2020年6月30日火曜日

COVID-19:ワクチン開発の進捗、その種類について

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

本日ヤフーのトップニュースで
大阪大学と医療新興企業アンジェスが開発したワクチンが
大阪市立大学病院で20代から60代の男女、30人に対して
日本で初めて新型コロナウィルスに対する
第一段階治験が行われる
ということが報道されています。
このワクチンはDNAワクチンということで
身体の中に特定のタンパク質を作り出す設計図を入れることです。
そのたんぱく質は、
コロナウィルスと同様のSタンパク質のスパイクを作ることができ
それによって抗体を体内のB細胞から産生させ、
新型コロナウィルス感染前に免疫を付けるものです。
このスパイクは複製するウィルスRNAを有しておらず
ウィルスが持つ毒性を有していないため
身体には悪影響は与えないだろうということです。
大阪大学、大阪市立大学、大阪の企業という
産学連携によって生み出されたものであり
「大阪ワクチン」ともいわれます。
私の生まれ故郷でもあるので、
上手くいってほしいと願うばかりです。
ただワクチンの治験が仮にうまくいったとしても
世の中に出回るのは、早くても来春くらいといわれています。

そこで政府が交渉しているのは
オックスフォード大学が開発するワクチンで
それは第三段階(千人規模の治験)までいっており、
9月には使えるようになると言われています。
ただ世界に配られるワクチンの数は年間10億本といわれており、
すでに海外勢で9億本が確保されていることもあって
早い段階で充分数入手できるか不透明な部分があります。
このワクチンは新型コロナウィルスのスパイクを
産生するように人工的に作られた
感染力がない、あるいはそれが弱い
風邪のウィルスを注入するタイプです。
(ワクチン名:ChAdOx1)

さて、ワクチンには上も含めて
いろんなタイプがあります。

①作用を弱めたウィルス
新型コロナウィルスそのものを入れますが。
増殖能力を人工的に弱めたものをいれます。
そのものをいれるので整合性は高く、
適切な抗体を生み出すことができるかもしれませんが、
多く製造するのに課題があると言われています

②不活性化されたウィルス
参考文献には「感染しない」という文章になっています。
つまり、スパイクはあるけど
細胞内に入らない、あるいはRNAが不活性化されて
増殖しないのいずれかだと思いますが、
どちらかによって解釈が変わってきます。

③DNAワクチン
これは上記の「大阪ワクチン」が属するタイプです。
スパイクを作り出す設計図を入れるものです。
安全性と生産性の高さが利点ですが、
実績があまりなく、効果がでるかどうか?
というところが課題のようです。
従って、治験の結果分析が重要になります。
この設計図をRNAにしたものもあります。
それはRNAワクチンと言われます。

④プロテインサブユニット
これは新型コロナウィルスのスパイクを
体外で作ってそれを体内に注入するものです。

⑤ウィルス様粒子
新型コロナウィルスの構造に似せた
内部にRNAがない空の粒子を注入するものです。
しかし製造が難しいといわれています。

これらのウィルスは
すべてACE2エントリー受容体に作用するものですが、
細胞内で働く免疫機能もあるかもしれません。
新型コロナウィルスが
細胞内に入った後、RNAの増殖を弱めるような
抗体がスパイクにつく抗体とは別の機序、経路で
細胞内に入って働くものがあれば、
それは新たなワクチンになる可能性があります。
先日のブログ記事でも提案しましたが、
これに限らず、そのような違う機序の免疫機能があれば、
それらに作用する複数のワクチンでより効果的な予防ができる
可能性があるからです。

以上です。

(参考文献)
Ewen Callaway
The race for coronavirus vaccines: a graphical guide
Nature vol.580, pp.576-577 (2020)
doi: 10.1038/d41586-020-01221-y

(参考メディア)
読売テレビ 情報ライブミヤネ屋 6/30放送


0 コメント:

コメントを投稿

 
;