いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
今世界で約160種類のワクチンが開発されている
といわれています。
日本にもすでに2つのワクチンが順調に進めば
アメリカ、イギリスから供給されるとあります。
また国内での開発も並行して進んでいくと思われます。
ワクチンは事前に抗体を体内で作成することから
ウィルスの感染を未然に防ぐことが期待されます。
もし罹患したとしても軽症で済むことも
同時に期待されます。
しかし、過去のデング熱で実際に
抗体依存性感染増強(ADE)と呼ばれる
ワクチンを接種することで
逆にウィルスの感染性、毒性が上がってしまった
ということが起こりました。
従って、SARS-CoV-2でも
それが起こらないような効果の高い
ワクチンを注意深く作る必要があります。
基本的には中和活性が高いワクチンは
それが起こりにくいといわれています。
その抗体依存性感染増強は、
細胞に違った経路で感染することが
考えられています。
通常、新型コロナウィルスは
ACE2というエントリー受容体を通じて
細胞内に入りますが、
細胞には様々な受容体があり
その一つとして
FcγRsと呼ばれる受容体があります。
この受容体は
抗体が持つFc面と親和性を持つので、
ウィルスに抗体がつくことによって
あるいは抗体が存在することによって
初めて生まれる経路だと理解しています。
このFcγRsはいくつかのタイプがあって
免疫細胞などを始め
様々な細胞の表面に存在するものです。
従って、
抗体がつくことによって
感染しうる細胞の多様性が上がる可能性
が考えられます。
例えば、B細胞、NK細胞などの免疫細胞に
ウィルスが感染することも考えられます。
そうした抗体独自の経路によって
免疫機能が乱され、
炎症性サイトカインの亢進、
あるいは抗炎症性サイトカインの抑制などが
発生する可能性が示唆されています。
抗体単体で細胞に結合することもあれば、
ウィルスに抗体がついた状態で細胞に結合する
事も考えられます。
またウィルスに抗体がついた状態で
細胞に結合した時にエンドサイトーシスが
起こるかどうか?
という区分のあると思います。
このように多様である可能性があるため
必ずしも炎症性、毒性を高めるように働くか
どうかはわかりません。
むしろ抗ウィルス性を高めるような
パターンもあるかもしれません。
他のウィルスで実際にFcγRsを通じた
抗ウィルス作用の報告はいくつかあります。
従って、新型コロナウィルスで
どの細胞にどの型のFcγRsに抗体がついたときに
免疫機能のバランスがどうなるか?
という仕分けができれば、
それは一つより効果的で副作用のない
ワクチン開発に寄与すると考えます。
すでにどの抗体がどのタイプのFcγRsの活性を
変えるかというのはいくつか明らかになっています。
(参考文献:Table1より)
これもFcγRs経路を使った
ワクチン戦略の一つになると考えます。
このようなメカニズムが
抗体依存性感染増強と関係していると
考えられています。
このメカニズムは
どの抗体にもある程度共通に起こる可能性がある
と考えました。
中和効率が高く、作用が強い質の良いワクチンは
そのような副作用があったとしても
効果の方が大きく出るため、
結果としてリスクを弱めるということが
あるかもしれないと推測しました。
解析として様々な細胞の表面のFcγRsに対して
作製する抗体が結合するのか?
その立体構造解析ができれば、
新型コロナウィルスの抗体が
FcγRs受容体を通じて
どの細胞に感染する可能性があるのか?の
一つの情報になると考えます。
以上です。
(参考文献)
Stylianos Bournazos, Aaron Gupta & Jeffrey V. Ravetch
The role of IgG Fc receptors in antibody- dependent enhancement
Nature Reviews Immunology (2020)
doi.org/10.1038/s41577-020-00410-0
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