2024年8月19日月曜日

細胞外小胞の製造技術、潜在的価値

細胞外小胞は細胞内の膜構造を反映して
プラズマ膜が形成されるので
当然、膜構造はそれに一致します。
具体的にはタンパク質や糖で構成されます。
細胞外小胞は受動的に細胞内に存在する様々な物質を形成過程で内包します。
例えば、脂質、タンパク質、核酸(miRNA, siRNA)などがあります(2)。
しかし、細胞外小胞はおおよそ30-1000nmの径の様々な大きさがあり、
一番、小さな30-150nmの径の細胞外小胞を
エクソソーム(exosome)と呼びます。
様々な干渉や、構造の3次元的な折り畳み構造に依るので
厳密には定義出来きませんが、
タンパク質であれば、100-200kDa程度までのサイズです。
従って、核酸でもより構造的に小さなmiRNAやsiRNAが内包される事が一般的です。
例えば、人為的に薬剤を入れるとすると
低分子量の薬剤はタンパク質の場合、500kDa以下ですから、
低分子量の薬剤(その中でも分子量の小さな薬剤)を入れる事しかできません。
一方で、私が将来的に医療への応用を想定している
細胞外マトリックスは
繊維構造として、重合体化していますが、
こうした複合体は当然、内包できず、
最小単位構造として3次元的に折りたたんでいれることになります。
主要な細胞外マトリックスである
(トロポ)エラスチンやコラーゲンを折りたたんで入れる事は可能です。
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細胞外小胞は生体内の経路である間質や循環器などで
膜や表面タンパク質によって様々な物質を引き付けます。
(これをコロナ(corona)という)
これによって送達箇所、機能に影響を与えます(3,4)。
従って、私の場合細胞外小胞を薬物送達キャリアとして指定していますが、
事前に精緻に膜タンパク質構造、あるいは膜構造を
バイオエンジニアリング(生物工学)で目的の(病変)部位に
到達するように設計したとしても、
生体内の様々なコロナによってそうした
(細胞種)特異的機能は喪失される可能性があります。
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細胞外小胞は高精度なバイオマーカーとしての利用が
現時点では一番、研究が進んでおり、期待されています。
細胞外小胞を使ったナノ粒子による薬物送達技術を使った、
薬物治療の臨床応用は、まだ進んでいません。
精密医療(Precision medicine)として
より患者さんごとの薬物を設計使用すると、
臨床試験システムなどの改変までに踏み込んだ変化が必要なため、
あるいは絶対的なコストの問題もあるため、
適用までのプロセスは長く、
技術的、制度的、資源的(人、時間、モノ、カネ)課題は大きいです。
バイオマーカーは検査なので、
適用までの(法律的、制度的な事を含めた)壁は薬物よりも小さいため、
そういった点も開発として優先されている理由です。
例えば、血液(5-12)、尿(13,14)に存在する細胞外小胞から、
様々な病気を今までよりも特異的に、高精度に検出する事が原理的に可能です。
その理由は、細胞外小胞は原理的に細胞種から分泌され、
その細胞種の情報が膜構造、膜物質(タンパク質)、内包物に
多様に収納されているからです。
従って、これらの物質を多様な様式で正確に分析すれば
(プロテオーム解析など(6))
原理的には分泌細胞種まで限定する事ができます。
しかし、これを実現するためには1対1対応が必要になるため、
もともとどういった物質が各細胞種内に含まれているかの
ビックデータが必要になります。
こうした高精度な分析は当然、コンピュータや
人工知能による強化学習、推定(インファレンス:inference)。
これも必要です(15)。
他方で、
細胞外小胞はそれそのものが薬物(Standaone therapeutics)となります。
例えば、
気道上皮細胞から分泌されるエクソソームが
肺線維化進展を抑制する可能性があるため(16)、
このエクソソームをスタンドアローン治療として
利用するための臨床試験が開始されました。
また、細胞外小胞は生体内細胞生物学と密接にリンクしています(2)。
例えば、癌細胞ではそうした発現が増強する事が知られています(17,18)。
こうした癌細胞がエクソソームを過剰に放出する事(場合によれば、2倍程度)は
比較的古くから知られており、
私が細胞外小胞に着目する前から、
日本における細胞外小胞研究の第一人者である落谷孝広先生は
細胞外小胞の分泌を抑える薬が癌に対して有効であるという事に着目されています。
従って、細胞外小胞はバイオマーカー、薬物送達キャリア、
スタンドアローン治療、分泌抑制など
様々な軸で医療に貢献する可能性があります。
とりわけ日本(6-18)、中国(19)、欧州(20,24)、オーストラリア(1)などにおいて
力を入れられている医療モダリティー(様式)であります。
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細胞外小胞の分析をするにあたり
細胞種(どの細胞種から分泌されたのか?)、
細胞の状態(ナイーブ、疾患状態、エンジニアリング)、
細胞外小胞の分類(主に大きさ、生成機序(特別な突起;フィロポディア(21)))、
これら多様な軸で層化、分類する必要があります(5)。
--
細胞外小胞の生成過程は当然、小胞として
一定の曲率で細胞膜を細胞内で「丸める」必要がありますから、
細胞外小胞の生成のための駆動因子は細胞膜の変形、萌芽(budding)です(1)。
細胞膜の萌芽は脂質ラフトによって駆動されることが多く(22)、
細胞外小胞、エクソソームの膜がなぜ
脂質、コレステロールが多い(23)のかをこの生物学的機序が合理的に説明します。
--
こうした細胞外小胞は人を含めて、一般的な動物だけではなく、
細胞膜を持つ細菌の生態においても重要な役割を果たします(24)。
こうした細菌(ウィルスではない)と細胞外小胞は
その生態において密接な関わりがありますから(24)、
細胞外小胞によって人、動物の生体内にいる細菌種を
細胞外小胞の膜情報、膜タンパク質、内容物を分析することによって
原理的に特定する事が可能です。
これが、発展途上国を中心とした子どもの公衆衛生(Public health)(30)改善に
大きく将来的に貢献する可能性があります。
例えば、敗血症では5歳以下の子どもが亡くなる上位の疾患であり(25-27)
先進国でも病態が急変して、死亡に至るため(3日以内)、
敗血症ショックに発展してしまうと現在の発達した医療においても
救命を実現できない事があります。
また、救命を実現できたとしても、後遺症が残るケースもあります。
(参考文献(27) Figure 2参照)
敗血症は多くの場合、細菌の生体内の侵入が関わっているため、
(参考文献(27) Figure 1参照)
こうした細菌を取得が簡便な尿や血液などのバイオマーカーで
高精度に検出できれば、
敗血症がどういった細菌と密接に関わっているかの分析や
その分析に基づいたバイオマーカーによるリスク因子の特定、
敗血症ショックへの進展確率など早期の成果な診断につながります。
早期の適切な治療は確実に高い救命率につながるので(28)、
敗血症における高精度なバイオマーカーへの期待は大きいです。
その検出モダリティー(手段)の候補の一つは間違いなく細胞外小胞です。
ただし、迅速かつ正確な判定の為には
迅速かつ多様な細胞外小胞の物質解析があります。
但し、これを実現するためには大きな労力も必要です。
敗血症の病因となる細菌はある程度限定されており、
その代表として低中所得国では15種類とされていますが(27)
どの細菌種がどういった特性の細胞外小胞を放出するか、
あるいはそれぞれの細菌種が生体内に
どういった特徴的な物質を内包しているか?
このビックデータ化は
細胞外小胞を研究開発、事業、医療応用として手掛ける
私としては絶対的に手に入れたいです。
こうした事の実現のためには当然、AIの力(29)が必要です。
こうした細菌の細胞外小胞の放出の機序は一般的な
人、動物の組織とは生物学的に、分類学的に異なります。
外側の膜から放出される細胞外小胞は
Outer membrane vesicles(OMVs)
他にも
Outer inner membrane vesicles(OIMVs)
Cytoplasmic membrane vesciles(CMVs)
これらなどがあります(31)。
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まず、細胞外小胞を分析する前提として2018年に国際的に
定められたガイドラインがあります(32)。
(the International Society for Extracellular Vesicles (ISEV))
そういたガイドラインに沿って定められた術語体系の他に
細胞外小胞の多様性から必要とされる特質決定の為の因子があります。
それについてまとめます(参考文献(1) Fig.1参照、改変)
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Cell State / 細胞状態
 Healthy / 健康
 Disease / 疾患
 Engineered / 工学的に改変された
-
Biophysical Characteristics / 生物物理的特性
 Density / 密度: 1.08–1.21 g/ml
 Size / サイズ: 30–1,000 nm
 Surface Charge / 表面電荷: –10 to –50 mV
 Refractive Index / 屈折率: 1.37–1.42
-
Intraluminal Proteins / 小胞内タンパク質
 Mammalian / 哺乳類: Tsg101, Alix, Rab GTPases, Syntenin, ARRDC1
 Plant / 植物: PEN1, PEN3, PATL1
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Metabolites / 代謝物
 Mammalian / 哺乳類: 核酸, 脂肪酸エステル, アミド, アルコール
 Plant / 植物: クルクミノイド, フラボノイド, カフェ酸誘導体
 Shared / 共通: アミノ酸代謝の成分、ヌクレオチドおよびヌクレオシド代謝、解糖系、TCAサイクル、補因子
-
Cell-type- and -state-specific Proteins / 細胞型および状態特異的タンパク質
 Mammalian / 哺乳類: EpCAM, CD61, CD45, A33, HER2, PSMA
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Nucleic Acids / 核酸
 Non-coding RNA (miRNA), mRNA, DNA
 非コードRNA(miRNA), mRNA, DNA
-
Glycans / 糖鎖
 Mammalian / 哺乳類: N-グリカン, O-グリカン, グリコリピッド, グリコサミノグリカン
 Plant / 植物: リポ多糖(LTA), リポ多糖(LPS)
-
Biomolecular Corona / バイオ分子コロナ
 Intracellular and extracellular proteins, nucleic acids, and lipids
 細胞内外のタンパク質、核酸、脂質
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Membrane Proteins / 膜タンパク質
 Mammalian / 哺乳類: CD9, CD63, CD81, MHCクラスI, インテグリン
 Plant / 植物: TET8
 Bacteria / 細菌: OmpA, OmpF, その他ポリン
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Lipids / 脂質
 Mammalian / 哺乳類: ホスファチジルセリン, コレステロール, スフィンゴミエリンなど
 Plant / 植物: グリセロリピッド, スフィンゴリピッド, ステロール
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Structure / 構造
 Size / サイズ
 Density / 密度
 Surface Charge / 表面電荷
 Refractive Index / 屈折率
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Composition / 構成要素
 Proteins / タンパク質
 Lipids / 脂質
 Nucleic Acids / 核酸
 Metabolites / 代謝物
 Glycans / 糖鎖
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Source / 由来
 Body Ecosystem / 体内生態系
 Environmental Ecosystem / 環境生態系
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Methodology / 手法
 Preparation / 準備
 Characterization / 特徴付け
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Cell Type / 細胞型
 Eukaryota / 真核生物
 Prokaryota / 原核生物
※このような大分類だけではなく、数百以上ある細胞種もあります。
-
Biogenesis / 生合成
 Exosome / エクソソーム
 Ectosome / エクトソーム
 Apoptotic Body / アポトーシス小体
 OMV / 外膜小胞
 OIMV / 外膜浸透小胞
 EOMV / 外膜出芽小胞
 CMV / サイトメガロウイルス
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私の細胞外小胞の主要な取り組みは
細胞種特異的薬物送達システムの実現のための
薬物送達キャリアとしての利用であり、
その送達物は薬物だけに限らず、細胞外マトリックスもあります。
これらは私が生涯をかけて実現を目指す
3つの医療に貢献する技術の骨子です。
細胞外小胞の分泌細胞はiPS細胞技術によって
精製された質の高い細胞と決定しています。
植物由来(33)や動物由来(34)の細胞外小胞の薬物利用は
世界で考えられています。
しかし、こうしたリソースを利用する事は想定していません。
ただ、細胞外小胞は広義に捉えれば、
微生物、植物を含めて生物に普遍的に存在するものであり、
資源となる生物の細胞種の情報を集めて保持しています。
細胞外小胞に関する技術開発する上では多大な資源
(人、時間、費用、モノ、エネルギー)を消費するため、
開発の過程で得た細胞外小胞に関する技術を
派生的に利用できる戦略を経路でその都度考える事は
私の組織に投資してくださる投資家、
公共投資として決定してくださる政策決定者へ
あるいは公共資金の供給元である国民の方へ
利益を還元する上で非常に重要になります。
なぜなら、臨床試験の成功確率は非常に低いのが現状で有り、
しかも、細胞外小胞を薬物送達媒体として利用した医療応用は
臨床試験の在り方も部分的に変える必要があるため、
決して道のりは平たんではなく、険しいものです。
それが「現実」です。
その成功確率を上げるためあらゆることをしますが、
現在のまだ雲がかかった視点においても
リスクヘッジは必ず要するものだろうなという認識です。
例えば、細胞外小胞を使った医療応用の際には、
それがスタンドアローン医療、薬物キャリア、
どちらの利用においても厳密に品質を管理する必要があります。
しかし、上で述べた様に(参考文献(1) Fig.1, Fig.2参照)
細胞外小胞は非常に特性偏差が大きく、多元的な要素で変わるため、
原理的に品質を揃える事が合成ナノ粒子に比べて遥かに難しいです。
従って、どうしても廃品も多くなります。
すなわち歩留まりが低いということです。
例えば、大きさ50±20nmのエクソソームの
製造トレランス(許容範囲)として定めた時、
細胞からは異なる大きさの様々な細胞外小胞が放出され、
そのほとんどは特に戦略を打たなければ、廃棄されます。
しかし、こうした大きさが規定の範囲以外の細胞外小胞を
医療以外の何らかの用途に使う事を探索することは非常に重要です。
例えば、土壌の改善に貢献する可能性があるのであれば、
農業(食糧問題(安全、文化保全、自給率維持)や
炭素貯蔵(Carbon sequestration:環境問題)などの
適用性も考えなければなりません。
あるいは細胞外小胞を医療として適用していくためには
高度な細胞外小胞の分離技術が必要になります。
細胞外小胞は日本と密接に関わる海にも存在します(35)。
細胞外小胞の分離技術は、
環境中に存在する細胞外小胞の分析には必須となることなので、
海の環境保全や生態調査にも貢献する可能性があります。
そうした分離技術を大学、研究機関などに無償提供すれば、
あるいはそうした分離を委託として受け入れれば、
公共投資を決定してくださった政策決定者に対する還元になるでしょうし、
その知的財産を売れば、一定、株主の方への還元に貢献します。
その資金の一部は、従業員の給与にもなります。
今のこの私の取り組みも、もうすでにプロジェクトはスタートしましたから、
日本だけに限らず、世界の人に私の知的財産を
文書情報として無料で公開しています。
これは将来の投資家の方、政策決定される方、国民の方、
あるいはステークフォルダーの方への還元の一部です。
私に必要な継続的な取り組みの一つは、
あらゆる資源(人、時間、カネ、心、モノ、エネルギー)の有効活用、
ロス(損失)を減らす事をただひたすら愚直に考え、実行することです。
人工知能は計算させれば、それに比例して電気エネルギーを必要としますが、
人は100倍頭脳を使っても、カロリーを100倍消費しません。
2倍も消費しません。多分、食べる量は20%も変わりません。
極めて価値に対するエネルギーを含めた資源効率がいいです。
従って、私の頭脳をもっと有効に自分自身、
目的の達成の為、活用するということです。
地球のエネルギー問題を考えると
人の頭脳と量子コンピューターは必要です。
近々、量子コンピューターに対して私が考えている事を発表します。
多分、多くの人は理解してくれると思います。
これが必要なのはそれだけ険しい道であるという事と、
さらに利益を得る事が難しい小児医療に力を入れる事が関係しています。
いずれにしても、もし医療応用が実現しても
収益を得るまでに30年、40年後となりますから、
従業員に持続的に給与を支払う必要もありますし、
株主の方に配当を手渡す必要があります。
従って、今のこのブログ活動も含めて、
様々な形で価値を生み出し還元していく事は極めて基本的な事です。
近々、必ず、皆様に提供する情報は
日本(筑波大学)、スイス(チューリッヒ大学)から
Nature Reviews Microbiologyで総括された
細菌の細胞外小胞に関するものです(31)。
これは優先度を上げて、近いタイミングで
著作権に配慮しながら、私の調査能力、知識を持って、
付加価値を付けて、読者の皆様に提供します。
これを重要視する背景は、感染症など
世界の公衆衛生(Public health)に関わる可能性があるからです。
少なくとも細菌から出る細胞外小胞を
尿、便、血液、海、環境水(上水、下水)、土壌などにおいて
識別して分析できるようになれば、
おそらく高い確率で公衆衛生改善に貢献できるからです。
これは世界の公益なので、私からの還元の一つだと思ってください。
例えば、通常の細胞外小胞をグラム陰性の細胞外小胞を分離するためには
膜構造が異なるので、それをマーカーとして分類、分別して分析する事が可能です
例えば、 Outer membrane protein A (OmpA)。
これがマーカーとなります(31,41)。
グラム陽性の表面マーカーはリポタイコ酸(lipoteichoic acid (LTA))です(42)。
--
細胞外小胞のバランスは人が疾患にかかると変わります(1,36)。
なぜなら、人の身体は神経系、非神経系、
全体の細胞種で様々なシグナル、物質を交換しながら
複雑に連携しているからです。
従って、例えば、前立腺がんになっても、
前立腺の癌組織から出る細胞外小胞が変わるだけではありません(37)。
脳神経、心臓、肺、肝臓、腎臓、骨格筋、骨。
あらゆる組織の細胞種から出る細胞外小胞の状況もおそらく変わります。
従って、その時点、患者さんの血液、尿、唾液、汗、便など
様々な液体、固体生検がありますが、
取得可能な細胞外小胞全体が体の大切なサインそのものです。
こうした情報をビックデータとして
コンピューターに簡便な方法で入力できるようになったら、
例えば、1か月おきに細胞外小胞の全検査をして、
その「変化」から過去や未来の状況を
人工知能の強化学習を使って帰納的に推定させる事も可能です。
従って、細胞外小胞の分析は
その時点の患者さんの疾患などを正確に分析するだけではなく、
ビックデータとして「そのまま」全体の情報をコンピューターに入力できれば、
その時間変化から、過去、未来への時間軸の拡大、時間発展を
人工知能に実行させる事も出来ます。
少なくとも未来への運命は生活習慣で変えられますから、
その患者さんがそのままではリスク因子となる疾患を
それが発生する10年、20年前から予防する事も
おそらく原理的には可能です。
こうした可能性も十分想定されるため、
細胞外小胞を使った医療応用をするにあたり、
リスクヘッジとしてこうしたシステムの確立に貢献していきます。
本流と取り組みを阻害しない形で有効に実施します。
そのためにはビックデータを築く必要があるので、
患者さんからの細胞外小胞の情報を
どうやって有効な形で
(1つの小胞内の物質群を集団的、クラスターとして扱いながら)、
レイバーコスト(労力)を下げた状態で
コンピューターに入力するか?
その具体的手続き、プロトコルを考える必要があります。
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ここからは実際に細胞外小胞を分離する方法を一つ一つ評価、整理していきます。
(参考文献(1) Fig.3)
細胞外小胞の分離は製造における根本的な課題の一つです。
サイズ、表面電荷は仕分けする基本的な項目です。
その他には少なくとも表面に存在する膜構成、膜物質の偏差が大きければ
それも特性内に収めるように分離が必要になります。
理想的にはこうした精製、分離は1回のプロセスで
高い仕分け能力で実現したいということがあります。
当然、複数のプロセスを介する事は効率の掛け算での低下、
総工程時間の増加、設備投資、維持費用の増加、フットプリントの増加
自動化プロセスの複雑化、製造従業員の増加など
複数の項目で価格(原価)を押し上げる要因となるからです。
従って、初めにiPS細胞から細胞外小胞を放出させる段階から
すでに生産技術は開始されています。
どういった仕分けプロセスを利用するかで
iPS細胞の細胞種の選択、バイオエンジニアリングの条件などが
それに適合した形で変わるべきです。
また、iPS細胞の細胞外小胞の生成の段階で
膜構成や膜物質の特性など原理的に仕分けが難しい項目について
バラつきが少なくなるような
細胞生物学の適切な理解が必要になります。
初期の段階で偏差が大きくなると、後のプロセスが苦しくなるからです。
iPS細胞由来のエクソソームを利用する事は、
植物由来や動物由来のそれに比べて原理的にコストがかかります。
また、合成ナノ粒子においても同様です。
従って、iPS細胞を利用する事のメリットを最大限引き出す必要があります。
プログラミング条件によって生み出される細胞を
人為的に制御する余地がありますから、
そうした初めの細胞種の設計まで踏み込んだ介入が必要です。
また、iPS細胞を利用する事は
付加コストは吸収しきれないかもしれないですが、
厳しい価格競争にさらされることで、
私の技術に限らず、iPS細胞技術の全体的な医療応用のポテンシャルが
高まるという事は日本にとっては大きな意義があると思います。
以下の分離方法を総括すると
(1)大きさで分けるもの
(2)密度で分けるもの
(3)特異な構造でわけるもの
これらがあります。
(3)は免疫沈降など化学結合による構造的改変が必要になりますが
非常に特異性に優れています。
基本的に大きさで分ける者同士を組み合わせることは非効率なので
まずは(1)大きさをある一定範囲で揃えてから
今度は(2)密度、すなわち浮力によって分けられるものを適用します。
そうすると大きさと内容物の近いものが抽出できます。
具体的には
(01)超ろ過
(02)タンジェンシャルフローフィルトレーション
これらで大きさを分けて
(07)密度勾配 (DG: Density gradient)
これで密度の差で層化します。
さらにここから特異的な構造に限定したい場合には
(0A)免疫沈降
これを採用します。
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(01)超ろ過 (UF: Ultrafiltration)
<図による直感的理解>(参考文献(38) Figure.3)
iPS細胞から放出される様々な物質を大きさごと仕分けるためにh
複数の大きさを細孔を持つ膜を段階的に大きい膜から順に用意します。
例えば、1000nmm, 500nm, 200nm, 20nmといったようにです。
この時、細胞外小胞の大きさは30nm~1000nm程度ですが、
大きさの小さなエクソソーム30-150nm位を抽出したいときには
それよりも小さな細孔を持つ膜を用意します。
それによってエクソソームよりもさらに小さな分子を浸透させ、分離します。
これによって大きさの下限と上限を設定することができます。
-
<概要>
液体中の物質を分離、濃縮、精製するための膜分離技術の一つです。
主にサイズや分子量に基づいて、液体中の小さな分子と大きな分子を
分けることを目的としています。
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<基本的な仕組み>
超ろ過では、半透過性の膜を通して液体が流されます。
この膜には一定の孔径(通常、数ナノメートルから数十ナノメートルの範囲)があります。
膜の孔径よりも大きい分子(通常はタンパク質、ウイルス、細胞、またはコロイド状の粒子など)
は膜によって阻止され、フィード側に残されます。
一方、孔径よりも小さい分子(水や小さな溶質など)は
膜を通過して浸透水(パーミエート)として得られます。
-
<特徴>
操作条件: UFは低圧操作が可能で、通常の操作圧力は0.1~1.0 MPaの範囲にあります。
 このため、エネルギーコストが比較的低い技術です。
高速・高効率: 他の膜分離技術と比較しても、
 UFは高速かつ効率的に分離を行うことができるため、
 広く産業分野で使用されています。
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<メリット>
非熱処理: 超ろ過は熱を加えない処理であるため、
 温度に敏感な物質(タンパク質や酵素など)の分離や精製に適しています。
高い除去効率
-
<細胞外小胞との関連>
(利点)
効率がよい。高いスループット
シンプルな装置で行えるため、コスト効率がよい
非破壊的なため細胞外小胞の膜構造や機能を損なう事がない
(組み合わせ)
差動超遠心分離法 (DUC: Differential Ultracentrifugation):
 超ろ過で得られたサンプルをさらに高純度に分離するために、超遠心分離法が使われることがあります。
サイズ排除クロマトグラフィー (SEC: Size-exclusion Chromatography): 
 超ろ過によって濃縮されたEVsを、SECを使ってさらに不純物(タンパク質やリポプロテインなど)
 から分離する方法です。
(ろ過膜材料)
この方法ではろ過する膜構造、材料が大きさの仕分けの鍵を握ります。
具体的な材料とその特性、ろ過精度、効率、寿命、価格を比較します。
①ポリスルホン (PSF: Polysulfone)
 特性: 耐熱性、耐薬品性に優れ、機械的強度が高く、繰り返し使用可能です。
 ろ過精度: 10 nm ~ 100 nm程度の孔径を提供でき、細胞外小胞の大きさに対応できます。
 効率: 高い透水性を持ち、ろ過効率は90%以上。
 寿命: 一般的に1000時間程度(数ヶ月以上)使用可能。
 価格: 1平方メートルあたりの膜の価格は約500~800 USD。
②ポリビニリデンフルオリド (PVDF: Polyvinylidene fluoride)
 特性: 化学的に安定で、疎水性に優れており、細胞外小胞の回収に適しています。
 ろ過精度: 20 nm ~ 200 nmの孔径範囲で、EVsの分離に最適です。
 効率: 高い耐汚染性を持ち、90%以上のろ過効率を持ちます。膜の目詰まりが少なく、長時間使用に適しています。
 寿命: 2,000~3,000時間の運用が可能。
 価格: 1平方メートルあたり約300~600 USD。
③ナノファイバーメンブレン (Nanofiber membranes)
 特性: 非常に細かい構造を持ち、細胞外小胞のようなナノサイズの粒子を高効率で分離可能です。
 ろ過精度: 10 nm ~ 50 nm程度で、極めて精密なサイズ分離が可能です。
 効率: 95%以上の分離効率が期待されます。
 寿命: 通常、約1,000~1,500時間の運用が可能。
 価格: 1平方メートルあたり約800~1,200 USD。
④セルロースアセテート (CA: Cellulose Acetate)
 特性: 生体適合性が高く、細胞外小胞の分離研究に適していますが、膜の耐久性はやや低めです。
 ろ過精度: 50 nm ~ 200 nmの範囲で、柔軟な処理が可能です。
 効率: 80~90%のろ過効率を持ちます。
 寿命: 約500~1,000時間程度の使用が可能。
 価格: 1平方メートルあたり約200~400 USD。
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(02)タンジェンシャルフローフィルトレーション (TFF: Tangential flow filtration)
<図による直感的な理解>(参考文献(38) Figure 4)
複数の大きさの穴を持つフィルターを用意して
各層で抽出できる物質の大きさの上限と下限を設定する事で
所望の大きさ範囲の物質を抽出できます。
図からわかるように膜構造は、超ろ過とは異なり、
重力方向と垂直に穴が形成されます。
これによりフィルタリング効率は原理的に低下しますが、
超ろ過で問題となる膜に物質が蓄積し、目詰まりするリスクが低下します。
横方向への駆動力は「圧力差」を利用しています。
従って、縦方向にも流れがありますから、
2軸の圧力差があり、それぞれ圧力設定、その最適化は
このシステムによるろ過能力の決定因子です。
-
<概要>
液体から特定サイズの粒子や分子を分離するための膜フィルトレーション技術です。
-
<基本的な仕組み>
液体が膜の表面に沿って「タンジェンシャル」(平行)に流れます。
これにより、ろ過される液体は膜を通過し、
サイズの小さい粒子や分子が膜の孔径を通って「ろ過液(透過液)」として回収され、
膜の孔径より大きい粒子は膜を通過せずに「濃縮液」として残ります。
-
<特徴>
フィルターの向き: 液体は膜に対して平行に流れるため、従来の「デッドエンド」フィルターとは異なり、膜の目詰まりが減少します。
連続的な操作: 大量の液体を連続的に処理できるため、大規模な生産プロセスにも対応可能。
再利用可能な膜: 膜のクリーニングが可能で、複数回の使用に適しています。
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<メリット>
効率的な濃縮と分離: タンパク質や細胞外小胞などの小分子から大分子の分離が容易で、再利用が可能。
目詰まりの軽減: タンジェンシャルな流れにより、膜の目詰まりが減少し、フィルターの長寿命化が可能です。
柔軟なスケール: 実験室規模から産業規模まで、様々なスケールで使用でき、製造プロセスに柔軟に対応可能。
連続処理が可能: 大量の液体を連続的に処理するのに適しており、プロセスの中断を最小限に抑えます。
-
<デメリット>
初期コストが高い: TFFシステムは初期投資が高く、膜や機器の設置に費用がかかります。
運用の複雑さ: 操作やメンテナンスに熟練した人材が必要であり、システムの管理が難しいことがあります。
膜の寿命: 繰り返しの使用により、膜の寿命が短くなる場合があり、定期的な交換が必要となることがあります。
透過率の減少: 長時間の使用や不適切な運用により、膜の透過率が低下し、ろ過効率が減少する可能性があります。
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(03)沈殿 (P: Precipitation)
<重要な視点>
沈降を利用するためには浮力についての基本的な考え方を押さえる必要があります。
浮力は
 
F 浮力 = ρ液体 * V 物体 * g

ρ液体は液体の密度
物体Vは物体が排除する液体の体積
g は重力加速度

物質が浮くか沈むかは、物体の密度と溶液の密度の比較によって判断されます。
物体の密度が溶液の密度よりも小さいと物体は浮き、
大きいと沈む傾向があります。
従って、免疫沈降なども含めて同様ですが
所望の細胞外小胞を得るためには
初期の状態では様々な物質全てが浮く状態にして置き、
添加剤を加えた時に分離したい細胞外小胞の特異的な構造を定義し、
その構造と添加材が結合して、
さらにその添加剤は密度が高く、沈降する特性を持っている必要があります。
但し、化学的な結合を使うため、その結合は基本的に
後処理で可逆的に切り取られる必要があります。
また、そのような特異的な構造は、重要な特性を持っている事が多いため、
その部分を一旦結合させるという事は重要な特性の変性につながります。
従って、iPS細胞で細胞外小胞を生成させるときに、
マーカー、犠牲となる構造を意図的に形成させ、
添加剤によって選択的に沈降できるように
初めの時点でそれを想定してプログラムすることも考えられます。
ゆえに、初めの時点で製造において
どういったフィルタリング、仕分けプロセスを使うか?
ということは初めの時点で明らかにする必要があります。
それに合わせた初期の細胞外小胞の設計があるからです。
基本的にフィルタリングのプロセスでは、
そのプロセス数(工程数)を減らす事が
最終的に歩留まり向上、それとも関連する製造コスト低減につながります。
理想的には一つのプロセスで、
混在する物質から所望の特性範囲にあるエクソソームを
抽出する事が出来るようになることを目指すべきです。
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<概要>
液体中に溶けている物質が固体として分離し、沈殿する過程を指します。この技術は、溶液中の特定の物質を分離するために広く使用されます・
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<基本的な仕組み>
沈殿剤の添加:
 沈殿剤(プレシピタント)を溶液に加えることで、溶液中の溶質が不溶性の固体として析出します。沈殿剤は、対象物質と反応し、固体の沈殿を形成します。
沈殿の形成:
 沈殿剤の添加により、溶液中の溶質が過飽和状態に達し、溶質が粒子として凝集し始めます。これにより、固体の沈殿物が形成されます。
固体の分離:
 固体の沈殿物が液体中に形成された後、通常は遠心分離やフィルタリングなどの方法で、沈殿物を液体から分離します。
沈殿物の回収:
 分離された沈殿物を回収し、必要に応じてさらなる処理や精製を行います。
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<特徴>
選択性: 特定の物質を選択的に沈殿させるための反応や条件を調整することで、高い選択性で分離が可能です。
適応性: 広範な溶液条件に対応できるため、様々な溶液での分離が可能です。
簡便さ: 比較的簡単なプロセスであるため、設備が少なくて済み、コストが低い場合があります。
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<メリット>
高い分離効率: 特定の溶質を高い効率で分離でき、収率が良い。
コスト効果: 設備や運用コストが低く、実験室や工業プロセスでの使用が広範。
スケーラビリティ: 小規模な研究から大規模な生産まで、スケールアップが容易です。
簡単な操作: 基本的な操作が比較的簡単で、技術的な難易度が低い。
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<デメリット>
選択性の限界: 他の成分と共に沈殿する可能性があり、完全に純粋な沈殿物を得るのが難しいことがあります。
収率の変動: 沈殿の収率が溶液の条件や反応の進行度に依存し、一定でないことがあります。
後処理の必要: 沈殿物の回収後に追加の精製や処理が必要な場合が多い。
沈殿剤の使用: 沈殿剤の選択や量に依存するため、適切な条件を見つけるのに試行錯誤が必要な場合があります。
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(04)サイズ排除クロマトグラフィー (SEC: Size-exclusion chromatography)
<重要項目>(参考文献(38) Figure 5
図に示すように大きさ、長さの異なる細孔を含んだゲル構造を
生体物質を入れる液体の中に形成します。
そのゲルを通過する物質は拡散長が変わり、長くなるため
液体中の保持時間(Retention time)が長くなります。
従って、この時、選択される液体は
多くの物質を沈降させる特性の液体を選ぶ必要があります。
当然、ゲルサイズが大きくなれば、
保持時間の差は大きくなりますから、細かい分類が原理的に可能です。
従って、実際に生産するとなった時に、
こうしたシステムを採用する場合には
こうした仕分けシステムを大きくすることは利点があります。
大きさだけではなくて、ゲル構造の電荷、表面エネルギー、粘性、摩擦、
あるいは特定のリガンドなどの選択によって
大きさだけではない仕分けが可能です。
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<概要>
サイズ排除クロマトグラフィー (SEC) は、分子サイズに基づいてサンプルを分離するクロマトグラフィー技術です。この方法では、サンプルを含む溶液が充填されたカラムを通過し、異なるサイズの分子が異なる速さで移動することによって分離されます。
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<基本的な仕組み>
カラム: SECカラムは、多孔質のゲル(または多孔質のビーズ)で充填されています。これらのビーズには、特定のサイズの孔が開いており、分子がこれらの孔を通過することができます。
分離メカニズム:
 大きな分子(高分子)は孔を通過することができず、ゲルの外側を流れるため、カラムを早く通過します。
 小さな分子(低分子)は孔に入り込むことができ、ゲル内を通過するため、カラムを通過するのに時間がかかります。
検出: カラムを通過した各成分は、リテンションタイム(カラムを通過するのにかかる時間)によって分離され、検出器で検出されます。
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<特徴>
 分子サイズに基づく分離: 分子サイズに基づいて分離するため、特定の分子のサイズを測定するのに適しています。
 非標識技術: 特殊な化学的な反応や標識なしに、分子のサイズに基づいて分離することができます。
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<メリット>
 簡単な操作: シンプルな原理に基づいており、操作が比較的簡単です。
 高い再現性: 一貫した分離性能を提供し、再現性が高い。
 非破壊的: 分子を分離する際に化学的に変化させないため、ターゲット分子をそのまま保持できます。
 広範囲なサイズ分離: 高分子から低分子まで幅広いサイズの分子を分離することができます。
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<デメリット>
 サイズ依存: 分子のサイズに基づくため、同じサイズの分子が混在していると分離が困難です。
 分離能の限界: 高い分解能を持つが、分子サイズに近い成分の分離には限界があります。
 サンプル量: 大量のサンプルを一度に処理するには限界があり、分離効率が低下する場合があります。
 カラムの準備と維持: カラムの充填材(ゲル)は時間とともに劣化することがあり、定期的なメンテナンスが必要です。
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(05)非対称フロー場分画法 (AF4: Asymmetric-flow field flow fractionation)
<重要が概念>
通常、管に液体を満たし、液圧差によって流れを生み出した場合、
管の内壁表面では速度がゼロになり境界層を作って
自然対数的に速度が増加していくため、
管の流れは管の高さ方向に対して流れの速さが異なります。
流れが速い部分は小さな粒子が集まりやすく、流れに乗りやすく
流れの遅い部分は大きな粒子が集まりやすいので、
その高さ方向の粒子サイズの違いによって分離します
(参考文献(39) Fig.1)
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<概要>
非対称フロー場分画法 (AF4) は、主に粒子や分子のサイズ分布を分離・分析するためのクロマトグラフィー技術です。AF4は、液体の流れによって生じる非対称な流体場を利用して、サンプル中の異なるサイズの粒子を分離します。この技術は、ナノ粒子からマイクロ粒子、さらには高分子まで幅広いサイズのサンプルに適用可能です。
-
<基本的な仕組み>
カラム構造:
 カラム: AF4カラムは、通常、対称でない形状のチャンバーから成り、片側に傾斜がついています。カラムの片側には、サンプルが流れるメイン流路があり、もう一方の側には粒子が移動するための広がりが設けられています。
<流体力学的原理>
 メインフロー: サンプル液体がカラムを通過する際、主流として直線的な流れが形成されます。
 垂直方向の力: カラムの傾斜部分では、液体が対称的でない流れを形成し、粒子や分子に対して異なる垂直方向の力が働きます。この非対称な流れによって、サンプル中の粒子がサイズに基づいて分離されます。
-
<分離メカニズム:>
サイズ分離: 小さな粒子は液体中を自由に移動できるため、カラム内で比較的長い距離を移動します。一方、大きな粒子は流体の層に拘束され、短い距離で分離されます。これにより、サイズに基づいた分離が実現します。
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<特徴>
非対称な流れ: 非対称な流れ場を利用することで、粒子のサイズや特性に基づく精密な分離が可能です。
広いサイズ範囲: ナノスケールからミクロスケールまで、さまざまなサイズの粒子に対応できます。
高い分離効率: 微細なサイズ分布を持つサンプルでも高い分離効率を実現します。
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<メリット>
広範なサイズ分離: ナノ粒子からマイクロ粒子まで、幅広いサイズ範囲に対応可能です。
高い分解能: 微細な粒子サイズの違いを分離できる高い分解能を持っています。
非破壊的: サンプルを分離する際に化学的な変化を起こさないため、サンプルの品質を保つことができます。
可変性: カラムの設計や流体条件を調整することで、さまざまなサンプルに適用できます。
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<デメリット>
設備コスト: 専用のカラムや装置が必要なため、設備コストが高い場合があります。
操作の複雑さ: 非対称な流れ場を操作するため、プロセスの設定や運用が複雑になることがあります。
スケーリングの問題: 大規模なプロセスでのスケーリングアップが難しい場合があります。
サンプル量: 一度に処理できるサンプル量が制限されることがあり、サンプル量が多い場合には適切なスケーリングが必要です。
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(06)差動超遠心分離法 (DUC: Differential ultracentrifugation)
<概要>
差動超遠心分離法(DUC)は、細胞外小胞(EVs)や他のナノスケールの生体分子を粒子の大きさや密度に基づいて分離するための遠心分離技術です。この技術は、複数の段階で異なる遠心力(g値)を適用し、さまざまな大きさや密度の粒子を順次沈降させることで、目的の粒子を分離します。
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<基本的な仕組み>
試料の準備:
生物学的サンプル(血漿、培養液など)を遠心分離器にかけ、細胞や大きなデブリを取り除きます。
初期遠心分離:
比較的低速の遠心分離(300 g~2,000 gなど)を行い、細胞や大型のデブリを沈降させます。この段階で細胞外小胞や微小な粒子はまだ上清(supernatant)に残ります。
段階的な遠心分離:
次に、段階的に遠心力を増加させ、特定のサイズや密度を持つ粒子を沈降させます。一般的には10,000 gや100,000 gなどの遠心力が使われます。
最も軽い粒子は最終的に非常に高い遠心力でのみ沈降します。
粒子の回収:
各遠心ステップの後、沈降したペレット(沈殿物)を回収し、次の段階に進む前に上清をさらに遠心分離します。これにより、目的とする細胞外小胞などの粒子を分離します。
-
<特徴>
粒子の密度・サイズによる分離:
DUCは、粒子の密度やサイズに応じて効率的に分離を行うことができます。
段階的分離プロセス:
低速から高速へと段階的に遠心力を変えることで、異なるサイズの粒子を順番に分離可能。
-
<メリット>
高効率な分離:
細胞外小胞のようなナノサイズの粒子を高い精度で分離することが可能です。
広範なアプリケーション:
EVs、ウイルス粒子、リポソーム、タンパク質複合体など、さまざまなナノスケールの物質に適用可能。
比較的手軽な方法:
特殊な化学試薬やラベルを使わないため、一般的な遠心分離装置で実施可能です。
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<デメリット>
時間がかかる:
各ステップの遠心分離に時間がかかり、サンプルの処理に数時間から数日を要することがあります。
効率のばらつき:
試料の性質や処理条件によって、粒子の回収効率にばらつきが生じることがあります。
分離の限界:
サイズや密度が似ている粒子を分離するのが難しい場合があります。特にサイズや密度が中間的な物質の分離には限界があります。
高価な機器が必要:
超遠心分離機は高価であり、設置スペースも必要となるため、導入コストが高いです。
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(07)密度勾配 (DG: Density gradient)
<重要項目>
この方法は基本的に遠心分離による重力を利用して
大きさの異なる細胞外小胞を分離する方法ですが、
細胞外小胞を満たす溶液の密度勾配を持たせる事で、
密度に応じて同じ大きさの粒子の受ける浮力が異なります。
その浮力に対する力は粒子の密度できまるため、
細胞外小胞の物質としての密度による分離が可能になります。
たとえば、同じ50nmのエクソソームでも
膜構造、膜厚さ、内容物によって層化が可能になります。
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<概要>
密度勾配(Density Gradient)は、試料中の粒子をその密度に基づいて分離する方法で、特にナノ粒子、細胞外小胞(EVs)、タンパク質、核酸、ウイルス粒子などの分離に使用されます。この手法では、遠心分離時に試料を異なる密度の層を持つ勾配の中に置くことで、粒子がそれぞれの密度に応じた位置に移動し、分離されます。
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<基本的な仕組み>
密度勾配の作成:
 グラデーション(勾配)を形成するために、密度の異なる溶液(例えば、ショ糖、イオジキサノール、または塩化セシウムなど)をチューブ内に層状に注入します。勾配は連続的なもの(連続密度勾配)や階層的なもの(ステップ密度勾配)があります。
サンプルの追加:
 試料は密度勾配の一番上に配置されます。これにより、異なる密度の粒子が、遠心分離時に自分の密度に相当する勾配層まで移動します。
遠心分離:
 高速で遠心分離を行うことで、粒子は自身の密度と一致する位置に向かって移動します。粒子は、密度が低い粒子は上の層に、密度が高い粒子は下の層に位置するように分離されます。
分画の回収:
 遠心分離が完了すると、異なる密度層に分離された粒子はそれぞれの位置で安定し、個別に分離して回収されます。
-
<特徴>
密度に基づく分離:
 粒子の密度の違いに基づいて分離されるため、特に同じサイズの粒子でも密度が異なる場合に有効です。
連続または階層的な勾配:
 連続的な勾配では粒子の精密な分離が可能であり、階層的な勾配ではスピーディーに複数の粒子を分離できます。
-
<メリット>
高精度な分離:
 粒子の密度に基づいた分離が可能で、特に異なる密度を持つ粒子の混合物に適しています。EVsやタンパク質、ウイルスなどの分離に非常に有効です。
多様な粒子に対応:
 粒子のサイズや形状に関わらず、密度が異なれば分離が可能です。また、微小粒子からナノ粒子まで多様な物質に適用可能です。
試料の保存性:
 密度勾配法では化学的処理をあまり行わないため、分離された試料が比較的純粋な状態で保たれることが多いです。
-
<デメリット>
時間がかかる:
 遠心分離自体に長時間を要する場合があり、実験全体に時間がかかることがあります。特に高精度な分離を行う場合は数時間から数日を要することもあります。
機器が高価:
 密度勾配遠心分離には高性能な超遠心分離機が必要であり、コストが高く、専用の実験施設が必要です。
限定された分離能力: 
 粒子の密度が似通っている場合、密度勾配では分離が難しいことがあります。サイズや形状も類似している場合、明確な分離が困難になることがあります。
勾配作成の技術的難しさ:
 正確な密度勾配を作成するには技術的なノウハウが必要であり、勾配が均一でない場合、分離が不完全になるリスクがあります。
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(08)密度クッション (DC: Density cushion)
<概要>
密度クッションとは、遠心分離チューブの中に、一定の密度を持つ溶液の層を設ける技術です。このクッション層は、試料層よりも密度が高く、遠心分離中に粒子がクッション層を超えて沈降するのを防ぐ役割を果たします。密度クッションは、試料中の粒子が目的の密度範囲で分離されるのを確実にし、非目的成分が遠心中に過度に沈降することを防止します。
-
<基本的な仕組み>
設定: 遠心分離チューブ内に、事前に作成した密度クッション溶液(一般的には糖類や塩類などを使用)が最初に入れられ、その上に試料が慎重に層状に配置されます。
遠心分離: 遠心力がかかると、試料中の粒子は遠心力によって沈降を始めます。粒子はその密度に応じて動きますが、密度クッションの密度よりも大きな粒子は、そのクッション層に入った段階で、浮力によって沈降が停止されます。
分離: 粒子が密度クッションを越えて沈降するのを防ぐため、粒子の分離がある程度安定した位置で行われます。密度クッションによって、特定の密度以下の粒子を確保し、密度範囲の中での分離が促進されます。
-
<特徴>
密度クッションは、密度が既知の物質を分離するために非常に有効です。
粒子がクッションの密度を越えた層に沈降しないため、非目的成分の混入が抑えられる。
-
<メリット>
分離精度が向上: 粒子が密度クッションに到達した段階で、密度の異なる粒子が明確に区別されるため、分離精度が高まります。
粒子の損失を防止: 粒子が下層に落ちてしまうことを防ぐため、目的とする粒子の損失を最小限に抑えられます。
クリーンな回収: 特定の密度に調整された粒子の回収が容易になり、サンプルの純度が向上します。
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<デメリット>
制限された適用範囲: 密度クッションは、密度の範囲内での分離を必要とする場合にしか有効ではありません。より広範な分離を行いたい場合には不適です。
設定の難しさ: 密度クッション層の設置には、正確な密度調整が必要であり、複数回の試行錯誤を伴うことがあります。
材料の制限: 密度クッションに適した溶液の種類が限られるため、特定の試料に対しては使用できない場合があります。
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(09)陰イオン交換クロマトグラフィー (AIEX: Anion-exchange chromatography)
<概要>
陰イオン交換クロマトグラフィー (AIEX) は、クロマトグラフィーの一種であり、溶液中の陰イオン(負に帯電したイオン)を分離・精製するための手法です。この技術は、陰イオンと逆の正の電荷を持つ固体担体(固定相)を用い、電荷の違いに基づいて物質を分離します。特に、タンパク質、核酸、その他の陰イオン性の分子を分離するのに広く使われています。
-
<基本的な仕組み>
固定相と移動相:
 固定相(固体担体)は、正に帯電した化学基(通常はアミン基など)で修飾されており、陰イオンを引き付けます。
 移動相(溶液)は、分離対象の陰イオン性分子が含まれる液体です。
分離のメカニズム:
 試料を移動相と共にカラムに導入すると、陰イオンは正に帯電した固定相と電気的相互作用によって結合します。
 移動相の組成(特にpHや塩濃度)を変化させることで、結合した陰イオンを選択的にカラムから解離させ、分離します。塩濃度を上げると、塩の陰イオンが競争的に固定相と結合し、分離対象の陰イオンが解離して出てきます。
エルート法:
 エルート(溶出)には、ステップエルート(塩濃度を段階的に上げる)や連続エルート(塩濃度を徐々に増加させる)といった方法があります。
-
<特徴>
選択性: 電荷に基づいて分子を選択的に分離するため、化学的性質が類似していても、電荷が異なる分子を分離できる。
高い解像度: 電荷の違いを利用した分離が可能なため、同じサイズでも異なる電荷を持つ分子を精密に分けることができる。
適応性: タンパク質、核酸、ペプチド、アミノ酸など、広範囲の陰イオン性分子に適用可能。
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<メリット>
高い分離効率: 電荷差に基づいて分子を高精度で分離でき、純度の高い分離が可能。
非破壊的: 分子の構造や機能を損なうことなく、分離・精製が行える。
広範な適用性: タンパク質や核酸、ポリサッカライドなど、多様な生体分子に適用できる。
スケーラビリティ: 研究室レベルから工業レベルまでスケールアップ可能。
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<デメリット>
溶出条件の最適化が必要: 最適な溶出条件(pHや塩濃度など)を設定するために、多くの試行錯誤が必要な場合がある。
サンプル損失のリスク: 極端なpHや高塩濃度のエルート条件が必要な場合、タンパク質の変性や機能喪失のリスクがある。
特定の電荷に依存する: 分離は電荷に依存しているため、電荷の差が小さい分子の分離が難しくなることがある。
時間がかかる場合がある: pHや塩濃度の調整に時間がかかることがあり、迅速な分離が難しいこともある。
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(0A)免疫沈降 (IP: Immunoprecipitation)
<重要項目>
この免疫沈降と密度勾配を組み合わせれば、
適切な浮力範囲の設定で溶液の密度勾配を組めれば、
細胞外小胞に発現されている表面タンパク質の量を定量化して、層化して
抗体結合後に分離する事が可能です。
ただし、抗体は細胞外小胞に比べて10桁以上軽いので、
抗体によって細胞外小胞が沈むのは、細胞外小胞のクラスター化によるものです。
従って、抗体の結合密度が細胞外小胞のクラスター数と
高い相関係数で正の相関がなければ、こうした分離は不可能になります。
こうした細胞外小胞のクラスター化を促すためには
抗体のクラススイッチの異なる各種抗体の構造をよく考える事が重要です。
IgM抗体は五量体(ペンタマー)で10個の結合部位を持つため、
同じ抗原を持つ細胞外小胞をクラスター化しやすいです。
IgM抗体もIgG抗体と同様に特定の抗原に対して
モノクローナル抗体を人為的に作製できるため、
免疫沈降として選択する抗体はよりクラスター化を原理的に促す、
IgM抗体のほうがIgG抗体よりも好ましい可能性があります。
こすいた表面タンパク質は標的性のため非常に重要なので
抗体を切る必要があります。
その為にはpH、温度、還元剤などが使用できます。
一方で、
こうした結合部位をそのまま抗体で「蓋、保護」のため
あえてそのままにしておくという事も考えられます。
これをうまく利用できると、非常にコストメリットがあります。
すなわち、病変部位で抗体の結合が取れるようなシステムを組むということです。
炎症や腫瘍などではpHが酸性に動いている事があるため、
こうしたpHの変化に結合が敏感になるようにできれば、
細胞外小胞の層化にもつながるし、
細胞外小胞をコロナから守り、有効に病変部位に送達できる事にもつながります。
すなわち、スイッチの機能をアロステリック因子を持たせなくても
自然のプロセスの中で構築できるということです。
-
<概要>
免疫沈降 (IP: Immunoprecipitation) は、抗体を用いて特定のタンパク質やその複合体を溶液中から選択的に抽出・分離する手法です。この方法は、抗体が標的となる抗原(通常はタンパク質)に特異的に結合する性質を利用して、目的の分子を沈殿させることに基づいています。免疫沈降は、生化学、分子生物学、および細胞生物学の研究で広く使用されており、タンパク質の相互作用、構造、翻訳後修飾などを解析するために利用されています。
-
<基本的な仕組み>
抗体の使用:
 特異的な抗体(通常はモノクローナル抗体)を溶液中に加え、抗体が標的タンパク質(抗原)に結合します。
抗体-抗原複合体の捕捉:
 抗体が結合した抗原を捕捉するために、ビーズ(磁気ビーズやアガロースビーズなど)を使用します。ビーズには抗体を認識する二次抗体やプロテインA/Gが結合しており、抗体-抗原複合体がビーズに結合します。
沈殿と洗浄:
 抗体-抗原-ビーズ複合体を遠心分離して沈殿させ、未結合のタンパク質やその他の不純物を洗浄して除去します。
タンパク質の解析: 
 抗原をビーズから解離させた後、SDS-PAGEやWestern blotなどを用いてタンパク質を解析します。また、免疫沈降後のタンパク質は質量分析などの手法でさらに詳しく調査されることもあります。
-
<特徴>
選択性: 抗体の高い特異性により、特定のタンパク質やその複合体を効率的に分離できる。
多様な応用: 単一タンパク質の解析だけでなく、タンパク質間の相互作用(コイムノプレシピテーション)や翻訳後修飾の検出も可能。
-
<メリット>
高い特異性: 抗体を使用するため、目的のタンパク質や複合体を特異的に分離できる。
相互作用の解析が可能: タンパク質同士の相互作用や、タンパク質-核酸複合体などの解析が可能。
汎用性: 抗体が利用可能であれば、様々な生体分子に対して応用できる。
-
<デメリット>
抗体の依存性: 良質な抗体が必要であり、抗体の特異性が低い場合、非特異的な結合によるバックグラウンドが問題となる。
ターゲットの量に依存: ターゲットタンパク質が少量である場合、検出が困難になる可能性がある。
複雑な実験手順: 洗浄、沈殿、抗原の解離などの手順が複雑であり、経験が必要。
非特異的な結合: 抗体やビーズが非特異的に他のタンパク質と結合する可能性があるため、バックグラウンドの低減に注意が必要。
--
(0B)細胞外小胞沈降
免疫沈降はタンパク質などの軽い物質に対しては
重さの違いがあまりないためにそのまま差別的に沈める事ができるかもしれませんが、
細胞外小胞に対する免疫沈降の場合は
抗体の重さが細胞外小胞よりも10桁程度軽いため、
沈降させるためには細胞外小胞のクラスター化が前提となります。
また、抗体は別途、マウスなどの生物の液性免疫を使い、
その抗原に応じた抗体を生物学的にリンパ組織を使って
放出させる必要があり、
再現性(batch-to-batch)のバラつきや
製造原価が顕著にあがってしまいます(43,44)。
細胞外小胞にエンジニアリングする事は私の生産工程で必須の事です。
現在考えているプロトコルは
iPS細胞由来の神経系細胞から分泌される細胞外小胞に対して
遺伝子導入によってエンジニアリングする事です。
そうして細胞接着分子の装飾化を試みます。
細胞接着分子は体の中の自然な物質であり、
その結合相手、リガンドも同様に体の中に存在し、遺伝子的にコード化されています。
従って、対となるリガンドを別途、細胞外小胞に装飾させ、
それを細胞外小胞の仕分けのプロセスに利用します。
すなわち特定の細胞接着分子を装飾した細胞外小胞に対して
その細胞外接着分子のリガンドを装飾した細胞外小胞を製造し、
液体の中で結合させて、沈降させます。
この時、重さのスケールは共に細胞外小胞なので
結合するだけで重さが有意に変わるため、選択的に沈降できます。
どちらにしても細胞接着分子のリガンドを装飾する事も
薬物送達の上で重要なので、対となるたんぱく質をセットで
装飾する技術を手に入れる事は大きなメリットがあります。
それを仕分け、沈降法として利用するのです。
そうすると資源に無駄がありません。
例えば、エクソソーム以外の大きさのものも放出されますが、
それを沈降のために使う事も出来ます。
多分、こちらの方が免疫沈降よりもトータルとして
資源を有効活用でき、原価は安くなると考えられます。

--
細胞外小胞を次のお客様の元へ届けるためには
その特性を保持して、貯蔵する必要があります。
基本的にはmRNAワクチンと同様に-80℃保存が好ましいです。
だいたい1か月くらいで最終の患者さんに届けたいです(40)。
--
細胞外小胞を薬物送達キャリアとするためには
(A)物質を非破壊で抜く技術と
(B)物質を非破壊で注入する技術両方が必要です。
このような
内容物を抜く、入れるは共に超音波で非破壊で出来る可能性があります。
超音波によって細胞外小胞内の抜く、入れるの
いわば中から外、外から中というベクトルを制御するためには
超音波によって生じる気泡の制御が重要になります。
気泡が高密度で溶液内にある時には
細胞外小胞内でも生じれば、中の圧力が高まり、
中から外への圧力差が生じます。
一方で、その状態を維持し、すなわち気泡を安定化させ、
その状態で溶質内に封入したい物質を入れ、
気泡を壊すことで細胞外小胞は収縮し、
その過程で外から中への力が生まれます。
こうしたプロトコルを成立させるためには溶液を当然変える必要があります。
細胞外小胞から内容物を取り出したら、一旦、超音波を止め、
溶液を新しいものへ変更します。
再度、細胞外小胞を膨張させ、収縮させる過程で
新しい溶液内に入れた封入したい内容物を入れる事を試みます。
こうした条件は溶液、超音波周波数、音圧(dB)によって変わるので
実験による最適化が必要です。
しかし、細胞外小胞に一つ一つ針で穴をあけて取り出すという方法よりかは
良い条件を見つければ、大量に一気にできる可能性があることと、
超音波装置を共有化できる設備面でのコストメリットがあります。
溶液な液体ですから、流れも利用できます。
こうした流体の動きの最適化も含めて考えていく必要があります。
例えば、渦のような流れを生み出し、
外側に細胞外小胞を集めると、内から外への力を誘導することができます。
その状態でより軽い内容物を特定のタイミングで入れ、
外側に向かう速いベクトルを利用して入れるという事も考えられます。
-
(A)物質を非破壊で抜く技術
実際に超音波でそれが可能です。
<超音波による物質の透過のメカニズム>
超音波エネルギーの伝播:
 超音波は高周波の音波で、液体中にエネルギーを伝播させます。このエネルギーはエクソソームの膜にも影響を与えます。
キャビテーションの発生:
 超音波が液体中に伝わると、局所的な圧力変化により微小な気泡(キャビテーション気泡)が生成されます。
 これらの気泡が急速に圧縮・膨張することで、周囲の液体に強いエネルギーが加わり、エクソソームの膜に一時的な孔を形成することがあります。
膜の透過性の一時的な増加:
 キャビテーションによって、エクソソームの膜に一時的な空孔が開くことで、膜の透過性が一時的に増加します。この状態で内部の成分が外部に漏れ出すことができます。
成分の移動:
 膜に開いた空孔を通じて、エクソソーム内部の成分(例えば、タンパク質やRNAなど)が外部の液体に移動します。このプロセスは非常に迅速に行われます。
膜の修復:
 超音波の処理が終了すると、エクソソームの膜は通常の状態に戻り、空孔は閉じます。膜は元の構造に戻り、破壊されずに保持されることが理想的です。
<具体的なプロセスのイメージ>
超音波の適用:
 超音波装置を用いて、エクソソームを含む溶液に超音波を照射します。適切な周波数と振幅が設定され、膜に対する影響が調整されます。
空孔の形成:
 超音波エネルギーにより、エクソソームの膜に一時的な孔が形成されます。これはキャビテーション効果によって引き起こされます。
成分の抽出:
 空孔を通じて、内部の成分が外部の液体に引き出されます。このプロセスが終了した後、エクソソームの膜は通常の状態に戻ります。
成分の収集:
 外部液体中に引き出された成分を収集し、分析や利用に供します。
<注意点と課題>
超音波の条件設定:
 超音波の周波数、振幅、照射時間などを適切に設定し、エクソソームの膜が破壊されないようにする必要があります。
膜の破壊リスク:
 過剰な超音波エネルギーは膜を破壊してしまう可能性があるため、エネルギーの調整が重要です。
効率の最適化:
 超音波治療法の効率を最大化するために、プロトコルの最適化が必要です。
-
(B)物質を非破壊で注入する技術
1. エレクトロポレーション (Electroporation)
概要:
 エレクトロポレーションは、高電圧のパルスを用いて細胞膜に一時的な孔を開ける技術です。この方法をエクソソームに適用し、膜を破壊することなく物質を内部に取り込むことができます。
方法:
 エクソソームを電場にさらすことで、膜に一時的な孔を形成します。
 目的の物質(例えば、タンパク質やRNA)をエクソソームに添加します。
 膜の孔が閉じることで、物質がエクソソーム内部に取り込まれます。
特徴:
v高いスループットで物質の封入が可能です。
v短時間で処理が可能ですが、エクソソームのサイズや特性に応じた最適化が必要です。
2. 超音波処理 (Ultrasonic Treatment)
概要:
 音波処理を使用してエクソソームの膜に一時的な孔を作り、物質を内部に取り込む方法です。
方法:
 超音波をエクソソームを含む溶液に照射します。
 超音波のキャビテーション効果で膜に一時的な孔を開けます。
 物質を添加し、膜が元の状態に戻る際に物質が内部に取り込まれます。
特徴:
 非破壊的で、適切な条件設定で高スループットが可能です。
 超音波の条件を調整することで、封入効率を最適化できます。
3. リポソームを利用した転送 (Liposome-Mediated Transfer)
概要:
 リポソームを用いて、エクソソームに目的の物質を転送する方法です。リポソームは細胞膜と同様の構造を持ち、物質をエクソソーム内に導入できます。
方法:
 リポソームに目的の物質を封入します。
 リポソームとエクソソームを混合し、適切な条件で融合させます。
 物質がリポソームからエクソソームに転送されます。
特徴:
 非破壊的で、高いスループットが可能です。
 リポソームの調整によって、物質の封入効率を向上させることができます。
4. 融合技術 (Fusion Techniques)
概要:
 特定の化学的または物理的条件を利用して、エクソソームと目的の物質を持つビシクル(小さな膜構造)を融合させる方法です。
方法:
 エクソソームと目的の物質を持つビシクルを混合します。
 特定の化学物質や温度、pH条件を用いて膜の融合を促進します。
 融合により、物質がエクソソーム内部に取り込まれます。
特徴:
 高いスループットで物質の封入が可能です。
 条件の調整によって効率を最適化できます。
5. 膜透過促進剤の使用 (Membrane Permeabilization Agents)
概要:
 特定の化学物質や添加剤を用いて、エクソソームの膜透過性を一時的に増加させる方法です。
方法:
 透過促進剤をエクソソームと混合します。
 目的の物質を添加し、膜透過性が高まった状態で物質を取り込みます。
 透過促進剤の効果がなくなり、膜が元の状態に戻ります。
特徴:
 非破壊的で、比較的簡単に実施可能です。
 透過促進剤の選定と条件設定が重要です。
6. 自動化システムの利用 (Automated Systems)
概要:
 自動化されたプロセスを使用して、エクソソームに目的の物質を高スループットで封入する方法です。
方法:
 高度に自動化された装置を用いて、エクソソームと目的の物質を一貫して処理します。
 条件の最適化とプロセスの自動化により、スループットと効率を向上させます。
特徴:
 大規模なスループットを実現できるため、商業的な利用に適しています。
 自動化により、処理の一貫性と再現性が向上します。

--
実際に細胞外小胞を抜き取り検査する必要があります。
その時に利用できる解析のリストをまとめました。
(参考文献(1) Fig.5)
-
1. 透過型電子顕微鏡(TEM: Transmission Electron Microscopy)
適用: 微細構造やサイズの観察
メカニズム: 電子ビームがサンプルを透過し、その散乱パターンから構造を分析します。
解像度: 高い(数ナノメートル)
感度: 高い
ターンアラウンドタイム: 中程度
ハンズオンタイム: 高い
ランニングコスト: 高い
使いやすさ: 難しい
サンプル体積: 小さい
高スループット: 低い

2. クライオ電子顕微鏡(Cryo-EM: Cryo-Electron Microscopy)
適用: 微細構造やサイズの観察、タンパク質の三次元構造
メカニズム: サンプルを急速に冷却し、氷中で電子ビームを透過させて三次元構造を得る。
解像度: 高い(数ナノメートル)
感度: 高い
ターンアラウンドタイム: 長い
ハンズオンタイム: 高い
ランニングコスト: 高い
使いやすさ: 難しい
サンプル体積: 小さい
高スループット: 低い

3. 原子間力顕微鏡(AFM: Atomic Force Microscopy)
適用: 表面の詳細な観察、サイズの測定
メカニズム: 微細プローブをサンプル表面に接触させ、その動きを測定して表面のトポグラフィーを取得。
解像度: 高い(数ナノメートル)
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 中程度
ハンズオンタイム: 高い
ランニングコスト: 高い
使いやすさ: 難しい
サンプル体積: 小さい
高スループット: 低い

4. 動的光散乱(DLS: Dynamic Light Scattering)
適用: サイズの測定、濃度の評価
メカニズム: 散乱光の強度の変動から粒子のサイズ分布を推定。
解像度: 中程度
感度: 中程度
ターンアラウントタイム: 短い
ハンズオンタイム: 低い
ランニングコスト: 中程度
使いやすさ: 容易
サンプル体積: 少量
高スループット: 高い

5. 静的光散乱(SLS: Static Light Scattering)
適用: サイズや濃度の測定
メカニズム: 散乱光の強度を測定し、粒子のサイズと濃度を推定。
解像度: 中程度
感度: 中程度
ターンアラウントタイム: 中程度
ハンズオンタイム: 中程度
ランニングコスト: 中程度
使いやすさ: 容易
サンプル体積: 少量
高スループット: 中程度

6. マルチアングル光散乱(MALS: Multi-Angle Light Scattering)
適用: 濃度、サイズ、ゼータ電位の測定
メカニズム: 光の散乱角度の違いを利用し、粒子のサイズ、濃度、形状を詳細に分析。
解像度: 高い
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 中程度
ハンズオンタイム: 中程度
ランニングコスト: 高い
使いやすさ: 難しい
サンプル体積: 少量
高スループット: 中程度

7. 蛍光ナノ粒子追跡分析(fNTA: Fluorescence Nanoparticle Tracking Analysis)
適用: サイズ、形状、タンパク質マーカーの評価
メカニズム: 蛍光標識されたナノ粒子の動きを追跡し、そのサイズや濃度、形状を測定。
解像度: 高い
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 短い
ハンズオンタイム: 低い
ランニングコスト: 中程度
使いやすさ: 容易
サンプル体積: 少量
高スループット: 高い

8. 免疫電子顕微鏡(Immuno-EM: Immunoelectron Microscopy)
適用: サイズ分布、タンパク質マーカーの観察
メカニズム: 特異的な抗体で標識された金粒子を使用し、ターゲット分子の位置を高解像度で可視化。
解像度: 高い
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 長い
ハンズオンタイム: 高い
ランニングコスト: 高い
使いやすさ: 難しい
サンプル体積: 小さい
高スループット: 低い

9. SP-IRIS(Spectral Phase Imaging with Infrared Spectroscopy)
適用: バイオ分子マーカーの測定
メカニズム: 赤外線分光法を使用し、サンプル中の分子の吸収特性を測定。
解像度: 高い
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 中程度
ハンズオンタイム: 中程度
ランニングコスト: 高い
使いやすさ: 難しい
サンプル体積: 小さい
高スループット: 中程度

10. 超解像顕微鏡(Super-resolution Microscopy)
適用: 高解像度の観察
メカニズム: 蛍光分子の動きや配列を利用して高解像度の画像を再構築し、細胞内の詳細な構造を可視化。
解像度: 非常に高い(数十ナノメートル)
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 長い
ハンズオンタイム: 高い
ランニングコスト: 高い
使いやすさ: 難しい
サンプル体積: 小さい
高スループット: 低い

11. 免疫修飾フローサイトメトリー(Immuno-modified Flow Cytometry)
適用: タンパク質マーカーの測定、サイズ分布
メカニズム: 蛍光標識された抗体を使用して流れる細胞のサイズ、粒子の大きさ、特異的なマーカーの定量を行います。
解像度: 中程度
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 短い
ハンズオンタイム: 中程度
ランニングコスト: 中程度
使いやすさ: 容易
サンプル体積: 少量
高スループット: 高い

12. ウェスタンブロッティング(Immunoblotting)
適用: バイオ分子濃度の測定
メカニズム: ゲル電気泳動後、膜に転写し、特異的な抗体で検出する。
解像度: 高い(特異的なタンパク質の検出)
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 中程度
ハンズオンタイム: 中程度
ランニングコスト: 中程度
使いやすさ: 中程度
サンプル体積: 少量
高スループット: 中程度

13. ラマン分光法(Raman Spectroscopy)
適用: バイオ分子マーカーの測定
メカニズム: ラマン散乱を利用して分子の振動モードを測定し、化学成分を特定。
解像度: 高い
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 中程度
ハンズオンタイム: 中程度
ランニングコスト: 高い
使いやすさ: 難しい
サンプル体積: 小さい
高スループット: 中程度

14. ELISA(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay)
適用: タンパク質マーカーの定量
メカニズム: 酵素標識された抗体を使用して、特定のバイオマーカーを定量的に測定。
解像度: 高い
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 中程度
ハンズオンタイム: 中程度
ランニングコスト: 中程度
使いやすさ: 容易
サンプル体積: 少量
高スループット: 高い

15. ディープオミクス(Deep Omics)
適用: バイオ分子の広範な分析
メカニズム: 大規模なオミクスデータ(遺伝子、タンパク質、代謝物など)を解析し、バイオロジカルプロセスを理解する。
解像度: 非常に高い(全体的なデータ解析)
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 長い
ハンズオンタイム: 高い
ランニングコスト: 高い
使いやすさ: 難しい
サンプル体積: 中程度

高スループット: 高い
16. ビーズベースフローサイトメトリー(Bead-based Flow Cytometry)
適用: タンパク質マーカーの測定
メカニズム: ビーズに付着した抗体を使用し、流れるサンプル中のターゲット分子を検出・定量。
解像度: 中程度
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 短い
ハンズオンタイム: 低い
ランニングコスト: 中程度
使いやすさ: 容易
サンプル体積: 少量
高スループット: 高い

17. ナノ粒子トラッキング解析(NTA: Nanoparticle Tracking Analysis)
適用: 濃度、サイズ、ゼータ電位の測定
メカニズム: ナノ粒子の動きをトラッキングし、サイズと濃度を測定。動きの速度から粒子のサイズを推定。
解像度: 高い
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 短い
ハンズオンタイム: 低い
ランニングコスト: 中程度
使いやすさ: 容易
サンプル体積: 少量
高スループット: 高い

18. トリポリ(T(R)PS: Tunable Resistive Pulse Sensing)
適用: 濃度、サイズ、ゼータ電位の測定
メカニズム: 電気抵抗の変化を測定し、粒子のサイズや濃度を推定。
解像度: 高い
感度: 高い
ターンアラウントタイム: 短い
ハンズオンタイム: 低い
ランニングコスト: 中程度
使いやすさ: 容易
サンプル体積: 少量
高スループット: 高い

19. 改良型フローサイトメトリー(Modified Flow Cytometry)
適用: 濃度、サイズの測定
メカニズム: 標準フローサイトメトリーの改良版で、粒子のサイズや濃度を精密に測定。
解像度: 中程度
感度: 中程度
ターンアラウントタイム: 短い
ハンズオンタイム: 低い
ランニングコスト: 中程度
使いやすさ: 容易
サンプル体積: 少量
高スループット: 高い

これらの中で抜き取り検査に適しているのは
1. 動的光散乱(DLS: Dynamic Light Scattering)
理由: サンプルの準備が比較的簡単で、少量のサンプルで測定が可能です。高スループットであるため、複数のサンプルを迅速に分析するのに適しています。装置も比較的扱いやすいです。
2. ナノ粒子トラッキング解析(NTA: Nanoparticle Tracking Analysis)
理由: 少量のサンプルで測定が可能で、比較的迅速に結果を得ることができます。サンプルの準備もシンプルで、操作が直感的であるため簡便です。
3. ビーズベースフローサイトメトリー(Bead-based Flow Cytometry)
理由: サンプルの取り扱いが容易で、高スループットな分析が可能です。ビーズに付着した抗体を使用するため、複数のサンプルを一度に分析できます。
4. ELISA(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay)
理由: 検査プロセスが標準化されており、比較的簡便に実施できます。サンプルの取り扱いも簡単で、感度が高く、結果も再現性があります。ただし、スループットは他の方法と比較して低いことがあります。

抜き取り検査の為には測定ごと
測定できる項目が異なるので
その目的に合わせて変えながら測定を選択する必要があります。
基本的にエクソソームの大きさを動的光散乱で確認して
エクソソームの装飾分子をELISAで確認するなど複数の測定が必要です。
より詳しい検査をするときにクライオ電子顕微鏡などで検査します。
タンパク質全体を見たいときにはプロテオーム解析などもあります。

--
細胞外小胞を環境中
川、湖、海、下水、上水、雨水、産業排水、氷河、土壌。
あるいは
人の体内。
これらから有効に分析するためには
上述したように1つの細胞外小胞内の物質を
「集合体として」保持しながら、マルチオミックス解析することが求められます。
そうした場合、理想的には様々な種類の細胞外小胞を
1つの細胞外小胞の物質を集団として扱い、
それらに同じ「番地、ナンバー」を付けて、
集団的なデータの中で「同じ細胞外小胞内に存在した」という
タグ付けした状態で出力したいというのがありますが、
これは高度な技術が必要とされます。
それよりも分析前に事前に
細胞外小胞を精度よく分離して、同じ特徴の細胞外小胞をグループ分けして
そのグループごと分けてマルチオミックス解析するほうが
プロトコル全体としては技術的障壁が低いと思います。
但し、この場合、マルチオミックス解析を10回とか100回する必要があります。
このようにしないと
細胞外小胞を分離して独立の物質として分解して
細胞外小胞の物質に絞って分析したとしても、
もともと循環している独立の物質を分析する事に対しての
付加価値が低下してしまいます。
もちろん、後でクラスター解析によって
相関を見る事で、細胞外小胞内の情報を集団的に扱える可能性がありますが、
そのような特徴が高い相関係数をもって精度よく現れるかはわかりません。
細胞外小胞は情報としてクラスター化していますから、
そのクラスター化した物質群を分離しないで
そのまま扱いながら、その区別、番地をつけながら
マルチオミックス解析をしたいということがあります。
こうすれば、細胞外小胞を分析対象として選択する価値がより高くなります。

--
細胞外小胞は製造過程(1)、運搬過程、処方/投与後、
いずれも多様な膜物質の変性が生じる可能性があります。
その変性は付着物質(コロナ)も含まれます。
従って、環境中にできるだけこのような活性な物質が結合しないような
純度の高い液体を選択し、製造過程が終了したら
速やかに-80℃に冷凍し、変性が生じにくい環境にすることが大切です。
ただ、製造、運搬、保存、処方/投与、病変部位と
薬効までにはいくつかの過程があります。
体の中では(例えば、循環器)
結合活性の高い多様な物質が存在しますから、
少なくとも一定の変性ストレスを細胞外小胞は受けます。
そうした運搬の過程で、
必ずしもエクソソーム1つ1つを個別に分離する必要があるかは検討の余地があります。
すなわち、ある程度、クラスター化して病変部位まで送達する事も考えます。
当然、クラスター化しているとサイズが大きくなりますから、
循環器からの滲出が生じにくくなります。
そうした潜在的なデメリットはありますが、
クラスター化すると平均的な暴露表面積は小さくなるため、
あるいは結合部位が抗体で守られているため、
コロナの付着が起きにくくなることと、
多価の結合が空間的な制約で起きにくくなることから、
免疫的な惹起を抑制する事にもつながる可能性があります。
(逆効果になるかもしれません。実験しないとわかりません。)
上述したように
細胞外小胞を大きさ、密度の軸で分類した後、
さらに標的とする表面タンパク質が細胞外小胞にどれくらいの
密度で層化するときには免疫沈降を使えますが、
その時の抗体をIgMにしてクラスター化させます。
通常は、その後、IgM抗体との結合を解くプロセスが想定されますが、
このIgM抗体との結合をそのままにしておくと、
標的の結合部位が守られる事にもつながります。
また、プロセスを簡略化できる事と、
細胞外小胞がクラスター化しているため
サイズが大きくなり扱いやすくなります。
但し、クラスター化している方が物質の出し入れが複雑になり
難しくなる可能性がります。
しかし、容易になるか、難しくなるかはわかりません。
少なくとも免疫沈降の前に物質の取り出し、挿入を行うか、
免疫沈降の後にするかはプロセス上、検討の余地があります。
もし、病変部位近くの循環器で炎症状態によって
pH、酸素濃度などが周辺と変化しており、
こうした変化によってIgM抗体の結合を局所的に解くことができたら、
循環器での変性を一部、防ぎながら、
病変部位で個別の細胞外小胞として分離する事が可能になります。
また、その分離は必ずしも要さないかもしれません。
ある種の偏見を払拭して、
こういった可変因子を客観的に評価していく事が重要です。
いずれにしても免疫沈降がクラスター化によって生じれば、
そのクラスター化を必ずしも解く必要はないという視点は重要です。
--
もう一つ、重要な視点はもしIgG,IgA,IgM抗体いずれにしても
細胞外小胞(エクソソーム)製造段階であえて残して、
患者さんに薬剤として提供する事を想定した場合、
こうした抗体はFabドメインだけではなく、Fcドメインでも
免疫機能を刺激する効果がありますから、
こうした抗体との複合体化は免疫機能を余分に刺激(惹起)する可能性があります。
例えば、
インテグリン、コネキシンなどの細胞接着分子を標的として使う事を
想定しているので、身体の中に自然にあるタンパク質ですから
それに結合性を持つ抗体は一定の受容性はあると思いますが、
できるだけ人の身体の中で受け入れられる抗体にしたいという事があります。
従って、キメラ抗体ではなく人由来の抗体にしたいです。
その為にはiPS細胞が抗体産生のため利用できます。
すなわちヒトiPS細胞由来の形質細胞から
人の中に自然に存在する細胞接着分子を抗原とする抗体を産生させるということです。
ゆえに、ここでももし、抗体を複合体化させて、
細胞外小胞(エクソソーム)を病変部位まで守る事、
あるいは抗体が持つ病変部位に対する自然な走化性を利用する事、
細胞外小胞をクラスター化させて扱いやすくする事、
細胞外小胞をクラスター化させて多価の結合を防ぐこと(?)、
免疫沈降後のプロセスを減らす事、
これらの潜在的に生じうるメリットを考えると、
実験として検討の価値があるし、条件だしして最適化する価値もあります。
メリットが大きいため簡単に諦めるテーマではありません。
しかも、人iPS細胞技術が安全な抗体のために使える可能性があるので、
iPS細胞技術を集約化している一連の技術開発において
リソースの面で優位性が生まれます。


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国立がん研究センター
がん細胞をはじめとする種々のエクソソーム分泌の新たな機序解明
~ 乳がんなどのがん転移阻害剤の開発に貢献する可能性 ~
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Tomofumi Yamamoto+, Jun Nakayama+, Fumihiko Urabe, Kagenori Ito, Nao Nishida-Aoki, Masami Kitagawa, Akira Yokoi, Masahiko Kuroda, Yutaka Hattori, Yusuke Yamamoto*, and Takahiro Ochiya*
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62, Benedetta Bussolati 63, Edit I Buzás 64 65, James Bryan Byrd 66, Giovanni Camussi 67, David Rf Carter 68, Sarah Caruso 13, Lawrence W Chamley 69, Yu-Ting Chang 70, Chihchen Chen 71 72, Shuai Chen 73, Lesley Cheng 13, Andrew R Chin 74, Aled Clayton 75, Stefano P Clerici 76, Alex Cocks 75, Emanuele Cocucci 77 78, Robert J Coffey 79, Anabela Cordeiro-da-Silva 80, Yvonne Couch 81, Frank Aw Coumans 82, Beth Coyle 83, Rossella Crescitelli 84, Miria Ferreira Criado 85, Crislyn D'Souza-Schorey 86, Saumya Das 87, Amrita Datta Chaudhuri 3, Paola de Candia 88, Eliezer F De Santana 89, Olivier De Wever 90 91, Hernando A Del Portillo 92 93 94, Tanguy Demaret 95, Sarah Deville 96 97, Andrew Devitt 98, Bert Dhondt 90 99 91, Dolores Di Vizio 74, Lothar C Dieterich 100, Vincenza Dolo 101, Ana Paula Dominguez Rubio 102, Massimo Dominici 103 104, Mauricio R Dourado 105 106, Tom Ap Driedonks 107, Filipe V Duarte 108, Heather M Duncan 109 110, Ramon M Eichenberger 111, Karin Ekström 112, Samir El Andaloussi 113 114, Celine Elie-Caille 34, Uta Erdbrügger 115, Juan M Falcón-Pérez 116 117, Farah Fatima 118, Jason E Fish 119 120, Miguel Flores-Bellver 121, András Försönits 65, Annie Frelet-Barrand 34, Fabia Fricke 122 123, Gregor Fuhrmann 124 125 126, Susanne Gabrielsson 127, Ana Gámez-Valero 36 128, Chris Gardiner 129, Kathrin Gärtner 130, Raphael Gaudin 131 132, Yong Song Gho 133, Bernd Giebel 134, Caroline Gilbert 26, Mario Gimona 135, Ilaria Giusti 101, Deborah Ci Goberdhan 136, André Görgens 113 137 134, Sharon M Gorski 138 139, David W Greening 13, Julia Christina Gross 140 141, Alice Gualerzi 142, Gopal N Gupta 143, Dakota Gustafson 120, Aase Handberg 144 145, Reka A Haraszti 146, Paul Harrison 147, Hargita Hegyesi 65, An Hendrix 90 91, Andrew F Hill 13, Fred H Hochberg 148 149, Karl F Hoffmann 150, Beth Holder 151 152, Harry Holthofer 153, Baharak Hosseinkhani 154, Guoku Hu 56, Yiyao Huang 155 2, Veronica Huber 156, Stuart Hunt 157, Ahmed Gamal-Eldin Ibrahim 158, Tsuneya Ikezu 159, Jameel M Inal 160, Mustafa Isin 161, Alena Ivanova 162, Hannah K Jackson 83, Soren Jacobsen 163 164, Steven M Jay 165, Muthuvel Jayachandran 166, Guido Jenster 167, Lanzhou Jiang 13, Suzanne M Johnson 168, Jennifer C Jones 169, Ambrose Jong 170 171, Tijana Jovanovic-Talisman 172, Stephanie Jung 173, Raghu Kalluri 174, Shin-Ichi Kano 175, Sukhbir Kaur 176, Yumi Kawamura 177 178, Evan T Keller 179 180, Delaram Khamari 65, Elena Khomyakova 181 182, Anastasia Khvorova 146, Peter Kierulf 183, Kwang Pyo Kim 184, Thomas Kislinger 185 186, Mikael Klingeborn 187, David J Klinke 2nd 188 189, Miroslaw Kornek 190 191, Maja M Kosanović 192, Árpád Ferenc Kovács 65, Eva-Maria Krämer-Albers 193, Susanne Krasemann 194, Mirja Krause 195, Igor V Kurochkin 196, Gina D Kusuma 195 197, Sören Kuypers 198, Saara Laitinen 199, Scott M Langevin 200 201, Lucia R Languino 202, Joanne Lannigan 203, Cecilia Lässer 84, Louise C Laurent 204, Gregory Lavieu 1, Elisa Lázaro-Ibáñez 205, Soazig Le Lay 8, Myung-Shin Lee 206, Yi Xin Fiona Lee 207, Debora S Lemos 208, Metka Lenassi 209, Aleksandra Leszczynska 210, Isaac Ts Li 211, Ke Liao 56, Sten F Libregts 212, Erzsebet Ligeti 213, Rebecca Lim 195 197, Sai Kiang Lim 214, Aija Linē 215, Karen Linnemannstöns 140 141, Alicia Llorente 216, Catherine A Lombard 95, Magdalena J Lorenowicz 217, Ákos M Lörincz 213, Jan Lötvall 84, Jason Lovett 218, Michelle C Lowry 219, Xavier Loyer 39 40, Quan Lu 220, Barbara Lukomska 221, Taral R Lunavat 222, Sybren Ln Maas 223 224, Harmeet Malhi 225, Antonio Marcilla 226 227, Jacopo Mariani 228, Javier Mariscal 74, Elena S Martens-Uzunova 167, Lorena Martin-Jaular 1, M Carmen Martinez 8, Vilma Regina Martins 229, Mathilde Mathieu 1, Suresh Mathivanan 13, Marco Maugeri 230, Lynda K McGinnis 231, Mark J McVey 232 233, David G Meckes Jr 234, Katie L Meehan 235, Inge Mertens 236 97, Valentina R Minciacchi 237, Andreas Möller 238, Malene Møller Jørgensen 239 240, Aizea Morales-Kastresana 169, Jess Morhayim 241, François Mullier 242 243, Maurizio Muraca 244, Luca Musante 115, Veronika Mussack 62, Dillon C Muth 2, Kathryn H Myburgh 218, Tanbir Najrana 245, Muhammad Nawaz 230, Irina Nazarenko 246 247, Peter Nejsum 248, Christian Neri 249, Tommaso Neri 250, Rienk Nieuwland 82, Leonardo Nimrichter 251, John P Nolan 148, Esther Nm Nolte-'t Hoen 107, Nicole Noren Hooten 252, Lorraine O'Driscoll 219, Tina O'Grady 253, Ana O'Loghlen 254, Takahiro Ochiya 255, Martin Olivier 256, Alberto Ortiz 257 258 259, Luis A Ortiz 260, Xabier Osteikoetxea 261, Ole Østergaard 262 263, Matias Ostrowski 264, Jaesung Park 133, D Michiel Pegtel 265, Hector Peinado 266, Francesca Perut 267, Michael W Pfaffl 62, Donald G Phinney 268, Bartijn Ch Pieters 269, Ryan C Pink 68, David S Pisetsky 270 271, Elke Pogge von Strandmann 272, Iva Polakovicova 273 274, Ivan Kh Poon 13, Bonita H Powell 2, Ilaria Prada 275, Lynn Pulliam 276 277, Peter Quesenberry 278, Annalisa Radeghieri 28 30, Robert L Raffai 279 276, Stefania Raimondo 280, Janusz Rak 281 256, Marcel I Ramirez 282 283, Graça Raposo 284, Morsi S Rayyan 285, Neta Regev-Rudzki 286, Franz L Ricklefs 287, Paul D Robbins 288, David D Roberts 176, Silvia C Rodrigues 289 108, Eva Rohde 290 135 291, Sophie Rome 292, Kasper Ma Rouschop 293, Aurelia Rughetti 294, Ashley E Russell 295, Paula Saá 296, Susmita Sahoo 297, Edison Salas-Huenuleo 298 299, Catherine Sánchez 300, Julie A Saugstad 301, Meike J Saul 302, Raymond M Schiffelers 303, Raphael Schneider 120 304, Tine Hiorth Schøyen 2, Aaron Scott 305, Eriomina Shahaj 156, Shivani Sharma 306 307 308, Olga Shatnyeva 205, Faezeh Shekari 18, Ganesh Vilas Shelke 309 84, Ashok K Shetty 310 311, Kiyotaka Shiba 312, Pia R-M Siljander 313 314, Andreia M Silva 315 316 317, Agata Skowronek 318, Orman L Snyder 2nd 319, Rodrigo Pedro Soares 320, Barbara W Sódar 65, Carolina Soekmadji 238 321, Javier Sotillo 111, Philip D Stahl 322, Willem Stoorvogel 107, Shannon L Stott 323 324, Erwin F Strasser 325, Simon Swift 326, Hidetoshi Tahara 327, Muneesh Tewari 179 328 329, Kate Timms 330, Swasti Tiwari 331 332, Rochelle Tixeira 13, Mercedes Tkach 1, Wei Seong Toh 333, Richard Tomasini 334, Ana Claudia Torrecilhas 335, Juan Pablo Tosar 336 337, Vasilis Toxavidis 338, Lorena Urbanelli 339, Pieter Vader 303, Bas Wm van Balkom 340, Susanne G van der Grein 107, Jan Van Deun 90 91, Martijn Jc van Herwijnen 107, Kendall Van Keuren-Jensen 341, Guillaume van Niel 342, Martin E van Royen 343, Andre J van Wijnen 344, M Helena Vasconcelos 345 346 316, Ivan J Vechetti Jr 347, Tiago D Veit 348, Laura J Vella 349 350, Émilie Velot 351, Frederik J Verweij 342, Beate Vestad 352 353 354, Jose L Viñas 58 59 60, Tamás Visnovitz 65, Krisztina V Vukman 65, Jessica Wahlgren 355, Dionysios C Watson 356 357, Marca Hm Wauben 107, Alissa Weaver 358, Jason P Webber 75, Viktoria Weber 359, Ann M Wehman 360, Daniel J Weiss 361, Joshua A Welsh 169, Sebastian Wendt 362, Asa M Wheelock 363, Zoltán Wiener 65, Leonie Witte 140 141, Joy Wolfram 364 365 366, Angeliki Xagorari 367, Patricia Xander 368, Jing Xu 138 139, Xiaomei Yan 369, María Yáñez-Mó 370 371, Hang Yin 372, Yuana Yuana 373, Valentina Zappulli 374, Jana Zarubova 375 376 377, Vytautas Žėkas 378, Jian-Ye Zhang 379, Zezhou Zhao 2, Lei Zheng 155, Alexander R Zheutlin 285, Antje M Zickler 380, Pascale Zimmermann 381 382, Angela M Zivkovic 383, Davide Zocco 384, Ewa K Zuba-Surma 33
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Bert Dhondt,a,b,c Edward Geeurickx,a,b Joeri Tulkens,a,b Jan Van Deun,a,b Glenn Vergauwen,a,b,d Lien Lippens,a,b Ilkka Miinalainen,e Pekka Rappu,f Jyrki Heino,f Piet Ost,b,g Nicolaas Lumen,b,c Olivier De Wever,a,b and An Hendrix
Unravelling the proteomic landscape of extracellular vesicles in prostate cancer by density-based fractionation of urine
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Dongbin Yang,1,# Weihong Zhang,2,# Huanyun Zhang,1 Fengqiu Zhang,3 Lanmei Chen,4 Lixia Ma,5 Leon M. Larcher,6 Suxiang Chen,6 Nan Liu,7 Qingxia Zhao,8 Phuong H.L. Tran,9 Changying Chen,10,✉ Rakesh N Veedu,6,11,✉ and Tao Wang
Progress, opportunity, and perspective on exosome isolation - efforts for efficient exosome-based theranostics
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Haiying Zhang & David Lyden
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Stefano Gelibter, 1 Giulia Marostica, 1 Alessandra Mandelli, 1 Stella Siciliani, 3 Paola Podini, 2 Annamaria Finardi, 1 and Roberto Furlancorresponding author 1
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