2025年3月21日金曜日

薬物送達/造影媒体としての重水ヒドロゲル

<背景>
細胞腫特異的薬物送達システム、広義には薬物送達学において、生体内の非侵襲でのリアルタイムの薬物の可視化は非常に重要な技術項目です。薬物送達は字のとおり、患部(病変部位)までの薬物の送達について一番深く考える学問だからです。従って、薬物が体内でどのように分布するかを知ることは基本的骨格であると定義できます。しかしながら、その分布を一番典型的な顕微手法である日常人が環境中で暴露する波長範囲の光(電磁波)で可視化しようとしても、一番、浸透性の高い近赤外線(650-1000nm)でもわずか5mm程度しか浸透しません(1:Fig.1)。分析の空間分解能を上げる為、光の波長を短くするともっとその浸透度は低下します。従って、生体内の薬物分布を光で非侵襲で観察する事は基本的には極めて困難です。子どもにも繰り返し分析できるような安全な方法で体の深部画像造影を実現しようとすると音波(超音波)/磁場-ラジオ波(MRI)に(今後革新的な技術が出る可能性がありますが、現在では)ほぼ限られると認識しています。従って、磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置は二つの安全で深部画像取得ができる可能性がある物理的手法を組み合わせた手法ですから、X線/γ線など高エネルギー線でも画像診断ができるということもありますが、高エネルギー被ばくがない安全な様式で特に子供の脳に対して深部画像を得る方式として、現在想定される様式としてはほぼベストな様式と定義できます。磁気共鳴分析ではラーマー周波数に基づいて体の中に豊富に存在する水の中の水素を励起して信号取得するわけですが、これを重水素とすることもできます(2)。重水素は人の身体の中に150ppm(0.015%)しかないため(3)、特異的に信号をとることに適しています。すなわち、薬物送達媒体が重水素を豊富に含む物質であれば、この重水素信号に基づいて、磁気共鳴分析(MRI)でその分布を追跡できる可能性を示します。重水信号は水素よりも磁性が低いため、6倍程度感度が低い事と、MRIの空間分解能が1mm程度であることを考えると分子レベルの薬物に対して重水素を含む物質を複合体化させても検出できる信号強度に達しません。少なくとも通常の薬物よりも大きな代替となる物質(プロキシ)が必要であり、十分な大きさと薬物送達機能を両立できる可能性がある物質として重水ヒドロゲルがあります。まだ、名前も定義されない物質で世界でほとんど例を見ない物質です。重水は水素結合/運動性が水よりも弱いためゲル化が難しい可能性があることと、資源として希少であり、それを作る特別な価値が見出されないと考えられていた部分もあると思います。しかし、MRIで薬物代替材料として造影できる可能性を考えると重水ヒドロゲルの顕著な価値が浮かび上がります。重水ヒドロゲルで生体内でトラッキングができるようになると、重水ヒドロゲルにおいて骨格となるたんぱく質を適切に機能化して、病変部位により特異的に集まるように設計すれば、その信号に応じて生体外から病変部位をリアルタイムで視覚的にマッピングできる可能性があり、それは今までにない医療介入の機会を提供します。磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置はMRI分析と同時に温度上昇による組織焼灼が可能なので、その分布に応じて即時的に病変部位の細胞を壊死させることができます。その細胞ががん細胞であれば、壊死させることは医療介入として当然価値があります。今まで造影から見出された腫瘍形成部位のがん細胞を取り除くためには外科によって開頭を通じて物理的に取り除くか、高エネルギーの放射線によって細胞死させるかどちかに依存していました。当然、外科での開頭は侵襲と損傷のリスクが都度あるため、脳腫瘍の再発など繰り返し施術する事のリスクが必ず存在します。放射線被ばくも同様です。放射線も今まで予防的に広範囲非特異的に照射することもありますが、病変部位をより細かく重水ヒドロゲルによって地図化できると病変部位だけを介入することができるようになります。しかも、その方法が遺伝子損傷の少ない温度によって介入できる可能性が経頭蓋集束超音波ではあります。新生児も含めて子供の脳腫瘍の繰り返し治療できる方式として、外科/放射線以外の新手の方法で、これ以上の方法は現時点では私は思いつきませんし、改善を重ねれば、本当に将来的に特に年少の子どもに対する小児脳腫瘍の治療の第一治療選択肢になるくらいの潜在性を持っているので、小児脳腫瘍で亡くなる子供を世界で0人にするという目標を現実的にするためには、磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置の開発は欠かすことができず、最重要であると位置づけています。この治療方式をより理想に近づけるためには、病変部位送達特異性を有した重水ヒドロゲルの設計/合成/製造技術が必要です。また重水ヒドロゲルはエクソソーム/抗体薬物複合体/遊離薬剤など構造の内部により小さな機能化された薬物キャリアや薬物を複合体化させて封入することが原理的に可能なため、細胞取得的薬物送達システムの実現の為の一つの有力な要素技術であり、この技術の実現性を外科的な腫瘍焼灼に加えて兼ね備えます。従って、標的性を有した重水ヒドロゲルの技術は必須の技術であり、従来の水素ベースのヒドロゲルの基本的なところから常に重水ヒドロゲルへの適用、造影の為の代替材料としての適性を考慮して調査する必要があります。


<概要>
ヒドロゲルは場合によれば体積比で1000倍程度の水分子を収納できます。体の中に自然に存在するヒドロゲル成分として代表的なのはヒアルロン酸があり、ヒアルロン酸は水となじむ高い親水性を持つ多糖からなります。親水性ですから水は塊にならず、ヒアルロン酸の多糖の骨格構造におおよそ沿って水分子が均等にひきつけられることになります。しかし、これだけでは体積比で3桁程度高い水分子を構造内に収納することはできません。その鎖構造に対して水分子の多層からなる安定的な層構造を形成しないと99.9%以上の含水率は達成できません。そのためにはたんぱく質や多糖からなる親水性の骨格構造内に電場が必要で、その場に応じて液晶のように水分子を配向させ、水分子を安定化させる必要があります。その骨格構造は適度な網目構造であることがゲル化のためには好ましく、高分子構造の架橋構造(クロスリンカー)が必要で、そのリンカーを形成する結合様式が共有結合性で強いほうがゲルとしての構造安定性を高めると考えられ、こうしたゲルは不可逆性の永続的なゲル構造と定義されます。このような共有結合性を持つヒドロゲルはケミカルヒドロゲルと呼ばれます(4)。一方、物理的なヒドロゲルは水素結合/疎水性相互作用/分子間力/分子の絡まりなどを利用して(8)、pH(18,19)/温度(20,21)/電場(22)/磁場(23)/イオン濃度(26)/光(24,25)など環境条件で結合状態が変化するヒドロゲルでReversible hydrogelと呼ばれます(5)。例えば、温度で変化するのであれば、機械的刺激だけではなく、集束超音波による温度上昇で分解を駆動できる可能性があります。また、そういった外因的刺激がなくても、癌微小環境のpHの変化によって分解を選択的に駆動できるかもしれません。そうであれば、集束超音波刺激がなくても癌周辺まで(重水)ヒドロゲルがエクソソーム/薬物を送達して、選択的に薬物を癌微小環境で放出してくれる可能性があります。温度も逆に体温程度で自律的にゲル化するようにすれば、それよりも低温で保存した注射では液体の状態で注射ができ、体内に入り、温度上昇した時点で自己組織化によりゲル化させることができるかもしれません。磁気共鳴/経頭蓋集束超音波の実験/研究開発用装置に設置するマネキンの周囲の頭蓋骨内の実質部分の模倣材料としてのヒドロゲル設計を考えるときには変性しにくい安定なケミカルヒドロゲルが好ましいかもしれません。


<重要内容>
おそらく糖鎖装飾を含めると体の中にある多様な細胞外マトリックスがヒドロゲルの骨格として利用できると推定されます。その中でも、体の中で親水性が高くゲルとしての保水性に優れる代表的な材料はヒアルロン酸です。多糖からなる構造でベースとなる構造そのものがすでに親水性で保水性に優れます。まだ、研究レベルでもiPS細胞から分化誘導した特定の細胞種から製造されたヒアルロン酸を含む細胞外マトリックスをベースとしたヒドロゲルの研究はないと思われます(調べる限り見つかりません)。この構想では、どのような事が可能になるでしょうか?ヒアルロン酸を分泌する代表的な細胞種は線維芽細胞です。しかし、ウーパールーパーの皮膚でのコラーゲンの産生は表皮細胞(ケラチノサイト)という報告があります(9,10)。ヒアルロン酸に関しても水を多く含む層を形成する組織においては保湿の為にヒアルロン酸が多く存在すると考えられます。ヒアルロン酸はコラーゲンやエラスチンなど比較的寿命の長いたんぱく質成分に比べて寿命が短く回転率が高いため継続的な生産が必要であり、線維芽細胞以外の組織特異的な細胞種が特色あるヒアルロン酸構造の供給源になっている可能性もあります。水の多い膜構造は体の中には角膜(眼)、滑膜(関節)、粘膜(消化器/呼吸器)など水分量の多い層構造が存在します。例えば、角膜では扁平上皮細胞がひだを形成して最上層にあり、その上に涙液層があります。この扁平上皮細胞が細胞種特異的なヒアルロン酸を産生して、涙液層に供給している可能性もあります。このような特殊な細胞腫に純度を上げて分化誘導させることは多くのコストが必要かもしれないですが、iPS細胞では非常に状態の良い若い細胞で工業生産に耐えうる潤沢な細胞数を持って、特定の細胞種に分化誘導できる潜在性があります。おそらく(9,10)の報告からして、細胞外マトリックスが実は線維芽細胞以外からも分泌されていたという事自体が発見なので、実際に体の中で細胞からどのように細胞外マトリックスが合成されて、複合体化なども含めてどのように細胞外に放出されるかの詳細な情報はまだないと思われるので、実際に実験しないとわからないことです。(重水)ヒドロゲルの骨格形成の為の親水性(荷電性)の糖鎖を含むたんぱく質や多糖は人工合成や細菌による合成もできます。ただ、ヒアルロン酸にしても、下述するように100倍くらい自然にあるもので分子量に差があり、人工合成では大量生産や高分子量合成が難しい可能性もあります。細菌による合成も含めて最終的にどれが最適かは現時点で情報不足で判断できませんが、特に日本で医療プロジェクトの中で進めていくという事になると、iPS細胞技術で分化誘導させた特定の分泌細胞種を材料合成の工場にすることが好ましいと私は判断します。例えば、上の水を多く含む眼、関節、消化器、呼吸器などに存在する分泌細胞それぞれで合成されるヒアルロン酸の分子量の分布が異なるかもしれません。あるいは磁気共鳴/経頭蓋集束超音波実験装置のマネキンの実質設計におけるヒドロゲルの設計をする際には脳の組織を模倣するわけですから、脳神経系の細胞種の中でヒドロゲル形成する骨格物質を合成させた方が類似する特性を自然に得られやすいかもしれません。このマネキン自体も常に改善していく必要のある材料で、磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置の特性改善の為の装置開発は仮に1号機を出せても、その後もおそらく長く続くので、その装置の性能改善の為の実験環境として質の良いマネキンが必要だからです。質が良くなるとデータの信頼性が上がるので質の高いデータベース構築ができるため、人工知能も含めたソフトウェア開発の質もそれに応じて改善します。初めは実環境に近いデータベース構築は難しいかもしれません。経頭蓋以外の領域でもモデルとなる仮想的な体が必要なので、そのモデル材料を作るときにも各環境に則したヒドロゲルの技術は必要です。細胞外マトリックスパッチ治療やエラスチン/コラーゲンなどを充填する治療も同様に細胞外マトリックスの合成が必要ですが、それもiPS細胞技術を上流にしてそこから分化誘導された細胞種を工場にしたいです。この技術開発に便乗(と共有化)できるのでその点でもヒドロゲル合成の為の骨格材料をiPS細胞技術分化誘導の細胞種から合成する事は好ましいです。エクソソームの分泌細胞としてiPS細胞技術分化誘導の細胞種を利用する事も決定していますから、その点でも資源を有効活用できます。ここまで色んな事にiPS細胞技術を上流技術として共通化して利用すれば、もし、私の医療プロジェクトが成功して、産業化できるとなれば、分化誘導技術も含めて生産技術が段階的に改善していきますから、全体的な価格は確実に下がります。また、生産の為の大きな工場を関西(大阪)に作るとなれば、(個人的な事ですが)生まれ故郷/地元への貢献にもなります。どのみち研究開発/産業化で苦労するなら、ここで資源を投資して苦労したほうがきっと報われます。


<合成技術>
 永続性あるケミカルヒドロゲルでは架橋構造をどのように制御して構築するかが合成の為の一つのカギとなります。現在、最も有望な合成方法としてはクリックケミストリーが挙げられます(11)。クリックケミストリーでは、特定の官能基(例:アジド-アルキン環化付加反応など)が選択的に反応するため、副反応が少なく、望ましいヒドロゲル構造を効率よく作成できます。クリック反応は一般的に定量的に進行し、不完全な反応や副生成物が少ないため、高収率でヒドロゲルを合成できます。これにより、材料の無駄を減らし、一貫性のある製品を得られます。クリックケミストリーの代表的な反応 - 銅触媒アジド-アルキン環化付加反応(CuAAC)/ストレインプロモート環化付加反応(SPAAC) - は、生体分子と干渉せず、生体環境でも使用可能です。これにより、細胞培養、組織工学、ドラッグデリバリーなどの生体適用に適したヒドロゲルを作製できます。水中や生理的pHで進行することが可能であり、高温や強酸・強塩基を必要としません。そのため、タンパク質、ペプチド、細胞などの生体成分を保持しながらヒドロゲルを作製できます。クリック反応は短時間で完了するため、プロセス時間を短縮でき、大量生産や再現性の向上につながります。クリックケミストリーを利用すると、ヒドロゲルの架橋密度や物理化学的特性(弾性、膨潤率、分解速度など)を精密に制御できます。これにより、医療やバイオエンジニアリングに適したヒドロゲルを設計できます。具体的な反応様式としてDiels–Alder反応があります。共役ジエンとジエノフィル(通常はアルケンまたはアルキン)との間で進行する[4+2]環化付加反応であり、触媒を必要とせずに温和な条件下で効率的かつ選択的に進行することから、生体適合性材料の作製において有望な手法とされています。(13:Figure 1)に示されるようなプロセスを経て環状構造が架橋部に形成されることで、構造的に強いクロスリンカーがヒドロゲルの骨格構造間で構築されます。この反応の特徴は、可逆的であること、外部条件(温度、pH)によって反応を制御できること、そして副生成物を生じないことにあります。ヒアルロン酸にジエンまたはジエノフィル基を導入することで、Diels–Alder反応を利用した架橋が可能になります。例えば、ヒアルロン酸のヒドロキシル基またはカルボキシル基にフラン(ジエン)やマレイミド(ジエノフィル)を化学修飾することで、Diels–Alder反応を通じて選択的に架橋反応を行うことができます(14)。特に、この反応は水溶液中で生体に優しい中性条件でも進行するため、細胞を含む三次元細胞培養の基盤材料として非常に適しています。Diels–Alder反応は可逆性を持つため、特定の温度範囲では架橋が解離し、温度を下げることで再架橋が可能です。この特性を利用することで、刺激応答性(例えば温度に応じた可逆的なゲル化と溶解)を持つ物理的ヒドロゲルに近いヒアルロン酸ヒドロゲルが作製できます。Diels–Alder反応により形成されたヒアルロン酸ヒドロゲルは、その後の修飾反応に適した官能基を導入することも可能です。特に、チオール-エン(thiol-ene)光架橋は、紫外線または可視光を用いた迅速かつ高効率な反応であり、光の照射位置を制御することでヒドロゲルの時空間的なパターニングを実現するために有用です(12)。チオール-エン反応は、チオール基(-SH)とアルケンまたはアルキンの二重結合が光開始剤(例えば2-ヒドロキシ-4′-メトキシアセトフェノン、Irgacure 2959)を介して光照射によりラジカルを生成し、ラジカル開裂型反応を引き起こすことで進行します。ヒアルロン酸ヒドロゲルに適切なチオールまたはアルケン基を導入することで、局所的な光照射によりヒドロゲル内部に選択的な架橋を付与し、空間的なパターンを形成できます。この手法により、複雑な構造や異なる物理化学的特性を有する領域を同一ヒドロゲル内に作り出すことができ、細胞培養における組織構造の再現や、薬剤の放出部位の精密制御が可能となります。さらに、光架橋の進行速度が速く、数秒から数分の光照射で完了するため、細胞や生体分子を損傷から守りつつ、複雑な三次元構造を精密に構築できます。
 それ以外の化学的架橋形成方法については以下です。Azide-Alkyne Huisgen Cycloaddition(アジド-アルキン ヒュイズゲン環化付加反応)はアジド基(–N3)とアルキン基(–C≡C)が反応して安定な1,2,3-トリアゾール環を形成します。Thiol-ene Photocoupling(チオール-エン フォトカップリング)は、チオール基(–SH)とアルケン(–C=C)との間で光開始剤を介して進行するラジカル付加反応です。光開始剤に紫外線(UV) or 可視光を照射することで、開始剤が分解しフリーラジカルが生成されます。これがチオール基を活性化し、アルケンとの付加反応を進行させます。Aldehyde-Hydrazide Coupling(アルデヒド-ヒドラジド カップリング)はアルデヒド基とヒドラジド基の縮合により、脱水反応が進行しヒドラゾン結合を形成します。pH 5.5〜7.4の生理的条件で効率的に進行し、pH変化に応じて結合の解離・形成が可能です。Enzymatic Crosslinking(酵素的架橋反応)はホースラディッシュペルオキシダーゼ、トランスグルタミナーゼによる架橋があります。Disulfide Crosslinking(二硫化架橋)は、チオール基を酸化して二硫化結合(–S–S–)を形成する反応です。生体内の還元環境(例:グルタチオン存在下)では分解可能であり、薬物放出制御に利用されます。Crosslinking by Radical Polymerization(ラジカル重合による架橋)はフリーラジカルを生成し、ビニル基を持つモノマー間で架橋を形成する手法です。光、熱、または化学的開始剤を用います。Crosslinking by Condensation Reactions(縮合反応による架橋)はヒドロキシル基(–OH)やアミン基(–NH2)とカルボキシル基(–COOH)の間で脱水縮合を起こし、エステル結合またはアミド結合を形成します。生体適合性ポリマーの設計に使われます。
 ヒアルロン酸などの親水性のある骨格構造がどのように3次元構造を形成するかがゲルとしての特性を決める推定されます。(6:Figure 2/3)などから骨格構造に反応性あるペアの化学装飾をすることで架橋構造が構築されますが、骨格構造がどういった配向特性を取るかはこうしたペアとなる組み合わせ、密度、位置以外に反応を進める環境因子によっても影響を受けると考えられます。例えば、溶液中で反応を進める場合、粘性の低い溶液を攪拌しながらゆっくり反応を進めると全体的にランダムな構造になると思われますが、その状態でマイクロ構造を作りたいときには、作りたい形状の型(金型)を用意して、このような分散性の高い条件でヒドロゲル合成を行うとその型に応じた任意のデザインができるかもしれません。技術的なハードルが高いかもしれないですが、数十nmオーダーの型を作って、局所構造を作ることができたら、小窩にはまるような微小突起のあるヒドロゲルができるかもしれません。前述したように数十nmオーダーの精度で金型を作成することは非常に難易度が高いですが、近年のナノリソグラフィーや微細加工技術がこうした数十nmオーダーの金型設計を可能にするかもしれません。


<DNAのクロスリンカーの可能性>
DNAは、特に相補的な鎖を用いることで、可逆的にクロスリンクを形成できる特性を持っています。例えば、二本鎖DNAや、特定の短いDNA配列を用いることで、温度やpHなどの外部刺激に応じてクロスリンクが解消したり再形成されたりすることができます。この性質を活用すると、ヒドロゲルが環境条件に応じて物理的または化学的に変化することができます。これにより、動的に変化する環境に適応するヒドロゲルを作成することが可能となります。DNAは非常に高い特異性を持つため、特定のDNA配列を持つ分子とのみクロスリンクすることができます。これにより、特定の分子や細胞と選択的に相互作用するヒドロゲルを設計することができ、例えば薬剤のターゲット化や細胞認識を改善するために利用できます。また、DNA配列を用いることで、外的な刺激(特定の酵素、温度、pH、特定のイオンなど)によって、特定の反応や変化を誘発することが可能になります。DNA分子は螺旋構造を持つため、柔軟であり、ヒドロゲル内で自由に伸縮することができます。DNAクロスリンクを使用することで、ヒドロゲルは伸縮性や弾力性を持ちながらも、組織に優しく、低侵襲での使用が可能となります。これにより、薬物送達システムや組織工学において、柔軟な支持体として利用することができます。DNAは他の分子と容易に結合する能力を持っているため、ヒドロゲルに特定のターゲット分子(抗体、薬物、フルオロフォアなど)を結合させヒドロゲル構造内に固定する事が可能になります。DNAは特異的なシーケンスを制御して例えば大腸菌など細菌由来で合成して精製することができるため、特異的な構造を人工的合成プロセスに依存することなく制御して取得することができます。応用が生命科学/医療である以上、クロスリンカーも含めてできるだけ人の身体の中にある自然な材料で構成したいということがあります。DNAの製造も細菌ではなあく、iPS細胞から分化誘導できる人由来の細胞種から任意のシーケンス、分子量のDNAを細胞外に抽出できる技術が欲しいです。それを開発する事が最終的に色んな応用につながり、しかも、上流技術がiPS細胞に集約される為、特に日本において非常に効果的な研究開発系統を構築できる可能性がります。そういう観点からDNAクロスリンカーが(重水)ヒドロゲルのクロスリンカーとして最も利用したい選択肢と(私は)現時点で指定しています。ヒアルロン酸を利用したヒドロゲルのクロスリンカーとしてDNAを利用した報告は多くはありません(32)。但し、ヒアルロン酸とDNAは共に負電荷を帯びているためヒアルロン酸とDNAを結合させるためには(32:Scheme 1)で示されるようにN-(2-aminoethyl) maleimide hydrochloride(AEM)などの架橋物質が必要です。AEMはアミノ基でヒアルロン酸のカルボキシル基とマレイミド基でDNAのチオール基と結合し、架橋することができます。DNAはリン酸基を多く持ち、強い負電荷をもつため、DNA自身もヒドロゲル特性に必要な水分子を強くひきつけることができます。2価の正電荷を持つMg/Ca/Znイオンでもヒアルロン酸と分子レベルで架橋できるかもしれません。DNAは折りたたみ構造や環状構造をとれるため、直線状のヒアルロン酸のクロスリンカーとして機能するときに負電荷を帯びた3次元構造の構造自由度を上げる働きがあり、機能的なヒドロゲル構造に貢献する可能性があります。
 DNAは化学装飾があるもののアデニン(A)/チミン(T)/グアニン(G)/シトシン(C)の4つが水素結合によって結びついた微視的構造としてはパターン化された構造です。しかし、DNAはこの4つのパターンの配列や割合によって高分子として非常に多様な特性をとることができます。5'-GCGAAATTTTCGC-3'はヘアピン構造(Hairpin Loop)と呼ばれ、中央の「AAATTT」をループにし、両端の「GCG」と「CGC」が水素結合を作ることでヘアピンを形成することができます。5'-GGAATTCCTTGG-3' と 5'-CCAAGGAATTCC-3'が互いに相補的な領域で交差し、四分岐構造を作ります。任意の3次元構造はDNA origami構造とも呼ばれます(33)。基本的な特性としてGCリッチな配列は3本の水素結合を持つため、融解温度が高くなり安定になります。ATリッチな配列は2本の水素結合であるため、融解温度が低くなります。GC/ATの割合を連続的に変えることによって細かい温度特性の制御が可能です。DNAの特定部位に化学修飾を加えることで、pH、光、温度などの刺激に応答可能です。ゾベンゼン修飾DNA(5'-GCG-(アゾベンゼン修飾)-CGC-3')は紫外線(照射でシス-トランス異性化を起こし、構造を開閉することができます。従って、光で構造を改変するヒドロゲルにすることができ、焦点化された光(レーザー)ナノプローブ構造によって自在にゲル特性を変えることができ、例えば、外側だけ安定なゲルにして内部は液体とゲルが混ざるようなヒドロゲル構造を構築することもできます。逆に最外周部の液性(濡れ性)を局所的に高めることも原理的に可能です。i-Motif構造(34:Figure 3)/イミン結合によりpH依存的なヒドロゲルができ、癌微小環境など賛成条件で構造を自立的に変えることも可能で、癌治療のドラッグデリバリーシステムとしても利用できます。このように物理的特性に依らず、酵素分解性のあるDNAクロスリンカーで構造化された重水ヒドロゲルを投与、モニタリング後、タイミングを最適化して補助的な薬剤として特定の酵素を追加投入することで、集束超音波刺激に依らず、化学的に任意に重水ヒドロゲルを標的部位で分解できる可能性もあります。DNAにタグをつけて環状DNAなどのように血液中の寿命が長くなるような閉構造にして、どの程度分解/放出したかどうかを後の液体生検によって分析/評価するシステムも原理的に構築できます。このような機能を持たせるためのベースとなるDNAシーケンスを細胞による製造により生物学的機序に依存して任意に微調整できる可能性があります。DNAだけでヒドロゲルの骨格構造を形成する事もDNAが強い負電荷をもつことから可能ですが、(現在の私の判断としては)子供の脳神経系の実環境にできるだけ近い条件でヒドロゲルを作製する技術を成熟させたいため、細胞外に自然に存在するヒアルロン酸をメインの骨格として利用する事を優先したいという事があります。


<DNAアプタマーと派生的展望>
アプタマーとは特定の分子に結合できる核酸からなる人工的ンオリゴマーを示し、DNAの場合は一本鎖の構造を差します。従って、下述するような細胞内にある転写因子であるRNAや細胞内/細胞上にあるたんぱく質、血液中の遊離タンパク質の特定の結合部位に結合性を示し、薬効を示すDNA薬剤(DNA Drug)はDNAアプタマーと定義できます。DNAアプタマーはSELEX(Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment)と呼ばれる試験管内進化法で作製され、ターゲットへの特異性と親和性を高められます(39)。ランダム配列を持つDNAライブラリ(10^13~10^15種類)を作成し、標的分子(タンパク質・RNA)に結合する配列を選択します。結合したDNAを回収し、PCR増幅します。これを10~20回繰り返し、結合力の高いアプタマーを濃縮します。標的分子と結合したDNAは沈降法などによって分離できますが、この時、標的分子を重い細胞外小胞などに特異的に複合体化できていれば、沈降法による分離の際に分離効率は高まるかもしれません。DNAライブラリは人工的な合成法が利用されることがありますが、私たちはiPS細胞から分化誘導した最適な細胞種で人為的に細胞からDNAライブラリをバイオエンジニアリングで作成することを試みます。どのように細胞核に収納しようとするベクトルを変えて細胞外に抽出するかという問題がありますが、人の細胞種を利用することによって人が持つ核酸/たんぱく質と結合力の高いDNAアプタマーを精製できる可能性があります。例えば、100種類のmRNAとそれぞれ結合性を持つDNAをiPS細胞誘導細胞から合成させライブラリを形成し、結合親和性に応じて生成していくときには、それぞれのmRNAとクリックケミストリーで結合させた重さを100通り異なる大きさの異なる細胞外小胞とそれぞれ複合体化して、重さに応じて分離できれば、一気に100種類のmRNAと結合できるDNAアプタマーを一つのライブラリから分離することもできます。例えば、特定の膜タンパク質と結合できるDNAアプタマーを分離できれば、その膜たんぱく質が小児脳腫瘍のがん細胞表面にある膜たんぱく質/毛細血管の内皮細胞上のトランスサイトーシス駆動の重要な膜たんぱく質の場合、標的となる膜たんぱく質に任意の結合性を有するDNAアプタマーを分離/精製できることになります。このDNAアプタマーをドラッグデリバリーのための細胞外小胞にクリックケミストリーで複合体化させることができたら、それが一つ細胞腫特異的薬物送達システムのための装飾たんぱく質として機能する可能性もあります。従って、DNAアプタマーをiPS細胞分化誘導細胞から生成した人に対して高品質な(であると考えられる)ライブラリを使って精製する技術は、重水ヒドロゲルの骨格/任意薬効を両立するDNAを精製する目的とは別に、細胞腫特異的薬物送達システムの骨格である細胞腫特異的な標的性を有するDNAアプタマー(物質)装飾のエクソソーム形成の目的も果たします。細胞外小胞の構造特異的な分離方法は細胞腫特異的細胞外小胞分離技術と密接に関わります。細胞から放出される物質において初めからDNAだけを分離する必要はありません。目的とする物質と結合性を持つ物質をまず核酸/たんぱく質/多糖など分離しない状態で精製して、その後、目的に応じて特定のたんぱく質と結合性を持つこれらの物質内でさらに重ねて(直列的に)分離すればいいです。例えば、ヒドロゲルの場合は正負電荷量の大きな物質が欲しいため、静電気的に分けて、その中でも電荷量の高い物質を精製できれば、電荷量が大きいですから水分子を多くひきつけて、ヒドロゲルとしての骨格(あるいはヒドロゲル複合体形成親和性が高い物質)としても優良でありながら、特定の薬効や標的性などの目的を果たすことにもなります。両方の目的を果たすための規定の分子量がそれぞれ大きく異なる場合には、それら両方の目的を果たすために付加的な技術(工夫/知恵)は必要です。いずれにしても細胞種特異的細胞外小胞分離技術の骨格は結合性に応じて分離する事が基本としてありますから、これができるようになると1段/2段と生命科学/(特に)薬学/医学のフィールドが変化する事が推測されます。
 ただし、分離技術の一つの大きな課題は(特に製薬において)分離した後の数の問題です。DNA/たんぱく質/脂質/多糖などの増幅(コピー)を行う際には、PCR/逆翻訳/構造解析などで細胞の生成プロセスを明らかにして生産効率を上げる事をする必要があります。元々、PCR増幅を利用できるDNAでもアプタマーの3次元構造を再現する事には少なくとも一定の技術的障壁がありますから、たんぱく質/脂質/多糖においても単位構造の組み合わせだけではなく、3次元構造まで一致させるとなるとかなり難しいかもしれません。これを含めた構造の再現性の問題があります。人工知能の構造予測は必要になる可能性があります。増幅を行わないとしたら、大量の細胞と物質から分離する必要があります。このような手法で数を確保するならば、分離プロセスの中で1000、1万種類くらいの異なる物質を一気に分離/精製するような効率性がないと最終的には市場で競争していけないという事にもなりそうです。但し、iPS細胞技術から分化誘導した細胞種から特定の3次元構造を持ったたんぱく質を効率的に産生させるときに、折りたたみ構造まで再現できる細胞量産を制御できるとなるとこの技術そのものが自然な生物学的プロセスに基づくため他の価値をもたらす可能性があります。例えば、細胞からそういった特定の薬効を示す特定の3次元構造を持つたんぱく質を効率的に産生できるのであれば、それをわざわざ外に出して、外部で物質を集める必要がありますか?という議論にもなります。すなわち、その細胞そのものを体の中に移植すればいいという応用も考えられます。人の身体の中にある細胞を逆分化/脱分化し、特定の細胞種に分化誘導し、その細胞に機能性を持たせて工場/装置にするという事はその工場/装置そのものを体の中に入れられることを示します。移植も体を開いて侵襲的にしなくても、下述するような重水ヒドロゲル追跡技術によって、生体内の位置を追跡できるようになり、体の中に工場/装置を埋め込みたい場所でできるだけ出血のリスクが少ない細い血管に分布しているタイミングで重水ヒドロゲルを分解し、血管を一時的に破壊して実質に滲出させることができたら、非侵襲に近い形での移植が可能になります。この可能性があるので、細胞から物質を分離して、特定の物質を3次元構造レベルで整合する細胞を培養できるような技術を開発するための壁を乗り越えることはそれ相応の価値をもたらすことになります。この方法でも上皮細胞のように頻繁に入れ替わる成熟細胞では比較的すぐに細胞死して(装置は消滅し)、効果は一時的にとどまります。幹細胞/神経細胞など基本的に移植する細胞が寿命が長い必要があります。一方で、免疫細胞/間葉系細胞も含めて循環器にある移動性を持つ細胞を工場/装置にできれば、複雑な移植プロセスは必要ないという事になります。血小板など炎症部に集まる細胞にすれば、工場/装置に病変特異的な標的性も付加されることになります。但し、循環器で標的性のある細胞は往々にして寿命が短いという課題もあります。加えて、工場/装置機能を持つ細胞を入れることは免疫拒絶など大きな副作用につながる可能性もあります。これに関しては、人由来のiPS細胞技術なら一定乗り越えられる部分です。新たな薬剤を開発することに対する資源/コストをどう見積もるかという観点もあります。すなわち、ここまで難しい事をする価値は本当にあるのかを問う必要性です。体の中に一定エンジニアリングしたヒト由来の細胞からなる装置/工場を入れるという構想なので、長く存在する事が出来、電子デバイスのようにモニタリングできるシステムを入れたいという事があります。モニタリングはDNAによる物質的なタグを入れることになります。ただ、そこに存在する事を示すタグという機能では少し物足りなさもあります。例えば、埋め込まれた細胞の装置が薬物を生産するときに派生的に発生する転写因子に特定のシーケンスがでるようにタグ機能を付けて、それを液体生検で読み取ることによって、装置からの薬物の生産状況をモニタリングするシステムです。そうすると細胞種特異的な細胞外小胞分離技術が必要になります。細胞外小胞に内包されやすいmiRNA/siRNAにタグをつけて、細胞そのものに細胞外小胞に発現されるテトラスパニンに構造的なタグをつけて、高精度に分析できれば、そのモニタリングシステム/監視デバイスとしての性能/精度も顕著に向上することになります。最終的にはもともとの分離技術が応用を含めて考えるとループ的につながってくるという事になります。また、重水ヒドロゲルプロキシによる磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置のモニタリング、血管オープニング機能もこの構想の応用の幅を広げ、価値を高めることになります。
 DNAを機能的な材料として利用するにあたり人の細胞を使うというのは、当然、複雑性があり、細菌などの単細胞生物からDNAを生み出すよりも技術的に高いハードルがありますが、人のDNAは長い年月をかけて、細菌などに比べて高度に機能化されてきたという進化の歴史があります。細胞核の染色体を機能的なマテリアル(材料)として利用する事を考える事は困難な事をする一つの動機(モチベーション)になると思われます。染色体粉砕/細胞核外DNAという現象が細胞であります。これは有糸分裂の時に生じやすいと推定されます。従って、細胞から機能的材料の為、染色体からなるDNAを取り出すときの最も有効な機会は有糸分裂の時にあるといえます。この時にDNA合成だけを促して、土台(基質:細胞外マトリックス)をタイミングよく破壊するなどして、細胞核に入らないようにし、合成したDNAを有効に取り出すことを考えます。あるいは染色体の構造分解を制御しながら細胞死させることができないか?化学的に脂質の細胞膜だけを選択的に分解することはできないか?なとを考えます。染色体から任意の構造を取り出すためにDNA double strand breakなどの機序を参考にし、実現できないかを考えます。生きた状態でDNAを無理に分泌させることを考えるよりもすでに豊富にある核内のDNAを細胞の生存が犠牲になってもいいから、材料として取り出し、そこから任意に分解して、精製する事を考える事もできます。その時はDNAは複合体として存在しますから、構造として複雑となるものの、DNAアプタマーだけでは得られないたんぱく質などとの複合体としての特性が得られる可能性があります。例えば、ヒストンなどのたんぱく質が残ることで物質としてより構造が安定で、寿命が長いかもしれません。より拡張的に考えれば、細胞の物質をより有効に利用するためには細胞内にあるあらゆる物質を細胞死させて取り出して、それを任意の分解して、精製する事を考えます。そうしたら物質的な損失(ロス)が減らせ、細胞の材料を余すところなく利用できることになるので、必然的に量(量産性)の問題は緩和的になります。しかしながら、プロセス(の管理)がより困難/複雑になります。一方で、これを実現すること自体が体から取り出した細胞を高度に分析する技術/能力につながります。人の身体の中にある細胞/自然の生物学的現象を最大限利用して、機能化していくという事は困難な機能化のプロセスそのものが他の生物学的な価値につながる事は多くのケースで発生します。それが訴求できる最大の価値の一つです。持続可能な形での膨大に地球上に存在する生物資源の活用という事にもつながる可能性があります。人の細胞から生じた自然のマテリアルを使うことは、当然、循環性が高いですから、(機能化する)プロセスでの環境負荷という事は当然考える必要がありますが、基本的な構想としては環境的に対して保護的であり、今、世界が向かっている方向に対して整合性が高いと評価できます。特に医療(その中の内科)は体の中に入れる物質(薬剤)を開発する事が大きな目的の一つなので、元々自然に人の身体の中にある物質を最大限使うというのは、それそのものが環境的な観点で考えると付加価値があると主張できます。この環境的な観点でいうと、iPS細胞の逆(脱)分化/分化誘導技術が上流工程で一番重要な技術として収束していますから、この生産プロセスにおける環境負荷についても当然、考える必要性が少なくとも将来的にはあります。扱う物質は生物(細胞)なので、自然な生物学的プロセスをどうやって機能的に作用させるかを考える事が一つとしてあります。今の時点で一つ言えることは、私の医療プロジェクトではカギとなる材料の製造をできるだけ(iPS)細胞に任せることを戦略の骨格としています。これは、繰り返しになりますが、私が日本人であり、このプロジェクトが日本で中心的に行われるからというここ15年の歴史的/社会的観点もあります。このプロジェクト全体が抱える大きな課題/リスクは材料(製品)の特性の偏差(違い)の大きさにあります。これはずっと何十年も抱えないといけない常に水面上に見えている課題です。ただ、最終的に完全に一致させることは難しいにしても、ある特定の仕様範囲内に抑える正確性を手に入れることは非常に難題ですが、ここを乗り越えることでしか見えない世界(フィールド)が主要な目的以外の付加的なところにもあると展望を持っています。それを見越して総合的に考えると困難でも乗り越える価値のある命題です。このような細かい調整が必要な技術は元々、私も含めて日本人に適合しているというところもあります(細かい改善を地道にできる国です)。


<水分子の配向特性>
ヒアルロン酸の分子量は20kDa-数千kDaまでの分子量が見つかっており、分子量は合成を駆動する酵素に依存します。天然にあるヒアルロン酸は血液中では半減期が数分しかありません。従って、構造そのものの安定性は血液中では低く薬物送達媒体の材料として利用するときには構造自体が高次元に構築され保護される必要があります。ヒアルロン酸はポリアニオンであり、その強い負の電荷により、周囲の水分子を引き寄せることができます。ヒアルロン酸の分子には多くのカルボキシル基(-COOH)がありますが、これらが解離して負の電荷を帯びることが、ポリアニオンとしての性質の基盤です。この負の電荷が水分子を引き寄せ、特に水分子の水素原子側の正の部分と相互作用することによって、ヒアルロン酸は水を引きつける力を持つことになります。ヒアルロン酸は自身の多糖構造の体積よりも1000倍の水分子を保有する能力があります(7)。これはヒアルロン酸が負電荷を帯び、それ応じて水分子が段階的/連鎖的に配向していくからです。多くの水分子が収納されるためにはこの段階的/連鎖的な配向特性の持続性が重要になるので、ヒアルロン酸自体がたんぱく質のように構造的な多様性がなくベースとしての負電荷密度が決まっているとしたら、ヒアルロン酸の直線構造がどのような空間的な配置を取っているか、あるいは水分子中の不純物/イオン濃度によっても変わります。水分子が形成する双極子モーメントがイオンによる摂動によって遮蔽/誘起されるかで配向特性を示す長さが変わる可能性があります。ここからはかなり仮説に近い形での記述になります。水分子が凝固点以上で通常は液体になるような温度で位置が固定されるというのはヒアルロン酸による高密度の偏った負電荷に依る強い摂動によるものであると考えます。水分子のH-O-Hの双極子の関係性からするとヒアルロン酸界面では強い負電荷に水素側がひきつけられることになると思いますが、ヒアルロン酸の負電荷の間隔や立体構造によって初期層の並びの状態は決定されると思います。ここは水分子同士のエネルギーが低い配置からは偏った負電荷があるわけですから一定逸脱する極性を持つと思われます。水分子のヒアルロン酸の糖鎖構造に対する初期層の並びは完全に向きが揃わないと思われるので、そこから連鎖的に水分子が配向していくときには結晶でいう結晶粒界境界(grain-boudnary)のような線状のいわば構造的な不連続性を伴いながら層が積層されていくと思われます。但し、結晶粒界境界内の連続した区画内ではできるだけ水分子の並びとして安定になるように水分子が固体としてとる典型的な結晶構造(六方晶)に近い形で向きが配向していくのではないかと思われます。ここで完全に私は固体的に考えていますが、ゲルの構造では結晶のように分子が十分低い温度によって束縛されていないので、ゲルの特性を考慮すれば、結晶粒界境界が生じるような界面は動くし、その境界近くにある分子も常に動いているかもしれません。ただ、こうした固体の状態で生じるような界面近くにある水分子はそれ以外の区画の水分子よりも不安定で動的かもしれません。確かに糖鎖の巨視的に観たときの直線方向に対して水分子の配向特性が完全に垂直で結晶粒界境界をほとんど作らないような条件であれば、水分子の氷の結晶構造は斜方晶など傾いていませんから、骨格となる構造はそれに応じて平行に網目状に形成された方がよいように思えますが、初期状態が負電荷の水分子のスケール以上の偏りにより位置によって変わり、糖鎖の界面も水分子レベルで平行でないとしたら、水分子の動きの中央値でみたときに配向特性が安定な方向に傾くと思われるので、骨格が必ずしも平行に網目構造がいいかどうかはわからないです。結論をいうと結晶構造として安定な水の配向特性に特に骨格から離れるに従い近づこうとした秩序特性があるのではないかという仮説です。


<3次元パターニング技術>
(重水)ヒドロゲルを3次元的に任意の場所の特性を操作したいという需要があります。例えば、(重水)ヒドロゲルの薬物送達システムでは樹状化突起構造の先端部の荷電性を選択的に上げることで、毛細血管の小窩に誘導され、一定の力で接着し、小窩が多い毛細血管に長くとどまり、多く分布してくれるような標的性機能を組み込むことができます。磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置の装置開発/装置性能改善/評価/データベース構築のために頭部の模型(マネキン)を作る必要がありますが、骨(模型)の内部の実質の模型では音響特性を合わせるためにヒドロゲルが材料選択の主要な候補です。柔軟な(ソフト)材料は界面の濡れ性に優れ、実験の為に任意の位置で取り外しができるように区画化したとしても、硬い(ハード)材料に比べて特に界面での音響特性に大きな影響を与える空洞の形成を抑制できる可能性があるからです。この材料においても実際に脳の実質の材料構成は血管/細胞など異種的な材料で構成されるので、その音響特性を模したヒドロゲルを作る際にも材料内で3次元的に局所も含めて音響特性を任意に制御する要求が生まれるかもしれません。また、区画ごと任意の造影確認の為の重水ヒドロゲル/(癌)細胞などを入れるためにヒドロゲルを区画化します。その区画化で生じる界面の特性を特に液体の状態に近くなるような濡れ性の高い状態に局所的にする需要が生まれるかもしれません。もちろん1次合成の自己組織化の段階で自然にこういった局所特性が自在に実現できることが後の生産の工数という観点では好ましいですが、それが無理/あるいは大きな制約を伴う可能性があるので、2次プロセスとして局所的な特性を制御する別のエンジニアリング技術が必要になる可能性が高いです。視覚化した状態で3次元的な機能改変の為のプローブとして最も好ましいのはおそらく光(レーザー)であり、より細かな精度(空間分解能)を持つ(~25nm)システムをOptical nanoprobeと呼びます(16)。光ナノプローブは通常イメージングの為に利用されますが(16)、物質に光を当てることになりますから、感光(受光)によって(重水)ヒドロゲルの局所的な構造が変化し、物理(化学)特性が変化させることも原理的にできます。通常、このような特性の変化を利用して、溶液(化学)反応によって局所的な分解ができれば、3Dのリソグラフィー技術として3次元の(内部構造を含めた)トポロジカルな(複雑な)形状を持つ(重水)ヒドロゲルを形成できますが、応用はそうした形の制御だけではなく、受光による局所的な機能改変そのものが材料として価値を持つ場合もあります。具体的には冒頭で申し上げたように樹状突起の先端に集束させたレーザー光を当て、局所的な電荷を変えることができれば、誘電性のある組織にその先端が特異的に誘導される機序を発生させることができるかもしれません。あるいは区画の境界部の空洞を減らすために含水率を多くしたい場合には、光エネルギーによる局所的な分解によって骨格となる多糖の電荷密度を上げることができれば、保有できる水分量が多くなるため、それによって界面濡れ性を選択的に上げることができるかもしれません。こうした光による機能調整は(重水)ヒドロゲルではたんぱく質/多糖などの主要骨格、主要骨格を架橋する上述したクリックケミストリーを含めた架橋部、水分子内に含むイオン、不純物などを最適に選択することで実現する可能性があります。プローブする手段としては光が適していると現時点では想定されます。任意のパワー/波長/パルス特性などを選択でき、時間/空間分解能も高いため、プローバーとしての特性に優れます。
 基本的に結合力の強い分子構造はそれを分解するために多くのエネルギーを必要とするため、照射する光の波長を短くする必要があります。但し、対象となる分子構造の振動周波数が光の周波数と一致すると共鳴して、より低いエネルギーでその結合は解消されやすくなります。結合が不安定になるというのはその結合に関わる軌道の電子が低い基底状態から励起状態に遷移する過程で生じ、例えば、磁気共鳴でも水素のスピンの歳差運動にラジオはを共鳴させるラーマー共鳴では水素原子の電子が励起されやすくなるためその条件で緩和信号を得られやすくなります。基本的に結合の解消の為には電子を励起状態に効果的に移行させる必要がある為、対象となる分子の何らかの周期的な振動を掌握し、それと共鳴させる条件でエネルギーを与えることで結合がより効果的に解消されます。但し、格子振動は調和振動子モデルでは原子の質量と結合の強さによって単純には決まる為、可変な程度の温度差ではほとんど格子振動の周波数を動かすことができません。従って、おおよそその結合状態固有の格子振動周波数があると考えてよいと思われます。温度が上がるとその周波数での振幅が上がる為、固有の振動周波数と光の周波数を一致させたときの共鳴効果が大きくなる可能性があります。従って、光の波長を対象となる結合状態に合わせて選択するときにはその環境の温度/磁場によって共鳴効率が変わる可能性があります。磁場ではフォノンの向きを磁場の方向に応じて変化させることができる可能性があるため、その指向性に応じて光の入射方向を最適化すれば共鳴性をより高めることができるかもしれません。基本的には結合エネルギーが強いほうが(重水)ヒドロゲルとしては安定ですから、永続的なヒドロゲル構造に近づきます。一方で、物理的ヒドロゲルと呼ばれるpH、温度などの環境で分解する構造的に環境に敏感なヒドロゲルは骨格構造のカギとなる架橋部などの結合力が弱いです。従って、ヒドロゲルの特性を光で変えようとする場合、そのヒドロゲル(対象とする結合部位)が化学的で安定であればあるほど、(深)紫外領域など高いエネルギーのレーザーが必要となります。紫外領域のレーザーは管理と製造が難しい上に、集光のための有効なレンズ等があるかどうかに依存しますが、原理的には回折限界スポット径が小さくなるため、非常に高精度な空間分解能を持つプローブ(加工)が可能になります。残念ながらレーザーは発信波長が物質固有な条件で決まり、半導体レーザーではその波長に合わせて共振器構造を作る必要がある為、任意に柔軟に波長を変えて様々な材料に対して柔軟に構造改変を行えるような光源を作ることは難しいです。半導体レーザーの場合は、原理的には柔軟に波長を変えることができますが、少なくとも発信素子を分ける(個別に用意する)必要があります。他方で、高エネルギーの領域のレーザー発振は半導体では材料特性的な制約で基本的には非常に難しいです。従って、加工できる結合が限られる可能性があるため、材料設計に比較的厳しい制限が入るかもしれません。一方で、結合を解消するための光の波長を必ずしも格子振動周波数と共鳴させる必要はなく、それ以上のエネルギー励起し、結合を不安定にし、解消させることができるため、材料選択性を上げるためには基本的には高エネルギーの指向性の高いレーザーと効果的なレンズがより必要になります。
 例えば、近紫外線(365 nm近辺)により分解するリンカーとしてローダミンB+ニトロベンジル系リンカーがあります(27)。カルボジイミド法(EDC/NHS)を用いると、ヒアルロン酸のカルボキシル基とローダミンBのアミノ基を架橋可能であり、このリンカーでゲル特性を制御できれば、可視光部分的照射で部分的に分解する事が可能かもしれません。フルオレセイン+クマリン系リンカーは可視光(400〜450 nm)で分解可能です(27)。クマリン系リンカーにマレイミドまたはアジド基を導入すれば、ヒアルロン酸のカルボキシル基と結合可能です。このように結合を解消する物質もあれば、光による異性化(分子内の構造変化)が生じる物質をもあり、分子光スイッチ(molecular photo switch)と呼ばれます(28)。アゾベンゼン(Azobenzene)は近紫外光(365 nm)を照射すると、安定なトランス型から曲がったシス型へ変換し、可視光(約450 nm)または熱エネルギーにより可逆的に元に戻ります。トランス型は伸長した直線構造をとり、分子間相互作用の距離を延長し、シス型は折れ曲がった構造で、分子間相互作用を近接させます。スピロピランは、光によってスピロ型(閉環型)/メリオシアニン型(開環型)を取り、それぞれ疎水性/親水性の性質を取ります。近紫外光(365 nm)を照射すると、スピロ型からメリオシアニン型へ、可視光(約450 nm)または熱エネルギーにより逆変換します。


<ゲル中での薬物機能化>
(重水)ヒドロゲルなどのゲルは特殊な状態です。分子として一定の流動性を持ちながら、分子的に散逸しないように形を維持する事ができます。固体と定義される事もありますが、柔軟性に優れる為、ソフト高分子と定義されることもあります。従って、(重水)ヒドロゲルの場合は内部にエクソソーム/抗体薬物複合体/一般的な遊離薬剤を薬物としての機能性を維持しながら埋め込む/添加することもできます。この特殊な環境が薬物の機能化プロセスに特別な機会を与えるかもしれません。例えば、エクソソームでは標的たんぱく質以外の自然に形成される多様なたんぱく質の取り除くまではいかなくても構造を崩すことで結合活性を低下させたいということがあります。そのためには生化学的マスキング技術などが必要です。例えば、(私が提案する方法として)非常に小さな小胞に守りたい標的となるたんぱく質と結合性のあるリガンドを装飾して、結合させて蓋した状態で、全体にたんぱく質酵素を反応させることで、選択的に標的たんぱく質を守り、それ以外のたんぱく質を分解させることを試みます。しかし、この方法ではどのみちマスクに使う小胞も選択的なたんぱく質装飾が求められ、その選択性を確保するためにはどうする?という上流側の問題が生じます。また、マスクできたとしても後で結合を解消する必要もあります。プロセスとしては複雑性があって、他の良い方法がないかを少なくとも探索する必要性があるとは考えていました。(重水)ヒドロゲル中に細胞外小胞が固定されるように分布されれば、溶液中とは違って動き回りませんから、イメージングしながら光ナノプローブが3次元的に精度よくでき、標的となる守りたいたんぱく質を蛍光材料などによって識別できれば、それ以外の領域をなぞるように光でたんぱく質の構造を改変できるかもしれません。エクソソーム自体が50nm程度のオーダーなので空間分解能的に問題があることと、特定のたんぱく質の精度のよいイメージングの問題があり簡単ではありませんが、いずれにしてもゲル中にエクソソームが機能性を維持したまま固定されている可能性があると考えると、オプティカルナノプローブなどを最大限利用して、機能化のためにプロセスにそのまま生かすことができるかもしれません。たんぱく質の3次元構造は水分子に影響を受けることがあります(17)。また、この効果は重水/水、ゲル/液体ではそれぞれ異なる可能性があります。ゲルでは(重)水の分子の位置が比較的安定している為、近接場効果が高いかもしれません。また、ゲルの状態では特定の波長の光を焦点を定めて照射し続けることができるため、光触媒効果でたんぱく質構造と(重)水の相互作用の状態が変わるかもしれません。これにより装飾したタンパク質の構造を改変できる可能性があります。どちらにしろ、(重水)ヒドロゲルによる薬物送達を考える場合にはエクソソームをヒドロゲルの中に数千個程度埋め込むことを考えますから、固定されていて、その状態で必要な機能化プロセスができれば、最終的な生産工程を効率化しながら、非常に難しいプロセスを兼ね備えることができるということになります。ここは追究する価値があります。


<重水フィルタリングプロセスについて>
磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置で1ボクセル/ppm空間占有率の感度で重水ヒドロゲル信号を検出するためにはMRI測定手法の新規開発を含めた改善が必要ですが、基本的に必要な事として体の中に150ppmほど存在する水素に混じった重水素信号低減させる必要があります。そのためには患者さん(お子さん)に大変ですが、施術から2週間まえほどから少なくとも水分摂取に関しては、特別な重水を抜いた飲料だけを飲んでもらう必要があるかもしれません(しかし、固形の食事は難しい。食事に関しては直前だけ)。そのためには重水を抜いた飲料を作る必要がありますから、ベースとして150ppmよりも非常に高い精度での重水をフィルタリングする技術が求められす。この技術を付加的に開発する事は確かに資源を要しますが、よく考えると、どのみち必要な技術です。なぜなら、重水ヒドロゲルを使った薬物を開発するにあたり、重水が基本的資源として当然必要だからです。そのためには水から重水をフィルタリングして抜き取る技術が必要であり、この技術により残りの重水を含まない水が副産物として出ますから、これをそのまま患者さんに施術の前に飲んでもらう飲料の資源として利用することができます。


<神経細胞の移植(インプラント)の可能性>
 脳神経系では特に子供では水が多くなっており、おそらく液体状態とゲル状態が混合しているような実質の状態であると推定されます。脳にはヒアルロン酸が多いからです。このヒアルロン酸のゲルは機械的衝撃に脆弱な神経系を機械的刺激から守るほかに、位置の固定の働きをします。従って、ヒドロゲルは神経系に自然に存在し、神経細胞の機能を守るうえで重要な働きをしています。ここから重要な事が想起されないでしょうか?重水ヒドロゲルはヒアルロン酸など脳神経系のゲル状態を模倣する事が可能です。もし、そうであれば、中にiPS細胞で分化誘導した神経幹細胞などをヒアルロン酸の中に埋め込み、それを血液から移植して、脳まで保護して送達させ、経頭蓋集束超音波で毛細血管を破壊して、その神経(幹)細胞を実質に滲出させます。重水ヒドロゲルは場合によればモニタリングできる可能性がありますから、開頭して神経(幹)細胞をインプラントしなくても、血液から神経(幹)細胞をできるだけ多く入れた重水ヒドロゲルを保護しながら神経系まで送達させ、経頭蓋集束超音波で局所的に血管を破壊することで内科/外科融合的な非侵襲の神経細胞の移植が可能になるかもしれません。但し、神経細胞は10-25μmの径で大きいため、毛細血管を通過できる径のヒドロゲルでは大きさが足りないため、ある程度、組織を形成してインプラントするとなると(サブ)ミリメートル単位の大きさのヒドロゲルが必要であり、滲出の為には少々大きめの血管を崩壊させる必要があるため、出血のリスクと血管崩壊のパワーと神経細胞を保護した状態でのヒドロゲル崩壊のパワーが整合せず、それによる滲出の際の神経細胞の損傷の課題、大きくなるため灌流(流動)性の課題があります。このように絶対的な大きさの問題はあるものの、栄養液も含めて、(重水)ヒドロゲルの中でより自然の神経系に近い形で培養できれば、細胞系ではなく、周辺の細胞外マトリックスの最適な構築も実現する可能性があるので、単に細胞の移植だけでは実現できない組織学的な付加価値を有した状態で移植できる可能性があります。毛細血管に分布させたいという観点ではより少ない神経細胞数で小さなヒドロゲルで分散させるという要求がありますが、大きな(重水)ヒドロゲルの送達環境が整えば、移植の効果がそれに応じて高まる可能性があります。出血の可能性はDNAクロスリンカー重水ヒドロゲルを利用できればより自然な様式で緩和できるかもしれません。


<神経膠腫に対する新手の細胞治療の可能性>
神経系の細胞はグリア細胞であっても、その膠性の細胞が未分化性細胞も含めて癌化する神経膠腫であっても、シナプス制御(31)/((様々なタイプの)シナプス形成(29,30)して神経細胞の機能に影響を与えます。神経膠腫が神経細胞とシナプス形成するという事は、成熟神経細胞がそのシナプス接続を通じて神経膠腫増殖/抑制どちらかに関わる可能性があります。癌細胞の細胞による治療は通常CAR免疫細胞など免疫細胞が利用されることが一般的ですが、神経系に関しては、通常の体細胞性のがんのように通常細胞の排除機構が完全な結合組織を形成している場合におおおよそ生じるのではなく、比較的独立性の高い状態でも数による優位性によって神経細胞の質が良ければ、神経膠腫をシナプス連結を通じて、あるいは他の機序で駆逐できる可能性があります。もちろん神経細胞でははなく、グリア細胞でもそれは可能です。通常、血管からの侵入は血管が崩壊している場合には免疫細胞が主に担いますが、ヒドロゲル環境である程度神経細胞系をある程度培養した後、その状態で保護しながら血液循環させ、脳腫瘍がある特異的な部位に標的性を持って送達させ、MRIでモニタリングしながら、標的部位に到達したタイミングで経頭蓋集束超音波装置によってヒドロゲルを分解しながら、毛細血管を破壊して、細胞系を実質へ浸潤させることができたら脳神経系の再生の為の移植の可能性だけではなく、神経膠腫に対するCAR免疫治療以外の新手の細胞治療の道が開けることになります。その治療をより有効化するためには、あらかじめ生体外でヒドロゲル環境において、神経膠腫と通常の神経系細胞の相互作用の中でどういった細胞外マトリックスや細胞系を構築すれば、神経膠腫が増殖ではなく、縮小、死滅する傾向にあるか?その条件を明らかにしたうえで、より抑制性の強い細胞外マトリックスを含めた神経系を一定塊として構築し、それを重水ヒドロゲルで保護し、脳実質への送達を上の手順で行う事を検討します。この場合、癌細胞を死滅させながら自然な形で正常な神経細胞系が残る可能性があるので、単にストレスによって癌細胞を死滅させ、組織を退縮させる治療と比べて、組織学的に保護的な治療の可能性があるため、成長期のお子さんの治療としては分化誘導療法と並んで健全な成長を考慮するとより適合する可能性があります。一方で、組織としてびまん性を呈する組織学的に境界を定義しにくい神経膠腫においても、神経系の細胞の局所的な勢力図を人為的に改変し、抑制させるという観点は適合するかもしれません。多くの資源を有しますが、小児脳腫瘍の治療の上限を定めない治療の改善を目指すうえで脳のインプラントの可能性を同時に考慮すると追究の価値が十分にある研究開発項目であると評価できます。但し、上のインプラントの課題と同様に、神経細胞は10-25μmの径で大きいため、毛細血管を通過できる径のヒドロゲルでは大きさが足りないため、ある程度、組織を形成して細胞治療する事が前提では、ミリメートル単位の大きさのヒドロゲルが必要であり、滲出の為には少々大きめの血管を崩壊させる必要があるため、出血のリスクと血管崩壊のパワーと神経細胞を保護した状態でのヒドロゲル崩壊のパワーが整合せず、それによる滲出の際の神経細胞の損傷の課題、大きくなるため灌流(流動)性の課題があります。このように絶対的な大きさの問題はあるものの、栄養液も含めて、(重水)ヒドロゲルの中でより自然の神経系に近い形で培養できれば、細胞系ではなく、周辺の細胞外マトリックスの最適な構築も実現する可能性があるので、細胞外マトリックス構造を最後まで保護できれば、その治療は細胞だけの影響ではなく、細胞外マトリックスによっても影響を受けることになります。一方で、超音波刺激で局所的な一酸化窒素分泌などを血管拡張を制御できれば、タイミングをうまく制御できれば、通常の状態では入らない血管系に拡張時に一時的に侵入でき、収縮したときに血管中に固定されるという送達機序を組み込める可能性もあります(それにより、血管が詰まる可能性(弊害)もありますが、一方でより細い血管からアプローチできるため、出血のリスクを相対的に減らせるかもしれません。そのためには少なくとも重水ヒドロゲルのトラッキング造影技術は必要になります。


<血管崩壊による即時出血の防止技術>
Pse08-29というDNA構造がSARS-CoV-2感染症において低リスク抗凝固剤として機能し、血管のつまりを抑えつつ、出血を防いだという報告があります(35,36)。DNAはそのシーケンス構造として薬物として機能化させることができます。例えば、血小板凝固を促すためDNAナノ構造を利用して、血小板表面にあるGPIb-IX複合体(血小板が傷口に付着するための受容体)に特異的に結合し、血小板を局所で凝集させます。GPIb認識配列- 5'-AGGTCGATGGCTAGCT-3'のシーケンスを持つDNAを重水ヒドロゲル構造内に組み込みます。血液凝固因子トロンビンを局所で活性化し、フィブリン網形成を強化する事を考えます。トロンビン結合アプタマー- 5'-GGTTGGTGTGGTTGG-3'構造を組み込みます。DNA構造をヒドロゲルの水分子収納の為の骨格として利用しつつ、重水ヒドロゲル内の神経細胞を循環器から放出する際にどうしても必要となる血管の局所的な崩壊による出血を迅速により自然な形で止血できるシステムが組めるかもしれません。逆にPse08-29というDNA構造の方が、超音波により血管が局所崩壊したときによりリスクの少ない止血が可能かもしれません。また血管を止血するときには好中球/マクロファージなど免疫細胞の作用も必要ですが、これらの機能を調整する特定のシーケンス構造を組み込むこともできるかもしれません。いずれにしても重水ヒドロゲルの骨格、クロスリンカーとしてDNAを利用すれば、そのDNA drugとして止血の機能を有しつつ、そのDNAアプタマー自身は水分子をひきつけるヒドロゲルの骨格としての機能も同時に有することになります。


<DNAによるエクソソーム/細胞/組織の血管外滲出>
エクソソーム/細胞/組織を重水ヒドロゲルの水分子の構造内に保護的に安定して複合体化させるためには一定水分子との引力が必要ですが、機能化した静電引力の強い特定の配列を持つDNAをエクソソーム/細胞/組織に複合体化させることで重水ヒドロゲルとの複合体化を実現しつつ、特定の配列による機能を引き出すことができます。例えば、血液脳関門通過に必要なトランスフェリン受容体と特異的に結合する5’-CAC TGT GGA CGT CCA TAG-3’(トランスフェリン受容体結合アプタマー)を複合体化させることでヒドロゲルが崩壊した後にエクソソーム/細胞/組織などが有効に血管外滲出して、実質内に侵入する効率を高めるかもしれません。この時、細胞/組織はトランスサイトーシスできる大きさになく、血管をオープニングする必要がありますが、その時に有効に実質内に滲出していくときにトランスフェリン受容体と結合できる能力があるほうが効率が高いかもしれません。


<転写活性制御としてのDNA drug>
DNAはシーケンス次第で特定の転写因子(mRNA/miRNA/mRNA/siRNA)と結合し、これらの転写活性を改変できる可能性があるため、RNA-DNA connectomeを構築して、DNAシーケンス構造とRNAとの特異的相互作用のデータベースを構築できれば、重水ヒドロゲルの骨格としての機能を有しながら、RNA結合依存的にDNAは細胞内で様々な機能を誘導する事が出来きRNAと同様の多様性を持つ核酸薬物としての機能を有する事が原理的に可能です。例えば、癌細胞死を誘導する/成熟神経細胞への強い分化誘導駆動に関わる転写活性を高めることがDNA-RNA結合依存でできる可能性があります。DNAとRNAを結合させることはたんぱく質にはない課題と利点があります。課題は利点と表裏一体です。DNAとRNAは塩基配列の相補性によって結合性が非常に大きく変わる為、しかしながら、mRNAに対してシーケンス解析ができれば、自動的に結合するDNAの配列が推定できます。このことは人工的に合成でき、DNAアプタマーを自然なライブラリから抽出する必要性がないことを示しますが、それでも人の細胞から抽出されるDNAライブラリから特定のmRNAと結合性の高いDNAアプタマーを抽出する付加価値はどこにあるでしょうか?(43:Fig 2)で示されるようにmRNAは複雑な3次元構造を形成します。また、遺伝子配列に依存しない構造の部位も存在します。装飾もあります。そのような異なる3次元構造を含めて整合するDNAアプタマーを直接的に(ヒューリスティックに)抽出する事が可能になります。それでもおそらく結合特異性はタンパク質よりも、よりDNAアプタマーの方が高い可能性あります。但し、高い結合性を持つDNAアプタマーは特性が高いゆえに限定的になる可能性もあります。一方で、3次元構造まで反映した結合性は、より翻訳後のたんぱく質の3次元構造を反映した最終転写産物への活性への関与となる為、改変できる細胞内の機能がより正確になる可能性があります。重水ヒドロゲルによる薬物送達において無駄のない効率的な薬物治療系統を小児脳腫瘍に対して構築することができます。RNAよりもDNAの方が構造的に安定なため、重水ヒドロゲルを通じて細胞まで保護的に送達する上で、あるいは重水ヒドロゲルの骨格構造を兼ね備えるという点も含めて、より適合性が高いかもしれません。DNAの特異的結合性を利用すれば、RNAだけに限らず、特定のたんぱく質/脂質/糖などとも結合できるかもしれません。そうすれば、これらの物質依存で特定の細胞内機能を誘導できる潜在性もあります。DNAの折り紙構造は構造単位が決まっている部分もある為、人工知能で予測しやすいというとはあるかもしれません。この重水ヒドロゲルでのDNAの潜在性を最大限引き出すためにはDNA折り紙構造は非常に重要な技術項目で、それを計算で支持しする計算機モデル(37)、強化学習、構造予測(38)の研究をすることはこのプロジェクトと整合性が高いと評価できます。


<ゲルでの神経系組織培養の付加価値>
上述した様に光で構造を変えるクロスリンカーは比較的多く存在するため、光をレーザーにしてレンズで集光して走査していけば、(重水)ヒドロゲルにおいて、外側の固体性の高い容器を有しながら、その内部において脳神経系に近い液体とゲルの混合状態を再現できるかもしれません。そのためにはまず、脳内の水分子の状態を知る必要がありますが、そのうえで液体とゲルがどのような状態になっているか定義できれば、液体に細胞成長の為の栄養を持続的に供給する系統を組めれば、神経系細胞は液体培養ではない状態で成長する可能性がありますが、神経連結は発火によって強化される部分もあります。しかしゲルによる培養では、容器と足場が存在するため比較的空間中で固定された状態で細胞系がその環境に応じて恒常性を構築することができます。位置が固定されているのでゲルに外因的に神経発火の為の光を照射することで、神経系の連結を誘導できる可能性があります。このような生体外による神経系連結の制御機構は神経系の組織化に必要な事であり、上述した移植(インプラント)/脳腫瘍の細胞治療どちらにおいても組織形成において一つの付加価値になります。このような光を用いた神経活動の生体外での制御は神経系であるから(場合によれば)必要な事です。
  

<脳模型実験系と模型を作る意義>
 基本的にオルガノイド、細胞の試験管(in vitro)の実験をするときには溶液(液体)中であると思われますが、水とゲルの混合状態にあるような非常に液体に近いヒドロゲルを作ることができたら、新たな生体外の細胞実験系を構築できる可能性があります。特に子供の脳腫瘍を研究するときには子供の脳は水が多いですから、神経細胞と神経膠腫を混合させて、その環境をゲル/水の混合状態にすることで非常に実環境に近い実験系を生体外に構築できるかもしれません。その時に外枠を安定な化学結合のゲル状態にして区画にはまるようにして、内部は水とゲルの混合状態のような混沌とした状態にして細胞を培養する事を考えます。そうすると磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置の頭部の模型内に非常に実環境に近い状態での細胞実験系を構築でき、装置機能の改善/最適化/評価/データベース構築において非常に高い整合性を示す可能性があります。これを実現するためには一定の体積のヒドロゲルを作った後のプロセスで光プローブなどで走査して化学結合状態を改変するようなプロセスが必要になります。これができると磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置の開発に限らず、人の脳神経系の実験系が生体外で手に入ることになりますから、この分野の発展が期待されます。オルガノイドを作るよりも倫理的問題もやや緩和的です。
 磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置の応用は脳神経だけではなく体の他の部位へも展開が可能です。形状的に頭部のように無限の開口径を実現するような超音波信号の集束性を実現する事は難しいですが、身体を挟み込むように集束超音波(トランスデューサー)を設置して、前後部から緩衝材を挟んで超音波信号を集束させることは可能です。このような装置を開発し、特性確認/改善を重ねていくためには頭部と同様に身体の音響特性と近い模型を作る必要があります。臓器も含めてヒドロゲルで形成するとしたら、バルクとしてのヒドロゲルが必要になりますが、こうした身体の環境に合わせたヒドロゲルを作ることは人工臓器(オルガノイド)形成の研究開発にも貢献する可能性があります。ヒドロゲルで区画化された閉空間の中に水とゲルの混合状態があり、栄養物質を逐次供給して、体の中に近い形で臓器を自己形成させることを考えます。一定の大きさが必要ですから、この時にヒドロゲルのバルク合成の技術が貢献する可能性があります。人工臓器を形成する環境で外枠を化学的ヒドロゲルの比較的安定な容器で囲い、内部をゲルと水の混合状態のような環境にし、そこに細胞培養のための栄養/排出を穴をあけてチューブで継続的に実現することを考えます。こうすれば、大気が環境中にほとんど入らなくなりますが、開放的なビーカー上の培養系と比べて、どのようなメリットがあるでしょうか?例えば、空気中に浮遊しているウィルス/細菌も含めた様々な不純物を顕著に下方制御できるかもしれません。体の中にはそうしたウィルス/化学物質などの浮遊物がアクセスできるような開放的な環境では少なくともないからです。また大気中の酸素濃度は約21%で共通ですが、身体は部位によって酸素濃度が異なり、酸素濃度が多い動脈でも大気中よりも酸素濃度が小さく、その他、実質ではさらに酸素濃度は低くなります。開放系の酸素過剰状態がオルガノイド形成に影響を与える可能性があります。チューブで制御すれば、任意に環境に合わせて酸素濃度を調整することができます。チューブで送る形式ではグローブボックスなどさらに外部環境のコンタミネーションを減らした条件で実験系を組める可能性もあります。但し、最終的に臓器の大きさにしようとすると機械的強度に耐えるために外枠も含めてかなり大きなヒドロゲルを形成する技術が必要となります。そのためにはヒドロゲルの骨格を形成する膨大なiPS細胞が将来的に必要になります。ただ、外枠の一部は人工骨格(Artificial bone)とすることもできます。従って、ヒドロゲルをバルク形成する時の基盤として人工骨格を作ることが重要になります。人工骨格の3次元ネットワーク構造を外枠の合わせて加工により構築できれば、ゲルの化学的特性を位置特異的に最適化しなくても、骨格がある事で外枠としての強い構造を実現できる可能性があります。ゲルの役割は外部環境と独立させるための骨格の間を埋める生体適合性のある水を多く含んだ材料とこの場合定義できます。どちらにしろ、脳模型を作る際に頭蓋骨が必要になりますから、その時に人工骨格をバルク形成する技術が必要になります。体の良い模型を作れるというのは単に磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置の開発に貢献するだけではなく、人工臓器/オルガノイドの形成、動物を犠牲にしない人の生体外の最適な生命科学の実験系の構築にも貢献すると考えられ、将来的な需要は確実にあると推定できます。人工骨格を3次元的に任意に加工する技術は音響特性を評価するための身体の模型を作る際にも必要になります。最終的なイメージは音響特性の顕著な影響を与える骨格を人の頭蓋骨だけではなく全身の骨格構造に合わせて人工的に再現し、その間をヒドロゲルで埋める事を考え、各臓器の位置には臓器そのものの組織は作れませんから、臓器の音響特性に合わせたヒドロゲルを位置特異的に形成することです。


<重水のゲル特性>
重水素の質量が大きいため、量子トンネル効果/分子振動/移動度が小さくなるため、反応速度が水素に比べて低くなります。この傾向はユニバーサルなため生体の中で生じる分解速度が低く、物質的な安定性が高まることを意味ます。従って、重水ヒドロゲルは循環器での寿命が、水のヒドロゲルよりも長くなる傾向にあると考えられます。但し、このような反応速度の遅さは水を必要とする細胞を培養する場合には顕著に細胞の生存に影響を与えると考えられるため、基本的に人の身体の中を再現してゲル中で細胞を組織化する場合には、内部は通常の水のヒドロゲルにする必要がおそらくあります。水のヒドロゲルは重水による造影ができませんから、該当する範囲の体積分は外部を重水で覆ったとしても信号強度は低下することになります。ただ、外部の重水からなるヒドロゲルは同じ骨格条件でも傾向として硬く、安定になる傾向がありますから、「容器」としては適していることになります。ただし、周辺環境だけではなく、細胞の足場として水素が重水素に入れ替わっている場合には、硬さが違うので細胞の増殖/分化の条件が通常の身体の中とは異なり、硬くなるため、おそらく増殖性は向上すると推定されます。同じ条件を基本的には再現できないという事は留意しておく必要があります。重水は水素結合が強いため、液体としての動性が水よりも低いため、3次元的なポリマーの中に吸水されにくいと考えられます。従って、電荷の強い多糖や核酸などを骨格としたとしても通常の水のように含水率を向上させるのが難しいかもしれません。薬物の重水スイッチは薬効延長させる効果があります(44)。これは水素結合が安定していることに起因します。最大でその速度差は9倍に達するといわれています(45)。重水ヒドロゲルに特定の機能があるDNAを利用する場合、一定水分子と相互作用しますが(46:Figure.1)、重水の場合は水素結合が安定の為、ヒドロゲル分解後の重水分子によるDNAの保護、寿命という観点で優れている可能性があります。これは他の内包する物質でも水素結合によって重水と相互作用する場合には当てはまることです。ヒドロゲルももちろん造影の観点では全て重水にすることが好ましいですが、特性を部分的に変えたい場合には、重水の層と水の層を分けて複合体として形成することもできます。例えば、最外周部の濡れ性(液性)を上げたい場合には、重水ヒドロゲルで固めた後、外側に水のヒドロゲルを形成することによって可能になるかもしれません。重水と水を混合液にして中間の特性を持つヒドロゲルにすることもできます。この時、重水と水の光に対する挙動を利用して、任意の位置に対して重水(あるいは水)の濃度を局所的に高めるような操作もできる可能性があります。そうするとゲルの物性の(設計)自由度もより高くなります。



<分離技術の展望>
 この内容を日本/世界の読者の方々に向けてブログで公開するのは、その方がよいと今日、判断したからです。結局、今から述べる技術を成立させるためには、重要性の一部はここで文章で伝えることができますが、強い愛着/粘り強さ/知恵/経験/技術/資源(人/モノ/金銭/時間)を必要とするもので技術として成立するかどうかもわからないからです。ただ、述べることでこの技術の本質が伝わって、重要性/価値を理解し、(私以外に)これらの多くの条件を満たす人/団体は(まずは日本国内)/(世界)で見えると思うので、それは私自身にとっても欠くことができない価値になります。日本/世界の研究開発を見ていても応用として顕著な価値を見出せるようなものでも多くの人から関心を得る事ができなければ、それが花開くことはありません。例えば、私は企業の研究開発をしているときに斜め面のサファイヤ基板上/AlGaN/斜めファセットR-GaN活性層からなる窒化物半導体を(おそらく)世界で初めて作りましたが、その技術は関心を得ることなく埋もれてしまいました。今まで日本/世界の人に5年近くにわたり(41)医療の部屋を通じて無料で情報公開してきた総合的な価値/気持ちは伝わっていると思います。自分が生み出した草案(創案)に世界的に関心を持ってもらえるという事は(時に悪感情を抱くこともありますが)確かに嬉しい事です。一方で、関心を持ってもらえるからこそ責任も生じると思います。私自身がその世界に対する責任を果たすうえで最も大切にしたいことは倫理です(40)。その倫理観は具体的に何か?立場の弱い人(特に障がいを持つお子さん)に寄り添うということです。新生児/小児医療は利益を上げにくい領域で、政府が補助金を出さないと企業もなかなか手を出せない状況ですから、そうであるなら、私は率先してしようということです。それが私の倫理感であり(声が世界に届きやすい私において)世界に対して責任を果たすという事です。子どもは自立がでませんから、立場としては全体的には確実に大人に対して弱いです。特に重い疾患など障がいを持つ子供を保護する事は親御さん以外にも社会的に求められることです。もちろん全員がする義務はありませんが、手を差し伸べるという人が(一部に)いるという事は社会的に重要な事です。私はそれに率先して立候補します。
 今から述べることは技術的に実現し、本当に完成度が上がると、それをもし一つの製薬企業が実現したら、(少なくとも一部の)市場総どりなるくらいのインパクトのある事です。それについて述べます(今日は本音をいうと朝の時点で更新を止めたいところですが、迅速に伝えたい内容なので即時発表します)。上の(特にDNAアプタマーの)段落で気づいた方もいると思いますが、人の身体の中にある物質の分離能力が高まると本当にそれが可能な団体(企業)にとって世界が変わるくらい色んな事が前進すると思います。体の中の臓器/組織を分けることは比較的簡単ですが、細胞レベルになると難しくなります。京都大学iPS細胞研究所では分化誘導した細胞種を精製するという技術は取り組まれていると思います(42)。その技術は本当に貴重なものになると想定します。細胞種でも分離できる。細胞種が(細胞膜表面に)発現しているたんぱく質(サブタイプ/構造)レベルで単一細胞レベルで分離できる。(細胞が放出する)/(循環器などの遊離する)細胞外小胞が分離できる。それが分泌細胞種レベルで分離できる。発現たんぱく質レベルで分離できる。(細胞が放出する)/(循環器などの遊離する)たんぱく質/多糖/脂質がサブタイプレベルで分離できる。分子構造レベルで分離できる。それぞれレイヤー/レベルがあり、私の人生でどこまで到達できるかわかりませんが、このレベルが上がれば上がるほどそこから開ける空間(場/フィールド)のレベルも変わります。例えば、iPS細胞から機能別で分離した特定の細胞種が精製されています。その状態で分泌された普通の細胞よりも物質群が精製された非常に多様な物質をたんぱく質/多糖/脂質を構造レベルで分ける技術があるとします。それらの構造を分けるときに対となる結合する物質がわかり、分離過程でその結合そのものを利用すれば、標的となるあらゆる生体内の分子と結合性を有する物質を精製できることを示します。工夫すれば結合ではなく、分解性のあるたんぱく質も精製できるでしょう(例えば、分解したい病原性のあるたんぱく質を指定し、沈降媒体(細胞外小胞)に複合体化させます。そのタンパク質に対して結合性のある物質をライブラリアから選別しますが、その時に溶媒は化学反応が進みにくい不活性な液体とします(低温/PBS(リン酸緩衝生理食塩水)/トリス緩衝液など)。沈降し、結合性ある物質を選別したら、病原性あるたんぱく質を分解させたい環境条件を部分的に再現します。例えば、癌であれば温度/酸性条件/水分子濃度などを最適化します。それで分解が生じれば、物質が遊離するので、重さに応じてより軽くなった遊離物質を抽出します。その物質は完全な構造は保持されない可能性がありますが、断片情報を読み取ることで物質の特定を試みます。この時には、分解したいたんぱく質も分析する必要があります。それが断片になっていれば分解活性があるという証拠になるからです。)。そうするとその物質をゼロベースで人工的に合成する必要がなくなります。確かに人工合成したほうが機能性が高い/コストが安い/製造精度が高いという可能性もありますが、体の中から合成できる何十乗も種類がある物質からスクリーニングすることができるようになります。あらゆる層の精製技術レベルが非常に上がると製薬の為のコスト/資源(ヒト/モノ/カネ/トキ)が最終的には非常に下がると思われます。細胞も人為的にエンジニアリングすることもできます。薬物合成の為の装置がいわば細胞になるわけです。それを最大限生かすためには分離精製技術が必要になります。分離技術ができることはこれだけではありません。私が医療プロジェクトの中で中心的に据える細胞外小胞分離技術によって、場合によれば、環境中のウィルス/細菌モニタリングにも生かすことができる可能性があります。精製分離技術を手に入れた企業は非常に幅広い分野に手を広げることが可能になります。従って、私はこれを(高い倫理性を持って)生涯かけて本気で行います。私の医療プロジェクトの材料開発を含め全体に関わる事だからです。例えば、この記事の重水ヒドロゲルに関してもヒアルロン酸は確かに重要ですが、子どもの神経細胞から分泌される大量の種類の物質からヒドロゲル形成に最も適した材料を選ぶときも、もちろん大分類としてはヒアルロン酸である可能性は高いですが、ヒアルロン酸の中でも分子量/荷電性が最適化された物質を精製できる可能性があるし、それは子供の神経系とゲルという特性において非常に高い親和性を示すことになります。そのためにはiPS細胞で高精度で分化誘導した最適な神経系細胞が必要であり、その細胞から分泌されるゲル形成に適した物質を分離する技術も必要となります。それができれば、プロセスを最適化すれば、それをそのまま生産過程として適用することもできるようになります。「One size fits all」という言葉がありますが、分離精製技術は「One size fits half」くらいのインパクトはあるかもしれません。この重要性は日本の方に伝わってほしいという気持ちはありますが、多分まだ十分に伝わっていないと思います(これからの私の重要な仕事です)。冒頭で述べたようにこういった案も価値を理解してもらえず関心が得られなければ埋もれてしまいます。私自身、粘り強く継続的に実施していく必要があります。これはもちろん私の頭の中で閉じておいて、限定的な人に伝えるという道もあります。でもその限定的な人に関心/愛着を持ってもらえるかわかりません。世界には私の倫理観が伝わり、同時に高い倫理観を持っている方々もたくさんいます。その中でこの分離技術の本質的な重要性が伝わる方がいれば、この困難な技術は(将来的に)花開く可能性があります。少なくともある特定の企業がこの分離技術ができるようになれば、経営は少なくとも楽になるはずです。色んな事業戦略が打てるからです。
 ただ、単に結合できるだけという観点ではモノクローナル抗体でそれがすでに実現されている為、顕著な付加的な価値は当然必要になりますが、モノクローナル抗体は分子量が比較的大きいため、特殊な条件を除いては細胞内に侵入できないため、直接的に細胞内でRNAなどの転写因子に作用させることは難しいです。上述した様に細胞から放出された物質(DNA/RNA/タンパク質/脂質/多糖など)ではそれが可能になりますが、分子量が小さくなるため、分離技術はモノクローナル抗体よりは高度になりますし、上述した様に特に製薬として利用する場合は、量産性/品質が求められるため、増幅/(3次元高次)構造再現性などを確保する事がモノクローナル抗体よりも顕著に難しいです。従って、分析の為の特異的分離よりも、薬剤応用として分離するほうが難易度は高いと評価できます。
 


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