The New England journal of medicineの
癌治療の報告を拝読すると、
固形癌の治療は進行性の物は特に
外科手術があって、
それで取り除いた後の小さな腫瘍において
免疫治療や化学療法を補助的に有効に行う事によって
予後を向上させるということが実績としてあります。
この事実には特に現場にいないものとしては当然従うべきです。
私は細胞種特異的輸送系統で
全身に転移した治療が不可能な癌患者さんを
治す方法を考えたいと本気で思っていますが、
実際の臨床報告を見ると
それは極めて難しいことだという現在の認識でいます。
しかしながら、
臨床報告として論文に上梓されているケース以外で
その何百倍もの治療ケースが
世界中の病院で存在すると思いますが、
その治療の当たられた医師の中で
全身に転移した癌の患者さんが
実際に回復されたケースもあったと思います。
その治療がどの様であったか知りたいというのがあります。
一方、
血液系の癌は当然、手術はできませんが、
内科的な治療によって寛解するケースも多くあります。
それは、一つは薬剤動態において
その薬剤が血中を回るものだからと考えています。
つまり、循環器外の特定の位置に組織として
存在する癌よりも
細胞として独立性が高く、循環器内に存在する癌の方が
薬剤として送達効率が高いためではないか?
このように推察しています。
もう1つは遺伝的多様性もあると思います。
腺腫は膜で複数の細胞が覆われていますし(1)、
組織を形成してれば、
当然、全部の癌細胞が露出していません。
さらに循環器外に滲出させる必要もあるので
薬剤送達が難しい事もあると思います。
そうした中で
どのような組織常在型の固形癌の内科的な治療の
効率を高めていくか考える事になります。
これは決して外科的な治療を否定するものではありません。
内科的な治療のレベルが上がれば、
当然、外科的な適用範囲や侵襲性も下がる可能性もあります。
また、治療の難しい癌においても
治せる道筋が見いだせるかもしれません。
その中で
1つ私が十分条件ではないですが
考えている方向性としては
癌の分泌物に着目するということです。
すでに日本医科大学の落谷孝広教授は
癌が放出する細胞外小胞が多いことに着目し
それを抑える薬を提案されていますが、
そのような胞としての分泌物だけではなく、
露出した核酸やタンパク質なども多く出ていると思います。
それらが、骨髄などに作用し
腫瘍組織の形成を促進する
好中球、単球、マクロファージの形質を
変えている可能性があるので
そうしたことも含めて
循環器に存在する癌放出物を分解する事で
癌の組織化を抑制する事ができないか?
という観点です。
腫瘍組織を固定的な組織としてみるだけではなく
そのネットワークを絶つという観点です。
ネットワークは循環器に作用させることになるので
薬剤送達効率が高まるかもしれないという想定もあります。
(参考文献)
(1)
Robert Noble, Dominik Burri, Cécile Le Sueur, Jeanne Lemant, Yannick Viossat, Jakob Nikolas Kather and Niko Beerenwinkel
Spatial structure governs the mode of tumour evolution
Nature Ecology and Evolution (2021)

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