2024年12月16日月曜日

訂正:癌関連悪液質の1次調査

癌関連悪液質(Cancer-associated cachexia)とは
- 骨格筋
- 脂肪組織
これらを特異的に失う体重の喪失です(1)。
これらの組織は糖や中性脂肪(トリグリセライド)など
食物からのエネルギーが足りなくなった時の
体のエネルギーの貯蔵庫の役割でもあるので
これらが失われるということは
仮に患者さんが食欲不振で食事を十分にとれない。
あるいは病室での点滴に省エネ側のずれが生じた場合、
エネルギーが特に必要な
- 脳
- 肝臓
- 腎臓
- 心臓
- 骨格筋
これら特にエネルギーが必要な組織、臓器の他
消化器、呼吸器な度も含めて
全身の組織がエネルギー不足なってしまいます。

癌関連悪液質は
- 食事摂取量減少
- 体の代謝変換
これらにより
エネルギー摂取量が消費量を顕著に下回ります。

こうしたことは当然、
癌細胞が多く体に存在、腫瘍組織が大きいほど、
あるいは悪性度が高いほど
リスクが高まります。
- 癌細胞自体が糖代謝でエネルギー消費量が多い
- 癌細胞の豊富な内分泌物質の影響
- 攻撃性免疫細胞のエネルギー需要(糖代謝)(3)
- 癌微小環境、全身の炎症(3)
これらエネルギー消費が考えられ、
顕著に体のエネルギー需要が高まっている中で
視床下部-下垂体-副腎軸(HPA-axis)。
この神経系が抗がん剤などでダメージを受けます。

- 成長ホルモン
- 副腎皮質刺激ホルモン
- 甲状腺刺激ホルモン
これら食欲に関わるホルモンや
- 弓状核(Arcuate nucleus)
ここで食欲に関わる
- POMC/α-MSHニューロン
N- PY/AgRPニューロン
これらがダメージを受けるほか、
- レプチン(脂肪細胞由来)
- グレリン(胃から分泌)などの
食欲ホルモンが視床下部に作用する際に
視床下部が正常に働かないことで
食欲に異常が出ることが考えられます。

特に悪液質のリスクが高まる
悪性度の高いがん治療の場合には
癌細胞の増殖性が高まっているため、
- 遺伝子合成
- 有糸分裂微小管形成
これらを阻害する従来の抗がん剤が一番有効である
それらの薬効依存度が高まり、かつ
これらの抗がん剤が
特にエネルギー不足になっていることで
体の自然な生理反応として
エネルギーを多く必要とする脳神経に多く血流が集まり
抗がん剤濃度が高まることと
視床下部、下垂体はホルモン分泌細胞なので
血液脳関門が緩やかなことも作用して
これらのホルモン分泌神経細胞が
上述した
- 遺伝子合成
- 有糸分裂微小管形成
において癌細胞と同様に
より優先的に障害されるリスクが懸念されます。

こうした複合的な理由から
正味の体のエネルギー状態が
大きく負(マイナス)収支となってしまう。
結果としてエネルギー貯蔵庫である
脂肪組織、骨格筋の脂肪、糖(骨格筋)だけではなく
肝臓、すい臓の脂肪も失ってしまうことも考えられます。

これは癌における本質的な課題なので
当然、小児脳腫瘍など子供でも生じます(2)。
子供の場合、もともと成長期で
体が大きくなる、言い換えれば
癌細胞以外の体全体の数兆個ある
通常細胞数が増えていきますから
エネルギー需要は相対的に高いです。
そうした状態で
上述したような機序で
癌細胞依存的に大きく
体のエネルギー収支がマイナスになると
子供の健全な成長に重篤な影響を与えてしまいます。
特に骨格筋、骨、脳などが懸念されます。

私は小児がんサバイバーシップで体重維持、
すなわち肥満を防止することの本質的な事を考えましたが、
悪液質の場合には
体のエネルギー収支を負から正に戻して
適正筋肉量、適正脂肪量に戻した後
エネルギー収支をゼロに近づけること。
すなわち予後での適正体重維持。
これを実現する必要があります。

悪液質の場合は、体重を戻す必要がありますから
一時的に患者さんの体の
エネルギー収支を正(プラス)にする必要があります。

食欲がないとすれば
点滴で強制的に、
主要栄養素、微量栄養素をバランスを考えて
送る必要があります。
但し、
点滴の場合は、循環器に直接入れるので
消化器を使わないこと。
それにより、
腸内環境や消化器の機能が低下すること。
また
ビタミン、ミネラルなどの微量栄養素や
食物繊維、抗酸化物質などの機能性物質
これらが含まれないか、不足すること。
また
主要栄養素においても
食品のほうが自然な形(構造)でとれること。
食品の主要栄養素は
微量栄養素、機能性物質と一緒に
相互作用しながらとることで
細胞も含めた吸収効率が挙げられること。
これらが懸念点として挙げられます。

また、点滴で供給できる
栄養素の多様性には限界があります。
例えば、体の細胞膜の弾性や流動性に関与する
ω3不飽和脂肪酸などが
必ずしも点滴に含まれているわけではありません。

そもそも点滴で自然食品に勝るとも劣らない。
あるいは勝るような栄養素を調合できるとなると
すでに健康な人も含めて
特に食事をとらなくても
人工的にヒトが作った栄養素で
より健康な体を手に入れることができる。
このことを示します。

それは明らかに不可であり、
栄養は自然にいる魚や海藻などの
人が長い間食べてきたと考えられる海産物を含めて
バランスよく摂っていく必要があります。
生卵、魚、海藻を全部食べることは
単一細胞、おおよその組織の視点でみると
ヒトの体の構成と共通な部分も多い
生命そのものをいただくことです。
人が人工的に生命を作れない限りにおいては
その栄養素にかなうはずもない。
ということになります。

従って、癌関連悪液質を呈している
特に子供を含めた患者さんに対しては
栄養失調になっているわけですから、
できるだけ点滴に頼らず、
病院の管理栄養士(の方)が出す食事を食べてほしい。
このことがありますし、
管理栄養士の方も
将来的にはちゃんと私が知っているレベルの
細胞レベルの医学的知識を身に着けて
患者さんに対して最適な栄養を
最適な調理法で届ける必要があります。
少し短絡的ですが、
イワシ、アジ、サンマ、サバ(比較的安価な大衆魚)
鶏卵、海藻類、果物など
こうした高い栄養価が期待できる食事を
できるだけ美味しく、そのままの栄養を
患者さんに届けることが大切です。

患者さんが食欲がなくて量を食べられないとなると
少量でバランスの良い食事が重要になるので
魚でいえば、脂ののったイワシなど小魚を
そのまま頭、骨、内臓、しっぽも含めて食べてもらう。
生卵は難しいかもしれないけど、
加熱すると材料は確実に変性するので、
暖かいごはんと混ぜて食べる。
少し温度があがるので
消化器に対するリスクは減らせます。
果物は可能ならばイチゴ、ぶどう。
イチゴは小さい果物で皮が薄いので
太陽光に対する防御機構を
果実全体そのものが有しています。
だから、抗酸化能が強い。
それはブドウでもいえます。
ブドウは房の外側がいいです。
量が食べられないわけですから、
粒の小さなイチゴ、ブドウの粒を
まるごと食べてもらう。
海藻は少しでも食物繊維を多くとれるので
腸内環境が整うのと、
日本の先祖様も含めて古くから
ホモサピエンスが昔から
そのままのものを食べていた可能性あること。
海藻も味噌汁でもいいのですが、
乾燥して収縮を経験したものよりも
海でとったそのままのものを
そのままの温度で出す。ということです。
多分、陸上の葉物野菜を食べるよりは
楽に栄養を摂れると思います。

それを美味しく調理して、
食欲がなくても重要な食材は完食できるように。
ということです。

後、食材の産地は
果物であれば、夏至に近い日で
同じ季節なら緯度が低いほうがいいです。
そのほうが太陽のストレスが強いからです。
魚は水の流れが速いところ。
あるいは水の流れが複雑なところ。
そういったところがいいです。
なぜなら、流れによる強いストレスに耐えるために
細胞膜を柔軟により強く、
そして細胞内外の物質の交換の性能をあげる。
この必要があるからです。
すなわち
「より過酷な環境で生きた生物。」
それが人の体にいいので、
そうした季節、産地を選ぶということです。
だから、豊後水道は流れが速いので
大分の関サバ、関アジはいいです。

農家の方はそういったことがわかっているので
水を減らすなど人為的にストレスを与えます。
でも、そういったことは
農家がどう栽培しているかの情報が
なかなか買い手ではわからないので、
基本的には季節や産地をみることになります。

そうすると患者さんの体力も回復してきますから、
今度は理学療法士の方の出番となります。
すなわち、
患者さんの筋肉量を適切な運動によって
回復させる必要があります。
筋肉量をつけるためには「効率」があります。
その効率を決めるのは
筋組織の主に筋収縮に関わる
カルシウムイオンチャンネルの数、機能、流動性を含めた
筋細胞内外の物質交換の制御性なので、
それをより引き出すための
自然な方法(メソッド)、手順(プロトコル)は、
全身のストレッチ運動が
まず、(私の)頭に浮かびます。
また、運動をするタイミングも重要です。
栄養失調になっているときには食事後となりますが、
栄養失調が解消されてきたら
徐々に運動前のエネルギー状態を減らして、
より有効に神経と運動機能を連動させて鍛えて
運動後に確実に栄養をとる。
患者さんは病院にいるわけですから、
低血糖のリスクも管理により下げる事ができます。
体力が戻らず、
患者さん自分自身でできない場合には
理学療法士が今やっているように
患者さんを力学的に支持して、
頭、手足指先に渡るまで
患者さんが自分自身で動かせないところは動かす。
また、病室内でも
できるだけ筋肉が硬直しないように姿勢を変えたり、
あるいはちょっとした患者さん自身がその場でできる
ストレッチ運動。
その意図をちゃんと患者さんに
理解してもらったうえで行っていく。
それが重要になります。
すなわち、
「筋肉の柔軟性を上げると有効に筋肉がつきます。」
「いま患者さんは筋肉が不足しているので
有効にリハビリして筋肉をつけるためには
リハ以外の時間であなた(患者さん)自身が
筋肉の柔軟性をできる限り上げておいてもらう
必要がありますよ。」
「私(理学療法士)があなた(患者さん)につける
時間も限られていますからね。」
このような説明が必要になります。
子供はちょっと理解するのが難しいかもしれません。

筋肉をつけるというのは
私も以前に先入観として持っていましたが、
必ずしも目に見える筋肥大、筋組織成長だけではありません。
特に遅筋組織でいえることですが、
筋肉を柔軟性を上げながら、
積極的に不可をかけて動かしていくと、
- 筋繊維一つ一つの分子材料としての可塑性、弾性、
- 弾性に関わるカルシウムイオンの取り込み、
- ミトコンドリア機能の改善
これらの質の改善が期待できます。
これは目には見えません。
高負荷の筋力トレーニングでも
必ずしも速筋組織がつくわけではありません(9)。
従って、しっかりストレッチしながら
有酸素運動、筋力トレーニングをしても
眼に見える形で筋組織の発達がなくても
内部が変わっている可能性が十分にあります。


患者さんにとってはちょっとしんどいですが
急性期の癌治療中にも必要なことです。
悪液質の問題は
体のエネルギー収支の問題ですから
まずは栄養(管理栄養士)
それから運動(理学療法士)。
医師(先生)と連携しながら
しっかり最適化する必要があります。


癌関連悪液質は栄養が摂れないことや
代謝系の異常であるので、
- 膵臓がん
- 肝臓がん
- 胃がん
- 結腸がん
これらで呈しやすいといわれています(1:Figure 1)。
しかし、小児がんにおいても
改善すべき、深刻な問題であると捉えています(2)。
これは栄養、運動など
基本的生活、ライフスタイルと密接に関わる症状なので
この半月間、
小児がんサバイバーシップシリーズ
- 運動
- 栄養
- 体重維持(肥満)
これらの内容と密接に関わる、
ここで調査、学習してきた内容を活用できます。
すでに上述してきたことがそうです。

当然、悪液質は他に病気を持っていることでも
重症化しやすい可能性があります。
例えば、高齢の患者さんで、
リウマチ性関節炎なども含めて
関節に病理があると、
その部分の免疫活性が上がっているため、
免疫細胞のエネルギーは
その炎症性で高まっていたり
組織を修復するにも
新たに物質を合成する必要がありますから
そのためのエネルギーを要します。


とにかくよい栄養を重要な場所に届ける。
これを考える必要があります。
進行がんの急性期治療中は
特に悪液質が生じやすく
その抗がん剤治療中も
食事(栄養)、(軽度の)運動。
これを続ける必要があると思われます。

特に栄養に関しては
癌細胞に行かないようにしたいです。
そのためにはどうすればいいでしょうか?

筋力が衰えているため
- 骨格筋
ここに届けたいです。
あるいは
- 脳
- 心臓
- 肝臓
- 腎臓
これらなどのエネルギーが必要な臓器に届けたい。
そうした場合、
やはり、「軽度の運動後」に食事をとりたいです。
運動後は心拍数が少し上がるので
心肺に対する栄養供給があがり、
当然、骨格筋を使うので
骨格筋に届きます。
脳神経は、多くの場合、エネルギー供給が優先されます。
後は、運動後はすぐにエネルギーに変わる糖と
細胞の主な材料となるたんぱく質。
このタイミングでできれば
温度の低い調理での鶏卵が食べたいです。
できれば生卵、むりならゆでたまご。
もっといいのはうずら卵です。量取らなくて済むし。

例えば、生卵とうずら卵
栄養素    鶏卵 (100g)/うずら卵 (100g)
エネルギー 151 kcal/158 kcal
タンパク質 12.3 g/13.0 g
脂質    10.0 g/11.1 g
ビタミンB2 0.50 mg/0.79 mg
ビタミンA 140 µg/300 µg
鉄分    1.8 mg/3.2 mg
リン    198 mg/226 mg 
このようになっているので
微量栄養素が多いのと、
少しずつ食べられるのがいいです。

消化器は食事をすれば、血液が集まり
エネルギーの一部が届くと思います。
従って、点滴ではなく、
管理栄養士の方が調理した、提供した食事を食べたいです。

理学療法士の方も患者さん毎
スケジュールがあると思うので、
運動後に任意に食事がとれるように
リハビリ室に小おにぎりとゆで(うずら)たまご
これらがあればいいなとは思います。
(病院なのでそうはいかないかも?)
少しでもいいタイミングに良い食材を食べると
筋肉はつきやすいとは思います。

こういった具体的な運動、栄養の事は
悪液質の(おそらくどの)総括論文にも
書かれていないけど、
悪液質緩和と予後の体重管理改善の
本質的な事に関わることなので、
案外、細かいけど重要なことです。

生物はストレスがあるとそれに適応しようとします。
そして、その後、より強くなることがあります。
逆に、ストレスがないと非常に楽をします。
そうした適応の有無での波が存在します。
しかし、神経系のメタ安定性でも
一定の振幅があるように、
そのストレス適応幅には限界があります。

がんの患者さんが栄養失調になって
すなわち悪液質を経験して、
骨格筋細胞が減少していくとき、
あるいは脂肪細胞が減少していくとき、
それらの細胞にとっては危機的な状況です。
いわば、エネルギー的なストレスを受けています。
しかし、それに適応しようとする力もあります。
従って、
残っている筋組織はエネルギーに関わる
ミトコンドリアの機能は少なくとも一部は
非常にエネルギー効率が高く
機能が上がっているかもしれません。
しかし、
やはりカケキアに罹患した患者さんの
筋組織のミトコンドリアには不全があるようです(4)。
それは、全てのミトコンドリアでは
おそらくなく、一部の機能は
むしろ上がっているかもしれないですが、
全体として
「閾値」
「適応限界」
これを超えて、機能不全になっているということです。
それだけ強いエネルギー的なストレスがかかった
ということが考えられます。
これは遺伝子構造的にも合理的に説明できます。
例えば、
エネルギー不足に陥ると
PGC-1α 
(Peroxisome Proliferator-Activated Receptor
 Gamma Coactivator 1-Alpha)
これにより
ミトコンドリアの新生(バイオジェネシス)を促進する
重要な転写補助因子が高まることが想定されます。
しかし、
度重なる、あるいは著しいエネルギー不足は
この遺伝子発現を継続的高めることになり、
それに対する自然な適応として
細胞核のこの遺伝子コーディング部位は
エピジェネティック因子によって閉じられるか、
あるいは、
酸化ストレスなどで構造が破壊されます。
それによって
ほぼ永続的に機能不全に陥ります。
すなわち「適応の限界を超える」ということです。

従って、実は私は栄養について
より健康であると「考えられる」食材を紹介していますが、
少なくとも一定の懐疑性を持っています。
「良いと考えられる食材だけを食べることが
果たしてその人の健康に必ずしもつながるか?」
ということです。
ただ、
- 高齢の方
- がんなど疾患を持っている方
- 肥満、代謝疾患を持っている方
これらの人においては回復が必要なので
それを手助けするために
良い食材をより多くの割合でとったほうがいい。
このように考えています。
それでも100%ではありません。

従って、ヒトの健康はそんなに単純ではありません。
だから、不謹慎ですが面白いといえます。
生命科学は謎だらけです。
生命を量子力学の神髄の一つである
「波としてとらえる」ということは
一つの考える方向としてありだと思われます。

脳の進化に関していうと
そういったいわば凹凸のバランスがあるとするならば、
自分の脳神経をまずは
子供に適用する前に実験的に高めるために
- 脳神経系興奮抑制系成長ストレス
- ストレスを支える最適な栄養供給
このバランスをとることを考えます。
すなわち
成長のストレスもないのに
過剰な栄養を与えると脳は逆にバランスを崩す。
そうではなく
十分な成長ストレスを与えながら
それに合った栄養を届け続ける。
それをまずは自分、私自身の脳で試すということです。
それで自分の中で
「ほぼ間違いない」という確信が持てたら、
私よりもはるかに長い時間を有する
次世代の子どもに提案するということです。
「これは大きなテーマですが、
私の中心的活動ではありません。」
しかし、私自身に対する実験は
どんな環境であれ考えて
日常生活に組み込んでいくので
これから続くことになります。
薬物の臨床試験は私一人ではできませんが、
ライフスタイルの介入は
私一人でも実験的に行うことができるからです。

話は少し癌関連悪液質に対して脱線しましたが、
悪液質が患者さんに対して顕性の健康問題となるのは、
それが「限界を超えている」からです。
逆に言うと
日常的な限界を超えないエネルギーストレスは
むしろ人の成長、健康のために必要ということ?
このような可能性があります。
例えば、明らかな証拠はないものの
私たちの上皮性細胞は常に細胞分裂していますから
一定のコピーミスがあり、
その中で癌細胞かする細胞はあると思われます。
免疫システム以外にも組織学的な駆逐機構がありますが、
それ以外にも、日常的に一定時間、
エネルギー不足で脂肪酸代謝(ケトン体代謝)とすることは
こうした脂肪酸を癌細胞はエネルギー源としにくいので
癌細胞が顕性となる前に消滅しやすい
可能性があることと、
通常細胞の日常的にエネルギー的に鍛錬されることで
ミトコンドリアなどのエネルギー取得機能が向上する
ことが期待されます。
ただ、こうしたことも統計的な観点で考えると
一定のリスクがあり、程度があると思われます。


こういう観点で見ると
患者さんの体全体、組織間、組織での
つながり、影響、ネットワークがあり
決して1細胞レベルで独立ではないですが、
こうした適応限界論も統計性を持ちます。
すなわち
悪液質に呈してる骨格筋、脂肪組織の
細胞の中に非常に高性能な細胞がいるはずだ。
この可能性は頭においておくべきことです。
なぜなら、
そんなエネルギー不足の環境の中でも
なお生き残っているからです。
全ての細胞が限界を超えて、
「Exhausted」疲弊しきっているわけでは
おそらくありません。

では、ここでAI(人工知能)の力を借ります。
私はこのような質問をしました。
上の段落が成り立つとして、、、
こうした高性能の細胞の勢力を上げるためには
どうしたらいいですか?

(Open AI回答)
悪液質のような全身性のエネルギー不足や代謝変調においても、
生き残っている「高性能な細胞」に注目するのは
非常に有意義です。
こうした細胞は、環境の厳しさに対して適応力が高く、
適切な条件下で再び組織や
全身の回復を促す可能性を秘めています。
このような細胞の「勢力を上げる」ためには、
以下のアプローチが考えられます。

1- エネルギー供給の最適化

1.1- 栄養療法の見直し

1.1.1- ターゲットを絞った栄養補給
特定のアミノ酸(例: ロイシンやグルタミン)は
筋肉タンパク質の合成や代謝の補助に重要です。
これらを点滴や経口で適切に補うことが、
細胞の機能をサポートします。

1.1.2- ケトン体
エネルギー源として利用しやすい
ケトン体(β-ヒドロキシ酪酸)は、
悪液質環境でエネルギーを
消費しやすい筋細胞の代謝を助ける可能性があります。

1.2- 血流改善
栄養素や酸素の供給を改善するために、
血流を適切に調整(例: 運動や薬剤)することで、
エネルギーを必要とする細胞に資源を集中させる。


2- 細胞内シグナル伝達の強化

2.1- PGC-1αの活性化
PGC-1αは、ミトコンドリアの新生と
代謝効率の向上を促す重要な因子です。

2.1.1- 運動:
低強度の運動はPGC-1αの
発現を高める可能性があります。

2.1.2- 薬剤:
AMPK活性化剤(メトホルミンやAICARなど)も
PGC-1αを介してミトコンドリアを活性化します。

2.2- アンチオキシダントの利用
過剰な酸化ストレスを抑えるため、
Nrf2シグナル経路を活性化する
化合物(例: スルフォラファン)が
高性能細胞の維持に役立つ可能性があります。


3- 高性能細胞の選択的な支援

3.1- 細胞間競争を考慮した戦略

3.1.1- 悪液質では、エネルギー効率が
低下した細胞(疲弊した細胞)も
同じ組織内に存在します。
そのため、高性能細胞にエネルギーを
集中させる環境を作ることが重要です。

3.1.2- 代謝モジュレーターの使用:
AMPKやmTORを選択的に調節する薬剤で、
エネルギー効率の低い細胞を抑制し、
高性能細胞を活性化。

3.2- 高性能細胞の増殖

3.2.1- 細胞治療:
高性能細胞を生体外で培養し、
増やした後に移植する可能性。
例えば、間葉系幹細胞を用いた
再生医療が適応されるケースもあります。


4- 全身的な環境の最適化

4.1- 炎症の制御

4.1.1- 悪液質は炎症性サイトカイン
(TNF-α、IL-6、IL-1β)の上昇と関連しています。
これらを制御することで、
高性能細胞への負担を軽減できます。

4.1.2- 抗炎症薬(例: IL-6阻害剤やコルチコステロイド)や
抗サイトカイン療法を検討。

4.2- ホルモンバランスの調整
成長ホルモンやインスリン様成長因子(IGF-1)は
筋肉の維持に寄与します。
これらを補充することで、
高性能細胞の活動を支援します。


5- 心理的・神経的アプローチ

5.1- ストレス軽減:
神経系はエネルギーバランスや
組織機能と密接に関連しています。
慢性ストレスを軽減することで
細胞の機能を間接的に改善可能です。

5.2- 神経栄養因子(BDNF):
これが活性化すると、
エネルギー代謝や再生力が向上する
可能性があります。


6- 高性能細胞の特性の理解と活用
最新のシングルセル解析技術で、
悪液質環境下でも高いパフォーマンスを
維持する細胞の遺伝子発現プロファイルや
代謝経路を特定し、その特性を模倣する
治療を開発することが考えられます。

(Open AI回答終わり)

私が重要だと考えるのは
- 最終的に増殖能力のある高性能な細胞を探す
ということです。
さらにいえば、
- 再生能力の高い組織を優先する
ということです。
再生能力の高い細胞は
一般的に上皮細胞ですから、
上皮組織の基底層の幹細胞も含み、
その組織を如何に回復させるか考えます。

カケキアの場合は骨格筋の退縮ですから
骨格筋は再生能力がサテライト細胞によってあるので
よい細胞、組織を探すことになると思いますが、
自然とリハビリテーションすればそうなると思います。
なぜなら、
進化の選択則から考えると
生命力のある細胞、組織が支配的になるからです。
それは癌の進化でもそうなります。
従って、
小児がんでカケキアになって
筋組織が退縮したとしても、
その後、その子が頑張ってリハビリして
筋組織を取り戻したら、一定の損傷は残るだろうけど
それを逆に一部補償(適応強化)する形で、
良い状態で成人を迎えられる可能性もあります。
従って、
小児がんサバイバーの人にいいたいです。
「あきらめないで頑張ろう」ということです。


悪液質を呈している患者さんでは
1日平均に1,200kcalも不足していることがあります(5)。
さらに
通常細胞の代謝機構であるミトコンドリアを使った
好気性(酸素を使った)の 酸化的リン酸化(OXPHOS)は
細胞のエネルギーであるATPを
1分子のグルコースから30分子ほど生み出すことができますが、
そこまでの酵素を使った化学反応プロセスが多く
エネルギー生成まで一定の時間を要します。
しかし、
癌細胞や癌細胞を攻撃している免疫細胞は
嫌気性(酸素不要)の糖代謝であり、
1分子のグルコースからOXPHOS経路の
おおよそ1/15の2分子しかATPを生み出せない代わりに
スピードが速いという特徴があります。
従って、
癌細胞やエフェクター免疫細胞と
通常細胞のエネルギー的な競合が生じたとき
どうしても癌細胞などに
通常細胞は負けてしまう特徴があります。
このことが
癌細胞のエネルギーを供給しないで
骨格筋、脳、心臓、肝臓、腎臓など
エネルギーが必要な臓器、器官に
特異的に不足したエネルギーを送ることを
潜在的に難しくしています。
従って、
癌細胞がエネルギーとして利用しくい
ケトン体をエネルギー供給源とすることは
一つの戦略です。
但し、マウス肺がんのケースでは
こうした戦略は改善を示さなかったとされています(6)。


癌細胞は分解性を持つ内分泌物質を出します。
それは無秩序な部分と、
癌細胞の生存戦略的な側面があります。


1- 自身のエネルギーや資源を確保するため
癌細胞は高い増殖能力を持ち、
通常の細胞よりも
大量のエネルギーや栄養素を必要とします。
そのため、以下のようなメカニズムが考えられます。

1.1- 周囲の組織を分解して栄養素を供給する
癌細胞が分泌する物質
(例:TGFβ、アクチビン、ミオスタチン)は
骨格筋のタンパク質分解を促進します。
この分解により遊離アミノ酸が血中に供給され、
癌細胞がこれを利用する可能性があります。

1.2- 脂肪組織を分解してエネルギー源を得る
癌細胞が分泌する
アドレノメデュリンや他の因子は
脂肪分解(リポリシス)を促進し、
血中に放出された遊離脂肪酸を
エネルギーとして利用します。

従って、体の糖や中性脂肪を貯蔵している
主な骨格筋、脂肪細胞から
体の自然な適応とは別の機序で
癌細胞が積極的に生存戦略として
これらのエネルギー源を
自身のATP合成の代謝資源として
利用できるように分解するということです。


2- 癌の進化的適応としての生存戦略
癌細胞が分泌する物質は、
単にエネルギーの確保にとどまらず、
以下のような効果を持つことも知られています。

2.1- 周囲の環境を癌細胞に有利にする
炎症性サイトカインや分解促進因子は、
周囲の正常細胞の代謝バランスを崩し、
癌の増殖や転移を助ける可能性があります。
また、免疫抑制環境を作り出すことで
、癌細胞が免疫系の攻撃を
逃れやすくなる効果も考えられます。 

2.2- 競争相手を排除する
周囲の正常細胞が分解され、機能を失うことで、
癌細胞が利用できる資源が増えると同時に、
競争相手が減少します。


3- 無秩序な分泌としての側面
癌細胞は遺伝的・分子的異常を多数抱えており、
それが分泌物質の調節にも影響を及ぼしています。
その結果、一部の分泌物質は
「癌細胞にとって直接の利益にならない」
この場合もあります。

癌細胞が持つ増殖促進シグナルや
転写因子の異常が原因で、
正常な調節機構が失われ、
必要以上の分泌が起こることもあると考えられます。

ただし、このような一見無秩序な現象も、
癌細胞の適応や進化の過程で淘汰されるため、
長期的には癌の生存に
有利な方向に向かうことが多いです。

上述したように視床下部は
抗がん剤による治療の影響も考えられますが、
上述した癌細胞が放出する
炎症性サイトカインが
エネルギー不足状態で循環が亢進していると
考えられる循環器から多く脳の視床下部に
送達されて、その信号により
視床下部依存的に食欲不振が生じることがあります。


悪液質が臨床症状に悪影響を及ぼしうる基準。
それは体重減少が5%以上です(7)。
また、悪液質が生じた場合、
がんの予後、生存率に悪影響を与えやすい癌は
消化器性のがんです。
- 大腸がん
- 肝胆道がん
- 胃食道がん
これらです(8:Fig.1)。
※すい臓がんは調査に含まれず。


がんによる体重減少で生じうる症状として
- 痛み
- 吐き気、嘔吐
- 歯科的問題
- 嚥下障害
- 早期満腹感
- 食道閉塞
- 吸収不良
- 内分泌および代謝障害
- 不安、抑うつ、ストレス
- 睡眠障害
これらがあります。
これらの多様な症状を薬物で緩和することは、
はっきりいって難しいのではないかと思われます。
局所的には効果はあるかもしれません。
しかし、基本的には
栄養、運動、呼吸など
生活において最も基本的なところを
どうやってしんどい状況で改善させられるか?
正のスパイラルに移行できるか?
それを個別の様式、手探りで見つけていく必要があります。
理学療法士の方の時間が限られるので
現実的には困難だと思われますが、
その解決手段(ソリューション)について
少し考える事をここで試みます。

運動といっても有酸素運動ではなく
基本的にその場でできる
筋肉の曲げ伸ばしによる
ストレッチ運動、体操を考えます。

痛い、気分が悪い、やる気がでない。
こういったことも考えられますが、
慢性腰痛と同じように
ベストなコンディションではないわけですから、
安静にするだけではなく、
少し頑張って、体を適度に積極的に動かしていく。
それが必要だと思われます。

基本的には大きな筋肉、広範囲のを
ゆっくり動かすことを考えます。
- 腰から上の体をゆっくり回す
(特に腰回り、上の上半身の筋肉の多くが伸長する)
- 足を延ばした状態でゆっくり上半身を前屈する
(両足後方部全体が伸びる)
- 両肩を動く範囲でいいので背中を意識してゆっくり回す
(肩周り、肩甲骨周りの筋肉が伸長する)
- 正座してゆっくり上半身を後ろに傾ける
(太もも前側の筋肉が大きく伸長する)

もう、これだけでいいです。
これを間を空けながら1日5回を目標に。
できれば、タイミングは食事前にしたい。

本当はもっと色んなストレッチをしたいけど、
これだけでも大きな筋肉が広範に動くので
少し患者さんの状態に変化がでるかもしれません。
- 心の状態がよくなる
- 睡眠の質が少しよくなる
- 唾液が出てくる
- 食欲も少しでてくる
- 寝ていて生じる痛みが緩和する
- 吐き気が少し緩和する
こういったことが生じる可能性もあります。
(わかりません。患者さんによる?)
これなら歩くとか、走るとか
有酸素運動よりも軽い運動なので、
病室にいる患者さんでも毎日できる可能性があります。
ただ、状態が悪くなった時の対処があるので、
医療スタッフがついていないといけないから
人的資源の観点で基本的には難しいけど、
ダメ元でとりあえず書いてみました。

基本的に私もそうでしたが
体が硬い人は、ストレッチに対して嫌悪感があります。
なぜなら、ストレッチをすると
自分の体がいかに硬いかがわかるからです。
ストレッチ運動が習慣化している人は
一般的に体がすごく柔らかい人がしている
イメージがどうしても頭にあるからです。

伸ばしたら筋組織も少し痛むこともあります。
有酸素運動、スポーツ、バランス運動。
なんでもいえますが、
自分の尺度、程度で
少し難しい程度の運動をすることが
その人にとって高い意義があります。
例えば、
前屈にしても床に手がつかない。
そうすると体が硬いとなりますが、
別に、床に手がつかなくても、
指先が床から20-30cm上でも
今曲げられる程度の少し下くらいで伸ばして
それほど長くない時間を1日に5~10回程度する。
そうしたストレッチ運動を全身でする。
有酸素運動、バランス運動もそうです。
「これが脳にいいんだ。」
このように思いながらすると
積極性も出てきて、持続可能性も高まります。
他の人と能力を比較する必要はありません。
学生さんであれば、
こうしたことは勉強の質にも影響を及ぼします。
勉強ができる人にとったら、
体が硬いことはむしろどうでもよくて、
そこを自分の程度、尺度で動かすことで
勉強に好影響があるんだったら、
それは「取り入れよう」となります。


カケキア(悪液質)になると
体全体が顕著なエネルギー不足になります。
それは悪性度高い癌も含めた
あらゆる癌細胞においても同様です。
すなわち癌細胞もエネルギー不足で困っている状態です。
そうすると
癌細胞はどういった適応をとると考えられるでしょうか?
基本的にエネルギーを消費しにくい
癌細胞の型への変換が
一定の癌細胞群で生じる。
そうした圧力がエネルギー的に生じても
不思議ではありません。
癌細胞がエネルギー消費を減らす
可能性がある形質転換としては
- 癌幹細胞化(Cancer Stemness)
- 間葉転換(Epithelial-to-mesenchymal transition (EMT))
- 休眠(Cancer dormancy)
これらが挙げられます。
例えば、悪液質の時に癌細胞から分泌される
サイトカインである IL-6 and IL-8は
 ZEB1, ZEB2, SNAIL, SLUG, and TWIST
これらなど間葉転換、転移を促す
転写因子を高める効果がある可能性があります(10)。
エネルギー的観点から考えると
癌細胞がエネルギー消費をしない
休眠状態に一部、転換圧がかかるのは当然であり、
悪液質、すなわちエネルギー不足と
癌幹細胞化の関連も指摘されています(11)。
他方で
悪液質と癌細胞の休眠の関係性についての
研究は不足しているか、その証拠はありません。
ただ、上述した適応の理屈から
つながりがあっても不思議ではありません。

基本的にすい臓がんなど悪性度の高い癌は
一般的に悪液質になりやすいとされていますが(1)、
その理由は、急激なエネルギー需要の上昇に
体が追い付かないということもあると思います。
もし、そうしたエネルギー不足に対する
一定の癌細胞の適応として
よりエネルギー消費の少ない状態への
形質転換圧が生じるとすれば、
間葉系癌細胞のように増殖圧がない細胞への
形質転換が一部で促進され、
それが結果として転移につながる。
そうしたことも考えられます。
転移先では再び、組織が小さいことも作用して
局所的なエネルギー取得が
容易になる可能性も考えられます。
そうすると間葉形質から
再び、上皮形質に変わる可能性もあります。


こうした不活性な癌細胞が増えると
例えば、一時的に急性期治療が奏功したとしても
残存病変として多く残ることになり
再発のリスクが高まる可能性があります。
ただし、悪液質の有無は
再発のリスクに差がなかった
このような研究が子宮内膜がんで示されています(12)。


悪液質は体全体の栄養バランス、
癌細胞を含めた細胞への影響供給。
それを考える事に一つとして帰結しますが、
上で述べたこと以外の観点として
基質としての細胞外マトリックスが
どのように細胞への栄養供給に影響を与えるか?
それが存在します。
癌細胞の多くは組織学的に(毛細)血管から最も遠い、
すなわち、
- 血管壁(内皮、中皮、外皮)
- 間質(線維芽細胞、ECMs)
- 基質(細胞外マトリックス(ECMs))
これらをはさんで内腔の外側に
一連の層として形成されます。
例えば、消化器の場合はその上皮は湾曲して
ひだを形成します。

栄養は毛細血管から供給されますから、
細胞への栄養供給を考えたとき
間にある組織がそれにおいて
何らかの重要な役割を持っていても不思議ではありません。
特に上皮組織の基盤、基質として
インテグリンを関節として
コラーゲン、ヒアルロン酸をはじめとして
細胞外マトリックスが層状に形成されています。
この幾何構造は腫瘍組織では
結節、浸潤があるため、崩れる部分はあります。
それでも、一定、基質が存在します。

細胞外マトリックスの細胞への栄養供給における
役割を以下にまとめます。

1- 栄養素のバリアとしての役割
ECMは、細胞外で
- 栄養素
- 酸素
- 二酸化炭素
これらなどの物質が細胞と毛細血管の間で
効率的に移動するための障壁を形成します。
これは、栄養素の拡散を
コントロールする役割を果たし、
細胞間での物質移動の速度や効率を調節します。
例えば、ECMが厚く、構造的に密な場合、
栄養素は一定、ECMsに捕獲されたり
その網目構造が障害となるため、
栄養素の移動は「遅く」なることがあります。
一方で、ECMが適切に調整されると、
物質の拡散が最適化されます。

2- 栄養素の保持と放出
ECMの成分(例えば、ヒアルロン酸やコラーゲン)は、
水分を保持する能力があります。
これにより、血管から栄養素が放出され、
ECM内に保持されるとともに、
細胞が必要とする栄養素を効率よく供給できるようにします。
また、ECMに結びついている
成長因子やサイトカインは、
細胞に栄養供給やシグナルを提供し、
細胞の状態を調整するのに役立ちます。
これにより、栄養素の送達が
細胞のニーズに応じて調節されます。

3- 細胞の移動と配置調整
ECMは細胞の配置や移動をサポートします。
例えば、細胞が栄養素を求めて
血管に向かって移動する場合、
ECMはその移動を調整する役割を果たします。
細胞の接着分子(インテグリンなど)を介して、
ECMは細胞の動きを調節し、
血管からの栄養供給を
より効率的に行えるようにします。

4- 血管新生の誘導
ECMは血管新生(新しい血管の形成)を
誘導する因子を放出することもあります。
例えば、血管内皮成長因子(VEGF)などの
因子がECM中に含まれ、
これが毛細血管の形成を促進することによって、
細胞への栄養供給が強化されます。
新しい血管が形成されると、
栄養素の供給がさらに効率的になります。

5- 細胞-ECM相互作用を通じたシグナル伝達
細胞はECMと相互作用し、
特定のシグナル伝達経路を活性化することができます。
この相互作用により、
細胞は周囲の環境に応じて、
栄養素の取り込みや代謝活動を調整します。
]例えば、細胞のインテグリンは
ECMとの接触を通じて
栄養素の取り込みを調節し、
細胞の代謝状態に応じてエネルギー供給を最適化します。
例えば、栄養の細胞内外の交換に関わる
いくつかのチャンネル構造の開閉に
こうした細胞外マトリックスと
細胞接着分子、
すなわちインテグリンが関与している可能性があります。

結論
上皮組織の細胞外マトリックス(ECM)は、
栄養素供給において単なる物理的な支持構造だけでなく、
栄養素の保持、放出、拡散、さらには
血管新生やシグナル伝達に関与しており、
細胞への効率的な栄養供給を促進するために
非常に重要な役割を果たしています。


例えば、福山型筋ジストロフィーでは
糖鎖の修飾に関わる酵素の欠損により、
α-dystroglycan(α-DG)とい
うタンパク質の糖鎖修飾が異常になります。
α-DGは、細胞膜にある重要なタンパク質で、
筋肉の細胞外マトリックスとの結合に関与しています(13)。
この糖鎖異常により、
α-DGが正常に機能せず、
筋肉の細胞外マトリックスとの接着がうまくいかなくなり、
筋肉の構造が破壊される原因となります。
これは筋肉における
機械的連結の不可欠性を実証するものですが、
もう一つの理由としては
糖鎖が不足して、筋組織が必要な栄養素である
糖を毛細血管から効率的に取り込めない。
このことも筋肉の異常に関与しているかもしれません。

これが悪液質となんの関係?
それについて以下に説明します。

上皮細胞性の悪性度の高い癌細胞は
同じく上皮細胞のように基質を持ち、
そこに細胞外マトリックスの層を形成します。
細胞外マトリックスはたんぱく質だけではなく
側鎖として糖を持つことがあります。
他方で、ヒアルロン酸は親水性であり
多糖構造です。
従って、細胞外マトリックスの中で
タンパク質を骨格とする材料とは異なります。
このヒアルロン酸は女性の人はご存じと思いますが、
皮膚の保水性に関与します。
これはミクロにみれば、多糖が親水性で
水分子と良く結合し、水分を
折りたたみ構造内に取り込むからです。
このヒアルロン酸は多糖ですから
糖と当然、相互作用が多いです。
従って、毛細血管から滲出してきた
栄養素としての糖と積極的に結合して
水分のように多く構造内に取り込みます。
それが糖の容量、貯蔵庫となり、
安定的に細胞に糖を供給できる構造、
周辺環境が出来上がります。
従って、
福山型筋ジストロフィーのように糖の構造に
遺伝子的に影響が出ると、
機械的、骨格としての異常だけではなく
栄養、特に糖の取り込みに
異常が出ても不思議ではありません。
逆に
癌細胞でエネルギーの取り込みの上手な
悪性度の高い組織は
基質の糖鎖、ヒアルロン酸が多く、
周りに多くの水分があるはずです。

果たしてそうか?
実際に、Google AIでは
悪性度と水分に正の相関があることを示しました(14)。

従って、悪性度の高い癌細胞の新手の治療、
あるいはカケキアの解消として
癌細胞周辺の糖を分解することが挙げられます。
それによって
糖の取り込み効率が下がるため
癌細胞はそれに適応して、
転移しやすくなるかもしれないですが、
その場での細胞増殖は糖の貯蔵庫を
部分的に破壊することで減らせる可能性があります。


上述したように悪液質が生じやすいがんは
治療が困難なすい臓がんです。
従って、早期発見が好ましいです。
実は、悪液質は
すい臓がんと診断される
6 - 18か月前に症状として現れることがあります(15)。
従って、すい臓がんと疑われる症状、

1. 腹痛
上腹部や背中の痛みが多い。
痛みは徐々に悪化し、食後に強くなることもあります。

2. 黄疸(おうだん)
皮膚や眼球が黄色くなる。
膵臓がんが胆管を圧迫することによって、
ビリルビンが血液に漏れ、黄疸が発生します。

5. 消化不良
膵臓がんが膵臓の消化酵素の分泌に
影響を与えるため、
膨満感、ガス溜まり、
または胃もたれが発生することがある。

6. 悪心・嘔吐
特に食後に気分が悪くなり、嘔吐を伴うことがある。

7. 便の色の変化
明るい色の便(灰白色または粘土色の便)が
見られることがあり、
これは胆汁の流れが阻害されることによるものです。

8. 尿の色の変化
尿が暗くなることがあり、
これもビリルビンの増加に関連しています。

9. 血糖異常
膵臓ががんに侵されると、
インスリンの分泌異常が生じ、
糖尿病の症状が現れることがあります。
特に新たに発症した糖尿病が
膵臓がんの前兆であることもあります。

10. 背中の痛み
膵臓ががんに侵されると、
背中の痛みが現れることがあります。
痛みは放散することがあり、
前かがみになると軽減することがあります。

11. 血栓症(深部静脈血栓症)
膵臓がん患者では、血栓が形成されることがあり
足の腫れや痛みが現れることがあります。

12. 膨満感・腸閉塞症状
がんが膵臓周囲の組織や血管に広がると、
腸管を圧迫して、便秘や膨満感が生じることがあります。

13. 全身倦怠感
疲れやすく、無力感を感じることがあります。

14. 軽度の発熱
進行したがんでは、微熱が続くことがあります。

これらの症状が多くあてはまり、
かつ
3- 食欲不振
4- 体重減少
これらの悪液質様の症状が出ている場合には
すい臓がんであることを疑って
精密検査することが好ましい可能性があります。
特に筋肉量の低下が
脂肪量の低下よりもかなり早く生じることがあるので(16)、
体重減少の理由が筋肉の低下にある場合。
運動能力の低下を患者さんが感じるなども含めて
早期診断の基準の一つにしてもいいかもしれません。
筋肉が先になくなるのは
癌がエネルギー源として
脂肪酸よりも糖を利用しやすいからです。

より正確には筋肉に含まれる
直接的な糖(グリコーゲン)の量はわずかですが
筋肉のタンパク質をアミノ酸に分解して
(糖原性アミノ酸(例:アラニン、グルタミン、セリン))
それを肝臓、腎臓で糖新生します。
- アラニン→ピルビン酸(トランスアミナーゼ反応)
- ピルビン酸→オキサロ酢酸(ミトコンドリア内)
- オキサロ酢酸→リンゴ酸
- リンゴ酸→オキサロ酢酸(細胞質)
- オキサロ酢酸→ホスホエノールピルビン酸(PEP)
- PEP→フルクトース-1,6-ビスリン酸
- フルクトース-1,6-ビスリン酸→フルクトース-6-リン酸
- フルクトース-6-リン酸→グルコース-6-リン酸→グルコース
これらの経路で最終的に糖が新生されます。

脂肪組織は多くは中性脂肪で
元々、エネルギー不足時の分解が遅れる組織であり、
かつ、分解した脂肪酸を癌はエネルギー源としにくい
傾向にあるので、糖がある筋肉が先に失われます。
従って、
患者さんの筋肉の減少が急速であるとき。
この時はより強い注意、疑いが必要になります。

このように筋組織に異常が出やすいことは、
骨格筋以外の筋組織でも懸念が生じます。
例えば、生命活動に密接に関わる
心臓の心筋組織の糖は癌細胞に
エネルギー源として奪取されることがあるか?
カケキアと心臓の不全についての
研究は多くはないものの、
そうした関連性の懸念が一部で表明されています(15)。
他方で、一般的な症状として
心臓の機能が改変されることが示されています(21)。
具体的には心臓退縮による心拍の上昇です。
従って、具体的な研究はあまりないかもしれないですが、
実際にカケキアによって
心筋細胞が分解されている可能性が示唆されます。

他には
体が著しくエネルギー不足なると
特に足先など体の先端部での浮腫が懸念されます。
実際に私が栄養失調になったときには
足がパンパンに膨れ上がりました。
その理由は後になって
自分で考えて自明になりました。
すなわち、
(栄養が届きにくい)
組織がエネルギーを取得しようと
血管障壁の一部を破壊して
血管組織内外の浸透圧の調整が乱れ、
水が組織に滲出し、足に水膨れができます。
こうした関連は
科学論文では指摘されていません。

血管壁が平滑筋細胞の退縮だけではなく
組織のエネルギー不足の適応として
血管壁をリーキーにさせる可能性があることは
感染症へのリスク、敗血症へのリスク。
これが懸念されます。
実際に私が極度の栄養失調になったときに
感染症になったのは
こうした血管壁の透過性の向上。
これが関係していた可能性があります。
元々、運動していて体が強かったためか、
敗血症までには至らず、死は免れました。
実際に
がんの共通的な合併症に敗血症があります(17)。
特に悪液質、エネルギー状態不足による
血管のリーケージが指摘されているわけではないですが、
基本的な病理として当てはまるかもしれません。
がんに対して敗血症の合併が生じると
相当治療は難しいと思われます。
おそらく死亡率は非常に高いと思われます。


なぜ、視床下部が障害されると
食欲の過剰な増進ではなく、抑制されるのか?
ひょっとすると腫瘍が解消したときに
リバウンド、すなわち逆の現象が生じる可能性もありますが、
悪液質が生じているときの
視床下部の炎症はラットのモデルですが(18)、
食欲を増進させる
- 神経ペプチドY(NPY)
- アグーチ関連ペプチド(AgRP)ニューロン
これらの活動を低下させる一方で、
食欲を抑制する
- プロオピオメラノコルチン(POMC)ニューロン
これをを活性化します。
このような現象が生じれば、
視床下部はエネルギー不足状態にあっても
食欲を増進する信号を送らず、
食欲不振を助長することになります。


食欲の内分泌物質の代表的なものは
胃から分泌されるグレリンです。
日本の京都府立医科大学を中心とした研究チームが
フェーズ2の臨床試験として
非小細胞性の肺がんの患者さんに対して
Anamorelin (ONO-7643)と呼ばれる
グレリンアゴニスト(亢進薬)を投与した結果
投与量依存的に体重が増えていることが確認されました(19)。
アメリカのフェーズ2治験でも
同様の体重増加の効果が確認されています(20)。
投与のタイミングは
食事前が当然いいと思われますが、
血糖値が一番下がる朝がいいのか
それとも夕食前がいいのかはわかりません。
あるいは食事前の3回分けて投与もいいかもしれません。
いずれにしても血糖値、
また、それに紐づくバックグラウンドのグレリンレベルは
起床時間の中で常に変動していると思われるので
付加的にグレリンアゴニストを
どのように患者さんに投与するかの
最適化は一つの重要な項目として存在すると思われます。


基本的に個体内(それぞれの患者さん体内)に
顕性の癌細胞群、腫瘍組織があるときには
一番、広く知られているのは免疫系による対抗ですが、
免疫系だけではなく、私たちが考えている以上に
体全身の臓器、組織、循環器が関与している可能性があります。
例えば、骨の健康は骨とは離れた場所にできた
腫瘍組織においても、
その腫瘍組織を制御可能な大きさにまで
勢力を下げることに一部貢献するかもしれません。

このような体全体の考え方に基づくと、
顕性がんがあるときには
体の中の悪性組織と良性組織の戦いです。
悪性組織に勝つためには
数、質、協力(連携)が必要です。
今はそのために医学、医療、薬学が力を貸してくれます。
しかし、薬も完璧ではなく副作用もあることから
全てが全て味方してくれるわけではありません。
より総体的に、全体的に
顕性がんを患者さんが自立した形で
制御可能な大きさ以下までに減らすための
おそらく上位3番目までに入る合理的な戦略は
体全体の健康、良性を高めるということです。
すなわち
病院では患者さんは安静、寝ていますが、
寝たきりの生活が決して健康につながらない。
このことは周知の事実です。
しっかり食べて、
しっかり太陽を浴びて、
しっかり運動して(遊んで)、
しっかり排出して(便、尿)、
しっかり寝る。
子供をモデルにするとこれが健康的な生活です。
カケキア、悪液質では
少なくともこれらのうち3つ、
下手したら全てに障碍がでます。
薬の力を借りながらも、
こういった基本的生活を戻していくことをしないと
顕性がんに太刀打ちするのは難しいです。
病院でも外に出るというのは
確かに感染症などリスクはあるのですが、
庭や屋上に出て少し太陽を浴びる
ということは案外重要かもしれません。

特にもともと体力が弱っている高齢の方はそうです。
いきなり理想的な生活はできませんから
運動も歩くことができなくても
動くことができれば、
動ける範囲で少ししんどいかなと思える程度に
がんばって、動かしてみる。
どのみち癌ではなくても、顕性疾患のない人でも
こうしたちょっとした頑張りは日常的に必要です。
例えば、ジョギングが趣味の人は、
「いつもはキロ5分だけど今日は5秒だけはやめよう!」
こういったことはあるかもしれません。
病気であっても、
その程度が変わっているだけ。
続けていれば徐々に健康状態に近づいていく。
そのように思えれば、それが伝われば、
動作の結果も心理的な面も作用して変わるかもしれません。
少なくとも私が栄養失調かつ感染症で
病室にいるときには
食べることの重要性は教授しましたが、
こうした説明は医療スタッフからありませんでした。


上述したように体の中に癌があると
炎症性、エフェクター免疫細胞が動員されるため
これらの細胞が細胞死圧をかけるために
迅速かつ多くのエネルギーを必要とするため
解糖系の速やかな代謝機構で
大量のエネルギーを消費します。
こうしたことは
一般的に炎症性がある好中球でも同様です(22)。
(機能:速やかな異物の排除)
この好中球とリンパ球の比率が高いことが
悪液質で生じることがありますが、
この比率が高いと予後は悪くなります。
(死亡率:HR1.51(23))。
好中球が多くなる背景は
それだけ体全体に異物が多いからですが、
当然、全身の血液にエネルギーを多く消費する
好中球が相対的に多いということは
より体のエネルギー不足を助長する形になります。


エネルギー不足になると
体のエネルギー供給優先度の低い
より大きな組織の物質がどんどん分解されて、
それが癌細胞、免疫細胞などに供給されることになるし、
また、生命活動に重要な脳、心臓、肝臓などに供給されます。
そうすると体全体の組織としての
バランスが崩れてきます。

体に占める割合が多いのは
1st- 水分(体液) 体重の約60%
2nd- 骨格筋 体重の約35~40%
3rd- 脂肪 体重の約15~30%
4th- 骨 体重の約15%
5th- 内臓 体重の約7~8%

内臓全体で体の体重比7%程度しかありませんし、
水はエネルギー源として利用できないので
悪液質で最も問題となるのが
体重比が多い骨格筋で、
その次に脂肪細胞となります。
これはすでに示されていて
それだけ大きな組織ですから
エネルギー源として優先的に利用されることは
当然の帰結ではあります。
では、その次には?
それは骨です。

(21:Fig.1)に示すように
骨では骨の組織を分解する破骨細胞が
骨芽細胞に対して悪液質の状態では活性化されます。
この背景には
体の重さの15%を占める骨の材料も
上述した優先される細胞、組織に
エネルギーを供給されるために使われる
ということです。
例えば、骨には有機質として
タンパク質が含まれますが、
このたんぱく質が骨格筋のたんぱく質と同じように
糖新生のための材料として利用される可能性があります。
結果、骨がもろくなる可能性があります。
実際に骨の負の代謝回転が生じることが
症状として確認されています(24)。

上述したように骨の重量比は非常に大きいですから
エネルギー不足、すなわち悪液質で
悪影響を受けやすい組織となります。
こうしたことが
小児がん、子どもで生じると
特に筋肉、骨の発達は非常に重要であり、
こうしたことが生じることは非常に懸念されます。

特に骨は回復速度、完全修復率が低いです。
すなわち、一度、壊れたら
回復まで時間がかかるし、
回復しても損傷、欠陥が残りやすいです。
従って、より骨の損傷が懸念されます。

上述したことから、
骨によって破骨細胞の相対比が高まるのは
極度のエネルギー不足に陥ったときの
体の適応ととらえることもできます。

従って、根本的な対策は
体にエネルギーを継続的に供給しないといけません。
当然、自然食品による食事が一番理想的ですが、
むずかしければ、
食べやすい栄養補給商品
- カロリーメイト
- ウィダーインゼリー
- ネスレ コンディショナル ナチュラル(リキッドタイプ)
- ミニッツメイド エナジー
- ソイジョイ
- パワーバー
- アサヒ シェイクアップ
- グリコ エネルギーバー
、、、
(商品紹介が漏れたもの、申し訳ありません。)
これらなどが点滴よりはいいはずです。
なぜなら、消化器を使うからです。
食欲がなくても患者さんは食べやすいかもしれません。

それもむずかしければ、点滴ということになります。
点滴は当たり前として医療機関では
栄養不足の人に対して
食事と補助的(補完的)にも供給されています。


基本的に進行がんの患者さんは
特に子供がそうですが、
できる限りの運動と同様に栄養が重要なことは自明です。
私がこの半月間
自分に対するライフスタイル介入で
一番の発見だと思っていることは頻度です。
すなわち、
今までストレッチを1日5回以上する発想すらなかったし、
運動前後にするものだと思い込んでいました。
でも、筋肉の細胞生物学、組織学的なことを知り、
「いや、そうではないでしょ。」
ということがわかりました。
基本的に運動前後よりも食事前がいいし、
その頻度も無理がなければ多くして、
1回の負担を減らせばいいです。
すなわち分散させるほうがおそらく効果的です。

今の現代人は明らかに食べ過ぎ、オーバーカロリーなので
肥満が問題となっているわけです。
そういう場合は栄養摂取の機会を減らす。
この必要がありますが、
がん患者さんの場合は
逆に栄養を摂らないといけないので、
運動不足の介入と同じような戦略が成り立ちます。
すなわち
食欲がなければ、1回の食事量を減らして
食事回数を増やせばいいということです。
病院ではスタッフの仕事の都合上、
食事の時間が決められています。
それはそれで大切なことかもしれませんが、
完食できない人は、
メインの食事の量を少し減らして、
1日に3食のところ5食して、
完食を患者さんの自由意思で
定められた食品
例えば、
上述したエネルギー補給商品や果物でもいいです。
それを摂る機会をあたえる。
それによって食事量を
決められた3回の食事で残すよりも
結果として多くの栄養がとれるかもしれません。
必ずしもこの手順(プロトコル)である必要はありませんが、
目的は患者さんにより多くの栄養を届ける
ということですから、
食事のタイミング、回数、量など
あるいは食欲増進など
様々な工夫の余地があります。


もう一つ、全く異なる観点としては
癌細胞でも同じですが
細胞はエネルギー不足になると
エネルギー不足に耐えられるような形質になり、
長寿命化のスイッチが一定入ります。
だからこそ、ショウジョウバエでの
サーチュイン遺伝子などの延命があります。
カロリー制限が寿命を延ばす
一つの本質的な事は
細胞がエネルギー的な危機になったときに
その適応のため、エネルギー消費量を減らして
細胞分裂頻度を減らして、
自身の寿命を延ばすことをするからです。
いわば「休眠(Dormancy)」です。

カケキア、悪液質も病的なほどのエネルギー不足ですが
こうした状況を逆に利用して
一部の通常細胞で生じているかもしれない
休眠による長寿命化をより助長するようにして、
細胞の寿命を上げて、
一時的な危機を乗り切ってもらう。
そうした医療介入の観点が一定存在します。

下に細胞がエネルギー不足になったときの
想定される10のプロセスをまとめます。
当然、適応としてこうしたことが生じる可能性がありますが、
悪液質のように「限度を超えたエネルギー不足」は
こうした機能を過剰に亢進させ、
結果として機能が破壊され、機能不全になります。
従って、これらの適応機能を
人為的に助けてあげればいいということになります。
それぞれの適応機序に対する
栄養を含めた物質を追記します。
それぞれの経路に対して
具体的にそれらの物質を薬剤、点滴、栄養、食事
何らかの方法で患者さんにいれればいいです。
ただし、
体の中は癌細胞との競合が全てにおいて生じるので
こうした介入が癌細胞の寿命を延ばす
副作用をはらんでいることには注意が必要です。


1- サーチュイン遺伝子の活性化
サーチュイン遺伝子群(特にSIRT1)は、
エネルギー不足の際に重要な役割を果たします。
サーチュイン遺伝子は、
細胞内のNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)
これを利用して活性化されます。
NAD+のレベルは
エネルギーが不足しているときに増加するため、
これがサーチュインの活性化を促進し、
代謝や細胞修復を助けます。
SIRT1は、
- DNA修復
- 抗酸化作用
- 細胞のストレス応答
これらの強化を促進し、老化を遅らせる働きがあります。

(介入)
1,1- ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)
NMNは、NAD+の前駆体として
サーチュイン遺伝子群(特にSIRT1)の活性化を促進します。
NAD+のレベルが増加すると、
SIRT1が活性化され、細胞の修復や代謝を助ける作用があります。

1.2- レスベラトロール
レスベラトロールは、
サーチュイン遺伝子(特にSIRT1)を活性化することで、
老化を遅らせるとされるポリフェノールです。
赤ワインに含まれる成分としても知られています。


2- オートファジーの促進
オートファジーは、細胞内で不要な成分
(損傷した細胞小器官、不要なタンパク質など)
これを分解して再利用するメカニズムです。
エネルギー不足の際、
オートファジーは細胞のエネルギー供給を助け、
ストレスに対する適応を強化します。
エネルギーが不足すると、
mTOR(ターゲット・オブ・ラパマイシン)経路が抑制され、
オートファジーが促進されます。
これにより、細胞は古くて機能しない部分を分解して
新しいエネルギー源を確保します。

(介入)
2.1- ラパマイシン
ラパマイシンは、mTOR経路を抑制することで
オートファジーを促進します。
オートファジーは細胞内の老廃物を除去し、
細胞の再利用を助けるため、
細胞の健康維持に重要です。

2.2- セレノア(アメリカヤシ科)
セレノアは、mTORの抑制を通じて
オートファジーを促進する可能性があるため、
オートファジーを強化する
自然の方法として注目されています。


3- AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)の活性化
AMPKはエネルギーセンサーとして機能し、
ATP(細胞のエネルギー通貨)
これらの濃度が低くなると活性化されます。
AMPKは、エネルギー消費を抑制し、
エネルギー産生を促進するための遺伝子の発現を調整します。
AMPKの活性化により、脂肪酸の酸化が促進され、
細胞はエネルギー不足に
対応するために代謝を最適化します。
また、AMPKはmTOR経路を抑制し、
オートファジーを促進することが知られています。

(介入)
3.1- メトホルミン
メトホルミンは、AMPKを活性化することで知られる薬剤で、
特に糖尿病治療薬として使用されます。
AMPKはエネルギー代謝の調整に重要で、
エネルギー不足時に
細胞が適応するメカニズムをサポートします。

3.2- エピガロカテキンガレート(EGCG)
EGCGは、緑茶に含まれるカテキンで、
AMPKを活性化し、脂肪の酸化や
糖の代謝を改善する作用があります。


4- 細胞周期の停止と細胞の休止状態
エネルギー不足の際、
細胞は無駄なエネルギー消費を防ぐために、
細胞周期の停止や休止状態(G0期)に入ることがあります。
これにより、細胞は増殖を一時的に停止し、
エネルギー消費を最小限に抑えます。
このメカニズムは、
細胞が環境ストレスや栄養不足に
適応するための重要な方法であり、
長寿命化に寄与する可能性があります。

(介入)
4.1- クルクミン(ターメリック成分)
クルクミンは、細胞周期を調整する働きがあり、
エネルギー不足の際に細胞周期を停止させ、
過剰なエネルギー消費を抑えるとされます。


5- ヒートショックタンパク質(HSP)の発現
エネルギー不足やストレスに反応して、
細胞はヒートショックタンパク質(HSP)を合成します。
これらのタンパク質は、
細胞内で変性したタンパク質を修復する役割を果たし、
細胞のダメージを修復します。
HSPは、老化を遅らせ、
細胞をストレスから保護する重要な役割を果たします。
エネルギー不足の状況でのHSPの発現は、
細胞の長寿命化を促進する一因となります。

すでに悪液質でHSP70,90が増えることは
確認されています。当然です。
それがエネルギー不足になったときの適応だからです。

(介入)
5.1- パラクテイン
パラクテインは、HSPを誘導し、
細胞内のストレス応答を強化する可能性があります。
これにより、細胞が熱や酸化ストレスから保護されます。

5.2- シトリウム
シトリウム(シトリウムウィズダム)は、
細胞のストレス応答を高めることで、
HSPの発現を促進し、
老化やダメージに対抗する機能をサポートします。

6- 抗酸化応答の強化
エネルギー不足時に、細胞は
酸化ストレスに対応するために
抗酸化酵素
- スーパーオキシドディスムターゼ
- カタラーゼ
- グルタチオンペルオキシダーゼ
これらを増加させることがあります。
この応答は、細胞内で生成される
有害なフリーラジカルを除去し、
細胞の損傷を防ぐことで、長寿命化を促進します。

(介入)
6.1- 食品
果物(特にイチゴ、ぶどう)、
カカオ(高濃度カカオチョコレート)
コーヒー
※チョコレート、コーヒーは
良いカカオ、クロロゲン酸を取るための
工夫の余地は多いです。
なぜなら、高度に加工されているからです。
コーヒーは抽出物です。

6.2- N-アセチルシステイン(NAC)
NACはグルタチオンの前駆体であり、
細胞内の抗酸化応答を強化することで、
酸化ストレスから細胞を保護します。


7- NAD+レベルの増加とミトコンドリアの活性化
NAD+は、エネルギー産生に重
要な役割を果たす分子であり、
サーチュイン遺伝子の活性化にも関与しています。
エネルギー不足時にNAD+のレベルが増加し、
これがミトコンドリアの機能を改善し、
エネルギー産生を最適化します。
ミトコンドリアの効率的な機能は、
細胞のエネルギー供給を改善し、
長期的な健康を促進します。

(介入)
7.1- ニコチンアミドリボシド(NR)
NRはNAD+の前駆体であり、
NAD+の合成を促進して
ミトコンドリアの機能を改善し、
エネルギー代謝を最適化します。

7.2- コエンザイムQ10(CoQ10)
CoQ10はミトコンドリア内で
エネルギー産生に重要な役割を果たし、
エネルギー不足時に細胞の機能をサポートします。


8- 細胞の代謝再プログラミング
エネルギー不足の状況下では、
細胞は代謝経路を再プログラムして、
より効率的にエネルギーを利用する方法を取ります。
例えば、グルコースや脂肪酸の代謝を調整し、
より少ないエネルギーで細胞機能を維持できるようにします。
これにより、細胞は長期的に
安定したエネルギー供給を確保し、
生命の持続可能性を高めることができます。

(介入)
8.1- カルニチン
カルニチンは脂肪酸をミトコンドリアに輸送し、
脂肪酸の酸化を促進します。
これにより、細胞は
効率的にエネルギーを産生できます。

8.2- アセチル-L-カルニチン(ALCAR)
ALCARはエネルギー供給を改善し、
神経保護作用もあり、
細胞の代謝再プログラミングをサポートします。


9- 老化抑制因子の活性化
エネルギー不足の際、
細胞内で老化を抑制する因子(例:p53、FOXO3)
これらが活性化されることがあります。
これらの因子は、細胞の老化を遅らせるとともに、
傷ついた細胞の修復や死滅を誘導する役割も担っています。

(介入)
9.1- フラボノイド(例:カテキン、クエルセチン)
フラボノイドは、
p53やFOXO3などの老化抑制因子を活性化する作用があり、
細胞の老化を遅らせ、
健康寿命を延ばすことが示唆されています。


10- 免疫系の調整と炎症の抑制
エネルギー不足は
免疫細胞の機能にも影響を与えますが、
同時に免疫系は炎症応答を調整して、
エネルギー不足のストレスに適応します。
適切な免疫応答は、細胞の修復や再生を促進し、
老化を遅らせることができます。

(介入)
10.1- オメガ-3脂肪酸
オメガ-3脂肪酸は、免疫系を調整し、
炎症を抑制する作用があり、
エネルギー不足時に重要な役割を果たします。

10.2- タウリン
タウリンは、免疫系の調整を促進し、
細胞のダメージを修復することで
長寿命化をサポートします。


上述した多様な食品を含めた物質は、
エネルギー不足になったときに
細胞の適応として当然起こることを
人為的に同じ様式で支援して
そうした強い適応圧を減らし、
継続的に遺伝子的な保護も含めて
適切な防御機構が継続できるようにするものです。
それによって
治療中の患者さんの生命力を上げ、
治療後の回復期において
よりよい細胞、組織の状態に戻す際に
重要な補償的介入となる可能性があります。
こうしたバックグラインド環境を整えたうえで
癌細胞を選択的に細胞死させることを考えます。
ただ、
一定癌細胞の休眠化、転移を促進する可能性があり
それに耐えうる強い体を
患者さんに対して継続的に
ライフスタイルを含めて介入して
獲得させる必要があります。


基本的に生物、特にヒトは
これだけ繁栄してきたわけですから、
生物学的な強さ、適応力もあると思われます。
特に子どもがそうです。
がん、感染症を含めて何か疾患にかかったとしても
それに対抗する適応が免疫システムんような
連携、システムレベルだけではなく
細胞レベル、遺伝子レベルでも有します。
例えば、
悪液質ならば、エネルギー不足に対抗するための
様々な適応が
- 遺伝子レベル
- 細胞レベル
- 細胞間レベル
- 組織レベル
- 組織間レベル
- 臓器レベル
- 体全体レベル
これら多層にわたりあっても不思議ではありません。
患者さんを医療で救う一つの本質的な解は
こうした
人が繁栄してきた中で獲得してきた
ストレスに対する適応力を
人の叡智を結集してきた
産業革命以降の医療、バイオテクノロジーによって
その適応力とベクトルを合わせながら
あるいは手をつなぎながら、
補助する、助けるということです。

従って、体が危機的状況にあるときには
体の中で様々なレベルで
どういった適応が生じているか?
それを科学的に解明する必要があります。
それがわかったら今度は
その適応を最もミクロには分子レベルで助ける
ための具体的手段を考えるということです。
ライフスタイル介入は
どちらかというと非常にマクロスコピック、
巨視的、全体的なアプローチです。
医療工学ができることは
最も微視的で、局所的で、選択的なアプローチです。

悪液質のように癌が共存している場合には
癌細胞の適応も考慮しなければなりません。
例えば、
癌細胞が組織分解性炎症性物質を出すのは
癌細胞がエネルギーを取得するためです。
そういった適応をさせないために
炎症性を抑える必要があるかもしれません。

他の考えられる適応の例として
悪液質で最も問題となる骨格筋、骨について
ここで独自に考えることを試みます。

骨格筋はたんぱく質分解圧があり、
エネルギーを奪取される状況にあります。
この状況で
骨格筋で生じる事。
それは、そういった分解圧の中でも
骨格筋組織の機能を守ろうとする適応圧。
これがあると思われます。
例えば、
非常に低いエネルギーで維持できるように
代謝効率の非常に高い
ミトコンドリアを生成するための
細胞核へ遺伝子発現するように注文するかもしれません。
ただ、こうした注文が多いと
遺伝子は耐えられなくなり
故障したり、閉じたりします。
そうなる前に、
叡智がある私たちは
そうした注文に外因的に応えなくてはいけません。
すなわち、代謝効率の高い
ミトコンドリアを生み出す遺伝子を特定して
それのmRNAを骨格筋に届ければいいです。
こうした
エネルギー効率の良いミトコンドリア需要は
エネルギー不足になっている
骨格筋、骨、心臓、脳、肝臓、腎臓などでは
非常に高いと考えられるので
こうしたmRNAを全身投与で
完全な細胞腫特異的薬物送達システムが
確立していなくても
一定の体に対するメリットがあるかもしれません。

適応を助けるとはこういったことです。

当然、骨でもそう。
一見、破骨細胞が亢進しているので
その亢進を抑えようとしますが、
骨が分解圧を受けたときには
当然、それを守るために骨芽細胞の機能を上げようとします。
しかし、そうした注文が多すぎて
遺伝子的にも、システム的にも
それにこたえられなくなります。
そうした抑制系の改変が入ってしまいます。
そうなる前に、あるいそうなった後にも
そうした注文は体は出し続けていますから
その注文に私たちが応えるということです。
すなわち、骨芽細胞の生成を助けること
あるいは骨芽細胞がしていることを
肩代わりして私たちがしてあげること。
そうしたことを考えます。
その時には「質のいいやつ」
「才能のある細胞」を見つけ出して
その才能を伸ばすように働きかけよう。
このような視点があります。
これは細胞社会ではなく、ヒトの社会でも同じです。
才能ある子どもたちを見つけ出して、
その子どもたちの才能を
人類の叡智を結集して伸ばし、
将来的に最高の人たちになってもらうことです。
その人たちが
人類がまだ歴史上経験したことのないような
世界全体としてのウェルビーイング(Well-being)。
それに将来、導いてくれるかもしれません。
私自身に対して行った介入に対して
ずっと先まで外挿すると
破滅的な結果になるようには少なくとも思えないです。
細胞社会で考えても合理的です。
才能のある質の高い細胞を上手に育てたら
おそらく体全体は健康になります。
その人の全体的な幸福感が上がる可能性があります。
ただ、そのためには日常、
ちょっとしんどいことある。
頑張らないといけないことがあるということです。
私はその核形成のための重要な一人として機能します。
私は、生まれは大阪、育ちは広島、岡山。
海外生活の経験のない生粋の日本人です。
このプロジェクトは私が関与する限り、
日本が世界の中の重要な国の一つであることは決定です。
ただ、
私は小児脳腫瘍の治療の提供を
東京大学病院と断固としてする。
その決意に変わりはありません。


これが私がサーチュイン遺伝子など、
細胞の長寿命化を助けるためにできること。
その発想の抽象的な枠組み、フレームワーク、骨子です。

遺伝子的にしんどいなら
私たち叡智が助けてあげようということです。
これは現代医療の一つの本質であるかもしれません。


すい臓がんや消化器系のがんは悪液質が多い。
では、脳腫瘍や小児がんではどうか?
決してそれは低頻度なものではないかもしれません。
「Cell press」では
「The urgent need to improve childhood cancer cachexia」
すなわち
小児、未成年がんの悪液質を改善することは
喫緊で必要ですといわれています(25)。

普通に考えれば、子どもは全身の数兆ある細胞数が
増えていく段階です。
なぜなら、体が大きくなっていくからです。
そのためには分子レベルでみれば
タンパク質、脂質、糖などを合成する必要があります。
その合成のためにはエネルギーが必要です。
だから、栄養を摂らないといけない。
でも、
運悪く癌ができると、それが進行性で
悪性度が強ければ強いほど、
その癌に栄養を奪取されてしまいますから、
そのほかのエネルギーが必要な
成長中の全身の臓器、組織、細胞は危機的状況になります。
こうした考え方は合理的であり、
当然、臨床現場で生じうることだと推定します。

ただ、子どものがんの悪液質に関する研究は
まだ世界的に黎明期にあるとされています(25)。
ただ、喫緊の問題です。
カケキア(Cachexia)に関する子どもの臨床試験は
15%程度で、そのほとんどがアメリカです。
従って、一番先進的なアメリカでも不十分で
それ以外の国ではさらに後進しているという状況です。
そもそも
子供の栄養不足、悪液質自体が
子供の細胞の質の高さ、適応の高さから
隠れていて、認識されていないかもしれません。
程度の差はあれ、
少なからず小児がん、未成年のがんは
そのお子さんの成長を阻害している可能性があります。

- 栄養を支援していくこと
- 運動を支援していくこと
- 子供が潜在的に持つ強い適応を支援すること
- 骨格筋、骨、脂肪を守る事
- 脳、心臓、肺、肝臓、すい臓、腎臓を守る事
- 消化器を守る事
- 循環器、免疫系を守る事
- 手先、足先にまで配慮する事
- 感染症のリスクを低減する事
例えば、これらが挙げられます。
要は、もう体の全体、システム全体です。
優先順位はあるだろうけど、
重要でないところなんて一つもありません。

日本の調査で小児がんの子どもは
運動能力が低い傾向にあるということはあるわけです。
これは悪液質で最も深刻な被害を受ける
体の重量比30%以上の骨格筋。
これが癌によって栄養を摂られて
退縮している証拠ではないでしょうか?
その後の栄養摂取、リハビリテーションが十分ではなく
その回復状態も決して十分ではない。
そのことを示唆するものであると私は評価します。

私自身に対して行っているライフスタイル介入で
すでに明らかになりつつありますが、
筋肉は量だけではなく、質も含めて考えると
人のフィジカルだけでなくメンタルにおいても
その健康、幸福感において非常に重要です。
社会で生じるあらゆるストレスに耐えうる
最も基本的な資源の一つです。

骨格筋が最も障害されやすいということは
大人のがんですでに明らかですから、
子供の顕性がんの適切な心身の健康を支えるうえで
筋肉の質、量ともに
どのように適切に回復、発達させていくか?
それを科学的に明らかにすることは
この小児がんカケキアの問題(25)を紐解き、
そのソリューション(解決手段)を
日本、世界に提供していくうえで一つのカギとなります。

筋肉の発達の支援は理学療法だけではありません。
ライフスタイル介入だけでもありません。
現在の最新の医療工学(Biotechnology)が
貢献できることもあるし、
私が注力する
細胞腫特異的薬物送達システムも貢献する余地があります。

一つの視点しては筋肉の質を上げたいので、
ミトコンドリアの性能と
細胞核を増やしたいということがあります。

骨格筋のミトコンドリアの性能に関わる
遺伝子は以下です。
空腹、運動後、骨格筋に血液が集まりやすい状態で
これらをコードするmRNA、たんぱく質などを
定期的に投与して、
お子さんの骨格筋のミトコンドリアを性能を
強力に現在のテクノロジーで支援することを考えます。

1- PPARGC1A(PGC-1α)
役割: 
ミトコンドリアのバイオジェネシス
(新規合成)を促進する主要な転写共役因子。
運動や低酸素状態で活性化され、
ミトコンドリアの数や機能を向上させる。
関連する機能: 
ミトコンドリア内のATP合成や
酸化的リン酸化の効率を改善し、
エネルギー代謝を最適化する。

2- PPARGC1B(PGC-1β)
役割: 
PGC-1αと同様に、
ミトコンドリアバイオジェネシスに関与するが、
特に脂肪酸の酸化やエネルギー代謝に関与する。
関連する機能: 
骨格筋での持久力向上に寄与し、
脂肪酸代謝を促進する。

3- NRF1(Nuclear Respiratory Factor 1)
役割: 
ミトコンドリアのバイオジェネシスを
促進する転写因子で、
ミトコンドリア内の遺伝子の発現を調節。
関連する機能: 
ミトコンドリアDNAの複製や転写を調節し、
ミトコンドリアの数を増加させる。

4- NRF2(Nuclear Respiratory Factor 2)
役割: 
NRF1と協働して、ミトコンドリアの
バイオジェネシスと酸化的リン酸化の効率を調節。
関連する機能: 
細胞内の酸化ストレスを抑制し、
ミトコンドリアの健康を維持。

5- TFAM(Mitochondrial Transcription Factor A)
役割: 
ミトコンドリアDNAの転写を調節し、
ミトコンドリアのバイオジェネシスに
必要な遺伝子の発現を調整。
関連する機能: 
ミトコンドリアDNAの複製と維持に関与。

6- SIRT1(Sirtuin 1)
役割: 
NAD+依存性の脱アセチル化酵素で、
ミトコンドリアのバイオジェネシスや
酸化的ストレスに対する応答を調整。
関連する機能: 
PGC-1αの脱アセチル化を促進し、
ミトコンドリアの数を増加させる。
また、老化やストレス応答にも関与。

7- AMPK(AMP-Activated Protein Kinase)
役割: 
エネルギー不足を感知し、
エネルギーの供給を促進するキナーゼ。
運動や低酸素条件下で活性化される。
関連する機能: 
PGC-1αを活性化してミトコンドリアの
バイオジェネシスを促進し、
エネルギー効率を向上させる。

8- UCPs(Uncoupling Proteins)
役割: 
ミトコンドリア内のATP合成と
プロトンの移動を解耦させ、
熱としてエネルギーを放出する。
関連する機能: 
ミトコンドリアの効率的な
エネルギー変換を促進し、
酸化的ストレスから細胞を保護する。

9- CPT1B(Carnitine Palmitoyltransferase 1B)
役割: 
脂肪酸をミトコンドリア内
で酸化するために必要な酵素。
関連する機能: 
長鎖脂肪酸のミトコンドリアへの輸送を促進し、
脂肪酸酸化を改善する。

10- Mfn1 / Mfn2(Mitofusin 1/2)
役割: 
ミトコンドリアの融合を調節するタンパク質。
関連する機能: 
ミトコンドリアのネットワークの形成を促進し、
機能的なミトコンドリアを維持する。

11- Drp1(Dynamin-related Protein 1)
役割: 
ミトコンドリアの分裂を
調節するタンパク質。
関連する機能: 
ミトコンドリアの形態を調整し、
細胞のエネルギー需要に応じて
適切なサイズと数を維持する。

12- ATG(Autophagy-related genes)
役割: 
自食作用(オートファジー)を調節し、
損傷したミトコンドリアの除去や再利用を促進する。
関連する機能: 
ミトコンドリアの品質管理に関与し、
機能不全なミトコンドリアを除去することで
細胞のエネルギー効率を維持する。


骨格筋細胞の細胞核の数は
以下に関わります。

その後、お子さんが社会の中で経験する
様々なストレスに対する適応の際の
骨格筋細胞の遺伝子への注文に
高い容量で応えるためには多くの細胞核、
すなわち染色体が必要です。
また、たんぱく質量も増え
骨格筋の肥大、成長、回復にも関わります。
骨格筋細胞が長く生きるためにも必要です。

それに関わると考えられる遺伝子と
その役割、関連機能を列挙します。

1- Pax7(Paired Box 7)
役割: 
サテライト細胞の維持と
自己複製に重要な転写因子。
Pax7はサテライト細胞の
クォーク(休止期)状態を維持し、
筋肉の修復過程で活性化される。
関連する機能: 
サテライト細胞の増殖を促進し、
骨格筋との融合のために分化を開始する。

2- MyoD(Myogenic Differentiation Antigen)
役割: 
筋肉の分化を誘導する転写因子。
MyoDはサテライト細胞が筋肉細胞に
分化する過程で重要な役割を果たす。
関連する機能: 
サテライト細胞の筋肉細胞への分化を促進し、
筋肉の再生と修復に必要な筋原線維を形成する。

3- Myf5(Myogenic Factor 5)
役割: 
MyoDとともに筋肉の分化を制御する遺伝子で、
サテライト細胞が
筋肉に分化する際に重要な転写因子。
関連する機能:
サテライト細胞の分化と増殖を促進し、
筋肉修復をサポートする。

4- Mrf4(Myogenic Regulatory Factor 4)
役割: 
MyoDやMyf5と協力して筋肉の分化を調節し、
筋肉の融合過程に関与する。
関連する機能: 
骨格筋の成長と修復に関与し、
特に分化後の筋肉細胞の成熟に重要な役割を果たす。

5- Integrins(特にα7β1インテグリン)
役割: 
インテグリンは細胞外マトリックス(ECM)と
細胞骨格を結びつける受容体で、
サテライト細胞の筋肉細胞への融合を促進する。
関連する機能: 
サテライト細胞が筋肉線維と融合する際に、
インテグリンは細胞の接着を促進し、
筋肉の再生をサポートする。

6- Cdx2(Caudal Type Homeobox 2)
役割: 
サテライト細胞の分化と増殖を調節する転写因子。
骨格筋の修復において、
サテライト細胞の活性化を助ける。
関連する機能: 
筋肉修復と再生に
必要なサテライト細胞の機能をサポートする。

7- Fstl1(Follistatin-like 1)
役割: 
筋肉の発達や修復を促進するサイトカインで、
特に筋肉の再生過程で重要。
関連する機能: 
サテライト細胞の増殖と分化を促進し、
骨格筋との融合をサポートする。

8- Notch Pathway
役割: 
Notchシグナル伝達経路は、
サテライト細胞の分化と
増殖に重要な役割を果たす。
Notchの活性化は、サテライト細胞の増殖を促進し、
分化を抑制する。
関連する機能: 
サテライト細胞のクォーク状態を維持し、
筋肉修復における筋肉との融合を促進する。

9- Wnt Pathway
役割: 
Wntシグナルは、サテライト細胞の増殖と
分化を調節する重要な経路で
、特に筋肉の修復過程で活性化される。
関連する機能: 
サテライト細胞の増殖を促進し、
分化のタイミングを調整する。
骨格筋との融合を促進する。

10- TGF-β(Transforming Growth Factor-β)
役割: 
TGF-βは、サテライト細胞の分化と
筋肉修復に関与するサイトカインで、
筋肉修復過程での融合を助ける。
関連する機能: 
サテライト細胞の増殖と分化を調節し、
筋肉再生において重要な役割を果たす。

11- IL-6(Interleukin 6)
役割: 
IL-6は炎症反応や細胞間シグナル伝達に
関与するサイトカインで、
筋肉修復過程でサテライト細胞の活動を調節する。
関連する機能: 
サテライト細胞の増殖を促進し、
骨格筋との融合を助ける。

おそらく効果的な運動をすると
総合的にみてこうした遺伝子が高度に制御された形で
全体として骨格筋にメリットをもたらすと考えられますが、
それをより効果的にするために
現在のバイオテクノロジーで
それを正確に支援する形になります。
そのためには当然、
そのRNAを入れるタイミングも重要になります。

こうした筋肉量は
大人のケースでがんの再発を含めた予後に関わります(26)。
小児がんサバイバーシップでは
予後の健康、幸福感を上げるために
できることを考えるわけですが、
当然、癌の再発を防ぐことも支柱の一つです。

筋肉量を理学療法、生活的介入だけではなく
医療介入によって薬学で支援して
より効果的に戻すことは
現在のテクノロジーをもってすれば可能なことです。
筋肉が一番障害されるわけですから、
ここの介入を考える事は
子供だけに限らず、がん患者さんの予後。
これを良化させるうえで最優先事項の一つです。
気持ちとしては、最優先事項と断定したいです。


癌が神経系にも影響を与えます。
過剰な交感神経の興奮が生じる可能性が
マウスのケースで指摘されています(27:Figure 2)。
それが
- 白色脂肪細胞の褐色化
- 心拍数の向上
- 代謝率の向上
これらを招き、悪液質、
すなわち体のエネルギー収支のマイナスを助長させる
可能性があります。

基本的に生物は捕食者が視界、嗅覚に入ると
交感神経を働かせて、瞬発的に逃走しまう。
この時には消化器から
心臓を含めて臓器に血流を移動させ
逃げるためのパワーを確保します。
ヒトでも当然、そういった本能があります。
例えば、安田講堂で初めて講演するときには
激しく緊張すると思いますが、
その時には交感神経が活発となり、
心拍数があがります。
この時、血流は心臓にある程度、集められます。
こうした対応は
極端な話、生命の危機に対する
動物がもつ本能であり、
こうしたときに交感神経が役目を果たします。
そうであるとするならば、
当然、顕性がんは生命の危機でありますから、
神経系としては危険を察知して、
交感神経を高めることをすると考えられます(28)。
少なくとも副交感神経を活発化させて
リラックスさせている場合ではありません。
こうした状況が慢性化すると
当然、自律神経が乱れてきます。

交感神経が高まることは
バランスとして副交感神経が抑制されることですから
副交感神経がもたらす
こころのリラックス感、安心感、幸福感。
これらが得られにくくなります。
これによってメンタルのバランスを崩す。
この可能性もあります。

従って、進行性のがんに罹患してる患者さんは
体のしんどさや痛みだけではなく、
精神的にもしんどいかもしれません。
これは、医療として
強力にサポート、支援していく必要があります。


体の適応というのは生命活動において重要です。

例えば、日本で色んな観点で問題となる高血圧。
確かに私は高血圧は問題であるという立場にいますが、
この記事を書いて改めて考え直すところがあります。
そもそも、なぜ、高血圧になるのでしょうか?
もし、それが
その個人、個人の体の中の適応だとすると、、、
すなわち、その血圧が
その人の体の
- 血液の特性(脂質、白血球、糖、赤血球など)
- 血管の硬さ
- 血管の炎症状態
- 毛細血管の数
- 主要血管の状態
- 細動脈の血管抵抗
- 心臓の機能
- 自律神経のバランス
これらなどによって精緻に調整されているとしたら、
高血圧を薬で調整する場合には
色んなことを考えてしないといけない。
ということになります。
そういうことがあるから、一部で、
高血圧は治療しなくていいという考えもありますが、
それもやはり違う部分があります。
やはり、高血圧であるということは
脳卒中や心筋梗塞などのリスクではあるので、
高血圧は解消したほうがいいけど、
それは、その人のライフスタイルを含めて
体全体で解決しかないといけない問題です。
やはり
健康的な体重、筋力、脂肪量で
正常な血圧以内に自然と収まっている。
これは統計的にみて
より健康であるとは思います。
高血圧になっている人は適応のうえ
そうなっている可能性があるので、
その人に人為的に医療介入するときには
良く考える必要があるということです。
その余地があるから、
高血圧でいいという意見も出てきます。
実際に無理に低血圧にしたときの
副作用、もっといえば事故というのも
臨床データ上あるのかもしれません。

基本、ヒトの体は良くできているということです。
そこを前提に考える事は
がんの悪液質の問題も含めて重要かもしれません。
今、問題にしている
悪液質と神経系の関係も、
交感神経が必要だからそうしている。
そういう側面もあると思われます。
従って、この状況で
無理に副交感神経を上げるような介入は
必ずしも良い奏功に結びつかない可能性があります。


ただ、今の私の感覚として
脳神経系は運動や体のシステム的な機能と
少し別次元にあるような気がします。
だから、体はある程度限界がありますが、
(例えば、100mを何秒で走れるかなど)
脳神経だけは、天井知らず。
その余地が人(ホモサピエンス)に
与えられている気がします。
しかも、それは
- 運動(持久、レジスタンス、水中、ボールなど)
- バランス運動
- 反射的運動
- 全身ストレッチ
- 血糖値(食欲調整)
- 言語運用訓練
- 絵 ⇔ 文章化の訓練
- 具象 ⇔ 抽象の訓練
- 数字、数式の運用
- 法則性の発見
- 注意力訓練
- 感覚(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)訓練
- 感情、情動制御
- 会話
- 複合的判断
など考えられることは多岐にわたりますが、
具体的な手段に落とし込める要素で
変えられる可能性がある。
後は、そういう介入を最適な様式を定めて
実際にするとなったときに
数ある神経機能を液体生検で
どのようにヒトで実際にリアルタイムで
評価していくか?ということになります。
やはり、後生のことも考えると
エビデンスは欲しいです。
ちゃんと証拠をNature誌に残したいです。

少しだけ今考えていることをお話します。

人の脳は10万年単位で少ししか大きくならず、
コンピューターの進化の速度(ムーアの法則)
とは桁が違うという見方もあります(29)。
だからこそ、
人は人工知能に淘汰される
といった意見が根強くあります。

しかし、
人の小脳には500億個の神経細胞があり、
脳全体で860億個ですから、
50%以上、小脳にあり、
小脳のプルキンエ細胞は最大で20万個の
神経連結を1つの神経細胞でします。
従って、小脳だけでも
連結を含めて考えると
その動作パターンは天文学的となるし、
その神経連結の様式も学習によって
イオンチャンネル、膜流動性があがり
神経伝達速度も可変で速くなります。
(あるいは遅くなる。)
そうした速度の違いにも
情報でいうビットの意味合いがある。
この可能性は否定はできません。
コンピューターでは
通信速度、すなわち電子や光の速度そのものに
情報として意味を持たせることはできません。
むしろ今後、ムーアの法則を維持するためには
半導体の加工精度に限界があるため、
そういうハードウェア情報処理としての
次元の拡張に向かわない
といけないのかもしれません。

小脳は主に運動に関わる機能があるので
だから、運動は大切だし、
運動を可能にするには
それだけの情報量がいるということです。
ただ、こうした小脳の機能が
俗に言う学力、IQに相関が全くないとはいえません。
小脳の指数関数的な機能が、
知識、知恵、創造性にも影響を与えるかもしれません(30)。
もし、そうだとすると
スポーツ選手のような
直接的に運動が価値になる職業ではなくて、
芸術、科学技術、産業の分野で活躍したい人も
自分が今できる程度の少し上を目指して
日々運動を続けることは意味があるかもしれません。

確かにヒトの脳の大きさは10万年ごと
少ししか大きくならないかもしれないけど、
要は、中身です。
そこは大きく変えられる可能性があります。
だからこそ、私は将来的にヒトは
ホモサピエンスを超える可能性がある
といっているのです。
これだけ科学技術が発展してきたからこそ
とれるアプローチがあるはずです。

例えば、脳の細胞膜に関連がある
食料としての魚にしても
古代のホモサピエンスが
日常的に荒波でアクセスできなかった
ところに生息する魚を
今は、漁業技術によって
効率的に収穫することができます。
そうすると
今のヒトはその技術によって
それを食べる今しかない特別な機会が与えられます。

人工知能のモデルは神経連結だけですが、
人の脳は手先から足先まで体全体が
密接に関連しています。
例えば、脳は野ごと典型的な機能がありますが、
その一部を説明する理屈としては
その連合野と体が脊髄、末梢神経で
どういう組み合わせで連結しているか?
それが物理的に関係しているかもしれません。
それが脳の情報としてのアルゴリズムだとしたら
人工知能は体がないので
脳のアルゴリズムは当然
原理的に再現できないということになります。

今述べたように
循環器系のように神経系も
体全体に末梢神経として伸びています。
人は脳を鍛えるというと
脳だけに意識を向けがちです。
だから、人工知能のモデルは
脳だけに特化して歴史的に発展してきました。
私が今、自分に対して
実験的に課しているライフスタイル介入と
科学技術的な知識、知恵、創造性の変化率
能力の確認の作業は、
脳だけに着目するのではなく
私が有する手先から足先までの
体全体に着目するものです。
これは、ひょっとすると
総体的な観点では初めてのことかもしれません。
そうであれば、結果はどうなるか?ということです。

そもそもホモサピエンスがこれだけ繁栄したのは
脳神経系の進化があるはずです。
それは、単に大きさだけではなくて
中身(連結性)もあると思われます。
例えば、
足の速さという観点では
人は色んな動物にかないません。
あるいはパワー、力でもかないません。
でも、人はそれらの動物よりは強いですし
それらの動物よりも繫栄しています。
考えられる理由は二つ。
- 脳神経系
- 遅筋系
これらかもしれません。
陸上限定で競争したときに、
マラソンの距離を人よりも速く走れる動物はいるか?
ラクダ、馬、犬など限られるようです。

多分、人の繁栄はこの
頭の賢さと持久力が関係していると思われます。
そうであるなら
基本的な能力として持久力があるとするならば、
それを日常的に鍛えておくという戦略も頭に浮かびます。
短距離ランナーは努力ではなれないけど、
長距離ランナーは正しい努力をすれば
誰でもなれる可能性があるという考え方もあります(9)。
それは遅筋線維の能力は
鍛錬によって科学的に高められるからです。
速筋の性能は人はチーターには
どうしてもかないません。
鍛錬によって長距離において
ある程度、トップランナーに近いところまで
いける可能性があるのは
おそらく運動に関わる小脳の可塑性も関わります。
そのように考えると、
実は、脳神経系は
子どものころから身体を含めて
理想的な鍛え方をすれば、誰でもある程度、
その時代のトップ層に近づけるかもしれません。

そもそも賢さとは何か?
という話になります。
それはわからないです。

例えば、人の寿命の限界は120歳だけど、
ここ30年で人の健康について
個性を尊重した形で幅を持たせて定義することができた。
人は、定義上、健康を手に入れた。
さあ、次はどうする?
じゃあ、その健康を土台として
人の寿命を30年延ばすことを考えよう。
では、そのために必要なことは?

このような問いは比較的、具体性があります。
それに対する適切な解を用意することは、
一つの賢さかもしれません。
あるいは、そういった問いを見つける能力。
それも聡明となるかもしれません。

ただ、一般的にホモサピエンスの延長線上とは
異なる、特異点を超えた賢さとは?
となると抽象的となり定義できません。
もし、今、私の脳がそれを定義できるとしたら
もうすでに私自身が
それを超えているということになります。
今の人智を超えているから、進化です。

ただ、これから生まれる子供に
私が今、自分にやっている介入の内容も含めて
さらにいろいろ精査して、エビデンスをとって、
最適な脳神経系、体の構築というのが
ある程度、個性を尊重した形で
幅をもって定義されて、
それに基づいて、
子供が自分で理解して能力を高めていったとき、
その結果として起こることは、
今では計り知れないことです。

その上である賢さとは何なのか?

それは本人しかわからない部分もあるし、
その人が存在して周りが初めてわかるかもしれません。
「あ、人って脳が進化するとこうなるんだ。」
ということです。
それは実は、色んな意味での
制御性かもしれません。
例えば、自分の知的能力の回転数を
自分の生活の中で制御できるようになるような
脳の能力も含むかもしれません。
なぜなら、信じられないくらい
興奮神経と抑制系神経が
精緻に構築されているからです。
あたかも、私たちが速度を任意に変えられる
運動の走る事、走力のようにです。

そこで将来の子どもが
私たちの子ども世代に見せてくれるものは
(私(おまえ)はもう死んでいる)
明らかに今までのホモサピエンスと
一線を画すものかもしれません。
そう思いたいです。夢があります。

それを小脳を中心とした
- 神経細胞の数
- 神経細胞の連結
- 速度変化、
- 伝達物質の多様性
- 他の細胞との連携
- その他?
これらが可能にするかもしれません。
少なくとも脳の機能は
今の人為的なコンピューターよりも
情報処理として顕著に高次元です。
そもそも解剖学的な位置がなぜ、機能と関わるのか?
それが私は全くわかりません。
少なくともトランジスタが幾何学的にどこにあるか?
それそのものが特別な機能を有してはいませんよね。

電子回路、光回路のハードウェアと
脳神経系が持つハードウェアを
物理的に連結できる可能性も示されています(29)。
それも夢のあるテーマだと思いますが、
物理的に切り離されていても、
それらが協調しあって、
何らかの相乗効果を生むということは
今までの延長線上で生じる可能性は高いです。

ちょっといい機会だったので
少し私の頭の中で考えていることを
Open AIで確かめながら共有させていただきました。
といっても(29)を昨日少し読んで
今、まさに書きながら考えたことと、
今まで限られた時間で考えた部分がほとんどです。


このようなおそらく能力として天井知らずの
小脳の機能、すなわち
- 神経細胞の数
- 神経細胞の連結数
- 神経伝達の速度
- 神経連結の選択性
- 興奮と抑制のバランス
- グリア細胞の質
- 細胞外マトリックス
- 髄鞘の質
- 毛細血管の精緻性
これらなど小脳の機能に影響を与えうる機能は
小脳と密接に関わる骨格筋の機能にも
影響を当然与えると考えて自然です。
骨格筋が神経節からの物質伝達によって
生じるとすれば、
その神経伝達を大元で支配する
小脳の性能は筋肉の動き、効率性に影響を与える
可能性があるし、遺伝子的にも影響があるかもしれません。
あるいは内分泌的に
成長ホルモンやインスリン様成長因子。
これらの分泌活性にも影響があるかもしれません。

悪液質を呈している患者さんの
体の中のよりチャレンジがある環境において
小脳の機能を効率的に上げることも
あるいは維持することを考える事も
直接的、間接的に
骨格筋の退縮を緩和させることができたり、
残存した末梢神経、神経節、
骨格筋細胞、ECMsの質に関わるかもしれません。

そうであるとするならば
悪液質緩和の対策として、
運動、ストレッチによる介入を行うにしても
より小脳にインパクトのある
動き方、タイミング、心理条件などの
最適化の余地があるかもしれません。



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