞれ決まってきます。
この値を当然、一定にすることはできませんが、
ある程度の範囲で桁で動かすことができます。
同じ遺伝子コードのタンパク質でも
3次元構造、結合部位によって
対となるタンパク質に対する結合親和性は大きく異なります。
例えば、
一旦、弱い結合でもいいから
対のタンパク質と結合性もつ膜タンパク質がある
エクソソームを沈降させます。
沈降したら溶液を浮上しているものと分離します。

この後、一定の力で結合を乖離する処理を行います。
例えば、超音波、電場、磁場、
摩擦(迷路構造)などがあります。
この強度を最適化して、
弱い結合の物だけが結合が解消される条件を探します。
解消されたエクソソームを浮く条件にするか?
あるいは、
再び、沈降させます。
そうすると重い複合体化したものは
重さに応じて沈降速度が違うので、
一定のカットオフ時間を設けて
重いだけをシャッターで閉めることで回収できます。
これは、1回目の沈降の時にも
エクソソームが浮く液体条件がなければ、
こうした沈む速度の違いによって分離させる事は可能です。
その感度を上げるためには、シャッターまでの
空間的距離をとればいいです。
従って、必ずしも浮上させる事が条件ではありません。
ここの距離をしっかり確保すれば、
重さに対する感度があがるので、
それほど大きな細胞外小胞を沈降媒体として
用意しなくてもいいかもしれないし、
凝集物をしっかり制御できれば、
同じ程度の大きさのエクソソームでもいいかもしれません。
但し、大きさが同じくらいであれば、
沈降させた後、沈降媒体と標的エクソソームを
区別して分離するときに工夫、手間が必要になります。

いずれにしても2回目の結合乖離の
物理的あるいは化学的刺激によって
結合が弱いものと強いものを分ける事ができます。
従って、
結合が弱いものをターゲットにすることもできるし
結合が強いものをターゲットとすることもできます。
どちらでもいいです。

摩擦(迷路構造)による乖離では
沈降させる中で迷路構造の中で物質的な摩擦によって
弱いものをはじくということです。
これのデメリットは、設計が複雑になりますが、
1回の処理で済むということがあります。

従って、細胞種特異的細胞外小胞分離技術は
膜タンパク質の遺伝子コードだけに依存されず
原理的にその結合性の強さによっても分離可能なので、
こうした組み合わせを最適化すれば、
1ppmの精度の分離の可能性は高まってきます。
もちろん、これだけでは不十分で
まだいくつかの知恵は必要です。

例えば、こういった結合力を利用した分離は
膜タンパク質だけではなく
膜構成や糖鎖などの違いによって分けられる可能性も出てきます。

後は、脳神経系から出た癌細胞由来の細胞外小胞、
全てを分析対象にしたいです。
エクソソーム以外にも
細胞膜から直接萌芽した大きな細胞外小胞(Oncosome)もあります。

机の前で考えているだけではわかりませんが、
この沈降方法は、
基本的に「浮上」と「沈降」でわけるのではなく
「沈降速度」で分けたほうが筋がいいかもしれません。
癌細胞由来の細胞外小胞全てをどのように取得したらいいか?
それについて今から考えます。

まず、患者さんの血液から得た
通常細胞由来の細胞外小胞を含めて
「大きさ」でわけます。
例えば、マイクロ孔を数段に分けて形成して
各層、ある程度の大きさ範囲で揃う細胞外小胞を取得します。

一方で、癌細胞由来の細胞外小胞の膜タンパク質に
特異的な「結合力(KD)」で結合する
タンパク質を装飾した細胞外小胞を
特定の細胞種からエンジニアリングによって分泌させます。
ここから「様々な大きさの」細胞外小胞を得ます。
それで、液体生検と同じように別バッチで
「大きさ」でわけます。
マイクロ孔を数段に分けて形成して
各層、ある程度の大きさ範囲で揃う細胞外小胞を取得します。

それぞれに対して、大きくても小さくてもいいから
「サイズの異なる組み合わせで」
癌細胞由来の細胞外小胞の膜タンパク質に
特異的な「結合力(KD)」で結合する
タンパク質を装飾した細胞外小胞を結合させます。

結合したら体積が一定割合かわるので
その体積、重さの違いを「感度よく」識別するために
沈降速度の微妙な違いを検知して、分離するため
「十分に長い」距離と
液体の粘性を下げて、できるだけ
体積、重さの違いで速度の差が出やすい溶液条件とします。
それで一定のカットオフでシャッターで閉じて
結合したものとそうでないものを分けます。

結合したものの中で、
より癌細胞由来の純度を高めるため
それぞれの大きさにおいて
電場、磁場、超音波(物理的力)、
酵素(化学的力)などによって
結合力の弱い組み合わせを乖離します。
このプロセスでは沈まないように
薄いガラスの台をスライドして入れておきます。
十分干渉させたら、台を引いて
また沈降させます。
十分な距離と低い粘性で沈降速度の違いで
結合を解消させたものと、結合したままの物を分けます。
この時、結合の弱い方を標的とした場合には
2段階で3層に分ける必要があります。
すなわち
◎結合したもの
◎結合を解消した標的
◎結合を解消した沈降媒体
これらはすべて大きさが異なるため
沈降する速度が異なるため、
それによって分離する事が可能です。

こうして分ける事によって
あらゆるサイズの癌細胞から出た細胞外小胞を抽出できます。
それによって分析できる物質の量、分子量、種類が劇的に増えます。
例えば、DNAでも分析できるシーケンス幅が増えます。


このように癌細胞由来のあらゆる細胞外小胞を集めて、
ゲノミクス(DNA,RNA)
プロテオミクス(タンパク質)
グリコーム(糖)
リピドーム(脂質)
これらの解析を内腔、細胞膜、膜表面と分けて解析する事ができたら
癌細胞の様々な特質がわかる可能性があります。
例えば、
内腔のある物質を選択的に超音波などで取り出すことができたら
内容物と(細胞膜、膜表面)物質を分ける事が可能です。

一般的にはDNA、RNA、タンパク質が注目されますが、
糖や脂質も癌の特質を知るうえで重要な情報です。

例えば、脂質の一つである
ホスファチジルセリン(phosphatidylserine)は
癌において免疫抑制的な働きがあります(27)
セラミドは細胞死シグナルと関連しているため(28)
これが少なくなるとプログラム細胞死の機能が
低下している可能性が疑われます。

こういったことは当然、糖でも当てはまります。
最終的には患者さんごと
解析スループット(処理能力)を上げて、
コストを下げないといけないのですが、
単にエクソソームの代表的な内容物である
miRNAなどだけで決まるような
話ではないという事はすでに推定されます。

最終的には例えば、細胞膜だったら
(ちょっと苦しい感じはするのですが、、、)
研究開発段階で
多数の細胞外小胞の細胞膜の
電子顕微鏡の視覚的(空間的数字)データと
細胞膜、細胞膜表面の
リピドーム、グリコーム、プロテオームの物質解析のデータ
(これがマス、統計データとなる)
これらを対応させて、人工知能強化学習で
最終的には物質解析をしなくても
電子顕微鏡で自動で測定させて、
それで画像から物質構成を推論する。
その物質構成から治療方法、治療薬の選択肢を示す。
それを先生(医師)が確認して、
最終的に治療方法を決定する。

いずれにしても個別の患者さんに対して
個別のケースごとマルチオミックス解析するのは
設備処理能力、労力、コストの面で厳しいかな?
それに対する心配があります。
そうした物質解析を画像から人工知能に推論させて
そのSEMなどの画像解析もサンプルを入れたら、
全部、機械が自動で行う。
その物質統計解析から治療方法、治療薬の選択肢を
人工知能が1つではなく、複数のパターンを提案する。
そして根拠となるデータと合わせて、理由も説明する。
それで医師が患者さんの容態を観ながら、決定する。
これだったらなんとか現実的になるかなと考えています。

内容物に関しても画像や(光学)スペクトル解析で
物質を人工知能に推論させたいです。
その解析も機械による自動です。

結局、色んな障壁を乗り越えて、
癌細胞だけの物質を扱う事が許されても、
そのマスの情報を
設備能力、人的労力、コストの問題で
個別の患者さんに対して生かせないという事では
私たちの努力も少なくとも
半分は報われないという事になります。
それなら、今の液体生検の解析でもいいよね。
このようにもなりそうです。

サンプル準備も含めて
高スループット、低コストの自動解析で
人工知能の力を借りて、現実的なものにしたいです。
ただ、そのマルチオミックス解析が
サンプル準備も含めて全て自動化されて
個別にできるということであればそれでいいです。

今は、細かいサンプル準備も含めて
電子顕微鏡測定そのもの以外は実務経験がないので
より具体的な課題が見えてこないという事があります。
ただ、どちらにしても企業に協力してもらって
専用の分析装置が必要になるという事は
おそらく間違いないです。

そう考えると
細胞外小胞の分離がどれくらいのレベルでできるか?
早期に実験して、より正確な見積もりを出さない
といけないです。
というのは、細胞外小胞の分離は「検査」なんで
直接、患者さんの身体に入れるようなものではないから、
従来の薬剤を使うのであれば、臨床試験はいらないので
医療現場で価値のあるものとして認められれば、
すぐに適用という事になると思います。
でも、その時に環境が整わず、
解析装置処理能力、人的労力、コストの問題でできない
という事が考えられます。
どちらにしろ、
細胞外小胞のエンジニアリングと
表面タンパク質に基づく分離は
細胞種特異的薬物送達システムの実現で必要なので
私としてはこの実験を優先するということになります。
ただ、
少なくとも、今現時点で、できる事が前提で
装置開発してくださいとは言えません。
そのレベルで薬を決定しないというのであればいいのですが、
せっかく癌細胞の物質情報を特異的に集める技術を開発するなら
その全ての物質を統計的に分析して
個別の患者さんに対して生かしたいという事があります。
2次評価で、先生方がどう考えられるかです。
どういった物質情報を得られるかどうかは未知の部分がありますが、
実現可能性の評価段階でも
得られた(得られそうな)情報をどう扱うのか?
それについての議論は少なくとも必要です。

おそらく、細胞外小胞、エクソソームの分離技術が
ある程度、私の想定に沿う、近い形で実現したら、
身体の中のどの細胞種から放出されたのかがわかるようになります。
今、現時点でドナー細胞がわかるのは、
人為的に特定の細胞種を培養して、
その細胞種から確かに放出された細胞外小胞であって、
それに対して
**細胞由来(** cell-derived)細胞外小胞と言われます。
液体生検の細胞種でもそれがわかるようになると
それぞれそういう表記になるという事です。
あるいは、それをどの表面マーカー
あるいはどういった手段で確認したのか?
それの表記もおそらく求められます。
少なくともそうした
ドナー細胞種表記の細胞外小胞が増えるという事です。
元々、細胞外小胞はほとんどあらゆる細胞種から放出されるので
他の動物や植物の場合は難しいにしても
人由来の物に関しては
ドナー細胞種、あるいは特異的表面マーカーを
細胞外小胞と合わせて表記したいということが
ガイドラインの需要として基本的にはあると思われます。


このガイドラインを含む記事で明記が必要な事は
Exomere, Supermere。
これらをどう扱うか?です。
2018年にHaiying Zhang(敬称略)らが
B16-F10 melanoma-derived sEVs 
(皮膚の癌細胞由来の細胞外小胞)。
これとしてエクソソームよりもさらに小さい
細胞外小胞が見つかったということです。
(参考文献(29) Fig,1)
このエクソソームよりも小さな細胞外小胞は
Exomere、さらに小さいものはSupermereと呼ばれます。
日本語表記(カタカナを含めて)は定義されていません。

エクソソームと異なる
Exomereの生物発生の機序はよくわかっていません(30)。
例えば、エクソソームの生物発生に密接に関わる
テトラスパニンをExomereは表面マーカーとして含んでいるか?
生物発生機序が違うなら、
Exomereではそれが見られない可能性もあります。
細胞外小胞であるなら、
そのエンベロープ膜の構成をまずは知る必要があると思います。

いずれにしてもどういう基準でもって分類するのか?
その基準を考えるための情報が
Exomereについては進んでいません。
細胞外小胞は私の生涯を終えるまで
継続的に関わっていく分野なので
このExomere、さらにはSupermere。
これについての生物学的な理解を深める活動に参加します。

こうした不明な小さな小胞が混在しているという事は
エクソソーム精製においての一つの障害ではあります。
しかし、表面マーカー依存的に精製したときに
こうした物質が混在、干渉してくるか?
それは、実験してみればわかることです。

おそらく私が関わって、
細胞種解像度で細胞外小胞分離技術を
生検としての利用、薬物キャリアとしての利用。
この両方の目的のために技術開発していく中で
こうした混在したよりサイズの小さな小胞の実体は明らかになるし、
解析する中で、Exomere、Supermereについての物質情報も
少なくと一部はわかってくるはずなので、
それを正規に論文発表して、
国際的なガイドライン制定に貢献していく事になります。

2018年のガイドラインを今の読んでいますが(1)、
私の印象としては、
基本的なパラメータである大きさと小胞の分類に関しても
まだ、はっきり理解されていないという認識ですし、
細胞外小胞を研究や産業で扱う場合に、
どういった情報を載せればいいか?
ある程度は示されているものの、
まだ、はっきりしない部分も多くあります。
例えば、
Haiying Zhang(敬称略)らの報告を見ていても(29)、
エクソソームの下限は60nmとされているけど、
その下限が30nmとされる報告もあります。
実際、Haiying Zhang先生らの報告では
30nmの領域はExomereになるわけですが、
細胞外小胞を分泌する細胞種によって
そうした大きさの分布は異なるのか?
あるいは、どちらかのスケール設定が不正確なのか?
それも現時点ではわかりません。
その判断の為には
基本的に小胞の大きさごとに
その物質構成、幾何構造について
詳しく調べる必要が少なくともあります。
それは内容物だけではなく、
膜構成や膜タンパク質などを含めてです。

こういった基本的な情報もまだ揃っていないので、
国際的にガイドラインを定めようもない
という事情があると思われます。

少なくともExomere、Supermereを将来的に
私が薬物キャリアとして利用する可能性はセロではありません。
高いトランスサイトーシス効率の為に
小窩に高い確率で侵入できる大きさの細胞外小胞が欲しい。
この需要があるからです。




(参考文献)
(1)
Clotilde Théry 1, Kenneth W Witwer 2 3, Elena Aikawa 4 5, Maria Jose Alcaraz 6, Johnathon D Anderson 7, Ramaroson Andriantsitohaina 8, Anna Antoniou 9 10, Tanina Arab 11, Fabienne Archer 12, Georgia K Atkin-Smith 13, D Craig Ayre 14 15, Jean-Marie Bach 16, Daniel Bachurski 17, Hossein Baharvand 18 19, Leonora Balaj 20, Shawn Baldacchino 21, Natalie N Bauer 22, Amy A Baxter 13, Mary Bebawy 23, Carla Beckham 24, Apolonija Bedina Zavec 25, Abderrahim Benmoussa 26, Anna C Berardi 27, Paolo Bergese 28 29 30, Ewa Bielska 31, Cherie Blenkiron 32, Sylwia Bobis-Wozowicz 33, Eric Boilard 26, Wilfrid Boireau 34, Antonella Bongiovanni 35, Francesc E Borràs 36 37 38, Steffi Bosch 16, Chantal M Boulanger 39 40, Xandra Breakefield 41, Andrew M Breglio 42 43, Meadhbh Á Brennan 44 45 46, David R Brigstock 47 48, Alain Brisson 49, Marike Ld Broekman 50 51 52, Jacqueline F Bromberg 53 54, Paulina Bryl-Górecka 55, Shilpa Buch 56, Amy H Buck 57, Dylan Burger 58 59 60, Sara Busatto 61 30, Dominik Buschmann 62, Benedetta Bussolati 63, Edit I Buzás 64 65, James Bryan Byrd 66, Giovanni Camussi 67, David Rf Carter 68, Sarah Caruso 13, Lawrence W Chamley 69, Yu-Ting Chang 70, Chihchen Chen 71 72, Shuai Chen 73, Lesley Cheng 13, Andrew R Chin 74, Aled Clayton 75, Stefano P Clerici 76, Alex Cocks 75, Emanuele Cocucci 77 78, Robert J Coffey 79, Anabela Cordeiro-da-Silva 80, Yvonne Couch 81, Frank Aw Coumans 82, Beth Coyle 83, Rossella Crescitelli 84, Miria Ferreira Criado 85, Crislyn D'Souza-Schorey 86, Saumya Das 87, Amrita Datta Chaudhuri 3, Paola de Candia 88, Eliezer F De Santana 89, Olivier De Wever 90 91, Hernando A Del Portillo 92 93 94, Tanguy Demaret 95, Sarah Deville 96 97, Andrew Devitt 98, Bert Dhondt 90 99 91, Dolores Di Vizio 74, Lothar C Dieterich 100, Vincenza Dolo 101, Ana Paula Dominguez Rubio 102, Massimo Dominici 103 104, Mauricio R Dourado 105 106, Tom Ap Driedonks 107, Filipe V Duarte 108, Heather M Duncan 109 110, Ramon M Eichenberger 111, Karin Ekström 112, Samir El Andaloussi 113 114, Celine Elie-Caille 34, Uta Erdbrügger 115, Juan M Falcón-Pérez 116 117, Farah Fatima 118, Jason E Fish 119 120, Miguel Flores-Bellver 121, András Försönits 65, Annie Frelet-Barrand 34, Fabia Fricke 122 123, Gregor Fuhrmann 124 125 126, Susanne Gabrielsson 127, Ana Gámez-Valero 36 128, Chris Gardiner 129, Kathrin Gärtner 130, Raphael Gaudin 131 132, Yong Song Gho 133, Bernd Giebel 134, Caroline Gilbert 26, Mario Gimona 135, Ilaria Giusti 101, Deborah Ci Goberdhan 136, André Görgens 113 137 134, Sharon M Gorski 138 139, David W Greening 13, Julia Christina Gross 140 141, Alice Gualerzi 142, Gopal N Gupta 143, Dakota Gustafson 120, Aase Handberg 144 145, Reka A Haraszti 146, Paul Harrison 147, Hargita Hegyesi 65, An Hendrix 90 91, Andrew F Hill 13, Fred H Hochberg 148 149, Karl F Hoffmann 150, Beth Holder 151 152, Harry Holthofer 153, Baharak Hosseinkhani 154, Guoku Hu 56, Yiyao Huang 155 2, Veronica Huber 156, Stuart Hunt 157, Ahmed Gamal-Eldin Ibrahim 158, Tsuneya Ikezu 159, Jameel M Inal 160, Mustafa Isin 161, Alena Ivanova 162, Hannah K Jackson 83, Soren Jacobsen 163 164, Steven M Jay 165, Muthuvel Jayachandran 166, Guido Jenster 167, Lanzhou Jiang 13, Suzanne M Johnson 168, Jennifer C Jones 169, Ambrose Jong 170 171, Tijana Jovanovic-Talisman 172, Stephanie Jung 173, Raghu Kalluri 174, Shin-Ichi Kano 175, Sukhbir Kaur 176, Yumi Kawamura 177 178, Evan T Keller 179 180, Delaram Khamari 65, Elena Khomyakova 181 182, Anastasia Khvorova 146, Peter Kierulf 183, Kwang Pyo Kim 184, Thomas Kislinger 185 186, Mikael Klingeborn 187, David J Klinke 2nd 188 189, Miroslaw Kornek 190 191, Maja M Kosanović 192, Árpád Ferenc Kovács 65, Eva-Maria Krämer-Albers 193, Susanne Krasemann 194, Mirja Krause 195, Igor V Kurochkin 196, Gina D Kusuma 195 197, Sören Kuypers 198, Saara Laitinen 199, Scott M Langevin 200 201, Lucia R Languino 202, Joanne Lannigan 203, Cecilia Lässer 84, Louise C Laurent 204, Gregory Lavieu 1, Elisa Lázaro-Ibáñez 205, Soazig Le Lay 8, Myung-Shin Lee 206, Yi Xin Fiona Lee 207, Debora S Lemos 208, Metka Lenassi 209, Aleksandra Leszczynska 210, Isaac Ts Li 211, Ke Liao 56, Sten F Libregts 212, Erzsebet Ligeti 213, Rebecca Lim 195 197, Sai Kiang Lim 214, Aija Linē 215, Karen Linnemannstöns 140 141, Alicia Llorente 216, Catherine A Lombard 95, Magdalena J Lorenowicz 217, Ákos M Lörincz 213, Jan Lötvall 84, Jason Lovett 218, Michelle C Lowry 219, Xavier Loyer 39 40, Quan Lu 220, Barbara Lukomska 221, Taral R Lunavat 222, Sybren Ln Maas 223 224, Harmeet Malhi 225, Antonio Marcilla 226 227, Jacopo Mariani 228, Javier Mariscal 74, Elena S Martens-Uzunova 167, Lorena Martin-Jaular 1, M Carmen Martinez 8, Vilma Regina Martins 229, Mathilde Mathieu 1, Suresh Mathivanan 13, Marco Maugeri 230, Lynda K McGinnis 231, Mark J McVey 232 233, David G Meckes Jr 234, Katie L Meehan 235, Inge Mertens 236 97, Valentina R Minciacchi 237, Andreas Möller 238, Malene Møller Jørgensen 239 240, Aizea Morales-Kastresana 169, Jess Morhayim 241, François Mullier 242 243, Maurizio Muraca 244, Luca Musante 115, Veronika Mussack 62, Dillon C Muth 2, Kathryn H Myburgh 218, Tanbir Najrana 245, Muhammad Nawaz 230, Irina Nazarenko 246 247, Peter Nejsum 248, Christian Neri 249, Tommaso Neri 250, Rienk Nieuwland 82, Leonardo Nimrichter 251, John P Nolan 148, Esther Nm Nolte-'t Hoen 107, Nicole Noren Hooten 252, Lorraine O'Driscoll 219, Tina O'Grady 253, Ana O'Loghlen 254, Takahiro Ochiya 255, Martin Olivier 256, Alberto Ortiz 257 258 259, Luis A Ortiz 260, Xabier Osteikoetxea 261, Ole Østergaard 262 263, Matias Ostrowski 264, Jaesung Park 133, D Michiel Pegtel 265, Hector Peinado 266, Francesca Perut 267, Michael W Pfaffl 62, Donald G Phinney 268, Bartijn Ch Pieters 269, Ryan C Pink 68, David S Pisetsky 270 271, Elke Pogge von Strandmann 272, Iva Polakovicova 273 274, Ivan Kh Poon 13, Bonita H Powell 2, Ilaria Prada 275, Lynn Pulliam 276 277, Peter Quesenberry 278, Annalisa Radeghieri 28 30, Robert L Raffai 279 276, Stefania Raimondo 280, Janusz Rak 281 256, Marcel I Ramirez 282 283, Graça Raposo 284, Morsi S Rayyan 285, Neta Regev-Rudzki 286, Franz L Ricklefs 287, Paul D Robbins 288, David D Roberts 176, Silvia C Rodrigues 289 108, Eva Rohde 290 135 291, Sophie Rome 292, Kasper Ma Rouschop 293, Aurelia Rughetti 294, Ashley E Russell 295, Paula Saá 296, Susmita Sahoo 297, Edison Salas-Huenuleo 298 299, Catherine Sánchez 300, Julie A Saugstad 301, Meike J Saul 302, Raymond M Schiffelers 303, Raphael Schneider 120 304, Tine Hiorth Schøyen 2, Aaron Scott 305, Eriomina Shahaj 156, Shivani Sharma 306 307 308, Olga Shatnyeva 205, Faezeh Shekari 18, Ganesh Vilas Shelke 309 84, Ashok K Shetty 310 311, Kiyotaka Shiba 312, Pia R-M Siljander 313 314, Andreia M Silva 315 316 317, Agata Skowronek 318, Orman L Snyder 2nd 319, Rodrigo Pedro Soares 320, Barbara W Sódar 65, Carolina Soekmadji 238 321, Javier Sotillo 111, Philip D Stahl 322, Willem Stoorvogel 107, Shannon L Stott 323 324, Erwin F Strasser 325, Simon Swift 326, Hidetoshi Tahara 327, Muneesh Tewari 179 328 329, Kate Timms 330, Swasti Tiwari 331 332, Rochelle Tixeira 13, Mercedes Tkach 1, Wei Seong Toh 333, Richard Tomasini 334, Ana Claudia Torrecilhas 335, Juan Pablo Tosar 336 337, Vasilis Toxavidis 338, Lorena Urbanelli 339, Pieter Vader 303, Bas Wm van Balkom 340, Susanne G van der Grein 107, Jan Van Deun 90 91, Martijn Jc van Herwijnen 107, Kendall Van Keuren-Jensen 341, Guillaume van Niel 342, Martin E van Royen 343, Andre J van Wijnen 344, M Helena Vasconcelos 345 346 316, Ivan J Vechetti Jr 347, Tiago D Veit 348, Laura J Vella 349 350, Émilie Velot 351, Frederik J Verweij 342, Beate Vestad 352 353 354, Jose L Viñas 58 59 60, Tamás Visnovitz 65, Krisztina V Vukman 65, Jessica Wahlgren 355, Dionysios C Watson 356 357, Marca Hm Wauben 107, Alissa Weaver 358, Jason P Webber 75, Viktoria Weber 359, Ann M Wehman 360, Daniel J Weiss 361, Joshua A Welsh 169, Sebastian Wendt 362, Asa M Wheelock 363, Zoltán Wiener 65, Leonie Witte 140 141, Joy Wolfram 364 365 366, Angeliki Xagorari 367, Patricia Xander 368, Jing Xu 138 139, Xiaomei Yan 369, María Yáñez-Mó 370 371, Hang Yin 372, Yuana Yuana 373, Valentina Zappulli 374, Jana Zarubova 375 376 377, Vytautas Žėkas 378, Jian-Ye Zhang 379, Zezhou Zhao 2, Lei Zheng 155, Alexander R Zheutlin 285, Antje M Zickler 380, Pascale Zimmermann 381 382, Angela M Zivkovic 383, Davide Zocco 384, Ewa K Zuba-Surma 33
Minimal information for studies of extracellular vesicles 2018 (MISEV2018): a position statement of the International Society for Extracellular Vesicles and update of the MISEV2014 guidelines
J Extracell Vesicles. 2018 Nov 23;7(1):1535750. 
(2)
Jan Lötvall,corresponding author1 Andrew F. Hill,2 Fred Hochberg,3 Edit I. Buzás,4 Dolores Di Vizio,5 Christopher Gardiner,6 Yong Song Gho,7 Igor V. Kurochkin,8 Suresh Mathivanan,9 Peter Quesenberry,10 Susmita Sahoo,11 Hidetoshi Tahara,12 Marca H. Wauben,13 Kenneth W. Witwer,14 and Clotilde Théry15
Minimal experimental requirements for definition of extracellular vesicles and their functions: a position statement from the International Society for Extracellular Vesicles
J Extracell Vesicles. 2014; 3: 10.3402/jev.v3.26913.
(3)
Masanori Toyofuku, Stefan Schild, Maria Kaparakis-Liaskos & Leo Eberl
Composition and functions of bacterial membrane vesicles
Nature Reviews Microbiology volume 21, pages415–430 (2023)
(4)
Masanori Toyofuku, Nobuhiko Nomura & Leo Eberl
Types and origins of bacterial membrane vesicles
Nature Reviews Microbiology volume 17, pages13–24 (2019)
(5)
Joshua A Welsh 1, Deborah C I Goberdhan 2, Lorraine O'Driscoll 3 4 5, Edit I Buzas 6 7 8, Cherie Blenkiron 9, Benedetta Bussolati 10, Houjian Cai 11, Dolores Di Vizio 12, Tom A P Driedonks 13, Uta Erdbrügger 14, Juan M Falcon-Perez 15 16 17, Qing-Ling Fu 18 19, Andrew F Hill 20, Metka Lenassi 21, Sai Kiang Lim 22 23 24, Mỹ G Mahoney 25, Sujata Mohanty 26, Andreas Möller 27 28, Rienk Nieuwland 29 30, Takahiro Ochiya 31, Susmita Sahoo 32, Ana C Torrecilhas 33, Lei Zheng 34, Andries Zijlstra 35 36, Sarah Abuelreich 37, Reem Bagabas 37, Paolo Bergese 38 39 40, Esther M Bridges 41, Marco Brucale 42 43, Dylan Burger 44 45 46, Randy P Carney 47, Emanuele Cocucci 48 49, Rossella Crescitelli 50 51, Edveena Hanser 52 53, Adrian L Harris 54, Norman J Haughey 55, An Hendrix 56 57, Alexander R Ivanov 58, Tijana Jovanovic-Talisman 59, Nicole A Kruh-Garcia 60, Vroniqa Ku'ulei-Lyn Faustino 37, Diego Kyburz 53 61, Cecilia Lässer 62, Kathleen M Lennon 37, Jan Lötvall 63, Adam L Maddox 37, Elena S Martens-Uzunova 64, Rachel R Mizenko 47, Lauren A Newman 65, Andrea Ridolfi 66, Eva Rohde 67 68 69, Tatu Rojalin 47 70, Andrew Rowland 65, Andras Saftics 37, Ursula S Sandau 71, Julie A Saugstad 71, Faezeh Shekari 72 73, Simon Swift 74, Dmitry Ter-Ovanesyan 75, Juan P Tosar 76 77, Zivile Useckaite 65, Francesco Valle 42 43, Zoltan Varga 78 79, Edwin van der Pol 30 80 81, Martijn J C van Herwijnen 82, Marca H M Wauben 82, Ann M Wehman 83, Sarah Williams 84, Andrea Zendrini 38 39, Alan J Zimmerman 58; MISEV Consortium; Clotilde Théry 85 86, Kenneth W Witwer 87 88 89
Minimal information for studies of extracellular vesicles (MISEV2023): From basic to advanced approaches
J Extracell Vesicles. 2024 Feb;13(2):e12404.
(6)
Andrew C. Dixson, T. Renee Dawson, Dolores Di Vizio & Alissa M. Weaver
Context-specific regulation of extracellular vesicle biogenesis and cargo selection
Nature Reviews Molecular Cell Biology volume 24, pages454–476 (2023)
(7)
Guillaume van Niel, Gisela D'Angelo & Graça Raposo
Shedding light on the cell biology of extracellular vesicles
Nature Reviews Molecular Cell Biology volume 19, pages213–228 (2018)
(8)
Guillaume van Niel, David R. F. Carter, Aled Clayton, Daniel W. Lambert, Graça Raposo & Pieter Vader
Challenges and directions in studying cell–cell communication by extracellular vesicles
Nature Reviews Molecular Cell Biology volume 23, pages369–382 (2022)
(9)
Rong Xu, Alin Rai, Maoshan Chen, Wittaya Suwakulsiri, David W. Greening & Richard J. Simpson
Extracellular vesicles in cancer — implications for future improvements in cancer care
Nature Reviews Clinical Oncology volume 15, pages617–638 (2018)
(10)
Andreas Möller & Richard J. Lobb 
The evolving translational potential of small extracellular vesicles in cancer
Nature Reviews Cancer volume 20, pages697–709 (2020)
(11)
Edit I. Buzas
The roles of extracellular vesicles in the immune system
Nature Reviews Immunology volume 23, pages236–250 (2023)
(12)
Paul D. Robbins & Adrian E. Morelli
Regulation of immune responses by extracellular vesicles
Nature Reviews Immunology volume 14, pages195–208 (2014)
(13)
Kyosuke Yanagawa, Akiko Kuma, Maho Hamasaki, Shunbun Kita, Tadashi Yamamuro, Kohei Nishino, Shuhei Nakamura, Hiroko Omori, Tatsuya Kaminishi, Satoshi Oikawa, Yoshio Kato, Ryuya Edahiro, Ryosuke Kawagoe, Takako Taniguchi, Yoko Tanaka, Takayuki Shima, Keisuke Tabata, Miki Iwatani, Nao Bekku, Rikinari Hanayama, Yukinori Okada, Takayuki Akimoto, Hidetaka Kosako, Akiko Takahashi, Iichiro Shimomura, Yasushi Sakata & Tamotsu Yoshimori
The Rubicon–WIPI axis regulates exosome biogenesis during ageing
Nature Cell Biology volume 26, pages1558–1570 (2024)
(14)
Jacopo Meldolesi
Exosomes and Ectosomes in Intercellular Communication
Current Biology Volume 28, Issue 8, 23 April 2018, Pages R435-R444
(15)
Li-li Xu, Jia-qian Xie, Jian-jun Shen, Mei-dan Ying & Xin-zhong Chen 
Neuron-derived exosomes mediate sevoflurane-induced neurotoxicity in neonatal mice via transferring lncRNA Gas5 and promoting M1 polarization of microglia
Acta Pharmacologica Sinica volume 45, pages298–311 (2024)
(16)
Alexander A. Yakovlev
Neuronal Exosomes as a New Signaling System
Biochemistry (Moscow) Volume 88, pages 457–465, (2023)
(17)
大阪大学
工藤 喬・赤嶺 祥真・丸谷 典子・金山 大祐(キャンパスライフ健康支援・相談センター)
血漿から脳神経由来エクソソームを分離する技術の開発
(18)
Sylwia Bobis-Wozowicz, Milena Paw, Michał Sarna, Sylwia Kędracka-Krok, Kinga Nit, Natalia Błażowska, Anna Dobosz, Ruba Hammad, Toni Cathomen, Ewa Zuba-Surma, Małgorzata Tyszka-Czochara & Zbigniew Madeja
Hypoxic extracellular vesicles from hiPSCs protect cardiomyocytes from oxidative damage by transferring antioxidant proteins and enhancing Akt/Erk/NRF2 signaling
Cell Communication and Signaling volume 22, Article number: 356 (2024)
(19)
Khalid Al-Nedawi, Brian Meehan, Johann Micallef, Vladimir Lhotak, Linda May, Abhijit Guha & Janusz Rak 
Intercellular transfer of the oncogenic receptor EGFRvIII by microvesicles derived from tumour cells
Nature Cell Biology volume 10, pages619–624 (2008)
(20)
Ritu Jaiswal Lisa M. Sedger1
Intercellular Vesicular Transfer by Exosomes, Microparticles and Oncosomes - Implications for Cancer Biology and Treatments
Frontiers in Oncology Volume 9 - 2019 | https://doi.org/10.3389/fonc.2019.00125
(21)
Clotilde Théry 1, Sebastian Amigorena, Graça Raposo, Aled Clayton
Isolation and characterization of exosomes from cell culture supernatants and biological fluids
Curr Protoc Cell Bio. 2006 Apr:Chapter 3:Unit 3.22.
(22)
Stefano Gelibter, 1 Giulia Marostica, 1 Alessandra Mandelli, 1 Stella Siciliani, 3 Paola Podini, 2 Annamaria Finardi, 1 and Roberto Furlancorresponding author
The impact of storage on extracellular vesicles: A systematic study
J Extracell Vesicles. 2022 Feb; 11(2): e12162.
(23)
An Hendrix, Lien Lippens, Cláudio Pinheiro, Clotilde Théry, Lorena Martin-Jaular, Jan Lötvall, Cecilia Lässer, Andrew F. Hill & Kenneth W. Witwer 
Extracellular vesicle analysis
Nature Reviews Methods Primers volume 3, Article number: 56 (2023)
(24)
David S. Roberts, Joseph A. Loo, Yury O. Tsybin, Xiaowen Liu, Si Wu, Julia Chamot-Rooke, Jeffrey N. Agar, Ljiljana Paša-Tolić, Lloyd M. Smith & Ying Ge
Top-down proteomics
Nature Reviews Methods Primers volume 4, Article number: 38 (2024)
(25)
Chloé Roffay, Juan Manuel García-Arcos, Pierrik Chapuis, Javier López-Andarias, Falk Schneider, Adai Colom, Caterina Tomba, Ilaria Di Meglio, Katia Barrett, Valentin Dunsing, Stefan Matile, Aurélien Roux & Vincent Mercier
Tutorial: fluorescence lifetime microscopy of membrane mechanosensitive Flipper probes
Nature Protocols (2024)
(26)
Gražvydas Lukinavičius, Jonatan Alvelid, Rūta Gerasimaitė, Carmen Rodilla-Ramirez, Văn Thắng Nguyễn, Giuseppe Vicidomini, Francesca Bottanelli, Kyu Young Han & Ilaria Testa
Stimulated emission depletion microscopy
Nature Reviews Methods Primers volume 4, Article number: 56 (2024)
(27)
R B Birge,1,10,* S Boeltz,2,10,* S Kumar,1,10 J Carlson,3,10 J Wanderley,4,10 D Calianese,1,10 M Barcinski,5,10 R A Brekken,6,7,10 X Huang,6,7,10 J T Hutchins,3,10 B Freimark,3,10 C Empig,3,10 J Mercer,8,10 A J Schroit,9,10 G Schett,2,10 and M Herrmann2,
Phosphatidylserine is a global immunosuppressive signal in efferocytosis, infectious disease, and cancer
Cell Death Differ. 2016 Jun; 23(6): 962–978.
(28)
A Haimovitz-Friedman 1, R N Kolesnick, Z Fuks
Ceramide signaling in apoptosis
Br Med Bull. 1997;53(3):539-53. 
(29)
Haiying Zhang, Daniela Freitas, Han Sang Kim, Kristina Fabijanic, Zhong Li, Haiyan Chen, Milica Tesic Mark, Henrik Molina, Alberto Benito Martin, Linda Bojmar, Justin Fang, Sham Rampersaud, Ayuko Hoshino, Irina Matei, Candia M. Kenific, Miho Nakajima, Anders Peter Mutvei, Pasquale Sansone, Weston Buehring, Huajuan Wang, Juan Pablo Jimenez, Leona Cohen-Gould, Navid Paknejad, Matthew Brendel, …David Lyden 
Identification of distinct nanoparticles and subsets of extracellular vesicles by asymmetric flow field-flow fractionation
Nature Cell Biology volume 20, pages332–343 (2018)
(30)
IZON
The Non-Vesicular Wave: Exomeres, Supermeres and Beyond
 

2024年9月24日火曜日 0 コメント

AI利用、MRIによる赤血球-エクソソーム複合体対象の小児脳腫瘍特異的薬物送達追跡

(背景)
元々、実験、検証前に想定していた難易度が
実際に実施したら変わるという事は十分に考えられますが、
私の系統的なプロジェクトの中で一番難しい課題は
「患者さんの体内のエクソソームを非侵襲かつ安全に
画像によって追跡して、薬物送達を確認する。」
ということです。
◎エクソソームの重水素のラベリング
◎大きな細胞との複合体化
◎細胞の重水素ラベリング
◎磁気共鳴分析(MRI)装置の最適化、高性能化
⇒重水素信号に適したハードウェア設計
⇒空間分解能の改善(より小さいもの正確に観察するため)
⇒時間分解能の改善(動きをリアルタイムでトレースするため)
⇒信号ノイズ比(S/N比)の改善
これらが少なくとも求められますが、
必要な機能を補う強力な手段として
「人工知能、強化学習による画像推論」があります。
極端な話、動きのパターンが決まっているところは
人工知能によって全て正確に推論してもらって、
そこの測定は極めて荒くしてしても大丈夫というレベルにしたいです。

この画像推論をする上で必須になる要素は
「特徴量」の決定です。
コンピューター上での作業である以上、
すべては数字データです。
従って、基本的には数字データの傾向から判断する必要があります。
しかし、単に
統計(最高、最低、微分係数、標準偏差など)
こういった統計値を利用し、
フィルタマスク(カーネル)で無差別的に
数字の特徴を定義していくだけでは
脳神経の複雑な組織に対して、
細かく画像を整合、重ね合わせながら推論させる事はできません。
機械学習の評価の際に必要な
重みづけ関数(シグモイド関数、tanh関数など)
損失関数(損失関数、平均二乗誤差、クロスエントロピー損失など)
これらを有効に機能させるためには
目的に応じた適切な「特徴量」の定義が必要になります。


(目的)
今回の目的は
「患者さんの体内のエクソソーム-赤血球複合体の動き
を磁気共鳴分析で追跡して、
子どもの脳腫瘍組織迄の薬物送達を確認する。」
これに絞って、適切な「特徴量」の定義を行います。

まず初めに「エクソソーム-赤血球」を分析対象としてフォーカスし
想定される特徴量について詳しく考えます。
こちらは実際に詳しく信号取得を行う部分です。
しかし、人工知能の推論を利用する可能性も探ります。

次に、分析対象物「エクソソーム-赤血球」以外の
とりわけ脳組織において想定される特徴量について詳しく考えます。
こちらが特に人工知能の推論を多く必要とする部分です。
重水素にラジオ波共鳴周波数をあわせると
水素に対して150ppmしか重水素はないので
磁気共鳴の像は、真っ暗になると思われます。
従って、バックグラウンド画像として
水素に共鳴波長を合わせて、
組織の画像をタイミングを変えて取得する必要があります。
その時に、重水素の焦点をあわせて
薬物動態を集中的に観ている時には
バックグラウンド画像を
新たに取得しなくてもいいようにしておきたい。
従って、動きのパターンを高度に人工知能に学習させて
その推論によってバックグラウンド画像を生成するという事です。

--------------
<<対象:エクソソーム-赤血球複合体>>


(前提条件)
赤血球とエクソソームを複合体化して(1)、
両方を重水素ラベリングして
血液内の動きを磁気共鳴分析(MRI)で分析する設定とします。

赤血球の大きさは約6-8μm(6000-8000nm)です。
一方でエクソソームは約30-50nmです。

人の血管の内径は
大動脈:2,000 - 25,000 (μm)
動脈:1,000 - 4,000(μm)
細動脈:20 - 30 (μm)
毛細血管:1 - 8 (μm)
細静脈:2 - 20 (μm)
静脈:500 - 5,000(μm)
(参考文献(2) Fig.2より)

最終的に脳の各領域に延びる血管系の範囲を 1 - 200 (μm)とする。
(参考文献(3) Supplementary Video 1)

磁気共鳴分析装置の空間分解能を500μm角ボクセル(今の2倍)。
リピートタイム 1ms (高速勾配エコーイメージングを想定)
リピート毎の分析範囲 0.5mm(幅) - 100mm (長さ):1ラインスキャン

(特徴量)

(0)前提
ボクセルの短軸:500μmと想定し、
最終的に小児脳腫瘍のある脳の領域に薬物が届いているかどうかの
判断の為の血管径を1-1,000μm程度とする(4)。
この範囲を定義する理由は
確かに脳に送達されているかは頸動脈など
径の大きな動脈が対象となるが、
細胞種特異的薬物送達システムの判断の為には
脳腫瘍がある脳の領域へ分岐している動脈である必要があります。
上に、そのための血管径の範囲を仮に定めました。

他方で、毛細血管と中程度の径を持つ血管内では
MRIで検出する赤血球-エクソソーム重水素信号の
時系列パターンと特徴量の関係性が変わってきます。

まず、必要になるのが
「ボクセル内に存在する赤血球-エクソソーム複合体」
これの密度です。
ただし、実際にはこれが薬物送達のキャリアですから、
その数は当然、薬物送達効率に依存するのですが、
バックグラウンドとして
血液中に一般的に含まれる赤血球の濃度について定義します。

赤血球数は4,200,000 - 5,900,000 cells/cm^3です(5)。
この濃度から500μm^3では 525 - 737.5個となります。
仮に径が200μmの血管が横切るとすると
ボクセル内の血管空間占有率は12.6%となるので、
その個数はだいたい66個~93個です。
それよりも大きな径の血管を想定して
ここでは仮に100個と仮定します。
従って、だいたい一つのボクセル内に
100個程度の赤血球が通常存在することになります。

赤血球の径が6 - 8μmなので100個入るボクセルは
100^(1/3)なので4.462倍となるので27.8-37.1μmボクセルくらいになります。
これは仮に赤血球100個が集合しているとして
500μmボクセル内での占有体積となります。
これを30μmボクセルとすると、
体積占有率は(30^3)/(500^3) = 0.0216%(0.000216)となります。

従って、ボクセル内の正味の赤血球の信号は
バックグラウンドをゼロとした場合
1万分の2くらいの体積占有率の信号しか得られません。
また、細胞体積全てが重水素信号をだすわけではないですから
もっと、その信号は薄められることになります。

仮に血管がボクセルよりも太く空間占有率が100%だとします。
そうすると赤血球は600個になります。
600^(1/3)なので8.434倍となるので60μmボクセル。
体積占有率は(60^3)/(500^3) = 0.1728%(0.001728)となります。

仮に赤血球をエンジニアリングする事で
赤血球の局所的な濃度を5倍にできたとします。
そうすると同じ血管空間占有率では5倍なので500個となります。

ここでどういった問題が生じるか?
1ボクセル内の赤血球-エクソソーム複合体からの信号強度
血管の体積占有率によっても変わるので
その信号強度が
真に赤血球-エクソソーム複合体の密度上昇によるものなのか?
それとも
血管体積占有率の上昇によるものなのか?
あるいは、その両方?
それらがちゃんと血管造影してボクセルごと、
血管体積占有率を計算しないとわからないという事です。
ここで、AIソフトフェアの力が必要になると思います
ただ、
そのボクセルがほとんど毛細血管によって占有されている場合には
統計的にある程度は血管体積占有率は平均化されてくるかもしれません。
問題は、太い血管が通るルートは
血管体積占有率が高くなるため、信号は強く出るという事です。

もう1つは元々、重水素は水素に比べて、局所磁場が弱いため
おおよそ6倍くらい信号が弱いとされています。
それはラーモア共鳴周波数の比でおおよそ示されます。

血液中の水の割合は約50%くらいです(6)。
でも、細胞中にも水があります。
細胞の中の67%が水であるとします。
そうすると実質的に5/6、
すなわち血液中は実際に細胞と水以外の成分があるとして
約80%程度は水という事です。
この見積もりを元に、
その血液の水の水素に対して
赤血球にラベリングした重水素の数の比を概算します。

赤血球の体積占有率は0.02%くらいです。
また、重水素置換できる効率、領域も限られます。
なぜなら、細胞膜だけだからです。
その割合を1%とすると0.0002%です(もっと低いかもしれません)。
一方、水の体積占有率は血管体積占有率のロスがあるとして
仮に70%くらいだとすると、

(0.0002/70) * (1/6) ≒ 5.0 * 10^-7

このような信号強度になります。
すなわち、今、水の水素から得られているラジオ波信号に対して
赤血球の重水素から得られると期待されるラジオ波信号は
私の概算では6桁から7桁くらい強度が低いことになります。

2次評価でどうなるかわかりませんが、
このエクソソーム-赤血球複合体の磁気共鳴分析による追跡が
物理的に絶対に無理という話になれば、
無駄に資源を投資するわけにもいかないので、
「持続的に」「諦めずに」研究開発するのは、
少なくとも「私一人」とか
「2,3人(私を含めて)」レベルのリソースにして、
追跡ができない前提で進めるのも一つの戦略です。
ただ、「私は辞めないよ。」です。
しかし、色んな前提条件とバイアスがあるため
下記に示す最低条件(妥協案)も含めて
重要な技術であるには変わりないので
2次評価では慎重に実現可能性を評価(Feasible study)。
これをしなければなりません、

すでに、ガドニウムによる血管造影は一般的で、可能です(7)。
しかし、ガドニウムによって造影が可能になるのは
「体内に豊富にある水分子との相互作用」によります(Open AI)。
磁性を強めるにしても
その干渉対象は豊富にある水素である必要があります。

しかし、赤血球で重水素置換するときに
赤血球にある54.8% ~ 78.1%の水(9)を重水にすれば、
エンジニアリングによる最大で80%くらい重水素にできるため、
上の見積もりでは1%として算出しましたが、
これが80%の80倍になれば、水素のとの信号比は

 Signal ratio(D/H) ≒ 4.0 * 10^-5

この値となります。
さらに、下述するように重水素にガドニウム造影剤を入れる事を考えます。
例えば、1.5Tでは最大で10倍程度の信号強度増加が見込まれます(18)。

 Signal ratio(D/H,Gd) ≒ 4.0 * 10^-4

これに対して、空間分解能を1軸:5倍下げる事を考えます。
すなわち、5mm角のボクセルとします。
そうすると微小残存病変カットオフ1cmの腫瘍に対して
8ボクセルとなります。
そうすると原理的には125倍になりますが、仮に100倍とします。

 Signal ratio(D/H,Gd,R5m) = 4.0 * 10^-2 (※S/N比は変わらない)


さらに腫瘍がある部分を集中的に10倍時間をかけて測定します。

 Signal ratio(D/H,Gd,R5m,T*10) = 0.4 (※S/N比は変わらない)

このようにすると腫瘍組織の周りの解析における
低解像度での「赤血球-エクソソーム濃度」。
これについては十分な信号強度が得られる可能性があります。
このレベルで有れば
実際の医療現場で先生(医師、技師、医療スタッフ)、
患者さんに用意できる装置の仕様となりそうです。
しかし、
これでは薬物の動態の把握、薬物をリアルタイムでは追跡できません。
確かに薬物が腫瘍組織の周りに届いているという事の確認です。
これを「最低条件」と1次評価で定めました、


ここで一つ新たなアイデアが生まれました。
すなわちエクソソームと赤血球の複合体において、
赤血球の多くを占める水を重水にするのであれば、
脂質膜の水素を必ずしも、重水にする必要があるのか?
このような問いが生まれます。
赤血球の中の水が、どれくらい保持されるかわかりませんが、
赤血球の中の水は変わるけど
だいたい54.8% ~ 78.1%です(9)。
ある程度は体内で置換されるとして
水を完全に重水に変えて、80%重水にできたら、
脂質膜の重水置換がいらないかもしれません。
エクソソーム重水素置換不要としたら、プロセスは楽になります。

ただし、Patrick G. Gallagher(敬称略)らが
Figure 1に示すように赤血球には
AQP1, AQP3という水チャンネルがあり、水を交換しています(16)。
例えば、脳神経系ではタウリンなど
細胞の浸透圧、容積を調整している物質もあります(17)。
こうしたチャンネル、物質の機序を赤血球でよく理解して、
中の重水の循環器中での寿命を高めるにする必要があります。
赤血球の中の重水の寿命は
赤血球-エクソソーム複合体の
重水素依存の信号強度の保持に関わると考えられるからです。

次の付加的対策は、
赤血球内の置換する重水に対して、造影剤である
ガドニウムを高密度で入れるということです。
それを赤血球の中で保持することが求められます。
ガドニウムで重水の共鳴周波数がシフトしてくれれば、
体内に元々低濃度である重水のバックグラウンド信号が
さらに小さくなるので
重水に着目した時にS/N比が上がる事が期待されます。

自然の水中の重水素/水素比は1.5 × 10^-4(150ppm)くらいです(8)。
さらに重水素MRI信号は弱いので
元々の身体からのMRI重水素信号は水素に対して5桁~6桁低いです。
従って、ノイズ信号がなければ、
重水素MRI信号は非常に暗くなることが想定されます。
上述したような赤血球-エクソソームの
効果的な重水素造影ができれば、
その真っ暗なバックグラウンドの中に
いくつかのシグナルの集合や点が見えるという事です。
しかし、それが「どこ?」に位置しているかわからないため、
上述したように水素の組織画像と
正確に3次元位置をあわせて、整合させて
それらの重水素信号の組織位置を確定させる必要があります。
但し、最低限の造影として
バックグラウンド画像は(その周りの血管造影を含めて)
腫瘍組織だけでもかまいません。
腫瘍組織の近くに「どれだけの濃度の薬剤が集まっているか?」
これが評価できれば、最低限の条件を満たすと(1次)評価します。

この目的を果たすためには必ずしも
「広範囲の画像」「高い解像度」
これらを必要としませんから
信号強度を上げるために空間、時間分解能を下げて
S/N比は変わらなくても、
信号強度の底上げを図ります。

ここまでの対策が想定通りであれば、
赤血球-エクソソーム複合体からの
重水素信号が現実的に計測できるレベルにはなりそうです。

2次評価を通過すれば、
こういった開発は他のプロジェクトと並行して進められます。

もう一つの最高峰に重要なプロジェクトが
癌細胞特異的エクソソームの液体生検による物質分析です。

このエクソソームによる液体生検の解析で
今よりも少ない(脳腫瘍)癌細胞を高精度に識別できる。
かつ、その組織学的な位置が特定できる可能性があります。

では、ここから、それを見積もる、評価するために
血中のエクソソーム濃度から
癌細胞由来のエクソソームを特定正確性(ppm)と
癌細胞数(組織の大きさ)の関係性について概算します。
結論から言うと
癌細胞が100 EVs/minの分泌速度であるとすると
1ppmの選択正確性で癌細胞由来エクソソームを特定出来たら
約1万個の癌細胞の精度で
癌細胞のみのエクソソームを抽出でき、
エクソソームの膜、表面タンパク質、内容物を評価する事で
癌細胞の膜、表面タンパク質、
タンパク質、脂質、糖、遺伝子(RNA,DNA)などを
特異的に、純度を上げて分析できる事になります。

一方で、癌細胞の有無はこの1ppmの解像度が無くても
無差別に細胞外小胞だけを分析して
通常の細胞由来の物質と混合した状態で
1ppmの精度で癌細胞の遺伝子などを特定出来たら
そもそも、癌細胞特異的エクソソーム分離技術は必要ありません。
この1ppmという精度は
「10000個という少ない癌細胞の物質のみ」を
分析する事が許される正確性になります。

この10000個というのは癌細胞一つが10μmであるとすると(10)、
体積の細胞充実度が1%のような荒い組織であっても
その大きさが計算上、1mmボクセルです。
今の現状の固形癌の微小残存病変のカットオフは1cmとされます(11)。
MRIなどで検出されるような腫瘍組織よりも
小さい腫瘍組織において、
もし、1ppmという精度でエクソソームを分離出来たら
そのような今までの検出限界以下の癌細胞の検出ではなく、
その癌細胞だけの物質を特異的に扱う事が許される正確性になります。

これによって、検出限界以下の癌細胞に対して
将来的に再発しないように
その数を確認しながら、
適切な薬物を選択できる事を示唆します。

実際に、癌細胞一つの大きさから
そのまま、腫瘍組織の大きさを計算すると
人の身体の中に含まれるすべての細胞数と
身体の大きさを考慮すると、大きな誤差があります。
従って、
身体の全細胞数が過小評価されているか、
癌細胞一つの大きさが違うか、
上で述べた様に腫瘍組織の中に占める
細胞の体積比率が低いかです。

実際、癌細胞が1000個集まって組織を形成していたら
だいたい100-200μmくらいの組織になります。
1cmというと5*10^8 - 10^9個くらいの癌細胞の数になります。
でも実際には子供の全身の細胞数は1.5 * 10^13くらいなので
この計算で行くと10cm角で10^12乗になるので
身体の大きさからいうと
過大評価していることになります。
実際には細胞外マトリックスや内腔があるという事です。
癌には「細胞充実度(Cellularity)」という指標があり、
これが高い方が悪性度が高いわけですが、
乳がんで平均40%、膵臓がんで10 - 90%(ave.25.9%)(15)です。


血液中の細胞外小胞の量が 10^10 EVs/ml(12)
血液は1kgあたり 80-90mlなので
6歳が体重20kg少しとして、2000mL
そうすると体内に準平衡状態(生成⇔取り込み、分解、代謝、排出)で存在する
細胞外小胞の数は 2 * 10^13個となります。
血液の寿命は120日(13)なので、
細胞外小胞の寿命も仮に同じ程度だとすると
細胞外小胞の分泌量は1.2 * 10^8 EVs/minとなります。
しかし、実際は
一分当たりの血漿の細胞外小胞分泌量は
1.5 * 10^12 EVs/minと見積もられています。
という事は血液よりも回転率が速いという事です。
だいたい、13分くらいということになります。
細胞外小胞は細胞に取り込まれるからです。

身体の細胞数はどれくらいか?
人の細胞数は子供の場合、15兆個(1.5 * 10^13)とすると
全ての細胞の細胞外小胞がロスなく血液に滲出しているとしたら
1分間で0.1個という計算になります。
実際は
単球で 24 - 66 EVs/cell/min
赤血球で 3.0 * 10^-3 EVs/cell/min
このようになっています。
ちなみに、癌がある状態では
血液中の細胞外小胞が2倍になったという報告があります。
そうすると10^12EVs/minを分泌することになります。
だいたい、固形癌の平均の大きさが10cmボクセルです。
細胞充実度が30%(2D)⇔9%(3D)であるとすると
腫瘍組織実効体積が90cm^3となります。
癌細胞1つの径10μmであるとすると
腫瘍組織実行体積当たり、1 * 10^11個平均あることになります。
身体の細胞の中の1/150くらいが癌の計算になります。
1/150はちょっと多いので、1/1000くらいとします。
すなわち1.5 × 10^10個くらいです。
それで10^12個オーダーで一分間で細胞外小胞が増えるわけですから、
一個あたり、だいたい100 EVs/cell/miniとなります。
この辺でだいたい、妥当かなという感じがします。

そうすると1000個オーダーの癌細胞では
1 * 10^5 EVs/minとなりますから
だいたい、血液中にある細胞外小胞の7桁落ちくらいの精度があると
これくらいの数の癌細胞が検出できるということになります。
血液中の細胞外小胞の量が 10^10 EVs/ml。
これくらいなので、7桁落ちなので
1000個/mlくらいが1000個オーダーの癌細胞です。
ちょうど1mlあたり1個のEVsが1個の癌細胞に当たるという計算になります。
子どもの場合、採血できるのが最大で20mLなので、
だいたい、2万個/1000 cancer cells/20mLとなりますが、
分離できるエクソソームは一部なので
その1/10だとしたら2000 Exosomes/1000 cancer cells/20mLです。

私の概算では
癌細胞 1000個 0.1ppmの精度
癌細胞 10000個 1ppmの精度
、、、
このようになります。
従って、1ppmくらいの特異性で癌細胞由来のエクソソームを分離出来たら
だいたい補正して1mm~数mmボクセルくらいの癌細胞が検出できるので
この大きさは磁気共鳴装置の数ボクセルくらい。
そうすると
もし、エクソソームの分離技術を頑張って、
1ppmくらいの精度で、癌由来のエクソソームを分離出来たら
そこから推定される腫瘍組織の大きさは
磁気共鳴分析(MRI)で検出できるレベルではないということです。

今の1cm(10mm以下)という微小残存病変のカットオフは
細胞レベルで見ると、まだ、ちょっと評価として荒いといえそうです。

少なくとも今、MRIで分析できるような
センチメートルオーダーの腫瘍組織以下の
ミリメートルオーダーの腫瘍組織が
エクソソームによって検出され、
それに対して、適切な投薬が可能になる可能性があります。
その薬物送達を視覚化する
磁気共鳴分析/全頭部固定集束超音波の装置側のプロジェクトでは
そうした分析不可能な小さな癌に対しての
薬物送達を評価することになる可能性がある。
このことを想定して、装置開発する必要があります。

上述した最低条件を満たすことを考えつつ行う
それよりも先にある薬物動態のリアルタイム解析は
超音波を使った薬物リリースの為に必要となります。
こうした超音波を使った薬物送達を(19)
先生(医師、技師)、患者さんに
それぞれ治療モダリティー、治療として提供するためには
最低条件よりももう少し厳しい条件での装置性能を満たす必要性があります。
おそらく
トラッキングで持たらされる一番の付加価値は
この超音波駆動の薬物送達技術にあると思われます(19)。
場合によれば、
赤血球-エクソソーム複合体を
この外因的信号である超音波で病変部位で選択的に解除する必要があります。
そのタイミングの決定の為には
最低条件よりももっと厳しい装置性能が求められます。




(1)空間的特徴

(11)定速度
定義:定速度とは赤血球-エクソソーム複合体の動きにおいて、
特定の群速度が一様に保たれている状態。
従って、少なくともボクセルの半分程度の径以上の
血管内の赤血球-エクソソーム複合体の群速度の検出をする際の
特徴量として定義します。
なぜなら、ボクセル内に多くの血管が通過すると
それらの足し合わせになるため
赤血球-エクソソーム複合体の血管内の実際の動きと
各ボクセルから放出される信号の時系列パターンが変わってきます。
従って、特徴量としては同じ速度でも別に定義する必要があります。

ボクセルをおおよそ満たす径のある血管では
その血管内の赤血球-エクソソーム複合体が主な信号元となります。
従って、この血管に沿うボクセルの信号強度の時系列パターンは
血球-エクソソーム複合体の定速度を主に反映すると考えます。






(参考文献)
(1)
Jacob S. Brenner, Daniel C. Pan, Jacob W. Myerson, Oscar A. Marcos-Contreras, Carlos H. Villa, Priyal Patel, Hugh Hekierski, Shampa Chatterjee, Jian-Qin Tao, Hamideh Parhiz, Kartik Bhamidipati, Thomas G. Uhler, Elizabeth D. Hood, Raisa Yu. Kiseleva, Vladimir S. Shuvaev, Tea Shuvaeva, Makan Khoshnejad, Ian Johnston, Jason V. Gregory, Joerg Lahann, Tao Wang, Edward Cantu, William M. Armstead, Samir Mitragotri & Vladimir Muzykantov
Red blood cell-hitchhiking boosts delivery of nanocarriers to chosen organs by orders of magnitude
Nature Communications volume 9, Article number: 2684 (2018) 
(2)
Müller, Bert ; Lang, Sabrina ; Dominietto, Marco ; Rudin, Markus ; Schulz, Georg ; Deyhle, Hans ; Germann, Marco ; Pfeiffer, Franz ; David, Christian ; Weitkamp, Timm
High-resolution tomographic imaging of microvessels
Proceedings of the SPIE, Volume 7078, article id. 70780B, 10 pp. (2008).  
10.1117/12.794157 
(3)
Sarah J. Pfau, Urs H. Langen, Theodore M. Fisher, Indumathi Prakash, Faheem Nagpurwala, Ricardo A. Lozoya, Wei-Chung Allen Lee, Zhuhao Wu & Chenghua Gu
Characteristics of blood–brain barrier heterogeneity between brain regions revealed by profiling vascular and perivascular cells
Nature Neuroscience (2024)
(4)
Jasper H. G. Helthuis,corresponding author 1 , 2 Tristan P. C. van Doormaal, 1 , 2 Berend Hillen, 3 Ronald L. A. W. Bleys, 4 Anita A. Harteveld, 5 Jeroen Hendrikse, 5 Annette van der Toorn, 5 Mariana Brozici, 4 , 6 Jaco J. M. Zwanenburg, 5 and Albert van der Zwan 1 , 2
Branching Pattern of the Cerebral Arterial Tree
Anat Rec (Hoboken). 2019 Aug; 302(8): 1434–1446.
(5)
VINMEC
How many red blood cells in the body?
(6)
Blood
Wikipedia
(7)
Michael P Hartung,1 Thomas M Grist,1 and Christopher J François
Magnetic resonance angiography: current status and future directions
J Cardiovasc Magn Reson. 2011; 13(1): 19.
(8)
Rita Maria Concetta Di Martino, Brad D. Maxwell & Tracey Pirali
Deuterium in drug discovery: progress, opportunities and challenges
Nature Reviews Drug Discovery volume 22, pages562–584 (2023)
(9)
K Kageyama 1, Y Onoyama, H Kogawa, E Goto, K Tanabe
The maximum and minimum water content and cell volume of human erythrocytes in vitro
Biophys Chem. 1989 Sep 15;34(1):79-82.
(10)
Sean P Devan,1,2 Xiaoyu Jiang,1,3 Guozhen Luo,4 Jingping Xie,1 James D Quirk,5 John A Engelbach,5 Hannah Harmsen,6 Eliot T McKinley,7 Jing Cui,1,3 Zhongliang Zu,1,3 Albert Attia,4 Joel R Garbow,5,8 John C. Gore,1,3,9,10 Colin D McKnight,3 Austin N Kirschner,4 and Junzhong Xu1
Selective cell size MRI differentiates brain tumors from radiation necrosis
Cancer Res. 2022 Oct 4; 82(19): 3603–3613.
(11)
Stephan Polterauer 1, Ignace Vergote, Nicole Concin, Ioana Braicu, Radoslav Chekerov, Sven Mahner, Linn Woelber, Isabelle Cadron, Toon Van Gorp, Robert Zeillinger, Dan Cacsire Castillo-Tong, Jalid Sehouli
Prognostic value of residual tumor size in patients with epithelial ovarian cancer FIGO stages IIA-IV: analysis of the OVCAD data
Int J Gynecol Cancer. 2012 Mar;22(3):380-5.
(12)
Martin Auber, Per Svenningsen
An estimate of extracellular vesicle secretion rates of human blood cells
Journal of Extracellular biology  Volume1, Issue6 June 2022 e46
(13)
Perumal Thiagarajan; Josef Prchal
Chapter 33: Erythrocyte Turnover
Mc Graw Hill Access Medicine
(14)
Guangpeng He, Xueqiang Peng, Shibo Wei, Shuo Yang, Xinyu Li, Mingyao Huang, Shilei Tang, Hongyuan Jin, Jiaxing Liu, Sheng Zhang, Hongyu Zheng, Qing Fan, Jingang Liu, Liang Yang & Hangyu Li
Exosomes in the hypoxic TME: from release, uptake and biofunctions to clinical applications
Molecular Cancer volume 21, Article number: 19 (2022) 
(15)
In Kuk Cho,1 Haeryoung Kim,2 Jong-chan Lee,1 Jongchan Lee,1 Jaihwan Kim,1 Soomin Ahn,3 Hyunjin Park,3,4 and Jin-Hyeok Hwang1
Higher Tumor Cellularity in Resected Pancreatic Ductal Adenocarcinoma Is a Negative Prognostic Indicator
Gut Liver. 2020 Jul 15; 14(4): 521–528.
(16)
Patrick G Gallagher 1
Disorders of erythrocyte hydration
Blood. 2017 Dec 21;130(25):2699-2708.
(17)
Herminia Pasantes-Morales 1
Taurine Homeostasis and Volume Control
Adv Neurobiol. 2017:16:33-53. 
(18)
Jordy K. van Zandwijk et al.
Comparing the signal enhancement of a gadolinium based and an iron-oxide based contrast agent in low-field MRI
PLoS One. 2021; 16(8): e0256252.
(19)
Ying Meng, Kullervo Hynynen & Nir Lipsman 
Applications of focused ultrasound in the brain: from thermoablation to drug delivery
Nature Reviews Neurology volume 17, pages7–22 (2021)

 
;