いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
従来になんらかの治療に使われていた薬を
新型コロナウィルス用に使うことを
リパーポスと呼びますが、
猫の伝染性腹膜炎の治療に用いられている薬品
GC376という薬剤が
新型コロナウィルスにおいて
ウィルスの産生を阻害し、治療の効果が
表れるかもしれない可能性が示唆されています(2)。
GC373も含めて、この薬剤GC376は
SARS-CoV-2(新型コロナウィルス)が
細胞内でRNAを増殖させるために必要な
タンパク質加水分解酵素(プロテアーゼ:Mpro)
を阻害する働きがあり、
試験管による結果(生体内ではない)において
SARs-CoV-2のウィルス産生を抑え、
その数を減らすことができる可能性があります。
この薬は2003年に流行したSARS-CoVにも
同様に可能性があることがわかっています。
その可能性を示唆する
ウィルス増幅に関わるプロテアーゼ(Mpro)に対する
50%阻害濃度は
SARS-C0V-2
GC373 IC50=0.40±0.05μM
GC376 IC50=0.19±0.04μM
SARS-C0V
GC373 IC50=0.07±0.02μM
GC376 IC50=0.05±0.01μM
となっています。
但し、プロテアーゼに対する阻害なので
新型コロナウィルスそのものを減らしたという
直接的な結果ではないということは
注意が必要であるという理解です。
この薬剤は、構造的には
プロテアーゼMpoの活性ポケットである
求核性触媒として働くシステイン(C145)に
共有結合することで機能を弱めるといわれています。
触媒サイトに結合して活性を
反応活性を弱まると理解しています。
しかしながら、いくつかの
プロテアーゼMpro抑制剤は抗がん剤としても使われ、
通常細胞毒性を有しており、
重篤な副作用があるとされています。
この薬剤に関しては猫に使われており、
人への副作用に関しては未知であります。
すでに使用実績のあるレムデシビルは
ポリメラーゼと呼ばれるRNAを合成する
酵素を阻害することによって
RNAの増殖を防ぐものです。
この薬剤GC373、GC376は
ウィルスが増幅するための
「機能的なたんぱく質」を生み出すための
ポリタンパク質の酵素による分解を防ぐものです。
作用する酵素が微妙に異なると理解していますが、
同じような効果が得られるか?
という点が今後の焦点になると思います。
以上です。
(参考文献)
(1)
Wayne Vuong, Muhammad Bashir Khan, Conrad Fischer, Elena Arutyunova, Tess Lamer, Justin Shields, Holly A. Saffran, Ryan T. McKay, Marco J. van Belkum, Michael A. Joyce, Howard S. Young, D. Lorne Tyrrell, John C. Vederas & M. Joanne Lemieux
Feline coronavirus drug inhibits the main protease of SARS-CoV-2 and blocks virus replication
Nature Communications volume 11, Article number: 4282 (2020)
doi.org/10.1038/s41467-020-18096-2
(2)
ネコ用コロナの治療薬 人間の新型コロナにも有効か
https://news.yahoo.co.jp/articles/d20aa090a9e82bee0ed1672fa5a65c885e211390
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