2023年1月31日火曜日

子ども、AYA世代に対するがん免疫療法の現状と毒性管理、派生的技術、考察

癌の免疫療法は、
化学療法、外科治療、放射線療法の次の
第4の治療法と呼ばれ、
近年、
免疫チェックポイント阻害薬や
CAR免疫治療など
新しい治療法が開発されたことにより
臨床現場で適用が進んでいます(2,3)。
子どもやAYA世代(15-25歳)のがんにおいても
顕著な治療効果があるとされていますが(1)、
一方で、
特徴的かつ重篤な有害事象、毒性を有するとされています。
それによって、
お子さんの健康が急速に脅かされる懸念があります(1)。
従って、
製薬を含めた基礎研究の段階から
臨床研究に至るまで、
その重篤な有害事象の原因となる
サイトカインシンドロームや
神経毒性シンドローム(Neurotoxicity syndrome)、
他の免疫に関連する有害事象を軽減、なくすような
余分な免疫原性の低く、かつ免疫標的性の高い
個別化治療を含めた薬物、投与システムを確立する
必要があります。
しかし、
子どもやAYA世代のがん組織の成長の活性度が高ければ、
免疫治療を行う際に、当然、がん組織を早い速度で
破壊するための強いエフェクター機能が免疫機能に必要となります。
そうすると相応の免疫機能の高まりが必要で、
自然免疫系、獲得免疫系、サイトカイン、ケモカインの
ネットワークのバランスが健康な状態から逸脱する事が
必然であると考えても自然です。
従って、治療効果を得るためには
「ある程度の」有害事象、副作用、毒性は
避けられない可能性もあります。
その仮説は、組み合わせ医療を含めた
イノベーションによって
見事に否定されるかもしれません。
(そうなれば幸いです。)
このような事を考慮すると
現在開発されて、承認されている
最新の免疫治療に関連する細胞製剤を含めた薬剤を
うまく臨床現場で患者さんの健康に配慮しながら
運用し、患者さんを維持管理する事も非常に重要になります。
そこで、
〇The Pediatric Acute Lung Injury and Sepsis Investigators (PALISI) Network Hematopoietic Cell Transplantation-Cancer Immunotherapy (HCT- CI) Subgroup, 
〇Paediatric Diseases Working Party (PDWP) of the European Society of Blood and Marrow Transplantation (EBMT), 
〇Supportive Care Committee of the Pediatric Transplantation and Cellular Therapy Consortium (PTCTC)
〇MD Anderson Cancer Center CAR T Cell Therapy- Associated Toxicity (CARTOX) Program
これらの小児がんの治療と密接に関わる機関は
子ども、AYA世代の小児がん免疫治療のケアに対する
最新の包括的な臨床管理における推奨を
合意声明(コンセンサスステートメント)として
上梓されています(1)。
より具体的には
①子ども、AYA世代の患者さんに対する癌免疫治療の現在の状況を評価する
②患者さんに対して分野横断的な支援的ケアのガイドラインを提供する
③治療の後の後発的な身体、心への影響に対する先回りした、事前の維持管理を開発する。
これらです(1)。
つまり、
付け加えて総括すると
現在の子供に対する免疫治療を包括的に評価し、
それに基づいて臨床現場で患者さんの有害事象のリスクを減らし
あるいはそれに対するケアを含めた支援的なケアのガイドラインを示す
ということです。
そして、寛解した人も含め、その後の長い人生を
第2の人生の旅としてとらえ(4)、
運動、食事、教育、福祉など生活習慣、環境を含め
お子さんや若い人たちの
身体、心ともに健康状態が高められるように
それによって生活の質が向上するように
がんサバイバーシップについて考えるという事です(4)。
もちろん、この周辺的な事のコアには
分野横断的な医師による病状の定期的管理、評価は必要です。
ーー
討論するパネリストとしては
〇医師
〇特別研究員、フェロー
〇研修員
〇看護師
〇薬剤師
〇基礎、トランスレーショナル研究科学者
この科学者は
小児免疫治療、大人免疫治療、血液学
固形がん、腎臓学、救命救急診療、感染症など
様々な専門性を持つ人々で構成されます。
--
Dristhi Ragoonanan(敬称略)らによる
合意声明の内容を参照し、
独自の調査、視点、考察を加え、
読者の方と情報共有したいと思います。

//鍵となる合意推奨//
(参考文献(1) Box.1参考)
--
子どもAYA世代のがんは
遺伝子的にも多種多様で
適切な層化が必要不可欠であると言われており
その中には治療の難しいものを含めた
希少ながんもあり、
可能な限り初期の段階で
効果的にデザインされた臨床試験に参加してもらうように
促すことが必要です。
Dristhi Ragoonanan(敬称略)ら国際的なチームは
研究者、スポンサー、公的機関、規制機関、支払人に
臨床試験に子どもに参加してもらうように促します。

子どもの薬剤開発、臨床試験には様々な困難性があります(5)。
倫理的、文化的、制度的な問題もあると思いますが、
1つの大きな本質的な問題は
上述したように小児がんは珍しいがんである
ということです。
また、子ども、AYA世代を含めると
年齢に応じて、身体の成熟度も異なるため
治療効果を一括りとして統計的に評価する事が
出来ない可能性があります。
従って、
様々な軸で、細分化する必要があります。
そうすると各グループの参加人数が少なくなる
という問題も生じます。
その潜在的な問題を緩和する一つの方法は
国際的なチームを組んで、
臨床試験を国際的に行うということです。
Michael A. Postow(敬称略)らのように
国際的な合意声明の活動は
臨床試験の為の国際的な連携の足掛かりになるものの
1つであると考える事ができます。
--
・サイトカインシンドローム
(Cytokine- release syndrome(Crs))
・神経毒性シンドローム
(immune effector cell- associated neurotoxicity syndrome (iCANS) 
これらは、
American society for transplantation and Cellular therapy (ASTCT)
これの評価基準に従ってグレード分けされています(6)。
ヘルスケア機関は現在の証拠に基づいて
患者さんの維持管理、マネイジメントのガイドラインを
定期的に評価、審査する事が推奨されています。
免疫治療によって生じた副作用を緩和する
サイトカイン抑制治療の早期の導入は
臨床現場で早期に検討される必要があります。
上述したサイトカインシンドロームは
サイトカインの異常分泌によって生じるものであるからです。
従って、その症状を緩和するためには
サイトカイン抑制剤によって量を制御する必要があります。
参考文献(1)Fig.1に示されているように
サイトカインシンドロームの副作用のグレードによって
免疫的な調整、抑制の治療手段の強度が変わってきます。
--
その医学、医療分野特異的なガイドラインに従った
小児がん免疫治療によって影響の受けた臓器の機能評価は
免疫治療による臨床効果と副作用、毒性の監視を促します。
また、後遺症などを含めた長期的な維持管理を狙いとした
連携的な研究を促進します。
例えば、
〇Neuroimaging
〇Neurodevelopmental assessment
〇Cornell assessment of Paediatric Delirium (CaPD) scoring
〇Kidney Disease
〇Improving Global Outcomes work Group (KDiGO) renal assessment,
〇Cardiac and pulmonary assessments
これらなどが挙げられます。
--
〇副腎皮質刺激ホルモン(corticotropin)
〇甲状腺刺激ホルモン(thyrotropin)
〇黄体形成ホルモン(luteinizing hormone)
〇卵胞刺激ホルモン(follicle-stimulating hormone)
これらのホルモンバランスの監視は
定期的に免疫チェックポイント阻害薬による治療を受けた
お子さんに対して必要かもしれません。
なぜなら、内分泌系は子どもの成長に大きく関わるものだからです。
成長著しい子供が小児がんに罹った時には
治療中、治療が終了した期間両方で
長期的に上述したホルモンなどを通じて
子どもの成長の状態を詳しくモニターする必要があります。
その期間は
治療から2週後に一回。
その後は4-6週間ごとに一回。
このように推奨されています。
上述したホルモンの年齢曲線の通常値から逸脱がみられた場合には
〇Radiographic imaging
〇Hormone replacement
〇Steroid administration
〇Beta blockers
〇Paediatric endocrinology evaluation
〇Inpatient admission (for more extensive clinical assessments)
これらの処置を検討する必要があります。
ホルモンを補充する事で成長の異常を緩和する事が
期待できる可能性があるからです。

実際に小児がんの予後管理において
内分泌専門の医師によるモニタリングが挙げられていました(4)。
各臓器だけではなく、
身体のネットワークの一つである内分泌系の管理も
急性期、ポスト急性期、予後において
重要であると考えられます。
--
副作用のグレードが3以上の患者さんに対しては特に
可能な限り早く救急救命治療の評価を検討する事が不可欠です。
--
基本的な病状の可逆性は救急救命治療を制限するかの
決定を先導する決定因子の一つです。
つまり、病状が良くなって悪化する見込みがない場合には
救急救命治療から通常治療に移すことが検討されます。
病状がまだ不安定で急変する恐れがあれば、
救急救命治療の継続が検討されるということです。
--
CAR-T免疫治療など
同種異系の免疫エフェクター細胞治療を受けた患児の
移植片対宿主病
(graft-versus-host disease (GvHD))。
これのモニタリングは
〇グレード
〇ステージ
〇マネイジメントガイドライン
これらの従うべきです。
移植片対宿主病のOrgan stagingは
皮膚(赤み)、肝臓(ビリルビン)、血液(GI)、腹痛
これらなどで5段階で評価されます。
それらのパターンによってグレードが決められ
それぞれのグレードに対して
マネイジメントガイドラインが示されています。
(参考文献(1) Supplementary Table 1)
--
上述したように小児からAYA世代は
少なくとも25年ほどの年齢幅を持っています。
従って、
免疫エフェクター細胞治療や他の免疫治療の毒性を評価するために
年齢に応じた評価基準が設定され、利用される必要があります。
その年齢相応の評価基準は
〇生命に関わるサイン
〇身体の表面積(Lund–Browder charts)
〇内分泌の機能
〇排便の量
また
〇感情障がいや性欲の評価
これらは下垂体炎の有無を判断するために実施される
必要があります。
参考文献(1) Table.2に毒性グレードが4段階で示されています。
それぞれの状況と管理維持ガイドライン、
免疫チェックポイント阻害薬のその後の使用判断が決定されます。
--
免疫チェックポイント阻害薬による治療を受けた時に
小児やAYA世代の患者さんの初期の毒性反応に注意する必要があります。
--
がん免疫療法を受けた子どもやAYA世代の患者さんに対して
感染のリスクに備えて、環境を整える必要があります。
がんを攻撃する際に免疫系による作用が必要ですから、
免疫系のバランスの擾乱や疲弊が一部で起こる可能性があります。
そうした際に、感染症のリスクが高まる事も懸念されます。
小児の例では調査未検出ですが、
大人を含め一般的には免疫チェックポイント阻害薬による
治療によって感染症のリスクが高まる事が懸念されます(7)。
抗体レベルが低下する事も指摘されています(1)。
その予防的措置を取る必要があります。
〇抗体や感染症のテスト
〇ワクチンの接種(※)
(※)輸血実施5か月間は生ワクチンは適さない
〇抗体レベルのチェック
〇ウィルス、細菌の抗感染症薬の投与
これらが検討されます。
(参考文献(1) Supplementary Table 2, 3)
--
特定の禁忌が無ければ
季節性インフルエンザワクチンは
全ての患者さんに対して提供される必要があります。

新型コロナウィルスワクチンについてはどうか?
現時点で合意声明には含まれていません。
--
B細胞マーカーを標的とする抗体や
免疫チェックポイント阻害薬を投与後6か月間は
再度ワクチン接種や抗体レベルのテストを行うかどうか
検討される必要があります。
現在においてCAR-T細胞治療で治療された
子どもとAYA世代の患者さんに対するワクチンの
標準的な推奨はありません。
--
ワクチン、スクリーニング、マネイジメントを含む
がん免疫療法の適格性と
新型コロナウィルス感染症の予防の手順、プロトコルは
特定の地域では明らかにされています。
また、
感染症疫学、利用できるリソースにおいて
そのプロトコルが総括されています。

従って、子ども、AYA世代のがん免疫療法と
新型コロナウィルス予防の関連。
つまり、免疫治療を受けている小児の患者さんに対して
新型コロナウィルス予防において
特別な手順、プロトコルが存在するか?
その共通的なガイドラインはまだ制定されていないという事です。
--
分野横断的、最前線の(医療)スタッフは
お子さん、AYA世代の若い人たちの命、健康状態を守るため
免疫治療によって生じた合併症の
認識、診断、処置、維持管理の迅速性において
コンピテンシー、卓越性を有する必要があります。
また、環境として
急速なケアニーズの上昇に備えた
臨床アルゴリズムを有しておく必要があります。
この迅速性、急速な治療需要の上昇を
医療現場の手順として確立しておく必要性は
子どもやAYA世代のがんの患者さんに免疫治療を施した際
病状が急変する可能性がある事を色濃く反映したものです。

経験のある非常に優れた医療スタッフによる
周りの人に対する教育、
その教科書、手順の共有化などを述べていると考えました。
-
専門性を有する人たちの垣根を超えたつながり
(Interprofessional)。
これによるシミュレーション訓練は
チームアプローチの協調性を高める上で助けになります。
また、卓越性を維持、向上させる上でも同様です。

小児医療や集中治療などと同様に
分野横断的な知識が必要な上に、
非常に繊細なケアが必要になる領域です。
その上でさらに卓越性が求められます。
そうした中で、理想論ではなく現実論に焦点を当てた時に
小児医療の現場で意欲的に働こうとする
人材が本当に集まるか?
という課題があるかもしれません。
収入や待遇だけの問題ではない気がします。
「一人でも多くのお子さんの命を救い、健康に貢献したい。」
という志が一つ大事な気がしますが、
そうした強い思いがあると
現実問題として、患者さんが目の前で
命を落とした時の落胆、無力感も大きくなります。
最新の薬剤が十分に届かない中で
医療ができる限界も存在します。
「こうあればいい」という理想と現実の狭間の中で、
少しでもどう良くしていけるか?
これの実現においては、
この合意声明(1)のように国際的な協力が一つ大切になる。
このように考えます。
すでに、厳しい医療現場で高い卓越性を有したチーム
医療スタッフ、周辺環境のスタッフがいるのであれば、
是が非でもその方々を守り、大切にすることが
医療を超えて、社会的に必要になると考えられます。

//方法//
討論者、パネリストは
下記のキーとなる特定の調査チームによって
この合意声明のため総括しました。
〇‘cancer immunotherapies’
〇‘tumour-infiltrating lymphocyte’
〇‘T cell receptor therapy’
〇‘natural killer cell therapy’
〇‘virus- specific cytotoxic lymphocyte’
〇‘bispecific T cell engager’
〇‘immune- checkpoint  inhibitor’
〇‘chimeric antigen receptor T cell therapy’,  
〇‘cytokine- release syndrome’
〇‘immune effector cell-associated neurotoxicity syndrome’
〇‘haemophagocytic lymphohistiocytosis’
〇‘immune- related adverse event’
〇‘pseudoprogression’ 
〇‘infection prophylaxis’
これらです。
また、ガイドラインパネルには
〇小児科医、
〇免疫エフェクター治療、
〇免疫チェックポイント阻害薬治療
これら専門の医師を含めた
分野横断的なプロフェッショナルチームが含まれます。
従って、
最新の免疫治療自体の情報と
それによって生じうる副作用、毒性を特異的に調査されています。
それを医療現場の視点で評価する人も加わっています。
ゆえに、
副作用の少ない、あるいは許容範囲である(tolerable)
負担の少ないがん(免疫)治療を
お子さんやAYA世代の若い人に提供し、
生じてしまった難しい運命と共に生きていけるように
サバイバーシップを考える上においては
1つの軸となる内容であると考えられます。

<<がん免疫治療>>-----
Dristhi Ragoonanan(敬称略)らが示す
合意声明の中野がん免疫治療の内容(1)においては
一般的に知られている内容の一部は割愛し
小児、AYA世代に関連のある内容と
付随して記述が必要な重要な部分を抽出して
その内容を参照させていただき、
独自の調査、考察、記述を主要に加えます。

//CAR形質導入細胞治療//
癌細胞に標的を絞って効果的に治療するための一つの方略は
癌細胞が特異的に持つ表面受容体を認識して
そこに効率よく輸送して、
癌細胞を選択的に攻撃、死滅させる事です。
T細胞に形質導入を行い
癌細胞が持つ表面受容体に結合性を持つ表面リガンドを
発現させるのがCAR-T細胞で、
それはNK細胞、骨髄系免疫細胞でも可能です。
CAR免疫療法における上述した形質導入は
生体外、生体内どちらでも技術的には可能です。
NK細胞はT細胞に比べて増殖速度が遅いため
大量生産に課題がありますが、
移植片対宿主病が起きにくいことが利点です。
従って、上述したように
急速に病状が悪化する恐れのある
子ども、AYA世代の患者さんに対する免疫療法は
その原因の一つとして
免疫的な拒絶反応によると考えられるため
CAR-NK細胞治療の適用による結果は
何らかのメリットをもらたす可能性があります。
--
25歳以下の小児、AYA世代の患者さんに
投与が可能になったのは(FDA承認)、
2017年の「Tisagenlecleucel」です。 
再発、難治性のCD19+B細胞急性リンパ芽球性白血病(B- ALL)。
これが適用範囲です(8)。
しかし、
他人の人の細胞を入れるとなると
白血球血液型の不一致から
移植片対宿主病を引き起こす原因となります。
しかし、免疫的な拒絶反応、
それによる副作用の原因となる免疫的な作用は
移植片対宿主病、免疫拒絶、Fratricideがあります。
(参考文献(9) Fig.1より)
免疫拒絶では投入されたCAR-T細胞が死滅します。
これは、宿主(ホスト)T細胞、NK細胞の作用によって
MHC、活性化シグナル依存的に生じます。
移植片対宿主病では宿主免疫細胞が死滅します。
これもMHC依存的に生じます。
FratricideはCAR-T細胞同士が負に相互作用し
自滅してしまいます。
従って、CAR-T細胞を安全に働かせるためには
がん細胞以外のホスト免疫要因でも複雑に存在します。
また、癌細胞では
単一の標的であると抵抗性が生まれる為
継続的に抗癌作用を得るためには、
多価の表面マーカーを生むように形質導入する必要があります。
また、表面マーカーの結合親和性を低く設定する事に寄って
T細胞の増殖、抗がん効果を高める
次世代のCAR-T細胞も考案されています(10)。
また、T細胞に比べて免疫惹起を生みにくい
CAR-NK細胞治療も検討されています(11)。
私が調べる限りにおいてCAR-NK細胞の
小児、AYA世代の臨床試験はまだですが、
2価のCAR-T細胞治療においては行われています。
(NCT03448393)
iPS細胞を使ったiCAR-T細胞やiCAR-NK細胞も考えられます。
iPS細胞バンクを使って、
MHCホモ接合で活性が低く、免疫原性を引き起こしにくい
細胞からiCAR免疫細胞を作れば、
MHCに依存する免疫惹起を緩和する事ができるかもしれません。
しかし、上述したように
それだけでは免疫的な拒絶反応、自滅作用は
防ぐことができないかもしれません(9)。
研究機関は、大人だけではなく
将来的には子どもやAYA世代への臨床適用も視野に入れている
と推定します。

//腫瘍浸潤リンパ球療法//
Tumour-infiltrating lymphocytes (TILs) therapy
微小環境を含む腫瘍組織には
様々な免疫細胞が浸潤、混在しています。
例えば
〇CD8+細胞
〇CD4+細胞
〇B細胞
〇NK細胞
これらが挙げられています。
しかしながら、腫瘍組織に居住している免疫細胞の
ほとんどが機能的に低下しています(1)。
但し、(おそらく)癌組織に浸潤できる形質、表現型が
あることからそれを利用しつつ、
かつ免疫細胞の抗癌機能を上げたいという需要があります。
そこで、
腫瘍組織を一度、取り出して
その腫瘍組織の中に含まれる免疫細胞のうち
一部に含まれる機能的に高い免疫細胞を選び出し
それを生体外で増殖させます。
その後、再度、生体内に注入し
腫瘍組織に再度浸潤させます。
その時に浸潤の為の成長を高める機能のある
サイトカインIL-2(12)を共に注入します。
子どもの神経芽細胞種に適用されることがあります。
この神経芽細胞は体幹に形成されますが、
手術によって腫瘍組織を取り除いたときに
その中に含まれる浸潤型免疫細胞を
上述したように抜き取り、培養、再度注入します。
手術前に免疫チェックポイント阻害薬によって治療すると
免疫エフェクター機能が高まり、
腫瘍組織への浸潤性が高まると言われています(1)。
従って、ネオアドジュバント療法として
免疫チェックポイント阻害薬による治療を選択し、
手術で腫瘍組織を取り除いた後、
できるだけ短いインターバルで
生体外で機能の高い患者さん由来の免疫細胞を培養し、
その後、アドジュバント療法として
免疫細胞を患児の体内に注入します(13)。
--
腫瘍組織を抽出する必要があることから
このように手術と組み合わせて
アドジュバント療法として選択される事が
合理的であると考えられます。
ネオアドジュバント療法で
免疫チェックポイント阻害薬を使えば、
免疫細胞の浸潤性が上がります。
さらに、
通常は腫瘍組織によるストレスによって
免疫細胞は疲弊していますが、
その疲弊と一部関わる、
免疫チェックポイントを外すことで
免疫細胞の活性度が上がります。
免疫細胞の量と質、両方が改善する事で
外科手術で取り出した時に
増殖させるのに適した元気な免疫細胞の割合が増えます。
それによって手続きが楽になります。
手術で摘出した後、
その腫瘍組織の表現型の特徴を持つと考えられる
質の良い免疫細胞が体内に入れられることで
摘出された周りに播種しているかもしれない
目に見えない癌細胞や
今後、再発するかもしれない癌細胞を
長期間にわたり監視する事も期待できます。
--
患者さん由来の免疫細胞を使うので
免疫原性は低いはずですが、
一定の副作用を伴います。
特にサイトカインIL-2と共に注入した時には顕著です。
浮腫、低血圧、乏尿など
循環器から体液がリークすることで
生じる副作用が起こる可能性が示唆されています(14)。
(capillary leak syndrome (CLS))
小児がんのケースでは
進行性、転移性のがんのケースにおいては
このCLSが10人中2人、
グレード3-4の低血圧症が3人、
全ての患児で発熱、頭痛、骨と筋肉痛があった
とされています(15)。
--
但し、小児がんの場合は
非同義の単一ヌクレオチド変異(nsSNVs)の
腫瘍当たりの数が
1から1500か所以上と非常にバラツキが大きいです(16,17)。
この数によって癌新抗原バーデンが変わり、
それが、腫瘍組織浸潤の免疫細胞の
癌細胞に対する新抗原を介した活性が変わってきます。
従って、
この免疫療法は小児がんの変異の数のバラつきによって
同様にその効果も患者さんごとに偏差があると想定されます。

//T細胞受容体エンジニアリング療法//
Engineered TCR therapies 
T細胞受容体エンジニアリング療法は
患者さんの血液から抽出したT細胞に対して
がんの抗原の認識するような受容体を発現させます。
それと合わせて、
あるいはそれとは別のケースでは
T細胞の寿命や腫瘍組織への浸潤を高めるような
サイトカインを発現するように修正します。
この治療法はAYA世代には一部治験が行われていて
その年齢層以上の大人と合わせて、
その結果が示されています。
TCR targeting a HLA-A*0201-restricted NY-ESO-1 epitope
この受容体発現を行った際には
滑膜細胞肉腫(synovial cell sarcoma)。
これにおいては
3年、5年の全生存は
それぞれ38%、14%でした。
メラノーマでは5年生存が33%でした(18)。
副作用に関しては
一時的な毒性は全ての患者さんで見られますが
その原因はエンジニアリングしたT細胞そのものだけではなく
同時に浸潤性を高めるために投与した
IL-2が関連している可能性もあります。
重篤な副作用として、
命を落とした患者さんが報告されています。
その原因は
〇好中球減少
〇大腸菌による敗血症ショック
これらです(18)。
T細胞投与後3日後に生じています。
一方で、
中枢神経系の毒性もあります。
その原因としては
新たに癌抗原認識性を上げるために発現させた受容体が
中枢神経系に発現されている他の受容体を同時に認識するために
生じていると考えられています。
それぞれMAGA3, MAGA12です(19)。

合成材料(脂質ナノ粒子など)、
生体内材料(細胞、細胞外小胞)
バイオミメティック材料など
様々なナノ粒子に対して
特定の細胞種に対して標的性を上げるために
特定の受容体を発現させるようにエンジニアリングする
細胞種特異的輸送系統
(Cell-type-specific delivery system)。
これにおいて、
標的以外の受容体、表面リガンドを認識する事によって
生じうる副作用を考慮する必要性があります。
例えば、
血液脳関門を超える細胞外小胞において
脳神経系以外の疾患に対して
核酸、低分子量薬剤などを封入した状態で
体内に注入し、輸送する場合においては
治験段階前から、
常にそれが脳神経へ輸送される可能性を疑っておく
必要があります。
--
Engineered TCR therapiesは
血液性のがん(NCT03326921)、
固形がん(NCT03240861)に対して
子どもに対する治験が現在行われているところです。

//NK細胞療法//
NK細胞はT細胞のように細胞傷害性を示す際に
標的細胞をHLA様式で認識しないので、
HLA半合致やミスマッチに対する
血液学的な副作用、毒性のリスクが低いと考えられます。
子どもやAYA世代の小児がん、若い人のがんに対して
NK細胞を投入する療法は
それが単独ではなくて
化学療法や
血液性の場合は造血幹細胞移植(HSCT)と合わせて
ある種、補助的に行われるケースが多いです。
その中で
それらにおける治療効果が高まっています(20,21)。
様々ながん種に対して
NK細胞注入を少なくとも補助的に使う治療における
小児がんの治験が行われていますが、
懸念される血液学的な副反応が
出現する場合とそうではない場合があります。
それを分ける原因は
条件を細かく見ていく必要性はもちろんがありますが、
1つの可能性としては
HLA半合致とミスマッチの違いによって
移植片宿主病が出やすいかそうではないか?
これが決まる可能性があります。
しかし、この推論では
NK細胞がHLA非依存的にエフェクター機能を持つ
ことと矛盾します。
もう1つは
血液性のがんでは移植片宿主病がみられていませんが、
固形のがんでは一部見られています(22)。
そこに一つの境界があるかもしれません。
さらに重要なのは
お子さんやAYA世代の若い人に対して
臍帯血由来のNK細胞の場合には
同種異系であっても
NK細胞原因の毒性や移植片宿主病は
これまでのところ報告されていないとされています。
(NCT03420963)。

臍帯血は造血幹細胞を多く含む血液です。
そこから様々な血液系細胞に分化しますが、
その分化後に得られたNK細胞は
ひょっとすると
細胞の質(若さ)等が良質である可能性があります。
同じNK細胞でも
その細胞の質によって
お子さんや若い人に適合しやすさが変わる可能性があります。
特に小児においては
胎児の時期に母親の臍帯から得た血液が供給され
それから少なくとも非常に長い時間経過している
わけではないですから、
小児に血液性の細胞を入れる時には
臍帯血由来であることが好ましい可能性があります。
あるいは
iPS細胞などでiNK細胞を作り
それをNK細胞療法に適用する場合においても
細胞の質(若さなど)が重要になるかもしれません。
しかし、その仮説を立てる際に細胞の質とは何か?
これについて問う必要があります。
老化(senescence)だけではなく
細胞内外の様々な機能によって定義されるもしれません。

//ウィルス特異的細胞毒性リンパ球//
Virus-specific cytotoxic lymphocytes
造血幹細胞移植を受けた後の免疫不全や
標準治療を経験し、がんが再発した
患者さんにおいて
〇EBVウィルス
〇サイトメガロウィルス
〇アデノウィルス
これら特異的に働く細胞毒性リンパ球を投与する事が
有効であるとされています(1)。
例えば、
EBVウィルスは腫瘍ウィルスとして多様な癌の原因となります。
しかしながら、
EBVウィルスは日本では
成人までに90%以上の人が感染していると言われています。
従って、
EBVウィルスが体内にあるから癌になるわけではないと
疫学的に考えれば推定されます。
Dristhi Ragoonanan(敬称略)らの説明によれば(1)、
免疫不全や癌を経験した人において
ウィルス特異的な細胞傷害性リンパ球を投与する事で
臨床的に有効であるということです。
分子生物学的に言い換えれば、
標的となる癌細胞の表面に
ウィルス特異的な表面タンパク質が豊富に存在する
という事が想定されます。
従って、
体内の通常細胞内にあるウィルスが
「何らかの作用によって(?)」
癌細胞に積極的に取り込まれてウィルス陽性になる
ということがあります。
例えば、
元々体内の通常細胞に存在する
上述したウィルスが細胞感染性、増殖能を高めて
癌細胞に取り込まれる必要があるのではないか?
と仮説を立てました。
これ以外の可能性を含めた
いずれのケースにおいても
その原因としては
〇ウィルスそのものの遺伝子的な作用
〇宿主細胞の遺伝的な変化
〇免疫的な影響
これらが挙げられています。
例えば、
バーキットリンパ腫はアフリカの小児に好発し、
小児の悪性リンパ腫の40~50%を占めるとされています。
このB細胞リンパ腫はほぼ100%においてEBV陽性である
とされています。
1つ疑問なのが、この100%は
B細胞のリンパ腫の検体を取り出した時に
その細胞の「いずれか」検出限界以上において
ウィルスが存在している時と考えていいのかどうか?
ということです。
もし、そうであれば、
それぞれの検体当たりにおいて100%であって
単一細胞当たりにおいて100%ではない
ということを意味します。
この観点は癌ウィルスが
それぞれの癌種においてどのように影響を与えるか?
考える際に重要になると考えられます。
例えば、
確かに子どものB細胞リンパ腫のEBV陽性は100%であり、
EBV特異的な細胞傷害性リンパ球を投与する事は
臨床試験の検討対象となると考えられますが、
単一細胞当たりにおいて
どれくらいの割合がウィルス感染しているか?
これによって
その治療の効果はおそらく変わると考えられます。
あるお子さんは80%のがん細胞が感染していて
もう一人のお子さんは30%のがん細胞しか感染していない。
しかし、ウィルス検査をすると両方が陽性である
というケースです。
当然、想定される結果は
ウィルス感染している細胞が多い前者の子どものほうが
そのがん細胞がウィルス特異的なタンパク質を発現している
と考えられるため、
高い臨床効果が得られるのではないか?
ということです。
従って、
ウィルスベクターを使って薬剤を送達させる事を含めて
ウィルス特異的な癌治療を行う際において
体内ですでに存在する通常細胞のウィルスが
どのような動性を持って、
がん細胞に関与するか?
それを考慮する事が必要です。
例えば、
細胞間のコミュニケーション媒体である
細胞外小胞は感染細胞からウィルスのタンパク質、RNAを
輸送する事が知られています(23)。
細胞外小胞は癌が成長した場合において
多く分泌される事は一般的に言われていますが、
それが伝搬を助長させる可能性もあります。

//BiTEs(bispecific T-cell engager)//
この治療技術は
T細胞が、癌細胞を攻撃するために
抗原認識する際に、
このBiTEsからなる分子があり、
それがT細胞と癌細胞の結合を間に挟まれる事によって
強化させるものです。
それによってT細胞の癌細胞に対する
エフェクター機能が高まります。
小児の血液性のがんが対象になることもあります。

//免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)//
癌細胞は免疫的な機能を逃れる機序をいくつか持っている
とされています。
例えば、組織常在型の癌細胞は
その細胞単体で有るわけではなく
腫瘍組織として微小環境を形成しています。
その微小環境が免疫抑制的な形質を有しています。
その他に癌細胞が比較的共通的に持つ
免疫抑制的な機能として
免疫チェックポイントによる
T細胞の癌細胞エフェクター機能抑制があります。
細胞表面にあるPD-1とPDL-1が結合することで
その免疫抑制機能を獲得します。
従って、その受容体を蓋することで
免疫抑制機能をブロックして、
癌細胞に対する免疫機能を維持する事を目的とします。
--
子どもやAYA世代の患者さんに対する使用においては
典型的な安全性は大人と同程度であると評価されていますが、
12歳以下の患者さんに対して選択する場合は
早期的かつ寄り添ったモニタリングが必要である
とされています(24)。
しかしながら、
免疫的な有害事象(irAEs)ある場合の方が
固形の癌において
子ども、AYA世代の患者さんにおける
免疫チェックポイント阻害薬の臨床効果は
高かったとされています(24)。
従って、現時点では
有害事象を減らす事と臨床効果を得る事を両立させる事が
難しい状況であるかもしれないということです。
免疫チェックポイント阻害薬である
ニボルマブ(コンビネーション治療を含めて)による
治療は、転移性のある大腸がんにおいて
化学療法で抵抗性があった場合において
代替の選択対象となるとされています(25,26)。

//毒性のグレード化、管理//
子どもやAYA世代の患者さんを含めた
がん免疫治療の一つである
免疫エフェクター細胞治療は
〇CRS
〇ICANS
〇他の臓器不全(心臓毒性など)
これらの副作用が懸念されます。
例えば、
上述した免疫チェックポイント阻害においても
重篤な免疫関連有害事象が一部で報告されています(27,28)。
2019年にthe ASTCTは
この治療に関する毒性のグレードシステムを更新しています(29)。
the American Society of Clinical Oncology (ASCO)。
この組織において有害事象に対する管理の
ガイドラインが定められています(30)。
広く使われる管理法では
免疫機能が高まっている状態なので
免疫機能を調整するコルチコステロイドの投与が検討されます。
(参考文献(1) Table.1より)
最終的には
お子さんやAYA世代の若い患者さんを含めて
難治性のがんであっても
急性期、ポスト急性期、予後全てにおいて
身体への負担ができるだけ少ない治療、管理。
その為の効果的な薬剤を考えるというのがあります。
しかしながら、
上述したように免疫治療が効果を発揮したとき
有害事象が高いという傾向も示されています。
従って、ある程度の患者さんの痛みは避けられない
という現実的な事実もあります。
そうであっても、
それを「一時的にする」という観点もあります。
また、上述したガイドラインを含めて
有害事象が悪化しないようなマネイジメントや
患者さんを少しでも楽にできるような方式を考える事は
意義がある事である事ではないかと考えられます。

//CRS(Cytokine-release syndrome)//
CRSは免疫治療を受けた後、
免疫が活性化され、サイトカインレベルが上昇し、
〇38℃以上の発熱
〇低血圧
〇低酸素症
これらの症状を呈することです(1)。
急性リンパ腫における子どもの治療において
半数以上がCRSを経験しているといわれています(31,32)。
上述した症状のうち
発熱、低血圧では敗血症や急性腎障害(AKI)に発展しないか
注意が必要です(1)。
CAR-T療法は自家移植、他家移植、HLAホモ接合性など
様々な条件によって副作用の出方が異なると考えられますが、
CRSを呈した患者さんのうち、
46%がAKIを経験したという報告もあります(33,34)。
急性腎障害は短ければ数時間の間に急激に腎機能が低下します。
従って、患者さんの急速な病状の変化に対して
備えておく必要があります。
また、
このAKIを事前に予測する事が重要です。
その際に重要なバイオマーカーとなるのが
〇neutrophil gelatinase-associated lipocalin 
〇(metalloproteinase inhibitor 2)+(insulin-like growth factor-binding protein 7
これらです(35,36)。
腎機能代替療法の最適なタイミングは
はっきりとはわかっていません。
CRSはAKIの前触れとして生じると考えられるので
CRSを早いタイミングで診断し、改善、管理する事は
AKIの発生を減らすことや
30日以内の腎機能の回復につながります(37)。
--
毛細血管から液体がリークするCLSは
重度のCRSの患者さんで頻繁に見られるかもしれません(1)。
CLSではアルブミンの低下がみられることから
アルブミンを投与する事で
〇昇圧剤治療の短縮
〇呼吸、腎臓血管、神経のFailureスコアを低減
これらを実現できるかもしれません(38-40)。
このアルブミンは
血管内皮の不全を緩和させる機能があるため(1)
血管がリーキーになっている組織を
回復させる機能が期待されます。
従って、この作用機序が一つとしてあって
CLSの管理に利用されている可能性があります。
子どもの場合、
急激に毛細血管リークが起こると
呼吸不全につながる懸念があります(33)。
低血圧症が生じた場合には
〇昇圧剤
〇サイトカイン抑制剤(IL-6抗体)
〇ステロイド
これらの投与の用意が必要で、
投与のタイミングが遅れないようにする必要があります(1)。
--
CRSの症状の一つである低酸素症は
字の通り、酸素が足りていないので、
この症状が出ている場合
呼吸困難のサインや症状を
モニタリングする必要があります。
子どもやAYA世代の患者さんでは
より注意深くモニタリングする必要があります。
その理由は、
呼吸ルートのデットスペースが
大人に比べて2,3倍高く、
1呼吸当たりのガスの交換量が小さい事と
気道の抵抗性が高く、流速が上がりにくい事です。
また、気道の径も小さく、
炎症によってさらに径が50%低下すると
気道の抵抗性は16倍上がってしまいます(41,42)。
その理由はおそらく
流体力学で一般的に定義される
壁近傍の流速が近づくにつれ
指数関数的に低下するからです。
気道内の断面積のうち、
内壁の影響を受けて流速が下がる割合が高くなるために
16倍も抵抗性があがり、
呼吸当たりの流速が得られにくい
ということが物理的には考えられます。
--
呼吸状態がよくないお子さんに関しては
鼻カニューレにおる酸素供給が一つの手段ですが
その酸素量を決定するのが
様々な可変因子があるために難しいとされています(1,43)。
ただ、子どもの年齢によって
最適な酸素供給量は変わるかもしれない
とされています(1)。
CRSのグレードが高く、重度で
鼻カニューレで制御する事が難しい場合は
非侵襲の通気が選択肢となります(1)。
この場合、圧力(陽圧)を上げる事ができるため
子どもで懸念される気道の抵抗性を克服して
ガス交換量を高める事ができます。
これらの処置の中で最適な選択肢を行い
お子さんの呼吸状態を変化を厳密にモニタリング
する必要があります(1)。
--
一般的にCRSと診断された時の
第一の治療選択肢は
IL-6抑制剤であるトシリズマブを投与する事です。
重度になれば、
その選択の重要性は高まります。
免疫を調整するコルチコステロイドは
持続性の低血圧症、低酸素症、ICANSがある場合に
投与されます。
コルチコステロイドは
グレード1になれば、
投与量を漸減させるか、中断する必要があります(1)。
特に子どもの場合は
ステロイドによる成長障害の懸念があります。
出来る限り最小の量で免疫機能を制御する事が
推奨されます(44)。
これらIL-6抑制剤やコルチコステロイドは
CAR-T細胞治療の効果を下げることなく
CRSの重症度を減らす事に成功しています(45,46)。

//ICANS//
Immune effector cell-associated neurotoxicity syndrome
免疫治療に引き続いて、
中枢神経系が関与して生じる、
神経毒性の様々な症状は
内的、注入された
T細胞、他の免疫エフェクター細胞。
これらの活性化によって生じます。
特に脳の発達時期である子どもにおいて、
ICANSを低いグレードに抑える事や
短期間で解消させる事は重要になると考えられます。
上述した神経毒性は
〇headache
〇pain
〇meningismus
〇short-term memory loss
〇altered mental status, 
〇impaired speech (dysarthria and/or aphasia)
〇impaired cognitive skills
〇motor weakness
〇movement disorders (tremor, myoclonus and/or facial automatisms), 
〇seizures
〇encephalopathy
〇cerebral oedema
これらと多彩な症状を示します(1)。
--
CAR-T細胞治療では
小児、AYA世代の患者さんに対しては
ICANSに関連する神経イベントは
全てのグレードで40%、
グレード3が13%、グレード4が0%
という臨床データが
B細胞リンパ芽球性の白血病で報告されています(47)。
--
上述したICANSの
子どもやAYA世代のグレード分けを含めた評価として
the Cornell Assessment of Paediatric Delirium (CAPD)。
これが推奨されています。
例えば、
グレード3以上のICANSを持つ
子どもやAYA世代の患者さんの83.3%が
脳障害を示すというデータもあります(48)。
--
組織学的な観点を含めた臨床症状として
〇Intracranial haemorrhages, 
〇infarcts, 
〇leptomeningeal enhancement, 
〇posterior reversible encephalopathy syndrome
〇excitotoxicity-related injury patterns affecting the mesial temporal lobes
これらが報告されています(49,50)。
--
上述したグレード3以上の重度のICANSを示す
お子さんにおいては
小児集中治療(PICU)での治療が勧められます。
特にトシリズマブ(IL-6抑制剤)や
ステロイド(免疫抑制剤)などに対して
反応性が弱い患者さんにおいては
特に推奨されます(1)。
--
管理としては
〇Aspiration precautions
〇avoidance of medications that cause CNS depression
〇blood pressure control with the goal of maintaining a mean arterial pressure within 20–25 mmHg of baseline, 
〇control of raised intracranial hypertension
〇correction of uraemia and coagulopathy (if present)
〇initiation and/or continuation of prophylactic anti-seizure medication
これらの重要項目が挙げられています(1)。
呼吸、頭部の循環器の状態、腎機能、尿の状態などを
診断し、その結果に応じて処置されるという事だと認識しています。
--
薬物治療としては
CRSが併発している場合には
全てのグレードに対してトシリズマブが検討されます(1)。
反応性が弱い場合には
代替の薬物治療として
デキサメタゾン、メチルプレドニソロン
これらが検討されます(1)。
デキサメタゾンはICANSグレードが1以下になるまで
続けられます(1)。
--
総合的な観点としては
免疫的な治療は血中に含まれる免疫エフェクター細胞は
全身の血管内に存在し、
それらの活性が高まる事によって
血管壁の破れや炎症(腫れ)などを含めた
血管のダメージに繋がると考えられます。
破れは出血に繋がり、
腫れは浮腫、血圧上昇、梗塞に繋がります。
それは体だけではなく
脳に影響を与える頭部の血管でも同様です。
特に小児の血管は大人に比べて
径が小さいことも想定されるため
血管がダメージを受けた時のリスクは大きくなる
可能性もあります。
特に閉塞や血圧はそうかもしれません。
従って、
サイトカインを含めた免疫系のコントロールが
薬物治療のベースラインとしてあると考えられます。
炎症による凝固のリスクを減らすには
ヘパリンなどが挙げられますが、
血管壁のダメージによる出血のリスクが高まっているため
ヘパリンはおそらくリスクが大きい治療になり
対象外であると想定されます。
その他、考えられる薬物治療としては
創傷治癒などの効果がある薬物が挙げられます。
間葉系幹細胞や
間葉系幹細胞由来の細胞外小胞による
創傷治癒(51,52)は将来の検討項目に入る可能性はあります。
その時には炎症部に特異的に送達されるように
表面タンパク質をエンジニアリングする事が
付加的な機能化として考えられます。

//Secondary CAR T cell-related HLH//
CAR-T細胞治療に関連する2次的な副作用として
血球貪食症候群
(haemophagocytic lymphohistiocytosis(HLH))。
これがあります。
このHLHは過剰な免疫系の活性化による
生命を脅かす臨床症状を呈し、
生後から18カ月の幼児に最も頻繁に見られます。
年少のお子さんにおいても見られます。
しかし、
CAR-T細胞治療によって引きこされた
HLHは通常の一般的なHLH同様に希少であり、
免疫エフェクター治療の合併症としては
診断をするのが難しいとされています(1)。
--
診断は
Maximum serum concentration of ferritin of >10,000 ng/ml。
これを満たし、かつ
〇during the high- risk period for CRS 
and developing any two of the following organ toxicities after IEC therapy: 
←grade ≥3 liver, kidney or lung toxicities (per CTCAEv5.0) 
〇haemophagocytosis determined by morphology assessment 
〇CD68-positivity in the bone marrow or other organs on immunohistochemistry 
これらのいずれかと診断される場合に
HLHであることが考慮されます(1,53)
また、
HLHが疑われる場合には
〇the serum levels of fasting triglycerides and soluble IL-2R
この分析が勧められます(1)。
--
免疫エフェクター細胞治療を受けた子どもにおいて
2次的なHLHに発展した場合、
トシリズマブやコルチコステロイドなどの
サイトカイン抑制剤、免疫抑制剤は
一般的に臨床効果がある場合が多いとされています(1)。
これらの薬物治療を受けた場合には
〇ferritin, 
〇lactate dehydrogenase
〇fibrinogen
〇transaminases
〇bilirubin 
〇creatinine 
これらの血漿レベルをモニタリングする事が推奨されます(1)。
もし、
48時間以内に症状が改善しなければ、
持続的な治療、
もしくはアナキンラ(IL-1抑制剤)、
これらが検討されます(1)。
また、
抗がん剤であるエトポシドを使う事もできます(1)。
ICANSを併発している場合には
抗がん剤であるシタラビンの髄腔内投与が検討されます(53,54)。
--
HLHは
Ferritin,sCD163
IL-1β, IL-6, IL-12, IL-18, IL-33
TNF-α、IFN-γ
これらなど多数のサイトカインが関わり、
フェリチン上昇により鉄過剰となっている状態です。
複数の原因があるため、
少なくとも治療が複雑になる場合があると想定されます。

//Allogeneic IEC-associated acute GVHD//
CAR-T細胞治療などの免疫細胞治療の場合、
大人のケースと同様に
子どもやAYA世代の患者さんに治療を施す際においても
患者さんそのものの細胞を使うか(自家移植)、
他の患者さんの細胞を使うか(他家移植、同種異系移植)、
これらの選択肢があります。
当然、患者さんそのものの細胞を使う場合には
細胞を抜き取って、
T細胞だけ、かつ良好なものを選別して、
標的化のためにエンジニアリングして、
それを増殖させます。
少なくともこれらのプロセスが必要であり、
時間とコストががかります。
同種異系の場合は
予め細胞をストックする事ができるため
白血球除去輸血の成功確率が向上したり、
上述した製造プロセスやコストを下げることができます(1)。
従って、
現実的な手段としては
同種異系移植が好ましいとされますが、
HLAの不一致などの原因によって
急性の移植片対宿主病(GVHD)が生じやすくなってしまいます。
--
このGVHDは皮膚の赤みが
体にどれくらいの割合で生じているか?
肝臓のビリルビン濃度
排便量
これらでグレード分けされます。
グレード1の場合は
Hydrocortisoneクリーム
Triamcinoloneクリームなどを患部に塗布する事によって
ケアされます。
グレードが2以上の場合は
S状結腸鏡検査、内視鏡検査、検便、
免疫抑制作用があるプレドニゾンの投与が検討されます。
(参考文献(1) Supplementary Table 1より)
--
京都大学iPS細胞研究財団では
HLAホモドナー由来iPS細胞を
健康なボランティアの方に協力いただき
末梢血、臍帯血に含まれるiPS細胞を貯蔵しています。
これにより現在、40%の日本人において
HLA半合致の移植が可能になっています。
これにより、
上述したように細胞治療で懸案事項となっている
HLA不一致に起因したGVHDを含む
免疫的な有害事象を緩和する事が期待されます。
半合致の移植(ハプロ移植)での
CAR-T細胞治療のGVHDの頻度がどれくらいか?
小児、AYA世代の患者さんでどうか?
このようなデータはまだ十分にはありませんが、
今後確かめられる可能性があります。

//重篤な免疫関連有害事象//
Severe irAEs.
体にできる腫瘍組織は、微小環境を形成します。
周辺の線維芽細胞、血管組織、免疫細胞と共に形成します。
血液性のがんの場合は
骨髄や周辺細胞と相互作用する事によって形成されます(57)。
腫瘍微小環境に存在する免疫細胞においては
〇regulatory T cells, 
〇myeloid-derived suppressor cells(MDSCs)
〇γδT cells
〇tumour-associated macrophages
〇other cell types expressing inhibitory immune checkpoints.
これら免疫細胞を含み、免疫抑制的に働きます。
これらは免疫チェックポイント依存的に
免疫抑制的に働き、癌細胞の免疫逃避に寄与すると考えられます。
従って、
免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)によって
この免疫抑制機能を解除し、
腫瘍微小環境の築かれた恒常性を崩します。
そうすると免疫機能が高まり、
免疫的な抗がん作用が強まると期待されますが、
一方で、
自己免疫的な副作用、有害事象も誘発する事があります(55,56)。
--
子ども、AYA世代のB細胞急性リンパ芽球性の白血病において
CAR-T細胞治療の後に
免疫チェックポイント阻害薬であるPD-1抑制剤による
治療を行った結果、
重篤な副作用(irAEs)として
〇acute pancreatitis 
〇hypothyroidism
〇arthralgia
〇urticaria 
〇grade 3–4 cytopenias,
〇GVHD
これらが報告されています(58)。
その他には
〇Cerebral oedema
〇infusion reactions
〇rash 
〇diarrhoea 
これらが子どものケースで
免疫チェックポイント阻害薬を受けたケースの
副作用として報告されています(59-64)。
免疫系のバランスが崩れる事による副作用なので
血液系の事に直接関係する
浮腫、血球減少、移植片対宿主病などに加えて
脳、膵臓、甲状腺、皮膚、消化器
これらに影響を与えています。
--
ASCO clinical practiceは
免疫チェックポイントを受けた
子ども、AYA世代の患者さんにおける
irAEsの一般的な診断、治療、管理に使われる
重要な情報を提供しています(65)。
(但し、大人を基準に作られた。)
その中で特に
12歳以下の年少のお子さんに対しては
より寄り添ったモニタリングが必要であるとされています。
なぜなら、
初期において、大人より顕著な毒性を
示すかもしれないからです(66)。
--
子どもは20年かけて免疫系を発達させます。
従って、免疫系において過渡期にあります。
20歳を超えると免疫系は比較的安定します。
A. Katharina Simon(敬称略)らがFigure.1に示すように(67)
出生後、6~7歳くらいまでは
th2の割合が高く、th1や自然免疫系の発達は
それに比べて遅れます。
Th1は細胞性免疫で、Th2は液性免疫ですが、
子どもの場合、
Th1の働きが少なくとも
免疫系の治療を受けた時に異なる可能性があります。
それに関する総括は
Eleanor C. Semmes(敬称略)らがされています(68)。
主にウィルス性を含む感染症や
その予防のためのワクチン接種における
免疫機能の理解を目的とされています。
Dristhi Ragoonanan(敬称略)らが
合意声明でまとめているように
子ども、AYA世代の若い患者さんのがん治療において
免疫治療は一つの選択肢となっているため、
CAR免疫細胞治療(T, NK)や免疫チェックポイント阻害薬など
免疫治療を施した時に、
過渡期にある免疫機能のそれぞれの発達が
どのように治療効果、副作用と関係するか?
そのような研究も大切になるのではないか?
このように考えます。
--
子どもに対するirAEsのFirst-line治療は
コルチコステロイドによる免疫調整です。
グレードが上がって、重症の場合は
投与量を増量するなど調整がされます(1)。
48-72時間以内に症状が改善しなければ、
TNF抗体であるインフリキシマブの投与が検討されます(1)。
また、
治療、管理する際には
お子さんは発達の過渡期にあるため
年齢、体重(身体の大きさ)を注意深く考慮する必要があります(1)。
--
子どもは、免疫治療の副作用として
下垂体炎を呈することがあります。
頭痛、倦怠感、性欲喪失、気分変化などを示しますが
それだけで診断する事は難しいとされています(1)。
年齢に応じた、標準化された症状の評価
(性的発育や健康に対するスクリーニングを含む)。
これが重要かもしれません(69)。
内分泌系の合併症がある場合は
ホルモン補充療法によって回復させる事ができます(1)。
さらに、
糖尿病に関連する合併症の発症は
irAEsの初めのサイン、兆候かもしれません(70,71)。
免疫チェックポイント阻害薬による治療を受けた場合は
〇corticotropin
〇thyrotropin
〇luteinizing hormone 
〇follicle-stimulating hormone
これらなど内分泌系ホルモン検査が必要です。
これらが年齢曲線の標準値から大きく逸脱している場合には
〇radiographic imaging, 
〇hormone replacement
〇administration of steroids 
〇beta blockers
〇paediatric endocrinology evaluation  
〇inpatient admission for more intensive clinical assessment
これらの治療、検査、評価が検討されます(56)。
--
免疫系のバランスが崩れる事に寄って生じる
肺炎にも注意が必要です。
しかしながら、
特異的な症状を示さない場合も度々あります。
下痢、胸の違和感、咳、熱など
他の原因も考えられる一般的な症状であり、
診断は難しく、病気に起因しているのか
治療による合併症なのかの区別も困難である
とされています(1)。
しかしながら、
CTスキャンによる映像の中で
'reverse halo'と呼ばれる像は
irAEsで見られる肺の症状で見られるとされています。
三日月上、環状のパターンに囲まれた
中心を持つすりガラス状の不透明パターンです(72)。
お子さんの肺の管理をする際には
年齢、体重に応じた呼吸機能の標準値から
その評価を行い、
できるだけ早く免疫系のバランスの乱れに起因した
肺炎を診断する事が大切です(1)。
急性腎障害(AKI)は
Age-appropriate Kidney Disease: Improving Global Outcomes Work Group (KDIGO) consensus criteria。
これによってグレード分けされます(73)。
免疫チェックポイント阻害薬によって生じるAKIの場合は
好酸球増加症がサインとして現れる傾向にあるとされています(74)。

//Pseudoprogression(疑似の進行)//
子どもやAYA世代の患者さんのがんを含めた、
治療を施す中でのがんの現在の状態の評価は、
放射線などを使った画像診断が使われる場合もあります。
その際に癌細胞は通常細胞よりも硬いので、
白色化した塊の中で
疑わしい部分をスクリーニングして評価すると思われますが、
その白色化した組織が
「真の」癌組織を示しているかどうかはわかりません。
特に、CAR-T細胞治療などの免疫エフェクター細胞治療や
免疫チェックポイント阻害薬などを含めた
癌免疫療法がおこなわれた後には
癌組織に浸潤する免疫細胞が多くなる場合があり、
癌細胞と免疫細胞の複合組織として
組織が大きくなることがあります(75,76)。
この場合、画像診断によって
「見かけ上」は組織が大きくなったと認められますが、
癌細胞が進行している事を示しません。
これを「Pseudoprogression」と呼びます。
仮に「疑似の進行」と命名します。
どうすれば、「疑似」と「真」の進行を見分ける事ができるか?
Dristhi Ragoonanan(敬称略)らが
合意声明の中で挙げている方法は
〇時間発展的な観点
〇バイオマーカー
〇組織学的な観点
これらです(1)。
時間発展的な観点は画像診断を連続的、
あるいは時間を空けて複数回行って、
癌の進行を評価する方法です(77,78)。
当然、疑似の進行の場合は、
浸潤型免疫細胞が有効に働いていることが考えられますから、
癌細胞の縮小が認められるケースが多い
と考えられます。
しかしながら、
お子さんのケースにおいて
免疫治療に対する反応時間の平均が6か月間あり、
熱心な管理、治療が必要になります(1,79,80)。
何がいいたいかというと
免疫治療を行って「すぐに」効くのであれば、
時間的、連続的な判断の為
「待つ」事が許されますが、
数か月以上、反応時間に遅れがあるとすると
もし、画像診断で確認される腫瘍組織の増大が
「疑似」ではなく、「真」の成長であった場合、
治療が著しく遅れる事になります。
一方で、
「疑似」の進行であった場合、
連続的に免疫治療をすると、過剰治療となり、
逆にお子さんやAYA世代の患者さんの
大切な身体にダメージを与えてしまうことのなります。
従って、
免疫治療におけるPseudoprogressionの問題は
非常に複雑で、臨床的な管理における難しさを孕んでいる。
このように推察されます。
画像診断においては
細かい判断は人工知能が得意なので、
免疫細胞を多く含む場合のPseudoprogressionと
通常の進行状態の違いを学習させて
判断するという事が一つの合理的な戦略となると考えられます。
--
一方で、バイオマーカーによる確認が挙げられています。
例えば、循環型DNAを見る事です(79)。
近年、細胞外小胞が癌の感度の高いバイオマーカーとして
注目されています。
例えば、小児がんで多く診られる脳腫瘍
あるいは癌における免疫治療において
がんに関連する膜タンパク質を検知する事によって
細胞外小胞から脳腫瘍を診断できる可能性が示されています(81,82)。
--
その他の方法として、
安全性、実現可能性が担保される場合においては
組織を取り出して評価する事が可能かもしれません。
その際には、浸潤している免疫細胞のうち
〇CD3+, CD8+, TIA1+, granzyme B+
これらなどのマーカーを検知し
T細胞の活性化を評価します(83-85)。
--
現在のところ、
Pseudoprogressionに対する直接的な管理推奨の
ガイドライン制定における証拠は限られているとされています。
大人に加えて
子ども、AYA世代のがん患者さんへの治療を含めた
Pseudoprogressionに対する臨床報告が待たれますが、
上述した観点から一つの方法に頼るのではなく、
〇連続的な画像診断
〇有効なバイオマーカー
〇組織の取得(手術時、血液採取)
あるいは
〇免疫的な詳しい評価(治療による変化から)
〇人工知能の活用
これらを総合的に組み合わせて、
できるだけ正確な診断を早期に行うことができないか?
検討する余地が大きく残されていると考えられます。

//看護、救急救命診療//
子ども、AYA世代のがん患者さんの中で
特に子どもにおいては
大人と組織学的に大きく異なる事と、
呼吸困難などのリスクが高いことから
現場での寄り添った管理が必要になると考えられます。
特に、がん免疫療法では
十分な臨床実績がないことから
経験的に現場の医療スタッフがわかっていない事が
多く存在すると推定されます。
患者さんが入院される中で、
最も長い時間、患者さんの近くにいるのが看護師です。
従って、
早期に、遅延なく、必要な時に
適切な処置をするためには
看護師の熟達なくしては実現しないといっても過言ではありません。
特に、免疫治療を医師が施した後に生じる
副作用は上述したように多彩であるため
初めは不備も当然出てくるとは思いますが、
少しずつ改善していく必要があると推察されます。
Dristhi Ragoonanan(敬称略)らは
合意声明の中で
「分野横断的(86)」
「診断の区別」
「アルゴリズムの制定(86)」
「アップデート」
これらの必要性を謳っています(1)。
アメリカでは
CAR-T細胞治療を含めた免疫エフェクター細胞治療において
Foundation for the Accreditation of Cellular Therapy (FACT)。
これを設立し、最適な臨床結果となるような手段を模索しています。
--
「アップデート」というところでいうと
仮想空間を使う事は一つの選択肢としてあると思います。
例えば、医療機関が国際的に連携し、
共通の仮想空間を作ります。
そこに医師、看護師を含めた医療スタッフが
いつでも、限られた場所からアクセスできるようにします。
その仮想空間で共通的にトレーニングを受けます。
このような「現場での経験、作業」が必要な技術は
文章だけでは駄目であり、
肌感覚として経験を積んでいく必要があります。
しかし、実際の一つの現場では
有効な経験を「効率的に」積むことは難しいと考えられます。
従って、「仮想空間」が有効です。
様々な状況をニューラルネットワーク、GPUによって学習させて
多くのシミュレーションに基づいた
トレーニングを医師、看護師に行います。
それを一番進んでいる医療機関から中心的に始めていき
それが普及するように国際的にチームを組んで
進めていくということです。
あるいは、
医師、看護師は専用のグラスつけ、
患者さんの容態に応じて、
そのグラスが空間内に選択肢、指示を表示して
即時的な判断材料を提供するという事も考えられます。
この構想は
実空間に文字が表示されます。
その空間は透明で患者さんを同時に見る事ができます。
空間中に示された対処指示の選択肢と
現場の患者さんの状態を見て
医師、看護師がその場の対応を総合的に考えるということです。
その選択肢、指示は
機械学習、人工知能に基づいた情報処理によって行われます。
--
このような次世代のプラットフォームを含めて
専門家が連携して教育を行い
シミュレーションベースのトレーニングを
「患者さんを中心としたケア」の中で
医療スタッフが安全かつ脅威にさらされない環境の中で
行うことが考えられます(87,88)。
上述した仮想空間も安全で、脅威がなく、
医療事故も生じないので
1つの実現可能な理想形として
すでに考案されている医療関係者もいるでしょうし、
プラットフォームの雛形はすでに出来上がっているかもしれません。
--
特に看護師はお子さんにおいては
呼吸器の機能が急激に低下する恐れがあるため
酸素の管理が重要になると考えられます。
例えば、
B-ALLの75名の子ども、AYA世代の患者さんにおいて
CAR-T細胞治療を施したところ、
救急救命治療は47%で必要でした。
25%が高用量の昇圧剤
44%が酸素補充
13%が通気
9が透析
これらの処置が行われました(87)87。
--
この合意声明の著者の一部において
すでに免疫治療を受けた子どもの患者さんに対する
体外のエンジニアリングを必要とするような
CAR-T細胞治療などの役割を評価するチームが
組まれているとされています(1)。

//感染予防と治療//
ウィルス感染や細菌感染と密接に関連するのが免疫機能です。
新型コロナウィルスのケースでも
重症化する人と、無症状の人がいます。
それくらい症状にバラツキがあり、
その原因の一つとなっているのが免疫機能の差です。
大人も当然そうですが、
子どもやAYA世代のがん免疫療法を受けた患者さんは
がんを縮小させるためにエフェクター機能が高まっており、
それにより、サイトカイン、ケモカイン、免疫細胞などの
ネットワーク、バランスが
健康な型と比べて崩れている可能性が考えられます。
そうした中で、免疫機能と密接に関連する
ウィルスや細菌由来の感染症に対するリスクが懸念されます。
具体的には
好中球減少や低ガンマグロブリン血症によって
感染症のリスクが高まっている患者さんにおいて
感染症の監視、予防措置をとる事は利点があるだろう
と考えられています(88,89)。
実際にCRSに発展した患者さんは
長期的な免疫不全を経験し、
感染症に対する予防措置がメリットがあるかもしれない
とされています(90)。
その予防措置の一つとして
ワクチン接種が考えられますが、
樹状細胞などを使って、液性免疫の機序で
感染症特異的な抗体を発現させる方式よりも、
直接的に抗体を注入する処置が考えられます(91)。
抗体も免疫機能と相互作用があるので
完全に免疫機能と切り離して、感染症予防する事はできませんが、
抗体を入れるほうが量のコントロールがしやすいことも含めて
適している可能性もあります。
免疫不全が生じている場合は、
液性免疫が十分に働かず、抗体産生能力が下がる事も
1つの懸念点です。
しかしながら、
毎年冬に流行する事が多いインフルエンザに対しては
免疫抑制のレベルに関わらず、
Dristhi Ragoonanan(敬称略)らの合意声明では
接種が推奨されています。
CAR-T細胞治療における
子ども、AYA世代の患者さんに対するワクチン接種を
推奨するかどうかのガイドラインはまだありませんが、
免疫グロブリン注射や血漿輸血が行われた
5か月以内は「live vaccine(生ワクチン)」は
推奨されないとされています(1)。
--
子どもやAYA世代の人を含めて
インフルエンザや新型コロナウィルスなど
呼吸器感染症予防のためにワクチン接種する際には
あるいはその他の感染症予防に対するワクチン接種においても
「注入方式を考慮して」行うことが有効である
可能性があります。
Qin Xu(敬称略)らの研究では
事前に「生ウィルスによって」感染を経験した子どものうち
鼻腔の奥に存在する咽頭扁桃の液性免疫が
十分に働いている場合に
新型コロナウィルスの様々な株
(ベータ、デルタ、オミクロン)。
これらの中和抗体量が高かったことが示されています。
(参考文献(92) Extended Data Fig. 1j)
一方で、
弱毒性生ワクチンをインフルエンザ予防において
経鼻投与することは
新型インフルエンザを含め
広域の中和抗体が産生されたことが
マウスのケースで確かめられています(93)。
これらの結果から
抗体量や交差性の高い抗体を得るためには
咽頭扁桃の液性免疫を高める事が重要であるかもしれない
という事が示唆されます。
有効に「局所的な(組織特異的な)液性免疫機序」によって
抗体量をより有効に、交差性高く発現させる事は
一般的な感染症予防の方略だけではなく、
免疫治療を受けている患者さんに対しても有効である
可能性があります。
また、TLR-7をナノ粒子で刺激する事に寄って
インフルエンザや新型コロナウィルス両方に
免疫機能を発揮するようなワクチン開発が可能である
かもしれない事も示されています(94)。
あるいは
2次リンパ節に有効に免疫細胞を集めるために
ナノ粒子にケモカインやサイトカインを入れる事が
考えられるかもしれません。
Prime CAR-T細胞療法という先進的な技術があります。
IL-7とCCL19をCAR-T細胞に入れる事で
CAR-T細胞に引き寄せられる形で
様々な抗原を持つエフェクター免疫細胞が集まります。
それによって多彩な抗原を持つ
固形癌の治療において
マウスのケースで有効性を示した
という結果があります(95)。
このコンセプトは
細胞種特異的輸送系統(Cell-type-specific delivery system)。
これでも利用できます。
つまり、
脳腫瘍を呈している小児の患者さんに対して
細胞種特異的に薬剤を送達させると同時に
免疫細胞を引き付けるケモカイン、サイトカインを入れる事で
化学的な細胞種特異的標的療法と免疫療法を両立させる
という考え方です。
これは、当然、ワクチンにも適用出来て
ナノ粒子ワクチンにおいて
ケモカイン、サイトカインを入れる事で
リンパ節に輸送されたナノ粒子が
ケモカイン、サイトカイン依存的に免疫細胞を引き付け
液性免疫、細胞性免疫を
より効率的、多彩、有効に発現させる事ができるかもしれない
という構想です。
〇CAR-T細胞治療、
〇抗体薬物複合体、
〇ナノ粒子、細胞外小胞
〇細胞種特異的輸送系統、
これらを使った標的治療は全て連結性があり
いずれかで画期的なアイデア、結果が得られれば(92-95)、
それの適用を検討することができます。
--
新型コロナウィルスに関しては
データはまだ不足しているものの、
免疫治療を受けたお子さんにおいては
〇症状が遅れる
〇症状が非典型である
〇しかし、軽い
という新型コロナウィルス感染症症状が報告されています(96)。
ただ、
インフルエンザ、新型コロナウィルスは
呼吸器感染症であることから
肺機能に影響が出る事が懸念されます。
実際に呼吸機能に影響が出ている
がん免疫治療中のお子さんにおいて
感染症由来なのか、免疫治療由来なのかを
切り分ける必要性が臨床的管理で必要になります。
その際には
新型コロナウィルスの場合は
子どもの場合は、上気道に炎症が出やすいために
その炎症を調べる事によって
切り分けができるかもしれないとされています(97)。
新型コロナウィルスは
ウィルス量が劇的に変化して
急性期を過ぎると
治療方法が確立していないLong COVIDに発展したりするため
できるだけ早く、正確に診断する事が求められます。
また、当然、感染症予防のための
感染コントロールが院内で行われる必要があります(1)。

//急性期治療後の管理//
お子さん、AYA世代のがん患者さんでは
髪の毛のロス、耳鳴り、成長不全、肥満などの
予後不良が起こる事が一般的にはあるとされています(98)。
そのような症状が起こった時の継続的なケアを考える事が
がんサバイバーシップの一つですが、
急性期の治療を改善する事で
このような長期的な副作用を減らすことができるかもしれない
と考えています。
標的治療の一つの目的はそれです。
細胞レベルで標的化を実現し、
余分な組織の損傷を減らす事によって
予後の生活の質を改善する事の実現を目指します。
しかしながら、
それ以前に命にかかわる問題として
急性期の医療スタッフの懸命な治療によって
お子さんのがんが寛解したとしても
再発が生じる可能性があるということがあります。
そのことに対して
免疫治療は一つの光明を示しています。
アメリカのCAR-T細胞治療を数百人の子どもに対して
行った医療機関は、顕著に再発のリスクが
他の治療に比べて提言した事を示しています。
また、フィラデルフィアのその指導した
フィラデルフィア小児病院、ペンシルベニア大学による
科学的な報告によっても
CD4+CAR-T細胞が長期間体に残る事によって
10年以上の白血病からの回復を実現したという
ことも示されています(99)。
これはCAR-T細胞治療の
最大の医療的成果の一つではないかと考えられます。
しかしながら、一方で
AYA世代の患者さんを含めた
CAR-T細胞治療を受けた人の
37.5%が3年間の認知的困難性(認知機能低下)を示した
という事が報告されています(100)。
また、血球減少においても
28日以上回復しない患者さんが30%います。
従って、
予後の管理としては
骨髄を取得、MRD評価などで
3か月程度のインターバルで継続的に評価していく
事が求められます。
また、CD19+のB細胞を標的とした場合には
B細胞無形成症が生じる懸念もあります。
このB細胞無形成症によって
白質脳症を示し、
〇神経心理学的な異常
〇視界、運動不全
これらが生じる事があります(101)。
--
CAR-T細胞のメリットを得て、リスクを減らすためには
CAR-T細胞で得られる免疫的な強化機能を正確につかみ
それで崩される正常の免疫機能を同様に理解し、
それをエビデンスベースに基づいて
継続的に診断し、患者さんごとに
適切に維持管理していくことが求められると思います。
また、治療としても
CAR-T細胞以外の、CAR-NK細胞との組み合わせや
Prime CAR-T細胞などによる多彩な免疫機能の利用など
従来のCAR-T細胞治療をより良く発展させる事は
急性期の治療実績をあげるだけではなく
お子さんやAYA世代のポスト急性期の
生活の質、ウェルビーイングを向上させる事に貢献する
と考えられます。

//将来の方向性//
現在では、化学療法、放射線治療、手術などで
寛解が難しい子ども、AYA世代の患者さんにおいて
第4の治療法として免疫治療が検討されます。
それに加え、
薬剤による治療を総括して
標的治療を行う細胞外小胞やナノ粒子を用いた治療も
今後、研究開発が進んでいくと考えられます。
新型コロナウィルスの世界的流行で
歴史的にみないスピードで
開発されたナノ粒子mRNAワクチンの世界的普及も
その後押しになります。
それを特定の標的組織だけに発現するタンパク質を標的として
細胞種、組織、病変特異的に薬剤を送達させるシステム(103)も
その発展形として開発されると予測されます。
光を含めた電磁波を使った医療も考えられます。
そういった中で大切なのは
互いに排除、過剰な競争をせず、
包摂的、インクルーシブな治療システムを構築する事ではないか
と考えられます。
がん一つとっても患者さんごとに違いがあります。
従って、患者さんごとに適した治療方法は異なります。
それを考慮すると、
「より多くの選択肢がある」
という事が好ましいです。
お子さんやAYA世代の患者さんは
なかなか様々な難しさがある事から(102)
薬剤開発が遅れ、大人に比べて最先端の医療が受けにくい状況です。
しかし、ある方式では
大人よりも子どもの方が適しているという事もあるかもしれません。
従って、様々な医療技術を排除せず、
インクルーシブなシステムを構築する事が
最終的には患者さんのメリットになると考えられます。
もちろん、それを実現するためには
経済的、制度的な様々な問題を乗り越える必要性があります。
また、
新しい治療が頭角を現しても
伝統のある治療を完全に排除する事も好ましくない
と考えられます。
実際にDristhi Ragoonanan(敬称略)らが合意声明で示しているように
CAR-T細胞治療を子どもに施すときには
化学治療を行った後に行うというケースも多くあります。
また、技術は一旦区切りを迎えても
そこで終わりではありません。
CAR-T細胞治療においても
CD19を標的にしても、それに抵抗性を示す癌も出現します(1)。
癌が多細胞生物が生まれてから、
何億年もかけて生物と共存してきたことを考慮すると
それを人(独立した個体)で
あらゆるがん種に対して撲滅することは
決して容易ではないと確実視できます。

//付加的考察//
免疫療法というのは
それそのものだけで治療の全体をカバーできない場合が
上述した引用文献から少なくとも存在します。
つまり、
化学療法、外科治療、放射線療法に加えて
補助的に免疫療法を適用する事です。
免疫を強化するとは
いわゆるその環境を整えると考えることもできます。
もっといえば、
特定の癌組織に対して
攻撃性が高まるような環境を作るという事です。
もともと体に備わった機能で
それで適応できなくなり、
腫瘍が制御できなくなるほど循環器で増えたり
あるいは、組織で成長したりするのが
治療が必要な癌であると言えます。
従って、
より強力な化学療法、外科による切除、
放射線療法が必要になるというケースも
重度の場合にはより多いかもしれません。
そうした場合、
免疫療法で最新の医療工学技術で標的性を上げたとしても
化学療法、外科、放射線療法の標的性が
細胞レベルで見た時に不十分な場合においては
従来の毒性、副反応、
あるいは急性期治療による後遺症を
大きく下げる事はおそらくできません。
但し、免疫療法によって、
それらの効果は高まる事はあると思います。
お子さんが罹患する小児がんや
AYA世代の若い人のがんの場合においては
より予後について考える事が重要になります。
もちろん予後に関しては年齢で区別するものではありません。
高齢の方でも身体に優しい治療は必要です。
しかし、
子どもやAYA世代の人は
残された人生の時間は長くなります。
また、潜在的に細胞の年齢が全身で見れば若いために
より良く治した時のメリットは大きい可能性があります。
そのような視点で考えると、
治療全体での標的性を細胞レベルまで上げることが
より重要になるという視点が生まれます。
例えば、
細胞外小胞は適正に抗原を入れれば
免疫チェックポイント阻害薬による
治療を高める効果があったとされています(104)。
このように細胞外小胞で免疫療法を強化しつつ、
化学療法、遺伝子(核酸)療法を組み込む事も出来ます。
すなわち
低分子量薬剤や
mRNA,miRNA,DNA(これらの抑制剤)
それらを使った遺伝子編集技術なども
原理的には組み込むことができると考えています。
もし、細胞外小胞が
表面のグリコカリックス(105)や
受容体のエンジニアリングによって
特定の癌細胞種が特異的に持つ表面リガンドや受容体に対して
非常に高い特異的親和性を持つ。
(つまりオフターゲットがない形で結合親和性が高い)。
これであれば、
免疫療法の他の化学療法、核酸療法においても
同様に標的化されていることになります。
この場合においては
おそらく注入する細胞外小胞の総量、
つまりどれくらいの頻度で、1回あたりどれくらい入れるか?
というのが非常に大きくなる可能性があります。
そうした場合には
ナノ粒子が潜在的に持つ
血液学的な副作用(免疫拒絶、移植片対宿主病など)が
懸念されます。
また、癌など疾患が生じている場合においては
一般的に細胞外小胞の分泌量は多くなります。
そうした中で
さらに多くの細胞外小胞を体内に入れる事において
それらとの相互作用、
体内の細胞外小胞の総量が著しく増える事による
想定外も含めたデメリットはないか?
そうしたことも考慮する必要があります。
製造などの難しさもありますが、
原理的に免疫原性が低いと考えられる細胞外小胞であっても、
治療そのものの原理的な難しさがある可能性があります。
例えば、
細胞外小胞が著しく増えた事によって
逆に癌の成長を促してしまう可能性です。
それを潜在的に回避しようとしたときの
現時点で考えられる中心的な案は
「適切なドナー細胞(間葉系幹細胞など)の選定」
「精度の高い標的性」
「薬物封入効率」にあると考えます。
そうすれば、
細胞外小胞を入れる量を最小化できます。
--
もう一つの合理的な治療戦略としては
ナノ粒子などを介さずに
薬物そのものに標的性のあるタンパク質などを
複合体として結合させるということです。
これは、小胞などを含まず
構造としてはシンプルになります。
抗体薬物複合体の一般化と言えます。
タンパク質の連結については
効果的にそのドメインを見つける計算技術、
それによる実証が行われています(106)。
このような技術は
より広範な適用に貢献する可能性があります。
その場合、細胞外小胞でおそらく確認する必要がある
体内での小胞高密度による悪影響の評価は
軽減される可能性があります。
但し、
遊離型薬剤のタンパク質接合においては
多価の機能化、システム性機能化が難しくなります。
細胞外小胞やナノ粒子の場合は
全体として保有させる事ができる機能は
潜在的には多様であるからです。
その点がデメリットとしてあると思います。
なぜなら、
癌細胞は進化して、耐性を持つようになるからです。
その場合、多段的なシステム設計が必要になります。

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