お子さんや最愛の人など
自分にとって大切な人が難しい病気に罹ったら
当人は当然、苦しみや不安などを含み
その後の人生はより難しくなります。
医師を含めた医療スタッフ、家族を含めて
周りの方の継続的な支援が必要になります。
しかし、支援が必要なのは当人だけではなく、
周りの家族も同様です。
特にメンタルケア、心の健康について
患者さん、家族も含めて総合的に考える必要があります。
そういったことはすでに指摘されており、
家族は「第二の患者」と呼ばれています(2)。
時には不安や抑うつなど精神的なストレスが認められる
場合があることが研究より明らかになっています。
その背景には
大きくは不確定な将来に対する
不安、恐怖、無力感が挙げられています。
良い薬ができるかどうかにおいては任せるしかありません。
そうした中で、できる事に制限がある
と感じてしまう事もあると推察します。
また、大切な人が難しい病気を抱える事で
生活スタイルが変わる事もあります。
しかし、そうした中においても
医療従事者の中は様々な職種あり、
自分が思っているよりも多くの対処法がある事に
気付くこともあると考えられます。
-
現在の医療では治すことが難しい病も多く存在します。
しかし、そういった疾患を一つでも減らすため
日々鋭意取り組んでいる方々は世界で多くいます。
それは研究者だけに限りません。
本記事がその取り組みの一助になれば幸いです。
特に小児医療は様々な難しさがあり、
大人の医療に比べて遅れていると言われます。
そうしたギャップを埋めるために読者の方々の気持ちを含めて情勢を
少し動かすことができるか?
ということがあります。
-
この記事の基軸として
Alan R. Cohen(敬称略)が総括した
子供の脳腫瘍の報告の一部を参照させていただきました(1)。
miRNA治療や細胞腫特異的輸送系統を含めた
独自の調査、考察をそれに追記しています。
//中枢神経系胎児性腫瘍(胚芽腫)(*1)の概要//ー
(*1)CNS Embryonal tumors
胎児性腫瘍は悪性の中枢神経系の腫瘍の
異種性がある群です。
主に年少の子供での発生頻度が高く
小児の脳腫瘍の約20%です(3)。
これらの腫瘍は小さく、円形で有り、
密度が高い青色細胞(blue cell)を持ちます。
この青色細胞は小さいので
わずかな細胞質しかもちません。
また分化の程度も異なります。
これは初期の神経上皮腫瘍(*2)として分類されます(4)。
(*2)primitive neuroepithelial tumors(PNETs)
後頭蓋窩に生じるのは髄芽(細胞)腫
Medulloblastomas
松果体部に生じるのは松果体芽細胞腫
Pineoblastomas
天幕より上部に生じるのは
小脳テント上の中枢神経系胎児性腫瘍
Supratentorial PNETs
これらのように分類されます(4,5)。
-
分子プロファイリングは
組織学的な特徴とドライバー変異の関係性を明かにし
それを基礎とした腫瘍の再分類化に貢献します(6)。
WHO CNS5によれば
小児性腫瘍の2つのタイプは
髄芽(細胞)腫とその他の中枢神経系胎児性腫瘍
というように分類されています。
//髄芽(細胞)腫の概要//ー
低グレードの神経膠腫は子供において
最も共通的な脳腫瘍であり、
髄芽(細胞)腫は子供の最も共通的な
悪性の脳腫瘍であるとされています(7)。
その腫瘍は通常は小脳に生じ、
その腫瘍の影響を受けたお子さんは
頭蓋内の圧力が高まるか
小脳の機能不全が生じます。
髄芽(細胞)腫は小児性腫瘍の60%以上であり、
その70%は10歳以下で罹患します。
女性よりも男性が多く
発症年齢や性差はこの腫瘍のサブタイプによって
傾向が異なります(8,9)。
また、発症事例の33%は3歳以下です(10)。
-
髄芽(細胞)腫を持つ子供に対する
低い臨床効果に関係する要因は
〇腫瘍が大きい
〇播種、散在性が高い
〇年齢が若い(3歳以下)
〇術後の残存腫瘍が1.5cm^2(画像診断)以上
これらが挙げられています(7)。
従来の形態的な分類は
①Classic medulloblastoma
②Large-cell anaplastic medulloblastoma(大細胞、未分化)
③Desmoplastic–nodular medulloblastoma(癒着、結節性)
④Medulloblastoma with extensive nodularity(広範な結節)
これら4分類です(11)。
③、④の組織学的な特徴があるタイプは
最初の①、②の分類よりも予後は良いとされています(10)。
-
WHOのCNS5のシステムは
髄芽(細胞)腫の2つのタイプを認識しています。
分子的に定義されたものと
組織学的に定義されたものです。
分子的に定義された髄芽(細胞)腫は
4つのサブタイプがあり
それぞれ特徴的なメチル基(methylomic)
転写因子(Transcriptomic)
それに伴う臨床的な反応があります
(詳細は後述)。
遺伝子的な分析によりサブタイプを
さらに詳細に分類する事が出来るため、
それに合わせた分子標的型を含めた
新しい治療戦略が提案されています(12)。
//分子的に定義された髄芽(細胞)腫の分類//ー
(参考文献1) Table.4参照
-----
①WNT活性髄芽(細胞)腫
頻度:10%
年齢:年長の子供、青年
男女比:1:1
場所:正中線、小脳脚、脳幹
転移の確率:10%
組織学的特徴:従来型、大型細胞-未分化は希少
-
遺伝子変異
CTNNB1 (β-catenin), DDX3X, SMARCA4, TP53, APC
ゲノム増幅:なし
⇒
β-cateninが蓄積するCTNNB1変異は
全体のおおよそ90%を占めます。
この変異は腫瘍形成に関わります(13,14)。
β-cateninが蓄積すると
脳血管が有窓(fenestrated)になり(穴が形成し)
血液脳関門の機能不全につながります。
一方で、血液脳関門がリーキーになることで
化学療法のアクセス性が向上するかもしれない
といわれています(1)。
このように脳血管に穴が生じることが
一部の患者さんで脳出血がみられることと
関係があるとされています(16,17)。
-
予後:かなり良い(5年全生存95%)(15)
WNT腫瘍は生存率が高いので
放射線治療と化学療法の負担を下げるための
治療戦略が現在調べられています(13,18)。
癌抑制遺伝子であるTP53変異は
臨床的症状に影響を与えないとされています(13,19)。
-----
②SHH活性髄芽(細胞)腫、
TP53ワイルドタイプもしくは変異型
頻度:30%
年齢:幼児、子供、大人(範囲は広い)
男女比:1:1
場所:外側小脳
小脳の外部顆粒細胞層の前駆物質から
生じると考えられています。
①のWNT活性の髄芽(細胞)腫とは対照的に
生物学的(遺伝子的)、臨床的に
比較的、異種性は高いとされています。
転移の確率:15-20%
組織学的特徴
〇癒着、結節性
〇拡張型結節
〇従来(非共通的)
〇大型細胞-未分化は稀
-
遺伝子変異
TP53, PTCH1, SUFU, TERT
ゲノム増幅
GLI1/2, MYCN, OTX2
⇒
生物学的には共通的に
SHH–PTCH–SMO–GLI信号経路の
生殖細胞、体細胞系列の異常によって
生じるとされています。
PTCH1:deletions or loss-of-function変異
これが43%。
SMO:Proto-oncogeneのactivating変異
これが9%
GLI1, GLI2:oncogeneのamplifications
これが9%。
これらであるとされています(13,15,16)。
SHH活性髄芽(細胞)腫は
癌抑制遺伝子であるTP53の有無によって
分類されます。
これに変異があると下述するように
予後はかなり不良になります。
TERTpromoter変異はテロメアの構造的な
修復不良に影響を与えます。
これはSHH活性髄芽(細胞)腫の40%に当たりますが、
ほとんどのケースが大人であるとされています(14)。
-
予後
〇MYCN増幅:不良
〇TP53変異:かなり不良
〇OTX2増幅:中程度
-
治療
共通的な生理経路の一つであるSMOを抑制する
〇vismodegib
〇sonidegib
これらが難治性、再発性
SHH活性髄芽(細胞)腫に対する
分子標的薬の臨床研究が行われています(15,16,20-23)。
sonidegibの効果はvismodegibよりも
3.67倍高いという報告があります(25)。
-----
③Non-WNT、Non-SHH髄芽(細胞)腫
頻度:60%
年齢:幼児、子供
男女比:2:1. 3:1(男性多い)
場所:正中線
転移の確率:35-45%
組織学的特徴
〇従来(22)
〇大型細胞-未分化は稀(22)
-
遺伝子変異
KBTBD4, SMARCA4
ゲノム増幅
MYC, MYCN, OTX2, CDK6
但し
ドライバー変異は未確認です(8)。
⇒
一方でClaudio Ballabio(敬称略)らの
人の小脳のオルガノイドの研究によれば
Otx2とc-MYCがNon-WNT(Group3)の
新たなドライバー遺伝子であるとされています。
これは通常上述したSMARCA4によって
その働きが抑えられています(27)。
従って、SMARCA4が変異する事によって
癌ドライバー遺伝子の作用が強まると考えることができます。
(Non-WNT:Group 3)
細胞遺伝子の異常は共通的で
染色体のアームが互いの鏡像である、
アンバランスな構造異常である
同腕染色体17qはおおよそ半分の頻度です(13,14,20)。
MYCのamplificationは17%。
GFI1B oncogeneのhyper activation15-20%。
これらです(29)。
(Non-SHH:Group 4)
MYCN癌遺伝子のamplificationsは6%。
CDK6のamplificationsは5-10%。
これらです(20,24)24。
-
予後
一般的に不良で5年全生存率は50%です(15)。
〇幼児(年少):不良
〇転移性:不良
〇MYC増幅:不良
〇他の組織学的特徴:中程度
-
<治療>
外科的な切除の後
自家移植の幹細胞移植を含む
高用量の化学療法を含みます。
3歳以下の場合は放射線治療が適用ではないため
それを遅らせる事と、
骨髄除去を避ける必要があります(22)。
-
<治療2>
肺癌のケースですが
SMARCA4が欠損したがん細胞ではDNA複製のときのストレスが強く、
ストレスに対処する役割を持つATRタンパク質を阻害すると
癌細胞死が起きるとされています(28)。
従って、ATR阻害薬が効果があるかどうか?
今後、検討、議論の価値があります。
ATR阻害薬はSMARCA4が欠損したがん細胞で
ワイルドタイプよりも感受性が高いことが示されています(28)。
従って、特異性を持たせる事ができる可能性がありますが
より少ない量でお子さんに対する副作用が少ない形で
治療するためには効果の可能性がある薬において
髄芽(細胞)腫である神経幹細胞、前駆細胞に
より有効に輸送する必要があります。
そうした場合、下述する細胞外小胞やナノ粒子を使って
細胞腫特異的に輸送する事を考える必要があります。
-----
④その他
・Atypical teratoid-rhabdoid tumors;非定型奇形腫様腫瘍
・Embryonal tumors with multilayered rosettes
・CNS neuroblastomas 中枢神経系神経芽細胞腫
・CNS tumors with BCOR internal tandem duplication.
//神経発達におけるmiRNAsの役割//ー
特に3歳以下のお子さんにおいては
放射線治療が適用外であることや
一般的に予後が不良であるケースが多いことから
その治療についての改善余地は大きいと考えられます。
特に化学療法における役割が大きくなります。
miRNAsをベースとした癌治療は
すでに有望な一つとして挙げられています(44)。
その中で、基礎として特に脳神経発達期の小児に対する
脳腫瘍の治療を考える上で
miRNAsによる神経発達を考える事が重要です。
-
miRNAsは環境需要、損傷、ストレス
それに付随した精神疾患に反応します。
それらを含めて中枢神経系の発達に関連します。
miRNAsは遺伝子発現を多元的に制御する機能があるからです。
これらは神経連結性、活性に関わる
シナプス活性において重要な役割を果たします。
特に発達期においては
多くの事を周辺の人や環境から学びます。
それらの学び、記憶は
このようなシナプス活性に関わり(45)、
その元としてmiRNAsが関与していると考えられます。
神経軸の異なる場所ごと
特異的なmiRNAsが存在し、発現しています。
従って、子供の脳内のmiRNAsマップを作成する事が
できる可能性があります。
それによって例えば、脳幹の特定の部位の異常がある場合において
その特異的なmiRNAsを同定し、
そこに異常があれば、それを正常化させることで
特に発達期における様々な病気の進行を抑える事ができる
可能性があります。
例えば、髄芽(細胞)腫で問題となる
未成熟の神経幹細胞や神経前駆細胞から
成熟化する過程においてはmiR-9, miR-124が
関わっているとされています(29)。
従って、これらのmiRNAsは
発達期のおける子供や脳腫瘍を抱えるお子さんにおいて
重要な型である可能性があります。
miR-9は神経軸に関わり(46)、
miR-124は神経細胞特異的なスプライシングパターン抑制
に関わる(47)とされています。
//髄芽(細胞)腫におけるmiRNAsの臨床応用//ー
miRNAsによる治療は筆者が実現を目指す
細胞種特異的輸送系統との親和性が高いため、
これによる治療機会を探っていきたいと考えています。
特に悪性度の高い上述した②、③のタイプの
髄芽(細胞)腫に対しての具体的なmiRNAsの標的については
下に詳しく掲載いたします。
-
髄芽(細胞)腫におけるmiRNAsの分析は
組織、脳脊髄液、血液から行うことができます(39,40)。
しかしながら、
サンプル(原発の細胞、細胞株、患者さん)ごとに
miRNAsの発現は顕著な変化があるため、
問題のあるmiRNAsを特定し、
それによってお子さんの髄芽(細胞)腫の診断、治療に
役立てる事は難しいとされています(29)。
しかしながら、近年
髄芽(細胞)腫のサンプルの分析の向上させる
新しい技術が登場しました(ref.(29)どんな技術?)。
例えば
①BioVLAB-MMIA-NGS
②CAP-miRSeq
③CPSS
④DARIO
⑤deepSOM
⑥eRNA
⑦HHMMIR
⑧HuntMi
⑨iMir
⑩LeARN/smallA
⑪MAGI
、、、
これらなど多数です(41)。
miRNAsを使った小児脳腫瘍(髄芽(細胞)腫)における
治療は有望ですが、その輸送において
血液脳関門をどのように超えるかが
1つの問題点となっています。
しかし、下述する細胞外小胞は輸送キャリアとして
利用できる可能性がありますが、
血液脳関門を超えることが知られています。
それはトランスサイトーシスによります。
例えば、
Wheatgerm agglutinin(WGA)が
その輸送に影響を与えるとされています(43)。
細胞外小胞の条件によってトランスサイトーシスの
効率は変わるので(43)、
適切な輸送キャリアの選択が重要になります。
//細胞種特異的輸送系統(*)//ー
(*)Cell-type-specific delivery system
より予後が不良である小児脳腫瘍の治療において
細胞種特異的輸送系統が手を差し伸べる必要があります。
上述したように②、③のタイプの予後が悪い
髄芽(細胞)腫においての治療機会を探ります。
-----
<miRNAに着目した治療>
②のSHH活性髄芽(細胞)腫では
Sony Hedgehog pathwayのmiRNAsの制御が
乱れているといわれています。
(SMO)では
miR-324-5p低下
miR-326低下
miR-125b低下
(SUFU-Gli)
miR-214上昇
(Gli)
miR-324-5p低下
(MYC)
miR-17/92上昇
これらが挙げられています(26)。
-
③Non-WNT(Group 3)においては
miR-183-96-182 clusterが上昇。
⇒DNA損傷修復の不全、マイグレーション(移動)
上皮間葉転換、転位に関わっています(30)。
miR-30aファミリー不足(31)
⇒オートファジーを抑制するmiRNAです。
抑制する事によって髄芽(細胞)腫を抑制する
ことが期待できます(29)。
miR-1253発現の回復
⇒アポトーシス経路を活性化させ
癌細胞の悪性度を下げる事ができます(29)。
miR-4521の低レベル発現
(これはGroup 3特異的です。)
⇒FOXM1を亢進。FOXM1は癌の進行に関わります(32)。
let-7 miRNAの低下(37)。
-
③Non-SHH(Group 4)
miR-181a-2-3pの低レベル発現(不足)
⇒不足する事でグリオーマにおける抑制因子となります(33,34)。
miR-187-3pの上昇
⇒予後不良と関係があります(35)。
miR-206の低レベル発現(不足)
⇒不足する事で癌遺伝子OTX2の上昇に関わり癌細胞の成長を促進します(36)。
let-7 miRNAの低下(37)。
miRNA-4521の不足。
⇒chromosome 17p13.1上に配置。
発がん性転写因子FOXM1を抑える効果があり、
miRNA-4521は異常なFOXM1発現を抑える効果がある
ことが示唆されています(38)。
FOXM1の発現レベルは個人差がありますが、
高レベルのグループは予後が悪いことが示されています。
(参考文献(38)Fig.2A 2F参照)
chromosome 17pの欠損はGroup 3, Group4と関連があります
-
これらmiRNAsの輸送はエクソソームを含む
細胞外小胞が適しています。
すでに癌治療におけるmiRNAベース治療における
miRNAsの輸送において幅広く考えられており、
その中にエクソソームを含む
細胞外小胞が挙げられています(42)。
その中で、
不足しているものはそのまま搭載する事が可能です。
一方で、上昇しているものは
miRNA inhibitorによって
特異的に結合し、その活性を抑制する事ができます。
もし、細胞外小胞で不足と過剰を
複数のmiRNA, miRNA inhibitorで
細胞外小胞などの輸送キャリアによって
「同時に」かつ
「多面的に」
制御することができたら、
遺伝子の発現のコントロール異常を正すことができ
子供の髄芽腫の治療の発展に大きく貢献する
可能性があります。
-----
<iPS細胞技術による細胞腫特異的な標的性について>
髄芽腫は神経幹細胞や神経前駆細胞です。
小脳を含む脳幹の神経幹細胞や前駆細胞を
iPS細胞技術などを用いて分化、増殖させ
表面リガンドの特徴を詳細に分析する事によって
治療の難しい難治性の脳腫瘍を抱える
お子さんの脳幹の神経幹細胞、前駆細胞に
上述した不足のmiRNAを内包した細胞外小胞を
有効に輸送する事を考えます。
ここで考える必要があるのが
iPS細胞技術によって
リプログラミングした神経幹細胞や前駆細胞の
表面リガンドが実態と整合するか?
という点です。
もし、この整合性がある程度あれば、
iPS細胞技術の創薬としての可能性は
さらに大きくなると考えられます。
もう1つ考えないといけないのが
標的となる表面リガンドが見つかったら
それに特異的かつ強く結合する表面リガンドを探し、
その遺伝子を同定する必要があります。
それは細胞外小胞などの輸送キャリアの
膜表面に人為的に装飾させます。
それは環境的側面から探せる可能性があるかもしれません。
つまり、神経幹細胞や前駆細胞に
お子さんの頭蓋内で作用する細胞、小胞などを特定し
それらもiPS細胞で生み出すことによって
両者の結合状態を培養環境内で分析する事によって
鍵と鍵穴の両者を導き出すという手法です。
あるいは、脳の脊髄液などから取り出した
タンパク質を作用させて、結合状態を調べる事で
そのたんぱく質の構造を分析することもできます。
そうしたスクリーニング手法です。
このようにして
難しい病を抱える子供の小脳の髄芽腫に
足りないmiRNAを搭載し、
(過剰なmiRNAを抑える薬を搭載し)
そこに特異的に輸送されるように設計された
細胞外小胞を輸送します。
またiPS細胞技術の高純度での分化、培養によって
細胞外小胞においてどの細胞から放出されたものを
選ぶかを任意に決めることができます。
より近い環境内にあり、相互作用が高い細胞の
細胞外小胞を選べば、輸送効率が
自然と高まる可能性もあります。
このようなiPS細胞を使った
表面リガンドや結合状態の生体外での再現は
小児脳腫瘍だけではなく、
細胞種特異的輸送系統の標的化において
広範に利用できるメソッド、プロトコルです。
しかし、前提として
リプログラミングした際に
細胞表面に出るリガンド、受容体が
どれくらい実態と合うか?というのがあります。
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2022年7月13日水曜日
Cell-type-specific delivery system,
iPS細胞,
トランスレーショナル医療,
癌・腫瘍学,
周産期/新生児/小児医療,
脳神経病学,
備忘録
胎児性腫瘍、小児髄芽(細胞)腫とその治療
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