子供の頃にかかるがんは
近年の医療、医学、薬学の発展で寛解するケースも増えましたが、
がんサバイバーシップに代表されるように
成長に伴うホルモンなどの内分泌系の管理、
肥満、脱毛、難聴など
多彩な後遺症を抱えるケースも少なくありません。
その後の長い人生を考えた時に
急性期の治療を改善したいという提案がある。
細胞種特異的輸送系統が実現すれば
その改善に役立つ可能性があると考えています。
しかし、
小児がんは成人になってから罹る癌とは別物である
と考えられる場合もあります。
もし、そうであるとするならば、
何が決定的に違うのか?
それについて考える事が重要です。
そもそも子供と大人の違いは
子どもの頃は脳と身体が成長期にあり
大人になるとそれが緩やか、安定することです。
言い換えれば
子どもの頃は過渡性が高く
大人になると恒常性が高いという事になります。
このような発達の違いが
根本的に小児がんの特徴と関連しているのではないか?
その観点でより深く考えていきたいと思っています。
統計を見ると
血液性の癌である白血病が多くて
その次に脳腫瘍となります。
脳腫瘍のケースでいうと
Lily Keane(敬称略)らがFig.2で示すように
脳腫瘍は神経細胞ではなく、
脳の免疫機能などに関わる
マイクログリア、マクロファージが
癌化するケースが多いですが、
疫学的に確認されるそれらの癌化細胞の
脳内の部位が顕著に子どもの方が多彩です(1)。
脳は2歳くらいまでに過渡的に大きくなり、
その後、成長は緩やかになりますが、
そのような細かくは細胞としてみた時の急激な変化が
癌にかかりやすい事と関係しているか?という視点があります。
実際にLily Keane(敬称略)らが総括の中で記述するように
脳腫瘍の少なくとも一部は
「Stalled developmental programmmes」
成長が阻害されているような状況と
正の相関があるとされています(1,2)。
つまり、細胞レベルの遺伝子的な分析によると
一部の小児の脳腫瘍の共通的なメカニズムとして
特定の前駆細胞の分化の障害が確認されるということです(2)。
但し、John H. Gilmore(敬称略)らがFig.2で
典型的な脳の発達曲線で示すように
脳が最も過渡的に変化するのは2歳くらいまでで
そこから緩やかになります。
しかし、小児がんの種類によっては
2歳以降、そこから離れた時期の発症が疫学的に多いケースもあり
組織、細胞の変化率が大きいほうが
必ずしも癌になりやすいということではなさそうです。
普通に考えると細胞の分化や増殖のスピードが速ければ
遺伝子的な変異の機会が多く、
それが癌関連遺伝子であれば、
癌化する確率が高くなりそうです。
但し、仮に癌ドライバー遺伝子が生じたとしても
そこから数年以上臨床上問題となるまでかかることもあります。
また、症例が少ないこと、異種性が高いことから
一般的に統計的な信頼性が低い事も考えられます。
例えば、
植物の癌において、サボテンが例に挙げられることがあります。
そのサボテンが奇形を示す段階は
◎成長初期
◎成長中
◎損傷をうけた時
◎光、温度、栄養不足など環境要因
これらなどが挙げられています。
成長初期では遺伝子的な異常があるかもしれないし、
損傷、光、温度、栄養などのストレスによって
奇形と関連する癌化が促されることもあるかもしれません。
奇形とは異常な組織の成長と言い換えることができますが、
一般的に組織の成長というのは
例えば、腎臓のケースでいうと
尿細管の先端に間葉系
が付着して、
それらが分化して、組織として成長していきます(4,5)。
つまり「細胞同士が連結した状態で」成長します。
上述したサボテンの奇形でもこの様式が当てはまります。
しかし、子どもの脳腫瘍のケースで多いマイクログリアは
そのような組織としての連続性ではなく
離散的に遊走しながら脳全体に広がっていきます。
このような遊走性を持つのは
小児がんで多い白血病も同じです。
発達段階という大人との違いがありながら、
このような遊走性は
小児がんのマイクログリアの癌化の形質の共通性と
一部の解釈では一定の関連があるとされています。
ここからは仮説を含みます。
子どもの頃の連続的な組織の発達は
綱渡り状態ではあると言われますが、
非常にロバストな管理状態にあると想定されます。
つまり、癌化しないように
かなり強靭に守られているということです。
しかし、遊走する細胞の場合は
細胞単体として独立に動く性質があるため
神経、ホルモン、細胞間コミュニケーションに代表されるような
癌化しないための細胞の協力機構が
少し働きにくいという事と
遊走性があるという事は浸潤や転移が起こりやすい
という事が子どもにおいて癌化しやすい理由と
関連があるかもしれません。
例えば、
組織の成長においてはその連結性を決めるのは
カドヘリンです。
そのE-カドヘリンはカベオリン-1の癌抑制機能を決定する
と言われています(6)。
どちらが上流かというは議論の余地がありますが、
カベリオン-1は細胞と細胞外マトリックスや
カドヘリンを介した細胞接着において重要な役割があり(7)、
癌の成長や転移を抑制する働きがあります。
細胞外マトリックスは癌の成長を促進させるいくつかの要因があります。
例えば、
◎癌化シグナル伝達
◎組織サイズ監視から逃れる
◎細胞サイクルの加速あるいは休止
◎アノイキス抵抗性
◎上皮間葉転換の促進
◎代謝改変
◎血管生成
◎免疫抑制
◎薬物耐性
これらなどがあります(8)。
また、細胞外マトリックスが異常形成する事によって
本来なら組織が正常な配置を維持しますが、
異常な形状になってしまうということです。
つまり、E-カドヘリンのような接着因子により
細胞同士が正常に連結して、
癌が独立して周りの組織や移動性を獲得しないように
する必要があります。
ここからが重要なのですが、
カドヘリンは細胞の接着、選別、組織の形態形成において
重要な役割を果たします(9)。
このカドヘリンは必ずしも抗がん作用があるとは限りませんが、
E-カドヘリンを初め、上述したようにその発現が低下すると
癌形成を促進するケースが多いです。
また、癌を抑制するWntシグナルは
細胞間で働くケースもあります(10)。
カドヘリンによって細胞間の距離が短いと
傍分泌様の伝達の際(10)、
その伝達効率が高まると考えられます。
同様に抗がん作用がある
TGF-β(11)でも確認されています。
正常な細胞が「集まって」「連結して」「近くにある」
ということが癌抑制においては本質的な事であるかもしれません。
アシーナ・アクティピス(敬称略)は
「癌は協力を裏切る細胞である」と共通的に定義しています(12)。
つまり、癌に対して共通項がこれであるとするならば、
共通的な対抗処置としては
通常細胞の協力体制を高める、強める事が本質となります。
その協力体制を高める一つの具体的な手段は
(癌組織の近くにある)通常細胞を
◎集合させる
◎連結させる
◎近くに置く(組織間距離も含めて)
ということです。
これは、癌組織中に免疫細胞が
「集まる」「連結する」「近くある」3次リンパ様組織が
癌治療においてよい奏功、予後を示す傾向にある
という事と少なくとも一定の合理性を有します(13,14)。
当然、子どもの成長期の頃は
肌を見てもわかるとおりきめ細やかです。
これは、細胞の連結性が高いことに他なりません。
成長期には組織としてのつながりを強固にサポートする
カドヘリン発現を初め、様々な成長因子が存在するという事です。
これが、小児がんが大人に比べて少ない事と
本質的に関わっている可能性があります。
小児がんは白血病と脳腫瘍のケースが多いですが、
共に細胞の性質からして
血液性細胞とマイクログリアなどであるから
組織のようにつながるものではなくて
独立性の高い細胞種となります。
この場合、上述したような通常細胞同士の協力体制が働きにくいため、
分化、増殖の過程で先天性も含めて
癌ドライバー遺伝子がある一定の確率で生じている、生じた場合
それを防御する機構が多層的に働きにくい事を示します。
従って、
小児がんの治療を行う際にも
このような独立性、遊走性、浸潤性などを考慮したうえで
どのように通常細胞などを含めて
その協力機構を特異的に標的となる癌細胞に作用させるか?
という事を考える事になります。
循環的な性質を持つため、
細胞種特異的な送達システムが働きやすいという事が考えられます。
従って、
◎ウィルス
◎ナノ粒子
◎抗体
など多種多様な送達媒体において
遊走性を持つ癌細胞表面にあるタンパク質に特異的な
結合親和性の高いリガンドや抗体を装飾する事で
固定的に存在する癌細胞よりも有効に治療できるかもしれません。
その点では細胞種特異的輸送系統は
小児がんの治療と親和性が高いと評価できるかもしれません。
さらに、
Robert Noble(敬称略)らが示すように
独立性の高い細胞は細胞間の遺伝子的な相互作用が小さいため
遺伝子的な形質が揃いやすい傾向にあります。
(参考文献(15) Fig.1、Fig.2より)
従って、今述べた細胞種特異的輸送系統も含めて
標的治療を行いやすいという事になると想定されます。
但し、細胞治療などで標的治療を行っても
その血統をスイッチさせる場合もあります。
その場合、元々、そのような多様性を持っている
可能性が想定されています(16)。
子どもの場合、長い将来を見据えて良い治療をする必要があるので
そのような癌細胞の顕在化していなかった遺伝子的形質が
再発する際に浮き出てくる可能性を事前に考慮しておくことは重要です。
子どもの脳腫瘍は白血病に次いで疫学的に多い腫瘍です。
白血病は免疫系へのダメージを与える事も考えられますが、
神経系へ大規模に、直接的に影響を与えるものではないので
直接的に癌の進行、播種、転移、再発、治療に伴い
神経系へ影響が出る脳腫瘍の方が後遺症が残るケースが
多いと考えられています。
いくつかの種類の脳腫瘍において
悪性度の高い腫瘍を除いては
生存率は60%を超えるケースがほとんどですが、
言語、運動、感覚、行動など
脳の基本的な機能に関わる障害が出る事があります(18)。
元々、神経系の障害を治癒させる事は難しいことから
脳腫瘍そのものを寛解させたとしても
その後の神経系へのダメージによる
2次的な神経系疾患を考慮すると
あるいは脳腫瘍のうち、治療が難しい特殊な癌種、表現型がある
という事を同様に考慮すると
脳腫瘍の治療の改善の余地は大きいです。
小児脳腫瘍はグリア細胞や未分化の神経細胞が
癌化するケースが多いですが、
成熟した連結性を持つ
神経細胞が同じように癌になるわけではありません。
脳腫瘍の治療が共通して難しいのは、
神経細胞は増殖能が低く、癌化しないために
細胞死させる事のリスクが非常に多い中で
組織的に近くにあるグリア細胞だけを細胞死させるような
治療を考える必要があるという事です。
Yiqun Zhang(敬称略)らの
小児脳腫瘍の遺伝子アトラスによると
RTKs, p53, Rb, PI3K/AKT/mTOR, TERT,
MYC family, SWI/SNF complex, HIPPO
これらの変異が共通的に高い傾向にあります(17)。
この中でRTKsであるレセプター・チロシンキナーゼの変異がありますが、
この変異は機能増強変異であり、
この受容体が異常に未分化細胞やグリア細胞で増えてしまう事があります。
それによってそれらの細胞が異常増殖します(19)。
それだけではなく、
Selin Jessa(敬称略)らが述べている
小児の脳腫瘍で共通的に見られる
前駆細胞の分化の異常も(2)、
このようなチロシンキナーゼの異常発現と
関連している可能性があります(要出典)。
このチロシンキナーゼの異常が
そこから成熟した神経細胞にも同様にあるとすると、
先天的に神経細胞にも異常があることになります。
チロシンキナーゼの受容体を強くアンタゴナイズさせる薬剤は
脳腫瘍の悪性度が強ければ強いほど、
その薬効を高める必要があるため、
同じ受容体が発現されている神経細胞への影響も懸念されます。
一方、
子どもの頃には身体全体において
細胞数を増やしながら、癌細胞の発達を防ぐような
精緻なシステムがあります。
それは脳神経でも同じです。
運悪く脳腫瘍に罹患したお子さんは
主に遺伝子的にその一部が逸脱する事によって
制御を失い癌組織が発達するわけですが、
そのような精緻なシステム全体を失うわけではありません。
従って、元々、子どもが持つ
通常細胞を増やし、癌細胞だけを発達させない
進化の過程で獲得してきた強いシステムを
より深く理解し、それを生かす事で
より良い治療ができる可能性はゼロではありません。
現時点で具体性の欠く考察ではありますが、
小児が持つその強いシステムの一つは
適切な時期に神経幹細胞が
多様な信号を受け取って
適切にグリア細胞や神経細胞などに
分化し、増殖するということが挙げられています。
しかし、Selin Jessa(敬称略)らの報告によると
まさにここが不全であるという事です(2)。
発達時期にある脳に関連する事なので倫理的な問題はありますが、
造血幹細胞移植のように神経幹細胞移植が考えられます。
例えば、進行性の多発性硬化症の患者さんに対して
神経幹細胞移植の臨床報告が存在します(20)。
これを治療が難しい小児脳腫瘍の治療に適用する事は考えられます。
一方で、神経幹細胞の適切な分化、その後の増殖に
影響を与える因子は変異が確認されている遺伝子だけではないはずです。
細胞内外、細胞間の信号伝達や
その他の遺伝子やエピジェネティック因子もあります。
これらにおいて正常な信号や遺伝子、装飾因子全体を掌握し、
総合的にバランスをとる事によって
一部の遺伝子による腫瘍形成、いわば逸脱を
正常に近づけることができるかもしれません。
もう一つの疑問として
Lily Keane(敬称略)らがFig.2に示すように(1)
脳幹など大人がほとんど発症しない領域も含めて
ある特定の領域だけに発生することがありますが、
遺伝子的な原因が大きいとすれば、
それはなぜなのか?ということがあります。
John H. Gilmore(敬称略)らが総括する(21)
年少時の脳の発達における引用から
胎児の時点での脳の発達では
脳内の領域ごとの遺伝子発現の差異が非常に大きい
とされていますが、
大脳皮質領域においては生後数年間の年少時期においては
遺伝子発現の領域差がかなり小さくなる
とされています(22)。
これが個人差がなく共通的に当てはまるかどうかは
わかりませんが、もしそうであるとするならば、
上述したような細胞の分化を妨げるような
未分化の癌と関連があるような遺伝子発現が
脳全体で生じるのではなくて
胎児の時期にある特定の領域特異的に生じている
可能性があるかもしれません。
もし、そうであるとするならば、
生まれて数年以上の時間が経過した脳腫瘍の発症でも
実は、細胞レベル、あるいは遺伝子レベルで見ると
その起源は胎児の時期にすでにあるのかもしれません。
//脳腫瘍//
ここからはRuman Rahman(敬称略)らが総括する(23)
小児の脳腫瘍について報告を詳しく参照しながら
説明、考察していきます。
小児の脳腫瘍の中で治療抵抗性を示す難治性の癌種として
◎Diffuse midline glioma (DMG)
◎Ependymoma
◎Atypical teratoid rhabdoid tumor
◎High-grade glioma
◎Malignant rare variants
これらが挙げられています。
これらの治療を含めて、脳腫瘍の薬物による治療の主な
障害となっているのは血液脳関門によって
腫瘍組織への薬物の送達効率が顕著に低い事です。
それは細胞毒性を持つ抗がん剤、低分子量薬剤、
抗体薬物複合体など広範な抗癌薬剤で当てはまります。
もともと血液脳関門の機能としては
脳脊髄液の濃度の恒常性維持、
循環する脳への毒性のある物質を除外するものです(24,25)。
血液脳関門は組織的なバリアだけではなく、
細胞間の結合因子であるカドヘリンなどからなる
タイトジャンクションや
細胞が元々も持つ薬剤輸送流出機構などによって
薬剤の浸透に対する抵抗性があります。
さらに、
脳に腫瘍が形成されると血液腫瘍バリア(blood-tumor barrier)が生じ
それが周辺の脳血管を改変して、
脳の薬剤分散の異所性を高めることで
治療効果を低下させるという問題があります(26)。
薬剤の送達効率を低下させる要因は
もともと存在する組織的な関門と
腫瘍による組織の改変による異所性の問題と
2重の組織学的な問題があるということです。
薬物の送達効率では
病変以外も含む広範な中枢神経系全体で見ても
全体の5%を下回る薬剤濃度しか送達されないとされています(27,28)。
従って、抜本的な薬物送達システムの改善が必要です。
①血液脳関門を通過できる薬剤
②動脈内化学療法
(参考文献(23)Figure 2B, 参考文献(29) Figure 1)
③血液脳関門組織破壊(BBB disruption)
④隋腔内投与
⑤脳室内投与
⑥間質内投与
⑦ナノ粒子、ウィルス送達
一方で、小児脳腫瘍の治療で放射線治療は
主な治療の選択肢の一つです(33)。
⑧薬剤重水素置換、放射線療法(34)
薬剤の重水素置換は放射線の感受性を高める可能性があるので
①~⑦の効果的な薬剤と⑧の構想を合わせて考えます。
すなわち薬物送達効率の高いシステムと
その薬剤あるいはキャリアの重水素置換、
それに加えて放射線療法に関して
効果的な治療法を探るという方向性もあります。
小児の脳腫瘍を治療する際に考えないといけないのが
まだ、脳が発達時期にあるということです。
従って、放射線治療でもその後の成長を考えた
照射のプロトコルがあります。
上述したオプションで薬物送達効率が高まった時に
注意しなければならないのが、
用量も含めた薬物の動態の制御性を上げる事です。
--
現在FDAに承認されている脳腫瘍の薬剤の中で
Temozolomideがあります(30)。
これは上述した①の血液脳関門の通過性の高い薬剤です。
また、Tomoki Todo(敬称略)らの
腫瘍崩壊を起こすヘルペスウィルスにおいて(31)
免疫細胞を誘導する機能を加えた脳腫瘍の治療で
生存が確認された患者さんの脳のMRI画像をみると
腫瘍があった部分の実質が黒く空洞になっており
なくなっているように観察されます。
外科的な手術を含めて切除部分の空洞が
脳の場合は比較的空間として安定しているのか、
そこに抗がん剤がゆっくり放出される基板(ウェハー)が
入れられることがあります。
一般的に切除後の空洞にアドジュバントして
挿入される抗がん剤をゆっくり放出するウェハーが
carmustine wafers(32)です。
この空洞にウェハーを入れるという発想は
成長期の子どもにできた脳の空洞部から
障害を受けた脳の成長を促すための補助的な物質を入れる
というものにも派生的につながります。
例えば、神経細胞の生存、発生、機能に必要とされる
因子として神経栄養因子があります。
あるいは血管内皮成長因子は神経生成を促します(35)。
このような神経系の成長、維持に必要な
重要な物質を長時間保持できるウェハーがあれば、
carmustine wafersの構想と同様に
研究する価値はあるかもしれません。
脳腫瘍の切除後にできた空洞があるマウスで
その空洞部にそれらの物質を少しずつ放出できるウェハーを入れて
周辺部の神経細胞の可塑的な成長が促されるか?
それによる運動、思考などの機能はどうか?
その空洞を利用してアドジュバント療法を行うのと
逆の視点として存在します。
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P糖たんぱく質は血液脳関門の門番役として働きます。
従って、この機能が乱れると脳への浸透率が向上します(36)。
P糖たんぱく質ブロッカーは
血液脳関門の薬剤の浸透率を上げるために検討されます。
例えば、Bradykininは
このP糖たんぱく質の機能を改変する働きがあります。
このBradykinin類似物である lobradimilによって
血液脳関門の薬剤浸透率を上げた状態で
抗がん剤であるCarboplatinをグリオーマを持つ小児の患者さんに
投与するための臨床前モデルがアメリカで行われています(37,38)。
フェーズⅡの臨床試験では小児脳腫瘍において
臨床的なベネフィットは見出せませんでしたが、
この方式をより効果的にするための
改善の余地が示されたとされています(23)。
血液脳関門の浸透率を上げる外的手段は他にも存在します。
それが超音波であり、
Bakay, L(敬称略)らによって報告されています(39)。
より血液脳関門を安全にオープンにするために
超音波の強度を下げる必要があります。
マイクロバブルを患部に届ける事で
その閾値を下げる事ができます(40)。
マイクロバブルは血液脳関門の組織を伸張、圧縮させる事で
より低い超音波で浸透可能になります。
その経路は
◎細胞内を細胞質を通して移動する
◎細胞そのものに穿孔をあける
◎細胞の継ぎ目であるタイトジャンクションをオープンにする
◎もともと浸透可能な細胞を通る
これらなどいくつかの経路が存在します(41)。
このマイクロバブルと超音波を使った方法で
◎低分子量薬剤(42)
◎モノクローナル抗体(43)
◎細胞(44)
これらなど脳実質内への薬剤送達効率向上が確認されています。
実際にこれらの手続きを安全にするためには
超音波の状態と血液脳関門の組織の状態をリアルタイムで
正確に分析する必要があります。
そのため水中聴音器とMRIが利用できる事が報告されています(45)。
薬剤が搭載されたナノ粒子であるリポソームとマイクロバブルは
局所的な薬物送達において最適化できます(46)。
--
上述した②動脈内化学療法(Intra-Arterial Chemotherapy)は
1950年初頭にOstapowicz, G, French, J.D(敬称略)らによって
報告されています(48,49)。
この方式では頸動脈、椎骨動脈にカテーテルを挿入して
抗がん剤を投与します。
これにより静脈ルートよりも効率的に脳に薬剤が送達します。
より癌に繋がった動脈(tumor-supplying arteries)に
カテーテルを挿入して薬剤を送達させる事を
「Super-selective intra-arterial chemotherapy」
(Super-selective IAC, SIAC)
このように定義しています(23)。
現在ではカテーテルの径が小さくなったことや
イメージシステムが発展した事で
技術的に安全な形で実現可能になっています(23)。
イメージシステムではMRIなどを用いて
血液脳関門の正確な位置のオープニングを実現し、
その後の薬剤投入の為の
最適なカテーテル位置の決定を行います(51)。
このように送達ルートをより脳腫瘍部位に近く、特化することで
その他の非特異的な循環器を通した薬剤代謝、分解を防ぐことができます。
この方式はまだ臨床試験の実験においては黎明期にあります。
子どものケースではなく大人のケースで
再発性の膠芽細胞種において、
血液脳関門の機能を低下させ、薬剤の浸透率を上げた後、
SIACで抗がん剤(bevacizumab)を投与する臨床研究が
16人のスモールスケールで行われています(50)。
その中で副作用がより小さいことが示されています(50)。
細胞種特異的薬剤送達システムにも概念として必要なことですが、
脳腫瘍に対する薬物送達効率向上のための
局所的な薬物送達において重要な事は
単にそこに薬剤を届けるだけではなく、
薬剤を制御して脳腫瘍に作用させる必要があります。
その制御された薬剤放出の為の媒体として
◎ウェハー
◎ディスク
◎フィルム
◎ロッド
◎粒子
◎メッシュ
◎基台(scaffolds)
◎ゲル(ヒドロゲル)
これらなどが挙げられています(52)。
当然これらは生分解性材料で構成される必要があります。
これらの送達媒体を利用するときに制御因子として必要なのが
上述したように複合体化、内包した薬剤を
どのように制御して腫瘍組織に作用させるか?
それを満たすことが臨床応用させる際の一つの基準になります。
これらの臨床試験の結果は現時点では
患者さんにとって顕著にメリットがある形の
臨床結果を示してはいません。
唯一承認された
Alkylating agent carmustine(BCNU)でしみこませたポリマーが
膠芽細胞種に対してマルチセンターでフェーズⅢの臨床試験
として行われましたが、
全体の生存期間は23週から31週への延長に留まっています(53)。
ここから考察に入ります。
Ruman Rahman(敬称略)らが総括されている
子どもの脳腫瘍における薬剤送達において
カテーテル挿入によって
全身の血液網から独立して
患部に近いところからその循環器を経路として
送達効率が高い様式で脳腫瘍部まで届けられるとされています(23)。
このカテーテルの器具としての性能、
その挿入を画像診断などによって管理する技術も向上し、
カテーテルによって薬剤の投入口を決定する事が
安全で有効な形で可能になっています(23)。
このようなカテーテルを通した薬物送達の効率を上げるため
圧力の漸減を利用して、対流を促す方法もあります(57)。
このようなどのように投与するかは
細胞種特異的薬物送達において非常に重要な項目です。
それによってより狭い領域、ミクロな構造での
薬物標的化にリソースを絞ることができるからです。
脳腫瘍の場合は外科的なアプローチが可能かどうかを
まずは検討されると理解していますが、
脳幹など子どもにおいて生じることがある
外科的に非常にアクセスが難しい部分の脳腫瘍もあります(1)。
その場合、放射線治療や薬物治療、
あるいはその両方が検討されると想定されますが、
薬物治療の標的性が上がることで
また薬物によって免疫機能など
体の自然な防御機能を促進させる事で
放射線治療と合わせて治療した時の
臨床結果、予後の向上につながる可能性があります。
Ruman Rahman(敬称略)らは脳幹に直接につながる
椎骨動脈へのカテーテル挿入が可能であると記述しています(23)。
PHILIPP HENDRIX(敬称略)らが
Fig.1に示すように(54)椎骨動脈は後ろ側から
脳幹にアクセスする最も太い動脈です。
従って、例えば外科的なアクセスが難しい脳幹の脳腫瘍であれば
椎骨動脈にカテーテルを挿入できれば、
患部に近いところで薬物を放出できるため、
送達効率が向上することが期待できます。
また、
大きな腫瘍、あるいは増殖性の高い腫瘍を
仮に放射線に頼らずに
薬物のみで寛解させようとする場合には
免疫機能を最大限引き出す必要があると考えられます。
その時の一つの鍵となるのが3次リンパ様組織です。
膠芽腫においても3次リンパ様組織の成熟によって
免疫治療の効果が高まる可能性が示唆されています(55,56)。
ただし、脳の実質内はもともと体細胞組織とは異なる免疫系であり、
腫瘍に対してエフェクター性のあるB細胞、T細胞を
どのように構築するかが課題であると想定されます(56)。
上述したようにカテーテルを出口の脳組織に対して
陽圧にすることによって対流を促す方式は
広範囲の分子量の薬剤を送達させる事が可能になります。
化学療法ではその半減期の短さが問題になることがありますが、
ナノ粒子やウィルスなど薬物送達媒体を使うことで
その半減期を制御でき、任意の送達が可能になる場合もあります(23)。
ナノ粒子やウィルスは特定の細胞や組織に標的化する事もできるので
広範囲の分子量の薬剤を投入できるメリットは
薬物送達効率を多層的に(累乗的に)上げる上で
非常に重要なメリットです。
また、対流があるという事は
流速を上げられるので、薬物を投与する時間を
短くできるというメリットもあります(61)。
但し、カテーテルを使った薬物送達にはいくつかの課題があります。
脳につながる血管にいれるような
細いカテーテルはリンパ管のように
内部に弁(e.g.biomimetic valve)を設けるような
構造を作り込むことは現時点では難しいと理解しているので、
カテーテル内で逆流の問題があります(58,59)。
また、カテーテルで薬剤を入れる場合、
薬剤の投与が間隔を空けて複数回あるとすると
カテーテルを入れたままに通常はできないので
その都度、手術をする必要があります(60)。
それはこの方式における潜在的な課題です。
軟髄膜腫瘍は小児がんの55%に合併します。
これは脳腫瘍だけではなく、白血病も含まれます(62)。
脳腫瘍の場合は手術の前、後に原発腫瘍位置から
播種、転移して軟髄膜に癌細胞が定在します。
(参考文献(63) Fig.1A)
このとき原発腫瘍からの経路は
脳の動脈であるか、脳脊髄液を通してか?
その両方が考えられるとあります(62)。
ここで脳の
「①動脈」と「②軟髄膜」と「③脳脊髄液ルート」
これらについての組織の位置関係を確認します。
Carolina Cocito(敬称略)らがFig.1Aに示すように(63)
赤い管の①動脈があって、
その周りに蜘蛛の巣状の「②Subarachnoid space」があります。
ここが「②軟髄膜」となります。
この軟髄膜中に「③脳脊髄液」が流れると考えられています。
Mariam Lotfy Khaled(敬称略)らがFigure 1に示すように(64)
「②Subarachnoid space」は脳脊髄液を含みます。
まとめると
脳の実質の周りに張り巡らされている動脈があって、
その動脈の周りを保護するように蜘蛛の巣状の軟髄膜があります。
この軟髄膜中に脳脊髄液が含まれ、
その蜘蛛の巣と液体によっ
て脳の実質が守られる構造になっています。
前述したように
Carolina Cocito(敬称略)らがFig.1Aに示すように(63)、
軟髄膜中に癌細胞が存在する事が
軟髄膜腫瘍であるとされています。
従って、それとの直接的なバリア層がない脳脊髄液ルートが
考えられます。
しかしながら、癌細胞は血液外に浸潤する能力もあることから
動脈によるルートも想定されています。
従って、薬剤によって
この軟髄膜の転移した腫瘍を取り除くために
脳脊髄液に薬剤を注入し、その循環を利用して
この軟髄膜腫瘍を選択的に取り除くことが効果的である
可能性があるとされています(62)。
この軟髄膜に転移するリスクが高いのが
髄芽細胞腫(medulloblastoma)です。
その一つの原因と考えられるのが
組織特異的な細胞接着分子を仲介した転移です。
転移先である軟髄膜に存在する
Tenascinと膠芽細胞種のインテグリン依存的な特異的結合によります。
そのインテグリンがα9β1となります(65)。
従って、脳脊髄液ルートでさらに
薬物送達効率を上げるための想定される手段は、
この髄芽細胞腫のインテグリンα9β1を
アンタゴナイズする薬剤と抗がん剤を複合体化させる事です。
インテグリンα9β1の機能を弱めるだけでも
軟髄膜の定在能力を低下させられる可能性があります(65)。
情報元は失念しましたが、1990年代の報告において
脳腫瘍のケースで軟髄膜に転移がみられる割合は
臨床で確認されているよりも多いことが
亡くなられた方の解剖によって明らかになっています。
Carolina Cocito(敬称略)らがFig.1に示すように
軟髄膜に存在する癌細胞は組織でなくて
比較的、細胞単位で独立した形で存在するかもしれません。
もし、そうであるならば、検出は難しいです。
この軟髄膜に転移した癌細胞が残った場合
どのようなリスクがあるか?
それについては後ほど、具体的な報告(63)を参照の上
情報共有いたします。
細胞接着分子の一つであるインテグリンの情報が出てきたところで
ここで一つより根源的なところについての
仮説に基づく考察について記述します。
人の身体の中で常に組織が目に見えている
1つの主要な器官は皮膚です。
年齢が若いお子さんの皮膚を見ると
非常に肌がきめ細やかで綺麗です。
これは細胞同士、細胞と基質の連結に関わる
細胞接着分子が関わっていると考えられます。
冒頭で述べた様に
アシーナ・アクティピス(敬称略)は
「癌は協力を裏切る細胞である」と共通的に定義しています(12)。
これは異種的、多様、広範、生物共通的な癌という
生理機序をどのように定義するか?
アシーナ・アクティピスが示した一つの収束的な結論です。
この定義に従った場合において
例えば、癌細胞は多くの遺伝子変異があると仮定すると
1つの細胞の遺伝子変異と修復のバランスを考える事だけでは
癌という疾患の神髄にたどり着けないことを示します。
むしろ、どのように細胞間で
癌に発展するような遺伝子的に不安定な細胞を
選択的に排除するか?
このシステムを理解する事が重要です。
「子どもは(組織が発達するのに)なぜがんに罹りにくいか?」
逆に
「小児がんは大人のがんと何が違うか?」
それについて問う事は
癌という多細胞生物の生理現象の神髄を理解するための
重要な一つの領域、マス目になる可能性があります。
上述したように
子どもが罹患するがんの特徴は疫学的にも異なります。
子どもは血液と脳神経のがんが圧倒的に多いのに対し、
一般的には
乳がん、前立腺がん、大腸がん、肺がん、膀胱がん、
腎臓がん、皮膚がんなど分散しています。
子どもがなぜがんに罹りにくいのか?
それについて多面的、多層的に研究、考察、調査していく事は
小児がんの理解だけではなく、
一般的ながんをより多くの観点で理解する事につながります。
これらの疫学的な特徴から考えて
小児がんは血液と脳神経のがんなので、
臓器などが一般的に示す組織として連結が
一つの重要なマス目となりそうである
と想定することもできます。
これはアシーナ・アクティピスが示した一つの結論である
「細胞の協力」と関係がありそうです。
なぜなら、細胞同士「つながっている方が」
その協力関係が築きやすいと考えられるからです。
従って、
子どもにおいての細胞同士の連結について調べる事は
(CAMome in children)
がんの治療を含めた重要な発見につながる可能性があります。
では、細胞同士を「つなぐ」機序は何か?
その機序でおそらく最も重要なのが
細胞接着分子(Cell adhesion molecules)です。
これは広義の意味での接着であり、
細胞間だけではなく、
細胞外マトリックスなどの基質も含みます。
細胞間でどのように異常な細胞を監視しているか?
(Intercellular surveillance against abnormal cells in normal tissue)
特に子どものような若い組織で
どのように異常な細胞を検出しているか?
おそらく多様な細胞接着分子が関連していると推測されますが、
一般的に「通常の状態がどのように維持されているか?」
という研究は病理研究よりも着目されないと理解しているので、
現時点では調査する限り、
ベクトルが一致する報告にたどりつけていません。
受精卵から分娩までの産婦人医学を含めて
組織がどのように形成されるかという中において
細胞接着分子がどのように関わっているか?
これについて調べる必要がありますが、
それだけでは不十分で、
実際に子どものケースで
どのような細胞接着分子群が協働的に機能しているか?
それを包括的に理解する必要があります。
以下、内容は一部、重複します。
小児の頃に多いがんは血液性癌と脳神経性癌です。
疫学的に少なくとも65%以上はこれらに含まれます。
脳神経性では神経系は臓器のように細胞が
密に連結しているわけではありません。
また血液性の癌では当然、細胞が流れています。
このような状態では独立性が高いために
連携、協力機構が働きにくいという事があるかもしれません。
遺伝子的に強い癌形質を持っていても
それを本来なら防御できる可能性がありますが、
循環性、離散性によって
若くて状態の良い通常細胞同士の連携が働きにくく
防御しきれないということです。
しかし、脳神経性の癌においても一部の癌においては
脳の動脈や脳脊髄液内で血液性の癌のように
循環性を強く持っている可能性があります。
また、軟髄膜でも組織化するのではなく、
比較的離散的に存在している可能性もあります。
これは小児がんの一つの本質かもしれないと
現時点では仮説を立てています。
単独性が強いという事は、
腺腫のように膜で覆われていないので
膜の中に入る必要もありません。
組織内に浸潤する必要もありません。
MRIでは組織として細胞が密集しているか?
それとも大人の身体にできる固形癌に比べて
細胞の隙間が多いか?というのはわかりませんが(66)、
1つの可能性として常に頭に置いておきます。
もし、あてはまるのであれば、
細胞種特異的な薬物送達システムが働きやすい
ということにもなります。
病変が組織化、集合化する事が送達効率を下げる
1つの大きな要因になるからです。
例えば、上述したように
髄芽細胞腫に対して
インテグリンα9β1を標的にするように
細胞種特異的な標的を見つけ、
さらにカテーテルなども含めて
薬剤投与ルートを最適化することで
治療が難しい脳腫瘍も含めて、
お子さんに対する治療が改善される可能性があります。
既存薬はすでに大人に使われていて、
副作用は許容的なものが多く含まれます。
それを小児用の薬として
リパーポス、リポジショニングすることは
安全でリスクの少ない臨床試験の実現において
非常に重要な事です。
例えば、京都大学を中心に
iPS細胞の技術を使って、
特に希少疾患においてその患者さんから
皮膚の細胞などを抜き取り、iPS細胞技術で初期化して、
病変部位の細胞に分化させ
何千種類もの既存の薬を細胞に作用させて
効果のある薬をスクリーニングする取り組みが行われています(72)。
このようなプロトコルは
小児に対する薬剤発見でも重要です。
一方、このようなリパーポスとして
小児脳腫瘍に対して、
すでに実績のあるものがあります。
メベンダゾールは鞭虫症に対して承認されていますが、
寄生虫を死滅させる機能があります。
ジョンホプキンス大学のRiggins groupは
このメベンダゾールが
高悪性度の星状細胞腫(high-grade astrocytoma)に対して
抗癌効果があることを見つけました(23)。
このメベンダゾールは同所性の髄芽腫にも
抗腫瘍効果があることを示しました(67)。
メベンダゾールの副作用においては
すでに鞭虫症の治療に使われていることもあり、
高い寛容性(well tolerated)があるとされています(68)。
また、抗精神薬のチオリタジンは
髄芽腫の移動性を電位依存性チャンネルEAG2を抑制する事により
その成長と転移を抑える効果がある事を確認しています(69)。
抗寄生虫薬、抗ウィルス薬、
抗菌薬、抗細菌薬などはその生物そのものが
脳に作用するものもあるので、
それに対して攻撃性を持つものの中には
小児の脳腫瘍に効果のあるものが他にもあるかもしれません。
下述するバルプロ酸ナトリウムや
向精神薬も脳に作用する薬なので可能性があります。
従って、スクリーニング対象を選ぶときには
上述した脳に作用すると考えられる薬剤を
積極的に候補として入れる事は
1つの方向性として検討の余地があります。
上述した脳のGABAに作用する薬として
バルプロ酸ナトリウムがあります。
これは血液脳関門を超える働きがあります(70)。
バルプロ酸ナトリウムは血中濃度を測ることができますが、
その血中濃度に対して脳に届く割合は15%です(23)。
このバルプロ酸ナトリウムは
Diffuse midline glioma (DMG),
Embryonal tumors with multilayered rosettes (ETMRs)
これらに効果があることが知られています(23)。
このバルプロ酸ナトリウムを
マイクロカテーテルで脳腫瘍に対して
近い位置から投与して、効率的な送達を狙う
初期の臨床試験が行われています(71)。
上述したようにiPS細胞の初期化技術を使って、
患者さんの遺伝情報を保持させた状態で
個人の特質を持った脳腫瘍の細胞に分化させる事できる
可能性があります。
すでにいくつかの薬剤に絞られている段階であれば、
どれが一番効果があるか?
これを細胞レベルで確かめる事はできます。
しかしながら、
これに薬物送達学の観点を組み込むと
確かに細胞に投与した時に効果がある薬でも
そこに効果的に送達されなければ、
想定される薬効が実際の患者さんにおいて
示されない可能性があります。
その精度を上げる手段として
その細胞を一つの構成要素として
周辺の組織を3次元的に作り込むことが考えられます。
間質には細胞外マトリックスがありますから
Ruman Rahman(敬称略)らが記述しているように(23)、
ヒアルロン酸ベースの組織エンジニアリングマトリックス。
Hyaluronic-acid-based tissue-engineered matrices。
これが採用される場合があります。
この材料では膠芽腫細胞が上手く中に
浸潤するとされています(73,74)。
他方で、
倫理的な問題をクリアする必要がありますが、
脳の少なくとも一部のオルガノイド(人工臓器)を
作ることができれば、
上述した薬物送達のモデルもより正確に構築できる可能性があります。
これは3次元の培養システムを
さらに拡張させたものになります。
また、一方で、
コンピューター上の画像シミュレーション、
または生成系AIを含む人工知能で
脳の正確な構造を作り込むことができれば、
それを元に薬物動態のシミュレーションを同期させて、
非侵襲の薬物治療の効果を予測できるかもしれません。
この場合、
費用、時間、物質リソースを抑えられる可能性があるので、
精度が上がってくれば、
より効果的な評価ツールになり得ると考えられます。
子どものがんの本質を掴むためには
胎児の頃も含めた子どもの成長、
より細かくは組織、細胞の成長機序について
詳しく理解する必要があります。
少し見方を変えて言い換えると
大人になって罹患するがんは
ある程度、組織として恒常性が保たれた状態ですが、
子どもの頃は日々組織が成長しながら
小児がんに罹患している場合には
同時に腫瘍組織も成長する事になります。
基本的に人の成長に関わっている細胞の機序というのは
全てではないにしろ、
お子さんが罹患する小児がんを含めて
多くの疾患に関わっている可能性があるので見逃さない事が重要です。
何度か繰り返し述べましたが、
組織の健全な成長において細胞の連結性が非常に重要です。
細胞の連結性を決める
(おそらく)最も重要な機序は
細胞接着分子(Cell adhesion molecules,CAMs)です。
子どもの場合、皮膚に代表されるように
この細胞接着が非常に機能的に働いていると想定されます(75)。
この記事で問題にしている小児がんでは
白血病を除いては、脳神経系の腫瘍が一番多くなっています。
脳神経系においても体細胞系と同様に
細胞接着分子が関わっています。
その細胞接着分子は必ずしも組織の固定に関わるものだけではなく、
N-カドヘリンのように細胞の移動性を上げるものもあります。
従って、接着といっても偏った機能で集団化されるものではなく
細胞の増殖、移動、浸潤、固定を決める
機能可動性に富んだ重要な結合性タンパク質です。
ゆえに、サブタイプごと細かい機能について
包括的に調べていく事は非常に重要です。
その細胞接着分子のカドヘリンのサブタイプの中に
プロトカドヘリンと呼ばれる物質があり、
さらにその亜型として
プロトカドヘリン1(PCDH1)があります。
このPCDH1は少なくともマウスのケースでは
胚成長を含めて、成長初期の組織の主な構成単位である
上皮組織、内皮組織の成長や修復に関わります(76)。
それを裏付けるようにもっと大きな構成として
胎児の成長にも関わっています(77)。
このような成長期の組織の成長や修復機能は
脳のそれにも関係している可能性があります(78)。
まだ、報告数は非常に限られていますが、
Geert Berx(敬称略)らがTable 1にまとめた表を参照すると(79)、
PCDH1は膠芽腫で発現が減少している事が示されています。
このタンパク質が予後のマーカーになり得るということです(80)。
PCDH1は癌においては発現過剰になると
大人の膵臓癌や肝臓癌に代表されるように
癌の組織化を促してしまう事もあります。
その組織化の重要な機序として血管生成があります。
特に癌の場合は栄養を多く必要とするので
血管を補助的に形成する事が組織の維持のために必要になります。
小児の脳腫瘍の場合においても
その血管生成を抑える治療が考案されていますが、
それが有効かどうかは確定ではありません(81)。
もし、小児の場合は特に
組織化の上で重要な癌細胞の血管生成、細胞増殖などよりも
癌細胞の周りの通常な上皮、内皮組織を含めて
組織の健全な成長、修復などの機能の方が重要であれば、
このPCDH1の発現を誘発する事の方が
治療としてメリットが大きい可能性があります。
通常、癌細胞の周りの微小環境は
腫瘍組織が形成されている場合には
その腫瘍組織形成に有利な形質を持っている事が多いですが、
小児であって、その場所が脳の場合は状況が異なるかもしれません(82)。
癌組織がどのように形成されるか?
その初期過程を追跡する事は
それを模倣した薬物送達システムのデザインに役立ちます。
N-nitrosoureasは神経系に腫瘍を作る性質があります。
「全身投与」でも低用量で
マウスのケースで数週間単位で
神経系に腫瘍を作ったことが確認されています(83)。
神経系に新たに組織を作る時には
初期の胚形成から外胚葉(Ectoderm)に分化します。
おそらく発がん性物質は
このような組織形成の初期の胚形成の段階において
癌ドライバー遺伝子のような変異を与えるものかもしれません。
小児がんは遺伝子的な要素が大きいとされていますが、
神経系の前駆細胞に強い変異を与えるような
発がん物質を受けた場合、
小児がんに発展する遺伝子的なドライバーとなる
閾値を超えるということはあるかもしれません。
ここで問題にしたい事は
N-nitrosoureasそのものが脳神経向性を持つのか?
それに影響を受けた癌(前駆)細胞が脳神経向性を持つのか?
これら2つの問いです。
なぜなら、ここを考える事が
脳神経系への薬物送達システムのモデルを立てるのに貢献するからです。
Ruman Rahman(敬称略)らの総括によれば(23)、
発がん性物質 N-nitrosoureaに誘導された腫瘍組織が
脳への走化性、向性を示したという事が引用されています(84)。
実際に脳は主要な転移先の一つであります。
白血病が圧倒的に多い小児がんとも関連が深い癌ですから、
「循環性」の形質が強い可能性があります。
この事は全身の循環器に神経膠腫あるいはその前駆細胞が
存在しうることを示唆します。
では、何が脳への走化性を決めているのでしょうか?
その走化性を決める一つの要因はケモカインなどに代表される
細胞を誘導する分泌物質の濃度勾配です。
もう一つの重要な機序は
細胞の増殖、移動、浸潤に大きく関わる
細胞接着分子である可能性があります。
つまり、循環器にある神経膠腫、その前駆細胞の
表面に発現されている多様な細胞接着分子が
脳神経系への移動、血液脳関門の浸潤、
細胞外マトリックス内への浸透、
脳実質内の定着、固定の特異性を決めている可能性があります。
早産時の早期の破水においても言える事ですが、
私たちが想像しているよりも多くの状況で
細胞接着分子のプロテオーム解析をすることは
その本質的な病理の理解、効果的な治療、
その治療の為の薬物送達システムに貢献する事が想定されます。
しかし、まだ十分なエビデンスは不足している状態です。
//急性リンパ芽球性白血病//
<<疫学、背景、序論>>
子どもの急性白血病は先進国においては
疫学的には最も高い頻度を示します。
全ての小児がんのケースの内、33%(3分の1)程度であり、
15歳までの発症のリスクは
おおよそ2000人の1人と言われてます(88)。
最も共通的な小児白血病はこの節で述べる
急性リンパ芽球性白血病であり、
潜在的には命を脅かすがん種です。
しかしながら、複合的な化学療法による治療によって
この急性リンパ芽球性白血病の治癒率はおおよそ90%であり(89)、
腫瘍学の歴史の中では
現実で示された成功事例の一つであると評価されています(87)。
このようなセレブレーションとは対照的に
現在の治療はお子さんの身体に負担がかかるものであり、
一命をとりとめたお子さんの
その後の長期的な健康を低下させるものです(90,91)。
例えば、
〇骨粗しょう症、骨減少症
〇成長ホルモン不足
〇白内障
〇低身長症
これらのリスクが高まることが示されています(90)。
これらのような身体的な問題だけではなく、
不安やうつなど精神的な問題が生じることもあります(92)。
--
急性リンパ芽球性白血病の病因は複数がありますが、
その70%を超える原因はB細胞の前駆細胞、B細胞に関連するものです。
その中でもB細胞の前駆細胞の遺伝子的な異常が多くなっています。
①ETV6-RUN1
②染色体高二倍性(染色体の数が多い)
③BCR-ABL1
これらです。
これらが原因で発症する年齢は1歳から7歳までが多く
3-4歳ころにピークを迎えます。
(参考文献(87) Fig.1)
但し、これらの異常があったとしても
必ずしも白血病を発症するわけではありません。
例えば、
〇免疫機能(94)
〇(母子垂直伝染、妊娠時の母親感染を含む)感染症の罹患の有無(93)
これらは遺伝子な異常と
白血病の発症リスクにおいて交絡因子となります。
例えば、上述した病因となる遺伝子の一つである
①ETV6-RUN1の遺伝子異常は
5%の新生児で疫学的に見られると言われいますが、
実際に顕性白血病に進展する子供はわずか0.2%以下です(94)。
つまり、その遺伝子異常があったとしても
全体の4%程度の人しか臨床症状を示して
治療が必要な白血病には発展しません。
このような疫学的な観点は
白血病だけではなく小児脳腫瘍でも考慮に入れる事が重要です。
小児がんは遺伝子的な疾患と考えられがちです。
しかしながら、
治療が必要なほどに顕性病態を示す小児がんに進展する確率を考慮します。
①ETV6-RUN1に関しては白血病のケースで4%以下でした。
その運命、分岐に関わる
乳幼児期に発達している免疫機能や感染症など
複合的な因子を考慮する事は非常に重要です。
また、この記事で述べているように
細胞の増殖、移動、浸潤、
それらによって支えられる細胞同士の協力機構、
小児がんと大人のがんの違い、
子どもが持つ特異的な健康への長所、弱点など
小児がんの根本となることを総合的に考える事で
遺伝子的な異常があっても
小児がんに発展する子供を減らす事ができるかもしれないし、
仮に発症しても軽症で済むようにできるかもしれません。
あるいは、上述した①ETV6-RUN1の白血病のケースでは
96%の人が治療を必要としないわけですから、
その子どもたちの身体の特徴を分析することで、
予防や軽症化だけではなく、
予後も含めた副作用の少ない自然な治療につながるかもしれません。
なぜなら、残りの96%の人は
「自分の自然な力」で小児がんへの発展を防いでいるからです。
それを参考にした薬やそれに伴う医療介入は
より自然で無理のない治療につながる可能性があるからです。
また、疫学的なデータを参考にすることも重要です。
上述したように3-4歳が発症のピークです。
なぜ、これらの年齢がピークになるのか考える事で
急性リンパ芽球性白血病の根本的な病理や
効果的な予防、軽症化、治療につながる可能性があります。
-
十分な数の評価ではないですが、
Hassan Rafieemehr(敬称略)らの白血病の
生活環境におけるコホート研究があります(95)。
それを見ると、統計的にもっとも顕著な差が現れているのは
子どもを幼稚園(保育園)にいれるか、家で育てるか?です。
幼稚園の方が顕著に罹患しにくいというデータになっています(95)。
これが何を意味するのか?
一つ疑わしいのは呼吸器や消化器で暴露される
微生物環境の多様性にあると想定しました。
特に白血病における腸内細菌の重要性が
Ioannis Peppas(敬称略)らによって総括されています(96)。
罹患の年齢が3-4歳がピークになっています。
従って、幼稚園(保育園)の入園有無について
子どもの微生物環境の多様性とどのように関係するか?
それについて着目する価値が一定割合生じます。
加えて、Hassan Rafieemehr(敬称略)らの調査では
フリーランスワーカー、父親の収入が高い場合に
白血病の罹患率が上がっています(95)。
これが根源的な理由ではなく、
フリーランスや父親の収入が高い場合は
子育てをする母親(父親)が家にいるケースが多くなるため
保育園に子どもを預けないことが関係している可能性があります。
例えば、日本であれば、女性の社会進出というのが
労働不足、平等性、可処分所得改善だけではなく、
経済的な付加価値という点でも非常に重要な意味を持っています。
子どもをもつ女性が社会進出するためには
子どもを保育園に預ける必要がありますが、
実は子供を小さい時から多くの人がいる雑多な環境に置くことは
リスクもあるのですが、一方で、
その子どもの特に免疫系の健康を手に入れる上で
非常に重要な意味を持っている可能性があります。
一方で、この時期の子どもは授乳も関係するし、
子育てに関する根本的な考え方も変えていく必要もあるので、
単に保育園に通わせる方がよいという粗い結論ではなく、
もっと精緻で、根源的な結論を
この記事で出力することを目指します。
-
上述したコホート研究の結果は複数の報告で示されたものではなく
一貫しない部分もあります。
デンマークによる最近の調査では
2歳より前に保育園に入れたケースでの
ハザード比はそうでない場合に比べ0.87であり、
顕著ではありませんでした。
これは500人規模の調査になります(97)。
疫学的な調査は大分類による比較なので、
原因を究明するための入り口に過ぎない部分もあります。
例えば、Julia Hauer(敬称略)らによるFigure 1では(94)、
BCGのワクチンが
NK細胞、単球、マクロファージといった
獲得免疫系が未発達な子どもにおいて
より重要な原始的な免疫システムである
自然免疫細胞をトレーニングさせる
という事が示唆さています。
最近はBCGのワクチンはプログラムに組み込まれているので
そういったことも背景的に関係する可能性があります。
また、もし、腸内細菌が関わっているなら、
単に周りの多様な人との接触だけではなく、
それぞれの家庭、その施設で出された食事を含めた日々の食事や、
授乳の状況なども大きくかかわる事です。
-
その原因の精度を上げていくために
〇全体的な総括(87)
〇腸内細菌の影響(96)
〇免疫系の影響(94)
〇B前駆細胞の運命(99)
これらの総括論文を精査し、さらに付加的な調査を行います。
総合的に考察する事で
より本質的、根源的な要素を洗い出します。
その中で予防、軽症化、治療、予後の改善を
この白血病の章で探っていきます。
--
<<総合>>(87)
Mel Greaves(敬称略)らがFig.1に示すように
白血病の患児の内、
B細胞の前駆細胞に特定の遺伝的変異、
染色体の異常が生じているケースは60%を超えます(87)。
しかしながら、
比較的高い年齢(10歳以上)で
急性リンパ芽球性白血病に罹患するの白血病では
このB細胞の前駆細胞の異常のケースが10-15%に低下します(100)。
前述したように特定の遺伝子的な異常があったとしても
急性リンパ芽球性白血病にかかる子どもは一部ですから、
B細胞の前駆細胞の異常が原因で生じる白血病罹患の有無の多くは
比較的、低年齢で決定されることを明示するものです。
それが子宮内という生まれる前に決まっているか?
それとも生後の環境的な要因も複合的に関連しているか?
そこを問う事が重要になってきます(87)。
--
上述したように
遺伝子的変異があったとしても
急性リンパ芽球性白血病にかかる人はかなり低いという疫学結果は
分子細胞生物学的にはどういう事を意味するのか?
B細胞の前駆細胞に変異がある子どもの血液から
その前白血病性を持つそのB細胞の前駆細胞を取り出し、
それを生体外、生体内で細胞の発展の軌跡を分析すると
自己再生能力があり、無傷のB細胞の分化の能力がありました(101)。
ここで詳しく考える必要があるのが、
急性リンパ芽球性白血病において
お子さんの身体をむしばむのは
どの「分化段階」のB細胞か?ということです。
(ここではそれが全身に広がる成熟型B細胞である
ということを前提にして詳述を進めていきます。)
この事を問う事は、
同時に「癌」「無傷(intact)」のB細胞の違い、境界を
問う事にもつながります。
最終的に急性リンパ芽球性白血病で体の制御性を失って
治療が必要な状態とはどういうことか?
そこには統計的な概念が必要になると考えています。
上述した報告でも示されたように
前駆Bリンパ腫細胞は無傷のB細胞にも分化できますから、
Bリンパ腫細胞と無傷のそれの分化選択性を有している
と捉えることができます。
「統計的」というのは
癌ではないからといって、
前駆Bリンパ腫細胞から分化したB細胞全てが
無傷とは限らないという考え方です。
一部はリンパ腫細胞に分化しているかもしれません。
そう仮定した時にいくつかの派生的な問い、観点が浮上します。
多くのお子さんにおいてB細胞の前駆細胞に
リンパ腫の原因となるドライバー遺伝子変異を持っていたとしても
がんとは診断されず、おおよそ健康な状態を保っています。
この状態は例えば、一部はB細胞において癌化しているけど、
それよりも有意に多くのB細胞は無傷であり、
それら無傷のB細胞や他の免疫細胞によって
癌化したB細胞は監視下にあり、選択的に排除されている
という仮説が考えられます。
そのような統計的な勢力を考慮すると
分化と増殖の違いについて考える事が重要になり、
加えて、分化と増殖は体のどこで生じるか?
それについて問うことの意義も同時に生じます。
増殖は同じ分化段階の細胞が分裂して増える事を意味します。
分化は分化段階が変化し、細胞が成熟する事を示します。
つまり、増殖はB前駆細胞、B細胞が
成熟を経ずに、その分化段階の細胞を増やすことを意味します。
分化はB前駆細胞からB細胞に変化する(成熟する)事を意味します。
これらの分化、増殖は
B細胞のうち癌化したもの、無傷のものの統計的な割合を変える
重要な要因の一部となります。
これを考えるためには
「細胞統計学(Cellular statistics)」という学問を
新たに築く必要があります。
なぜなら、この統計学は
がんと無傷を完全に二分化するのではなく、
がんと無傷の間の中庸を考えることであり、
細胞を統計的かつ時系列(統計的なダイナミクス)に考える事だからです。
イメージとしてはTim H. H. Coorens(敬称略)らがFig.1に示す
「遺伝子に関する」統計的なダイナミクスです(98)。
これを癌化している特定の細胞種と無傷の細胞種で
1人の患者さんに対して一定期間行うということです。
もちろん実験動物(マウス)でもかまいません。
現時点では非常にレイバーコストが高い方法かもしれませんが、
そこは一旦、脇においておいて観点を示します。
そのためには前提として
「癌化している細胞と無傷の細胞」の境界を
鮮明に定義する必要があります。
がんには異常な増殖、形状、動きなどの特徴があると思います。
その形状、動き(浸潤性など)、複数の遺伝子異常から
人工知能(特に形状、動き)などの力を借りながら、
複合的な要因でその境界を定める必要があります。
一旦、その境界を定義して、
統計的に有意性を持つ細胞数を取り出し、
それをある程度、連続的に統計的な数の変化を見ていくということです。
この細胞統計学は固形癌のように場所的な偏差が大きい癌よりも
白血病など循環器を通して全身に広がる癌を考える上で重要です。
--
(※)少し内容はそれますが、細胞を統計的に考える事は
筋萎縮性側索硬化症、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病など
病状が徐々に進行していく神経変性の疾患にも適用できるかもしれません。
あるいは、臓器、骨、筋肉、神経系の発達など
特定の領域に絞って、その発達を観ていく際にも
適用できる可能性があります。
--
また、B前駆細胞とB細胞を考えるにあたり、
それらの増殖、分化の身体の中の場所について考える事も求められます。
B前駆細胞は骨髄に多く分布しており、
Bリンパ球生成において骨髄は
胎児から老年までのライフスパンで
排他的なサイトであるとされています(99)。
従って、B細胞の始まりは骨髄で生じ、
そのB細胞は体中にあるリンパ節、脾臓などで
特定の抗原などの刺激を受けて、特定の形質を持ちながら増殖します。
このようなトラジェクトリーを考えると
遺伝子的にリンパ腫のドライバー変異を持ったB前駆細胞が
癌化、無傷のB細胞どちらかに分岐する運命は骨髄で決定され、
その後の勢力においては体中に分布したリンパ節で決定される
と解釈する事も出来ます。
どちらも重要なのですが、
後者の勢力に関わる部分は抗原提示を受ける事から
胎児の時の母親が、(あるいは)お子さんの生後数年間で
環境からどのようなウィルスや微生物などの抗原を受け取るかで
治療を要するがんの罹患を決める
B細胞の勢力図が変わり得ることを示唆します。
また、2次リンパ節がどのように形成されるか?
組織学的な事も含めて考える重要性も浮かび上がってきます。
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全てではないにしろ、分娩後、
新生児から採血による遺伝子の分析によって
(Neonatal blood spots, also known as Guthrie cards)
白血病の原因となる遺伝子は
多くの場合、胎児の時から存在していると考えられています。
上述したように実際に白血病に罹患する子どもよりも
白血病のドライバー遺伝子と考えられる遺伝子変異が生じている
割合は有意に高いので、
生まれてからの環境的なイベントの違いによって
その発症が作用する要因もあると考えられています。
実際に生まれる前の遺伝子の状態が非常に近い
一卵性双生児においても発症に時期がずれることがあります(102)。
上述したような臨床症状を示し、診断され、
治療が必要な白血病に罹患した子どもの割合は、
おそらく胎児の時期から変異している
白血病ドライバー遺伝子変異があるその割合に比べて
有意に低いことはすでに着目されてきました(103)。
また、細胞を統計的な観点で分析する観点もすでに示され、
白血病前駆細胞の割合は1/1000(10^-3)、1/10000(10^-4)程度である
とされています(103)。
また、白血病にかかる条件は
ETV6–RUNX1のような代表的な遺伝子変異だけで決まるのではなく、
白血病に関わらず、一般的に癌に対する耐性が弱い体質を持つ
子どもにおいてリスクが高まる事も示されています。
例えば、
〇DNA修復
〇発がん性代謝
〇葉酸経路
これらが示されています(104,105)。
実際にDNA修復に関してはNPM1遺伝子が一つ関わりますが、
白血病に罹患したお子さんの半数以上が
この遺伝子に異常があったことが示されています(106)。
上述した機能の他にも
遺伝子発現機能を調整するメチル化に関わる遺伝子
DNMT3A遺伝子変異が高い割合で見られています(106)。
また、さらに着目すべきことは
NPM1遺伝子に変異が見られた患児16人中13人が
同時にこのメチル化遺伝子DNMT3Aのも異常が見られています。
(参考文献(106) Fig.1c参照)
このメチル化遺伝子DNMT3Aは
特に細胞の分化関連の遺伝子を特異的に制御しているとされています(107)。
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このDNAメチル化は多能性幹細胞の品質に影響を与える
ということが以前から示されています(108,109)。
特に子どもの身体を健全に成長させていくためには
大元の幹細胞から適切な「遺伝子制御の元」で健康な細胞種に分化し、
それらをつなげて、組織形成していく必要があります。
子どもは父親と母親の23本ずつの染色体を
引き継いだ細胞で身体の大半が構成されます。
しかしながら、父親と母親は
出産するときまでのおおよそ数十年の間に
完全な身体ではなく、いくつかの問題を抱えながらも
通常は健康な状態を維持しています。
そこにはいくつかの遺伝子的な問題もあると想定されます。
従って、受精して子供の身体を
大元の多能性幹細胞から分化させて
健全な身体を形作っていくときには
そうした双方からの問題を排除しながら、
つまり、遺伝子的にある程度自由度を持って制御しながら、
適切な成長を「選んでいく」必要があります。
その為には遺伝子の発現のスイッチを制御する
オンオフ機能があるメチル化装飾が重要になります。
この相続、遺伝に関わる対立遺伝子のみを発現する遺伝子は
インプリント遺伝子と呼ばれます。
この遺伝子を制御するインプリント制御領域は
今、詳述したように子供が両親からの遺伝子の
問題を排除しながら適切に体を形成していくための
遺伝子的な制御領域として非常に重要な役割を持つと考えられます。
小児がんでは、このインプリント制御領域に
異常が出ている事が示されています(109,110)。
(参考文献(109) 図3より)
上述したように胎児の状態から遺伝子的な異常があったとしても
成熟したB細胞に分化させていくときに、
遺伝子的な制御によって、がん化を防ぐようなシステムが
多くのお子さんに備わっていますが、
インプリント制御領域に異常があると
元々胎児の時(受精した時)に生じた
白血病のドライバー遺伝子がオンの状態で分化して
成熟したB細胞において癌細胞となっている割合が大きくなり
それが顕性(overt)白血病につながると考察することもできます。
ここで重要なのは、異常が出ている制御領域は
おそらく「一部」であるということです(110)。
例えば、このインプリント制御領域に異常が出ると
ベックウィズ-ヴィーデマン症候群といった
非常に深刻な難病を呈する事があります(112)。
〇巨舌、
〇腹壁欠損(臍帯ヘルニア、腹直筋解離、臍ヘルニア)
〇過成長
これらを三主徴とする先天奇形症候群です。
15%で肝芽種、横紋筋肉腫、Wilms腫瘍。
これらの小児がんを発症するとされています(111)。
従って、インプリント制御領域に関わる遺伝子異常が
多くの細胞種において「広範に出る」場合と、
白血病のようにおそらくB細胞前駆細胞に関わるような
「ごく一部」に出る場合がある可能性があります。
従って、分化に関わるDNMT3A異常が
白血病のケースにおいて、
まずはB前駆細胞にある程度選択的に生じているか?
その推測が正しいかどうかを確認する必要があります。
もし、それがある程度当てはまっているのならば、
全て(多く)の細胞種にそれが生じないわけですから
その選択性を決めるトリガーは
どのような要因が考えられるか?
それについて次の段階で考える重要性が新たに生じます。
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実際に遺伝子と白血病の発症の関係を調べる
全ゲノム関連解析(Genome- wide association studies (GWAS))では
急性リンパ性白血病のリスクに影響を与える
遺伝子は複数であることが明白になりました(113,114)。
従って、上述したようにリスクのある遺伝子が
単独で関わっているよりも、複数の組み合わせの中で
発症のリスクが高まっていきます。
NPM1遺伝子に変異が見られた患児16人中13人が
同時にメチル化遺伝子DNMT3Aのも異常が見られているようにです。
(参考文献(106) Fig.1c参照)
他方で、
染色体21番がトリソミーになるダウン症候群では
前駆B細胞急性リンパ性白血病発症のリスクが
そうではない人に比べて20-30倍高くなります(115)。
ダウンシンドロームではHMGN1が過剰発現する事で
B前駆細胞の自己再生が増強されると報告されています(116)。
前駆B細胞急性リンパ性白血病の発症が
生後、数年後であっても
その病因はすでに生まれる前の子宮内で生じている
可能性が示唆されています。
子どもの身体が成長する過程を考えると
より前駆細胞、幹細胞の機能が重要であり、
その細胞の増加率が高いのは子宮内の胎児の時です。
その裏側の側面としては
細胞の分化、増殖頻度が高いので、
仮にDNAの変異頻度が人で一定であるとすると
胎児のときにはより遺伝子変異が生じやすいと考えられます(117)。
それらの遺伝子変異の遺伝子座や頻度は
様々な因子によって変わります。
一般的に、
〇酸化ストレス(87)、
〇抗生物質の使用履歴(118)
〇環境(病原体,有害物質)ストレス(119,120)、
〇栄養的ストレス(121)、
〇イオン化ストレス(※)(122)
「(※)それぞれの細胞種のイオンチャンネルを通じた
イオンの取り込み、放出の異常によって、
イオンが過剰、過少になる事を通じた遺伝子変異」
これらが少なくとも遺伝子変異(Mutagenesis)と関わるので
母親の胎内環境におけるこれらのストレスは
後天的に獲得する遺伝子変異に影響を与えうる因子です。
従って、すでに受精前に生まれる子どもに対して
B前駆細胞急性リンパ性白血病のリスクが高いと考えられる場合には
その遺伝子変異だけをみるのではなく、
特に胎児、年少時の子どもを育てる環境を配慮する事も
大切であるとここから推測されます。
-
白血病は免疫細胞のがんであることから
免疫機能と関連のあるワクチン接種の影響も無視できません。
Hib(ヒブ)ワクチンは生後2カ月から速やかに摂取し
接種回数は通常4回です(123)。
これはインフルエンザ菌b型による感染症で
インフルエンザウィルスとは名前は類似しますが別物です。
細菌とウィルスでそもそもの分類が異なります。
北カリフォルニアで2005年に発表された比較調査では
ヒブワクチンを3回以上受けた子どもは
2回以下の子どもに対して
小児白血病にかかる割合がオッズ比0.55と
顕著な罹患率減少を示したという報告があります(124)。
フィンランドの報告でも低下した(relative risk 0.72)とあります(126)。
このインフルエンザ菌b型はもともと
白血病の罹患リスクをあげる菌であることが知られています(125)。
上述したように
一般的に病原体は遺伝子変異のリスクを上げると考えられますが、
このインフルエンザ菌b型によって
どの遺伝子(複数?)に変異が生じるか調べる事によって
より詳しい考察ができる可能性があります。
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白血病に関連するリスクとなる遺伝子変異は
顕性の発症の頻度よりも有意に高いことは前述しました。
特定の遺伝子的な変異だけではなく、
お子さんをどのように親御さん、地域社会が
育てるかというのは重要です。
その育てる環境を考える際に無視できないのが
子どもに対してどのように授乳を行うか?です。
アメリカ、イギリスでは授乳を6か月以上行う事によっても
B前駆細胞急性白血病のリスクを下げられる可能性がある
とケースコントロール研究によって明示しています(127,128)。
(10~20%程度)
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もし、ALLがウィルスや病原体によって発症の引き金となるならば、
その発症の時空間でのクラスターが生じるはずです。
実際に過去イタリアのミランで生じた可能性があります(129)。
ケースが同一かどうか不明ですが、
少なくともそのようなクラスターの
統計的な信頼性はP=0.017だったという報告もあります(130)。
このような病原体による発症の引き金は
免疫的な機能の低下にによって生じるのか?
その病原体による新たな遺伝子変異によって生じるのか?
あるいはその両方なのか?
そのバランスは病原体の種類によっても異なるのか?
それについては定かではありません。
ただ、見逃されがちの関連性として
炎症性サイトカインTGFβは
白血病の関連遺伝子であるETV6–RUNX1変異をもつ
B細胞の移動性、増殖を亢進させ、
通常のB細胞の働きを弱める機能があることが
マウス、人由来の細胞、両方で確認されています(131)。
従って、過剰に免疫機能が高まる事は
サイトカイン依存的に白血病の発症のリスクを
上げる可能性があります。
--
<<腸内細菌>>(96)
健康な子どもの腸内細菌の発達曲線が示されています。
(参考文献(96) Fig.1)
1人1人のお子さんの腸内細菌の種の多様性(α多様性)は
年齢に対してLog曲線を示します。
4歳以降に安定的になってきます。
子どもが持つ全体的な腸内細菌の個人差を示す(β多様性)は
年齢が低いほど高く、3歳、4歳くらいでそれが小さくなり
その後の年齢で多様性の程度が安定します。
腸内細菌のα、β多様性に関する程度の安定性は
白血病を最も多く発症する3歳、4歳くらいで安定してきます。
それ以前では個人差が非常に大きいという事になります。
この「個人差(β多様性)」と
その中で腸内細菌が未成熟で多様性が低い(α多様性低)。
これらの事がどのように白血病とつながりを持つか?
これらの健康な子どもは白血病の子どもとどのように異なるか?
これらの点にも着目しながら精査(96)していきます。
-
一般的な傾向として
急性リンパ芽球性白血病として診断された時点での
子どもの腸内細菌叢は成熟が遅れているとされています。
これらの考えられる原因としては
帝王切開による出産(138,139)、
授乳を受けない事(140,141)、
社会的接触の不足(142-144)です。
腸内細菌の代謝生成物である短鎖脂肪酸は
肝臓で吸収されるため
基本的なエネルギー代謝に関連します(132)。
炎症、消化器の異常を防止する事や
体重を適正に維持する事、血糖値を制御する事など
身体への良い効果として欠かせません。
この短鎖脂肪酸の生成が急性リンパ芽球性白血病の子どもで
不足している事が指摘されています(96)。
これは免疫細胞にも影響を与える為、
リンパ球が癌化する引き金となる可能性もあります。
-
Ioannis Peppas(敬称略)らがFig.1に示すように
その子ども一人の体内の
腸内細菌叢の種、系統、株の多様性を示すα多様性は
5歳まで急激に高まっていきます(Log曲線)。
言い換えれば、新生児は小児に比べて
顕著に腸内細菌叢の多様性が低い傾向にあるということです。
一方で、個人差を示すβ多様性は
年少の子どものほうが顕著に高くなります。
年少の頃に何らかの要因で
腸内細菌叢の不全(Dysbiosis)が生じると
急性リンパ芽球性白血病と密接に関わりのある
特に成長が見られるリンパ球の適切な発達が阻害される
可能性があります(133)。
これは結果的に白血病を呈すお子さんに限りません。
組織学的な位置関係の観点でも
腸内細菌叢と免疫系が密接に関わっている事は合理的です。
腸内細菌が多く存在する小腸の粘膜の下には上皮細胞があります。
その下にパイエル板(Peyer's patch)を含めた
リンパ組織があり、多くの免疫細胞が存在します。
腸内細菌は粘膜の機能や
それに一部影響を受ける上皮組織の完全性にも影響を与えます。
病原体、抗原の浸透率が変わるので、
その下に存在する免疫系の表現型に影響を与える事が推定されます。
この観点から、腸内細菌叢が腸の組織の下に存在する
免疫系の発達に影響を与え、
それが全身に影響を与える事は合理的です。
--
子どもの出産において帝王切開は
特にBacteroidesの小腸の粘膜の植生化(コロニー形成)の
安定性を低下させるとあります(145)。
これが比較的長い時間続く可能性が指摘されています(146,147)。
どちらの手続きであれ、出産自体は
時間にすればそれほど長いわけではありません。
それが長期的に影響を与えるとなると
新生児の時には様々な因子によって生じる
消化器の細菌叢への暴露が
その子どもの小腸に植生化する腸内細菌叢に
大きく影響を与えるかもしれない
ということが想定されます。
これは小さい時には個人差、β多様性が大きい事と
少なくとも一部関連します。
環境、医療介入(抗生物質の使用など)、飲食(授乳を含む)、
これらが、どの程度、腸内細菌叢に影響を与えるか?
特に5歳までの細かい年齢依存性については
私の調べる限りにおいては明らかではありません。
ただ、もしそうであるとするならば、
この記事で扱う白血病に限らず、
消化器系疾患、喘息などのアレルギー、
自己免疫疾患、1型糖尿病、代謝性疾患(肥満),
川崎病など様々な疾患を呈し(のリスクがあり)、
細菌叢に異常(Dysbiosis)が見られる場合、
特に年少の子どもに対して
プロバイオティクス(135,137)、プレバイオティクス(134,136)などの
医療介入をすることは検討の価値があるかもしれません。
但し、新生児では特に
腸内細菌に異常が見られる場合には
腸の上皮組織にも異常が見られる可能性もある事と、
元々、組織が未熟であることから、
人為的に介入することが逆効果になる可能性もあります。
もう一つは、そうした介入による腸内細菌の改善が持続するか、
定着するかの確認は必要です。
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腸内細菌の異常が白血病や川崎病など他のお子さんに対して
どのように影響を与えるかの本質を把握するためには
その異常の時に多くなる細菌叢、少なくなる細菌叢を
一つ一つ詳しく調べていく必要があります。
菌膜などを通じたそれらの相互作用も考えると
非常に骨の折れる作業ですが、必要な事です。
ここではDysbiosisと関連がある
Enterococcus spp(エンテロコッカス属)について詳述します。
腸内環境に問題があるとこの細菌が豊富になるということです。
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(序論)(148)
エンテロコッカス属の特徴は乾燥に強い事です。
乾燥した表面上でも数か月生き残ることができます。
基本的に様々なストレスに強い菌です。
極端なpH(強酸、強アルカリ)、イオン線照射
浸透圧、酸化ストレス、重金属環境、抗生物質。
これらなどに対する耐性が強いです。
また、耐性ある温度範囲も広く10℃~45℃まで耐えられます。
エンテロコッカス属は乳酸(イオン化していれば乳酸塩)を産生する
バクテリアです。
しかし、ムチンの鎖構造の末端に存在する
シアル酸のpoly-O-acetylation and O-sulfationが
多くの細菌叢がムチンを分解する事を難しくしています。
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(代謝)(148)
エンテロコッカス属は13種類の糖を代謝することができます。
これがエンテロコッカス属が多くの環境で生きられる事と関連します。
人の3台栄養素は「炭水化物」「脂質」「タンパク質」です。
このうちエンテロコッカス属が多いと
子どもが食べた糖を栄養源として利用する事になります。
それによって乳酸塩が生み出されます。
その乳酸塩が多くなると消化器、免疫系において
どのような影響があるか?
例えば、乳酸塩はCD8+T細胞の細胞傷害性の機能を低下させるとあります(149)。
また、NK細胞の機能を低下させるとあります。
ここで、比較対象として
善玉菌として知られるビフィズス菌の糖代謝について調べます。
Karina Pokusaeva(敬称略)らがFig.2で示すように(150)
糖代謝経路の末端となっている物質が分散しています。
(1)D-ribulose / (2)3 Acetic Acid / (3) Ethanol
(4)Formate / (5)Ethanol
これらです。
現時点では調査初期段階なので正確な事を申し上げる事はできませんが、
エンテロコッカスとビフィドバクテリウムにおいて
糖に対する代謝の細胞内経路が異なる可能性があります。
いずれにしてもお子さんが摂取した糖が
どのような割合で、どのような物質に変換されるかは重要です。
この乳酸塩の代謝生成物が急性リンパ芽球性白血病に
どのように影響を与えるかは未知ですが、
腸内細菌由来の乳酸はB細胞の前駆体である
造血幹細胞の増殖を加速するとあります(151)。
ただ、先天的に白血病のドライバー遺伝子変異を
造血幹細胞が獲得している場合に
その増殖を加速する因子が最終的にB細胞の癌化を促すか
どうかはわかりません。
また、この1点だけで必要十分に説明できるとは考えません。
--
(ムチン)(148)
炭水化物はムチンを多く含むとされています。
これらの複合体は小腸などの消化器の内腔から
腸の上皮組織を守るうえで重要な役割を果たします。
この粘膜は機械的な力、ストレスに対する潤滑油の役割を果たします。
腸内細菌がこの炭水化物を含むムチンを分解する能力を有する事は
粘膜中で勢力を広げて、安定的に存在する上で必要です。
Escherichia coli, Bifidobacterium spp.,
Bacteroides spp., and Ruminococcus spp.
これらはムチンを水和し、
ムチンの中に含まれる炭水化物をエネルギー源として利用できます。
また、ここで詳述しているDysbiosisの原因となる
Enterococciもムチンの存在下でエネルギー源として利用し、
成長できるかもしれません。
--
ALL(急性リンパ芽球性白血病)に罹患した子どもの
腸内細菌叢の多様性を健康な子供と比較した結果、
いくつかの研究では統計的に信頼性ある形(P<0.05)で
個々の患児の身体の中の腸内細菌叢の多様性を示す
α多様性が低かったとされています(96)。
(参考文献(96) Fig.2)
実際にどのように細菌叢に違いがあったか?
ALLの子どもは健康な子どもに対して
(門)
〇Firmicutes(ファーミキューテス)が低い
〇Bacteroidetes(バクテロイデテス)が高い
(属)
〇Roseburiaが低い
〇Dialisterが低い
〇Faecalibacteriumが低い
〇Anaerostipesが低い
これらが示されています。
これらの免疫系の影響を少し調査します。
白血病の子どもで低下がみられるFirmicutesに関しては
この細菌に発現される複合糖質が
サイトカインIL-34を放出し、
肺炎、敗血症、脳髄膜炎からの防御性を上げるとあります。
その一つとして組織系に関わるマクロファージが挙げられます。
この細菌の細胞膜上に発現されている
あるいは分泌され遊離している糖鎖は
それそのものが病原体をクリアランスする
炎症性緩衝材(inflammatory buffer)として働くとされています(152)。
従って、腸内の病原体に対する耐性を高める上で重要です。
これが不足する事によって
ALLに罹患する前の時点から
消化器を通じてお子さんの免疫系に影響を与えていた可能性はあります。
他方で
短鎖脂肪酸(SCFA)の一種である酪酸(butyrate)を生み出す
Roseburia faecis, R. intestinalis, R. inulinivorans,
Anaerostipes hardus, Faecalibacterium prausnitzii,
Eubacterium ramulus
これらの細菌の存在数がALLで
相対的に小さいことが示されています。
この酪酸は腸内の免疫を調整する働きがあり、
腸の組織、粘膜を守る働きがあります(153,154)。
これらは同じ短鎖脂肪酸(SCFA)の一種である
酢酸塩(acetate)でも当てはまります(154)。
これを産生する
Prevotella maculosa, P. aurantiaca,
Bacteroides uniformis, B. ovatus
これらがALLで相対的に存在数が少ない傾向にあります。
(参考文献(96) Supplementary Figure 3)
--
上述したようにALLのドライバー遺伝子に変異が入っている
子どもの多くは顕性小児がんに罹患しません。
Ioannis Peppas(敬称略)らはFig.4に
その人の幼少期のライフスパン(年代順)において
主に腸内細菌、免疫系にどのようなイベントがあって、
小児がんの発症、非発症を決定するかについて描写しています(96)。
この流れを見ると
分娩方法、授乳、食生活、抗生物質の使用、
兄弟姉妹、幼稚園、保育園への入学など
環境的な要因があって、
腸内細菌叢のバランスが決まります。
腸内環境が健康(例えば、SCFA生成が豊富)な人と同じように
腸内細菌叢が恒常的に形成されれば、
それに伴って適切な免疫系が形成されます。
しかしながら、数年生活していれば、
環境から様々な病原体を呼吸器、消化器を通して取り込みます。
そうした感染のトリガーがあった時に、
免疫系が正常で、健全に働けば、
そうしたストレスを乗り越えることができます。
しかし、小さい時からの腸内細菌叢の乱れがあって
免疫系の表現型に不全があると
同様に感染症に罹患した時に適正に免疫系が働かず、
そのストレスによって付加的な遺伝子変異が生じる可能性があります。
こうした遺伝子変異が、
子宮内にいた時のがんドライバー遺伝子と合わさる事で
顕性小児がんに罹患するということです。
これは「Two-hit model」と呼ばれます。
こうした腸内細菌叢への影響は
「腸脳相関(Gut-brain-axis)」もあるため、
長期的にDysbiosis(腸内細菌叢の不全)が生じる事は
その子どもに対する脳、心の発育にも影響を与えると考えられるし、
逆にストレスフルな生活をすることで
腸内細菌叢が乱れやすいという事も考えられます(155)。
従って、お子さんが心地よく生活ができているか?
そうした要因も関わってくると考えられます。
--
もう1つの観点は、腸内細菌叢そのもの
あるいはそれに関わる細胞、粘膜、免疫系の回転率(Turnover)です。
この視点の一つの背景は以下です。
上述したDysbiosisのリスク因子の一つに抗生物質に使用があります。
しかし、抗生物質の使用をしたとしても、
その効果は数週間以内に消えるという報告もあります(156,157)。
慢性的な腸内細菌叢の乱れは
毎日の日常生活にあるとも考えられますが、
例えば、食事のメニューは日々変わります。
そうした中で、身体の中の腸内細菌叢も変化します。
良い日もあれば、悪い日もあるかもしれません。
つまり、腸内細菌叢は1時的な要素も多く含むという事です。
そうした変化、即時性、一時性の特徴の中での
恒常性、持続性、ベースとして
腸内細菌叢に悪影響を与えると考えられる要因を洗い出すためには
上述した回転率(Turnover)を考えることが重要です。
良い情報(表現型)、あるいは悪い情報(表現型)を
最も長く維持し、腸内細菌に影響を与える物質群は何か?
これについて考える重要性が生まれてきます。
それは普通に考えると記憶型免疫細胞であると考えられます。
細胞自身は入れ替わることもありますが、
その情報が記憶されるため
Dysbiosisに関わる炎症性の免疫系が一旦築かれると
長く残る可能性があります。
こうした観点に立つと、
細胞は遺伝子がありますから、
自己複製能力がある幹細胞の遺伝子も当てはまります。
つまり、粘膜や上皮組織の形成に恒常的に影響を与える
幹細胞(前駆細胞)に好ましくない遺伝子変異が入ると、
その遺伝子的表現型を引き継いだ
腸の組織が恒常的に築かれることになります。
腸組織には分泌細胞があり、ムチンなどの
粘膜成分を放出します。
従って、腸内細菌の居場所である
ムチンを構成要素として持つ粘膜にも関わります。
こうした代謝回転に着目した上で、
一時的に変化しやすい腸内細菌のベースにある
恒常性について考えた報告は調べる限りありません。
一方で、Dysbiosisが幹細胞の老化に影響を与えるという
報告はあります(158)。
--
上述したように腸内細菌を考えるときには
長期的なスパンと短期的なスパンの両方を考える必要があります。
つまり、毎日の食事、運動、ストレス、睡眠などの
生活習慣の中で変化する短期的な腸内細菌の偏差と
長期的にその人が育てやすい腸内細菌の環境と
日々の偏差に関わらず安定的に存在する腸内細菌です。
短期的な事で言えば、
発酵食品や食物繊維をしっかり胃酸にまけず
腸に届けることで善玉の細菌が増えると考えられます。
発酵食品には機能的に腸に届きやすい善玉細菌が
高密度で含有されていることがあります。
これはプロバイオティクスと呼ばれます。
食物繊維は善玉細菌の好ましいエサとなるので
成育の上で好ましい環境を整えるという意味で
プレバイオティクスと呼ばれます。
腸内細菌の状態はある程度、
日常生活の中で確認できるかもしれません。
腸の状態が良ければ、睡眠の質もあがり、便の状態も変わります。
睡眠の質は睡眠時間だけではなく、日中の眠気も関連します。
便に関しては黄土色、金色の便と臭いが少なければ
一般的に腸内細菌が良い状態であると言われます。
特に特別な機器がなくても
毎日の便の機会にそれぞれの人が確認することができます。
こうしたことはまだエビデンスレベルは高い状態にありませんが、
臨床試験、人工知能、それを搭載したスマートフォンなどで
将来的にデータが蓄積してくると
より正確な事がわかると思います。
一方、
長期的にはいくつかの要因が考えられますが、
腸を中心とした免疫系、特に粘膜の免疫系の表現型によって
どのような細菌が生息しやすいかが決定されます。
例えば、腸内細菌種特異的なCD4+T細胞によって
粘膜系の免疫細胞の表現型を予測することができます(159)。
これは間接的に腸内細菌にとって好ましい
それぞれの人が形成する免疫系の表現型がある
ということを暗示するものです。
-
その長期的にどのような種の腸内細菌を保有しやすいか?
それの決定は、小さい時から
その子どもがどのような腸内細菌を形成したか?
それが一つ重要な要因、パラメータになる可能性があります。
しかし、この前提としてあるのが
子どもの頃に築かれた免疫系が大人、
もっといえばその人の生涯にわたって記憶されるか?
これについてエビデンスを取る必要があります。
すでにそれを暗示する報告はあります(161-163)。
子どものころからの免疫の発達は段階を経て
典型的に進んでいく部分がありますが、
一方で、腸内細菌叢の影響を受けると報告されています(160)。
これは腸内細菌叢と免疫系の表現型が
密接に関わっていることを示すものです。
胎児や小児の頃は免疫系を発達させる必要があり、
「受け入れる体制」にあります。
この「受け入れる」とは免疫系を制限して、
様々な腸内細菌叢が粘膜で成育できるような
環境を整えているという事です。
より具体的には多くの制御型免疫細胞種の勢力が強い状態です。
その制御型免疫細胞とは
〇Regulatory T cells
〇Regulatory B cells
〇Myeloid-derived suppressor cells
これらが挙げられています(164)。
炎症性を取ることで
腸内細菌を死滅させにくいようにしています。
Ioannis Peppas(敬称略)らがFig.1に示すように(96)
腸内細菌叢の発達は5歳くらいまで続きます。
特に個人差が大きくなるのが3歳くらいまでなので、
胎児の時、授乳期、離乳してから3歳くらいまでに
その子どもが食物アレルギーなどを避けながら、
どのような食事をとるかは少なくとも重要なはずです。
離乳期の小さい子供でも発酵食品は食べる事ができます(165-170)。
食物繊維も同様です(171,172)。
もちろん、食事は炭水化物、タンパク質、脂質を含めて
バランスが大切ですが、
発酵食品や食物繊維は少なくとも注目に値します。
いずれにしても
子どもの腸内細菌、免疫系が受け入れ体制にある時に
できるだけ良い腸内細菌を日常生活の中から得て
よい免疫系の発達につなげ、それを記憶させ、
大人になっても良い腸内細菌を育てやすい環境を整えたい
というがあります。
こういった仮説が正しいかどうかは現時点ではわかりません。
しかし、
単に小児がん、白血病のtwo-hit modelにおける
付加的な変異を起こさないという観点だけではなく、
青年期に大人と変わらない割合でかかる心の病も含めて、
様々な疾患と関わりがある可能性があるので、
より詳しく調べたいところではあります。
--
腸内細菌叢と免疫細胞が具体的にどのような情報交換をするか?
分子的に説明できる部分もあります。
腸内細菌叢は宿主と共生しています。
ここで考える宿主とはお子さんです。
子どもは母乳を摂取したり、
その文化に根差した食生活を送ります。
そうすると消化器には栄養学的にいえば、
炭水化物、タンパク質、脂質、食物繊維、微量金属、ビタミン
などの栄養素が届きます。
それらが腸内細菌が腸内で生きるための
必須のエネルギー源となります。
個体としての規模は大きく異なりますが、
栄養を得て、代謝して、排出するというサイクルは共通です。
従って、様々な種類の腸内細菌は
得られた栄養素を細胞内でエネルギーに変えて
生命を維持し、繁殖し、代謝生成物を放出します。
人でいえば、尿や便ということになりますが、
そうした代謝生成物が免疫細胞を刺激し、訓練します(96)。
この訓練(trained immunity)とは一般的には
Maziar Divangahi(敬称略)らがFig.1に示すように(173)
細菌を効率よく死滅させる能力を段階的に向上させる事です。
一方で、繰り返し暴露することで
免疫反応を弱くするのが寛容性(Tolerance)です(173)。
当然、その細菌叢が粘膜の中で植生しやすくなるためには
定期的に必要な栄養素の供給がある事と、
免疫的な攻撃を逃れるための寛容性を手に入れる事です。
一方で、細菌叢が育ちにくい環境は
Trained immunityということになります。
こうした免疫系の表現型の動き(炎症、寛容)が
主に腸内細菌を起点に生じた物質によってどのように変わり、
それが維持されるか?ここは非常に重要なポイントです。
他方で、
粘膜のムチン(179,180)などの成分や
免疫細胞を含む細胞から産生される
IgA抗体(175,176)や
サイトカイン(177)などの
分泌物質の影響を受ける事も考えられるし、
菌膜(178)を含めた腸内細菌叢同士の相互作用も
関係すると思われます。
このような要因を全て含めると複雑ですが、
単純に免疫細胞と腸内細菌叢の直接的な関係性を考える上では
上述したことが当てはまる可能性があります。
こうした免疫細胞の反応は獲得免疫系だけではなく、
子どものころから存在する自然免疫系でも生じます(173)。
このような免疫系との相互作用は
代謝生成物だけではなく、
その細菌叢が細胞膜表面に持つ糖たんぱく質そのものや
その欠片、破片などが免疫系を刺激する抗原となります。
この欠片は
microbe-associated molecular patterns (MAMPs)と呼ばれます。
またFlagellinと呼ばれることもあります(174)。
腸内の粘膜、細菌叢、上皮組織、免疫細胞を包括的に理解し、
消化器と免疫系、それが影響を与える全身の健康を考えるためには
細胞、細菌種だけではなく、
上述した要素から生まれるあらゆる分子を包括的に把握する必要があります。
非常に骨の折れる作業ですが必要なことです。
特に細菌種は多様であり、
日常生活や医療においても介入しやすいところです。
なぜなら、他の要因に比べて変化しやすいからです。
従って、それぞれの細菌種の代謝、
その生成物を整理する事は非常に重要です。
例えば、ビフィズス菌は善玉細菌と言われます。
このビフィズス菌の代謝について調べる事は
それがなぜ善玉と言われるのか?についての
一歩、踏み込んだ議論ができる可能性があります。
--
そのビフィズス菌の代謝において鍵を握るのが
「ビフィドシャント(bifid shunt)」
と呼ばれる代謝経路です(181)。
一般的に解糖系として有名な
「エムデン-マイヤーホフ経路(Emden-Meyerhof route)」では
グルコース1分子当たり、2分子のATPが産生されるのに対して、
「ビフィドシャント」では
グルコース2分子あたり5分子のATPが生成されます。
従って、エネルギー効率が1.25倍良いとされています(181)。
この内容でより重要なのが代謝生成物です。
鈴木 龍一郎准教授らが図1に示すように
ビフィズス菌は糖の代謝において
乳酸を生み出すだけではなく酢酸を生み出します。
典型的には乳酸2分子に対して、酢酸3分子を生み出します。
この酢酸を生み出す代謝において重要な酵素は
「ホスホケトラーゼ」と呼ばれ、
ビフィズス菌にしか見出されていないとされています(181)。
この酢酸がどれだけの効率で生み出されるかは
ビフィズス菌の種によっても変化すると言われています(182)。
糖の代謝生成物である乳酸がイオン化し
その乳酸塩が多くなると免疫系に悪影響がある可能性があります。
例えば、CD8+T細胞、NK細胞の機能を低下させます(149)。
一方で、酢酸は免疫機能を強化する働きがあります。
Tadashi Takeuchi(敬称略)らの報告によると、
CD4陽性T細胞の機能を強化する事で
特に大腸菌反応性のIgAを増加させることを明らかにしています(183)。
このIgA抗体は交差性を持ちます。
Oliver Pabst(敬称略)らがFig.2に示すように
特異性の高いFabドメインではなく、
中心部のhinge region, Fc region, J cainが
非特異的に結合することで様々な病原体を認識する事ができます(184)。
これらの炎症性を持つ株を除去することができます(184)。
このIgA抗体は様々な細菌を見分ける能力があり、
健康に悪い菌をまとめて認識する
IgA抗体が存在する事がわかっています(185)。
この酢酸は他にもT細胞のエフェクター機能を向上させ、
乳がんにおいて、抗癌免疫を強化したことが示されています(186)。
また、白血病に関しては白血病細胞であるHL-60において
酢酸を生み出すバクテリアの発酵によって
HL-60の細胞死が誘発されたことが示されています(187)。
腸内細菌の代謝生成物として酢酸が
子どもの白血病や健康にどのように影響を与えるか?
それについては、まだ明らかではありませんが
酢酸はビフィズス菌から生み出される
重要な代謝生成物として着目されています。
--
腸内細菌は早期のB細胞の受容体のレパートリを多様化させるために
RAG依存的な遺伝子編集を制御します。
このRAGはB細胞から放出されるIgAを含めた抗体の構造に影響を与えます。
そのようなB細胞の表現型の改変は骨髄ではなく、
Peyer's patchなどの腸のリンパ系組織が存在する固有層(※)で
生じる事が示されています(189)。
((※)参考文献(188) 図)
従って、お子さんの腸内細菌の多様性、種の構成は
免疫機能に腸内の組織内で影響を与え、
その中のB細胞においては、最終的に形質細胞から放出される
抗体の量、特異性にも影響を与える可能性があります。
実際に上述したビフィズス菌の酢酸は
リンパ節内でB細胞に影響を与えるCD4+T細胞に働きかけ、
大腸菌に対して抗菌効果を持つIgA抗体を増加させました。
こうしたB細胞の表現型は記憶される可能性もあります(190)。
B細胞の記憶化は
細菌種特異的な細胞から、交差性のある細胞にも生じます。
また抗体を生みだす形質細胞は寿命が長いと言われています。
(参考文献(190) Fig.1)
こうした腸内細菌や腸内のウィルスを通じた
代謝生成物を含めた抗原の刺激が
胎児の時から存在する白血病のドライバー遺伝子を持つB細胞に対して
どのような影響を与えるか?
どのように相互作用するか?
それが一つの視点です。
言い換えると、善玉細菌などを含めた
好ましいと考えられる腸内細菌環境は
B細胞の腫瘍形成を防ぐことができるか?
もし、そうであれば具体的にどのような機序か?(193-195)
そのような観点です。
--
他方で、制御型T細胞は断続的に飲食物抗原に暴露される腸において
好ましい腸内環境を築くうえで重要な働きをすると言われています(191)。
Bacteroides fragilisの表面に存在する
多糖、TLR-2受容体リガンドはこの制御型T細胞を誘導する
といわれています(192)。
白血病に罹患した子どもは
制御型T細胞を含めた免疫調整を含む細菌種
Edwardsiella tarda and Prevotella maculosa。
これらが少ないと言われています(193)。
これらはIL-10と関わりがあります(193)。
IL-10が低下するとマウスのモデルで
B細胞性の小児白血病が進行すると報告されています(194)。
このIL-10は感染があった時に組織の損傷を防ぐ、
抗炎症性の特性を持つサイトカインです(195)。
これらの機序は腸内細菌がどのようにB細胞性小児白血病と
関連があるかの一部を示すものです。
--
十分ではない授乳、あるいは授乳がない事は
子どものALLのリスク因子となります。
6か月以上の授乳は子どもの白血病のリスクを
20%低下させるというメタ分析があります(196)。
他のメタ分析でも同様の結果が示され、
最も好ましい授乳期間は9.6カ月であったとされています(197)。
生まれて間もない子どもは
まだ、自分で腸の保護において大切な
分泌型IgA抗体を十分に作り出すことができません。
生後2週間、3週間後にIgA抗体産生能力が向上します(198)。
自分の力でIgA抗体を含めて、免疫系を通じて
腸を守れるようになるまで
母親は授乳を通じてIgA抗体を含めた抗体を
お子さんに送り続ける必要があります(199)。
他方で、上述したように
制御型T細胞は子どもが善玉の腸内細菌を
自分の腸内に受け入れる上で重要な働きをします。
この制御型T細胞の恒常的な発現レベルは
授乳をしている母親のIgA抗体と関連がある事が示されています(200)。
さらに、母乳のオリゴ糖は
上述したようにB細胞機能向上(IgA抗体分泌)、T細胞機能向上など
免疫機能を強化する短鎖脂肪酸の一つである
酢酸を代謝生成物として生み出す
善玉細菌であるビフィズス菌の勢力拡大を促します。
このビフィズス菌は生後4か月の時点で最も高くなる
CD27+CD20+B細胞と関連があります(201)。
CD27はメモリ細胞マーカーです。
このメモリ細胞マーカーのB細胞は3歳、6歳の時点でも
豊富に見られています(201)。
このメモリ細胞は数年の寿命があります(202)。
また、メモリ機能は数十年続くとも言われています。
B細胞は形質細胞を通じて、IgA、IgGを含む抗体に関わり、
腸の保護や感染症予防など多くの機能があります。
従って、B細胞に影響を与えるビフィズス菌、
その勢力を拡大させる母乳のオリゴ糖は非常に重要です。
それらの能力は年少の時期の身体を守り、
その防御能力は成長後も続くと考えられます。
ビフィズス菌で多くなるCD20+B細胞は
B細胞の増殖、形質細胞への分化に関わります。
従って、記憶機能、抗体産生機能を効果的に働かせるために
必須の表現型であると考えられます。
一方で、
メモリ細胞マーカーであるCD27は
BCR-ABL1 or ETV6-RUNX1のBCP-ALLで高く発現が見られています。
従って、どのような表現型のB細胞を記憶させるか?
その一つの分岐点である生まれてから数年間において
特に免疫系への影響が大きい消化器、腸における
授乳条件、それを含めた腸内細菌やウィルス環境は
顕性白血病からお子さんを守る上で
非常に肝心である可能性があります。
-
新生児に対する授乳は制御型T細胞の成熟を促し、
外生の母親の抗原に対する寛容性を高めました(203)。
授乳によって供給されるオリゴ糖、
それによって勢力を拡大するビフィズス菌が不足すると
全身の炎症を促し、
CD4+T細胞のTh17細胞への極性化を促します。
このTh17表現型は自己免疫疾患や関節リウマチと関連があります(204)。
この表現型のT細胞はビフィズス菌(EVC001)によって
発現が抑えられることが確かめられています(205)。
ビフィズス菌の中にも種、株が存在します。
それは地理的にどのような種、株が分布していて
その地域に在住する人の腸の中で共生しているかは異なります。
(参考文献(206) Figure 2)
その株によってどのような免疫系が成長過程で
築かれるかに影響を与えます(206)。
離乳期後の食事も免疫系に大きな影響を与えます。
善玉細菌の餌となる短鎖脂肪酸の一つである酪酸は
制御型免疫細胞の発現を高めます(Treg, FOXP3, B cell)(207,208)。
これが免疫寛容性や腸内細菌の受け入れに関わります。
子どもの腸内細菌のα多様性は5歳までに急激に上昇し
その後、緩やかな成長過程を描きます(96)。
その過程において早期にFaecalibacteriumが
子どもの腸に定住すると
ヒストン脱アセチル酵素(HDACs)の抑制を介して
Treg/Th17比を増加させ、制御型形質を高めます(209)。
(※)但し、ヒストン脱アセチル酵素(HDACs)のメンバーによって
それを抑制することによるT細胞分化の形質は異なります。
(参考文献(217) FIGURE 2)
それによって腸の炎症を抑制します。
このFaecalibacteriumは人に定在する
代表的な酪酸菌で抗炎症性代謝産物である酪酸を産生する
重要な細菌種です(214)。
顕性白血病を呈した子どもは
制御型T細胞から産生されるIL-10のレベルが低いことが示されています(210)。
但し、これは生まれた時点でのIL-10のレベルの結果です。
従って、生後のDysbiosisによって
制御型形質が低下し、結果IL-10レベルが低下した場合の
ALLの発症リスクについては明らかではありません。
ただ、マウスのケースでは
IL-10が低下し、炎症性サイトカイン
「IL-1α, IL-6, IL-12p40, IL-13,
macrophage inflammatory protein-1β/CCL4,
granulocyte colony-stimulating factor」
これらが増えるとB細胞のリンパ球形成に不全が出る、
かつB細胞のDNAダメージが増加すると言われています(212)。
このIL-10はB細胞の活性、増殖、分化に関わると言われています(213)。
小児脳腫瘍でも前駆細胞の分化が阻害されることが
リスクを高めると報告されています(2)。
IL-10でB細胞の分化が阻害されることは
分化の阻害が癌化と関連している可能性があります。
従って、生まれた時点、生まれた後に関わらず、
IL-10のレベルは顕性白血病のリスクの関連するかもしれません。
ここでは主に生まれた後の
お子さんに対する腸内細菌とALLの関連性について議論してきましたが、
生まれた時点のIL-10のレベルは
胎内にいた時の胎児の腸内の腸内細菌や
母親の腸内細菌や血液のIL-10成分が関わっている可能性があります(215)。
従って、妊娠前、妊娠中に母親が
適正な腸内環境を形成する事は重要かもしれません。
他方で、ヒストンはDNAと複合体を作り、
DNAの正常な作用やダメージを防ぐ働きがあります(211,216)。
Faecalibacterium、ビフィズス菌などの善玉細菌は
短鎖脂肪酸を介してこのヒストンをDNAから切り離す
ヒストン脱アセチル化酵素を抑制する働きがあります。
これは言い換えれば、DNAを保護する働きがあります。
Ioannis Peppas(敬称略)らがFig.4で
「Two-hit model」を示しました(96)。
このヒットとは言い換えれば、
後天的な遺伝子変異、DNAダメージも含むので、
腸内細菌の不全により、免疫細胞自体のDNAが損傷を受けると
元々あった白血病のドライバー変異と重なって、
より発症へのリスクが高まると考えられています。
実際に発症した子どもの変異の平均の数は8.8で
その偏差は(0-78)まであり非常に大きいです(218)。
従って、発達段階でのお子さんの免疫細胞の
制御型形質を健全に高めて、ヒストンを守り、
結果、様々なストレスからDNAを守る事は
(エピジェネティック変異から守る事は)
白血病発症へのリスクを下げる事に繋がると考えられます。
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離乳食の納豆はいつから食べていいの?食べやすいオススメの納豆や、食べてくれない時の対策は?
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2023年12月27日水曜日
Cell-type-specific delivery system,
iPS細胞,
サバイバーシップ,
遺伝学/遺伝子治療,
癌・腫瘍学,
計算医工学,
細胞生物学,
周産期/新生児/小児医療,
脳神経病学,
薬学
小児がんの特徴の原理的理解と治療戦略
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