今までの私の技術者としての経験から
実験のモデルとしてはシンプルな方がうまくいく
という事は確かにありました。
それは、生理学や医療の分野でも
一部は当てはまるかもしれません。
例えば、
癌の治療において、温熱により
少し体温を上げる事で、癌治療を有利にする
ということは、コンセプトとしては
比較的シンプルです。費用も抑えらえます。
そうしたことが特定の臨床ケースでは
上手くいく可能性もあります。
一方で
私が集中的に取り組んでいる細胞外小胞は
身体の生理機序に従う自然のものなので
構造としては非常に複雑です。
冗長な機能があったりもします。
Kenneth W. Witwer & Joy Wolfram(敬称略)は
〇通常の遊離型の薬剤
〇合成ナノ粒子製剤
〇細胞外小胞製剤
これらについてベンチマーク、比較しています(105)
(ref.(105) Fig.1より)
そうすると複雑性に関しては
通常薬剤<ナノ粒子<細胞外小胞
このようになっています。
細胞外小胞は表面、内腔に多種多様な物質があるため
非常に複雑なシステムとなっています。
そうした潜在的な難しさがあるので、
エクソソームを使った臨床応用への取り組みは
一部で臨床試験が行われているものの
今までなかなか進まないし、
積極的に行われてこなかった部分がある
ということがあるのだと推量します。
「小胞を使った標的治療では
合成ナノ粒子の方がシンプルで筋がよいのではないか?」
このような意見が日本や世界にもあるかもしれません。
おそらくあると思います。
産業界も含めて細胞外小胞に取り組む人々は
「結局、成果を上げられなかったらどうしよう。」
このように不安になる事もあると思います。
しかし、
細胞外小胞の研究、調査、考察を日々していると
気づくことがあります。
それは、細胞外小胞の「すそ野の広さ」です。
細胞外小胞で薬剤輸送を精度良くしようと思えば、
細胞外小胞の事を詳しく知る必要があります。
細胞外小胞は全ての細胞種から放出されます。
人、動物だけではなく、植物もそうです。
従って、
薬剤輸送媒体としての応用を考えるために
細胞外小胞の研究、調査、考察をする中で
「同時に」身体の中の内分泌、外分泌の機序を
理解する事に繋がります。
あるいは細胞生物学の詳しい理解にもつながります。
細胞外小胞を通じた
細胞間、臓器間の身体のネットワークは
社会の中でのインターネットのネットワークと同様に
非常に重要です。
仮に薬剤輸送媒体として
合成ナノ粒子の極めて優れたイノベーションによって
細胞外小胞が薬剤輸送媒体として淘汰されたとしても、
細胞外小胞について研究する意義は
依然として多く残ります。
その応用は薬剤輸送媒体だけではなく
すでに示されているバイオマーカーもあります。
自然の物質ですから安全性をしっかり評価すれば、
化粧品や食品(108)などにも使える可能性があります。
また、他の何らかの価値が生まれる可能性もあります。
細胞外小胞は生物全般に広く存在する生理機序ですから、
人以外の動物や植物でも当てはまります。
植物という点で言えば
環境や農業などに何らかの付加価値が生まれる可能性もあります。
あるいは農業に加えて、畜産などにおいて
重要な役割を果たす可能性もあります。
畜産においても環境問題を考えながら、
すでに日本でも少なくとも一部実施されていますから、
社会的に何らかの価値が生まれる可能性もあります。
--
Shiro Koizume & Yohei Miyagi(敬称略)からなる
医療研究グループは
血管、血液の血栓生成を
組織因子、凝固因子の細胞生物学に基づいて
総括されています(1)。
そこには上述した細胞外小胞が含まれます。
細胞外小胞の役割を理解することで
動脈、静脈の血栓塞栓症の病理の理解や
治療に生かすことができる可能性が示唆されます。
従って、薬剤輸送としての応用を脇においても
細胞外小胞について詳しく調べる事の意義は
本報告からも一つ証明されています(1)。
また、細胞外小胞の事に着目しながら
総括内容を精査する中で
細胞外小胞を使った
細胞種特異的輸送系統
(Cell-type-specific delivery system)。
これの実現のための要素技術、モデル
となりうるアイデアも生まれています。
--
細胞外小胞を薬剤輸送媒体として使う事は
合成ナノ粒子よりもモデルとしては難しい可能性がありますが、
生物に共通的に備わっている重要な機序で
複雑であるからこそ、
それを追究する価値があると考える事も出来ます。
常に様々な可能性がある事を頭に入れながら
多くの研究者たちの報告を読む中で
生まれる付加価値もあると思います。
そのような観点で考えると
前述した「実現できなかった時のリスク」に対する
不安の一部は解消されると思います。
またそのような精神論、心理性ではなく、
そのリスクは合理的に低減、分散する事ができます。
さらに、様々な専門分野の知識を持つ
研究者、開発者、技術者、生産者、経営者、
法律家、政策決定者、
臨床医を含めた医療スタッフなどが関わることで
今まで困難だと考えられて、進まなかったことが
一歩一歩前進する可能性もあります。
--
本日はShiro Koizume & Yohei Miyagi(敬称略)が
総括している内容全部を丁寧に参照させていただきました。
また、考察、追記、調査を独自に行い
その内容に追加いたしました。
その内容を日本、世界の読者の方々と共有したいと思います。
//要約、追記//ーー
静脈と動脈の血栓症の中で癌形成が起因となるものがあります。
それを癌関連血栓塞栓症、
cancer-associated thromboembolism (CAT)。
このように定義されます。
重症化し、死に至る癌疾患で共通に見られる合併症です。
細胞表面の糖たんぱく質組織因子
The cell-surface glycoprotein tissue factor (TF)。
これは雪崩のように負のスパイラルを起こしながら
外因性の血液の凝固を引き起こします。
この細胞表面にある糖たんぱく質組織因子は
癌細胞で多く発現し、
細胞外小胞の構成要素です。
つまり、癌細胞から放出される細胞外小胞は
癌細胞の形質を一部、引き継ぐと考えられますから、
癌細胞で血液凝固の因子となる組織因子を膜表面に含む
ということが考えられます。
癌細胞から放出される
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)は
凝固因子Ⅶ(FⅦ)を経て
血液凝固カスケードの引き金となります。
いくつかの癌のタイプでは静脈血栓症につながります。
組織因子の分泌は
組織因子陽性の細胞外小胞の生合成の
多数の生理機序によって制御されています。
つまり、血管凝固、閉塞、塞栓に繋がる組織因子の活性において
癌細胞などから放出される細胞外小胞が
重要な役割を担っていると考えられます。
組織因子の向凝固機能は配座(3次元配置)の変化を通して
制御されています。
多くのステップが血漿中の向凝固活性の上昇に関与しています。
しかしながら、
血液中で癌細胞由来の組織因子が最大活性を示すかどうかは
明らかではありません。
組織因子陽性細胞外小胞の他の多くの生理機序が
癌細胞関連血栓塞栓症(CAT)の原因である可能性が
今まで提唱されてきています。
Shiro Koizume & Yohei Miyagi(敬称略)の総括において
多様な組織因子の制御、活性機序について焦点を当てます。
SARS-CoV-2についても記述します。
癌細胞関連血栓塞栓症(CAT)と組織因子(TF)の間の
関係性を研究する中での技術的な問題も提示しています(1)。
//背景、追記//ーー
癌は静脈、動脈の血栓塞栓症の主なリスク因子です(3-7)。
癌関連血栓塞栓症(CAT)は
患者さんの予後を悪化させる事と関連しています(3,4)。
特に癌関連静脈血栓塞栓症(CA-VTE)では顕著です。
この癌関連静脈血栓塞栓症(CA-VTE)に対して、
癌形成部位、血中の免疫細胞、患者さんの特質が
リスク因子となります(3,4)。
--
組織因子(TF)は
〇周辺血管領域(繊維芽細胞、周皮細胞)
〇免疫細胞(単球、マクロファージ)
様々な細胞によって発現されている
細胞表面にある膜貫通タンパク質です(8,9)。
従って、健康な人にも普遍的に存在します。
組織因子(TF)は血中の凝固因子Ⅶ(fVⅡa)と
結合する事によって外因的な血液凝固カスケードを
引き起こします。
その後、肝臓から分泌された
凝固因子X(fX)が活性化します(8,9)。
血液の組織因子(TF)レベルは健康な人では低く抑えられています。
しかし、癌の患者さんではそのレベルが上昇します。
その理由は癌細胞や
(癌を攻撃するために活性化した、疲労した?)免疫細胞から
細胞外小胞が(多く)分泌されるからかもしれません(8)。
実際に癌細胞では細胞外小胞の分泌量が
通常細胞に比べて増えるという報告があります(111)。
あるいは組織因子(TF)をプラズマ膜表面に多く発現した
細胞外小胞がこれらの細胞から血中に放出され、
凝固因子と結合して、血液凝固カスケードを起こしている
からかもしれません。
細胞外小胞上での組織因子と凝固因子の複合体の形成は
膵臓癌の患者さんにおいて
癌関連静脈血栓塞栓症(CA-VTE)の第一の決定因子である
と考えられています(4,10)。
この静脈血栓塞栓症は血液と組織の組織因子(TF)の
レベルと密接に関連しています。
好中球細胞外トラップ(Neutrophil extracellular traps)。
これは血小板、サイトカインを上昇させ、
膵臓癌や他の癌タイプにおいて
癌関連静脈血栓塞栓症(CA-VTE)に貢献するかもしれません(10)。
--
血液や腫瘍組織の中の組織因子(TF)は
限定的なサンプルサイズで
ELISAと免疫組織化学を使って評価されます(11-16)。
組織因子は細胞外小胞の向凝固活性(PCA)によっても
その活性度を測定する事が可能です。
癌関連静脈血栓塞栓症(CA-VTE)は
組織因子(TF)抗原よりもむしろ
向凝固活性(PCA)によって引き起こされます(11,12,16,17)。
しかしながら、
これらの研究は必ずしも
〇組織因子(TF)
〇血中濃度
〇癌関連血栓塞栓症(CAT)の発生
これらの間の関連を必ずしも示していません。
ELISAsの結果はそれぞれのキットの
抗体の特異性に従って変化するかもしれません。
加えて、
組織因子(TF)と向凝固活性(PCA)は
組織因子である表面タンパク質の結合を通じて
生じますが、組織因子の糖たんぱく質の配座(3次元構造)
の変化によって制御されます。
それはfⅦとfⅦaの生成の関連に影響を与えます(9,18)。
このように、組織因子-抗原レベルと
細胞内、細胞外小胞でのその活性が
現在の実験的な方法、研究デザインを使って
癌患者さんに対して適切に評価されているかどうかは
明確はありません。
排出機序(The shedding mechanics)は
血液、組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)のレベルに
影響を与えるかもしれません。
--
従来の総括では
どの様に組織因子-fⅦaが
〇細胞内信号経路(19)
〇リスク因子
〇癌関連血栓塞栓症(CAT)の治療(20)
〇癌患者の生存における組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)の影響(21)
これらを通して、
悪性腫瘍の表現型を引き起こしているか?
この議題について議論されてきました。
Shiro Koizume & Yohei Miyagiの総括では
癌関連血栓塞栓症(CAT)がどのように
分子生物学の観点で
組織因子(TF)-向凝固活性(PCA)によって
誘導されるかを議論します。
この中で新型コロナウィルスについても議論します。
また、患者さんとの関係性を解明するする中で
現在の問題も提示します。
//癌関連血栓塞栓症における組織因子//ーー
静脈血栓塞栓症は血栓に関連し、
主に流速の遅い静脈内で生成された
フィブリンと赤血球から主に構成されます。
一方で、
動脈の血栓塞栓症は
流速の早い動脈で生じます。
その血栓は主に血小板から構成されます(5,22)。
従来の研究では
組織因子は多数の材料から形成されうるとされていました。
しかし、癌関連血栓塞栓症における
組織因子の役割はごく一部しかわかっていません。
初めに
癌細胞由来の組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)は
癌関連静脈血栓塞栓症を促進します。
なぜなら、その特質を持つ細胞外小胞は
外因的に(※)血液凝固カスケード(雪崩現象)を
活性化させるからです(5,10,21)。
結果として、血栓の構成要素であるフィブリンを
血管壁に堆積させます。
この事は膵臓癌の生体内実験、
人の遺伝子、細胞を動物に異種移植させるモデルで
確認されています(10,23,24)。
免疫細胞など癌細胞以外から放出された
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)もまた
癌関連血栓塞栓症に関与するかもしれません(25)。
確かに、いくつかの臨床試験では
〇膵臓癌(17,26,27)
〇他の癌(13,14,28)
これらを持つ患者さんにおいて
癌関連静脈血栓塞栓症と組織因子の間の関連を示してきました、
第二に、
外因性ではない(※)血液凝固カスケードにおける
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)の効果は
臨床症状を伴う癌関連血栓塞栓症を導くかもしれません。
確かに
膵臓癌細胞から分泌された組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)は
血小板を向凝固状態に活性化させる事を示してきました(23)。
(※)
外因性と内因性の血液凝固カスケードは
どの種類の凝固因子が関与、経由して、
最終的に血栓の構成要素であるフィブリンなどを
形成するかの過程の違いによります。
--
第三に
組織因子陽性の循環している癌細胞は
癌関連血栓塞栓症に関連します(29)。
第四に
フル長さの組織因子に加えて
選択的スプライシングによって生じた
可溶性の組織因子
Alternatively spliced soluble TF(sTF)(100)。
これは構造上欠けた状態(devoid)で
膜貫通、細胞質ドメインに存在します。
この不完全な組織因子は
β1インテグリンを通して癌細胞表面に現れる
細胞外小胞と関連があるかもしれません(30)。
癌関連血栓塞栓症のsTFの役割は不明瞭ですが、
1つの研究では
sTFは向凝固効果を膵臓癌細胞や
それらから分泌される細胞外小胞において
持つとされています(31)。
--
動脈血栓塞栓症は動脈硬化病変部位に関連し
その蓄積物は脂質や活性化した血小板からなります(22)。
動脈血栓塞栓症と静脈血栓塞栓症は
共通のリスク因子を持ちますが、
癌細胞由来の組織因子と動脈血栓塞栓症の間の
直接的な関連はShiro Koizume(敬称略)らが知る限りにおいて
報告されていません。
動脈血栓塞栓症では、
血小板はその数と活性を増加させる事によって
動脈の血栓の形成を促進します(5,6)3,4。
従って、静脈の血栓の形成機序とは異なります。
単球やマクロファージのような
免疫細胞から放出される
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)は
動脈血栓塞栓症に影響を与えます(5,32)。
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)は
PセレクチンとPセレクチン糖たんぱく質リガンド1。
これらの間の相互作用を通して血小板に結合します。
それが、免疫細胞由来の細胞外小胞に表現されています(32)。
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)は
動脈内の血小板凝集サイトで
フィブリンの蓄積やその原因となり得るとされています。
--
脂質異常症は癌に罹患していない患者さんにおいて
アテローム血栓症に貢献します(33)。
組織因子は癌関連動脈血栓塞栓症に関与するかもしれません。
酸化低比重リポタンパク(oxLDL)は
脂質異常症の癌の患者さんにおいて高くなっています(34,35)。
また内皮細胞において組織因子の発現量は高くなっています(33,36)。
酸化低比重リポタンパクは
単球やマクロファージ内の組織因子発現を強化します。
また、アテローム性動脈硬化プラークでの
循環型組織因子陽性の細胞外小胞の増加と
血液凝固を加速させます(37)。
--
凝固因子の腫瘍組織内での供給は不十分かもしれません。
なぜなら、血管生成が不十分で、
高い組織間質液圧があるからです(38)。
異所性の向凝固の重要性は明瞭ではありませんが、
癌細胞は凝固因子を合成できるので
これらの不十分な供給を補う事ができるかもしれません(38-40)。
<<組織因子向凝固活性の制御>>ーーーーー
組織因子の活性は可逆的な配座改変プロセスによって
部分的に制御されています。
それは
「encryption and decryption」
暗号化と暗号解読と呼ばれます。
タンパク質レベルは必ずしも
向凝固活性を比例的に反映しません。
この構造改変の機序は
癌細胞のいくつかのタイプを含めて
様々な細胞内で研究されてきました。
それは多くの因子を含みますが
主要なメカニズムとしては2つに帰結します。
①細胞膜脂質
②分子内二硫化結合
これらです。
暗号化された組織因子は不活性な向凝固状態を持ち、
fⅦaと弱い結合を持ちます(9,18)。
凝固因子との結合状態を決める
組織因子の暗号化と暗号解読(脱暗号化)の
構造変化に関する研究は広く行われてきました。
しかしながら、
癌関連血栓塞栓症との関連性を
理解するのにはいくつかの制限があります。
初めに
癌細胞のデータは限られています。
第二に
暗号化と暗号解読の関与は
臨床症状のある癌関連血栓塞栓症や
実験的なそれの発生において
明瞭ではありません。
TF-fⅦa-fⅩ複合体は
酸性を示す腫瘍組織では不安定かもしれません(38)。
しかしながら、
複雑な形成は神経血管流を安定化させます。
細胞表面と細胞外小胞の組織因子-向凝固活性は
癌の患者さんにおいて
組織因子の周辺の環境において変わるかもしれません。
冒頭で記述したように
組織因子は3次元構造を変える事によって
凝固因子との親和性が変わり、
作用しやすい活性の状態と不活性な状態がある
ということです。
//フォスファチジルセリン(PS)//ーー
フォスファチジルセリンは細胞膜脂質2重層の
主な構成材料です。
フォスファチジルセリンは細胞膜2重層の
インナーリーフレットに主に存在し、
アウターリーフレットに転座します。
この動きは
損傷や何らかの刺激を受けた時に生じます(9,18)。
例えば、
単球内のミトコンドリアからの
活性酸素種(ROS)の生成に引き続いて
酸化脂質の生成が起こり
それによって
フォスファチジルセリンの
アウターリーフレット配置割合が上昇します。
これは細胞膜フリッパーゼ活性が抑制される事に寄って
生じます(41)。
この機序は
〇酸化還元酵素
〇タンパク質二硫化異性化酵素
〇チオレドキシン/チオレドキシン還元酵素
これらによって制御されています(18,42)。
それゆえに
癌組織では活性酸素レベルが増加している
事を考えると、癌細胞において
上述した活性酸素依存的な
フォスファチジルセリンのアウターリーフレットへの
転座は重要です(43,44)。
フォスファチジルセリンが組織因子の暗号解読
にどのように影響を与えるか?
これについては十分に理解されていませんが
組織因子の細胞外ドメインの残基との相互作用は
変異原性試験によって調べられています(45)。
凝固因子fⅦaのγカルボキシルグルタミン酸ドメイン。
これとの相互作用は活性な暗号解読状態(decrypted state)
の維持を助けます(46)。
細胞表面のフォスファチジルセリンは
組織因子のLys159、Gly164残基を通して
組織因子-凝固因子Ⅶa複合体と相互作用します。
フォスファチジルセリンの細胞膜表面の露出は
凝固因子Ⅹと細胞膜の結合を促進し、
組織因子-向凝固活性を上昇させます。
組織因子のLys165とLys166残基との
フォスファチジルセリンの相互作用は
組織因子-凝固因子Ⅶa複合体が
凝固因子Ⅹを引き寄せるために
より好ましい方位を形成する事を可能にします(46.47)。
実験的に導入された組織因子遺伝子F3変異は
いくつかのアミノ酸に影響を与えます。
それは組織因子と向凝固活性の関連を抑える
組織因子の相互作用を予見しました(45)。
しかしながら、
全ての残基の変異は組織因子の暗号解読(活性化)を
完全に阻害する事に失敗しました。
そのことはフォスファチジルセリンと組織因子の
相互作用単体では組織因子の完全な活性化を説明する上で
不十分であることを示しています。
↓
Shiro Koizume & Yohei Miyagi(敬称略)が
Fig.1に示している様に
組織因子は細胞や細胞外小胞の表面において
凝固因子と結合しながら、
最終的にフィブリンなどの血栓の形成物質を生み出しますが、
その結合活性は細胞膜上のアウターリーフレットに
多く出てきているフォスファチジルセリンによって
高まります。Fig.1aではフォスファチジルセリンが
組織因子の膜貫通部外側に集まっている様子が描かれています。
これを「暗号解読の状態」とも呼びます。
しかし、ここで一つの疑問が生じます。
細胞外小胞表面では
細胞表面と同様にフォスファチジルセリンの動性が
引き起こされるのでしょうか?
外因性の刺激が主要であればそうである
可能性がありますが、
細胞骨格のアクチンなど
何らかの細胞内機序が関わっている場合、
その機能が細胞外小胞に備わっていない可能性があります。
//スフィンゴミエリンと脂質ラフト//ーー
スフィンゴミエリンは静止細胞の
細胞膜アウターリーフレットの主要材料です。
内皮細胞、単球、マクロファージを使った
近年の研究では
スフィンゴミエリンは組織因子-向凝固活性を抑制する
ことが明らかになっています。
酸スフィンゴミエリナーゼは
リソソームから細胞膜へ輸送されます。
プリン受容体であるP2rX7受容体が
組織因子の活性化、暗号解読を引き起こすために
単球表面においてセラミドを産生させるように
スフィンゴミエリナーゼを分解する事に反応して生じます(48)。
しかしながら、
どのようにスフィンゴミエリナーゼとセラミドが
E-Dプロセス、
つまり組織因子の配座変化による不活性、活性化のスイッチに
影響を与えたか?
これについてはよく理解されていません(48)。
酸スフィンゴミエリナーゼ(ミエリナーゼ分解酵素)は
リポポリサッカリド、サイトカインによる
同時の処理によって誘導されます。
それは内皮細胞、単球、マクロファージで
組織因子の活性状態を引き起こします(48,49)。
酸スフィンゴミエリナーゼは癌の進行に関わります。
酸スフィンゴミエリナーゼ-セラミド経路は
腫瘍組織内の低酸素、酸性状態で活性化するかもしれません(50)。
加えて、
低酸素の腫瘍組織内の水素イオンは
フォスファチジルセリン分子の負の電荷を中性化します。
このように
酸スフィンゴミエリナーゼ経路は
フォスファチジルセリンの活性化を支配するかもしれません。
Shiro Koizume & Yohei Miyagi(敬称略)が
Fig.1cに示した図では
フォスファチジルセリンとスフィンゴミエリン分解酵素が
共に作用している状態で組織因子と任意の凝固因子との
複合結合が活性化しています。
これは凝固活性を増加させます。
--
セラミド誘導の組織因子活性は
三環式の抗うつ薬によって抑制されます。
それによって試験管と生体内で
酸スフィンゴミエリナーゼが抑制されます(49)。
このように酸スフィンゴミエリナーゼ抑制剤は
癌関連血栓塞栓症治療の潜在的な治療薬の候補となる
可能性があります。
--
脂質ラフトはコレステロールとスフィンゴミエリンが
多くの量で存在する細胞膜上のマクロドメインです(51)。
組織因子は脂質ラフトと接続することによって
暗号化されます。不活性になります。
参考文献(1)のFig.1b参照。
これはコレステロールが仲介します(42,52)。
細胞膜からコレステロールを剥がすと
組織因子は活性化します(52)。
組織因子のCys245の脂肪酸の改変は
脂質ラフトと結合する事に寄って
組織因子の不活性化に影響を与えます(53)。
加えて、
スフィンゴミエリナーゼはコレステロールと
相互作用します。
それが脂質ラフト形成を改変します(42)。
これらのデータは
脂質ラフトが複数の生理機序を通して
組織因子の不活性状態(cryptic state)を維持することを
助長していることを示しています。
//組織因子の二硫化結合の交換//ーー
Cys186とCys209の間の細胞の二硫化結合は
組織因子の活性化を引き起こします(9,18,42)。
細胞表面のタンパク質二硫化異性化酵素(PDI)は
組織因子と結合し、活性化プロセスを仲介します。
そのことは
組織因子が内皮、角化細胞内への信号の伝送媒体
凝固促進剤のいずれかを
選択する事を可能にします(54)。
タンパク質二硫化異性化酵素の関与は
血液性の癌細胞で示されたけれども、
乳がん細胞では適用できません(55,56)。
この生理機序は細胞外小胞が関与した
組織因子によって生じうるとされています。
なぜなら、
タンパク質二硫化異性化酵素は細胞外小胞表面にも
存在し、組織因子の活性化の生成を助長します(9,42,57)。
しかしながら、
タンパク質二硫化異性化酵素は
低酸素化にある腫瘍組織では機能を十分に発揮できない
可能性があります。
なぜなら、この酵素の分解能力は
酸素濃度依存的であるからです(38)。
乳がん細胞(MDA-MB-231)の研究では
チオレドキシン/チオレドキシン還元酵素が
組織因子のチオール残基を修正し、
組織因子と凝固因子Ⅶaの間の相互作用を抑制します(58)。
これまで、
タンパク質二硫化異性化酵素は
組織因子依存的な血栓形成に関与していることが
示されています。
それは塩化鉄誘導の動脈血栓形成モデルによって
示されました。
しかし、
癌関連血栓塞栓症に対する関与は明瞭ではありません(59)。
//組織因子パルミトイル化//ーー
組織因子のCys245のパルミトイル化は
コレステロールとスフィンゴミエリンを豊富に含む
脂質ラフトを伴う組織因子の固定を必要とします。
乳がん細胞を使った近年の研究では
パルミトイルタンパク質チオエステラーゼによる
脱パルミトイル化は
組織因子と向凝固活性を強化します。
これは組織因子が凝固因子ⅦaとⅩaと複合体化
するために好ましい組織因子の3次元構造改変が
生じることを通して起こります(60)。
メカニズムは組織因子の膜貫通ドメインの伸長に関わります(60)。
パルミトイル化は組織因子のSer253残基のリン酸化に
先だって生じます。
しかしながら、
この改変は組織因子の活性化の原因ではありません(60)。
//補体誘導組織因子活性化//ーー
抗胸腺細胞グロブリン、抗リン脂質抗体は
抗原を排除するための免疫反応である
補体(C3,C5)の活性化を誘導し、
外因性の組織因子を
タンパク質二硫化異性化酵素依存的、非依存的様式で
引き起こすことが炎症性疾患で知られています(61,62)。
それら補体C3,C5は
タンパク質二硫化異性化酵素のチオール二硫化交換と
共役しうるとされています。
これは癌細胞における組織因子を活性化させるためです。
この機序は癌細胞の組織因子活性化と関連します。
なぜなら、
癌細胞由来のセリンプロテアーゼは
補体を活性化するからです(63)。
補体は生体内で実験的な動脈血栓生成に関与します。
しかし、実験的及び臨床症状を伴う
癌関連血栓塞栓症の補体の役割は明瞭ではありません。
//SARS-CoV-2//ーー
癌の患者さんは新型コロナウィルス感染に感受性が高く
重症化しやすいと示されています(64)。
最近の研究では
組織因子誘導の凝固亢進状態は
SARS-CoV-2感染の患者さんと関連があるとされています(65-69)。
新型コロナウィルス感染症と活性な癌を持つ患者さんは
抗ウィルス薬などの薬物や酸素供給などの機械的な予防措置を
受ける事が推奨されています。
なぜなら、非常に高い血栓形成のリスクがあるからです(64)。
SARS-CoV-2のスパイクタンパク質はACE2受容体に結合し、
細胞内にウィルスが侵入します(65)。
これは組織因子-向凝固活性を
酸スフィンゴミエリナーゼ活性を通じて上昇させる
結果となります。
引き続いてセラミドが形成されます(65)。
イミプラミンなどの三環系抗うつ薬は
新型コロナウィルスに誘導される凝固亢進症の予防に対して
効果的であるかもしれません(65)。
加えて、
アンブロキソール、粘液融解薬は
組織因子誘導の血栓塞栓症の予防に効果があるかもしれません。
なぜなら、
スフィンゴミエリナーゼの活性化と新型コロナウィルスの
上皮細胞への侵入両方を抑制できるからです(70)。
--
新型コロナウィルス感染は
血栓生成を亢進する可能性があります。
なぜなら、
急性呼吸促迫症候群を持つ重症の
新型コロナウィルスの患者さんの肺のmRNAレベルで
組織因子の発現量が増えているからです(68)。
ウィルス誘導の組織因子上昇のメカニズムは
示されていません。
しかしながら、
肺の損傷による組織の低酸素状態は
この組織因子上昇の現象に結びつくかもしれません。
F3遺伝子が低酸素状態に反応して活性化されることを
考慮するとその可能性があります(19,39,40)。
もう一つの研究は
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)の向凝固活性と
抗凝固タンパク質、組織因子経路抑制剤は
それぞれ組織因子上昇、減少に関わります。
とりわけ血栓塞栓症の発生率が高い、
新型コロナウィルス感染症の患者さんの血液では
あてはまります。
新型コロナウィルス感染症を持つ癌の患者さんの
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)は
癌細胞だけではなく、
活性化した血小板に関連した単球からも生じます(69)。
重要なのは
向凝固活性と組織因子抗原レベルは
新型コロナウィルスの重症度に関連しています(66,71)。
血小板-好中球の相互作用は
新型コロナウィルス誘導の血栓生成症に
重要な役割を果たしています。
なぜなら、新型コロナウィルス感染症を持つ患者さんにおいて
活性化した補体は好中球、単球の活性化を促し、
結果として、血栓生成する好中球細胞外トラップを放出します。
それは組織因子の活性化につながります(72)。
↓
組織因子発現レベルは凝固活性と相関があり、
血液の流れが滞ることによって酸素レベルが下がり、
重症化するということです。
従って、場合によってはECMOが必要になります。
その組織因子レベルは
細胞そのものだけではなく
細胞から放出される細胞外小胞も関わります。
癌細胞から放出される細胞外小胞の組織因子レベルが
高い場合には癌細胞自身の組織因子のレベルが高いことが
想定されます(101)。
また、血中に遊離した状態で組織因子があれば
それを細胞や細胞外小胞がコロナとして付着させる
可能性もあります。
従って、一旦、組織因子が様々な細胞で高まると
細胞間のコミュニケーション媒体である
細胞外小胞でも高まり、
凝固因子が結合する機会が指数関数的に高まってしまうため
凝固のリスクは極めて高くなってしまいます。
特に循環器系にリスクのある高齢の方や
癌患者さんなどにおいては
新型コロナウィルス感染の抗原により補体形成され
それ依存的に高まった組織因子だけではなく
それ以外の要素で組織因子が高い状態にあるため
より重症化に関わる循環器系のトラブルが生じやすくなる
と考えられます。
ーーーーー
<<組織因子を活性化させる付加的機序>>ーーーーー
組織因子の活性の制御には
多くの分子的プロセス、複雑な生理現象が
関わっています。
組織因子の活性の制御に貢献する機序は
以下のいくつかのカテゴリーで説明します。
しかしながら、前の段落で上述した
組織因子の3次元構造変化による
活性、不活性のスイッチ(E-D)との関連は
現在では不明瞭です。
//組織因子糖鎖形成//ーー
組織因子制御機序としての糖鎖形成は
(乳がん)癌細胞を含めて、
様々な細胞種で評価されてきました(73,74)。
組織因子内の細胞外糖鎖形成サイトの変異は
凝固因子Ⅶaや組織因子-向凝固活性形成との
関連は認められませんでした(73,74)。
人臍帯静脈内皮細胞(HUVEC cells)を使った実験では
糖鎖の形成は組織因子のE-Dプロセスに
影響を与えませんでした(73)。
組織因子-凝固因子Ⅶa活性は
前段落で述べた様に
主に細胞膜の脂質材料によって制御されています。
糖鎖形成ではありません。
しかしながら、
糖鎖形成は胎盤由来の組織因子の活性を高めます(75)。
異なる糖質改変パターンは
向凝固活性に影響を与えるかもしれません。
従って、
糖質の改変パターンと
それが影響を与える細胞種によるということです。
//ペプチジル-プロリル異性化酵素//ーー
ペプチジル-プロリル異性化酵素は
複数の細胞種で組織因子-向凝固活性を上昇させます(76)。
その生理機序は未解明ですが、
この効果はこの異性化酵素が
組織因子の短い細胞質ドメインn内のSer258-Pro259残基に
結合する事によって仲介されるかもしれません(77)。
この異性化酵素は向炎症性転写因子複合体NFκBとAP-1を
通して、組織因子のF3遺伝子を活性化させます(76)。
異性化酵素は通常細胞において向凝固活性を強化するために
多くの組織因子機能を制御します。
しかしながら、
この生理機序がすべての癌細胞に存在するかは不明です。
↓
参考文献(1)Fig.2a,bによると
ペプチジル-プロリル異性化酵素のSer258-Pro259残基が
細胞質側で組織因子に作用する事で
アクチンフィラメントとの結合性が変わり、
それが細胞外小胞への組織因子積載、発現に関わり
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)を放出する
というメカニズムが示されています。
//インテグリン//ーー
インテグリンはα鎖とβ鎖の異種2量体からなる
細胞表面タンパク質です。
そのうちインテグリンβ1(α鎖に指定はない)は
凝固因子Ⅶaの刺激に反応して、
様々な細胞の表面で組織因子に関わります。
それによって
組織因子-向凝固活性を制御します(78,79)。
P2rX7受容体への刺激は
スモールGTPアーゼ、arf6から
組織因子-インテグリン複合体の結合を剥がします。
この機序が細胞表面の結合の為の利用性を高め、
細胞表面タンパク質二硫化異性化酵素の放出に
関連する組織因子と凝固因子Ⅶaの結合親和性を高めます(79)。
組織因子とインテグリンの結合は
向血管生成信号経路の活性化を助長します。
このプロセスはスモールGTPアーゼ、arf6によって
仲介されます。
これは、インテグリンのエンドソームへの介入、
やりとり(trafficking)を制御します。
スモールGTPアーゼ、arf6の抑制は
組織因子を向凝固状態に移行させます。
むしろ癌細胞の細胞内信号を活性化させるよりも
それが強まります(80)。
内皮細胞から放出された細胞外小胞内での
組織因子とインテグリンの相互作用は
細胞外マトリックスへの結合力を強化し、
それによって
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)の
凝固活性を向上させます(81)。
↓
このインテグリン結合を介した
細胞膜表面、細胞外小胞表面での組織因子依存的な
凝固活性の高まりは、
スモールGTPアーゼ、arf6が主要に関わっています。
これが抑制されるとインテグリンの結合が高まり
細胞、細胞外小胞表面の結合を介して
凝固状態が活性化されます。
従って、スモールGTPアーゼ、arf6の機能を維持させる事が
この経路では凝固を防ぐために重要になります。
また、P2rX7受容体も活性も
このGTPアーゼの機能を弱めてしまいます。
ここからは少し別の視点になりますが、
細胞内から細胞外小胞を形成させる際に
インテグリンの機能を弱めたい場合には
このP2rX7受容体を弱めたり、
スモールGTPアーゼ、arf6の機能を高めたりすることで
細胞表面のインテグリンの活性、安定性が
変わる可能性があります。
基本的に受容体は2量体になると
安定性や機能が高まるのではないか?と現在では
考えています(102-104)。
これが異種受容体結合でも可能性があります(104)。
例えば、
細胞外小胞において
血中でのインテグリン、組織因子仲介を減らしたい場合には
できるだけ、インテグリンや組織因子が
異種2量体化しないように制御する事が必要かもしれません。
そうすると細胞外小胞の形成時の生産条件において
これらの結合性において重要な役割を果たしている
スモールGTPアーゼ、arf6の機能は重要かもしれません。
もちろん、全く逆の結果になる事も否定はできません。
しかし、
細胞外小胞の生産における重要な見識において
細胞外小胞表面に発現される受容体やリガンドの種類だけではなく
それらの同種(ホモ)、異種(ヘテロ)の多量体化の
観点で考える事も重要です。
例えば、作用させたくない受容体は多量体化を防ぎ、
細胞種特異的な標的性において「重要な受容体は」
ホモ、ヘテロを含めて意図的に多量体化させることで
より強固な発現維持が実現し、
輸送経路で影響を受ける様々な外的、内的因子依存的な
構造変化やコロナ形成にも耐えうる可能性があります。
細胞表面の受容体の状態は
細胞外小胞の受容体の状態に影響を与える事が
組織因子-凝固因子の発現を示した
Shiro Koizume & Yohei Miyagi(敬称略)による
本総括(1)によっても明らかにされています。
細胞外小胞よりも大きな細胞表面での
受容体の動性、ダイナミクス、
受容体同士の相互作用の機序を詳しく調べる事は
基礎的な細胞生物学に貢献するだけではなく
細胞外小胞を輸送媒体とした
細胞種特異的輸送系統の実現にも大きく貢献する
可能性があります。
//CD248//ーー
細胞表面の糖たんぱく質CD248は
組織因子活性化に貢献します(82)。
CD248は組織因子と結合し、
組織因子の3次元構造変化(decription)非依存的な様式で
様々な細胞の組織因子Ⅹを活性化させるために変化します(82)。
CD248はCD248ノックアウトマウスモデルで
動脈血栓塞栓症と静脈血栓塞栓症を促進します(82)。
癌関連血栓塞栓症におけるこの機序の重要性は
現在では明瞭ではありません。
ーーーーー
<<組織因子陽性細胞外小胞生成の制御>>ーーーーー
//細胞外小胞への組織因子の搭載//ーー
強制的に組織因子を発現させた
人の内皮細胞を使った実験に基づく
細胞外小胞への組織因子の放出の研究では
Ser253残基がリン酸化されると
細胞外小胞への組織因子の発現が促進され、
Ser258残基のリン酸化では
逆に抑制されます。
これは
細胞表面のプロテアーゼ活性受容体2(PAR2)の活性化の後
すぐに生じます(83)。
タンパク質キナーゼCαとp38αは
細胞質に存在するSer253とSer258残基を
それぞれリン酸化します(84)。
従って、キナーゼの種類によって
その細胞から放出される細胞外小胞の組織因子の
発現状態が変わるという事です。
2つの隣接するセリン残基は
相互に細胞外小胞への組織因子の発現を制御しています。
加えて、
Cys245の脱パルミトイル化は組織因子の取り込みを促進します。
このプロセスはSer253のリン酸化に先立ちます(60)。
--
どのように細胞質ドメインが
細胞外小胞への組織因子の発現を制御するかの調査では
細胞骨格(アクチンフィラメント)と細胞膜タンパク質の間を
結合させるフィラミンA(アクチン結合タンパク質)が
内皮細胞、癌細胞種から放出される
細胞外小胞の組織因子放出において重要である
ということがわかりました(39,85)。
フィラミンAは組織因子内の
細胞質免疫グロブリン様周期構造と結合します。
これはPAR2が活性化された時
乳がん細胞(MDA-MB-231)において
細胞外小胞への組織因子の発現を助長します(85)。
低酸素状態で卵巣癌種を使ったもう一つの研究では
フィラミンAは
細胞外小胞の組織因子-フィラミンAの複合体が発現される
ことにおいて重要な役割を果たすことがわかっています(39)。
しかしながら、
PAR1とPAR2どちらも細胞外小胞への
組織因子の発現を仲介はしません。
それは細胞種やその環境が
細胞外小胞の組織因子発現の中で
PAR2機能に影響を与える事を意味します。
乳がん細胞(MDA-MB-231)で引き続き行われた研究では
組織因子-フィラミンAの相互作用は
組織因子Ser253残基のリン酸化によって強化されます。
一方でSer258残基のリン酸化は
この相互作用を弱めます(86)。
これは前述したように
Ser253残基、Ser258残基のリン酸化が
それぞれ細胞外小胞への組織因子の発現を
強める、弱める発見と合理性を持ちます(77)。
さらに、
細胞膜からコレステロールを取り出す事に寄って
脂質ラフトが乱されることは
細胞表面の組織因子の活性を弱くし、
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)の放出も
同様に抑えられます(86,87)。
組織因子の細胞質への放出は
フィラミンA依存的な様式で
細胞表面の脂質ラフトへ転座することによって
生じるかもしれません。
組織因子制御における
コレステロールの役割は議論の余地があります。
もう一つの研究は
脂質ラフトの結合は
組織因子の活性化を生成する事を示しています(1)。
--
P2rX7受容体信号は
マクロファージ内への細胞外小胞への
組織因子発現において重要であることが
従来の研究で示されています(59,88)。
P2rX7受容体は
TrX/TrxRシステムを分解し
細胞の活性酸素を上昇させます。
そのことは
カスパーゼ-1-カルパイン経路とフィラミンAへき開を
活性化させます(88)。
このへき開によって細胞骨格から
組織因子が放出されます。
それによって細胞外小胞への組織因子の
取り込みを誘発します。
↓
従って、上流側の機序として
P2rX7受容体の活性化が重要になります。
ここをアンタゴナイズすることによって、
細胞外小胞への組織因子の発現を抑えられる可能性があります。
--
このフィラミンAの役割は
細胞種に依存するかもしれません。
P2rX7受容体信号は細胞外小胞の
インテグリン-組織因子結合、複合体化に貢献します。
これは前述したように
スモールGTPアーゼ、arf6が抑えられることによって
マクロファージ、平滑筋細胞、乳癌細胞由来の
細胞外小胞で生じます(79)。
P2rX7信号は複数の機序で
組織因子の放出を促進します。
--
異性化酵素Pin1は
人の内皮細胞、乳癌細胞(MDA-MB-231)において
リン酸化したSer258、Pro259残基依存的に
組織因子の細胞質側尾部と相互作用します(76)。
組織因子の細胞質の安定性は
Pin1-組織因子相互作用で上昇します。
その後、プロリン異性化が生じます(76,77)。
この変化は
組織因子のポリユビキチン化を防ぎます(77)。
組織因子をプロテアソーム分解から防ぐことは
細胞外小胞への組織因子の長寿命化、搭載効率化を
促進します。
//細胞外小胞の生成//ーー
フィラミンAは卵巣がん細胞からの細胞外小胞
の生成に影響を与えます。
特に低酸素状態では顕著です(39)。
これは
乳がん細胞(MDA-MB-231)細胞から放出される
PAR2誘導の細胞外小胞が酸素正常状態、培養下で
フィラミンAを抑制したら、増加する結果と
対照的です(85)。
マクロファージ内では
フィラミンAへき開に関連するカスパーゼ1活性、
その後、細胞外小胞が組織因子を発現.
この事が、マクロファージから細胞外小胞が
分泌されることに関与します(9,88)。
ATP誘導のP2rX7受容体信号は
〇細胞外小胞の組織因子発現
〇組織因子-向凝固活性
〇細胞外小胞分泌
これらを促進します(9,18,42,59,88)。
↓
Shiro Koizume & Yohei Miyagi(敬称略)が示すFig.2dや
John Charles Rotondo(敬称略)がFigure 1に示すように
P2X7Rが長期間活性化されると構造変化が起き
細胞膜をオープニング、開門します(1,106)。
それによって細胞質内にある物質が
細胞外へ放出されやすくなります。
エンドソームから放出される腔内膜小胞がどのように
このオープニングと関わるかはわかりませんが、
膜が開く事によって、
エンドソームと細胞膜の膜融合が起こりやすくなり
結果として多く放出されるという事は
考えられるかもしれません。
--
この発見は
活性な組織因子の放出は
細胞外小胞の放出と関連がある事を示します。
脂質ラフトは
乳がん細胞(MDA-MB-231)、
急性単球性白血病患者に由来するヒト単球細胞株である
THP-1細胞種から
放出される細胞外小胞の重要な因子です(87)。
最近の研究では
乳がん細胞(MDA-MB-231)からの
細胞外小胞の発生における組織因子の証拠が示されています。
この組織因子は遺伝子編集によって消すことができます(89)。
ーーーーー
<<癌検査サンプル内の組織因子評価>>ーーーーー
//向凝固活性の予測//ーー
組織因子レベルよりむしろ向凝固活性が
血栓生成を引き起こすことを考慮すると
向凝固活性の評価が
癌関連血栓塞栓症の予測の上で
組織因子抗原の評価よりも重要である
可能性があります(17,26,27,90-92)。
細胞外小胞は組織因子-向凝固活性を評価するのに
広く使われます。
ほとんどの癌細胞由来の組織因子は
細胞外小胞の表面に発現され細胞外に分泌されるからです。
確かに
向凝固活性は膵臓がんの患者さんにおいて
静脈血栓塞栓症の発生数と正の相関があります(4,17,26,27)。
細胞外小胞は高速の遠心分離機で血漿サンプルより
分離されます(11,12,17,90,91)。
しかしながら、
細胞外小胞分離の為の
血漿の準備、遠心分離機の力、時間は
研究ごと最適値が異なります。
癌細胞由来の細胞外小胞の回復率
(遠心力によるストレスからの構造的な回復)は
研究デザインによって異なるかもしれません。
様々な癌細胞種の培地からの細胞外小胞の回復率は
20000gで26%、10000gで67%です(93)。
↓
Yuki Sonoda, Fumi Kano & Masayuki Murata(敬称略)は
細菌毒素によって一度、細胞膜に穴をあけて
そこで細胞外小胞へmiRNAを搭載し、
その後の回復で再封鎖する事を報告しています(107)
遠心分離機で細胞膜の一部がダメージを受けている時に
例えば、内包物を封入して、
その後、回復で再封鎖する事で
RNAや薬剤などを封入する事は可能でしょうか?
いずれにしても、細胞外小胞はダメージを受けた後
回復する機序があるので、
力学的なダメージを受けている時に
細胞外小胞の中に内包させた物質を封入するコンセプトは
Yuki Sonoda(敬称略)らが示すように
いくつかの手法で出来る可能性があります。
特に回復を助長させる条件を見つけることができたら、
薬物搭載の自由度が向上する可能性があります。
--
20000gでの分離では3/4程度の細胞外小胞を失ってしまうので
向凝固活性を過小評価してしまいます。
しかしながら、
この20000gは
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)を回復させるための
定量的に十分であると提案されています(94)。
改良した技術は癌関連血栓塞栓症と組織因子の間の
関係性を理解することを高めるかもしれません。
組織因子は必ずしも癌関連血栓塞栓症の発生数と
比例関係にありません。
なぜなら血液サンプルで
組織因子は十分に活性化(decrypted)されていないからです。
しかしながら、
組織因子レベルは癌関連血栓塞栓症の発生時
向凝固活性を予測するのに重要である
ということがYuki Sonoda(敬称略)らの研究で
示されています(96)。
↓
組織因子は細胞膜の脂質などとの相互作用によって
3次元構造を変え、活性、不活性状態を変化させます。
組織因子自体はあっても不活性の状態のそれが多ければ、
凝固活性はその量に比例して高まりません。
従って、必ずしも組織因子の量と
凝固活性が正の相関を示さないという事である
と理解しています。
//組織因子抗原レベルによる癌関連血栓塞栓症予測//ーー
ELISA、免疫組織化学は血漿、癌組織内での
組織因子レベルを評価するのに使われます(12-15,17)。
確かに
ELISA内の抗組織因子抗体の特異性と反応性は
従来から指摘されている様に
それらの正確性に影響を与えます(11,92)。
加えて、
現在のELISAキットは
二つの異なる抗体でサンドイッチした方法の物を使います。
しかしながら、
抗組織因子抗体の反応性は
糖鎖形成や組織因子の構造折り畳みパターンによって
影響を受けるかもしれません(73,74)。
加えて、
市販されているELISAキット内の
組織因子抗体の同一性は確かではありません。
ELISAシステムが組織因子レベルを定量化できるかどうかは
定かではありません。
--
この問題に対処するために
Shiro Koizume & Yohei Miyagi(敬称略)は
10H10抗体を使ったウェスタンブロット法によって
調べた様々な癌細胞種の組織因子レベルが
組織因子-ELISAキットによる評価と一致するか
どうかを調べました(96)。
Quantikineキットによって測定した組織因子レベルは
よい一致がみられ、癌細胞由来の組織因子の検出のため
適していると考えました。
臨床サンプルで使ったELISAは
組織因子レベル(向凝固活性ではない)は
膵臓がんの患者さんにおいて
癌関連血栓塞栓症の重要な予測因子であることを示しました(96)。
向凝固活性同様に組織因子の評価は
癌関連血栓塞栓症の予測において重要です。
--
細胞外小胞に関連する
血漿の組織因子レベル、向凝固活性は
卵巣がんの患者さんにおいて
静脈血栓塞栓症の発生数と関連がないかもしれません(11,12)。
ELISAは組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)の検出に失敗しました。
なぜなら、
血漿サンプルから見積もられた組織因子レベルは
高速遠心分離の後の浮遊率と一致していたからです。
この研究では
細胞外小胞と関連のない組織因子だけ
ELISAキットが検出していたことを示唆します。
この現象は他の実験システムでも起こるかどうかは不明です。
細胞外小胞が検出された報告もあるからです(86)。
私たちは組織因子における細胞外小胞の関連を
注意深く見積もる必要があります。
加えて、
ELISAは癌細胞、単球などの癌以外の細胞の組織因子を
それぞれ見分けることができないかもしれません。
また、組織因子の種類(TF, sTF)を区別できないかもしれません。
--
近年、ELISA(Quantikine)による血漿サンプル内の
組織因子抗原の検出について議論されてきました(97,98)。
これらの議論に基づいて、
Quantikineシステムの組織因子に対する反応性は
サンプルによって影響を受ける可能性があります。
組織因子の供給元(免疫細胞、癌細胞)
これによっても影響を受ける可能性があります。
脂質環境によっても影響を受ける可能性があります。
加えて、
未知のエピトープマスキング機序が
血漿中の組織因子抗原の正確な検出を阻む可能性があります。
それは組織因子が血漿、癌細胞由来の
凝固因子Ⅶと高い親和性を持つことが関係するかもしれません。
この凝固因子はエピトープを隠す(マスキング)する事が
知られているからです(99)。
確かに
Quantikineシステムは
リポ多糖体で処理した血液内で放出された
組織因子陽性細胞外小胞を認識するのに失敗しました(97)。
しかしながら、
このキットは
癌関連血栓塞栓症のない患者さんや健康な人に対して
組織因子抗原レベルを高値で示しました(96,98)。
どの様なケースにおいても
現在の実験的な方法では生物サンプルから
組織因子を正確に評価する能力には限界があります。
この事は従来から総括されています(10)。
様々な見識を通した組織因子抗原、活性の評価は
組織因子と癌関連血栓塞栓症の間の関係性の理解を
向上させる必要があります。
ーーーーー
//要約//ーー
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)の分泌は
静脈血栓塞栓症、動脈血栓塞栓症を癌の患者さんで
引き起こす可能性があります。
組織因子-向凝固活性と
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)の放出は
多くの機序によって制御されています。
また、癌の状態に反応して変化します。
癌組織内での優勢な機序は
癌細胞種や腫瘍組織状態によって変わるかもしれません。
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)の向凝固活性は
直接的に静脈血栓塞栓症に関連するので、
組織因子-向凝固活性と癌関連静脈血栓塞栓症の
発生数の間の比例関係は分析されてきました。
向凝固活性は
組織因子陽性細胞外小胞(TF+EVs)を分離する事に寄って
見積もられてきました。
しかしながら、
遠心分離による力学的なダメージから
十分な割合の細胞外小胞の回復が難しいかもしれません。
組織因子レベルは重要です。
なぜなら、高い組織因子レベルは
癌の患者さんにおいて向凝固活性の上昇を引き起こすからです。
特に膵臓がんなど、
多く組織因子が(おそらく)活性になっている癌種では
組織因子レベルと抗凝固活性の関連性は高まると考えられます。
患者さんの血液中の組織因子は
多くの市販されているELISAキットで決定されてきました。
しかしながら、
キットは異なる抗体を使うため、反応性が異なります。
現在の実験的な方法では
組織因子レベルを過小評価するかもしれません。
なぜなら、細胞外小胞に発現されている組織因子レベルを
検出できていない可能性があるからです。
いくつかの方法による組織因子の見積もりは
癌関連血栓塞栓症の発生数における
組織因子の効果の正確な理解を導くかもしれません。
組織因子-向凝固活性を決める
細胞表面での異種多量体形成の状態の制御などにおいて
新しい治療標的(キーとなる残基、リン酸化、脱リン酸化など)
の発見においても組織因子の分析が重要になります。
新型コロナウィルス感染症の広がりも
癌の患者さんにおいては特に
癌関連血栓塞栓症の新しいリスク因子です。
さらなる研究が
血栓疾患を持つ患者さんのより良い治療の為、必要です。
//考察//ーー
Kei Takahashi(敬称略)ら医療研究グループは
マウスにおいて組織を透明化した後、
臓器を含めた体全体の血管系、リンパ系の循環器の
3次元構造を明らかにしています(2)。
Shiro Koizume & Yohei Miyagi(敬称略)が総括しているように
いくつかの癌において血管が塞栓するとされています。
しかし、癌細胞は代謝効率が悪く多くの栄養を必要とすることから
活発に癌組織内、外側において血管生成を行います。
従って、循環器系のリモデリングが生じると考えられます。
塞栓した血管経路をバイパスする経路が必要になるからです。
その血管のリモデリングの3次元分布を
Kei Takahashi(敬称略)らのCUBIC手法によって
今までより精密に明らかにすることができる可能性があります。
細胞種特異的輸送系統で
薬剤の輸送経路を考える際において、
癌を含む各病態において
特徴的な血管の3次元のパターンが非常に参考になります。
そこに新たな発見がある可能性があります。
その太さ、長さ、つながり、分布を含めた
3次元パターンからコンピューターモデルで
細胞製剤や細胞外小胞製剤などが
臓器内も含めてどのような広がりを見せるか?
ということがシミュレーションできるかもしれません。
その時に、癌が進行する事で
血管に血栓ができると、
抗がん剤などを含めた薬剤のルート、輸送効率が
大きく変わる可能性もあります。
他方で、薬剤の輸送をリアルタイムで評価するためには
「生きたまま」血管の状態を分析して
高解像度の分析で薬剤の輸送状況を調べる事が必要になります。
Antonia Lichtenegger(敬称略)らは深さ方向に解像度のある
つまり3次元の光干渉断層計(JM‑OCT)を用いて
赤外線においてゼブラフィッシュの血管の状態を分析しています。
ただ、赤外線の場合は波長が長いので
10~20μmの解像度となっています(109)。
細胞外小胞を分析しようと思うと
少なくともこの2桁小さい解像度が必要になります。
その他には
Saori Araki, Hinako Tamotsu & Reina Komiya(敬称略)らは
免疫染色を用いて免疫細胞からの発光を高解像度顕微鏡で
3次元的に分析しています。
「Multiple immunostaining」という方法で
3次元化しています(110)。
解像度はサブ細胞レベルである1μm程度はあると
観察図(Figure.1)から推定できます。
細胞外小胞を分析するためにはもう少し解像度が必要かもしれません。
抗体を付けて積極的に発光させて
血液内の3次元の挙動を見るというのも一つの手法です。
Saori Araki(敬称略)らは米(植物)のケースで
生命活動を絶った状態で分析されていますが、
免疫染色で3次元でゼブラフィッシュなどを使って
生きたまま高解像度で分析する方法があれば、
薬剤輸送の形態を生体内で時空間的に分析する事が可能になり、
研究開発を進める上でのいくつかの
ヒューリスティック、バイアスを取ることが
可能になると考えられます。
--
一方で、主に予後の悪化に関係があるのは
静脈に血栓ができる場合です。
従って、癌に血液を通して栄養が送られた後、
癌細胞から細胞外小胞などを通して組織因子が発現し、
出口側で血管の一部が塞栓し、
その結果として血圧との関連も生じるかもしれません。
血栓のできやすさは
静脈と動脈の流速の違い(静脈<動脈)も
関係しているかもしれません。
実際にHidehiro Kaneko(敬称略)らの研究によれば、
がん患者において日本の高血圧診断基準
収縮期血圧 140mmHg 以上または拡張期血圧 90 mmHg 以上。
これよりも低い軽度の高血圧の段階から
心不全発症のリスクが向上する事が日本人の疫学調査
によって明らかになっています(112)。
静脈の血栓の量と血圧の関係は
筆者が調べる限り、明らかではありませんが、
Kei Takahashi(敬称略)らが総括している
癌関連静脈血栓塞栓症(CA-VTE)が
病状の程度の程度の差はあれ
心不全の発症リスクに関与しているからかもしれません。
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Journal of Clinical Oncology online 2022/09/08
2022年9月17日土曜日
Cell-type-specific delivery system,
SARS-CoV-2,
医療工学,
癌・腫瘍学,
細胞生物学,
循環器学,
備忘録
細胞外小胞を含めた組織因子依存的な癌と血栓塞栓症の関連
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