2024年12月31日火曜日

小児がんサバイバーシップと心の健康

がんサバイバーの方の心の問題で大きなものは
- うつ(Depression)
- 不安(Anxiety)
- 心的外傷後ストレス障害
(PTSD: Post traumatic stress disorder)
これらです。

小児がんサバイバーのでも同様で
がん罹患歴のない同年代に比べて、
うつの発症は57%も多く、
罹患率は40.8%と推計されています。
一方、
不安に関しても29%も多いとされています(1)。


がん罹患歴のない一般の人も含めた
うつの罹患率を年齢別に比較すると

18-29歳:男性 4.7% / 女性 6.8%
30-39歳:男性 4.6% / 女性 10.9%
40-49歳:男性 3.2% / 女性 12.4%
50-59歳:男性 2.7% / 女性 16.0%
60-69歳:男性 2.3% / 女性 9.7%
70歳以上:男性 4.8% / 女性 7.8%

このような統計となっています(2)。
うつに関しては女性のほうが2倍以上多いです。
上の調査は、メキシコのデータです。
日本では年齢別では
40代から60代までが多く
女性が10~30%程度多いです(3)。
スウェーデンでは20代から40代まで多く、
高齢者が少なく、女性が多いです(4)。
若い人の罹患率が高いです。
10代以下の子どもでは罹患率は
近年増加傾向にあるものの1%を下回っています(5)。
但し、数%程度というデータもあります。


うつ病(Clinical depression)
または大うつ病性障害(Major depressive disorder)
これとは、一般的な精神障害であり、
より厳密には精神障碍内の気分障害内の一つです。

主な症状として、
少なくとも2週間にわたり
- 抑うつ気分(悲しみ・苛立ち・虚しい感覚)
- 喜びの喪失〔アンヘドニア〕
- 活動的興味の喪失
これが続く状態とあります。
従って、数日で収まる抑うつ気分の場合は
うつ病とはこの基準からは診断されません。
他の症状としては
- 集中力低下
- 過剰な罪悪感
- 自尊心の低下
- 将来への絶望
- 死や自殺についての考え
- 不安定な睡眠
- 食欲や体重の変化
- 疲労感、エネルギー低下感
これらなどです。

2000~2010年代以降の神経精神医学では、
ヒトヘルペスウイルス6が
脳神経細胞を部分的に死滅させることで
うつ病が発症するという
仕組みが解析されつつあります。
日本ではHHV-6の感染率(Sero-positive rate)が
最大で83%程度と見積もられており、
おおよその人が感染している可能性があります。
うつ発症の素因として
どれくらいの影響力を持っているかわかりませんが、
うつは、社会心理を含むストレスも
大きくかかわっています。

そのストレスに非常に感受性の高い
海馬(Hippocampus)の縮小、
この神経細胞の死滅が
少なくとも一定、
うつ病と関連している可能性があります(6)。
これは神経損傷仮説として説明されます。
海馬の神経系細胞が破壊されるということは
その細胞内の情報が細胞外小胞も含めて
循環器にでるはずです。
また、海馬の血管は比較的脆弱なので
炎症が生じているときには、
その物質が血中にでる可能性があります。
うつをある種、得体のしれない「心」として
医学、医療の中で
不確定性の高い状態で評価するだけではなく
その心は人として当然あるものとはしますが、
精神疾患を脳神経の生物学的な病としてとらえ、
その物質的証拠を取得したいということがあります。


はっきりした病理がわかっていないためか
うつ病の正確な診断には課題があるとされています。
正確な診断のためには今述べたように
生物学的な機序をつかみ、
物質的情報を活用した診断が必要ではないか?
このように考えます。
川村則行先生は少なくともそのように言われています。

世界保健機関(WHO)は2004年に
うつ病の未治療率を56.3パーセントと推定しています。

2021年のWHO(世界保健機関)によれば
うつ病の原因とは、
- 生物学的
- 心理学的
- 社会的
これらさまざまな要因の相互作用です。
因果の関係は明らかではありませんが、
遺伝子的にうつに罹患しやすい場合もあるし、
感染症、がん、心血管疾患など
何か重い病気にかかることによって
うつ病につながることもあります。
心理的、社会的には
学業、仕事、異性関係、死別、孤独など
慢性、急性に大きなストレスを抱えることで
海馬など脳神経系に
炎症、細胞死などの悪影響を与え、
閾値を超えて発病する可能性もあります。

従って、
ここから推定されるうつ病の治療としては
脳神経病理としての生物学的な治療のほか、
その原因となっている
社会心理的な負な状況を
どう具体的に解決するか?
根本解決はできなくても
どう向き合っていくための
心を含めた体力をつけていくか?
- 社会的生活(就労、学業など)
- 生活習慣(運動、睡眠、栄養など)
これら基本的生活まで踏み込んだ対策が必要です。
ただ、現実問題として、
医療機関としてここまで個人的な事に
踏み込めないという事情もあるかもしれません。

ただし、そういった外因性の要因。
これが見当たらない場合もあります。
これは内因性うつ病といわれ、
抗うつ薬が比較的効果があるといわています。
上述したように
環境に原因がある場合には薬効を示しにくく
環境調整が必要であるとされています。

サブタイプとしては
- 不安性の苦痛を伴う
- 精神病性の特徴を伴う
- メランコリア (en:Melancholic depression)
- 非定型 (Atypical)
- 緊張病を伴う (Catatonia)
- 周産期 (peripartum, en:Postpartum depression)
- 季節型
これらがあります。

2014年に「日本心身医学会」で
東京慈恵会医科大学の近藤一博先生は、
うつ病や疲労の原因に
ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)が影響していること、
およびこれを判定する
疲労測定法について論文を発表しました。
HHV-6はほとんどの人(日本では80%程度)の
体内に潜伏感染していますが、
1週間程度の疲労蓄積によって再活性化します。
特に脳神経細胞の中でHHV-6が再活性化すると、
このウイルス由来の
遺伝子タンパク「SITH-1」が産生されます。
SITH-1の発現は、
血中の抗SITH-1抗体を測定することで検証でき、
主にうつ病患者から
抗SITH-1抗体が多数検出されることが判明しました。

ここでヒトヘルペスウイルス6について
再度整理します。

ヒトヘルペスウイルス6 (Human herpesvirus 6; HHV-6)
これは、ヒトを主要な宿主とする
ヘルペスウイルス9種のうち、
Human betaherpesvirus 6A (HHV-6A)
および
Human betaherpesvirus 6B (HHV-6B)
これらの2種の総称です。
ウイルス学上はともに
ベータヘルペスウイルス亜科ロゼオロウイルス属
これに所属させます。

HHV-6は世界中に広く分布しています。
生後13ヶ月における感染率は、
アメリカ合衆国、イギリス、日本(8)、台湾
これらの国で64-83%と高率です。
また成人における血清陽性率は、
タンザニア、マレーシア、タイ、ブラジル
これらの多様な集団で39%から80%です。

HHV-6のウイルス粒子は直径およそ200 nmです。
外側からエンベロープ、テグメント、カプシド
という構造をしています。
それらにウィルスDNAは多層的に保護されています。
従って、神経系に潜伏感染できます。
最外層のエンベロープは、
ウイルス由来の糖タンパク質を含む
宿主由来の脂質二重膜である。
カプシドは正二十面体をしており、
その内部に直鎖状二本鎖DNAを含んでいます(7)。

ウィルスの活性化とは、
ウィルスが細胞内でSITH-1合成を含めて
ウィルスDNAコーディングに基づいて
細胞内の機序を使ってたんぱく質。
これを合成することであると考えると、
その合成機能を高めるためには
細胞が分裂周期に入っている必要がある
とはいいすぎかもしれないですが、
そのほうが物質合成に都合がいいです。
神経系細胞で活性化したときに細胞増殖するのが
成熟神経細胞ではなく、
- 星状膠細胞
- マイクログリア
- 乏突起膠細胞
これらグリア細胞種です。
実際にHHV-6は 星状膠細胞に感染する。
そのことは示されています(9)。
星状膠細胞や他のグリア細胞は
ストレス時に放出される
グルココルチコイド(コルチゾール)(10)
これによって活性化します(11)。
活性化するとは炎症性免疫細胞にように
これらグリア細胞が細胞分裂を開始します。
この細胞分裂を機に、潜伏していたHHV-6は
その物質合成能を優先的に奪い取って
ウィルス自身の複製のために
細胞内リボソームを利用してたんぱく質を合成します。
この時に問題となるSITH-1も合成されると推定しています。
このヒトヘルペスウィルス6(HHV-6)は
- 細胞融合
- 細胞死
- 細胞機能不全
感染細胞にこれらの影響を与え
自身の複製を優先させる働きがあります。
こうしたグリア細胞の機能障害により
傍分泌様作用として炎症性サイトカイン
- IL-6
- TNF-α
これらが過剰に産生され、
周辺の神経細胞や細胞外組織にダメージを与えます。
従って、
HHV-6感染があるとストレスを生じたときに
神経傷害を助長することになります。
これは「神経炎症(マイクログリア)仮説」
これを一部、説明するものになります。

従って、考慮すべきことは
ストレス反応に敏感な海馬のグリア細胞に
HHV-6が感染しているかどうか?
感染していたらウィルス量はどうか?
これはストレス起因のうつ耐性において
もっといえば、ストレス耐性において
重要な事実である可能性があります。
但し、
研究によれば、関与する脳の部位は海馬ではなく
嗅覚系の細胞である可能性があります(12)。

また、そうしたストレスイベントは
脳神経系内のHHV-6ウィルス量を増やす。
この可能性があります。
このウィルスが潜伏性を持っていることも
考慮されるべきです。
すなわち、このウィルス起因でのうつ病は、
一度発症すると、再発症するリスクを
ウィルス量依存で高まる可能性があります。
実際にうつ病は再発回数が多くなると
再発リスクが顕著に高くなることが示されています。

このウィルスは蔓延していて唾液で感染するので
特に脳の発達期にある年少の子どもに関しては、
神経細胞、グリア細胞もどんどん増えていくので
その時に感染していれば、ウィルス量も増えやすいです。
このHHV-6は乾燥に弱いと考えられており(Open AI)、
一般的には飛沫感染ではなく、
唾液による感染である可能性があります。
少なくとも唾液から
HHV-6のDNAが検出されます(13)。

このように感染ルートを仮定すると、
特に2歳までの
数年という短い時期において
脳の75%が組織基盤として完成する時期に
- 口同士のキス
- 口に入れる食器(スプーン、箸、フォーク)の共有
これらなどで
大人、兄姉の唾液をこの時期の子供にいれることは
極力さけたほうがいいです。
感染率の非常に高い潜伏性あるウィルスなので
完全には防げませんが、
その機会を減らすことはできます。
それによってウィルス量を減らすことができます。
日本では最大で83%くらいの人が感染しています(8)。
もちろん、その人に応じて
どれくらいの量を潜伏ウィルスを含めて
保持しているかは変わりますが、
基本的に自分自身がウィルス保持者である。
このように考えていたほうが安全です。
そうであるとするなら、
ちょうど、この冬の時期、鍋料理などで
食器を共有しやすい時期ですが、
特に、年少のお子さんをお持ちの過程は、
年末年始のせっかくの
お祝いムードに水を差すことになりますが、
年少のお子さんの
スプーン、箸、フォークなどの食器は
専用のものを用意してわける。
このことは重要です。
まだ、はっきりしたことはわかりませんが、
他のウィルス、細菌(例えば、ピロリ菌)
これらなどの感染症も含めて、
がん化のリスクがあったり、
脳神経の向性があるものは他にもあることと、
この時期は免疫機能が完全ではないため
少なくとも比較的特別な配慮が必要です。

もし、小児脳腫瘍の素因もHHV-6であり、
顕性感染が観られる場合には、
予後において、それに対する
今後の根本的な治療の研究開発も含めて、
より心の健康のためのケアは必要になる。
ということです。


モノアミン仮説とは、
大うつ病性障害などのうつ状態は、
モノアミン類である
- ノルアドレナリン
- セロトニン
これらなどの神経伝達物質の低下。
これによって起こるとした仮説です。

とりわけ、日本人は
セロトニン再取り込みタンパク質。
これであるセロトニントランスポーターが少なく、
別名『不安遺伝子』とも呼ばれる
「S(ショート)」の保有率は80.25%、
なかでもその重複型である「SS」型保有率は68.2%と
世界で最も多い。
そのため、日本人は遺伝的に神経終末における
セロトニン濃度が薄く、
不安になりやすいことが判明されています。
とくに、北日本の日本海側地域において、
その割合は高いです。
その理由として、天災による被害総額が
世界全体のおよそ2割を占める程
この厳しい国土のなかで、
不安を共有する民族同士が相互扶助し、
度重なる災禍をくぐり抜けてきた気質が
継承されてきたからではないか?
このように推測されています(14)。

不安を伴う抑うつ、うつ病になりやすい人は、
日光を浴びて、運動をして、空腹感を感じて
肥満を避けながら、
特に男性の場合は、
精巣での男性ホルモン(テストステロン)合成の
元となるコレステロール。
それを提供する
牛肉や豚肉などの脂肪分の多い肉を積極的に摂る。
それは同時にセロトニンの元ともなります。
コレステロールが低いと鬱になりやすい
ということもあります。
但し、飽和脂肪酸の過剰摂取、
不飽和脂肪酸の不足は
循環器の健康に悪影響を与える可能性があるので、
何事も完璧にはいかない部分もあります。
不安に感じやすい私の感覚からすると
- 運動(ジョギング、筋力トレーニング、ストレッチ)
- 晴れの日に外出すること
- 昼食を控えめにすること
これらは効果があるように思えます。


病前性格論として説明される
メランコリー親和型性格は、
- 几帳面
- 生真面目
- 小心な性格を示す
メランコリー親和型性格を持つ人が、
職場での昇進などをきっかけに
仕事の範囲が広がると、責任感から無理を重ね、
うつ病を発症するという仮説です。
性格の中で、
小心なというところは男性の場合は特に
テストステロンレベルと
一定、関連するかもしれません。
テストステロンレベルは
生活習慣、薬物治療などであげられます。
性格は変えられない部分もありますが、
弱気になりやすいという気質は
おそらく男性ホルモンも関係しているので
それを高めることで一定、変えられる可能性があります。


繰り返しの思考(反芻思考)
偏った思考
これらが気分と関連して
生じた場合には問題が生じるとあります。


ストレス耐性は、HHV-6などの感染など
生物学的に説明できる部分があるかもしれないですが、
これに関しては、こうした特定の素因だけではなく
性格的な事も含めてもっと一般的に評価されるかもしれません。


アルコール依存症または過度のアルコール消費は、
うつ病の発症リスクを大幅に増加させます。
アルコールによる神経病理そのものが
不安なども含めてうつ症状を助長させる。
この可能性がありますが、
付加的な因子として、
過剰なアルコールは睡眠の質を低下させます。
睡眠の質は心の健康と密接に関わります(15)。


- 貧困(16)
- 社会的孤立(17)
- 不登校(18)
- 無職(19)
- 児童虐待(身体的、感情的、性的、またはネグレクト)(20)
これらは一般的に精神的健康の問題のリスク増加と関連しています。
調べるまでもなく、これらが心の健康に影響を与える。
それは自明なことです。


川村総合診療院の川村 則行先生は2019年に
精神疾患は
“心”という目に見えないもので語るより、
体の病気と同じように物質で解き明かしたほうが理解しやすい。
精神疾患は“物質の病気”であり、“体の病気”である。
このように言われています。

私は精神科医ではないですが、
この記事を出発点とした
小児がんサバイバーのお子さんの心の健康。
これを考えるにあたり、
病理分析の中でも生物学的な仮説。
これは決して無視できないと考えています。
その理由は、信頼性があり
かつ因果関係の強い物質を見つければ、
薬物治療に限らず、
生活習慣介入やカウンセリングにをするにしろ
血液検査など評価項目が明らかになるため、
エビデンスに基づいた対策が打てる。
ということがあります。
もちろん、患者さん自身の状態を診ること。
これも大切だと思われますが、
それと合わせて生物学的な物質的証拠を取ること。
これは少なくとも無視できないことです。
例えば、
HHV-6感染が多くの場合、
精神疾患の素因の一つということであれば、
それに対して、私が提案したものも含めて
現在のテクノロジーでの対策指針が出るし、
「2歳までは唾液を極力移さない。」
このような具体的なガイドラインも出せます。
逆言うと
こういった物質的な素因があるかもしれない状況で
それが明らかにされないまま、
患者さん自身がメンタルヘルスの問題と
向き合っていかないといけない状況があるのであれば、
それは一定の改善の余地があるという意見です。

うつ病の中でも程度が
深刻な大うつ病のエピソードです。

抑うつ気分
患者は抑うつを訴えたり、周囲から見て抑うつ状態にある。
ほとんど1日中、ほとんど毎日である。

興味・喜びの喪失
最近のほぼすべての活動において、興味や喜びを喪失している
(患者本人や周囲の訴えによる)。
ほとんど1日中、ほとんど毎日の著しい減退である。

食事や体重の変化
食事制限を行っていないにもかかわらず体重が著しく増減する
(月に5パーセント以上程度)、
または最近の食欲が著しく増大または減衰している。
ほとんど毎日である。

睡眠
最近の睡眠が著しく過眠、もしくは不眠となる 。ほとんど毎日。

活動状態
周囲から見て、患者の最近の活動状態には
不安を感じたり、のろくなったように思われる。
ほとんど毎日。

疲労感
最近、著しく疲労感を感じる。ほとんど毎日。

罪悪感
最近、患者は根拠のない心配や不適切な罪悪感を感じており、
それらは単に抑うつであり、非現実的である。ほとんど毎日。
「どうせ自分なんか価値のない存在だ」
このように考えるようになるなど、自尊心が低下する。

集中力
患者本人や周囲の人によれば、
最近の日常活動において意思決定がおっくうであり、
集中力を欠いている。ほとんど毎日。

自殺念慮・希死念慮
患者は、希死念慮(死へのおそれとは異なる)、
自殺(もしくは自殺計画)、自殺未遂を訴えている。


もし、脳腫瘍の1次急性治療後に
こういった症状、あるいはこれに近い症状が出るなら
それは決して、幸せな人生ではないということは自明です。
最終的には生活習慣の改善は必要になりますが、
そこにたどり着くまでに、
しっかり物質的な証拠をつかんで、
それに基づいた生物学的な介入と評価。
これが必要になると思われます。
状況が整ってきたら社会福祉などと協力して
社会心理的な健全性のための環境づくり。
これをしっかり人情を持って構築すること。
これが必要になります。
よかれと思ってしたことが
患者さんにとっては負担になり、
逆効果になったとしても
そうやって失敗し、ドリフトしながらも
長期的に見たときに
ウェルビーイングのほうに向かっている。
家族なども含めた周りの人は長期的な視野でもって、
自分たちが支援していることが正解かどうか?
自問自答していくことは大切かもしれません。
大うつ病は、治療の有無に関わらず
時間が解決することが多い。
このようにも言われています。
この事実からも患者さんを支援するにあたり
長期的な評価が必要です。


薬物療法、心理療法などがありますが、
基本的にはメンタルヘルスに
問題を抱えた経験のある人は
自分自身の感覚によく耳を傾けて、
それを信じて、健康的な生活を心がける。
これがとても大切だと思います。
それが一つのマイルストーン。
回復に向けた重要な目標となると思います。
(あくまで例として)
朝からの生活について考えます。
- 朝、日光を浴びて15分程度散歩をする
- 栄養バランスのよい朝食をしっかりとる
- 通勤(時々、階段を使ってみる)
- 仕事(時々、椅子から立って、体操、ストレッチをする)
- 昼休み(職場できる運動。ランチは軽めに)
- 仕事(少し空腹を実感してみる)
- 退勤(食材の買い物を楽しむ)
- 筋トレ(軽く、良い睡眠のため)
- 夕食(好きなものを食べてみる)
- 就寝(入眠のための工夫)
たとえば、こういった生活があるかもしれません。
(時々は、ちょっとサボってみる。)
自分なりに感覚として受け入れられる
最も健康的だと思われる生活プランを立ててみます。
どういった時に状態がいいか?悪いか?
そのパターンが自分の中でわかってくれば、
状態を良くする習慣を大切にすればいいということにもなります。


再発率は、うつを繰り返すたびに高くなる傾向にあり、
初発の場合の次回再発率は50パーセント、
2回目の場合75パーセント、
3回目の場合は90パーセントにものぼる。
このように言われます。
この疫学統計を信じると、
少なくとも一定、HHV-6など
神経向性感染症が関連しているようにも思えます。


冒頭で述べたようにうつ病は性差があり、
女性が罹患しやすいのは世界的にある程度共通です。
女性は、
月経開始、月経中、妊娠、出産、子どもの自立、閉経。
これらなど生物学的な変化点が大きく、
それによりストレスを抱えやすい。
ということもあると思うし、
炎症性の免疫機能が高まりやすい(21)。
ということも関係しているかもしれません。
また、下述するようにストレス、感情処理に関わる
脳神経、内分泌系経路の器官の
性ホルモン受容体密度が高い傾向にあることも
おそらく複合的に関与していると思われます。
これはホルモンの変動の影響が大きく、
逆言うと男性でも
- 成長ホルモン
- 甲状腺ホルモン
- 性ホルモン
実際にうつの診断の時に、
これらに異常がないか検査される場合もありますが、
これらのホルモンのメンタルヘルスに対する影響は
無視できないかもしれないということを示唆します。


うつ病のよるリスクが高まる身体疾患
- 2型糖尿病
- 糖尿病患者の死亡率
- 動脈硬化
- 冠動脈虚血性疾患
- 心筋梗塞発症後1年間の心血管死,心筋梗塞再発など
- 脳梗塞
- 乳がん患者のがん死亡率

これは薬の影響も一定あると思われますが、
基本的に精神疾患罹患、罹患歴のある人は、
肥満も含めた循環器の健康に注意を払う必要があります。
決して高いエビデンスがあることではないですが、
1日3食、食べるのであれば、
昼食か夕食のどちらかの量を減らして
肥満や糖尿病のリスクを減らすことと、
こうした食事制限は低血糖の時間を経験すること。
それにもつながります。
「おなかが空く」というのは苦痛ではありますが、
血糖値75-85mg/dlくらいのマイルドな低血糖は
副交感神経が高める効果があります(22)。
一定の安心、リラックス効果があります。
マイルドな低血糖なので
血管拡張作用のある一酸化窒素も出て、
毛細血管も含めた血流もよくなるので
循環器の健康にも一定効果があるかもしれません。
もし、昼食後、うつ状態が強まるのであれば、
昼食を減らして、
自分の心の状態を評価してみるのもいいです。
夕食までどうしてもおなかが空いたら、
適宜、少しエネルギーをとればいいです。


子ども、若者のうつは大人で共通的にみられる
- 悲しみ
- 空虚
- 失望
これらのような抑制的な感情ではなく、
- 易刺激性
- 行動制御不能
これらのような興奮的な行動になる傾向にあります(23)。
これらのうつ症状は
- 感情障がい
- 不安症
- 行為障がい
これらなどと度々併存します。
子どもの場合も男性よりも女性に好発します。

青年のうつのリスク因子は
- トラウマ
- 家族トラブル
- 性トラブル
- 他の慢性的な心の病
- いじめ
- 虐待
- 家族罹患歴(親も若い年齢で罹患)
これらが挙げられます。
年長になればなるほど発症率は高まります(24)。
女性の場合は、初潮後、月経による
ホルモンの変動が関係しているかもしれません(25)。
男性の場合は、喫煙(ニコチン依存)は
うつ、不安、拒食症のリスク因子となります(26)。

ストレスは大人も含めて共通的なうつの素因ですが、
若い人にとっての社会的ストレス因子は
- 学業への強い圧力
- 家族間の困難
- 人間関係の困難
- 愛する人の死
- 疾患
- 関係性の喪失(交際相手など)
これらがあります(27)。

年長青年期の女性においてはうつ症状がある場合、
肥満に罹患するリスクは2倍程度高くなります。
但し、これはアメリカの調査で
日本で、これが該当するかどうかはわかりません。

女性がうつのリスクが高いのは
単に女性ホルモンが変動するからだけではなく、
ストレスに関連する
前頭葉-扁桃体-海馬
視床下部-下垂体-副腎
これらの回路において
女性は性ホルモンの受容体密度が高い(28)。
これが挙げられるかもしれません


うつの一つの生物学的な原因となる
海馬の血液脳関門は
他の脳組織に比べて脆弱といわれています(29)。
これは高いエネルギー需要が
関係しているかもしれません(30)。
言い換えれば、
毛細血管から多くのエネルギー源を取得する必要があるからです。
従って、
神経系細胞がある頭蓋内の実質が
循環器からのストレス物質の影響を受けやすいです。
さらに、
海馬は代謝活性の高い組織です。
ミトコンドリア活性が高いため
OXPHOS代謝産物である活性酸素ストレスが
通常の活動でも多い部位です。
従って、
神経細胞が酸化ストレスに脆弱であるといえます。

なぜ、代謝活性を上げる必要があるか?

海馬がある大脳皮質は、
神経細胞の80%が集まる小脳と比較して
細胞数が少ないにもかかわらず、
非常に複雑で多様な神経回路を形成し、
多くの「仕事量」をこなすからです。
小脳は主に「効率的な運動制御」に特化しているため、
規則的な構造の中で計算を行い、
予測的かつ自動的な動作をサポートします。
従って、
シナプス形成数は多いですが、
シナプス形成、刈込の作業が
回路として記憶されているため
都度、多く必要ではありません。
また、
生物学的に保持されてきた運動機能も多く含まれます。
基本的な運動は人以外の多くの動物が可能です。
しかし、
大脳皮質は特にヒトが
現代特異的に発達させてきた高度な知的作業も含めて
新しい状況や複雑な問題に対応する
「汎用的な作業」を担うため、より柔軟性が求められます。
このプロセスは進化的に保持されてきたものではなく
人のみが持つ機能として新しいため
脳神経系の情報処理プロトコルとしては
運動よりも非効率である可能性があります。

海馬がストレス、心の病において
一つの脳神経系の部位として重要であり、
かつ、海馬は大人になっても
神経細胞が増えるといわれています。
さらに近代的な学習によっても強化できます。
例えば、
マルチドメインの問題解決や創造的な活動。
このような能動的な学習は海馬の神経細胞を
より効果的に増やすかもしれません(Open AI)。
海馬の神経細胞が増えると
任意のコルチゾール量に対して
1神経細胞にかかるコルチゾール量を減らせること。
活発なエネルギー需要を分散させ
1神経細胞当たりの活性酸素を減らせること。
これらの可能性があるため、
完全に仕事を分担していなければ、
学習による海馬の強化が
ストレス対応にも水平展開され、
ストレス耐性を高めることができるかもしれません。
そういう意味では
新しいことを積極的にどんどん学んで
自分の中で問題を見つけて、
その問題を解決していく能動的なプロセスは
実は心の健康にも良い働きがある可能性があります。
他方で、
知識、知能がつくと、客観性も上がるため、
社会心理的なストレスを客観的に認知できるようになる。
そういった能力も備わる可能性があります。




不安障がいは世界で最も共通的な精神疾患の一つです。
推計で少なくとも3億人の人が悩まされています(35)。
疫学的な発症の性差では、うつ病と同様に
不安障がいは女性のほうが多いです(37)。
新型コロナウィルス流行時には
この患者数が少なくとも25%程度増えたとされています。
このように蔓延した疾患にも関わらず、
- 認識、診断
- 治療
- 予防
これらにおける正確な方法は確立されていません(36)。
特に生物学的な正常な応答としての不安(感)と
顕性の不安症の境界は明確ではありません。
6か月以上の慢性の不安症という一定の基準がありますが、
この期間そのものに明確な境界が示されるわけではありません。
あくまで指標であって、より重要な解釈は
顕性の不安症は不安消失機能が不全となった
慢性的な不安状態であり、程度がひどくなると
明確なストレッサー(ストレス因子)。
これがなくても不安状態になることがあります。


不安障がいがうつを伴うことは大人(特に女性(37))でも多い。
このように統計されています。
不安の元となるイベント、
慢性的な不安の後に発症する不安症は
うつ病の発症に先立つ傾向にあります(39)。
従って、
不安を慢性化させないことは、
多くのうつの発症を予防することにもつながります。

特に子供のうつでは不安(Anxiety)症状を伴うことが多いです。
実際に心の健康において不安(Anxiety)は
生まれてすぐから感じることができる
非常に原始的な感情であり、
メンタルヘルスの問題の中では、
低年齢の子どもに好発する疾患、心の状態です(31:Fig.1)。
ここでは基本的な概念も含めて
不安に関する内容を確認していきます。

不安(Anxiety)は、
内面的な混乱状態が特徴であり、
将来起こると予測される出来事に対する
- 恐怖感
- 心配
これらを含む感情です。
不安は恐怖(Fear)と類似しますが、
傾向として、
恐怖が現在の脅威に対する感情的反応であるのに対し、
不安は未来の脅威を予測することに基づいています。
しかしながら、この時間軸の定義は
ユニバーサルなものではありません。

実際に、年少の子どもの場合は
不安は現在の状況に基づくことが多いです。
これは、彼らが抽象的な未来を想像する能力や、
長期的な予測を行う認知能力が
まだ十分に発達していないためです。
この機能と関連する脳実質の外側の
大脳新皮質の発育が脳の中央部に対して遅れるからです。
例えば、
- 親の不在
- 環境の変化
- 身体的な不快感
これらを伴う場合、不安になります。
子どもが未来を想定して不安に感じる場合も、
「親が帰ってこないのではないか?」
このような具体的な事に対してです。

他方で、小児がん治療中、既往歴のある子どもは
当然、より不安を抱えやすい状況にあります。
以下が考えられる具体的な原因です。

1- 治療中の不安
治療の痛みや副作用:
- 手術
- 化学療法
- 放射線治療
これらに伴う痛みや不快感への恐れ。

病気の進行:
自分の病気が治るのかという心配。

親や家族との分離:
入院や治療のために
家族と離れることへの不安(特に幼い子ども)。

医療環境:
見知らぬ医療従事者や機械に囲まれることへの恐怖。

身体の痛み:
実際に体のどこかに痛みを抱えている可能性があります。


2. 治療後の不安(小児がんサバイバー)
再発への恐怖:
病気が再び戻るのではないかという心配。

身体的な後遺症:
治療による
- 成長障害
- 視覚・聴覚の問題
- 運動機能の低下
これらなどへの不安。

学校や友人関係:
治療による欠席や体力低下が
友人関係や学業に影響することへの心配。

後遺症としての痛み:
慢性的にどこかに痛みを抱えている可能性があります。


3. 社会的・心理的な不安
外見の変化:
- 脱毛
- 体重の変動
- 手術跡
これらなどによる容姿の変化への不安。

孤立感:
他の子どもと違う経験をしたことからくる孤独感や疎外感。
いじめ、差別、偏見の問題もあります。

将来への不安:
進学、就職、結婚といった人生の節目における
健康や生活への影響を心配する。


4. 家族に対する心配
家族への負担感:
治療のために家族が苦労しているのではないかという罪悪感。

親の不安の影響:
親が自分の健康を心配していることを敏感に感じ取り、
それに影響される。


不安はしばしば以下のような行動や症状を伴います。

神経質な行動(例: 部屋を行ったり来たりする)
身体的な訴え(例: 頭痛や胃の不調など)
反すう(同じ考えを繰り返し考えること)
不安は心理的な反応だけでなく、
身体的および行動的な側面も含む、複雑な状態です。

不安の身体的な症状としては
- 筋肉の緊張
- 落ち着きのなさ
- 疲労感
- 息苦しさを感じること
- 腹部の締め付け感
- 吐き気
- 集中力の低下
これらを伴うことがあります。

これらの不安が慢性化して、強くなると    
(典型的には6か月以上、子どもはもっと短い)
- 不安症(Anxiety disorders)
- パニック障碍(Panic disordcer)
このように診断されることがあります。

不安は生物が共通にもつ保存されてきた感覚です。
生物が危険や脅威を感じたときに起こる
戦うや逃げるといった特定の行動は
この不安という感覚によって駆動されます。
従って、神経系としては
急速に体のエネルギーを上げる必要があるため、
交感神経が高まります(32)。
人が不安に感じたときの
落ち着かない、筋肉の緊張といった
行動的、身体的な症状は
生物学的にはこの視床下部での交感神経系の高まり。
これで少なくとも一部説明することができます。

今では、人においては特殊な状況を除いて
捕食者から襲われる心配はありませんが、
現代の大人、子供は具体的に
どういった状況を危険、脅威と感じ、不安を駆動するのか?
それについて考えてみます。

(大人が感じる危険や脅威、不安)

〇社会的要因
- 経済的不安:
失業や収入の不安定さ、物価上昇など。

- 仕事のプレッシャー:
業務量や職場の人間関係によるストレス。

- 人間関係の不安:
家族、友人、同僚との衝突や孤立感。

- 健康に関する不安:
自分や家族の病気、老化、予期せぬ健康問題。

〇環境的要因
- 自然災害:
地震、台風、大雨などの天災に対する恐怖。

- 社会的な混乱:
戦争、犯罪、テロのニュースなど。

- 環境問題:
気候変動や環境汚染への懸念。

〇心理的要因
- 将来への不確実性:
自分のキャリアや老後への漠然とした不安。

- 過去のトラウマ:
以前の経験がトリガーとなる恐怖や不安。


(子どもが感じる危険や脅威、不安)

〇社会的要因
学校での問題:
いじめ、友人関係のトラブル、成績のプレッシャー。

家族の問題:
親の喧嘩、離婚、家族の病気や死別。

新しい環境への不安:
引っ越しや転校、新しい人間関係への適応。

テストに対する不安:
学期末にあるテスト、受験に対する不安。


〇環境的要因
大きな音や暗闇:
幼少期に多い原始的な恐怖。

ニュースや情報:
自然災害や事件を知ることで起こる不安。

〇心理的要因
未知のものへの恐怖:
新しい経験や予測できない出来事。

失敗への恐怖:
親や教師からの期待を感じたとき。

(共通する不安の要因)
- 孤独感:
社会的なつながりが薄れることでの不安。

- 自己評価の低下:
自分の価値に対する疑念や自己否定感。

- 安全の欠如:
住環境や治安が悪い場合の不安。

- 競争に対する不安
学力、部活動、仕事(地位)、企業間などの競争(業績)への不安

- 大切な人を喪失することに不安
交際相手、配偶者、子ども、両親、友人など


哲学者ソーレン・キルケゴールは、
著書『不安の概念』(1844年)で、
不安や「自由のめまい」に関連する恐れ
これについて述べています。
彼は、人間が自由を持つことで選択肢が無限に広がる一方、
その自由の重みや責任が不安を引き起こすと指摘しました。
「自由のめまい」とは、
自分自身の選択が未来を形作るという意識から生じる、
決断の困難さや恐怖感を指しています。
しかし、キルケゴールは、
この不安が必ずしも否定的なものではないと考えました。
むしろ、自分自身の責任を自覚し、
意識的に選択する行動を通じて、
不安は前向きな解決へと導かれる可能性があると主張しました。

彼の考え方では、
不安は自己成長や自己実現の機会として捉えられ、
人間が自由と責任を受け入れることで、
より深い自己理解や存在の意義を見いだすことができるとされています。

例えば、
日本で大学受験を受ける学生は多くいます。
その中には親から東京大学を受けることを義務付けられ、
進学や塾選択などにも具体的に関与し、
学生さんは、一部でそれに従い、
目標に向けて、場合によれば小学校高学年から
10年近くかけて受験の準備する人もいます。
日々、日常でやるべきこと、進路は決まっているわけです。
そうした学生さんが晴れて東京大学に合格しました。
入学後、その学生はどのような感覚になるでしょうか?
一気に友人の輪は日本全国、世界にまで広がり、
授業の選択から、研究室選び、進路まで
全て、自分で選択することになります。
そういう状況は良いように思えますが、
一部の学生さんはそうではなく、
不安に感じるのではないでしょうか?
ずっと小学校の時から決められた生活をしてきたわけですから、
そういういわば、自由な状況に慣れておらずめまいを起こす。
このようなことが想定されます。
ただ、多くの場合、
入学後の時間経過が解決してくれるとは思います。


不安障がい(Anxiety disorder)にはいくつかの種類があります。

1. 全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder, GAD)
特徴:
長期間(少なくとも6か月)にわたり、
日常生活のさまざまな状況に対して
過度の不安を感じる状態です。
些細な出来事や問題でも過剰に心配し、
心配の内容が現実的でない場合もあります。
7割くらいの多くの人で生涯のどこかで
大うつ性障がいと併存します。


病理:
不安などの感情に関わる扁桃体において
GABA作動性の抑制系の神経細胞は
ストレス、不安、恐怖感を制御し、抑制する働きがあります。
GABA作動性神経細胞はしばしば小型の代わりに
エネルギー消費量も大きいため、
遺伝子に抱える負担や細胞全体へのストレスが大きいです。
度重なるストレスにより、交感神経が過剰に高まり、
環境中のカルシウム濃度が高まると、
そのイオンストレスによる影響を
GABA作動性の抑制系の神経細胞は受けやすいです。
こういった理由も一部あり、
抑制系神経細胞が傷害されやすいです。
元々、興奮系神経細胞は危険の際に
生物が命を守るために必要とされる神経細胞で
進化的に高度に保存されてきたということもあります。

抑制系神経細胞の神経伝達に関わるGABA
あるいはドーパミンも含めて神経伝達物質の産生は
腸内細菌叢とかかわりがあります。
善玉細菌であるビフィズス菌はGABA。
これの産生に関わる可能性が示唆されています(33)。

遺伝子的な形質、病理として
神経由来栄養因子(BDNF)の発現、
受容体認識(NTRK2)に異常があることと不安障がいの関連。
これが示唆されています(34)。
このことは不安障がいは扁桃体なども含めて
生物学的に神経病理として
神経系細胞の発達に異常が生じていること。
これが懸念されます。

心理学的には不安とは
現在の挑戦レベル > 対処レベル
すなわち、
難しい状況、脅威などが
自分が対処できるレベルを上回っているとき。
この時に生じるとされています。
自分の対処レベル高い時は
あらゆるチャレンジレベルに対して
Low- リラックス
Mediaum- コントロール
High- フロー
これら状態になります。
この対処レベルとは具体的には
- 冷静な判断、意思決定能力の維持
- 心身の制御能力
- 感情の制御能力
- 回復力
- 自己効力感と自身
- 柔軟性と適応力
- 長期的な視点と忍耐力
- 社会的支援の活用
これらなどが挙げられます。


症状:
不安、緊張感、集中力の欠如、疲れやすさ、筋肉の緊張
容易刺激性、多汗、震え、睡眠問題
これらなどが一般的です。


2. 特定の恐怖症(Specific Phobia)
特徴:
特定の物や状況、動物などに対して強い恐怖を感じ、
それを避けようとする状態です。
恐怖の対象が実際には危険でないことが多いのですが、
その恐怖が強く、現実的な影響を及ぼすことがあります。

例:
高所恐怖症(高い場所に対する恐怖)、
動物恐怖症(犬や蛇などに対する恐怖)、
閉所恐怖症(狭い場所に対する恐怖)など。


3. 社交不安障害(Social Anxiety Disorder, SAD)
特徴:
他人の評価や社会的な状況に対する強い恐怖や不安が伴う障害です。
特に他人と対面する状況(会話、会議、発表など)で、
恥をかいたり、拒絶されることを強く恐れます。

症状:
顔が赤くなる、手が震える、声が震える、吐き気や汗をかく。
これらなどの身体的な症状を伴います。


4. 分離不安障害(Separation Anxiety Disorder)
特徴:
特に子どもに見られる不安障害で、
親や重要な人物と離れることに対する強い恐怖や不安があります。
親から離れることや、親が危険にさらされることを強く恐れます。

症状:
学校への登校を避ける、夜間の分離時に眠れない。
これらなど、分離を回避する行動が見られます。


5. 広場恐怖症(Agoraphobia)
特徴:
公共の場や混雑した場所など、
人々が多い場所や閉じ込められるような場所に
出ることを強く避ける状態です。
外出することに対する恐怖が強く、
最悪の場合は家から一歩も出られないこともあります。

症状:
混雑した場所や交通機関、広場などにいると、
パニック発作を起こすことを恐れることが多いです。


6. パニック障害(Panic Disorder)
特徴:
予期しないパニック発作(突然の強い不安や恐怖)が
繰り返し起こる障害です。
発作は急激に起こり、
強い動悸、呼吸困難、胸の圧迫感、めまい。
これらなどの身体的症状が伴います。

症状:
発作が繰り返し起こることで、次の発作への恐怖から、
外出を避けるようになることがあります。


7. 選択的無言症(Selective Mutism)
特徴:
特定の状況や人々の前で話すことができない状態です。
特に学校や社交的な場面では話せないことが多いが、
家庭や安心できる環境では話せることが特徴です。

症状:
周囲の人々に話しかけることを極端に避け、
無言で過ごすことが多いです。
話さないことによる困難が学業や社会生活に支障をきたします。


脳神経系の不安を駆動する脅威の傾向として
急性、より反射的な脅威に関しては
生物学的に原始的な機能を含む
大脳皮質の扁桃体や海馬が関与しますが、
その脅威が続く場合は、
脳神経の処理としては前頭葉を含む
人で主に発達がみられる脳皮質の外側にある
大脳新皮質に比重が大きく映ります(36:Fig.2a)。
継続的な脅威では、特に制御機能が発達した大人では
客観的、冷静に判断する時間、機会が与えられます。
ストレスに対する適応反応も働きます。
急性の脅威に対する「単純な反応」から、
より戦略的で意図的な思考へとシフトするため
大脳新皮質が優先的に関与すると考えられます。

子どものころは小脳、脳幹、大脳皮質など
生命維持に欠かせない脳の中央部から
成熟していくことが一般的であると考えられるため、
大人になって機能が高まるような
ヒトとしての高次の機能である
大脳新皮質で行われるような
計画性、戦略性を持って冷静にイベントに対処する能力。
これが大人に比べて、一般的に低いと考えられます。
これはより持続的な慢性ストレスに対して
大人では一定の適応(Adaptation)が機能するものの、
子どもではそうした適応が生じにくい。
このことを示唆します。
また、このような時期に強いストレスを受けると
未発達な大脳新皮質の成長バランスに異常が出る。
この可能性もあります。

今、子どもの心の健康が問題となりやすい
社会的背景は少なくとも2つ考えられます。
- 子供の成長を身近で支える親族数の減少
- 子供の人間関係の複雑化、多様化、広大化
これらです。
昔は子育ては集団でされていましたが、
今は一人親も増えており、
場合によれば、共働きで
小さいころから親がいつもそばにいない環境があります。
さらに、小さいころから
学業、クラス活動、部活動など
多少のストレスがある競争にさらされ、
今ではインターネット、ソーシャルメディアで
学区外の人とも広く交流することが可能になっています。
明らかに子どもを取り巻く環境は
古代の比べて複雑化、多様化、広大化しています。
このことから
潜在的に子どもは大人と同様の
継続的なストレスにさらされやすい。
このような社会的状況にあると評価できます。


不安というのは程度の差はあれ、気分の波であり、
それが顕性となると気分障がいとも言えます。
何かストレス因子があると、
扁桃体に負の感情が巻き起こり、
それによって特にグルタミン作動性の
興奮性の神経細胞のシナプス連結を強める傾向にあります。
ヒトの脳には、こうした環境ストレスの耐性として
こうしたいわば、原始的な感情を
客観的に認識し、制御する機能が備わっています。
それが、前頭前野であり、
通常、扁桃体と前頭前野は競合的な機能があります。
すなわち、
扁桃体が過剰に優勢になると、
感情的な即時反応が優先され、
その感情を抑制しようとする
あるいはメタ認知する理性的な判断が抑制されます。
「前頭葉のトップダウン制御が効かなくなる」
このように言われます(36)。

これは脳のエネルギー配分からも一定説明されます。
すなわち、
扁桃体は視床下部にストレスホルモンを分泌するように
指令する直接的な神経回路を有します。
しかし、扁桃体に前頭葉の前頭前野や海馬などが関わり
それらとの神経連携にエネルギー配分されると
脳内はエネルギーがある程度一定になるように調整されますから
相対的に扁桃体からの視床下部の信号強度が弱まります。
それによって、
ストレスによって生じた感情に対する
コルチゾールなどのストレス物質の感受性。
これが低下します。

他方で、進化的な観点では、
前頭前野の発達のほうが
生物の進化の中では扁桃体に比べて後期のため、
無条件に競合したときには
どちらかというと前頭前野の機能のほうが
優先的に壊れやすいといえます。

加えて、循環器的にも
中脳、脳幹、大脳皮質のほうが内側にあり
心臓から頸部を通じて流れてきた主要動脈と近い位置にあり、
血液供給が外側の大脳新皮質よりも優先されます。

これらの内側の組織は
基本的欲求や生存に関わる機能制御に関わるため、
生存優先の法則からも守られやすいです。

従って、
海馬、扁桃体は細胞生物学的にみれば、
神経細胞は代謝需要が大きく酸化ストレスに弱いですが
それを補う神経新生が大人になっても備わっています。
いいかえれば、
過剰なストレスによって扁桃体が異常に高まると、
エネルギー配分が優先されるため、
前頭前野の機能が相対的に低下してしまいます。
この時に危機だから前頭前野の機能を
より高めようとする適応は働きにくいといえます。

別の観点で、認知症では
脳に関連する機能が少しずつ失われていきますが、
進行しても残る機能を分析すると
初めに失われる機能は
感情に関することでいえば、
脳の外側の前頭前野がするような感情の制御機能。
これが失われるかもしれません。
脳の深部に位置する小脳に関わるような
歩く、食事をするといった日常的など動作、
扁桃体に関わる感情的な反応や親しみや愛情の表現は、
最期まである程度維持されることが多いです。
呼吸や心拍、体温調整などの生命維持に関わる基本的な機能は、
同じく深部にある脳幹で制御されており、
認知症によっては最後まで比較的保たれます。

このことは心の問題を含めて
脳に機能障害が若い人でも生じたとき
より傷害されやすいのは
大脳新皮質、もっと言えば、より外側の部位である。
このように推定することもできます。

動物が大脳新皮質が小さくても生きていける理由は、
ストレス因子、ストレス認識が人とは違う。
このことが挙げられるかもしれません。
人がストレスに対して不安になるのは
そうしたストレス認識において感情を伴うからであり、
ストレスの感覚認識はその一部です。
動物はストレスを主に感覚のみで受け取るため、
比較的、単純にストレスに対する処理をします。
危険に感じたら、逃げる。
逃げきれたら、リラックスする、というようにです。
年少の人の子どもも比較的、それに近いです。
例えば、
母親から離れたときに泣き出します。
また、母親が抱きかかえたら泣き止みます。
後になって、離れたときの不安を思い出して、
泣き出すことはおそらくありません。
特に思春期以降の成熟した人において
色んな事を客観的に理解できるようになると
それと引き換えに余計なストレスがかかってしまう。
このようなジレンマがあるため、
それに対する適応として
前頭葉のような感情を高度に制御できる
大脳新皮質が非常に発達したと考えることができます。
大脳新皮質は遅れて組織として成長するので
成長期に、余計なストレスを減らす。
このことも重要ですが、
それによって生じる感情を冷静になって抑える訓練も
健全な脳の発達の為、必要になります。

小児がん罹患歴のある子どもも、
病気にかかったことは事実としてあると認めて、
今述べたような生物学的観点も含めて
どうやって冷静に心身の状態と向き合っていくか?
かかりつけ医(先生)とよく相談しながら、
継続的に親族からサポートを受けながら、
落ち着いて、あきらめず考えていくことが大切です。
こうした状況は不安を改善すると思われます。
生物学、薬学、医学、医療を
今よりも研究開発、臨床研究などによって発達させ、
物質的なことも含めてより正確なことがわかる。
このことは、お子さん、医師(先生)の
冷静な長期的行動、選択の大きな判断材料になりえます。


脳内でストレスに対する初期の反応を引き起こす主要な物質である
Corticotropin-releasing factor (CRF)は
(コルチコトロピン放出因子)
視床下部-下垂体-副腎軸(HPA軸)を活性化します。
このHPA軸に女性ホルモン受容体が多いことは、
これらのストレスに関連する軸と
女性ホルモンであるエストロゲンの
相互作用が大きいことを示します。
他方で、脳内でも覚醒に変わる青斑核を通して
ストレスホルモンに応じて、脳は興奮状態に入りますが、
女性はストレスの際、男性よりも
過剰な興奮状態に入りやすいことが示されています(37:Fig.1b)。
一方で
男性は愛情ホルモンであるオキシトシンが分泌されると
内側前頭前皮質を通じて不安に感じやすいといわれています(38)。
従って、
男性は愛情を(特に過剰に)高めると、
脳内の反応として不安を惹起することがあります。
一方で、
女性はオキシトシンが出ると
向社会的行動に出る傾向があります(37:Fig.1d)。
そのほか、
回避可能なストレスの対処能力は
一般的に男性のほうが女性よりも高いとされています(37:Fig.1c)。

女性は左の扁桃体の機能が高まりやすいことが示されています。
一方で、
男性は右の扁桃体の機能が高まりやすいです(40)。
右の扁桃体は
非言語的な情動制御や空間的認知に関連しており、
狩猟採取の時代に男性はより捕食者からの脅威が
子育てのためシェルターにいる女性よりも高かったため、
危険を察知したときに右の扁桃体が高まりやすいのかもしれません。
瞬間的な交感神経の高まりに優れています。
捕食者が出現すれば、すぐに逃げる必要があるからです。
一方で、左の扁桃体は
言語的な要素を伴う情動調節が得意です。
集団で子育てを行う際には
言葉によるコミュニケーションがより大切だった。
このようなことが推察されます。

私の(以前の)駒田の部屋、この医療の部屋
男性的な直感的理解を必要としますが、
どちらにおいても言葉の運用ですから、
活動としてはどちらかといえは女性的です。
活動している中で、向社会性を示したときに
より強く心に響くのはどちらかというと女性かもしれません。
手紙、メール、SNSなどのやり取りも含めて
言葉を大事にするのはどちらかというと女性です。
男性同士はマメに手紙のやり取りを
友人同士ですることは稀です。
少なくとも私はしません。
女性は感情的にも言葉の運用、
コミュニケーションを非常に大切にする傾向にある
というのは一つとして
左の扁桃体の能力が高いことがあります。
数学、物理、化学、生物学などの学問は
空間的認知を必要とする場合もあり、
その場合は右の扁桃体が発達している
男性のほうが空間的な情報で持って
本質的な内容を
コミュニケーションする上では優れている
ということはあるかもしれません。

そのように考えると
不安解消のための治療の方法は
ある程度、性別で変える必要があるかもしれません。
男性はより直感的な情報に基づくケア。
女性は励ましなど言葉によるケア。
これが適しているかもしれません。
例えば、男性の場合、
実際に運動をしてもらって、
その後に直感的に感じる不安解消の感覚。
それを患者さん自身で評価してもらうことです。




心的外傷後ストレス障害の前半部分は
主に(43)を参照して、必要に応じて追記します。

心的外傷後ストレス障害(Post-Traumatic Stress Disorder、PTSD)は、
命の安全が脅かされるような出来事
戦争、天災、事故、犯罪、虐待。
これらなどによって強い精神的衝撃を受けることが原因で、
著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしているストレス障害です。
症状がまだ1か月を経っていないものは
急性ストレス障害として区別する。
この心的外傷後ストレス障害はがんでも生じることがあり
がん治療はPTSDを駆動する一つの主要な素因として総括されています(41)。
同じ顕性がんである小児がんにおいても
患者さんだけではなく、兄弟や親御さんなど介護人(Caregivers)も
持続的な心的外傷後ストレス障害に発展することがあります(42)。

心的外傷(トラウマ)には
事故・災害時の急性トラウマと、
児童虐待など繰り返し加害される慢性のトラウマがあります。
慢性トラウマは現在では
複雑性PTSD(Complex post-traumatic stress disorder)。
これに分類されることがあります。

治療では、精神療法においては
- 認知行動療法
- EMDR(※)
- ストレス管理法
これらなどが有効です。

(※)EMDRとは
Eye Movement Desensitization and Reprocessingの略で
眼球運動による脱感作および再処理法の略称です。
フランシーン・シャピロ先生により開発された心理療法です。

眼球運動によるトラウマの脱感作を生む仕組みは
完全には解明されていませんが、
以下、いくつかの仮説が提唱されています。
ここでいう脱感作とはトラウマに対する主に扁桃体を含めた
感情に関わる感覚の感受性を弱めることです。

1- 両側性刺激の効果
EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)では、
眼球運動が両側性刺激を提供します。
両側性刺激は、左右の脳半球間の情報処理を促進し、
トラウマ記憶の統合を助けると考えられています。
トラウマは通常、
未処理で断片的な記憶として保持されることが多いですが、
両側性刺激がこれらの記憶を脳内で統合し、
適切な文脈に再配置するのを助ける可能性があります。


2- ワーキングメモリ理論
トラウマ記憶を活性化させながら眼球運動を行うと、
ワーキングメモリの負荷が増加します。
ワーキングメモリの容量は限られているため、
眼球運動とトラウマ記憶の両方を処理することで、
記憶が持つ感情的な強度が低下すると考えられます。
これにより、トラウマの記憶が生理的なストレスを引き起こしにくくなります。

眼球運動や小脳や脳幹を動かすほか
感情を制御する前頭葉も動かします。
従って、脈略としてはトラウマ体験と眼球運動は独立ですが、
同時にすることでトラウマ体験に対して
直接的かつ特異的に感情をつかさどる扁桃体を強く刺激する
ということは避けられる可能性があります。


3- リラックス反応の誘発
眼球運動は自律神経系に影響を与え、
リラックス反応を促す可能性があります。
特に副交感神経系が活性化し、
過剰なストレス反応が軽減されることが報告されています。
これにより、トラウマ記憶に対する情動的な反応が弱まる。
このように考えられます。


4. REM睡眠との類似性
眼球運動は、
REM睡眠(急速眼球運動睡眠)の一部と似た働きを持つ可能性があります。
REM睡眠中には、記憶が整理され、
感情が処理されるプロセスが進むとされています。
EMDRの眼球運動が
これと類似した神経プロセスを誘発する可能性があります。


5. 注意の分散と安全感の提供
眼球運動を行うことで、被験者は注意を分散させ、
過去のトラウマ記憶に対する感情的な再体験を軽減します。
同時に、セラピストが安全な環境を提供するため、
被験者はトラウマ記憶に取り組みながらも
安心感を保つことができます。


以下の3つの症状が、
心的外傷後ストレス障害(PTSD)。
この疾患を診断するための基本的症状であり、
これらの症状が、
強い恐怖、無力感または戦慄を伴う出来事のあと、
1か月以上持続している場合です。
1か月未満の場合には急性ストレス障害(ASD)です。
一方、その出来事から6か月以内に発症していること。
これも定義づけられている。

1- 精神的不安定による不安、不眠などの過覚醒症状。
2- トラウマの原因になった障害、関連する事物に対しての回避傾向。
3- 事故・事件・犯罪の目撃体験等の一部や、全体に関わる追体験。(フラッシュバック)。

がんの場合では、心的外傷後ストレス障害を駆動する原因は
一般的に想像される診断(告知)、急性期治療中の苦痛だけではありません。

- 診断の衝撃
   がんの診断そのもの
- 治療関連のストレス
   治療の副作用
   治療中の孤立感
   経済的負担
- 再発や進行の恐怖
   再発の不安 
   進行がんの告知
- 身体の変化や機能の喪失
   外見の変化
   身体機能の低下
- 人間関係の変化
   家族や友人との関係の緊張
   社会的孤立
- 死や未知への恐怖
   生命の有限性を意識
   未知への恐怖
- トラウマ的医療経験
   緊急医療の必要性
   痛みや不快感を伴う処置
- 子どもや家族に対する心配
   子どもへの影響
   介護負担の罪悪感
- 社会復帰への不安
   学校、仕事やキャリアへの影響
   社会的スティグマ


患者が強い衝撃を受けると、精神機能はショック状態に陥り、
パニックを起こす場合があります。
そのため、その機能の一部を麻痺させることで
一時的に現状に適応させようとします。
そのため、事件前後の記憶の想起の回避・忘却する傾向、
幸福感の喪失、感情鈍麻、
物事に対する興味・関心の減退、建設的な未来像の喪失、
身体性障害、身体運動性障害。
これらなどが見られます。
特に被虐待児には感情の麻痺などの症状が多く見られます。

これらの症状はいずれも、1930年代に
アメリカの精神科医ハリー・スタック・サリヴァン先生によって定式化されました。

- トラウマ的な出来事に関連する精神的なイメージ、考え、または動揺する夢を体験する。これらはいかなる意思の力によってもはねのけることができない。
- トラウマとなった出来事が今まさに起きているかのように感じる。
- 著しい不安と身体的苦痛。(息切れ、めまい、動悸、発汗)。
- トラウマのすべてのリマインダー(思考、人、会話、活動)を避ける。
- トラウマについての重要な詳細を思い出せない。
- 自分自身や他人について著しく否定的な信念や期待を持っている。
- 容赦ない否定的な感情。
- かつては楽しんでいた活動への興味を失う。
- 他の人から離れている、または切り離されていると感じる。
- 感情が麻痺している。(愛などの前向きな感情を体験できない)。
- 自分の人生が当初の予想よりも短くなると信じている。
- 常に危険を警戒し、びっくりしやすい。
- 神経が昂り興奮している。(睡眠障害、イライラする、攻撃的、無謀または自己破壊的、集中できない)。

1.これらの症状が1ヶ月以上続いている。
2.自宅、職場(学校)、または社会的状況で正常に機能する能力に深刻な影響を与えている。
これらを共に満たすことが
心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断基準です。


前帯状皮質が小さいと発症しやすいことがわかっています。
発症後、眼窩前頭皮質が萎縮することも判明しました。

前帯状皮質(Anterior Cingulate Cortex, ACC)は
- 感情と情動の処理
- 身体的、社会的痛みの処理
- 注意とエラー検出
- 報酬とリスク評価
- 動機付けの調整

眼窩前頭皮質(Orbitofrontal Cortex, OFC)は
- 価値の評価
- 快楽や満足感の処理
- 共感と社会的判断
- 道徳的および倫理的判断
- 行動の調整
- 感情と意思決定の統合

それぞれこれらに関わります。


PTSDを持つ人はしばしば
アルコール依存症や薬物依存症といった嗜癖(しへき)行動(※)を抱えますがm
それらの状態は異常事態に対する
心理的外傷の反応、もしくは
無自覚なまま施していた自己治療的な試み(セルフメディケーション)
これらであると考えられています。
しかし、嗜癖行動を放置するわけにはいかないので、
治療は多くの場合、まずその嗜癖行動を止めることから始まります。

(※)嗜癖行動とは
特定の物質や行動、人間関係を過剰に好んで、
本人や周囲に不都合な事態を引き起こしながら
やめられない状態を指します。


様々な技法に共通する、援助の基本方針は次の通りです。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こしたトラウマ体験は、
非常に苦痛で過酷なものです。
したがって、患者さんの苦しみやつらさに対して
共感的に接することが重要である。
例えば、患者さんに対して、次のような声掛けが考えられます。
「本当につらい体験をされましたね、よくがんばってここまでいらっしゃいました」)。
「がんは誰でもかかる病気です。たまたまの要素も大きいから、
あなた自身(患者さん、親御さん)をあまり責めないで。一緒にこれからのこと考えていきましょう。」
「そのつらい体験は、あなたの体全体だけでも弱める事ができるし、
わたし(医師)、親御さん(ケアギバー)と共有して弱めることができます。」
「適切な治療をすれば、時間が解決してくれる部分もあります。」
「少しずつでいいので、毎日の生活を見直していきましょう。
その中で辛いことがあったら何でも言葉にしてください。」
、、、
患者さんは、PTSD症状を自らの弱さと考えていることが多いです。
したがって、PTSDは誰にでも起こりうる病態であることを説明します。
出来事の原因が自分にあると自らを責める患者には、
「(加害者が悪いのであって)あなたは悪くないのですよ」
これらと伝え、自責感を軽減することも効果的なサポートなります。
患者が必要な司法支援や生活支援、被害者支援等を受けられるよう、
適切な支援機関(社会的資源)につなぎ、
医療と福祉が共同で包括的支援を届けられる体制を整えます。


持続エクスポージャー療法は、
トラウマに焦点を当てた認知行動療法であり、
セラピストとの会話を通じて心的外傷に慣れていく心理療法で、
国際的に推奨されています。
しかし、一方で有効性に限界があります。
また、技法に精通していなければ
ストレス症状を強めるため注意が必要です。
例えば、セラピストは以下のことに注意を払う必要があります。
- 患者さんに治療の目的を理解できるよう説明
- 段階的なトラウマ体験想起
- 安全な環境づくり
- 乖離、フラッシュバックが起きたときの対応(患者、セラピスト)
- 患者(さん)の情動のモニタリング
- 定期的な治療効果の評価

持続エクスポージャー療法の構成要素の一つとして
現実エクスポージャーがあり、
トラウマ記憶が頻繁に思い出され
トラウマに関連する物事・場所・状況。
これらなどへの恐怖や回避がある場合に用いられる技法となっています。
この技法を通して、治療者のサポートのもと
そのような物事・場所・状況。
これらなどへ段階的に直面していくことで、
「再び同じ被害にあうことはない」
「今まで回避してきた物事・場所・状況などが安全であった」
これらなどの気づきを得て、トラウマへの恐怖感を和らげていきます。

上の注意事項と一部重複しますが、
治療導入時には、丁寧な心理教育を通して
トラウマ症状と治療原理の理解をサポートするとともに、
患者さんとのラポール(信頼関係)の形成を行います。
不安時に用いることができる呼吸法についても教示しておくことが望ましいです。
全体を通して、患者さんがつらい経験を共有してくれていることを
常に頭に置き、支持と共感を示すことが重要です。


トラウマ・フォーカスト認知行動療法(TF-CBT)は、
子どものトラウマ治療に用いられるプログラムです。
基本となる構成要素は、「PRACTICE」の頭文字で表される8つであり、
P- 心理教育とペアレンティングスキル
(Psychoeducation and parenting skill)
R- リラクゼーション法(Relaxation)
A- 感情表出と調整(Affective expression and modulation)
C- 認知コーピング(Cognitive coping)
T- トラウマナラティブとプロセッシング(Trauma narrative and processing)
I- 実生活内での段階的曝露(In vivo mastery of trauma reminders)
C- 親子合同セッション(Conjoint child-parent sessions)
E- 将来の安全と発達の強化(Enhancing future safety and development)
これらから構成されます。
十分に有効性が実証されたプログラムであり、
今後の普及・発展が望まれます。

P- 心理教育とペアレンティングスキル
心理教育と子育てスキルに関してです。
心理治療を経て、どういったメカニズムを経て
患者さん(お子さん)が回復していくか?
それについての理解と、
親御さんが子供の回復を具体的にどうやって
支援(サポート)していくかの教育です。
例えば、
子どもの感情や行動を理解し、共感する方法。
子どもが安心感を感じられるようなコミュニケーションスキル。
子どものポジティブな行動管理技術。

R- リラクゼーション法
リラクゼーション技法を教えることで、
ストレスや過剰な覚醒(過剰反応)の管理を支援します。

- 呼吸法、筋弛緩法
体幹など一定の正しい姿勢を維持しながら、
手足、肩などの筋肉の緊張を意識的に弛緩(緩める)させます。
顔面の筋肉を意識的に弛緩させると自然と優しい表情になります。
そうすると自然と呼吸はゆっくりになってきますから
その状態で、鼻から息をゆっくり吸い込み
深呼吸を意識してみます。腹式呼吸も学びます。
意識的に気持ちを落ち着かせて、動作をゆっくりするのもいいでしょう。

- 視覚化
安心感を与えるイメージ(穏やかな風景など)を想像して、
心を落ち着けます。あらかじめ安心できるイメージを
テンプレートとして用意するのもいいかもしれません。
頭でイメージすることが大切です。

- 注意の再集中
マインドフルネスや瞑想を活用し、現在の瞬間に意識を集中します。
フラッシュバックなどが生じたときには
交感神経が高まり、極度に集中が難しくなるので、
普段から、物事に集中できる力を回復させます。
上で述べた呼吸法、筋弛緩法と組み合わせて、
集中力が高まっていくのを感じ、
その中で意識的に呼吸なり、聞こえる音など5感を意識して
マインドフルネスを実行してもいいです。

A- 感情表出と調整
強い感情が出ているときには
その感情を客観的には認識できませんから、
不安、悲しみなどを感じたときに、
その感情をできるだけ具体的に言葉にする練習をします。
それをケアギバー(親御さん)などに伝えましょう。
親御さん、患者さん自身どちらも
どういった時にそのような感情を抱きやすいか?
言葉にすることによって分析しやすくなります。

心に問題を抱える人はあなただけではありません。
生涯、経験する人は多く決して珍しい病気ではありません。
その事実を知り、今の自分を責めるのはやめましょう。
トラウマ体験は受け入れられませんが、
それによる自分の感情を受け入れましょう。
感情が過剰に高まったときには
頭の中だけでなんとかしようとするのではなく、
身体全体を使った具体的な方法でもって対処しましょう。
例えば、
- 全身の力を抜く
- 動作をゆっくりにする
- 「落ち着け~」と繰り返し自分に語り掛けてみる
- 鼻からの呼吸を意識する
- ゆっくり全身の筋肉を順番に伸ばしてみる
- 急いで何かをするのをやめて、気持ちをゆったり持つ
体全体を使ってできることは色々あります。

C - 認知コーピング
ストレスやトラウマに関連する歪んだ考え方を修正し、
適応的な思考を促します。
頭脳はより外側が傷害されやすいことを知ります。
外側は、考え方を調整したり、
計画的に考え、実践していく
人らしい行動を私たちに誘導してくれます。
その機能を回復させることは可能ですから
諦めず、日々、これらの能力を
具体的な手段で少しずつ高めていくことを考えます。
物事の捉え方には反対の捉え方があります。
「何か負のイベントが起こった。」
そうしたときには自分を責めがちですが、
人には負の作用を補う能力が備わっています。
そうした負の部分があるから、そのマイナスの分、
より強くなれるという考え方もできます。
1日の計画を立てて、
それができたかどうか?
決して予定通りできなかったことを責めずに、
まず、計画を立てて、
その計画に従って、行動してみる。
その結果を正当に判断する。評価する。
そこから始めることができます。
こうした計画遂行の能力は
脳の外側の大脳新皮質の部分が主に役割を担います。

T - トラウマナラティブとプロセッシング
ナラティブ(narrative)とは物語の語り手となることです。
イベントの種類によっては
初めは人に語ることは抵抗があるかもしれませんが、
トラウマとは断片的にも映像と共に
イベントを思い出すことですから
常に自分の頭の中の閉じられた空間で繰り返されています。
それを閉じられた空間にせずに、
より開かれた世界で冷静に言葉にして発信していく。
ということです。
自分の親御さん、セラピストに話します。
但し、言葉にして辛くなるなら中断しましょう。
フラッシュバックが生じる可能性があるので
安全な環境で行いましょう。

I - 実生活内での段階的曝露
患者さんが実生活の中で意識的に嫌がっていること
あるいは避けていることの中で
健康的な生活において欠かせないものに関しては、
段階的な暴露(Exposure)を試みます。
実際にケアギバーの人が一緒について、
意識的に経験させるときには、
両者ともにその状況が安全であるということを確認します。
そうして、お互いその都度できたことを労います。
少しずつ健康への階段を上っていることを確認し、
それを小さな成功として
患者さん、ケアギバーの自信、自己効力感、自己肯定につなげます。

C - 親子合同セッション
自分の子どもが小児がんも含め難しい顕性疾患、
あるいは許しがたいトラウマ体験があって、
それに対する後遺症、障がいがある場合は
往々にして親子間の絆は強いものです。
そうしたモチベーション、駆動力を味方につけ
この記事の内容を含めた科学的なアプローチ、
医療福祉スタッフと共に、
親子間のコミュニケーションを改善し、絆を強化します。
いいこと、嫌なこと。
どちらのことも共有し、
それに対しての感情的なことも共感します。
積極的なリハビリテーションだけではなく、
一般の人が楽しむような活動を計画し、
人生の中でポジティブな体験を共有します。

E - 将来の安全と発達の強化
患者さん(子ども)は、最終的にはある程度、自立する必要があります。
親御さんの介護がなくても健康的な生活ができるために
段階的な計画を立て、一つ一つ焦らずに実現していきます。
フラッシュバックなど患者さんを極度に混乱させる状況。
これが生じたときに、どのような対処をとればいいか?
それを継続的に確認し、対処できるようにします。
親御さん以外の第三者のサポートを含めて、
病気以外のことも含めて
社会心理的なストレスはどうしてもありますから、
そうしたストレスや困難に対処するための
長期的に実践を通じたコーピングスキルの習得と
それをしっかり言葉で定義して記録しておくことをします。


トラウマナラティブとプロセッシング
トラウマ記憶が
感覚運動的・身体的記憶(頭に残る鮮烈なイメージ)
これら(断片的な)映像、感覚としてとどまってしまっており、
叙述的記憶(言葉にできる通常の記憶)になっていないため、
フラッシュバックが生じるとされます(44)。
この理論を基に、トラウマ記憶を叙述的記憶にできるよう、
トラウマ記憶を言葉で表現するトラウマナラティブが行われることがあります。
トラウマナラティブとは、
トラウマ体験時の状況や感情をありのままに話すことであり、
話し手はどのような状況や感情を話してもよく、
治療者や支援者がどのようなものも温かく受け止めます。
この時、支援者は聞き手として
話している最中に自分が話すことを
高度に抑制的にコントロールする必要があります。
言い換えれば、聞き手に回るということです。
その後、
トラウマナラティブで表出された認知(自分を責める考えなど)を、
機能的な認知(自分を肯定する考えなど)へと修正していくための
支援、プロセスを具体的に考えます。
このトラウマナラティブとプロセッシングも有効な治療構成要素です。

過去のそういった自分がトラウマを抱えるようなひどいと考えられる事件は
時間的に風化する部分はあっても、
それを言葉にして客観的に認知できるようになっても、
ひどいことですからやっぱり許せないとなると思います。
そうした感情を無理に捨てる必要はありません。
特に言葉を大切にする女性であれば
「そうだよね。」と
肯定してくれる、共感してくれる人がいれば幾分か救われます。
男性の場合も、そうした感情とうまく付き合うことができる
自分を実感できたときに、少し救われる部分があります。
そういう許せない気持ちを高度に制御しながら
持ち続けて生きていくことは必ずしも不幸ではありません。


セルフヘルプ(Self-help)
今、様々な診療科の医師(先生)も含めて
この記事を、今日、どのような気持ちで読まれているでしょうか?
先生方は、大きな書店の洋書コーナーに行かれたことはあるでしょうか?
その洋書コーナーにはSelf-helpというコーナーがあります。
専門家の助けを借りず、自身の問題を当事者で解決すること。
このような定義ですが、
自分自身で書籍などの情報の力を借りながら、
抱える疾患も含めて、問題を解決していくことです。
私のイメージとしては日本の自己啓発本に近いですが、
この定義、心理療法に含まれることを考慮すると
自分自身の知識を書籍によって高めるというよりも
やや医療、健康に寄っている気もします。
自分で自分自身を助けるですから
治療の主導、主権は自分自身にあります。
書籍、オンラインプログラム、アプリ、ワークシート
これらなど多様なリソースを活用できます。
基本的に少なくとも子供、未成年が
セルフヘルプを基に治療を行うのは難しいと思われます。
トラウマ後ストレス障害(PTSD)の軽度症状で
比較的知識レベルに自信がある大人。
その方に向く治療だと思われます。


対人関係療法では、トラウマとなった出来事(過去)ではなく、
トラウマに影響を受けている対人関係のあり方や
それに対する感情等(現在)に主な焦点を当て、
心地よい対人関係を築いたり
さまざまなソーシャルサポートを受けたりできるよう支援することなどを通して、
トラウマからの解放をサポートします。
お子さんであれば、自分にとって大切な人、
あるいはいつも味方していくれる人、支援してくれる人。
そういう人たちが周りにいます。
例えば、
- 両親、兄弟姉妹、
- 親しい友人、学校の先生
- かかりつけ医(先生)、医療スタッフ
- ソーシャルケアラー
トラウマの影響が大きいと、
こうした本来大切な人との関係性にも影響を与えてしまう。
このようなことが懸念されてしまいます。
例えば、お母さんを責めたりすることもあるかもしれません。
「何か許せない出来事があった。」
トラウマではそういうことがあるわけですが、
それはそうした症状を抱えていない人もあります。
そうしたときに、心のコントロールがうまくいかないと
本来自分にとって大切な人も失ってしまうことにもなります。
例えば、男性であれば、
突然の解雇で、仕事を失い、そのショックから
アルコール依存などの日常生活にも支障をきたした。
それで大切な奥さんと子供を離婚によって失う。
そういったことは、まま、あります。
何か負のイベントがあったときに
自分を本来支援してくれる人との関係性を
どのようにうまく持続的に構築していくか?
これは実は一番、重要なことかもしれません。
例えば、仕事や学校は変えることができますが、
自分の子どもは不可換なことは自明です。
「許せないこと」というのはあるし、
ましてやトラウマでは
そんな簡単には消えないと思います。
こういう難しい状況の時は、感情的ではなく、
生物学的に考えるのがいいです。
結局、そうした制御不能な原始的な感情は
脳の扁桃体で生じます。それは比較的内側にある。
それを制御するのはより外側の前頭葉です。
そうした許せないイベントと
うまく付き合っていくためには
こうした外側の前頭葉の機能を高める介入を
具体的な行動に落とし込んで、
ただ、黙々と実施していく。
男性であれば、その中で生じる感覚を
直感的に評価していけばいいです。
女性であれば、人と共感の中で頑張っていく。
こうしたことと並列的にやっていかないと
特に、男性の場合は、
周りの大切な人との人間関係を維持しながら、
そうした閾値を超えた過剰なストレスと
向き合っていくことは難しいと思います。
こうした感情的なことが絡む問題は
まずは「認識」が重要です。
例えば、何か外的ストレスが入った。
その時に自分の心拍数が速くなっているということを
おそらく実感する人はほとんどいないと思います。
実際、そういうことが体のなかで起こっていても
それは決して意識下にありません。
でも、それに気づくことができたらどうでしょうか?
「あ、オレ、今、脈速くなっているな。」と。

対人関係も同じです。
差別、虐待、仲間外れ、失業、失恋、喧嘩、いじめ、無視、いやがらせ、、、
世の中には感情を掻き立てる色んなことがありますが、
そうしたときに、そうした敵ではなく
味方の人に対しての関係性の悪化が生じているとき。
たとえば、八つ当たりをしてしまった。
まずは、それに客観的に気づくことができるか?
八つ当たりそのものもそうですが、
それを「大切な人」にしていることです。
そこに「気づく」ということが
全ての出発点となります。

対人関係療法における予備研究では、
症状のスコアCAPSで50点以上の未治療の110人を
ランダム化して14週間の試験を実施し、
CAPSスコアを30%以上改善させた患者の比率は、
有意差はないが、
対人関係療法では63%と持続エクスポージャー療法の47%よりも
高い反応率を示し、曝露なく治療できる可能性を示しました。
急性ストレス期のデブリーフィングが止めるべきという
日本トラウマティック・ストレス学会の明言からしても
トラウマをもつ患者さんに対して、
トラウマ体験を意識的に思い出させるような介入は
少なくとも慎重に考えて実施すべきであるということです。


トラウマのフラッシュバックも含めて、
何か発作的に感情が爆発して、
行動の制御が全く機能しなくなることがあります。
これも、特にPTSD疾患有無に限らず、程度があります。
声を荒げて怒る程度で済む場合もあります。
あるいは涙を流して、解決する場合もあります。
しかし、多くの場合、
そうした感情の爆発はそれを惹起させる
 (ストレス因子) > (制御)
このような不等号が成り立つとき、
すなわち、
自分の制御能力をストレスが上回ったときに生じます。
ストレス因子をなくすことは
現在の社会において不可能ですから、
自分の脳神経を傷害させないためにも
日頃から制御能力を継続的に高める介入が必要になります。
それは特にそうしたストレスがかかりやすい人の場合はそうです。
しかしながら、
こうした制御能力は往々にして大脳新皮質の仕事になるため、
そこが成熟している大人ならばいいですが、
それが未成熟の子どもに対して
過剰にそうした命題を与えるのは少し残酷です。
少なくとも、そうしたストレス因子に対抗するための
制御因子の支援が必要になります。
そのお子さん自身の制御能力が高められるように
サポートをすることも大事です。
とりわけ
顕性小児がん既往歴があり、
過去、辛い治療経験、予後においても
様々な因子において継続的にストレスがかかる状況においては
継続的にかかるあらゆるストレスに対する
対抗手段としての制御性を高めるための支援は
医療機関、福祉施設、親御さんなど
多次元的な人的ネットワークで必要になります。
例えば、健常者であるあなたが
外をジョギングするとします。
その際に、私はあなたに
極力、冷静な気持ちを意識して走って下さい。
このように注文しました。
もう一つ、自分の中で3段階、ペースを変えて下さい。
こうした追加注文をしました。
そうするとどうなるか?
より、速いしんどいペースでは
自分の心を冷静に保つことがより難しくなります。
しんどい局面になると
誰しも取り乱しやすくなります。
こうしたことが
心的外傷後ストレス障がいを呈している人、
あるいは小児がん罹患歴のある一部の人では
日常的に起こっているかもしれないということです。


小児がんなど子供のころに顕性の疾患、
あるいは、トラウマ体験など大きな負のイベント(事件)。
これらを抱えた子供は特に
人を人たらしめる
すなわち、人らしく健全に成長させるためには
生物学的にヒトが特異的に発達させる
大脳新皮質の健全な成長、機能を支援することが大切です。
好ましくは、子ども自身が具体的に
何が、その成長を支え、なぜ、それが重要なのか?
それを自身の言葉として定義できるようになる様式で
日々の日常生活の行動の選択を健全な方向に導くことです。

大脳新皮質は
1- 感覚の高次処理(統合、概念形成)
2- (長期)計画を立てて、運動、行動をする
3- 複雑な状況に対する判断、選択
4- 裏に隠れるリスクの評価
5- 長期的なストレス適応
6- 長期記憶
7- 意識の選択と集中
8- 感情の調整
9- 立場を変えて思考(他者理解)
10- 創造、想像力
11- 言語理解と文字処理
例えば、このような機能があります。
当然、こうした機能を実際に使うということは
健全な成長を促すことになりますが、
では、その成長をベースラインで支援するものは何ですか?
具体的に習慣的な行動に落とし込むとき、
どういった訓練が考えられるでしょうか?
果たして全部が全部、発達することが正解でしょうか?
現代社会、あるいは日本社会で生き抜くために
より必要とされる機能は何でしょうか?

小児がんなど難しい顕性疾患を抱えた
一部で明らかなハンディキャップを抱えた
子どもの幸せのための大脳新皮質の在り方とは?
(解答例)⇒
- 身体的な幸せ
- 心理的な幸せ
- 経済的な幸せ
これらは全て欠かすことができないが、
心理的な幸せが特に重要だと定義した。
そうであるなら、その子にとって
どういった機能が一番、
喜び、嬉しさ、充実などの感情を結びつくか?
それの見極めが必要である。
仮に科学的な創造性であるとする。
そうであるとするならば、
それを実現するための具体的な方略を考える。
長期的な計画とそれに基づいた持続的な行動。
これが必要である。
言語、空間情報の統合が必要である。
その子供の現在のレベルを見極めて、
常に1段上のレベルを目指すために必要なこと。
それを具体化して、日常生活に取り入れる。
そうした1段上のレベルを自らが設定できるように
自動的プロセスが回せるように教育する。
一方、
心理的な幸せとは感情の制御でもある。
感情を制御するために必要な事。
多次元的に定義して、日常生活に落としこむ。
すぐには完璧にできない。
でも、出来たか、出来なかったかを
正直に報告して、逐次、評価を行う。

結局のところ、日常生活で何をするか?なので
その人にとって最も幸せにつながる目的のために
具体的に何が必要かを定義して、
それを日常生活の具体的な行動に落とし込みます。
気分の変動も含めて、色んな事が起こるから、
実際にはこの行動することが誰しも難しいけど、
その計画に基づいた行動こそが、
大脳新皮質を鍛える事にもなります。

「なんか、機械のようで嫌だ」
そのように思う人もいるかもしれないですが、
この計画に基づいた機械的なシステムのほうが
高度、高次でずっと脆弱です。
このように生涯行動しても、
人は生物らしさを失うわけでは決してありません。
なぜなら、そこは高度に保持されているからです。


顕性がんを発症した人の少なくとも一部は
子どもに限らず、
- 漫然とした不安(Angst)
- (再発などによる)死への不安(death anxiety)
- 孤独感(Aloneness)
- 生きる意義、自由、制御の喪失
これらが挙げられています(41,45)。
患者さんが持つこころの部分。
ここは決して疎かにはできなくて、共感は必要ですが、
こころは物質ではなく機能、概念なので、
物質的な実在があるものではありません。
こころの問題を脳神経だけで扱うのではなく、
その患者さんの大切な資産である
頭から手先、足先までの体全体を使って、
どうやって上述した問題を物質的な問題に落とし込んで
体全体で解決していくか?
その具体的な提案が必要で、
それが患者さんが納得するものであれば、
当然、機能的な心にも影響してきます。
但し、この考え方は少し個人に寄りすぎな部分もあります。


心的外傷後ストレス障害では
恐怖を駆動する脳発生、その経路に異常が出る(46)。
このようにいわれています。
程度がひどくなると、何も特にストレス因子がないのに
不安や恐怖に感じたりします。
そういった感受性が低い健康な人からすれば
おおよそ理解しがたいことですが、
当の本人は、正直な感覚としてあるわけです。
生物学的にも脳内でそういった過剰興奮が生じているわけです。

子ども、大人関係なく、
何らかのストレスを与えるときに、
その人が怯えているのに、
日常的に軽度なことでもストレスを与え続ける。
ストレスを駆動する環境が改善されない状態でも
そういったことを何年も繰り返す。
そうしたことは少なくとも
当人が気づいて、生活習慣を改めるなり、
かかりつけ医が適切な治療することがなければ、
負のスパイラルとして
ずっと脳に負の影響を与え続けます。
すなわち、いずれ、何も刺激がなくても
その人は、不安や恐怖におびえるようになります。
こういうのを神経科学では
「Hyperarousal」と呼びます。
ある意味、この状態で
認知状態に不全が出るのも至極、自然なことです。
PTSDの典型的な症状としても
認知状態の不全が条件の一つであげられています(46)。
当然、ストレスを与えている本人は
そうした生物学的事実は認知していないということになります。
ストレスを受ける本人に非がある。
そのように考えているかもしれません。
一般的ないじめ、差別でもいえることです。
負の連鎖が起こった結果として、
そうした過大化された不安や恐怖におびえて生きることは
その当人にとっては下手したら
永眠するよりも辛いことかもしれません。
なぜなら、永眠するとは、永遠にその人から、
全ての感覚が物質的に喪失されるからです。

繰り返し組み合わせて提示されることによって、
中立的だった刺激(特に、もともと感情的な反応を引き起こさない刺激)は、
嫌悪的な無条件刺激(例:痛みや不快感など)
これを予測するものとして学習されます。
これにより、その中立的な刺激は「条件刺激」に変わります(46)。

その結果、条件刺激が提示されるだけで、
嫌悪的な無条件刺激が伴わなくても、
恐怖に関連する行動が引き起こされるようになります。

このプロセスは古典的条件付け(パブロフ型条件付け)の一例であり、
恐怖反応や回避行動の学習において重要な役割を果たします。
例えば、犬に噛まれるという嫌悪的な体験(無条件刺激)があった場合、
その際に聞いた特定の音や見た光景(中立的刺激)が
繰り返し関連付けられることで、
それらが条件刺激となり、
犬がいなくてもその音や光景を見るだけで
恐怖反応が起こるようになります。

特定の嫌悪的な刺激が日常繰り返されると
色んなものが関連付けられるため、
その関連付けが意図的なものであればより、
嫌悪感情を扁桃体で駆動する頻度は高くなり、
扁桃体は特別な対策をしなければ感作を起こします。
そうした状況の中で、専門的な生物学的知識がない人が
あるいは世界のほとんどの人が、
嫌悪的なストレス耐性を構築することは
いかに何らかの知識があっても難しくなります。
周りの理解者がいるかどうかも重要です。

例えば、トラウマ体験のフラッシュバックが起こるときは
すでにトラウマの原因となった事件から
数年以上時間が経過していることもありますが、
こうした時間的に不連続であっても、
そのフラッシュバックしたときの
周りの音、景色、輸送機器、人などが
それが仮に中立的刺激で事件に何にも関係がなくても、
その後、フラッシュバックを誘導する条件刺激として
学習されることがあります。
もし、そうであるとするならば、
フラッシュバックの頻度が重要であり、
頻度が多くなればなるほど、そうした体験が起こりやすくなります。
従って、ケアギバーは
そうしたフラッシュバックが起こる条件が
できるだけ成立しないように注意しなければなりません。
こうした観点から
事件を意図的に思い出すような介入は
段階的に行う場合は、功を奏する場合もあるかもしれませんが、
発作を起こさないような細心の注意が必要となります。


何らかの感情を惹起させるイベントが生じたとき、
それが視覚情報なら目からまずは信号が発信されると思いますが、
感情の出発点が仮に扁桃体であるとします。
そうした感情の変化を脳だけに着目すると
多くの場合、介入は失敗します。
すなわち、考え方や頭の中の思考だけを制御しようと思っても
なかなかそのための集中が得られないことがあるし、
それを持続することも難しいです。
脳神経系と体の機能を主につなげているのは視床下部で
外側視床下部(Lateral hypothalamus)は
心臓の心拍数や血圧の調整をしています
そのほか、脳幹にある
側脳橋核(Parabrachial Nucleus)は
肺の呼吸数などを制御しています(46;Fig.1c)。
扁桃体は視床下部や脳幹と神経連結していますから、
扁桃体の興奮がこうした体の機能に関わる脳の部位に伝わり
結果として、心拍や呼吸数が変化します。
こうした心拍などの信号をさらに
脳神経がフィードバックする機能もあります。
従って、感情的な信号は体の機能と連結しているので
その感情を刺激するストレス因子に対して
非常に強靭な形で対処するためには
体全体でどうやってそれを抑制するかを考える事が重要です。


この記事の一番の目的は
小児がんサバイバーシップのメンタルヘルス。
これについて考える事です。
冒頭で述べたように
小児がんに限らず、がん既往歴のある人が抱える心の問題は
- うつ
- 不安
- 心的外傷後ストレス障害
これらが多いとされています。
心的外傷後ストレス障害のがんにおける素因は
主には告知(診断)と治療(抗がん剤)とされています(41)。
また、不安はうつに一般的に先立つので、
治療後も再発、将来設計などにおける不安を
継続的に抱え、それが過剰、慢性になると
一部で、うつ病に発展することも考えられます。
うつ(47)、不安(48)、心的外傷後ストレス障害(49)では
いずれも感情に関連する扁桃体が過剰になる傾向にあります。
なぜなら、これらは情動の異常だからです。

この扁桃体の活動が過剰になると
- 前頭前野(Prefrontal Cortex)
- 海馬(Hippocampus)
- 帯状回(Anterior Cingulate Cortex, ACC)
これら、それぞれ
- 感情の調整と抑制
- 記憶とストレス応答の抑制
- 情動処理と注意コントロール
これらの処理を行う脳の部位が委縮する傾向にあります。
従って、
度重なる感情的な刺激は
その制御が十分でない状態で頻繁に続くと
それを制御する機能もどんどん失われていきます。
感情の惹起は生物学的に高く保存されていますから
それを抑制する方の機能が脆弱で、壊れてしまいます。
そういったことが現代で頻発するから、
うつ、不安を抱える人が世界で非常に多くいるということです。
これは、世界的な問題であり、
頭脳だけに着目するのではなく、
体全体で対峙、治療していく必要があるし、
そうしたストレッサーとなっている
加害者に明らかに非がある場合は、その処分。
それについても当然、議論される必要があります。


扁桃体は視床下部に強く働きかけます。
視床下部は自律神経のバランスの調整に関わります。
扁桃体に感作が生じ、過活性になると
視床下部に働きかけ、自律神経のバランスが崩れます。
自律神経の中では交感神経が高度に保持されているため
副交感神経が壊れやすいです。
この自律神経の乱れは睡眠の質に関わります(50)。
上述したように扁桃体に問題が出やすい
うつ、不安、心的外傷後ストレス障害では
比較的共通的に睡眠に問題が出ます(46)。
必ずしも不眠になるのではなく、
日々の睡眠時間が安定しないということが
うつでは問題点として挙げられています。
逆に言うと
睡眠が安定的にとれているかどうか?
それがその人の精神状態を評価する
一つの重要な項目となりまs。
例えば、
PTSDの患者さんは顕性疾患のない人に比べて
眠っていても心拍数が速い傾向にあります(46)。
心拍数は交感神経と関連がありますから、
眠っていても副交感神経が相対的に弱い。
このように評価することができます。



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