疾患を持つお子さんに
効果のある薬剤を届けるには
様々な難しさがあり、
その壁を乗り越えるのは
その問題が
(少なくとも一部の国、地域で)
認知されてる現在においても
容易ではないと考えられます。
分かりやすい状況では
新型コロナウィルスのワクチンにおいて
子どもの治験が終わった時には
すでに何百万という接種回数が
大人に対して実施された後であったとされています(1)。
子どもに対する臨床試験というのは
大人に対して慎重であり、
大人で安全が確かめられてから
年長のお子さんから段階的に承認されていきます。
一般の薬では
子どもに利用可能になるまでには
大人で承認されてから
少なくとも7年はかかると言われています。
製薬企業も一般的には慎重になると思います。
市場規模がなく、リスクも高いため、
営利団体としては参入しづらいということが
当てはまると思います。
そういう事があるので
2002年にアメリカ、2007年EUで
小児医療の研究を促し、
報償を与える法律が成立しています。
しかし、
これでもまだ不十分であるかもしれません。
臨床試験を早く承認するような
システムを組み込んだ法律が必要であるともされています。
金銭と時間の問題、
両方が存在するといわれています。
また、倫理的な問題も存在します。
例えば、
検査のための血液を採るにしても
大人の場合には比較的容易ですが、
子どもの場合は、特に年少の場合には
強い理由が必要であるとされています(1)。
子どもの臨床試験では
参加数が少なくなるため、
十分なフェーズⅢ試験が行えない懸念があります。
また、子どもの病気は異種性も強く
過渡期であるため成長に伴って
身体の大きさも変わります。
年齢など特質ごとの細分化が必要な上に
臨床試験の人数も集まらないので、
高いエビデンス性を有した
大規模臨床試験プログラムを組むことに難しさがあります。
臨床試験の参加を促すために
金銭的な報奨を親に与える事も人道的であるか?
という疑問もあります(1)。
金銭のために臨床試験に子供を参加させる事には
倫理的に一定の懐疑性が残ります。
上述したような明らかになっている
潜在的な事も含めた子どもの薬剤開発、承認の困難性を
どのように乗り越えればいいか?
まずは現状認識が必要であると考えられます。
(参考文献)
(1)
Dalmeet Singh Chawla
Why children have to wait years for new drugs
Nature 612, S54-S55 (2022)
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