近年、遺伝子治療を含む標的治療が
日進月歩で進んでいます。
様々な疾患を抱える人が
今後、その恩恵を受ける事になると思います。
その中で最も改善される可能性があるのが
小児医療であると考えられます。
例えば、
小児がんなどは
遺伝子特異性が強く、
癌種、患者さんごとの異種性が高い中で
今までは十分にマッチングしない形で
治療が行われることもありましたが、
それは今後、標的治療、コンピューター、
人工知能などの導入によって
個別化され改善される可能性があります。
それは他の小児希少疾患などでも同じです。
iPS細胞技術などで
希少疾患の細胞モデルを人で作製できるようになるため
従来の安全性が確かめられた膨大な薬を
スクリーニングして
有効性の高い薬剤を抽出できる可能性もあります。
そうすると産業界で懸念される
コストの問題や
臨床応用までの長期化の問題の
両方を解決できる可能性もあります。
もし、そのように
今後、5年、10年、20年で変わるとすると
その次に問題として現れるのが
治療後のお子さんのケアになると考えられます。
すでに
がんサバイバーシップについては
小児においても考えられていますが、
そのようなケースは今後、がん以外でも
増えてくると思います。
Elena Fuentes-Affick(敬称略)らは
アメリカの労働多様性について
従事する民族性の変化に加えて、
教育、家族、コミュニティーなど
医療環境を外側から取り囲む
環境要因について考慮しています(1)。
その中での労働多様性への問題について
議論しています。
--
そのような小児医療において
長期的なケアの格差が問題になることもあります。
その背景にはアクセス性や労働力不足などもあります。
もちろんコストの問題もあります。
従って、
ウェアラブルなデジタル技術を使った
寛解後のお子さんの生活管理も挙げられます。
モバイルヘルス(mHealth)
e-ヘルス(eHealth)
このように呼ばれることもあります。
それによって上述した課題を合理的に
解決しようという動きもあります。
生活習慣の中で重要な
運動量や食事などの管理や
心拍数などの管理もできると思います。
それを医療と連携する形で
外側の組織に委託することもできるかもしれません。
このような
予後の管理の質を上げていくという事は
今までも活発に考えられています。
一方で
現在の医療が改善して、
同じ助かる場合においても
より身体の負担が少ない場合には
お子さんの予後が改善する可能性があるか?
という視点もあります。
例えば、
血液性のがんの治療において
より標的性の高い、副作用の少ない
CAR-TやCAR-NK細胞治療で寛解した場合において
従来の治療と比較して
その予後の質がどのように変わるか?
といったようなフォローアップ研究です。
すでに小児がんのケースでは
過去数十年で飛躍的に改善し、
現在では
80%程度のお子さんの命が救われると言われますが、
それによって
サバイバーシップを考慮しなければならない
件数が大きく増えている事も指摘されています。
今後、注目すべきところは
その数字を80%から100%にするだけではなく
あるいは
予後管理の質を高めるだけではなく
急性期の治療中における
身体のダメージを減らす事を考える必要があります。
同じように助かるのであれば、
急性期の臨床報告では差が表れにくいかもしれないですが、
その後のフォローアップ研究において
差が出るかもしれません。
心的外傷後ストレス障害を含む心の問題や
再発、後遺症、成長異常などの問題が
改善する可能性があります。
例えば、
現在では小児がんで寛解した人が
身体、精神の何らかの疾患に罹るリスクは
そうではない人に比べて
10倍程度高いという統計もあります。
それが改善するとなれば大きな意義があります。
少なくとも
今の世界の医療の方向は
個別化、精密化、標的化の方向に向かっています。
遺伝子の解析技術やコンピューター
人工知能の性能が飛躍的に向上したことも
その背景にあります。
その恩恵を小児医療は
おそらく大きく受ける事になると思います。
そうした場合、
従来の治療に対する
予後の質が変わってくるか?
そのフォローアップ研究の重要性が顕在化します。
--
小児医療は
大人の医療に比べて細分化されておらず
診療科をまたぐことが多いことや
家族など周りのフォローを多く必要とすること
などに加えて、
脳神経や身体が成長し、
過渡期であるため
より予後管理が重要になります。
そうした中で
Elena Fuentes-Affick(敬称略)らが指摘するように
労働資源の多様化が重要になると考えられます(1)。
包摂的、インクルーシブな
医療環境が小児医療ではより重要になると
同様に考えられます。
(参考文献)
(1)
Elena Fuentes-Afflick, Scott A. Shipman, Benard Dreyer, James M. Perrin & Gary L. Freed
Engaging pediatricians to address workforce diversity
Pediatric Research (2022)
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