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新型コロナウィルスに罹患した時の特徴的な症状として、
味覚、嗅覚障害があります。
必ずしも出るものではないですが、
一部の人はそれを経験します。
このような症状は
神経学的兆候(neurological manifestations)と
呼ばれています。
その他には
頭痛、めまい、倦怠感、筋肉痛などもあります。
これらの症状は
神経系と関係していますから
その病理を理解するために
MRI、腰椎穿刺、筋電図検査などが
検査として挙げられていますが、
新型コロナウィルス以外の疾患を持っている
患者さんに対しての感染を防ぐために、
これらの検査を行うことはリスクがあり
なかなか実施できないという現状があるといわれています。
上述した味覚障害、嗅覚障害は
他の上気道感染症でも確認されている
といわれています。
従って、上気道あるいは肺に対する症状と
神経系の相互作用によって
生じている可能性が考えられます。
例えば、日本脳炎や細菌性の髄膜炎などにおいては
脳脊髄液所見があるといわれています。
例えば、液圧、外観、たんぱく質などが
正常と変わっていることがあるようです。
しかし、新型コロナウィルスに関しては、
神経学的兆候が症状の中にあっても、
脳脊髄液の中にウィルスが確認されなかった
という報告があります。
しかし、他の疾患と同様に
上述した所見が見られる可能性があります。
ウィルスが神経侵襲を起こす考えられるルートとして、
2つが考えられるとされています。
一つは血液を通じて、血液脳関門を超えて
脳に浸入している可能性と
もう一つは神経を通じて伝搬するというルートです。
脳血管関門を超えるためには
受容体を介して、扉を開ける必要があるので
一定の条件があります。
新型コロナウィルスが脳血管関門を超えるかどうかは
まだ明らかにされていませんが、
免疫機能の乱れなどによって生じた
組織の炎症によってこの障壁、関門を崩壊させる
可能性が示唆されています。
そうすると脳の障害をきたしやすくなる
ということも考えらえます。
神経を介するウィルスの伝搬は
Viral neuronal tracingと呼ばれ、
その概念の中にいくつかの輸送方式がありますが、
実際にミニブレインの神経細胞に感染することが発見され
神経細胞に感染する可能性があると考えられます。
新型コロナウィルスが細胞に感染する機序は
ACE2エントリー受容体を介すると共通認識があります。
このACE2受容体は神経細胞、星状膠細胞、乏突起膠細胞
など神経系の細胞に存在するといわれており、
神経系細胞に感染する可能性が考えられます。
まだ脳の影響に関するデータは少ないのが現状ですが
新型コロナウィルスに感染した4人の患者さんにおいて
MRI像で、脳動脈血栓症、点状出血が見られたとされています(2)。
従って、脳以外の血管においての血栓が確認されていますが、
脳においても同様に血管の障害がみられるケースも
存在するということです。
しかしながら、新型コロナウィルスによる
直接的な効果がどうかはまだ明らかになっておらず
さらなる証拠の積み上げが必要だとされています。
これらの診断のためには
プロトロンビン時間、Dダイマーレベル
血小板減少有無などが挙げられ、
低フィブリノゲン血症のケースはない
といわれています(3)。
以上です。
(参考文献)
(1)
Alessandro Pezzini & Alessandro Padovani
Lifting the mask on neurological manifestations of COVID-19
Nature Reviews Neurology (2020)
doi.org/10.1038/s41582-020-0398-3
(2)
Nicholson, P., Alshafai, L. & Krings, T.
Neuroimaging findings in patients with COVID-19.
AJNR Am. J. Neuroradiol.(2020).
https://doi.org/10.3174/ajnr.A6630
(3)
Al- Ania, F., Chehadea, S. & Lazo- Langnera,
A.Thrombosis risk associated with COVID-19 infection. A scoping review.
Thromb. Res. 192, 152–160 (2020).
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