通常、細胞内への取り込み、また細胞質へ浸透させる事は
細胞膜の変形、エンドサイトーシス、エンドソームからの排出、もしくは分解など
いくつかのプロセスが必要なため、一定のロスが生じて自然です。
薬物を細胞に作用させる時には
詳細には細胞内の細胞内小器官や遺伝子などに作用させる必要があります。
従って、そこまでの送達を考える必要があります。
細胞外小胞の内、エクソソームは利用するサイズに依りますが、
一般的には数千ダルトン(Da)程度の低分子量の薬剤の収納が好ましいとされています。
従って、ギャップ接合を通過できるような
千ダルトンを下回る低分子量薬剤の送達においても適しています。
細胞外小胞にコネキシンを発現させる事は可能であり(2)、
ギャップ接合のコネキシンは下述するように
半チャンネル構造が同種結合してチャンネルを形成するので
細胞外小胞の半チャンネルと細胞の半チャンネルを結合させる事で
結合時に細胞外小胞の内腔から細胞質への直接的なルートが形成され、
細胞外小胞内の薬剤を有効に細胞内に届ける事ができる可能性があります。
従って、細胞外小胞の設計においてコネキシンを装飾し
コネキシンを標的とする場合、
細胞外小胞に収納する薬剤はギャップ接合を通過できる
1,000Da以下の低分子量の薬剤である事が好ましいです。
例えば、Ezgi Ozdemir Takase(敬称略)らは
慢性的に多発的硬化症において星状膠細胞のコネキシン43が
新手の標的となることを報告しています(1)。
この時に例えば、細胞外小胞にコネキシン43を装飾させて
脳に送達させることを考えます。
1000Da以下の多発性硬化症の薬を調べると
免疫調整薬であるフィンゴリモド(307.47Da)、
同じく免疫調整薬であるジメチルフマル酸(144.13Da)などがあります。
コネキシン43そのものに作用させる事に加えて、
こうした高まった免疫を調整する低分子量の薬剤を同時に収納し、送達させる事で
より冗長なシステムによって多発的硬化症の治療が可能になるかもしれません。
--
細胞外小胞は脳への薬物送達の時に大きな障壁となる
血液脳関門(Blood brain barrier)を双方向に通過する事ができます(3)。
この双方向とは脳の実質から脳血管内への方向と、
脳血管から脳の実質への方向、両方へのトランスサイトーシスが可能であるという事です。
この通過機序の可視化は人のケースで出来ていないので
どの様に通過しているかは不明な部分はあると思いますが(3)、
原理的に考えると中枢神経系から生み出される細胞外小胞は
こうした血液脳関門を通過できる能力を高く獲得していると推測する事もできます。
なぜなら、細胞外小胞は細胞間のコミュニケーションに関わり(4)、
その伝達範囲は独立して区画化される実質内にとどまらず
循環器を通して他の領域まで届けられる可能性があるからです。
--
例えば、iPS細胞技術は患者さんの皮膚から細胞を採取し、
それを初期化して神経幹細胞、神経細胞、マイクログリア、星状膠細胞などに
分化させる事が可能です(5)。
iPS細胞から細胞外小胞が分泌される事はいくつかの報告で確認されています(6,7)。
従って、これらの性質を融合させて、
採取が難しい人、もしくは患者さんの遺伝子的形質を有した
神経系の細胞を培養し、そこから生み出される細胞外小胞を産生させることは
おそらく原理的に出来ると想定されます。
その時に、バイオエンジニアリングによって
ギャップ接合できる特定の細胞接着分子を細胞外小胞に装飾させ、
脳の病変部位に特異的に送達させることを考えます。
こうした送達キャリアは脳への薬物送達で大きな障害となる
血液脳関門を通過する能力をおそらく高く獲得している事から
送達効率を大きく下げる一つの要因をクリアすることができます。
例えば、精神疾患では組織が炎症しているケースがあります(8)。
精神疾患の一つである鬱(Depression)のメタ分析では
血液検査による比較解析で鬱の人は
物質を引き付ける性質があるケモカインCXCL7の濃度が
顕著に高まっていることが示されています。
(参考文献(9) Figure 3b)
これは血液分析なので全身で薄まった状態であり、
鬱に関連する脳の野では局所的にはもっと高まっている可能性があります。
したがって、このケモカインCXCL7を利用する事を仮に想定します。
例えば、このケモカインCXCL7に結合できるインテグリンの型は
インテグリンαⅡbβ3であると言われています(10)。
インテグリンは細胞外小胞に発現される代表的な細胞接着分子であり、
細胞外小胞に発現される代表的なたんぱく質であるテトラスパニンと複合体化し、
ケモカイン依存的にその結合活性を高める性質があります。
鬱でケモカイン濃度が高まっている状態で
インテグリンが活性度を高め、ケモカインと結合し、
その領域に強く引き付けられます。
その近接場で、今度はコネキシン同士が相互作用し、
最終的に炎症を呈する神経系の細胞に接合します。
接合した時にはコネキシンはチャンネル構造を持つので
細胞外小胞と神経系の細胞内に直接的なルートが生まれます。
そのルートは1000ダルトン(Da)以下の低分子量の物質しか通せませんから、
鬱に効果がある1000ダルトン(Da)以下の薬を適用します。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI)、
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRI)、
ノルアドレナリン・ドーパミン再取り込み阻害薬 (NDRI)、
三環系抗うつ薬 (TCA) などいくつかありますが、
細胞質内での薬の作用機序を正確に理解したうえで
1000ダルトン以下の低分子量の薬を適用することが好ましいです。
神経系は神経伝達物質やイオンなどの交換が盛んであり、
それらは1000ダルトン以下であることから、
ギャップ接合を形成する細胞接着分子が多く発現されていると
考えるのは合理的です(11)。
--
まとめると、Ezgi Ozdemir Takase(敬称略)らがコネキシン43自体が
多発的硬化症治療の有効な標的となりうるとされていますが、
こうした脳に発現されているギャップ接合は
物質を通過させる能力があるため、薬物の送達において利用価値が高いです。
iPS細胞初期化技術などを使い、
人由来の神経系の細胞から分泌された細胞外小胞を利用し、
それで血液脳関門を通過する能力を獲得させます。
細胞外小胞にはインテグリンとテトラスパニンを複合体化させた
タンパク質を装飾し、
さらにコネキシンなどギャップ接合を形成する細胞接着分子も装飾させます。
インテグリンとテトラスパニンによって
鬱に領域で顕著に高まると考えられるケモカイン依存的に
近接場まで細胞外小胞を送達させ、
最終的な細胞への接着はギャップ接合を利用します。
ギャップ接合を通過できる千ダルトン以下の
低分子量の適切な薬剤を選択、もしくは開発し、
それを細胞外小胞に内包します。
そもそも細胞外小胞はこうした低分子量の薬物しか収納できません。
その千ダルトン以下の低分子量の薬物は
送達の中で課題となる細胞内への侵入が
ギャップ接合によってより効率よく実現します。
こうした多段的なシステムによって
多発的硬化症や鬱などの精神疾患に対して
細胞種特異的薬物送達システム
それに加え、高効率細胞内送達システムが両立されます。
これを前段階としてマウスなどの動物で行う事も可能です。
このとき、脳の機能の正確な理解も可能になります。
こうした段階が想定通り進めば、
神経系、精神疾患に対する精密医療が実現される可能性があります。
これは同時に脳科学のより精密な理解、発展にも寄与します。
今までよりもエビデンスに基づいた
精神疾患、脳神経系の治療に将来的に貢献する可能性があります。
(参考文献)
(1)
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Scientific Reports volume 14, Article number: 10877 (2024)
(2)
Marta Varela-Eirín, Paula Carpintero-Fernández, Amanda Guitián-Caamaño, Adrián Varela-Vázquez, Alejandro García-Yuste, Agustín Sánchez-Temprano, Susana B. Bravo-López, José Yañez-Cabanas, Eduardo Fonseca, Raquel Largo, Ali Mobasheri, José Ramón Caeiro & María D. Mayán
Extracellular vesicles enriched in connexin 43 promote a senescent phenotype in bone and synovial cells contributing to osteoarthritis progression
Cell Death & Disease volume 13, Article number: 681 (2022)
(3)
Héctor M. Ramos-Zaldívar, Iva Polakovicova, Edison Salas-Huenuleo, Alejandro H. Corvalán, Marcelo J. Kogan, Claudia P. Yefi & Marcelo E. Andia
Extracellular vesicles through the blood–brain barrier: a review
Fluids and Barriers of the CNS volume 19, Article number: 60 (2022)
(4)
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Extracellular vesicles and intercellular communication in the central nervous system
FEBS Lett. 2021 May;595(10):1391-1410.
(5)
Hiroshi Oyama, Koji Takahashi, Yoshikazu Tanaka, Hiroshi Takemoto, Hisashi Haga
Long-term Culture of Human iPS Cell-derived Telencephalic Neuron Aggregates on Collagen Gel
Cell Structure and Function 2018 年 43 巻 1 号 p. 85-94
(6)
Bruno Aristides dos Santos Bronel, Edgar Maquigussa, Mirian Aparecida Boim & Antônio da Silva Novaes
Effect of extracellular vesicles derived from induced pluripotent stem cells on mesangial cells underwent a model of fibrosis in vitro
Scientific Reports volume 13, Article number: 15749 (2023)
(7)
Richard Jeske, BS,* Julie Bejoy, PhD,*† Mark Marzano, MS,* and Yan Li, PhD
Human Pluripotent Stem Cell-Derived Extracellular Vesicles: Characteristics and Applications
Tissue Eng Part B Rev. April 2020; 26(2): 129–144.
(8)
Sang Won Jeon 1, Ho-Kyoung Yoon 2, Yong-Ku Kim
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Adv Exp Med Bio. 2019:1192:491-501.
(9)
S P Leighton, L Nerurkar, R Krishnadas, C Johnman, G J Graham & J Cavanagh
Chemokines in depression in health and in inflammatory illness: a systematic review and meta-analysis
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(10)
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Antagonistic Roles of Human Platelet Integrin αIIbβ3 and Chemokines in Regulating Neutrophil Activation and Fate on Arterial Thrombi Under Flow
Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2023 Sep;43(9):1700-1712.
(11)
Ao Dong1,2,3*Simin Liu,Simin Liu1,2Yulong Li,,*Yulong Li1,2,3*
Gap Junctions in the Nervous System: Probing Functional Connections Using New Imaging Approaches
Front Cell Neurosci. 2018 Sep 19:12:320.
ギャップ接合、インテグリン-テトラスパニン装飾-人iPSC初期化技術利用神経系細胞由来細胞外小胞を利用した脳神経系細胞種特異的薬物送達システムによる脳神経系精密医療実現に向けた具体的提案
(要約)
半接着斑(Hemidesmosome)は複数のタンパク質の複合体からなる
膜貫通タンパク質複合体です。
この半接着斑により皮膚、消化器、呼吸器など多様な組織において
上皮細胞の基底と細胞外マトリックスから成る基底膜の
安定的な接着に関与します。
Gernot Walko(敬称略)らがfig.2にタイプⅠ半接着斑
の構造典型例を示します(1)。
基底上皮細胞と細胞外マトリックスの接着は
インテグリンα6β4とBPAG2が担い、
インテグリンα6β4に巻き付くようにCD151が形成されます。
インテグリンの細胞質側のCターミナルドメインに
複数のフィブロネクチンタイプⅢドメインアイソフォーム、
ABDドメインが結合し、
細胞内部から伸長してきたケラチン中間径フィラメントと
Cターミナルドメインを架橋するドメインとして
プレクチン1a(P1a)とBPAG1eが構成されます。
この半接着斑に発現されるインテグリンβ4鎖は
他のβ鎖と比較して細胞内のCターミナルドメインの分子量、長さは
大きい(>1,000 residue(1))とされています(4)。
このうちプレクチン1a2量体、BPAG1aが斑(Inner Plaque)を形成します。
斑(Inner Plaque)は高密度の層を示すので、
実際はDr.SamanthiがFigure 02に示すように(3)
多数の上述した構成要素が少なくとも斑を形成する物質が
互いに連結して多量体を形成して、並んで形成し、
上皮細胞の基底と基底膜における安定的な結合を実現しています。
しかし、どれだけの密度で存在するか?
少なくともそれについての情報にアクセスできていません。
(詳細内容)
中間径フィラメント(intermeidate fimament)は
細胞骨格を形成する繊維系の一つで
ミクロフィラメントと微小管の間の太さ、径をとります。
この中間径フィラメントの一つとして
ケラチン(Keratin)があります。これは上皮細胞内に発現されます。
Hyun Ji Kim(敬称略)らがFig.4に示すように(2)、
細胞核の周りを連結して取り囲み、
そこから放射状に側面、上面、下面に延長されます。
側面では細胞間の強い接合に関わる接着斑(デスモソーム)に連結し、
基底側では基底膜である細胞外マトリックスとの結合因子である
半接着斑(ヘミデスモソーム)に連結します。
このケラチンはストレスに対して強靭であり(1)、
上皮細胞にかかる応力に対する強靭性
あるいは上皮細胞の形状の維持に関わっていると考えられます。
標準的なタイプであるタイプⅠの半接着斑は
皮膚の表皮などに発現し、以下5つの主要な構成要素からなります。
〇Integrinα6β4
〇Plectin isoform 1a (P1a)
〇Tetraspanin CD151
〇Bullous pemphigoid antige (BPAG)1 isoform e (BPAG1e, also called BP230)
〇BPAG2(also called BP180 or type XVII collagen)
-
接着斑と同様に基底膜との結合は組織の健全性に関わるので
上皮-基底膜を形成する皮膚、角膜、気管、食道、歯、骨格筋など
様々な組織における異常に関わります。
上述した構成要素のタンパク質をコード化した遺伝子の異常によって
半接着斑の構造強靭性が崩れ、結果として
上述した上皮性の組織異常、それに伴う疾患に繋がります。
こうした異常は、構成されるたんぱく質のたった一つの異常が生じても
他の構造要素でその構造的異常を補償できず、
結果として組織異常を呈する可能性もあります。
しかし、組織異常の程度が当然、比較的軽いものから重度なものまで含まれます。
これは、異常のあるタンパク質の種類の数によって影響を受けるかもしれないし、
個別の遺伝子異常の種類によっても影響を受けるかもしれません。
一つの具体例としては
先天性の遺伝子異常であれば、
ほぼすべての細胞の半接着斑に異常がでるわけですから、
当然、組織異常の程度は重度になる可能性が上がります。
しかし、後天的なストレスで遺伝子異常が生じた場合には
それが一部であることが想定されることから
組織の回復機序もある事を考えると、
その程度は比較的軽くなるかもしれません。
--
半接着斑は「斑(plaque)」という定義が与えられている事から
接着斑と同様に盾のような斑な高密度領域が細胞内に2層形成されています。
細胞質側のInner Plaqueには、
中間フィラメントであるケラチンと結合性を持つ
〇Plectin isoform 1a (P1a)
〇Bullous pemphigoid antige (BPAG)1 isoform e (BPAG1e, also called BP230)
これらが(おそらく)多量体を形成して
細胞膜側に存在するOuter Plaqueとの架橋物質として存在します。
その外側の「斑」であるOuter Plaqueを構成する物質は
〇Integrinα6β4
〇Tetraspanin CD151
〇BPAG2(also called BP180 or type XVII collagen)
これらです。
--
主に上皮細胞側面の細胞同士の連結に関わる接着斑と同様に
上皮細胞基底で基底膜との接着に関わる半接着斑も
例えば、組織の創傷治癒の過程で
「固定性」から「移動性」に表現型スイッチ(Phenotype change)を
行う必要があります。
接着斑ではカドヘリンが細胞接着に関わっており、
その結合様式をCaイオン非依存性からCaイオン依存性の弱い結合に変更する事で
移動性の表現型を手に入れる事を実現します。
一方で、半接着斑は細胞と細胞外マトリックスの結合においては
細胞外マトリックスのRGDドメインに結合性を持つ
インテグリンが選択されます。
このインテグリン依存的な結合様式で移動性を手に入れる際には
動性に富んだ焦点接着(Focal contacts)が寄与します。
半接着斑の固定的な接合が構造の解体によって
少なくとも一部失われ、動性に富んだ焦点接着に基づく
結合様式を獲得することで
細胞は損傷を受けた部位、言い換えれば細胞が失われた部位に
細胞からなる組織を再形成するために移動することができます。
この焦点接着は異なるインテグリンの型が接合に関与します。
それがα3β1 and α2β1 です(4)。
従って、細胞質側で関与する細胞骨格も
半接着斑の中間径フィラメントのケラチンではなく、
タリンなどのそれよりも径の小さな細胞骨格が結合因子となります。
細胞骨格の径が大きく固定的であれば、
当然、それと結合する複合体の移動性も弱まります。
その移動はActo-myosin依存的なプロセスによるとされています(4)。
Corina Ciobanasu(敬称略)らがFigure 6で示すように(5)
元々複合体として存在しているアクチンとタリンが
マイオシン(Myosin)、ビンクリン(Vinculin)の関与によって
伸縮し、最終的に離脱することができます。
アクチンに焦点接着に関わるインテグリンが結合しているとすると
この離脱メカニズムは細胞膜上で焦点接着を形成する複合体が
移動する事を可能にします。
そうすると細胞膜に対する焦点接着の接着点が移動するため
対となる細胞に対して細胞の相対的な位置が変わります。
言い換えれば、「滑るように」動くことを可能にします。
これは細胞が動性を手に入れる上で重要な因子の一つであると想定されます。
このようなintegrinβ1あるいはβ3からなる
焦点接着システムは細胞膜上の移動だけではなく、
組織から離脱する上皮間葉転換(EMT)の形質を手に入れることもできます。
(参考文献(6) Fig.1)
この時、間葉形質を手に入れた細胞は遊離するだけではなく、
間質に存在する細胞外マトリックスとの相互作用を
インテグリン依存的に高め、それを移動の為の動線として
利用すると考えられます。
では、初めの半接着斑の構造解体はどのような信号によって駆動されるでしょうか?
創傷治癒の際には、炎症反応に誘導されて
一般的に創傷治癒に関与すると考えられている
自然免疫系のマクロファージが損傷部位近くに誘導されます。
このマクロファージはJoanna Kalucka(敬称略)らがFig.2に示すように(7)
それぞれ複数の成長因子、サイトカインを放出します。
これらの信号が上皮細胞の到達し、半接着斑の複合体の分解を促します(8)。
この解体ではインテグリンが細胞内構成要素であるプレクチンとの
結合性を失う事で半接着斑の複合体による機能を喪失します。
(参考文献(1) Fig.2)
--
半接着斑で細胞外マトリックスへの結合因子として
発現が広く見られるインテグリンβ4においては
中心神経系、末梢神経系においても
細胞外マトリックスへの結合因子として発現が観られることが
近年わかってきたとされています(9)。
冒頭の要約でも述べた様にインテグリンβ4は
細胞質側のCターミナルドメインが長いことが特徴で
以下、複数の結合ドメインを持ちます。
〇Membrane-proximal Na+ - Ca2+ (Calx-β) exchanger motif
〇Fibronectin type III (1,2,3,4)
一方で、インテグリンα6の細胞外の
Nターミナルドメインも長いとされています(1)。
この細胞外ドメインは
BP180、CD151からなる複合体を形成するタンパク質と
細胞外マトリックスの結合ドメインであるラミニン-322。
これらに対して結合サイトを有します。
--
BPAG2はインテグリンと並んで形成される半接着斑を形成する
膜貫通タンパク質でホモ3量体構造をとります。
BPAG2の細胞内ドメインは細胞膜側の「斑」(Outer plaque)に位置します。
このBPAG2はADAMタンパク質分解酵素により離脱しますが、
こうしたプロセスが具体的にどのような機能に関連するか
明確ではありません。
Gernot Walko(敬称略)らがFig.2に示すように(1)
BPAG2は細胞質側ではInner plaqueに位置する
プレクチン、BPAG1aそれぞれに対して結合サイトを持ちます。
一方で、細胞外ではインテグリンα6と
細胞外マトリックスの結合サイトであるラミニン-322と結合します。
--
接着斑の構成要素であるもう一つの膜貫通タンパク質は
テトラスパニンタンパク質に分類されるCD151です。
テトラスパニンはGernot Walko(敬称略)らがFig.2に示すように(1)
4回膜貫通タンパク質で細胞外に2つのループ構造を作り、
それぞれ大きなループと小さなループを形成し、
細胞内のNターミナルドメイン、C-ターミナルドメインは
低分子量で、短いとされています。
特にインテグリンの細胞接着分子としての機能の理解、
そのインテグリンの集団による強い結合を実現している半接着斑において
インテグリンと高い相互作用を持ち(複合体化し)、
インテグリンの機能に影響を与えていると考えられる
テトラスパニンの機能を詳しく理解する事は極めて重要です。
--
このCAMomeの結果の分析、理解に影響を与える、
今、私がコツコツ取り組んでいる
その構成要素となる接着様式、個別の細胞接着分子の詳細な情報整理の背景には
最終的に私に協力してくれる方は
高齢の方を含めた様々な疾患に適用してくれればいいという考えですが、
「私に関しては」子ども、若者の疾患への
この技術の臨床応用のため取り組んでいるという事があります。
少し、時間をとってお伝えします。
私のポリシーは「様々な面で力の弱い人に寄り添う事」です。
それは私自身も立場の弱い面もあるし、
そうした苦しみを過去味わってきた
現在味わっている事も関係します。
つまり、その立場の人の気持ちがわかるということです。
子どもは親の助けなしに生活する事が難しいですから、
当然、社会的な力を持っているわけではありません。
それは説明するまでもなく、自明な事です。
若者も含めて、医療を考えた時、
最先端の医療を受けるためにはある程度経済力、お金が必要です。
特に日本で承認されていない治療法を海外で受けるとなると顕著です。
一般的に若い子どもを持つ30代、40代の親の経済力は、
50代くらいの世代に比べて一般的に弱いです。
でも、子どもがかかる疾患は難しいものも含まれ、
場合によっては多額の治療の為の治療費が必要です。
子育ては、医療だけではなく、生活費、住居費、教育費など
様々な面でお金がかかります。
世界最先端の内科的医療が日本で受けられるという事と
それを提供する代表者、つまり私が
山中伸弥先生と同じように「当たり前の医療」にすべく
金儲けのためではなく、如何に安く提供するか。
それについて真剣に考えている事は極めて重要です。
私がいま取り組んでいる事は
世界最先端のボストン、マサチューセッツのレベルで見ても
引けをとらない、あるいは上回っているものですから(12)、
その医療技術の社会実装、臨床応用において
日本の子ども、若い人の治療のために
「少なくとも私が注力すること」は
様々な観点で大きな意義がある事です。
この技術を世界に広める事ができれば、
それは結果として、
日本の子ども、若い人への医療環境をより良くすることができます。
日本の子どもは一般的には健康度が高いので、
少数の難しい疾患を持つ子どもに対して医療を届ける事は
経済的に難しさがあります。
なぜなら、顧客が少ない割には
研究開発から臨床応用まで、
また臨床応用が実現してもそれを持続的に提供するのにかかる
費用は膨大で、決して「儲からない」からです。
こうした取り組みには当然、企業の力も必要ですが、
企業は株主がいて営利団体ですから、
利益を上げる事が最大の使命です。
従って、「儲からない」とわかっている事業に取り組む
企業は少なくともマイノリティーです。
さらに、こうした取り組みにおいて
私は日本の政府の補助金をあまり当てにはしていません。
私は政治家ではないですから
日本全体の利益を考えているわけではなく、
自分の歴史、好みに従って、
北海道、宮城、静岡、石川、愛知、
滋賀、三重、奈良、和歌山、大阪、京都
兵庫、広島、福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島。
これらの地域の利益のために動くことを決めたからです。
この選択に現時点でも変更はありません。
しかし、この技術は生物全体に関わる事ですから、
波及効果は医療だけではありません。
そうした一つの「将来の産業」を
これらの地域に制限する事は私はどうしてもできません。
日本に制限することもできません。
しかし、「オールジャパン」という境界を設けるのは、
日本人は基本的に良い事にも、悪いことにも従う気質があるからです。
一番誰を信用できるかというのは「自分自身」です。
自分が何を考えているかの本音は当然、自分自身は知っているからです。
自分のポリシーに従ってくれるのは
同じ国民でもあることから日本人であるという事です。
例えば、私の内科的医療が20年後に実現したとします。
その時にこの医療を日本だけのものにするつもりはありません。
特に日本よりも経済レベルが低い国の人たちに対して
日本は現在のアメリカのように法外な料金を取らないという事です。
こうした「舵切りの権利」を担保するために、
あまり初期の段階から
外国の資本を入れたくないというのが本音であります。
外国の資金を集めることを完全に除外するものではありませんが、
それは私の中では「最後の手段」です。
どうしてもお金が集まらないとなった時に考えます。
もし、私の取り組みが影響力が大きいとすれば、
日本政府としてやらないといけない事は
こうした地域以外の地域のために資源を投資することです。
基本的に私が上述した地域に力を入れる事に変更はないので、
私の取り組みが経済産業に大きな影響を与えると
現実的になった段階で、国としては
補償的に他の地域を支えるという事は当然だからです。
私の取り組みは結果として成功すれば、
政府の政策の負担を少し減らすものになります。
iPS細胞技術も潜在的な力が非常に高いので
今、政府からの補助金は顕著に減らされています。
これは言い換えれば、
「あなた達なら自分たちでなんとかできるやろ」
という高い評価の裏返しでもあります。
私の技術もおそらくそうなります。
確かに政府から頂く助成金をできるだけ少なくしようと
努力はしますが、逆に政府の補助金をもらわない事は逃げです。
国民の利益に間違いなくなるわけですから、
それに対して政府にちゃんと責任を果たしてもらう。
私もその結果に対して責任を負うということです。
従って、私のしようとしていることは
ある種「無数の針の穴に糸を通すような」難しい事です。
私の側近に就く人は、そうした難しいことを
エキサイティングに楽しんでやろうということです。
細胞外小胞は一般的には診断に使われ、
それが主流であり、それを薬物送達キャリアとして使う事は
製造管理などを含めて考えると極めて難しいです。
それでも私はあえて細胞外小胞を選択します。
それは体、もっといえば生物の中に
自然にあるものを使いたいというのもあります。
人工的に合成するナノ粒子に比べて
細胞外小胞は非常に複雑で、色んな物質が混在していますから
個別の物質を丁寧に紐解いていく必要があります。
テトラスパニンは私が調べる限り、
まだわかっていない事も多くあるだろうと思います。
細胞外小胞に関しては
例えば、テトラスパニンと細胞膜タンパク質の複合体は
細胞外小胞が細胞内でRNAなどを含めて
どういった物質を取り込むかにも関わっていますが、
それはヒューリスティックな(短絡的な)理解であり、
具体的にそのような複合体化が
どういった動的機序を誘導し、
物質の仕分けに貢献しているかの
詳細な物理プロセスはわかっていません。
しかし、こうしたことを細かく理解しないと、
細胞外小胞を使った医療を実現する事は難しいです。
テトラスパニンの関しては
いずれ詳しく調査する事は決定しています。
--
こうした背景があり、テトラスパニンの機能は重要です。
テトラスパニンは多くの(少なくとも8か所)のシステイン残基があります。
(参考文献(10) Figure 2)
システイン残基はイオン性の高い硫酸基を有するため(11)、
正電荷の金属イオンやタンパク質を強く
多くの箇所で誘導する事ができます。
従って、接着斑においてテトラスパニンCD151が
インテグリンα6β4と複合体化する事は
細胞内から分泌された、あるいは細胞外に存在する
金属、タンパク質などを含めた様々な物質を
接合に関わるインテグリン近くに誘導する機能を与えます。
従って、テトラスパニンは
一つとしては環境のシグナルを拾って
接着斑の機能に影響を与えるような機能があると想定できます。
テトラスパニンは4回膜貫通構造で
細胞外に大小のループ構造を持ちます。
その大きなループの方はインテグリンのα鎖、
半接着斑の場合にはα6と相互作用します。
--
テトラスパニンCD151は半接着斑の前駆状態(pre-hemidesmosome)において
重要な役割を果たします。
別の表現で言い換えれば、
テトラスパニンCD151は半接着斑の形成過程に関わっています。
半接着斑は焦点接着(focal adhesion)と密接な関わりがあります。
前述したように人の皮膚などの上皮組織は
外部の刺激、ストレスによって損傷を受けるリスクがあり、
損傷を受けた場合に組織を治癒する能力を有しています。
組織が損傷を受けるとは細胞分布の観点で言い換えれば、
損傷部位の細胞の消失ですから、
その損傷を回復させるためには
再びその部分に細胞を供給する必要があります。
その為には分化、増殖、移動、定着、組織形成が必要になります。
少なくとも移動の為には
元々、上皮組織が持つ接着斑と半接着斑の
結合状態を解消する必要があります。
接着斑ではカドヘリン依存的な結合様式の為
カドヘリンの接着様式を弱い形に変えるような
シグナル伝達が惹起されます。
一方で、半接着斑の場合には
インテグリン依存的な結合様式であり、
焦点接着に切り替えて
言い換えれば、インテグリンの型を変えて移動性を獲得します。
従って、細胞の基底、細胞膜の間の接着においては
半接着斑と焦点接着はセットで考える必要があります。
常にそれらのバランスが必要に応じて取られているという事です。
半接着斑の形成には焦点接着が密接に関わっています。
焦点接着はではインテグリンα3β1が関わっていますが、
このインテグリンもテトラスパニンCD151と複合体化します。
半接着斑形成が駆動されるときには
インテグリンα6β4がこの複合体構造に取り込まれ、
インテグリンα3β1を引き離します。
そうしてインテグインα6β4とテトラスパニンCD151が
複合体化し、テトラスパニンの存在によって
これらの複合体構造は構造として安定的になります(13)。
--
生物、人の身体を構成する細胞種は人の場合、270種類あると言われています。
従って、細胞種特異的薬物送達システムを
人で完璧に確立する場合には
270種類の細胞種全てで特異的な送達を実現しなければなりません。
それぞれの細胞種は根本的には
細胞を構成する設計図である遺伝子的な特質の違いによって
一つとして定義されます。
見た目としては形の異なるものも存在します。
例えば、神経細胞、マイクログリア、星状膠細胞、
線維芽細胞、筋細胞、
上皮細胞、糸球体上皮細胞、内皮細胞、樹状細胞など
様々な細胞種において独特な形があります。
その形を支えるのが細胞骨格であり、
その中で細胞核から無数に延伸される
中間径フィラメントがどのように伸びるかは
細胞の形を決めますから、
上述した細胞種で個別の制御システムが存在するはずです。
(参考文献(14) Figure 1)
その個別の制御システムに影響を与えるのが
中間径フィラメントネットワーク(IF networks)の一つである
プレクチン(plectin)の種類です。
プレクチンは変異を含めると
少なくとも67種類の構造を取ることができます。
(参考文献(15) Fig.1c)
これらそれぞれが独自の様式で、
中間径フィラメントと結合し、
細胞膜に発現される細胞接着分子の細胞内ドメインと
架橋する事で細胞の形の決定因子となります。
上皮細胞の半接着斑における
中間径フィラメントとインテグリンの架橋因子としての
機能を持つプレクチンのアイソフォームはプレクチン1aです。
従って、このプレクチン1aは
上皮細胞の形、堅牢性を決めるうえで
非常に重要な結合因子であるという事が言えます。
プレクチンの構造は大きく分けて
〇N-terminal domain
〇Central coiled-coil rod domain
〇C-terminal globular domain
これら3つがあります。
このうち両端部に当たる
N-terminal domainとC-terminal globular domainは
多くの結合部位を持ち、
接着斑、半接着斑、密着接合、焦点接着、
神経筋接合、微細線維、中間径フィラメント、
微小管、中心体、RNA、細胞核、細胞膜、
プラキン、信号伝達受容体、プロテアソーム、
アポトーシス信号伝達物など
多くの細胞内構成物質と結合することができます。
(参考文献(15) Fig.1d, Fig.2)
遺伝子的変異を含めて67種類の構造を取ることができる事は
こうした様々な物質との接合を個別に構築できる事と
関連しているかもしれません。
従って、プレクチンの遺伝子発現の異常は
皮膚などの上皮組織の疾患だけではなく、
神経系、筋組織系、免疫系など
多くの細胞種の疾患と根本的に関連するものです。
遺伝子的な異常を考える時には
それが生殖細胞系列に異常か、体細胞変異であるか?
それらを考慮することが大切です。
胚形成から様々な細胞種に分化する過程で
それぞれの細胞種の形を含めた形質を獲得していきます。
その中でプレクチンで言えば、
その形にあったプレクチン遺伝子の発現が惹起されると考えらえます。
そうした時に、非常に初期の時点で
プレクチン遺伝子に異常がある場合には、
そこから分化した細胞種の多くのプレクチンに異常がでる
という事も考えられます。
従って、胚細胞、iPS細胞など初期の時点でのプレクチン遺伝子、
あるいはその異常を見る事はおそらく大切になります。
--
このプレクチンはGernot Walko(敬称略)らがFig.3で示すように(1)
中央のCentral coiled-coil rod domainで同種結合することができ
多量体化することができます。
それによって例えば、半接着斑の場合には
数は定義できませんが多くのインテグリンが束となり
その結合強度を支える必要がありますが
その巨大な複合体の安定性を一つとして支えるのが
このプレクチンの多量体で、ホモ接合できる形質です。
--
プレクチンと並列してインテグリンのCターミナルと
中間径フィラメントを繋ぐ架橋因子として機能するのが、
Bullous pemphigoid antigen 1(BPAG1)です。
このBPAG1は4つのアイソフォームを取ることができます。
BPAG1a, BPAG1b, BPAG1e, BPAG1n。
神経系ではBPAG1a, BPAG1n
筋肉系ではBPAG1b
この上皮細胞を含む表皮ではBPAG1e
これらのアイソフォームが一般的に選択されます(1)。
半接着斑の細胞内接合因子として働く
BPAG1eはプレクチンと非常に似た構造を取ります。
この事はもしプレクチンに異常が出た時に、
このBPAG1eは補償的に正常な機能を支える事ができるか?
つまり、これは一つの身体の冗長的なシステムであるか?
そうした観点が生じます。
--
半接着斑は大きな構成要素として
〇Integrinα6β4
〇Plectin isoform 1a (P1a)
〇Tetraspanin CD151
〇Bullous pemphigoid antige (BPAG)1 isoform e (BPAG1e, also called BP230)
〇BPAG2(also called BP180 or type XVII collagen)
これらを含み、その形成過程において
テトラスパニンCD151との複合体化における
焦点接合に関わるインテグリンα3β1と
半接着斑に関わるインテグリンα6β4の交換が生じると考えられています。
焦点接合では細胞内の構成要素に着目すると、
半接着斑の構成要素とは大きく異なります。
従って、おそらくこうしたインテグリンの細胞外での交換は
半接着斑の「形成初期過程」に関わるものと考えました。
下述しますが、半接着斑の形成過程は
上述した5つの構成要素の結合が複雑に絡み合って生じます。
確かに、焦点接合において最初に細胞内の構成要素が
半接着斑の細胞内の構成要素に変わってから、
細胞外でインテグリンの交換が生じ、半接着斑が完成する可能性もありますが、
おそらく、そうではなく、
初めに細胞外でインテグリンの交換が生じて、
焦点接合の細胞内の構成要素が切断されてから、
P1a、BPAG1、BPAG、あるいはそれに連結する中間径フィラメントとの結合が生じる
と仮説を立てました。
その細胞内の半接着斑の形成過程の詳細は以下になります。
ここからの説明にはおいては
Gernot Walko(敬称略)らが
半接着斑の上述した5つの構成要素がどのように連結しているかを
描写したFig.2を参照しながら進めます(1)。
インテグリンα鎖(α6)と結合し、細胞膜を貫通するBPAG2は
プレクチンと結合するだけではなくBPAG1eとも結合します。
Gernot Walko(敬称略)らの描写では
プレクチンとBPAG1eとがちょうど交差するところに結合点を持ちます。
もし、そうであれば、少なくともBPAG2のC-ターミナルのガイダンスの
位置制御は精巧にする必要があります。
ここから少し事実が複雑になりますが、
私、読者が理解しやすいように付加的な図を参照しながら丁寧に説明します。
Gernot Walko(敬称略)らが示すFig.2を詳細に見ると(1)、
BPAG2は確かに「細胞外では」インテグリンα6と結合しますが、
「細胞内では」インテグリンβ4のCターミナルのフィブロネクチン(Fn)と結合します。
Rachel L Stewart(敬称略)がインテグリンα6β4の
細胞内の構造(Cターミナル)をFigure 1に明確に示しています(16)。
それを観ると細胞内のC-ターミナルの分子量は
インテグリンβ鎖のほうが圧倒的に大きく
つまり、構造として長く、順に4つのフィブロネクチンからなるドメインを持ちます。
Gernot Walko(敬称略)らはこのフィブロネクチンの位置において
他の構成要素との結合状態を考慮し、Fig.2により正確に描写しています(1)。
Gernot Walko(敬称略)らのFig.2からは(1)
このインテグリンβ4の細胞内の構造であるC-ターミナルにおいて
BPAG2がCターミナルを構成するドメインの4つのフィブロネクチンの内
どのフィブロネクチンと結合しているかは明らかではありませんが、
Jan Koster(敬称略)らがアブストラクトに示した科学的事実によると、
4番目のフィブロネクチン、すなわちFnⅢ-4と結合しているとされています(17)。
BPAG1e(BP230)は前述したように
上皮細胞の形状や機械的特性を支持する中間径フィラメントとの
架橋因子としてプレクチンと並列的に機能します。
BPAG1eはプレクチンの類似した構造を持ちます。
このBPAG1eがプレクチンに対して補償的に機能する可能性についても指摘しました。
すなわち、プレクチンに構造的な変異が入っても、
致命的な機能喪失にはならず、
このBPAG1eが架橋因子としてある程度補償する可能性があるという事です。
しかし、そうした科学的事実はありません。
BPAG2は細胞外でインテグリンα6、
細胞内でプレクチン、BPAG1e、インテグリンβ4(FnⅢ-4)と
多くの構造上重要な接点を持つ事から
接着斑の形成、構造の安定性の鍵になっている物質であることは間違いないですが、
形成過程によるガイダンスの主従関係が明らかではありません。
Jan Koster(敬称略)らのアブストラクトの一部をそのまま引用します(17)。
上述した記載を含めて、読者ならどのように解釈されるでしょうか?
「Cell-transfection studies showed that the localization of BP230
into hemidesmosome-like structures depends on its Z-Y subdomains
as well as on the availability of BP180.」
ここで重要なのは「localization of BP230 」という記載です。
すなわち、BP230(BPAG1e)の局在化、
つまり位置制御はBPAG2(BP180)の利用性によって依存するという事です。
ここから、それぞれの構成要素のガイダンスの主従関係が推定できます。
BPAG2が利用性、つまり、そこに存在する事によって
BPAG1eの位置が決まるということです。
Z-YサブドメインはおそらくBP230に修飾されているので
BP230の構造の中のドメインであると推定されます。
半接着斑の形成過程を想像するにあたり、
細胞骨格の一つである中間径フィラメントを含め
6つの構成要素が特異的な結合部位もって複合体を形成しているわけですから
それぞれの物質の動的機序、ガイダンスを考える必要性があります。
その主従関係とは、どちらが主に誘導しているか?
それを考える事です。
上の英語の引用文を信用すると、
BP230の局在化はBP180の利用性に依存するわけですから
BP180が「主」で、BP230が「従」であることをうかがい知ることができます。
もう1つは「Localization」局在化とは
その物質が特定の領域に集まることですから、
当然、一つではないという事です。
接着斑の構造において上述した5つの構成要素は1つにすぎず、
それらの集合体、言いかえれば膨大な多量体化によって形成されます。
従って、それぞれの構成要素は少なくとも集まる、局在化する必要があります。
--
タイプ2の接着斑では
このBPAG1eとBPAG2が存在しないとされています。
この事から当然、タイプ2の接着斑はタイプ1に比べて
構造的に脆弱であると推定できます。
タイプ2は小腸の上皮細胞に発現されているとされています。
タイプ1は表皮ですから、
表皮の半接着斑の構造は小腸の半接着斑の構造よりも安定で強いと言えます。
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生物、人の身体というのは驚くほど
うまくできていると感じる事はないでしょうか?
少し巨視的でこの記事の内容と比べると荒い観点になりますが、
例えば、ある特定の日に
夜に何か興奮する出来事があって、
眠れなくて、睡眠不足で翌日、学校や仕事に行くことがあります。
でも、健康な状態であれば、
次の日には驚くほどよく眠れたりもするし、
そうではなくても翌日、学校や仕事の昼休みの時に
ほんの30分程度、昼寝するだけで回復したりします。
過去、異常気象や食糧不足など
様々な環境的な困難に打ち勝ってきた遺伝子が
現在繁栄している人や生物に刻印されています。
神経細胞や心臓の細胞がなぜ、再生能力が極めて低くて、
肝臓、皮膚、爪、毛などが再生能力が高いのか?
それには人の健康、もっといえば生命維持において
重要な意義があるかもしれません。
例えば、神経細胞は容易に増えると、
人の運動、感覚、感情、知的能力に
重篤な問題が出るからかもしれません。
ある程度、早い時期にピークにしておいて
細胞数をそこから減らしながら
一定数の神経細胞で可塑的にネットワーク構造を
連結、刈取りしながら構築しておく方が
人の運動、感覚、感情、知的能力を保持する、高めるうえで
都合が良いのかもしれません。
実際に成熟した神経細胞はすでにシナプス同士繋がっていますから
そこから細胞分裂すると軸索、シナプスを含めてどうなる?
このような問題が生じます。
但し、脳腫瘍などによって一部、重篤な損傷を負って
神経組織の空洞がある場合には
その領域において、神経細胞を再生させる事は
失われた人の能力を回復させるうえでメリットを持つかもしれません。
心筋細胞も同様に再生能力は極めて低いです。
進化の過程でそのような選択性を得た理由は
神経細胞の推論と共に仮説の域を出ません。
その仮説は、心筋細胞が容易に増えると
心房、心室が狭窄するからかもしれません。
心臓の心房、心室の狭窄は命に関わるため、
進化の過程で、心臓の心筋細胞が容易に変わるような
人の進化に密接に関わる心臓を持つ種、個体は淘汰された可能性があります。
一方で、大阪大学を中心に臨床応用が進められている
iPS細胞による心筋シートを劣化した心筋領域に貼り付けることは
患者さんの心臓の機能の回復に貢献しています。
これは、進化の中の選択性を超えた
現在の医療技術による革新です。臓器移植も同様です。
同じように神経系が損傷によって局所的に著しく減少している領域において
心筋シートと同じようにiPS細胞によって
神経系を人工的に構築して、その領域において連結形成の核を埋め込むと
同じように患者さんの脳神経における
失われた能力の回復においてメリットをもたらすか?
それについても関心が生じます。
前述した心筋細胞が再生されにくいことが
心筋組織の不安定性による心臓の肥大に関与し、
その肥大によって生じうる心室や心房の狭窄が
生命維持に顕著なデメリットをもたらす事に関与する。
そうした形質が進化の過程で淘汰されたという仮説を
一部裏付ける証拠として、
同じ血管である冠動脈と毛細血管では
その管の部分にあたる内皮細胞の再生能力は
一般的に毛細血管の方が高いと言われています。
冠動脈が容易に変化すると命に関わるからです。
従って、冠動脈に異常が出る傾向にある川崎病は
再生が生じにくいので冠動脈病変を最小化する事が重要です。
非常に長い年月をかけておおよそ環境に適応できるように
改善されてきた生物、人のシステムを
上述した観点も含めて理解すると
生物や人の病気についても理解が深まるかもしれません。
こうした適応とも考えられるシステムは
細胞接着分子、その結合様式の選択にも見られます。
この記事で述べる接着斑、デスモソームは
非常に強い結合能力を持ちます。
こうした非常に強い結合能力を持つ接着斑は
一般的には生命維持、活動の中で
機械的、力学的に強いストレスがかかる部位に存在します。
例えば、皮膚(1)、心臓(1)、骨格筋(2)などです。
皮膚は当然、身体の動きによって伸び縮みする必要があります。
心臓は形成されてから死ぬまで休むことなく動き続ける必要があります。
骨格筋は運動の際に大きく伸縮する必要があります。
その動性の中で組織を形成する細胞間の接合が容易に剥離されると
容易に組織が破壊されてしまう事になります。
そうならないように強い接着斑に分類される結合様式が存在します。
あまり知られていないことかもしれませんが、
接着斑の構造強度の異常は自己免疫疾患とも関連があります(1)。
これは容易に組織が破壊される事と
その創傷のために免疫機能が高まりやすい事と関連があるかもしれません。
接着斑の接合の強さの一つの因子は
関与する細胞接着分子の密度にあります。
しかしながら、植物に根がないと構造的な強さは生まれないように
細胞接着分子を支える根の部分の強度も重要になります。
(このような全体的な構造を
「The desmosome-intermediate filament complex」と呼びます(1)。
デスモソームは細胞内外の細胞接着分子を結合様式を示し、
仲介するフィラメント構造はその細胞接着分子を細胞質側から支持する
繊維状の高分子構造であり、
その複合体に対して上述した呼称を与えています。)
従って、
接着斑を形成する細胞接着分子の
細胞質側のドメインに結合する
細胞骨格を含めた繊維状の高分子はその密度が高いか
同じ固定接合である接着接合の
細胞質側の支持システムに比べて
少ない細胞接着分子に限定して
1つの繊維状の高分子が形成されているかもしれません。
少なくともDavid Garrod(敬称略)がFig.1, Fig.4に描写している
フィラメントの構造を見ると、
このフィラメントは
接着接合の細胞質側のドメインに結合する
アクチンのように
細胞接着分子の着脱に関与する力学的ストレスのベクトル
垂直に近い形で形成されるのではなく、
(参考文献(3) Figure 4a 3)
一致する方向に延びて独立して形成されています。
これは細胞接着分子に対して引っ張り応力が働いたときに
そのベクトルと一致する方向に繊維を伸ばし固定している方が
構造的に強い根として機能するからかもしれません。
この観点で、言い換えれば、
接着斑の高い構造強度においては
単に細胞接着分子の高い密度だけではなく、
細胞内の細胞骨格(フィラメントを含む)の支持する構造の
密度、及び方向が関与していると考えられます。
興味深いことに接着斑の高い構造強度を生む機序は
構造分子生物学的な機序もあります。
接着結合に関わる結合部位は
構造の3次元的配置、つまり配座を変えることができます。
カドヘリンなどはカルシウムイオンを結合部位に有していますが、
そのカルシウムがキレート化することで
機械的ストレスに対する堅牢性を実現しています。
このキレート化とはQi Guang Wang(敬称略)らが
FIGURE 3で示すように
カルシウムイオンを有する高分子構造が凝集し
結果としてカルシウムイオンが局在化し
その局在化した領域においてカルシウムイオン濃度が高まることです(5)。
逆に言えば、それ以外の領域のカルシウムイオン濃度は顕著に低下します。
キレート化というのは特定のイオンの局在化ですから
当然、その自由エネルギーの変化はエントロピーの変化によります。
その配座の変化にはキレーターとなる仲介物質が存在します。
このキレーターはカドヘリンからカルシウムイオンを引き離す効果があり、
結果としてカドヘリンの結合力に関与するカルシウムイオンが失われます。
そうするとカドヘリンは
構造的により柔軟になります(8)。
カドヘリンはカルシウム依存的な同種結合様式を有し、
カルシウムイオンはカドヘリンの構造の安定性を高める効果があります。
その構造が柔軟、言い換えれば、不安定になることで
カドヘリンの結合能力は失われます。
結果としてカドヘリンは細胞膜上での独立した膜タンパク質としての寿命が高まり、
それが結果として、カドヘリンのクラスタリング確率を高めると考えられます。
カドヘリンがクラスタリングをすると
今度は、構造的により安定になり、多くの結合サイトを持つ事になるので
一旦、失われた結合性を超える高い結合性を手に入れることになります。
但し、こうした推論には部分的に実証が必要な事も含まれます。
上述した接着斑の結合強度を支える複合体構造は
細胞接着分子、2つのリンカー、フィラメント構造からなります。
2つのリンカーはPlakophilin, Desmoplakinからなります。
これらのいずれの構造において
遺伝子変異などの異常が生じると
その強度を必要とする皮膚などの形成において
先天的な遺伝子変異の場合には
生まれる前の組織形成の段階で重篤な異常が生じてしまいます(1)。
--
上述したように接着斑(デスモソーム)が観られる部位の一つは皮膚です。
皮膚の表皮を形成するケラチノサイト(角化細胞)は
表皮を構成する細胞の90%を占めるといわれています。
このケラチノサイトには接着斑が発現されています(6)。
上述したように接着斑はカドヘリンなどの密度を高め、
組織を形成するための細胞接着における高い強度を実現しますが、
当然、それは負の側面として細胞の移動性を制限することになります(1)。
皮膚は確かに機械的ストレスに対して強靭性を持つ必要がありますが、
擦り傷、切り傷などの外傷を負うリスクは
身体の表層にあるため高いことは自明で、
それは常識として認識されている事です。
外傷を負った時にもちろんその程度に依りますが、
ほとんどの場合、その傷口は塞がります。
重度の場合は傷跡が残りますが、
それ以外の中程度以下の場合は、
ほぼ、元通りの連続的で継ぎ目ない組織として再生されます。
擦り傷や切り傷が細胞レベルのミクロで見た時にどうなっているか?
外傷のストレスによって組織が削られるわけですから、
それは細胞、それの集まりである組織が部分的に消失する事を意味します。
Britt ter Horst(敬称略)らがFig.3に示すように
角化細胞に分類される皮膚表層に存在するいくつかの細胞種は
その外傷によって失われ、幾何学的には凹部を形成します(7)。
それを埋めるためには、
当然、周囲に存在する角化細胞が細胞数を増やし、つまり増殖し、
数を増やした細胞がその凹部を埋めるために移動する必要があります。
その時に高い強度を持つ接着斑の機能は障害になります。
一般的に接着斑を形成する角化細胞の移動性を高めるためには、
接着斑の接合強度を弱めるような機序が必要になります。
上述したように接着斑はカルシウムイオンがキレーターによって
あるいは環境内のカルシウムイオン濃度が低下する事で
カドヘリンなどの構成要素となる
細胞接着分子から奪われることで個体として接着性を一旦失い
その接着機能喪失がクラスタリング機会を与え、
それによって今度は独立した状態よりも結合強度が高まります。
少なくともデスモソーム性カドヘリンの
カルシウムイオン非依存的な結合性は
高い接着強度を生むとされています(1)。
これは上述したようにカドヘリンのクラスタリングによって
高い結合強度を生むとされています(9-11)。
特に移動性が必要な傷口との境界に位置するWound edgeの
角化細胞のデスモソーム性の結合強度を弱めるためには
高い接合強度を生むカドヘリンのクラスタリングを解消させる必要があります。
その為にはカドヘリン同士の柔軟な相互作用を減らすために
再び、カルシウムイオンの挿入によって
カドヘリンの構造の硬直性、安定性を高める必要があります。
Protein kinase C(PKC)はデスモソームの接着強度に影響を与え、
その接合におけるカルシウム依存性に関与します(12)。
このPKCがどのような機序でカドヘリンなどに
再び、カルシウム依存性の結合様式を与えるか?
より具体的にはキレーターによって失われた
カルシウムイオンを再び、
構造内にどのようにインターカレーションさせるか?
そのような分子動力学的機序は明らかではありませんが、
このPKCは細胞内のカルシウムイオンを高める効果があります(13)。
角化細胞でPKC経路が高まる要因はいくつかあります。
損傷を負ったときには組織の回復のための成長因子が放出されます(14)。
その成長因子はPKC経路を誘導します(15,16)。
また、損傷に応じて免疫細胞が誘導されますが、
その免疫細胞から放出されるサイトカインもPKC経路を誘導し、
角化細胞内のカルシウム濃度上昇に関与する可能性もあります。
このように損傷を負った部分で成長因子が駆動し、
PKC経路を通じてカルシウムイオンチャンネルに作用し、
細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇させ、
一つの機能としてカドヘリンの接着強度を弱める事で
細胞の移動性を高めます。
それにより損傷部で失われた組織が
角化細胞の増殖、移動によって補完されると考えられます。
こうしたカルシウムイオン依存的な細胞の移動性の獲得は
アクトミオシンを基礎とした収縮運動、
細胞骨格であるアクチンの運動、
基底との相互作用の制御など様々な機序によって生じることは
他方で知られています(17)。
上述したことを総合的に考慮すると
細胞種特異的薬物送達システムで
キャリアとなる細胞外小胞の標的部位との結合性を考える際、
その標的部位の細胞種のカルシウムイオンの濃度、
それを制御するカルシウムイオンチャンネルの開閉に関わる
様々な信号経路を誘発する因子を整理する事は重要になります。
--
接着斑を形成する代表的な細胞接着分子の一つであるカドヘリンは
1,5000個/μm^2以上の密度がある場合があり、
それらは3次元的に整列しており、
その平均的な距離はわずか7.5nmであるとされています(19)。
その構造の中に密度の高い電子構造が存在します。
一方で、皮膚、心臓、骨格筋、
あるいは皮膚組織を含む上皮細胞の高い連結性、バリア性に関わります。
その細胞間の距離はおおよそ20-35nmであるとされています(18)。
上述したように接着斑は
その接合においてカルシウム非依存的であることが通常で
David R. Garrod(敬称略)らがFig.1CのTEM像に示すように(19)、
「人の健康な歯並びのような」密で整列された構造をとります。
その部分はMidline構造と呼ばれます。
しかし、創傷治癒など細胞の移動性が求められる場合には
PKC信号など細胞内から細胞外へのシグナル伝達により
カドヘリンは通常の接着接合と同様のカルシウム依存的な結合様式を取り、
結果としてFig.1D,E,F(19)のように
細胞間の細胞接着分子の構造にムラが生じ、
その細胞間の距離は短くなります。
これは接着斑のMidline構造が喪失されると定義されます(1)。
このようなカルシウム非依存的な結合性を持つ接着斑は
カルシウムを構造から奪うキレーターであるEGTAに対して
抵抗性を持つとされています。
このことから少なくともクラスタリングが生じるような
カルシウム非依存的な構造では
Caイオンが構造内に安定して存在するようになります。
カドヘリンはDagmar Fichtner(敬称略)らがFigure.1に示すように
複数のECドメインを持ちます。
そのECドメインは先端側から順にEC1,EC2,EC3と番号が与えられます。
通常の細胞間の接合を結合では
カドヘリン同士の同種結合ですが、
クラスタリングを差別化するために「Trans」と表現されます。
このトランス結合は先端のEC1同士の結合に依ります(20)。
一方でクラスタリングはEC2,EC3が関与します。
少なくともキレーターに対して抵抗性を持つ
カルシウム非依存的な結合様式をもつ構造では、
EC1ドメイン同士のトランス結合が
カルシウム非依存的な様式となっています。
(参考文献(19) Fig.6A)
--
ここで少し脱線した話となります。
関心のない人は次の節まで飛ばして読んでください。
日本人は基本的に英語力が他の先進国に比べて低いです。
私も基本的に日常英会話は苦手です。
コミュニケーションに支障が出るレベルです。
科学的な情報は特に英語で共通化されていますから、
英語力が低いことは非常に危惧すべきことですが、
実はそれは一つの偏った見方にすぎません。
日本の教育レベルは世界の先進国、G7に比べて低いわけではありません。
では、なぜ英語ができないか?
それは大学、大学院、研究者レベルに至るまで
高度な教育、情報において日本語で学べるからです。
基本的に日本人は高度成長期の時代から
豊かな生活を支える様々な側面で
「英語を学ぶ必要はなかった」とも言えます。
国内需要、産業で事足りたという事です。
日本は基本的には内需大国です。
金融においても海外に多く借り入れしている状況でもないです。
日本には借金もあり、円安が進んでいますが、
それは国が国民に借りている借金であり、
それを本気で返済しようと思ったら
お金を日銀で刷るという方法もあります。
それは俗に言う金融緩和ですが、
それをすることは実質的にインフレや円の価値を下げることになります。
そういった側面あり円安が進んでいると思いますが、
基本的に海外に多く借り入れしていないので、
日本が債務不履行になることはないです。
この辺に関してはあまり詳しくないですが、
私は現時点ではそのように理解しています。
人口もヨーロッパの国に比べて1億人以上いるので多いです。
教育、知識レベル、産業、民度、健康、衛生など高い
生活の質を持つ日本人が1億人以上いるわけですから、
潜在的に国力が高いのはいうまでもないです。
昭和の時代には企業の時価総額の上位は日本企業で埋められていました。
アメリカが警戒し、政治的に関与しないといけないほど、
日本が優れていた時代がありました。
ジャパンアズナンバーワンとも言われます。
逆に言うと英語ができない中で
平均寿命が世界一など生活レベルは高いわけですから
英語ができない事を誇ってもいいわけです。
他方で、
今日、Nature誌のNature Indexを見ました。
2023年に上流の科学論文に対して
Nature誌が定める指標に従って、
科学論文への貢献度をランキングを示しています。
それを見ると、間違いなくアジアというよりも
中国のレベルが上がっています。
世界一は中国の研究機関です。
世界の上位はここ数年で
中国の大学、研究機関が名を連ねるようになりました。
これは産業分野で昭和の終わりに日本企業が
時価総額の上位を独占していたことと重なります。
中国の場合は、上流の科学論文への指標で上位を席巻しています。
アメリカのスタンフォード大学で教鞭をとられた
大前研一先生はバイク旅行が趣味なのですが、
日本の道路はどんな田舎でも道が整備されている事を誇られていました。
この日本の隅々まで道路、鉄道網が築かれているのは
昭和の時代、総理大臣になられた田中角栄先生の政策によります。
具体的には日本列島改造論です。
間違いなく日本の総理大臣の中で
ジャパンアズナンバーワンに
大きく貢献された方であると拝察しますが、
その田中角栄先生が言われている重要な格言があります。
それは「数は力だ。その数の為にはカネが必要だ。」ということです。
特に「数は力だ。」ここが重要です。
なぜ、中国はここまで力をつけたのでしょうか?
それを原理的かつ根本で支えるのは10億人を超える人口です。
中国の平均的な教育レベルが上がってくると
当然、それよりも人口が少ない
アメリカよりも上回ってくるのは当然の帰結です。
その「数は力だ」という法則に従うと、
やがて、インドも力をつける事になります。
力をつけてきた中国、
やがて力をつけるインドに対して
昭和の時代、アメリカが日本に課した
政治的な制裁を科すことができるでしょうか?
世界の関係性は今はより複雑になっています。
逆に、日本は人口は確実に減っていくわけですが、
でも、急に半分や1/3になるわけではありません。
それでも一億人以上いる事は事実です。
ヨーロッパのルクセンブルクは非常に小さな国ですが、
人口一人当たりの付加価値が高い国で有名です。
人口が減っていく日本においては、
そうした観点もあります。1人当たりの付加価値を上げるという事です。
私は科学論文を出しているわけではないのですが、
科学論文の読者に特化しており、
そこからブロガーとして生み出された科学的情報の
4年間の総合的な個人のインパクトファクターは
おそらく群を抜いて世界一でしょう。
2位と数桁数字で異なるかもしれません。
これは非常にニッチな評価基準です。
私の存在は、政治的な圧力はありますが、
特に日本において重要だと思います。
では、私を本当に必要とするのは日本の誰でしょうか?
北海道は夕張市など財政破綻した自治体もあります。
細胞接着分子のウィキペディアを見てください。
英語よりも日本語の方が詳しく書かれています。
誰が書いたのか非常に関心があります。
私のブログはそれよりもはるかに詳しく、
かつ、科学論文を翻訳するだけではなく、
自分の知識、知恵を絞りだして付加価値を生み出しています。
この記事もそのようになっています。
細胞種特異的薬物送達システムは
細胞種特異的に薬物を送達する事です。
これを発見してブログに2020年9月に上梓した時、
NASAは「生命科学史上最大の発明だ」と言ってくれました。
でも、確かにこの構想を実現したら
生命科学のフェーズを数段変えるくらいインパクトはあると思いますが、
そうした標的治療は類似する事を含めると
すでに多くの科学者によって提案されていました。
おそらく過去、そうした提案がない純粋な私の発明はCAMomeです。
細胞接着分子をここまで包括的に調べ、
それに絞ったプロテオーム解析をする価値に気付いた人はいません。
これが私の真の発明だと思っています。
こうした流れが、日本にとってメリットがある形で
全て精緻につながっている事に気付いた日本の方はいるでしょうか?
細胞種特異的薬物送達システム実現のためには
細胞の移動性、接着、組織浸潤などに
密接に関わる細胞接着分子を包括的に調べる事が根本的に必要である。
その細胞接着分子を無理なく装飾できる
一番適したナノキャリアは細胞外小胞です。
細胞外小胞も内分泌機能として組織間の特異的な連絡に関わっています。
従って、
「細胞種特異的薬物送達システム」
「細胞接着分子」
「CAMome」
「細胞外小胞」
そして、
「人工知能、スーパーコンピューター」
これらは密接に関連する大切な技術要素です。
さらに、神戸大学医学部卒(現:京都大学)の
山中伸弥先生がノーベル生理学賞を取られたiPS細胞技術。
私の提案した細胞種特異的薬物送達システムと連携する事を考えると
そのナノキャリアは細胞外小胞であることが理想的です。
なぜなら、細胞外小胞は細胞から分泌されるからです。
iPS細胞は細胞を初期化することができますから、
細胞の系統樹の中での細胞種の自由度、選択性が極めて高いです。
採取が難しい脳神経系の幹細胞な度を含めた細胞種も挙げられます。
細胞外小胞は分泌される細胞種の形質に
ある程度依存して形質化されるので、
iPS細胞技術は細胞外小胞の特性自由度を原理的に上げるものです。
上述した5つの要素を組み合わせて考えると
間違いなく私の発明ですから、日本発になります。
iPS細胞技術も山中先生ノーベル生理学賞を取られました。
これも日本発です。
これらの技術が融合した研究開発は高度に日本発で
間違いなく「世界一流」です。
この技術は今の中国の急速な発展に一石を投じる事ができるものです。
日本の研究開発環境は特に地方の大学、研究機関では
アメリカ、中国に比べて
現実を見た時に顕著に劣るかもしれません。
それは確かに言い訳にできる事ですが、
今の私の環境を見てください。
1人で、自分で私財を投資して、別の仕事をしながら今も書いています。
シャープ株式会社の時も、使われていない装置で実験したりしていました。
日本で環境は整わなくても、私は慣れています。大丈夫。
その「世界一流」の研究を果たして日本の誰が望んでいるでしょうか?
それは日本で間違いなく名実共にダントツのトップの東京大学でしょうか?
おそらくそれは間違いです。
そもそも私は子ども、その中で病気の子どもの為に取り組んでいます。
言い換えれば、それは「立場の弱い人に寄り添うこと」です。
本当は関東でいえば、
筑波、千葉、神奈川は私にとって欠くことはできない大切な地域です。
でも、あえて、これらの地域は含めていません。
なぜなら、関東は日本の中で圧倒的な「強者」だからです。
私がある特定に指標での圧倒的な強者であるとするならば、
強者同士が組んだら格差が開くだけです。
それよりも私がしなければならないのは、
日本の中で困っている地域を救済することです。
でも、それは情けではありません。
もし、大切な地域の方々と仕事を通じて
人生の大切な時間を多く共有するならば、
それは悲痛なものであってはなりません。
お互い、世界一流の研究開発、産業化を
エキサイティングに楽しんで、笑顔で実施します。
自然の摂理は時に残酷です。
私が掲げるプロジェクトは失敗するかもしれません。
その失敗を喜ぶ人も日本を含めているかもしれません。
でも、失敗を恐れず、思い切ってやりましょう。
私は現時点においてもリスクヘッジは多く頭の中にあります。
それが結果として地方創生になれば最高です。
病気の子どもを助けるというのは弱者に寄り添う事です。
そのポリシーがあるので、当然、
日本で衰退著しい地方に目が行く事になります。
幸いにも私は地方に住んだ経験が長いことから
そうした惨状を目にする機会が多いです。
私は今まで間違った選択をしていたと反省している部分もあります。
日本は今、一番勢いがある中国、インドと
相対的に比較すると衰退しているのはほぼ間違いないでしょう。
東京を含めた関東でもそうであるとすると
日本の地方はもっと悲惨な状況です。
でも、程度は小さくてもアメリカも同じかもしれません。
欧州の一部の地域でも当てはまります。
しかし、日本は過去、先生方に対して使う言葉として
どの様な表現がいいか難しいですが
「頑張った」歴史があります。
この節で述べた様に
大学以降の高等教育を日本語で受けられる事は誇らしい事です。
それがなぜ、可能になったか?
それは英語、オランダ語、フランス語などの専門的な概念を
過去の先生方が精緻に日本語で定義してきた取り組みがあるからです。
医学に関しては特に脳、神経科学、解剖、組織学に関しては
まだ、日本語にできてない部分が散見されますが、
それでも、英語以外の他の言語の中では
日本語は多くの高度な科学情報を日本語として定義づけしています。
例えば、この記事で取り上げるデスモソームは
和名では「接着斑」と命名されます。
接着は、デスモソームの特性を考えると当然といえばそうですが、
「斑」という言葉の選択には重要な意味があり、
この言葉を割り当てるためには
デスモソームの構造、機能的な理解が不可欠です。
「斑」というのは英語で「Plaque」と呼ばれます。
この「斑」は「まだら」という意味で、
この「Desmosomal Plaque」が顕微鏡で構造解析をしたときに
「まだら」見える事におそらく起因します。
アメリカのニューヨークのコロンビア大学、
ホワードヒュージ医療機関が2011年にPNAS誌で発表された
Desmosomal Plaqueの3次元構造を見ると
確かに準2次的構造を取り、
それは平坦ではなくまだらな構造を取ります。
(参考文献(21) Fig.3)
接着斑、デスモソームの細胞質側に張り付いて盾のような2次元に近い構造で
強度をささえるのが「Desmosomal Plaque」です。
(参考文献(22) Figure参照)
このDesmosomal Plaqueは2層構造となっており、
細胞膜に近い層は分子的に低い密度となっており、
遠い層は密度が高くなっています(21)。
これらの層を構成するタンパク質は
Desmoplakin, Plakophilin, and Plakoglobin。
これらです(21)。
こうした発見は近年の報告によるものですが、
日本の先人(先生)が、デスモソームに
「接着斑」という名前を与えたのは、
こうした機能的、構造的な側面の一部をすでに理解していたと推定されます。
ここで追記して伝えたい事は、
一つの英語で示される概念を日本語にするのは
とても大変な作業であるという事です。
これを過去、コツコツとされてきた事は自明です。
そうした多大な取り組みがあり、
私たち、後生の日本人は日本語で高等教育を学ぶことができます。
--
上述したように接着斑の「斑」にあたる
細胞質側の細胞膜直近の盾のような構造である
「Desmosomal plaque」は2層構造になっています。
その2層構造のうち外側は構成される分子の濃度は高く、
その厚さは20nm程度であるとされています。
内側の層はそれよりも薄いとされています。
Ashraf Al-Amoudi(敬称略)らがFig.4に示すように(21)、
赤がカドヘリン、灰色が細胞膜、紫がPlaqueの内側層、
緑青が外側層であり、
Desmosomal Plaqueはカドヘリンの繰り返し構造と
同程度の周期構造を有しています。
これにより、機械的ストレスに対する柔軟性を発揮します(21)。
また、内側の層が密度としてやや疎になっていることは
細胞膜近くの方が伸縮機能が求められ、
それに対応するために密度が疎になっている可能性があります。
細胞膜側のもう一つの層は密度の高くして
根として強靭な構造を支える
構造的要素として機能している可能性があります。
この辺の仮説の検証は計算しないと明らかにならない事です。
上述したようにデスモソームは創傷治癒などにおいて
カルシウム依存的な結合様式をPKC経路依存的に獲得し、
それによって移動性を経て、傷口の閉口に関与すると想定されています。
それに関与する代表的な細胞接着分子であるカドヘリンは
接着接合も含めると10倍以上の広い範囲の密度を
細胞膜上で取る事が出来、
少なくともその密度は700個/μm^2を超えます。
それらがシナプスのように並列して同種結合を細胞間で果たすと考えられます。
従って、一つ一つのカドヘリンのカルシウム依存的な
結合強度は一般的に非常に弱いとされています(23)。
Chien Peter Chen(敬称略)らがFig.4で示すように
結合に関わる界面の表面積は結合親和性と逆相関があります(23)。
同じ界面表面積でも条件によって親和性は大きく変わるため、
交絡因子が多く、これだけの指標での相関係数は決して高いわけではないですが、
なぜ、界面の表面積が大きいと結合力が小さくなるか?
それについてはいくつかのOpen AI(生成系AI)による見解があります。
その中で私が少なくとも合理的であると判断したのは
結合に関わる界面表面積が大きい場合には、
結合の際に双方の位置をより精密に合わせる必要があります。
極端な例では、結合箇所が1か所の場合には
どの様な向きで結合しても結合は可能ですが、
それが100か所の残基で同時に結合する際には
向きも位置もより正確に合わせる必要があります。
それによって結合確率が下がり、結果、親和性が低いと評価されます。
--
Desomosomal Plaqueを形成する
Desmopakin, Plakophilin, Plakogobinは
参考文献(24)のFigure.1に示されます。
Desumoplakinは両末端構造が分岐して
周期的構造を架橋して、支持する構造を取ります。
これらの中間部のRod領域は
2つから7つのαヘリックス、らせん構造が
ロープのように巻き付いた構造を取るコイルドコイル構造を取ります。
これらのらせん構造は
おそらくDesmosomal plaque領域
その周辺を含めた接着斑の機械的ストレスに対する
延性などを含めた特性に関わると想定されます(25)。
また、2量体化にも関与します(1,25)。
Plakophilinは12アーム繰り返し構造を取ります。
このPlakophilinを欠失させると
デスモソーム性タンパク質と接着接合性のタンパク質の混合が
生じたことが示さています。
従って、これらの仕分けに関わっていると考えられます(26)。
Plakophilinは3つのアイソフォームがあり、
組織特異的な発現パターンを持ちます。
皮膚の表皮ではその組織層によって
Plakophilin-1,2の発現量の程度を段階的に変化させています。
(参考文献(1) Fig.2)
接着斑に特異的に発現される細胞接着分子の内、
カドヘリンはDesmosomal cadherinsと呼ばれます。
このDesmosomal cadherinsは7つのアイソフォームを有します。
3種類のDesmoclins(Dse1-3).
4種類のDesmogleins(Dsg1-4)。
Desmoclinsは選択的スプライシングによって
その3種類のアイソフォームを形成でき、
Cターミナルテールの長さのみが異なります。
David Garrod(敬称略)らがFig.3で示すように
Desmosomal cadherinsのDesmoclinは細胞外ドメインは
同様のドメイン構造を持ち、
上述したCターミナルテールとは細胞膜よりも内側の
細胞質に存在する複数のドメイン構造を指します。
Cターミナルテールのドメイン構造が異なると
カドヘリンが結合した時の細胞内の信号伝達が
ドメイン構造が異なることで異なるタンパク質と相互作用するために
機能的に異なることが想定されます。
DesmoclinsとDesmogleinsは細胞外の構造は異なりますが、
一般的なカドヘリンと同様に複数のECドメインを持ち、
これらの2種類のDesmosomal Cadherinは
互いにHeterophilicに結合することができます(27)。
このような細胞質側にあるドメインは
細胞内の信号伝達の異種性に関わるだけではなく、
細胞外ドメインの3次元構造の可変性にも影響を与えます。
例えば、細胞内のRUD繰り返し構造は
PKC結合サイトを持ち、PKC経路依存的に
カルシウム非依存的な2量体構造を解消する事に貢献します(1)。
上述したようにDesmoclinsは
選択的スプライシングによりCターミナルテールの長さのみが異なり、
細胞外の接着に関わるEC1ドメインは同様に保持されます。
EC1ドメインは70種類以上あるカドヘリンに共通的に
発現されているタンパク質構造の結合に関わるドメインであります。
この事は、カドヘリンがアイソフォーム特異的ではなく
非特異的な結合様式を示すものでしょうか?
大阪大学の森下 博文(Hirofumi Morishita1)医学博士らグループは
カドヘリンスーパーファミリーのEC1ドメインに着目して、
その構造の違いについてゲノムシーケンスを用いて示されています(28)。
カドヘリンは細胞接着分子、CAMomeの中で重要な物質であり、
特に脳神経系で多様なアイソフォームを持つため、
脳神経系の細胞種特異的薬物送達システム実現において
一つの鍵となる細胞接着分子です。
上述した森下博士が報告されたカドヘリンEC1の構造の違いが
アイソフォーム同士、特異的な結合親和性を示すかどうか?
それについてさらに詳しく調べていく必要があります。
この事は、この節で取り扱った、
デスモソーム性のカドヘリンである、
3種類のDesmoclins(Dse1-3).
4種類のDesmogleins(Dsg1-4)、
これらのEC1ドメインも構造的に異なり、
それぞれ細胞外の相互作用において
結合親和性が同種で特異的に高まっているか?
それについて検証する事にもつながります。
--
PERPはRachel L. Dusek(敬称略)らがFig.1に示すように(29)
デスモソーム性カドヘリンの脇に発現される
細胞膜を複数回(4回)貫通する膜貫通タンパク質です。
しかし、どういう物質と相互作用するかは理解されていません。
PERPは組織の形態形成(Mophogenesis)に関わる
p63遺伝子発現(30)、
あるいは様々な癌抑制機能があるp53遺伝子発現によって
その発現が誘導されます(31)。
(参考文献(29) Figure.2a)
--
Corneodesmosinは膜貫通の糖たんぱく質で表皮の
顆粒層(stratum granulosum)の表層である角質層に多く形成されます(32)。
このCorneodesmosinはデスモソームから
構造的に変化したもので、角質層に多く形成されます。
上述した顆粒層はHeather L. Brannon医学博士が描写されるように(33)、
最も表層にある角質層の下側に形成される表面に近い層です。
Corneodesmosinは接着斑の細胞外構造のように
トリラメラ構造をとらず、
一様な電子分布となる構造をとります(32).
皮膚は定期的に剥がれ落ちて、再形成されますが、
その剥がれ落ちるプロセスを落屑(らくせつ:Desquamation)と呼び、
そのプロセスにCorneodesmosinは関わっています。
カレクレイン関連のタンパク質分解酵素によって
落屑時にCorneodesmosinは分解され、
そのブレーキ役としては
Lympho-epithelial Kazal-type related inhibitorが働きます(32)。
--
上述したようにデスモソーム性カドヘリンとして分類される
膜貫通タンパク質として
DesmocolinsとDesmogleinsがあります。
これらのデスモソームで特異的に発現されるカドヘリンは
どちらか一つだけの発現であると
細胞接着強度は低い状態でありますが、
それらが共に発現されることで
場合により、標準的なカドヘリンが
一般的に同種のカドヘリン同士がホモ接合する事によって
生じる2量体化とは対照的に
デスモソームで特異的に発現される異なるタイプのカドヘリンでは
2つの異なる構造を持つDesmocolinsとDesmogleinsが
互いに異種的に相互作用し、2量体化を形成する事によって
接着斑(デスモソーム)の強い接着強度に貢献しています(34)。
しかしながら、そのアイソフォームの組み合わせによっては
ヘテロ接合による2量体化の場合であっても、
弱い結合に基づく相互作用の場合もあります(35)。
これらのデスモソーム性カドヘリンは
今述べた様に互いに相互作用し、ヘテロ2量体化する事ができますが、
どちらか一方同士のホモ2量体化することもできます。
そのタンパク質同士の親和性の程度は
ヘテロ接合、ホモ接合においてそれぞれ
KD値:23.4μM、4.2μMであり、
この親和性は通常のカドヘリンよりも高い数字となっています(35)。
(KD値:80μM~170μM)
デスモソーム性カドヘリンは全部で7種類の存在が確認されています。
これらの2量体化において、ヘテロ接合の場合には
その組み合わせは決まっているかもしれません(1)。
--
上述したようにデスモソーム性カドヘリンは
2量体化においてヘテロ、ホモ接合を取る事が出来ます。
これは細胞外の相互作用の事を一般的に指すと考えられますが、
デスモソームは「斑」として定義される
2層構造から成るDesmosomal plaqueの細胞膜側の層である
Outer dense plaque(ODP)において、
それぞれの細胞外ドメイン同士を細胞質側で支持し、連結させる
細胞質内での相互作用があります。
その時、結合因子である
plakoglobin、plakophilins、desmoplakinが
Emmanuella Delva(敬称略)らがFigure 1で示すように、
互いに連携して、
細胞内相互作用(intracellular interaction)を構成します(36)。
これらの相互作用の為には
デスモソーム性カドヘリンの細胞質側のドメインを含む
Cターミナル(末端構造)の結合活性を示す残基が
一つの要素として重要かもしれないとされています(1)。
--
これらのデスモソーム性カドヘリンの接着を阻害する
自己抗体が自己免疫疾患によって異常に発現される疾患として
天疱瘡(てんぼうそう:Pemphigus)が挙げられます。
この天疱瘡は少なくとも
デスモソーム性カドヘリンの一種であるDsg-3を抑制する
自己抗体の発現が原因であるとされています。
この事は7種類少なくとも確認されている
デスモソーム性カドヘリンの内
一種類でも自己抗体によってその結合活性を
抗体依存的に失うと、重篤な組織接合不全を呈するか?
それについて調査する意義を与えます。
この天疱瘡は日本において指定難病35として定義されています。
皮膚や粘膜の表皮が欠損し、下部組織が露出する
「びらん」を呈するとされています(37)。
従って、治療としては抗体産生を抑制するステロイドの処方が
基本となりますが(37)、ステロイドはDsg-3抗体の発現を
特異的に抑えるのではなく、抗体産生全体を抑制する可能性があり、
もし、そうであるとするならば、
改善の余地としては特定の抗体、ここでいうとDsg-3抗体の
産生を特異的に抑える薬の開発が挙げられます。
その為には抗体を生み出す液性免疫のメカニズムの
根本的な理解が一つとして必要となります。
このようなデスモソーム性カドヘリンの結合性に関する不全、
あるいはデスモソーム性カドヘリン自体の発現の不全は、
本来持つ接着斑(デスモソーム)の機能に異常を与えるものです。
一般的に知られる最も重要な機能としては
冒頭で述べた様に、皮膚、心臓、骨格筋など
運動性が高く、高いバリア性を必要とする組織に発現されていることから
組織形成における組織の強靭性、
もっとミクロに言い換えれば、細胞同士に強い接着を実現するものです。
従って、天疱瘡のような「びらん」がその機能に不全が出た場合生じますが、
接着斑の機能はそれだけではありません。
細胞の増殖、分化にも関わります。
上述したように創傷治癒において
デスモソーム性カドヘリンのCaイオン非依存的な結合から
結合強度が弱いCaイオン依存的な結合に変わり、
それが細胞の増殖、分化、移動に関与すると考えられます。
前述したようにデスモソーム性アイソフォームの種類によって
また、2量体化した場合においてはその組み合わせによって
結合強度が異なる可能性が示唆されています(1)。
例えば、表皮の皮膚においては
デスモソーム性カドヘリンのアイソフォームそれぞれの発現量が
表層部、深部、それぞれで異なります。
皮膚における最上層の角質層は細胞の分化、増殖能力はなく、
細胞死した状態なので、定期的にリフレッシュする必要があります。
最も表層なので、より高いバリア機能、接着性が必要であり、
ここで発現されるデスモソーム性カドヘリンの組み合わせは
こうした原理から考えると、
強い結合性を持つデスモソーム性カドヘリンのタイプが
多く発現していると推定されます。
一方で、その下側にある顆粒層は、
角質層のターンオーバー(組織の入れ替わり)のため、
角質層に形成される細胞を供給する必要があります。
その時には細胞タイプを変え、細胞数を増やし、移動させる必要があるので
そうした結合強度を柔軟に変えられるような
システムがこの層の細胞種に存在し、
また、接着強度が角質層に発現される
デスモソーム性カドヘリンよりも弱い
アイソタイプが選択されている可能性があります。
従って、弱い接合に関わるデスモソーム性カドヘリンの
自己抗体が生じた場合、
あるいは遺伝的にその発現量、あるいは構造に異常が出る場合においても
組織の接着だけではなく、
皮膚の場合で言えば、角質層のリフレッシュに関わるような
細胞の分化、増殖、移動の不全を招く事も推定されます。
こうしたデスモソーム性カドヘリンの異常は
生体内の先天的な事も含めた遺伝子的、免疫的な異常に加えて
外的、環境的な刺激である細菌の感染症によっても生じます。
例えば、黄色ブドウ球菌の感染によって
デスモソーム性カドヘリンのDsg1を分解する
タンパク質分解酵素の活性が上がります。
この分解に関わる酵素がexfoliative toxin Aです(38)。
この黄色ブドウ球菌は場合によれば、
図で示されるように重篤な皮膚の炎症を引き起こします(39)。
(参考文献(40) 図12)
この黄色ブドウ球菌は通常免疫機能が働いている時には
感染している人でも、異常なく制御可能な状態ですが、
免疫機能が弱まっている状態で、菌が増えると
上述したような皮膚の症状を始め、身体の異常を呈することがあります。
特に免疫機能が十分ではない新生児を含めた
年少の子どもにおいては、細菌感染による
デスモソーム性カドヘリンの異常依存的な皮膚の異常は
この記事に関連する健康維持の中で重要です。
実際に黄色ブドウ球菌感染症は新生児における
皮膚の水疱形成の最も頻繁に生じる病因であるとされています(40)。
上述したようにこうした年少の子どもの皮膚の健康を守るためには
当然、感染症に対する衛生管理も重要になりますが、
一方で、皮膚の異常がどういった作用機序で生じるかの理解に基づく
治療を改善する事も重要です。
上述したように皮膚の表層は固定的なので、
そのリフレッシュのためには固定的ではない層からの
細胞の供給が必要になります。
従って、黄色ブドウ球菌によって皮膚のただれなど
異常を呈する子どもの治療に当たる際、
こうしたリフレッシュ機能を高めるような薬剤の開発も考えられます。
具体的には、デスモソーム性カドヘリンの適切な発現を
調整する薬となりますが、重要な事はそれだけではなく、
実際に表皮に細胞を供給する層への薬剤のアクセスが必要になりますから、
角質層の下の層がそれに密接に関わっているとしたら
その顆粒層に有効に薬剤を送達させる事も重要です。
また、そのデスモソーム性カドヘリンのアイソタイプの
正確な発現量を理解し、特異的に発現量を調整する必要性もあります。
こういう観点においても正確な薬物送達は重要ですから、
細胞接着分子に基づく薬物送達システムの確立は
こうした感染症によって誘発された
子どもの皮膚の重篤な異常の有効な治療手段の一つとなりうる
ということが明示されます。
また、インテグリンが胎盤形成における
脱落膜の栄養膜細胞の組織内の移動に関わっているように、
デスモソーム性カドヘリンのアイソタイプの変化も
細胞の分化、増殖、移動に関わっているため、
私が世界で初めて提唱する
細胞接着分子のアイソタイプの包括的な発現量を調べる
CAMomeは原理的にこうした皮膚の異常の細胞生物学的機序の
根本的な理解を促すものです。
私は日本の特定の地域の、
私のビジョンに賛同してくれた一部の人と協働して
CAMomeに基づく冗長性を持つ、
つまり単一ではない細胞接着分子の装飾による
細胞外小胞を通じた細胞種特異的薬物送達システムを
その設計自由度を高める可能性が高いiPS細胞技術などと融合させて
研究開発を進め、社会実装することを明確に目指します。
当然、それはこうした黄色ブドウ球菌などに感染した
子どもの皮膚の重篤な症状を改善する事にも貢献します。
しかし、細胞接着分子の記事で明記しているように
自然科学はそうした思いを裏切って、全く想定外の結果を示し、
私のプロジェクトは失敗するかもしれません。
具体的にはそうしたシステムによる薬物承認は実現しないという事です。
それは、生物学的な制限だけではなく、
臨床承認を含めたシステム的な問題も含まれます。
また、価格の問題や、
細胞外小胞の設計を患者さんごとに変える事が
コスト、手続きの面で不可能であることも想定されます
あるいは日本の地方の研究環境が整わず、
実現に至らない事も考えられます。
従って、私は代表者として、
そうした可能性を踏まえたリスクヘッジ。
つまり、実現しなかった時の代替となる付加価値を
現時点から多様な視点で探っていく必要があります。
その一つは
CAMomeをすること自体が、それを利用した
細胞種特異的薬物送達システムの実現だけではなく、
重要な生物学的な機序の理解につながる事です。
細胞の分化、増殖、移動、固着は
日本の細胞接着分子のウィキペディアの著者が明記しているように
また、私もそう考えるように、
「生命現象の一つの基本的な機序」だからです。
したがって、CAMomeをするだけでも明確な価値に繋がるし、
こうして私がCAMomeの結果の構成要素となる
一つ一つの接合様式、タンパク質に対して
過去の総括論文を参照し、
自分のこれまで積み上げてきた知識、知恵を加えながら、
包括的に情報を整理する事をコツコツする時点で
既に十分なリスクヘッジになっているということです。
従って、今の私のこの取り組みは非常に重要であるということです。
こうした背景的な事は科学情報に加えて
一般的な理解を促すためとても大切な事なので
逐次、タイミングを見て、追記していきます。
--
デスモソーム性カドヘリンの場合と同様に、
接着斑システムを構造的、機能的に細胞質側で支持する
plakoglobin、plakophilins、desmoplakin。
これらに発現量、構造に異常が出る事も人の疾患につながります。
これらの内、plakoglobin(42)、desmoplakin(43)の異常は
ナクソス病(Naxos disease)に関連します。
このナクソス病はorphanet.ナクソス病の疾患定義の中では
「不整脈源性右室異形成症/心筋症(ARVD/C)と皮膚の表現型
を合併する常染色体劣性遺伝疾患であり、
独特の羊毛状の毛髪と掌蹠角化症を特徴とする。」
このようにあります。
接着斑の発現が確認される、心臓、皮膚、毛などに
総合的に異常が見らえるという事です。
このdesmoplakin心筋細胞のの中での発現抑制は
Wnt/β-catenin信号の減少を導きます。
また、脂質形成、線維形成の遺伝子の過剰発現や
その遺伝子発現に少なくとも一部伴うと考えられる
脂肪滴(fat droplet)の蓄積を招きます(44)。
不整脈源性右室異形成症はデスモソームの異常と密接に関わり、
上述した細胞内の構成要素であるdesmoplakinをコード化する
遺伝子の異常だけではなく、
細胞間の接合に直接的に関与する細胞外ドメインを含む
複数のアイソタイプの
デスモソーム性カドヘリンをコード化する遺伝子変異によっても
生じる可能性があります(1)。
--
接着斑は他の細胞接着分子と同様に
その細胞間の結合によって細胞内シグナルを誘導します。
その一つがWnt/β-catenin信号経路です。
この一つの機能は細胞内のカルシウムを制御する働きがあります。
こうしたカルシウムの制御機構はPKC経路などと協働して生じるかもしれません。
また、カルシウム濃度はデスモソーム性カドヘリンの
構造安定性、結合性の為に必要であり、
こうした経路によるカルシウム濃度、分布の制御が
デスモソーム性カドヘリンの構造的な機序に影響を与える可能性があります。
また、Wnt信号は皮膚の組織形成における
細胞の増殖、分化、移動に関わっています(45)。
Wnt信号は少なくとも上皮間葉転換における表現型転換(Phenotype switch)に
関わる信号であり(46)、この信号はデスモソーム性カドヘリンの
表現型転換に関わる可能性もあります
逆に、接着斑の移動性を阻害し、安定的な結合性を守る事も
例えば、角質層などでは重要になるので、
この移動性を促進するWnt/β-catenin信号経路を抑制する
構成要素も接着斑の中に含まれます。
その一つがplakoglobinです(44)。
接着斑に関わる細胞内経路は形態形成(mophogenesis)に密接に関わります。
上述したWnt経路以外にも存在します。
例えば、p0071はバリア機能を有する一般的な上皮組織の極性を決める
Rho GTPase活性に影響を与えます(47)。
--
デスモソームは人を含めた生命誕生の初期過程にあたる
胚形成のプロセスにも影響を与えます。
この胚形成は原腸形成、神経胚形成、臓器形成の前段階にあたるプロセスです。
例えば、デスモソーム性カドヘリンの一つであるDsc3は
この胚形成プロセスの細胞接着に関わります。
他方で、接着斑結合によって誘導される細胞内シグナルである
Wnt/β-catenin信号の一般的な機能の中に
この胚形成が含まれます。
従って、接着斑はそれが誘導する細胞内シグナル伝達も含めて
多様な形式で胚形成のプロセスに関わっている可能性があります。
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細胞の接合の大分類は
固定接合、連結接合、閉鎖接合あり、
固定接合の一つが接着接合であり、
接着接合は、細胞接着全ての「代表格であるとされています。
従って、人以外の様々な生物、
また、生物個体内の様々な細胞種で機能します。
接着結合(Adherence junction)は
発達期の細胞の着脱に関わるので
細胞の移動性に密接に関与します。
従って、発達期初期の胚形成において重要な役割を果たします(1)。
翻って、人の身体の組織に話を移すと、
神経細胞や心臓の細胞のように
一旦、成熟すると組織の再形成ができない細胞種もありますが、
一般的に組織、臓器の細胞種は定期的に入れ替わっています。
例えば、再形成性が高い組織として皮膚、肝臓、毛、爪などがあります。
それは私たちが常識的に知っていることです。
それ以外にも傷を負ったときには
免疫細胞などの関与もあり、創傷治癒が生じます。
それを細胞レベルのミクロの世界で考えると
そうした作業の為に細胞は精緻に制御された形で動く必要があります。
その動性の一つの重要な機序は細胞の着脱にあります。
従って、組織が過渡的に大きくなる発達期に限らず、
大人になってからの安定期においても
組織、臓器の恒常性(ホメオスタシス)において
接着接合は重要な役割を果たします(1)。
また、接着接合を安定的に果たすためには
一般的に柔軟性に富む細胞の形を整える必要があります。
その形を安定化させる細胞内の物質は細胞骨格であり、
その細胞骨格の一つがアクチンです。
アクチンはカドヘリンなど接着接合を形成する
細胞接着分子の細胞質側のドメインに結合し、
細胞内から接着接合を構造的に支持します。
固定接合の分類の中で
接着接合と接着斑(Desomosome)があります。
細胞接着に関わる重要な細胞接着分子である
カドヘリンは理化学研究所の竹市雅俊先生によって発見されましたが、
このカドヘリンは様々な密度で細胞上に発現する事が可能で、
その密度によって異なる結合様式に分類されます。
一般的に科学論文で描写されるカドヘリンは
図にわかりやすく記載するための制限から
多くても数個の記載に留まりますが、
実際の細胞では細胞のスケールに対する数が圧倒的に異なります。
接着斑は接着接合よりも強い結合性を持つとされているので
その接着性に関わるカドヘリンの密度も高くなります。
人の皮膚は非常に頑強なシステムを形成している事は
私たちは感覚的に知っている事ですが、
その頑強なシステムを支持する一つが
デスモソーム性カドヘリン(Desmosomal cadherin)です。
カドヘリン分子同士の平均の距離はわずか7.5nmで
1平方マイクロメートルあたり17,500個存在します(2)。
一方で、接着接合では
その密度は1平方マイクロメートルあたり700~1200個程度です(3,4)。
従って、カドヘリンは10倍以上異なる密度範囲を取ることができ
その密度によって細胞の接着性の強度を変える事に貢献します。
従って、カドヘリンによる細胞接着を考える際には
カドヘリンの有無を考えるよりも
数千、数万個、1平方マイクロメートルあたりあるわけですから、
その数がどれくらい過少、過大になっているか?
そうした統計的な視点が重要になります。
こうしたカドヘリンの集合は平均した距離は算出されますが、
全てのカドヘリンが独立して存在するわけではありません。
カドヘリンが塊、多量体、クラスターを形成していることがあります。
その時、一部の記述では、
細胞膜貫通タンパク質であるカドヘリンは
細胞内外のドメインにおいてクラスター化し、
そのクラスター化はアクチンの細胞内の組織化と
双方向に影響しあっていると考えられます(参考文献(5) Fig.4)。
例えば、カドヘリンの細胞内外のクラスター化は
アクチンの分子の伸張、つまり重合体化に関与しています(1)。
この事はカドヘリンの密度、分布、
その中の多量体化は細胞同士の接着性の強度に関わるだけではなく、
細胞の形状、さらにはそれが組織化した時には
組織の形状に関わる形態形成(Morphogenesis)に関わる事を示唆します。
実際に、カドヘリンを含めた接着接合は
組織の形態形成に関わる事は示されています(1).
このようなカドヘリンの密度、分布、
アクチンの形成、それに基づく接着接合に関わる遺伝子はRac1です。
このRac1は選択的スプライシングにより
異なる機能を持ったいくつかのタンパク質を生成できます(6)。
このRac1は細胞の突出(Cellular protrusion)に関わるので
その突出部位にカドヘリンなどの接着接合を形成する
細胞接着分子が形成されていれば、
細胞同士の突出に基づいた接着を促すと考えられます。
こうしたRac1はRas類似タンパク質に対する遺伝子コードです。
このRas類似タンパク質に属するもう一つの
接着接合に関与する重要な遺伝子がRhoです。
低分子量のGTP結合タンパク質を発現します。
細胞運動、細胞極性、細胞接着、細胞周期、細胞質分裂、転写制御など
幅広い細胞の機能と関わっていますが、
このうち細胞運動、細胞極性(細胞の整列)、細胞接着は
接着接合と関連があります。
このRac1とRhoの発現量は精緻に均衡状態が保たれています(1)。
Tony J. C. Harris(敬称略)がFigure 4に示すように
細胞接着は比較的局所的に細胞接着を形成する
細胞突出に基づいた結合と
上皮細胞の側面のように隙間を作らずに
平行に近い形で結合する様式があります。
この際、細胞内のアクチンの形成状態が大きく異なります。
それぞれRac1, Rho遺伝子が関わります。
直感的に考えると
並行で大きな面積で密着して結合する
Rho依存的結合様式は高いバリア性を必要とする
特に消化器や呼吸器などの上皮細胞において重要な役割を果たすと考えられます。
従って、Rhoの活性がバランスとしてやや高く制御されているかもしれません。
一方で、Rac1は無秩序な結合を誘発できると考えられるため
おそらく無秩序に成長する固形癌と関わりがあると想定できます。
実際にRac1遺伝子のGain-of-function、hyperactivationは
様々ながんと関連があります。
自由度の高い結合は単に腫瘍形成だけではなく、
細胞外マトリックスなどを動線とした癌細胞の移動を促進するとも
考えられるので癌の転移にも関わります。
その動力学機序の本質は現時点で明らかではありませんが、
実際にRas1の過剰発現は固形癌の進行、転移、治療抵抗性と関わりがあり、
このタイプの変異が観られる患者さんは予後が悪いとされています(7)。
従って、接着接合、その結合様式、
その結合様式の大元のRas類タンパク質関連遺伝子の変異は
組織の異常な成長や細胞の異常な移動に関わると総括できます。
例えば、呼吸器、消化器など暴露性の高い組織では
一般的に粘膜が存在しますが、
そのバリア機能を高めるために波打つ構造、
つまり陥入構造(invagination structure)が形成されます。
このためには曲率の高い上皮細胞が必要になりますから
そのカーブする領域においては
細胞の形を柔軟に変え、外側は大きく、内側は小さくする必要があります。
その形状変化のための力を支えるためには
細胞の頂端部(apical region)での収縮が必要です。
その頂端部の収縮のためには
細胞骨格の一つであるアクトミオシン(Actomyosin)が
細胞内で均一に発現される必要があります。
(参考文献(1) Figure 4)
このような高い曲率を得るのに必要な
両端部での細胞同士の接合を
「Aanterior–posterior cell contacts」と呼びます(1)。
このようなアクトミオシンの細胞内の分布を変える事によって
組織をまっすぐに伸長させることと
組織を曲げて形成する事を制御します。
こうした組織の直進性と曲性は
基本的な組織、臓器の形状を組み立てる
分子細胞生物学的機序の重要項目の一つです。
こうした細胞内の細胞骨格の制御があり、
一方で、外側で細胞同士の接着を支える一つの重要な接合様式は
カドヘリンなどに代表される接着接合、
あるいは強い強度が必要な場合は接着斑になります。
こうした組織形成を理解する事は
同時に固形癌に代表される異常な組織形成の理解にもつながります。
接着接合は多様な細胞骨格と関わります。
その一つが微小管(Microtubes)です(8)。
この微小管はミトコンドリアの分布、動性と関わりがあります(9)。
微小管を始め細胞骨格は細胞の形を決める上で
重要な働きをすることは上述しました。
それに加えて、その細胞の形が極めて異質な場合。
例えば、星状膠細胞や神経細胞の軸索など
非常に高いアスペクト比を持つ細胞種の場合において
その非常に長い突起をどのように支えて、維持しているでしょうか?
少なくとも神経細胞の軸索においては
神経伝達をするときには髄鞘の間において
Na,K、Clイオンなどをイオンチャンネルにおいて出し入れする事で
膜電位を制御し、その電位差に基づいてイオンを動かし、
それが神経系の電気信号、神経伝達の元となっています。
その目的を達成するためにはイオンチャンネルを開閉する必要があり、
そのためにはエネルギーが必要です。
細胞内のエネルギー源はATPであり、
そのATPを生み出すのは細胞のエネルギー構造であるミトコンドリアです。
その細胞のエネルギー工場が軸索から遠い位置にあると
伝達によるエネルギーロスが生じてしまうため、
軸索局所にミトコンドリアを分布させる事が効率的です。
神経細胞の軸索には微小管があります(10)。
その微小管はミトコンドリアの移動、分布に関わるため(11)、
軸索内の微小管はイオンチャンネルを開閉するための
エネルギー源となるミトコンドリアを局所的に引き付けている可能性があります。
そのことは言い換えると
安定的な軸索の恒常性に関わっている可能性があります。
そうしたことは同じようにアスペクト比の高い
星状膠細胞でも関わっているかもしれないし、
その星状膠細胞の異常である膠芽腫でも関与しているかもしれません。
この微小管は単一では安定して細胞内で存在できず
それを支持する構造が必要です。
それを力学的に支持する分子が膜貫通タンパク質であるカドヘリンを
代表とした接着分子です。
従って、はっきりとしたことは明らかではありませんが、
そうしたシステムを支えるために
軸索や樹状構造表面にもカドヘリンなどの細胞接着に関わる
細胞接着分子が発現されている可能性があります。
実際に違った観点ではありますが、
軸索の表面に発現されたプロトカドヘリンは
軸索のガイダンスに関わるとされています(12)。
これは軸索にもカドヘリンの一種であるプロトカドヘリンが
発現されている一つの証拠となる報告です(12)。
繰り返しになりますが、
こうしたカドヘリンの機能は軸索のガイダンスに関わらず、
軸索の形状を機械的に支える細胞骨格の一つである
微小管を同様に機械的に支持し、
その微小管はミトコンドリアを局所的に引き付け、
神経伝達で必要なエネルギーの安定供給を実現している
という事は考えられます。
このように考えると接着接合は微小管依存的に
ミトコンドリアを引き付け、
周辺のイオンチャンネルなどの受容体の運動エネルギーを
効率よく供給する事に貢献してるかもしれません。
Tony J. C. Harris(敬称略)らがFigure.6に示すように(1)
カドヘリンはクラスリン仲介の機序でエンドサイトーシスされ
エンドソームとして細胞内に取り込まれます。
私の調査する限りにおいて、証拠はありませんが、
カドヘリンはカドヘリン同士、ホモ接合するので、
エンドソーム同士の結合、相互作用にも関わる可能性があります。
もし、これが真であれば、
細胞内に取り込まれる薬物の分布を制御できる可能性もあります。
例えば、細胞外小胞に
特定のカドヘリンを多く発現させておき、
カドヘリンが集まる膜領域に細胞外からアクセスさせます。
そこでエンドサイトーシスされ
細胞外小胞はカドヘリンが発現されている
エンドソーム内の取り込まれます。
そのエンドソーム外に発現されるカドヘリンは
細胞質内でカドヘリン同種接合依存的にクラスター化されます。
そうするとエンドソーム内にある細胞外小胞は
同時に細胞質内でクラスター化されます。
細胞外小胞内に低分子量の薬剤やRNAなどの薬剤があれば、
それも同時に細胞質内でクラスター化されます。
それは最終的には目的とする薬剤の
密度が細胞質内で高まる事を意味します。
このような高次の連携が実現するかは不明ですが、
合理的に考えて可能性のあることです。
一般的に薬物送達学、DDS(Drug delivery system)では
単に細胞外までの送達を考えるのではなく
細胞内の取り込み、細胞内の特定の部位への送達まで考えます。
従って、細胞外小胞を通じて
細胞種特異的薬物送達システムを考える際には
特定の細胞種に送達させる事に終始するのではなく、
送達した後、さらに細胞内の目的とする器官に効率よく届け
実際に作用させる必要があります。
その際にカドヘリンを通じたエンドサイトーシス、
そのエンドサイトーシスした細胞内小胞が
同種結合を誘導するカドヘリンを通じて
細胞内小胞同士がクラスタリングすることがあるか?
それを調べる価値が出てきます。
(参考文献)
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Mitochondria are transported along microtubules in membrane nanotubes to rescue distressed cardiomyocytes from apoptosis
Cell Death & Disease volume 9, Article number: 81 (2018)
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(11)
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Mitochondria are transported along microtubules in membrane nanotubes to rescue distressed cardiomyocytes from apoptosis
Cell Death & Disease volume 9, Article number: 81 (2018)
(12)
林 周一・竹市雅俊
プロトカドヘリン17は軸索の集団的な伸長をささえる
DOI: 10.7875/first.author.2014.122
//CAMomeの意義//
細胞接着は細胞の増殖、移動、浸潤に関わる基本原理の一つなので
多細胞生物の必須の生物学的機序です。
人だけではなく、あらゆる生物で適用可能ですが、
人のケースで考えると
受精卵、胚形成、胎盤形成、
胎児、新生児、乳児、幼児、青年、中年、老年と、
人の一生に関わるライフスパンにおいて
人の身体を構成する組織、器官がどのように発達し、
また、それが老化し、一生を終えるか。
その理解の為の一つの主要な領域であると言えます。
従って、細胞接着の研究は、
細胞生物学、発生生物学、脳神経科学の中心的課題であり、
臨床医学の分野では
◎組織形成
◎器官発達異常
◎がん
◎血液凝固
◎創傷治癒
◎脳神経疾患
これらを初め多くの疾患と関連していると考えられます。
また、2000年以降、発展が目覚ましい、
ES細胞やiPS細胞技術を使った
再生医療、人工臓器(オルガノイド)形成においても
細胞接着の機序の理解や
人体の中でのCAMsタンパク質の情報を得る事は
非常に重要であると想定されます。
--
CAMomeとは細胞接着分子のタンパク質を
ある特定の条件において包括的に列挙する
プロテオーム解析のことです。
例えば、
任意の臓器の一定の組織解析から
細胞接着分子に関わるたんぱく質を全て調べ、
その発現量と共に統計的データを明らかにすることです。
すでに違う条件設定でプロテオーム解析は行われています。
そのタンパク質群を細胞接着分子に絞るということです。
--
小児がんを含めたがん、神経変性疾患など
未だ治療の改善の余地が多く残されている疾患は多くありますが、
その一つの本質的な理解のためには
細胞の増殖、移動、浸潤などに関わる
根源的な細胞生物学的機序を理解する必要があります。
例えば、がんでは血管形成が促進されることから
インテグリンαvβ3が亢進されることは知られていますが、
何百種類もある細胞接着分子の中の一つの特徴にすぎません。
これよりも多くの細胞接着分子が関わっている可能性があります。
例えば、移動性の高い免疫細胞は
循環器の中で単に血液中を水分や血液成分と共に
流れるように伝搬しているだけではなく、
血管内皮の細胞接着分子の助けを得て
「転がるように」伝搬し、
特異的な信号を拾って、細胞接着分子の発現を変えて
目的の場所で留まり、あるいは組織実質内に浸潤する機序があります。
これはセレクチンが代表的な機序として挙げられますが(27)、
実際にはインテグリンやカドヘリンなど(28)、
免疫細胞、内皮細胞全体での細胞接着分子においては
多様な分類のそれが関与しています。
こうした細胞の「遊走」は
合成ナノ粒子などの薬物送達においても利用できると考えられます。
なぜなら、細胞や細胞外小胞など
体の中に自然に存在する複雑な機能を持った媒体の移動性を
精緻に制御するシステムの根幹をなすものが
細胞外接着分子の集合体であるからです。
その細胞接着分子集合の情報をプロテオーム解析によって得て
一つ、一つの細胞接着分子の一般的な
分子細胞生物学的な機能を
過去の科学文献を参考にしながらまとめて解釈して
それを合成ナノ粒子などの
ナノ送達媒体機能に組み込むことができたら
その精緻な移動性を獲得できる可能性があるからです。
この事は薬物送達学、ドラッグデリバリーシステムと密接に関わります。
一方で、身体の中の物質の移動において
細胞やナノ粒子製剤以外で非常に重要なのがウィルスです。
新型コロナウィルスはワクチンの貢献もあり
脅威は少しずつ下がってきているものの
未だ、後遺症などに悩まされている患者さんも多くいます。
その中で精力的に
新型コロナウィルスの後遺症について研究されています(35,36)。
この新型コロナウィルスの後遺症の病理を理解するためには
免疫細胞、炎症物質、神経系、補体、ウィルスなどの
移動性、接合性、定在性などが重要です。
この理解の一翼を担うのが細胞接着分子かもしれません。
HIVなど未だ根治、撲滅が難しいウィルス性疾患もあります。
これについても
細胞接着分子との関連が指摘されています(34,37)。
従って、
そのタンパク質情報をできれば、
通常細胞などを参照データとして
比較しながら多元的に明らかにしたいという事です。
その情報をより有効にするためには
そのデータを解釈する必要がありますから、
それぞれの細胞接着分子の機能や特徴を明示し
分析者が理解する必要があります。
この記事はそのような展望を元に更新されていきます。
--
最終的には細胞接着分子に特化した
(生成系を含む)人工知能やスーパーコンピューターによって
分析された具体的なCAMomeデータから
どのような特徴を動画、画像、文章として出力することができるか?
それも実現したいと考えています。
効果的な標的、細胞送達システム、薬物の選択を示すのもその一つです。
--
上述したCAMomeは細胞の接着に関わる機能です。
細胞種特異的薬物送達システム(Cell-type-specific delivery system)。
これでは細胞腫まで解像度を持った
特異的薬物送達を目指します。
特定の疾患に対するCAMomeが明らかになると
その接着に関わる情報が多元的に得られます。
例えば、細胞の周りにある基質の接合部の情報が得られると
それを利用、回避するための機能が明らかになります。
これは薬物送達システムに非常に密接に関わる
タンパク質分析機構であります。
それによって、より副作用の少ない治療につながる可能性があります。
--
細胞接着は皮膚と関連が深いです(29)。
皮膚は目に見える組織であり、
人の容姿に関わる重要な器官です。
年齢を重ねても若々しい見た目でいたいと考える人は
女性だけに限らず、男性も多いです。
その為に子どものような肌を手に入れる事は
1つの目標でもあります。
このような医療だけに限らない産業利用の可能性がある事は
この分野の発展を推し進めるものです。
資金、利益などを含めた経済性の問題もあるからです。
それを医療分野と連携させる事で相乗効果が生まれる可能性があります。
例えば、化粧品企業と製薬企業が提携するという事も有効です。
--
人は必ず一生を終えるという考えが主流です。
しかし、120歳が限界であるという天井の高さを変えることは
今後、10年、数十年でできるようになるかもしれません。
細胞接着分子のプロテオーム解析が発展し
細胞接着分子の理解、
それを利用した治療、医療的介入が
スーパーコンピューターや人工知能などと密に協働して
より深まり、発展する事で
現実的に可能であるという展望が鮮明になるかもしれません。
それは細胞接着分子群だけでは当然決まりませんが、
細胞接着分子のプロテオーム解析と
細胞接着分子一つ一つの包括的理解と情報共有、
そのデータベースの人工知能の取り込みなどは
人の延命という困難な命題において
将棋の「王将」とまでは言えないまでも
「飛車」のような働きを盤上でするものかもしれません。
--
以前、このブログで申し上げたことがあります。
細胞種特異的薬物送達システムにおいて
人材、資金、時間などを投資する際に
一部は自然科学を相手にするものですから
思い通りに行かず、大きく失敗する可能性があります。
もし、信じて動いてくれている方々がいるならば
自然の摂理とはいえ、大問題です。
失敗しないようにあらゆる手を打つことはもちろん重要です。
その失敗は想定しておく必要があります。
しかし、細胞種特異的薬物送達システム実現の
ロードマップには多くの先端技術が必要です。
その先端技術は他の医療に利用できるものです。
また、その経過の中でセレンディピティーに出会う可能性があります。
つまり、全く想定しない結果が得られる可能性もあります。
しかし、その偶然に貴重な資源を委ねる事はできません。
より「確実性の高い」フレームワークが必要です。
大きなプロジェクトであって
公的資金を多く投資するとなるとなおさらそうです。
そのためには予め富士山のような広い裾野を示す必要があります。
ここで様々な可能性を述べる事はこの点に一つ起因します。
おそらく細胞接着分子に対して投資をすることは
かなり高い確率でいくつかの項目の中の
少なくとも一部において医療、産業における
メリットを示すものであると考えます。
これは細胞種特異的薬物送達システムとも密接に関わります。
従って、一貫性を逸脱するものではありません。
病理、薬学、公衆衛生(ウィルス)、美容、健康長寿。
あるいは人以外の動物や植物にも影響を与えるかもしれません。
少なくとも細胞接着分子に関しては
科学者の方たちの過去の尽力によって
多くの情報がすでに存在します。
それをまとめることも大きな価値であると考えます。
早産児健康促進の為の包括的情報でも経験しましたが、
詳しく調べていくと多くのアイデア、シーズが生まれます。
まだ多くの事を知らない現時点においても
細胞接着分子が
この「医療の部屋」で注力する小児医療や
2020年9月以降、一貫して
その実現のために前に歩を進めてきた
細胞種特異的薬物送達システムと密接に関わる事が強く想定されます。
--
細胞接着分子のプロテオーム解析、
その包括的な情報と
一つ一つの基本的機能の理解を紐づける事は
今まで治療が難しかった先天性小児疾患の
横隔膜ヘルニアにも影響を与えるかもしれません。
この疾患は世界で4000人の内、1人に生じるとされています。
先天性横隔膜ヘルニアは軽度から重度が存在します。
横隔膜に穴が生じるなど異形成し、
腹腔側の胃、肝臓、大腸、小腸が胸腔に浸入することで
肺の成長を妨げることが一つの病理ですが、
根本的には横隔膜の異形成の病理を理解することが極めて重要です。
肺にバルーンを入れて、空気圧によって
肺の成長を機械的に促す
胎児鏡下気管閉塞術
(Fetoscopic endoluminal tracheal occlusion(FETO))の効果は
特に重度では臨床的メリットがあるとされています(38,39)。
一方で、異形成が生じる早い段階で
細胞接着分子を含む組織形態学に基づいて
合理的に医療介入によって緩和することができたら、
症状をより軽くできる可能性があります。
実際に
◎カドヘリン(40)
◎免疫グロブリンスーパーファミリー(ICAM,VCAM)(41)
◎セレクチン(Elam-1)(41)
これらが関わっていることが少なくとも知られています。
もっと多様な細胞接着分子が関わっている可能性があります。
その為には横隔膜の筋組織の組織形態を知る必要がありますが、
現時点で情報が不十分であれば、
一般的な骨格筋のそれを明らかにすることで
どのような細胞接着分子が異形成に関わっている可能性があるか?
それについて研究前段階においても
ある程度、推定できる可能性があります。
今述べた骨格筋は
◎インテグリン(Integrin)
◎シンデガン(Syndecan)
◎ジストログリカン(Dystroglycan)
◎カルペイン(Calpain)
◎サアコスパン(Sarcrospan)
◎サアコグリカン(Sarcoglycan)
これら細胞接着分子が骨格筋の細胞質(筋形質)表面に発現し、
細胞外マトリックスの多様な接着分子と共に
複雑に連携しています(42)。
(参考文献(42) FIGURE 10参照)
骨格筋の結合組織は複雑な物質から構成されています。
上述した細胞外マトリックスは非収縮性であり、
線維芽細胞、マクロファージ、毛細血管、末梢神経など
様々な機能を持った細胞、組織を内蔵しています。
これらによって、筋組織は収縮と弛緩の機能を
より柔軟に発揮することができます。
細胞外マトリックスは筋肉から腱に向かって
運動の為の力を伝達する事に貢献します(42)。
従って、筋組織の元となる筋芽細胞と筋線維の融合だけではなく
細胞外マトリックスも重要であり、
さらにそれらを繋ぐ多様な細胞接着分子も同様に
その機能に影響を与えると考えられます。
マクロファージや毛細血管は
筋疲労した際の回復、修復にも関わると考えられます。
細胞接着分子は筋組織による運動の基本的な構成要素の
接着、連携に関わるため、
プロテオーム解析などの技術が進み
筋組織に対してそれを適用できるようになれば、
人の基本的な運動だけではなく、
スポーツ、歌活動などエンターテイメントに波及する事も考えられます。
歌活動では声帯に負担がかかるからです。
例えば、なぜ、30代後半になると運動機能が衰えるのか?
現時点で明らかになっている事に加えて、
さらに根本的な事が明らかになる可能性があります。
それによってプロ、アマチュアの選手としての寿命を
今までよりも長くすることができるかもしれません。
他方で、一般の方が高齢になっても
怪我することなく比較的高いパフォーマンスで
それぞれの方が好きなスポーツを楽しめるようになるかもしれません。
先天性の横隔膜ヘルニアや
筋萎縮性の疾患である筋萎縮性側索硬化症について
神経細胞内の観点だけではなく、
神経系を含めた多様な細胞接着分子を介した接合様式について、
それに付随して一般的な筋肉の機能について調べる事は
スポーツや歌活動など
エンターテイメントにも関わる可能性があります。
--
この細胞接着分子はプロトカドヘリンでは
すでに明らかになっていますが、
神経細胞では非常に構造的に多様になっています。
この細胞接着分子を追究していく事は
「脳神経、精神健康の精密医療」
(Precision medicine for neuronal and mental health)
これに関わる可能性があります。
例えば、今現状で使われている非定型抗精神薬は
神経伝達においてドーパミンならドーパミンだけに
作用するような薬ではなく
多様な神経伝達物質に関与します。
従って、医師も基礎医学的な事も含めて
ちゃんと把握していない可能性があります。
日本を含めた世界の精神医療において、
適切な投薬が必ずしも行われているか?
その適切性は精密医療によって上がる可能性があります。
このような神経伝達物質だけではなく
特定の機能の神経細胞に対して
今までよりも解像度の高い治療が可能になるかもしれません。
なぜなら、細胞接着分子が脳神経では極めて多様だからです。
一つ一つの構造がどのような機能にリンクしているか?
それを動物、人で明らかにすることで
例えば、摂食障害なら摂食に関わる神経細胞「だけ」に
作用する細胞接着分子の機能を調整するということです。
まだ、そのようになっているかはわかりませんが、
そのような可能性があるということです。
神経の状態を解像度を上げて、
患者さんの容態に合わせて薬によって微調整するということです。
--
上述したように子どもの頃を含めて組織の発達は
細胞接着分子の基本的な機序と大きく重なります。
移動性を決める細胞接着分子を理解する事は
薬物送達学の重要な項目となるものです。
これらのような事を含めて考えると
極めて重要な仕事の一つであることは明白です。
細胞接着分子の重要性の気づきは
早産児健康促進の為の包括的調査と
3次リンパ様組織の記事作成の際に
詳しく調査し、考察を重ねてきた事と大きく関わっています。
2009年以降、科学論文を集中的に読み始めて、
積み上げてきた知的資産を利用しながら、
特にそれを可能にした初期、中期の頃に
許容してくださった企業、
非常に優れた環境を用意されていた大学、
あるいは関わってくださった方々に感謝しながら、
読者の皆様と情報共有いたします。
//細胞結合//
細胞結合は固定結合、連絡結合、閉鎖結合の3種類があります。
細胞質内にはアクチンやミオシンなど
細胞内に骨格となるタンパク質が存在し
細胞接着分子の細胞質側の突起部分が
それら細胞骨格と結合する事で
細胞に機械的なストレスが生じても
細胞の可塑性が維持されます。
//細胞の結合の大分類//
(1)固定結合(Anchoring junctions)
固定結合はインテグリンやカドヘリンのように
細胞内外でそれぞれ細胞骨格や細胞外マトリックスなどと
1つ以上の結合部位を持つ様式のことです(1)。
--
(2)連結結合(Communication junctions)
細胞間で化学物質や電気信号などの伝達を行う事ができる
結合のことです(1)。
--
(3)閉鎖結合(Occluding junctions)
生物の身体の中の組織には呼吸器、消化器、血液脳関門などにおいて
一定の科学物質を排除するバリア組織があり、
それが生命の恒常性を維持する上で重要な機能です。
その為には微視的にみれば、
細胞間の隙間をどのように閉鎖するかが重要になります。
その閉鎖のための鍵を握る結合がこの閉鎖結合です。
この閉鎖結合が細胞間にある場合、
小さな分子でさえも少なくとも単一の方向において
その細胞間を浸透することを防ぐことができます(1)。
//細胞接着分子の細胞結合の様式//
<<a:接着結合(Adherens junction(AJ))>>
上述した(1)固定結合の1つが接着結合であり
接着結合は、細胞接着全ての「代表格」であるとされています。
従って、様々な動物、細胞腫で観測されます(2)。
接着結合は個別の接触領域で細胞被膜と細胞骨格分子を繋げる構造です(6)。
基本的な細胞と細胞の接着において必要です。
接着結合は固定接合であり、
細胞内外(Apical/basolateral軸)に結合面を持ち
組織の形態生成に寄与します。
形態生成には細胞の増殖、移動、浸潤など重要な特性がありますが、
接着結合は協調的な移動を誘導します(6)。
例えば、形態形成の例では
血管の恒常性や血管生成に関与します(7)109。
接着結合では細胞内で関与する細胞骨格は
「アクチンフィラメント(Actin filaments)」です。
これは後述する中間径フィラメントより細く、動性が高いです。
そのアクチンフィラメントの径は4-7nm程度であるといわれています。
細胞間の接着構造を示す場合には
その間隔は10-20nmであるとされとり、
細胞膜間を針状(ロッド)の形の分子で占有します(3,4)。
接着結合は上皮組織では帯状に結合することから
「zonula adherens, adhesion belt(接着帯)」
このように特に定義づけられます(2)。
しかしながら、上皮組織では
おそらくバリア機能が重要であることから
帯状の連続した結合様式が観測されますが、
構造的に多様なトポロジーを持つ、
繊維芽細胞内での接着結合では
ムラ、不連続な様式をとります(5)。
(参考文献(6)~)
--
<<d;接着斑(desmosome,macula adherens,デスモソーム)>>
上述した接着結合で関与する細胞骨格はアクチンフィラメントでしたが
接着斑では細胞骨格が「中間径フィラメント」となります。
大きさはアクチンフィラメントとミオシンフィラメントの間で
径が10nm程度であるとされています。
伸張応力に強く、他の細胞と結合を形成し、組織強度を高めます。
-
(構造)
デスモソームは
◎Desmosome-intermediate filament complexes (DIFC)
この複合体から構成されます。この複合体は
◎カドヘリン
◎リンカータンパク質(linker proteins)
◎中間フィラメント
これらのネットワークからなります(8)。
細胞外の核となる領域はおおよそ34nmの長さを持ちます。
◎デスモグレイン(desmoglein)
◎デスモコリン(desmocollin)
これらを含みます。
これらのタンパク質はカドヘリンファミリーに属します。
カルシウム結合モチーフを持ちます。
このカルシウムは結合強度を高める機序があります(9)。
--
<<d;半接着斑(Hemidesmosomes)>>
半接着斑は複数のタンパク質複合体で
上皮細胞とその下の基底膜との安定的な接着を促進するものです(11)。
この半接着斑は強固に整列した複合体で形成され
それらのコアはインテグリンα6β4やP1aで形成されます。
この半接着斑は釘のような構造(stud-like structure)で
例えば、皮膚の表皮の角化細胞内で見つかります。
接着斑と電子顕微鏡で観ると類似しますが、
接着斑は細胞同士の連結であるのに対し、
半接着斑は細胞と細胞外マトリックスの接着です。
上述したインテグリンα6β4は
細胞外マトリックスタンパク質である
ラミリン332と結合します。
この半接着斑の結合状態の改変は
創傷治癒や癌細胞の浸潤に関わります(11)。
半接着斑はタイプ1とタイプ2に分類されます。
タイプ1は層状、準層状(Pseudostratified)両方で見つかるのに対し
タイプ2は準層状のみで見つかります。
準層状とは連結した細胞の1層のみの構造になります。
一方、層状とは複数の層からなる組織です。
タイプ1は
◎インテグリンα6β4
◎ペクチン
◎テトラスパニン(CD151)
◎BPAG1e or bullous pemphigoid antigen isoform
◎Collagen, type XVII, alpha 1(BPAG2)
これらの5種からなります。
タイプ2は
◎インテグリンα6β4
◎ペクチン(without the BP antigen)
これらからなります(10)。
(参考文献(11)~)
--
<<ギャップ接合>>
ギャップ接合は上述した化学物質や電気信号などを結合を通じて
伝えることができる連絡結合の一つです。
ギャップ接合は
脊柱動物ではコネキシン、無脊柱動物ではイネキシンと呼ばれる
チャンネルタンパク質の集合体から構成される細胞膜上に存在する
マクロドメインです(12)。
チャンネルタンパク質とは中に構造的な空洞があり、
下述するようなイオンなどを通過させる事ができる構造体です(13)。
このチャンネルタンパク質は細胞間で
最大で1kDのサイズのイオンや代謝生成物を
大きな速度で交換することができます。
W. Howard Evans(敬称略)らがFigure 1で示すように
2つの細胞のコネキシンが重なるように結合し、
細胞間に「通路」を作ります。
その通路を通り特定のイオンや代謝生成物を
他の細胞に輸送させることができます。
約20種類のコネキシンが人やマウスのケースで見つかっています。
ほとんどの細胞種で複数のコネキシンのアイソフォームが発現されています(12)。
Heteromeric hemichannelとは
Eric C Beyer(敬称略)ふぁFigure 1に示すように(14)
一般的なチャンネルタンパク質の半分程度の長さであり、
イオンや代謝生成物を透過させる空洞の周りを構成する
タンパク質の集合体の構成要素が2種類ある異性物質です。
このような構造は特定の電荷量やサイズを持った物質を
ふるい分けして取り込むような構造的な基礎となります。
このイオンチャンネルタンパク質を横断する信号の
正確な機序はまだ理解されていません。
しかし、どのようにコネキシンがギャップ接合内で
構成され、組み立てられているか?
それについての理解は深まっています。
細胞外のプリン作動性の経路を通したカルシウム波の伝搬における
ギャップ接合ヘミチャンネルの役割が明らかになっています。
このコネキシンの遺伝子変異は
遺伝子的に引き継がれた多数のチャンネルコミュニケーション障害を
明らかにしてきました。
(参考文献(12)~)
--
<<シナプス結合>>
シナプス接着分子は神経ネットワークのための
シナプス結合の形成、成熟、可塑性を駆動する重要な物質です(15)。
MAMドメインを含む
◎Glycosylphosphatidylinositol anchors(MDGAs)
これはシナプス接着分子でシナプス間の架橋形成を制御します。
これが神経伝達やシナプス分化において重要です。
アンカー物質であるMDGA1は
◎タンパク質間の相互作用
◎Synaptic cleft activity(シナプス間隙活性)(*)
「(*)Synaptic cleftは神経系で化学物質の伝達の為の空間です。
この空間によって信号となる化学物質の伝達時間や量を調整します。」
これらを3次元の配座、構造が異なる物質を
採用する事によって制御します(15)。
Qiangjun Zhou(敬称略)らがFigure 1に示すように
シナプス被膜の間の隙間は20nm程度で
そこにニューレキシンやニュロリギンなどの
細胞接着分子がその隙間に延びています。
(参考文献(15)~)
--
<<密着結合>>
体の組織には「区画」があります。
例えば、赤ちゃんの腸の組織の健全性は
壊死性腸炎、またはそれに準ずる消化器系の疾患を防ぐために非常に重要です。
また、飲食物には多くの細菌が含まれますが、
もし、それがそのまま血液中に侵入したら、
多くの場合、敗血症に繋がると考えられます。
従って、腸、肺などの消化器、呼吸器、皮膚など
暴露性の高い臓器、器官においては
非常に頑強なバリア機能が存在します。
粘膜、上皮組織、免疫細胞、血管内皮など多層にわたります。
皮膚はさらに多くの層に分かれています。
そのように上皮組織や内皮組織のバリア機能を高めるための
1つの重要な因子は細胞間の隙間をどのように埋めるかです。
Ceniz Zihni(敬称略)らがFigure.1に示すように(16)
上皮細胞や内皮細胞は細胞が円形の形を取り、
隣り合う細胞との接触面積が小さい状態ではなく
細胞が角型であり、接触面積を多くとるような形になっています。
また、細胞間を「紐で縛るように」結合する様式もあります。
さらにストレスに耐えられるように強い構造が必要になるので
密着結合に関わる複数の受容体の細胞質側には
アクチンや微小管など細胞の骨格となるようなタンパク質が
いくつかのタンパク質を仲介しながら引き付けられ、
その強度に貢献しています。
上述した複数のタンパク質とは
◎CRB3
◎MARVELドメインタンパク質
◎クラウディン
◎BVES
◎JAMs and otehr Ig-type接着タンパク質
◎ネクチン
◎Eカドヘリン
これらなどです。
上述したように腸や血管に代表される上皮組織や内皮組織の
細胞間の連結に密着結合は関与しますが、
腸の内腔、血管内腔表層に面した膜は頂端膜(apical membrane)と呼ばれ、
この頂端膜のバリア機能と密着結合は相関があります。
(参考文献(16)~)
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//細胞接着分子//
(1)インテグリン(Integrin)
インテグリンは膜貫通タンパク質であり、
◎細胞と細胞の接着
◎細胞と細胞外マトリックスの接着
これらに関わります(22)。
インテグリンとリガンドが結合すると
信号変換経路が活性化され、
◎細胞サイクル
◎細胞質の細胞骨格の組織化
◎細胞膜への新規の受容体の移動
◎転写の制御
◎細胞の移動
◎細胞の生存
これらに関わるとされています(22,23)。
(参考文献(22) Figure 2)
インテグリンの存在は細胞表面の生物学的イベントの
急速かつ柔軟な反応を可能にしています。
インテグリンにはα鎖、β鎖があり
これらのサブユニットは互いに密着して結合しています(21)。
このα鎖は18種類、β鎖は8種類あり、
現在では24種類のインテグリンが見つかっています(22)。
α鎖はプロペラ様、β鎖はI-ドメイン構造をしており、
細胞外の頭部のドメインに属します。
インテグリンの間の最も大きな構造の違いは
リガンド結合部位にα-Iドメインの有無にあります。
9種類のインテグリンはそのドメインを持ち
15種類のインテグリンはそれがありません。
インテグリンのβ鎖のβ-I-likeドメインは
いくつかの特徴的な構造的性質をもちます。
α-Iドメインを持つα鎖は上述したように
(1)αL, αM, αX, αD, αE
(2)α1, α2, α10, α11
これら9種類で(1)の白血球に発現される
インテグリンα鎖の全てに有しています。
また(2)に関連するコラーゲン結合のインテグリンにも
α-Iドメインが存在します。
(参考文献(21) Figure 1参照)
(参考文献(21,22) ~)
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(2)カドヘリン(Cadherin)
カドヘリンは竹市雅俊先生が2020年に行われた講義によれば
同じ型のカドヘリン同士が
「生物学的なファスナー、ジッパーのように(Biochmical Velcro)」
細胞間の接合機能を持つ細胞接着タンパク質であるとされています。
従って、E-カドヘリンであれば、
同じE-カドヘリンが同じ溝のファスナーを持つため(構造的な一致)
高い親和性、選択性を持って結合するということです。
他方で、
細胞接着分子の代表格である上述したインテグリンは
細胞外マトリックスのフィブロネクチンのRGDドメインを結合相手として
高い親和性を持って結合します。
このRGDドメインはフィブロネクチンに限りませんが、
異種的なたんぱく質を結合相手として選択します。
一方で、カドヘリンは同種の相手と結合するという点で
特徴的な細胞接着分子です。
これを「Homophilic(同種親和性)」と呼びます。
その結合にはカルシウムイオンが重要な役割を果たします。
このような細胞接着の機能に加えて、
カドヘリン複合体は
「Mechanotransducers(機械的トランデューサー)」として働きます(24)。
トランデューサーとは広義の意味では
1つの形態から別のものに信号を変える装置と定義されます。
従って、機械的トランデューサーとは
カドヘリンの結合によって
別の機械的性質の変化を誘発するものであると説明できます。
上述した密着結合(Tight junction)は
カドヘリンを初め、
◎CRB3
◎MARVELドメインタンパク質
◎クラウディン
◎BVES
◎JAMs and otehr Ig-type接着タンパク質
◎ネクチン
これらの複合的なたんぱく質が関連します(16)。
カドヘリンはその結合を通じて
「順応的な強化(Adaptive reinforcement)」を誘導する(24)とあります。
細胞間の密着結合に関わるタンパク質は複数あります。
Ceniz Zihni(敬称略)らがFigure.1b示す(16)
密着結合における上皮、内皮細胞の閉鎖結合では
カドヘリンと他の細胞接着分子の細胞質側で
機械的性質を決める上で重要な、タンパク質である
◎ZO1、ZO2、ZO3
◎Cingulin
◎RHOGEFs
◎ZONAB
◎PER3、PER6
◎CDC42
◎aPKC
◎RAC
◎RHOA
これらがカドヘリンを含む複数の細胞接着分子間を架橋し、
お互いに連携しながら機械的性質に大きくかかわる
アクチンフィラメントや微小管を引き付けています。
つまり、細胞の密着結合は複数の細胞接着分子が関わっており、
カドヘリンはその重要なたんぱく質の一つで
その結合により、他の細胞接着分子の活性に影響を与え、
それらの複合的な結合により
細胞質側では複数のタンパク質の貢献による
細胞骨格の引付によって
例えば、生体内で生じる細胞への
せん断応力に対する細胞の耐性など
機械的性質の変化が起こると理解できます。
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カドヘリンは細胞接着と離脱の制御に関わっているため
組織の恒常性維持において非常に重要な役割を持っています。
上述したようにカドヘリンは
細胞膜を貫通するタンパク質であるため、
細胞表面の部分の結合による細胞接着の機能に着目すれば
組織の完全性や細胞の移動や浸潤に関わる重要な機能を持ちます。
一方で、細胞内にも結合ドメインを持ち、
複数の細胞接着分子、細胞内タンパク質と協働的に
細胞骨格分子を引き付け、機械的性質の改変に関与します。
カドヘリンは、このような機能だけではなく、
◎細胞サイクル誘導
◎細胞の分化
これらにも関わっているとされています(25)。
(参考文献(24)~)
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(3)免疫グロブリンスーパーファミリー(Immunoglobulin superfamily:IgSF)
免疫グロブリンスーパーファミリーとは細胞表面に発現する
タンパク質のことで抗体として知られるような分子に分類されます。
例えば、IgMタンパク質では
細胞表面にY字型の構造が露出されます。
A F Williams(敬称略)らがFigure 1の左上に示すIgMの構造では(26)
Y字型の構造にC、Vドメインが直列的に存在します。
Cドメインは(Constant domain)、
Vドメインは(Variable domain)であり
それぞれ定常領域、可変領域を示します。
このうちCドメインに当たる定常領域は構造的に安定な部分で
それは100個のアミノ酸をコード化する共通の原初の遺伝子からなります。
「原初の遺伝子(Primordial gene)」という記述は(26)、
私たち生物の祖先が共通であり、その原始的な共通の遺伝子が
脈々と安定した状態で引き継がれてきたことを明示します。
Igの折り畳み構造内に存在する二硫化結合を安定化させる
サンドイッチのパンのような挟みこみの役割をする
2つのβシートはタンパク質は5-10のアミノ酸で構成されます。
A F Williams(敬称略)らがFigure 1に示すように(26)
免疫グロブリンスーパーファミリーの様々なサブタイプは
その細胞外突起構造の中に複数のCドメイン、Vドメインを持ちます。
Cドメインは55-60のアミノ酸残基を持ち、
Vドメインは65-75のアミノ酸残基を持ちます。
Vドメインは構造的に可変な領域であることから
免疫グロブリンファミリーと相方のタンパク質を通じた
特異的な結合に関与するドメインであると考えられます。
それが表面突起の複数の部分に存在する事は
この免疫グロブリンファミリーの表面突起の複数の部位に
それと親和性の持つ抗原などのタンパク質が
高い選択性を持ってアクセスできる事を示します。
(参考文献(26)~)
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(4)セレクチン(Selectin)
セレクチンは
(1)免疫機能
(2)(免疫を含む)炎症反応
(3)組織の治癒
これらにおいて重要な役割を果たします(27)。
セレクチンは糖たんぱく質です。
その糖の部分にあたる多糖構造は
セレクチンの非共有結合を介したリガンドとの相互作用を示し、
それは多様な生物学的プロセスに関与します。
そのセレクチンの結合相手は
◎Sialylated sLe^x
◎Tetrasaccharide sLe^x
これらです。
これらのセレクチンのリガンドである
多糖は糖転移酵素から生み出されます。
上述したようにセレクチンは免疫機能と非常に密接なかかわりがあります。
上述したようにセレクチンは非共有結合性を持ちます。
共有結合とは一般的に結合力の強い化学的結合を示すので
比較的「弱い」結合による接着機能を持ちます。
セレクチンは血管内皮に
「tethering and rolling」することができます。
これは結合しながら、遊走する事を示します。
このような「結合力」は炎症性サイトカインなどによって変化し、
遊走が、病変部位で止められ、固定されることによって
ダメージを受けた組織を修復させる機能を持つ
白血球の中に分類される
◎マクロファージ
◎好中球
◎T細胞
◎B細胞
これらは特異的な送達が可能になります。
この時に(おそらく)組織の炎症部位からの信号によって
インテグリンなど他の細胞接着分子も協働的に関与していると考えられます。
実際にRolling(遊走)の段階においても
インテグリンが協力して関わっていることが示されています。
(参考文献(28) Figure 1)
皮膚や肝臓などは組織の修復能力が高い器官ですが、
セレクチンとICAM-1(intercellular adhesion molecule-1)。
これらが皮膚の創傷治癒に関わっていることが
マウスのケースでノックアウトする事で確認されています(29)。
逆に血管内皮にセレクチンの多くの結合相手、リガンドである
糖たんぱく質が存在します。
癌は転移をする際には原発腫瘍から
細胞外マトリックスなどを介して遊走して、
組織実質から血管内腔へ滲出し、
免疫細胞と同じように血管内皮を伝って
転移先の組織近くで信号を受け取って細胞を止めて、
転移先の組織実質に向けて血管内腔から滲出して、
徐々に整っていく癌微小環境の助けを得て、
長い時間をかけて転移先での癌組織の発達を実現すると考えられます。
従って、癌細胞にも多様な細胞接着分子があり、
免疫細胞のように血管内皮と弱く結合し、
炎症性サイトカインなどによって結合力を高める機序を有した状態で
セレクチンの発現が高まっているケースも想定されます。
実際にセレクチンが癌の転移に関わっている事が
総括されるほど、密接に関わっています(30)。
このセレクチンはカドヘリンと同様に
カルシウムイオンが結合において重要な役割を果たします(31)。
実際にセレクチンは血管の内皮における
細胞や細胞外小胞(32)の移動性、固定、実質への滲出などに
関わると考えられます。
セレクチンは血管内皮にはそのリガンドだけではなく
P-セレクチンそのものも細胞表面に発現されています。
これは上述したように糖たんぱく質と結合するので
コロナウィルス(SARS-CoV-2, SARS-CoV-1, MERS)(33)
の移動性(臓器向性)などとも関わっている可能性があります。
これはコロナウィルスに限らず、
他のウィルスでも可能性があるかもしれません。
例えば、HIVなどです(34)。
(参考文献(27)~)
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(5s)エフリン(Ephrins)
エフリンはチロシンキナーゼ受容体のファミリーの一つで
RTK class IXと9番目のグループに属します。
インスリン受容体はRTK class II、
血管内皮生成因子受容体はRTK class IVにそれぞれ属します。
チロシンキナーゼの一つの特徴は
それに関わる受容体の細胞質側の物質がリン酸化され、
それによって複数のタンパク質を信号として
細胞核に働きかけ、特定の細胞の機能を誘導する事にあります。
例えば、インスリン受容体では
グルコーストランスポーターによる
細胞内のグルコースの取り込みを活性化させます。
例えば、チロシンキナーゼ受容体の一つである
c-Metは筋芽細胞の増殖や移動に関わり、
これが欠損すると筋形成が失われることが示されています(43)。
エフリンは細胞内経路を経て
他の細胞接着分子であるインテグリンに影響を与える事があります。
また、細胞骨格の分布や細胞増殖にも関わります。
細胞骨格の動的機序に影響を与える事は
軸索を任意の場所に誘導する事にも関わります。
従って、神経系の形態生成に関連します46)
(参考文献(45) Figure 3)
神経系は他の臓器と比べて可塑性に富んでいます。
つまり、構造的な変化量が非常に大きいです。
その特性を満たすためには
エフリンのような接着と離脱、
あるいは細胞の形を制御する細胞骨格を動かす機序を持つ
細胞接着分子を有する事が必要です。
神経系以外にも構造として
変化量の大きい器官は多くあります。
例えば、
肝臓、筋肉、皮膚、血管、リンパ管、爪、毛髪
これらなどです。
肝臓にはエフリンが発現されている事が示されています(45)。
筋肉においても非常に重要な役割を果たします(47)。
エフリンは軸索をガイダンスする事から
ガイダンス受容体と呼ばれることもあります。
神経系をガイダンスする事は中枢神経系だけではなく
全身に張り巡らされた末梢神経の動きにも影響を与えます。
そのような筋肉の神経支配に影響を与えるだけではなく(56-59)
筋芽細胞の移動にも関わります(60,61)。
その他には
◎T細胞の成熟(62)
◎血管の成長、パターニング(63)
◎骨の恒常性(64)
◎膵臓(グルコース代謝、インスリン分泌)(65)
これらにもエフリンは関わります。
また
◎骨(67)
◎小腸(68)
◎歯髄(69)
◎毛嚢(70)
その幹細胞、前駆細胞の活性に関連します。
従って、エフリンは再生医療において重要な役割を果たす
細胞接着分子、ガイダンス分子であると言えます。
-
エフリンは13種類のメンバーがあり、
A-サブクラスとB-サブクラスがあります。
これらのメンバーはエフリンリガンドとの
シーケンス類似性、結合親和性によって分類されます。
上述したようにチロシンキナーゼに分類され
そのドメインとなるのが
◎Sterile a motif (SAM)であり、
細胞外のリガントと結合する部位は球形の構造をしています。
Mara E. Pitulescu(敬称略)らが
Figure 1に示すように(44)
エフリンはそのリガンド、受容体は細胞表面に発現されており、
細胞間の物質移動を可能にします。
(トランスエンドサイトーシス)
エフリンにおける細胞同士の分布の機序は単に接着、凝集だけではありません。
エフリンは結合した後、リガンドを元細胞から引き離すことで
(トロゴサイトーシス)、
細胞同士の接着機序を弱め、分離させる機序も併せ持ちます。
(参考文献(44) Figure 1E)
これらの切断は
◎ADAM family metalloproteases
◎γ-secretase proteases
これらのタンパク質分解酵素によるとされています(48-53)。
同じ受容体/リガンドペアでも
構造的に変異が入ることで
細胞質側のチロシンのリン酸化が変わることで
接着と分離が切り替わる事もあります(54)。
エフリンがこのような反発の機序を持つ事は
このエフリンが神経系細胞の表面に発現されている事と深くかかわります。
もし、接着性の機序だけしか存在しないと
神経系は無秩序に軸索を通して連結してしまいます。
その接続選択性、制御性を与えるためには
このエフリンが反発機能を持つ必要があります。
免疫系でも炎症性と制御型の表現型を持つ細胞が存在します。
それによって体の恒常性は維持されています。
細胞接着に関しても、接着の機序のみの場合、
細胞同士、細胞-細胞外マトリックスによる組織形成において
秩序性を有した形式で恒常性を維持することが難しいかもしれません。
エフリンのように受容体を酵素によって切り
受容体量を調整し、反発させる機序がある事によって
制御された状態で形態を維持する事ができると想定されます。
このエフリンは
他の細胞接着因子であるインテグリンの結合性を
下げる効果を持つ場合もあります(55)。
(参考文献(44),(45)~)
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(6)キスペプチン(Kisspeptins)
キスぺプチンとキスペプチン受容体は生殖機能の制御において
重要な役割を果たします(71)。
キスペプチンとその受容体両方が妊娠から始めの3か月に当たる
第一期に高く発現されます。
このキスペプチンは細胞外にも放出され、
傍分泌の様式で栄養膜細胞の
組織化のための浸潤や凝集の形成に影響を与えます(72)。
このキスペプチンとその受容体に変異が入ると
視床下部、下垂体を通した性腺機能低下に導くことがあります。
(Hypogonadotropic hypogonadism)
この性腺機能に関わるゴナドトロフィン(GnRH)は
男性の場合であれば睾丸、
女性の場合であれば卵巣の生殖腺に作用し、
プロゲステロンやテステステロンなど
性ホルモンを放出する一つの源泉の内分泌的経路となります(73)。
これに関わる神経細胞はGnRHニューロンと呼ばれます。
キスペプチン受容体を発現している
キスペプチン神経細胞は視床下部、下垂体、副腎系に
強くかかわっているため、
例えば、共に関わる伝達物質である
ダイノルフィン(dynorphin)などを介して、
ストレス、情動、依存症、摂食、睡眠、免疫、繁殖性行動など
生きる上で基本的に重要な機能に関わっています。
このような生殖機能に関わる神経内分泌機能の他に
特定の癌では転移の制御、血管の動きに関わっています。
さらに脳神経の高次機能にも関連している可能性があります(71)。
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キスペプチン受容体(Kiss1r)は
Gタンパク質共役受容体(GPCRs)のRhodpsinファミリーに属します。
この受容体にキスペプチンが結合すると
細胞質内で
◎G protein-activated phospholipase C (PLCβ)
これが活性化されます。
このキスペプチンが神経細胞などに結合する事で
神経細胞内のカルシウム、カリウムイオンが調整されます。
具体的には
PIP2, PLC, IP3, DAG, PKCなどを介して
イオンチャンネルの開閉を変える事で
カルシウムイオンを取り込み、
カリウムイオンを排出します(74,75)。
このカルシウムイオンの取り込みは
例えば、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質を
シナプス間隙に放出させる引き金となります。
カリウムイオンは膜電位などの調整や
神経伝達の終了にも関与します。
従って、これらのイオンの調整が
キスペプチン受容体とキスペプチンで起こるという事は
神経機能で重要な神経伝達やその調整に
カルシウム、カリウムイオンのイオンチャンネルの開閉を通して
関与していると考える事ができます。
このような神経興奮がキスペプチン依存的に
一つの機能として性腺機能を支配する神経細胞に対して生じる事は、
視床下部、下垂体、副腎軸の多様かつ基本的な機能に関わります。
例えば、ストレス下にある人を含めた生物において、
キスペプチン受容体の活性が異常に高まっている状態では
このキスペプチン受容体をアンタゴナイズ、抑制する
薬剤を投与する事でストレスを緩和させるにも関与する
可能性があります。
神経機能に関わる細胞接着分子は
プロトカドヘリンに代表されるように
非常に構造的に多様である可能性があります。
キスペプチン(受容体)サブタイプはまだ多くは見つかっていませんが、
もし、ストレス、情動、依存症、摂食、睡眠、免疫、繁殖性行動など
多様な機能が存在しますが、
それぞれの機能に対して
構造的に別のキスペプチンが割り当てられていたら、
例えば、依存症だけを治療する拮抗薬を見つける事にもつながります。
専門家にとっては当たり前すぎることですが、
同じ神経細胞は永続的に、安定的に
カルシウム、ナトリウム、カリウムなどのイオン電流を
流しているわけではありません。
基本的には過渡応答によって
神経系の伝達が行われています。
つまり、カルシウムのイオンの移動が起こった時に
そのイオンの移動を安定化させる機序が働くと理解しています。
上述したようにカリウムイオンは膜電位の調整や
神経伝達の終了に関与しているとあります。
つまり、カリウムイオンは神経細胞内に多くありますが、
それが放出されることによって、
神経系の過渡応答が可能になっているということです。
このキスペプチンで重要なのは
神経伝達物質の生成、移動を誘発する
カルシウムイオンを細胞内で生成すること、
あるいは細胞外から取り込むことを高める事にあります。
神経伝達物質はシナプス間で移動する際に
神経伝達物質の受容体に結合して、移動します。
もし、今までの薬剤がこの受容体を標的としているならば、
この受容体を拮抗させる機能とは別の機序がある可能性があります。
つまり、その大元である
カルシウムイオンの調整を行う事ができる可能性です。
このキスペプチンの受容体の活性を抑える事は
今普及している薬剤がカルシウムに作用するものでないならば、
別の作用機序をもつ薬の開発につながるものです。
前述したようにキスペプチンはサブタイプがあります。
この細胞接着分子は脳神経においては
構造的な多様性が非常に高い可能性があるので、
それによる薬剤の選択性が
従来の神経伝達物質受容体よりも高い可能性があります。
キスペプチン以外にもプロトカドヘリンを含めて
下の分類の中で神経系において重要な細胞接着分子があります。
それらの一般的な機能を一つ一つ紐解いていくことで
脳神経系、精神疾患の治療の解像度が上がる可能性があります。
(7)サルコグリカン(Sarcoglycan)
ボディービルダーの人を見ると、
明らかに一般の人、あるいはプロのスポーツ選手と比較しても
筋組織が発達していると観察できます。
しかしながら、ボディービルダーの人が
陸上、野球、サッカーといった特定のスポーツにおいて
それらを専門とするスポーツ選手よりも優れているという事は
当たり前ですが、ほとんどのケースでありません。
例えば、下半身の筋肉量が明らかに大きくても
必ずしもプロフェッショナルのレベルで通用するような
短距離のスピードを実現する事はできません。
これはなぜでしょうか?
もちろん体の全体的なバランス、骨格、関節、柔軟性も関与しますが、
運動は神経系が密接に関わっているからです。
「Sleletal muscle innervation」という概念があります。
これは「骨格筋の神経支配」という意味です。
Tatiana Y. Kostrominova(敬称略)がFigure 1に示すように
神経線維には中枢神経系から延びた末梢神経が繋がっています(76)。
身体の運動のための資源、
例えば、筋組織、細胞外マトリックス、
腱、骨格、関節(軟骨)などがありますが、
それらを「効率的に」動かすためには
神経系の信号が少なくとも必要であり、
例えば、サッカーで狙い通りに高い速度でシュートできたり、
速いスピードで動きながら、ボールを足元で動かせたりする能力は
単に筋肉量だけではなく、
小さい頃から積み上げてた「鍛錬、技術」が必要です。
言われてみれば当たり前のことですが、
その「技術、鍛錬」には「脳」、
つまり筋肉に繋がった末梢神経を含む神経系が関わっていると考えられます。
おそらく野球だけではなく、陸上をしていても
世界のトップレベルになれただろうと言われる
非常に優れた才能を持つ選手は
もちろん恵まれた体の大きさ、筋線維細胞の性能、
関節の可動範囲など多様な要素があるかもしれないですが、
それぞれの筋肉に繋がった神経系が優れているという可能性もあります。
筋肉は収縮と弛緩のサイクルの中で
骨格に繋がった腱に力を伝え、
その腱に伝わった力で骨格を動かし、運動を可能にします。
その強度は収縮の弛緩の振動数や振幅などが関与すると思われますが、
全体的な運動のバランスやエネルギー効率なども関係します。
そのような「統制」は神経系が関与している可能性があります。
しかしながら、例えば、
神経機能が低下した神経変性疾患を持つ患者さんに対して
将来的な医療技術の発展によって
神経細胞の数、あるいはその連結を戻すようなことが
できるようになったとしても
それで、機能がすぐに改善するわけではおそらくありません。
少なくとも今までのすぐに引き出せないものを含めた
記憶をたどって、リハビリテーションすることが求められます。
この事は、運動能力を高めるためには
効率的な方法であったり、休息なども重要ですが、
小さい頃からの努力、鍛錬、それらの記憶が
とても大切であることを示します。
-
この節で述べるサルコグリカンは
Hakan Tarakci(敬称略)らがFigure 1で示すように(77)
筋線維細胞の細胞膜の膜貫通タンパク質複合体の一部で、
α、β、γ、σのサルコグリカンサブタイプがSSPNを挟むように
複合体として結合しています。
これが筋線維細胞の機械的特性に関わるアクチンと
細胞外マトリックス間の連携に関わっています。
その連携にはDAGやLam2など複数のタンパク質が関わっています。
重要なのはこれらの運動に関わっている
基本的な分子がカルシウムイオンであることです。
筋肉に力を与えるために必要なのは
筋肉を「収縮」させるエネルギーです。
弛緩はある程度、収縮した時の内部エネルギーで
自然発生的に生じると考えられるからです。
その収縮の源泉となるのがトロポニンというタンパク質で
このタンパク質がカルシウムイオンを必要とします(98)。
カルシウムイオンを収縮の為に
筋線維細胞は細胞外、あるいは細胞内生成によって濃度を上げて
収縮の後、弛緩させるときにそのカルシウム濃度を下げます。
これらの筋線維細胞の運動は
細胞骨格、それにつながる
膜貫通タンパク質であるサルコグリカンなどの関与によって
筋線維細胞を取り囲む細胞外マトリックスに力を与え、
筋線維全体として巨視的、マクロな力となり、
それが腱に伝わり、骨格を動かし、運動を可能にしていると考えられます。
従って、運動を可能にするためには
必ず「腱」の関与が必要になります。
運動の為に体の多くの部分に存在する
「腱」を必要とするという事を頭に置いておくことは
スポーツ選手やスポーツを楽しむ人が
より健康に実施する必要条件の一つであると
少なくとも想定しています。
このサルコグリカンは筋線維細胞膜である
サルコレマ(sarcolemma)を「安定化」させる働きがあります。
この「安定化」とは細胞膜の組織、機能的な安定化であり、
細胞内外の物質の交換が安定して行われる事を確保するものです。
当然、筋線維細胞の収縮、弛緩に関わる
カルシウムイオンの取り込み、生成、排出にも関わります。
--
上述した細胞接着分子に分類されるサルコグリカンは
筋線維細胞膜に貫通して存在し、
ジストロフィン複合体タンパク質の構成要素の一つです。
筋ジストロフィーという筋肉の疾患があり、
筋線維が劣化して、線維化する病態を示します。
この一つの病理として
上述したサルコグリカンを含むジストロフィン複合体の産生に関わる
ジストロフィン遺伝子に異常が出る事が明らかになっています。
このサルコグリカンに関わる遺伝子に異常が出る事で
肩、腕、大腿部といった肢帯の筋肉に異常が出る事が
複数の研究によって明らかになっています(78-82)。
従って、この筋ジストロフィーを治療するためには
この遺伝子を正常化することが第一の選択肢になると思いますが、
一方で、
ジストロフィン複合体の機能を理解する事で
それよりも下流側のアプローチで医療介入できる可能性もあります。
その一翼を担う構造体がサルコグリカン複合体です。
(参考文献(77)~)
--
(8)ジストログリカン
生命科学を追究するようになって、今までにない感覚があります。
身体の体積としては非常に小さい蟻を観察する事があります。
非常に小さくて細い足が巧みに動いている様子を見ると
あるいは特定の物質に確かな意図を感じる移動が生じている事実を見ると
生命の成り立ちの深遠さを感じます。
以前は小動物を見ても特に何も感じませんでした。
この感覚の違いを自分の軌跡と照らし合わせて
一つの喜びとして噛みしめる瞬間があります。
それを人工的な機械で再現する事は非常に大変なことです。
それもそうした感覚を誘発する一つの源泉となる要素です。
蟻のような動物に関わらず、あらゆる動物は
自分の意図するように体を動かしたいという需要があります。
赤ちゃんも成長の過程で様々な動作を憶えていきます。
寝返りを打つことが出来たときには親としては感動があるものですが、
それは意図的に体を動かすためのマイルストーンです。
体を意図するように自在に動かすためには
その動きに起因するエネルギーを含んだ
それぞれの要素の移動の連携、連絡があります。
今後、研究を重ねるにつれ、情報は正確になっていきますが、
以下、現時点の解像度の低いと考えられる私の詳述になります。
脳の運動神経を含む神経が筋線維細胞に指令を出し、
筋線維細胞はカルシウムの取り込み、排出の中で
収縮運動、弛緩運動をそれぞれ可能にし、
それによって運動の為の移動の源泉を得ます。
その移動に伴うエネルギーは
ここで述べるジストログリカンや
前章で述べたサルコグリカンからなる
筋線維細胞を貫通する複合体によって
(参考文献(100) Figure.2参照)
細胞外マトリックスに伝えられます。
細胞外マトリックスは細胞ではなく、
複雑なたんぱく質の複合体でありますから、
細胞のような複雑な運動を行う事はその物質自身ではできません。
細胞外マトリックスは物質(主にタンパク質)としての組成において
体の部位によって多様性があり、
その物理的特性には同様にばらつきがあると想定されますが、
一般的には筋線維細胞よりも可塑性、弾性は低いと考えられます。
例えば、その運動を物理的な合成波として考えます。
もし、細胞外マトリックスが細胞と同程度の
収縮と弛緩の能力を有しているとしたら、
その移動を波としてとらえると、
身体には複雑な抵抗成分があるにしろ
ある幅を持って打ち消しあったり、増幅したりします。
バネが節を通じて直列に繋がっているイメージです。
波としての重ね合わせで見ると
共鳴するかしないかでその動きに非常に大きなムラが生じます。
そうすると必然的にそれらの複合的な要素で決まる運動は
不安定なものになると想定されます。
少なくともより細かい制御が必要になります。
従って、運動を脳神経の指令に従い、規律的に行うためには
筋線維のようにダイナミックに動く組織と
それを従順に伝える機械的特性としては
ある程度、硬い性質を持つ連絡物質が必要です。
このような推測の上に立つと
細胞外マトリックスは筋線維細胞を取り囲むように位置し、
そのエネルギーを伝える役割がありますから、
機械的特性としてはそれを忠実に伝えるために
硬い性質を持つ必要性があります。
同じく腱も肥大する中間にある筋組織よりも
収縮と弛緩の動きをできるだけ正確に骨に伝える必要があります。
そのためにはある程度、径を細くする必要があります。
そうして力を集めて、骨に効率的にエネルギー、力を伝えます。
そうしたエネルギー、動きの連携においては
ネットワークのグラフ理論でイメージできるような
ノードとエッジがあります。
ノード(点)を繋ぐエッジ(線)に当たる部分が
この記事で集中的に述べる細胞接着分子です。
神経細胞と筋線維細胞を繋ぐ細胞接着分子もあるし、
筋線維細胞と細胞外マトリックスを繋ぐ接着分子もあります。
組織的に不連続であれば、
筋線維組織と腱とつなぐそれもあるかもしれません。
この節で述べるジストログリカンは
サルコグリカンと共に
多核性のアスペクト比の非常に大きい筋線維細胞と
細胞外マトリックスを繋ぐ重要な細胞接着分子です。
インターネットが接続を切られると機能しなくなるように
体もその接続に関わる細胞接着分子が機能しなくなると
途端にその系統的な機能が失われます。
従って、運動に関わる疾患においては
前節で述べたサルコグリカンとこの節で述べるジストログリカンの
構造的な完全性、健全性は非常に重要になります。
ここに遺伝子的な変異があると
おそらく運動における不全がでるはずです。
--
このサルコグリカンは骨格筋の筋線維細胞の膜貫通タンパク質として
働き、筋ジストロフィーの病理などとも
サルコグリカンと共に関わっていますが、
◎中枢神経系の構造と機能(102)
◎末梢神経系のミエリン形成と結節構造(103)
◎上皮細胞の形態形成(104,105)
◎細胞接着(106)
◎シナプス形成(107,108)
◎シグナル伝達(109,110)
これらに関わっているとされています。
脳神経系の形態形成にも密接に関わっており、
◎脳の発達
◎(上述した)シナプス形成
◎シナプスの可塑性
◎神経細胞-グリア細胞の相互作用
◎血液脳関門のメンテナンス、維持
これらに関わっているとされています(99)。
従って、遺伝子的に構造的なサルコグリカンの異常が出る事は
上述した多様な役割において同様に不全が出ると考えて自然です。
従って、サルコグリカンの遺伝子に異常がある
筋ジストロフィーでは脳神経系の
例えば、学習、認知、記憶機能に同じように
障害が出ているケースがあるとされています(101,111,112)。
-
上述したように身体をグラフ理論で説明できるような
ネットワークであると考えると、
今のような社会でネットワークの接続が遮断されると
途端に社会的な機能が失われます。
その接続がローカルなものであればいいですが、
サルコグリカンのように非常に多様な機序に当たる節に異常がでると
今のようにインターネットが前提の社会構造であると
もはや健全な社会活動がストップしてしまいます。
それは人の身体でも同様で
サルコグリカンのように運動や脳神経に影響を与えるような
細胞接着分子に異常が出ると、
系統的な人の身体の様々な部分に不全が生じます。
しかしながら、インターネットに問題が生じた時に
今の技術を持ってすれば、すぐに復旧させることができます。
詳しい復旧システム、予防的構造については未知ですが、
そのような高度なプロセスは
人の身体の治療にも当てはめることができるはずです。
そのネットワークの接続の節に当たる部分が
この記事で集中的に述べる細胞接着分子、
あるいは細胞外小胞、内分泌物質、免疫細胞などですから、
それらを統合的に考えることで
今までよりも総合的なアプローチで
人、動物、植物など様々な生物の健康に貢献できる可能性があります。
(参考文献(99),(100)~)
--
(9)コルネオデスモシン
医療は特に重い疾患を持つ人に手を差し伸べる
いわば「最後の砦」の役割を持ちます。
それが一つの理想ではあると思われます。
このような医療介入が絶対的に必要である人の割合は
具体的に疫学的に示す事は難しいですし、
年齢、国によっても異なりますから正確な数字は示せませんが、
アンケートで健康であると答えた人は半分をやや上回る数字であり、
100%からそれを引いた残り
つまり半分を少し下回る数字よりも大幅に下回るはずです。
人が考える健康ではないという水準が異なるからです。
例えば、新生児、乳児、小児において
数千人に1人といった希少疾患が数多く存在します。
そこに先端技術を持ってして手を差し伸べる事は重要ですし、
経済的な事に支配されない大学を含めた公的機関が
手を差し伸べようとする動きがある事はとても大切なことです。
しかしながら、
公的機関においても
その研究開発、医療応用ために多くの資金が必要であり、
国などの公的機関の補助金や寄付などを募る必要があります。
アメリカなどでは寄付の文化が進んでいるため
本当に価値のあるものであれば、資金が集まる可能性がありますが、
日本では寄付の文化がまだ根付いていないため、
その活動が価値があって、成果が出ていたとしても
なかなか寄付によって十分な資金を集める事が難しいのが現状です。
数千人に1人といった小児の先天性疾患のような例ではなくても
比較的多くの人が罹るがんであっても
それで医療介入を受けなければいけない人はやはり少数派です。
経済の原理から言うと、
多数派(マジョリティー)の需要に応えたいというのがあります。
多くの人が「多少の出費があってもその価値が欲しい」と思う事に対して
最高の価値を提供することが
経済原理における最大ではなくても極大的な理想ではあります。
そうであるとするならば、一つの考え方としては
◎希少疾患の治療
◎癌などの高齢の人が罹る共通的な疾患の治療
◎基礎的な学問の発展
◎次世代の人の教育
これらなどを満たしながら、
◎健康な人の本当に求めるもの、普遍的な需要
これに応えたいというのがあります。
そうであれば、経済的な流動の元に動く
営利企業の協力を無理なく得る事ができます。
その活動が上述した治療につながるということであれば、
ブランド価値にも連結するのでそれも追い風になります。
個人的な事を申し上げるのは逡巡しますが、
必要な事なのでここであえて申し上げると
何度もこの医療の部屋で言っているように
小児医療を改善したいというのがあります。
この活動の出発点は「副作用の少ない癌治療」ですから、
必然的に私の最優先は小児がんということになります。
長く治療を行われた専門家は既知の事ですが、
小児がんの内、最も頻度の高い急性白血病では
化学療法によって治る人は90%を超えます(116)。
これは腫瘍学の中で
現実で示された確かなサクセスストーリーであるとされています(117)。
しかし、化学療法で5年以上生存した人たちは
その後、がんが再発したり、
脳神経、精神を中心とした後遺症などが生じることがあります。
そこを含めて考えると
子どもにおいて残された人生は長いわけですから
その人たちの人生全体で考えると改善の余地は多くあります。
本当にそれを成し遂げたいなら
ここで示す文章だけでは、
(キャリアを含めた複合的な)薬は作製できませんから、
実際にお子さんに効果的な薬を届けるためには
「モノを作る」必要があります。
その「モノを作って届ける」ためには
多くの方の協力、資金、時間が必要です。
それを無理なく実現するためには
経済的なことを無視する事は決してできません。
企業、団体を含めた多くの方の協力を得るためには
その方々への将来の約束を含め給与を払う必要があるし、
企業、団体には利益を約束する必要があります。
つまり、この活動によってお金を循環させる必要があります。
社会の中のマイノリティーの領域だけでは
どうしても規模として経済的に無理が生じてしまいます。
例えば、国、公的機関の過剰な補助が必要になります。
税金を投入するとなるとそこには偏り、
それに伴う社会的な問題が浮かび上がります。
国は地球の持続可能性の問題など
比重を上げないといけない問題が多くあるからです。
私がこの活動でスポーツ、歌活動など
エンターテイメントに触れたり、
ここで時間をとって長い背景を書いているのは
もちろん「心持ち、気持ち的なもの」もあるのですが、
健康な人が本当に必要としているコト、モノに対して
私が提供できる最高の価値を提供したいというのがあります。
目的は希少疾患を含め小児医療を良くしたいからです。
このコルネオデスモシンはその点で
非常に重要な細胞接着分子の一つです。
なぜなら、多くの人が求めている
「見た目を良くしたい」という需要に関わるからです。
自分の容姿を自分の特徴を最大限生かしながら、
自分が持つ資源をできるだけ健康にしたいというのがあります。
その容姿の上で重要なのは「皮膚の状態、健康」です。
その(無理のない)見た目の改善への需要は昔から変わっていません。
つまり、時代の流れによらない普遍的な需要と言えます。
若い人だけではなく、ミドルやシニアの人も
皮膚の状態をよりよくする、魅力的にすることで
気分も若々しくなり、外出機会が増え
消費活動も旺盛になるかもしれません。
その様な可能性を考慮にいれれば、
生じうる派生的な事を含めた経済規模は
単に美容の市場規模だけに留まりません。
そういう需要は変わりない事ですから
すでに細胞接着分子にも着目し、
化粧品メーカーや食品メーカーを中心に鋭意研究されています。
もう一つ、普遍的な需要で重要な領域があります。
それが「肥満」です。
若い頃に比べてミドル、シニアになると
相対的に太りやすくなるというのは
個人差はありますが、性別に関わらずある程度当てはまります。
肥満に関する情報は需要が高いため専門的な事を含めて
世の中にあふれていますが、
わかっていない部分も多くあると認識しています。
食欲や代謝に関わる視床下部-下垂体-副腎軸を含めて
まだ多くの未知が存在する脳神経系も密接に関わるからです。
肥満は脳神経だけではなく
筋肉などを含む全身の組織や
それらをつなぐ内分泌系など
体全体の問題であり、
それらを含めて人の身体について
全体的にわかってない領域があるのであれば、
同様に肥満に対して
未知の領域が存在する事は自然の理です。
その未知の領域の一部を埋める事が
この細胞接着分子の包括的な研究開発によってできるかもしれません。
それは世界的に問題となっている
Ⅱ型糖尿病、アテローム性動脈硬化などの
生活習慣病への貢献だけではなく、
健康な方においても価値を示すことができるものです。
太ってしまうから大好きな甘いものを控えている
という人もいるかもしれません。
もちろん好きなだけというわけにはいきませんが、
その許容範囲が今までよりも少し大きくなれば、
その人のウェルビーイングにつながります。
その方が労働によって提供した価値で得た金銭を
その価値に対して対価として支払ってもいいという事になりえます。
そこにお金の循環が生まれれば、
その金銭を動かす権利を
直接的、間接的に有している場合において
その一部を小児医療の為に利用することもできますし、
この活動に協力してくれた方々への研究開発資金提供や
インセンティブにもつながります。
-
この細胞接着分子の研究開発、応用は
このコルネオデスモシンでは皮膚に関わりますが、
他の例で、カドヘリンでは皮膚だけではなく癌に関わります。
細胞接着分子の研究開発、応用を行う上で
例えば、実際の細胞内外の構造を観る分析技術は
共通的なノウハウがあります。
また、ここで冒頭で述べたように
包括的なプロテオーム解析では
全ての細胞接着分子を含める事が可能かもしれません。
そうすると皮膚に繋がると考えられる
コルネオデスモシンの研究開発、応用を進める事は
他の細胞接着分子のそれを進める事と
ある程度「共通化」できる部分があり、
上述した資金が集まりにくい希少疾患などの需要も含めて
両立する事ができる可能性があります。
このような事は私の頭の中にあっても丁寧に文章にし、
何度も社会に対して説得(Persuade)しなければ伝わりません。
単に科学的、専門的な情報を並べるだけでは十分ではありません。
--
ここからは内容に入ります。
人の身体は「卵のような殻」で覆われていると言っても過言ではありません。
その「殻」は実は膜で覆われた細胞ではあるのですが、
その細胞は「細胞核を失い」生きてはいません。
皮膚は体のどの組織よりも「外的刺激に対して強靭」でなければいけません。
例えば、露出度の高い消化器、腸であっても
何もかも無作為にそこに入れるわけにはいきません。
しかし、皮膚には取捨選択するための選択権がありません。
環境に存在するもの全てと対峙する必要があります。
その為には最も外側の角化細胞を成熟の過程で細胞死させて
◎DNAが活動しないので太陽の紫外線を受けても癌化しない
◎水の需要を下げて、内外で透水性を下げる(保湿)、
◎細胞の形を平坦に安定化させて外観を良くする
◎古くなったらすぐ取り換えられる(新陳代謝)
これらのようにしています。
つまり、細胞死させる事は
進化の過程でものすごく意義のあることであったと考えられます。
その細胞死した角化細胞を
しっかりとした層として固定するために必要な
細胞接着分子の一つがこの節で述べるコルネオデスモシンです。
上述した保湿性だけではなく
物理的、化学的なバリアの機能もあり、
常にさらされる微生物、ウィルスへのバリア機能も有します(113)。
--
上述したように角化細胞が最終的に細胞外に位置し、
強靭なバリア機能を発揮するためには
様々な目的を兼ね備えるために細胞死する必要があります。
その細胞死は高度にプログラム化された状態で生から死に移行されます。
これはコルニフィケーション(cornification)と呼ばれます。
この細胞死する過程を示すコルニフィケーションは
髪の毛や爪などの形成にも関わります(114)。
例えば、髪の毛や爪が延びるという事は
特に問題なければ普遍的なので
その普遍性に大きく関与している可能性がありますが、
一方で、特に男性で多く診られる部分的な事も含めた脱毛の一つの原因として
このコルニフィケーションの(部分的な)不全が関係しているかもしれません。
脱毛は少なくとも一部の人にとっては受け入れられる事ですが、
もし、根本的に治すための一つの重要な機序であるとするならば、
そこには一定の経済的な価値が生じます。
上述したコルニフィケーションのためには
細胞のプログラム死や移動が必要になるので
協力、制御された形の一連の遺伝子的な発現(の波)が必要になります(114)。
その遺伝子的な作用の中に
その移動に関わる細胞接着分子の発現が関わっている可能性があります。
皮膚の角化細胞は細胞のような軟体ではなく
ある程度、形状を平坦に保つ必要があります。
その為にはしっかりした細胞骨格となるようなタンパク質を
細胞質に安定的に存在させる必要があります。
その一つが「ケラチン」です。
ケラチンは角化細胞の分化、成熟の段階で
細胞内小器官から排出され、細胞質で蓄積され、
細胞接着分子のデスモソームなど多くの土台との結合を得て、
位置的な安定性を獲得します。
これらの角化細胞は
細胞外の脂肪酸やコレステロールと
ケラチンやデスモソームなどを通じて
複合的に、密着して結合します(115)。
脂肪酸やコレステロールは疎水性を示すので、水をはじきます。
それによって角化細胞層で透水性を下げて、
深部の皮膚の保湿性を確保します。
他方で、角化細胞は最終的には細胞死しますが、
その細胞死するタイミングは非常に重要であり、
早期に細胞死しないようにプログラムされているとされています(114)。
--
皮膚の健全性を上げるためには
その健全性が高い子供とそれが低下する高齢の人で
具体的に角化細胞に着目した時に
生きた細胞が内側から外側に移動し、細胞死する過程の中で
具体的にどのような機能に差があるか?
それを明らかにすることだと思います。
そのためには基礎として、
上述した概要的な事をさらに詳細に詰めていき、
基本的な概念体系を組む必要があります。
何に着目すべきかという事を
予め半分程度は頭に入れておきたいという事があるからです。
残りの半分は予期しない事の準備の為の余白とします。
--
皮膚の機能を見ると
当たり前なのですが「多目的なバリア機能」が重要です。
現在の高品質な化粧品は皮膚を覆うものであったり、
あるいはコラーゲンなどの
細胞外のタンパク質を補うものです。
それは細胞への負担を減らすものとして重要です。
さらに細胞の活動にも介入する事で
それらの両輪を回し、
ミドル、シニアの方の皮膚の状態を改善できないか?
あるいは若い人の更なるそれを良くできないか?
それを考える事になります。
(参考文献(113,114)~)
--
(11)テトラスパニン(Tetraspanin)(CD151)
小児がんは大人、特に高齢になって罹患するがんとは別物である
という一般的な認識があります。
子どもは発達期にあり、細胞生物学的観点で考えると
細胞が増えて、身体が大きくなっていくわけですから、
当然、その裏側には癌化というリスクがあります。
しかしながら、疫学的に見ると
日本のケースでは0歳から14歳の子どものうち
1年間に2000人から2300人が小児がんと診断され、
全体では7500人に1人の割合となっています(118)。
アメリカの調査では希少疾患の一つとされる
横隔膜ヘルニアは4000人に1人であります。
がんは横隔膜ヘルニアよりも知名度の高い疾患ですが、
疫学的な実情を分析すると、
小児がんも希少疾患の一つといってもよいと考えられます。
細胞が増えていき、ストレートに考えれば、
過渡性が強く、恒常的ではないわけですから、
癌化のリスクが高いものの、
希少疾患の一つとして考えられるほどの
わずかな人しか小児がんに罹らないという事は
遺伝的に獲得した強固な防御機構があるからであると考えるのが自然です。
そのお子さんをがんの脅威から遠ざける機序は何でしょうか?
もちろん、その大切な機序は一つではないと想定されますが、
細胞が若く、非常に精緻な協力が働いている事と想定されます。
その協力を可能にしている一つの形式は、
「強い健康な細胞が集合している」という事であると推測しました。
例えば、大人のがんであっても、
がんを攻撃する能力がある免疫細胞が集合体を作ると
その患者さんの生存率はあがり、予後が改善するとあります。
これは「3次リンパ様組織」と言われます(119,120)。
前々節では身体をグラフ理論で記述されるような
ネットワーク構造としてとらえました。
このようなNetwork/graphをつなげて考える事は
ネットワーク科学において
人工知能のアルゴリズムの一つの中核である
深層学習、強化学習なども含めて
重要な発見を生むと考えられますが(121)、
人の健康を考える学際的モデルとして重要なハブとなりえます。
例えば、SNSの世界ではインフルエンサーという存在の人がいます。
それはSNSをネットワーク理論としてみた時に
一つの収束点、閉集合を示すような
「分散的かつ局所的なハブ、中枢である」と定義できます。
ネットワーク構造としてリスクが高いのは
極度な中央集権的構造である事です。
なぜなら、そこが機能しなくなると、
一気に全体が動かなくなるからです。
かといって、全てがランダムに分散しているのも好ましくありません。
ネットワーク構造として強いのは
集中と分散の中庸にあり、すなわち
分散性を有する中で
いくつかの階層で複数存在する「中枢」があることです。
その「中枢」が優れていて、比較的多く分散して有れば、
ネットワークとして強いと言えそうです。
従って、少なくとも世界のネットワーク構造の中で
中枢となるサーバーはある程度、
分散的な構造を構築しているはずです。
それはリスク回避になります。
腫瘍組織にできる3次リンパ様組織というのは
脳神経全体や心臓のような大きなハブではないですが、
分散的に存在する小さなハブのような働きをします。
そこには抗癌性をもつ免疫細胞が集まるからです。
インフルエンサーが数百万人の好意的なアクセスを得るような感じです。
しかし、それは世界全体で見れば規模としては十分に小さなものです。
身体の組織をこのようなネットワーク/グラフ理論に重ねて考えた時、
「疾患に対してエフェクター性を持つ細胞を含む物質が集まる」
という事が一つのつながりであり、鍵となると考えています。
これは体の中で自然発生的に生じる免疫細胞だけではなく、
人為的な医療介入によって生じる
薬剤などの集合化も含みます。
これは細胞種特異的送達システムと密接に関わります。
ここで話を少し戻して「細胞の協力」という観点で考えます。
ブロックチェーンのシステムでも示されているように
誰か特定の人が違反をしたら、
それを周りの人が監視して、
その違反を見つけた人にインセンティブを与えるシステムがあります。
これは生物学的にはいわば
局所的な細胞の協力機構に他なりません。
なぜなら、細胞の協力では
異常な細胞を周りの細胞が監視し、
その細胞を細胞死させるシステムがあるからです。
完全に分散化して独立化するのではなく、
ある程度、集合化して、局所的に協力するサークルがあることで
安定的なネットワーク構造が築かれるというモデルです。
そういった要素を兼ね備えながら、
さらに上位、中位、下位といった様々な階層があるということです。
現実のネットワーク構造においては最上位には
グーグル、マイクロソフトのような企業が君臨しているでしょう。
そのようなプライベートな組織ではなく、
公的な国家であるかもしれません。
いずれにしても、
おそらく前々節でのジストログリカンの背景では
私の頭の中でネットワーク理論と生命科学において
どの様なイメージを持っているか伝わらなかったと思うので
それについてある程度詳細にここで記載しています。
これは小児がんに密接に関わると
ある程度想定に近い仮説を立てているからです。
子どもの身体のネットワークは
今、世界で何十年もかけて築かれてきた強靭なネットワーク構造に
類似している部分があるのではないかと考えています。
なぜなら、子どもは高齢の人に比べて
疫学的に見たら明らかに健康だからです。
当たり前の事を言っています。
しかしながら、その強靭なネットワーク構造の穴をついて
子どもに重篤な疾患をもたらす希少なケースがあります。
ここで問題にする小児がんのケースでは
急性リンパ芽球性白血病を発症する子供が最も多く、
そのうちの85~90%はB細胞の癌化、異常によるものです(122)。
T細胞がB細胞と相互作用する事も考えると
子どもの白血病を考える上で
B細胞について上述したことを含めて考える事は極めて重要です。
上述したことを含めてというのは
キーワードとしては「集合、中枢、ハブ」ということです。
なぜ、子どもで生じるがんは白血病が多く、
その中でB細胞の異常が多いのでしょうか?
もちろん遺伝子的なことが一番の原因です。
ここでは別の切り口で考えます。
体の中には「勢力図」というのがあると考えています。
これは遺伝子的に問題があっても
必ずしも病気を発症しないという事とリンクします。
身体に脅威があっても、それを防御する機構が強ければ、
その病気を抑える事ができるというものです。
その勢力図に影響を与えるものが集合であると想定しています。
おそらくB細胞が子どもの強靭なネットワーク構造をかいくぐるのは
いくつかの勢力を上げるための
系統的、相乗的な要因があると考えています。
1つは血液内で循環する遊走性があるということです。
組織に常在するよりも
強い協力機構を持っている身体の組織からの
集中的な攻撃を避ける事ができるからです。
もう一つは
「B細胞は免疫細胞の中で特に密に濾胞化する性質がある」
ということです。
骨髄のリンパ節と2次リンパ節の組織学的な違いについては
骨髄のリンパ節の解剖学的な構造の情報が十分ではないため
ここで示すことはできませんが、
2次リンパ節と類似する部分があり、
骨髄でのリンパ節でのB細胞の異常な分化が
2次リンパ節と同様にB細胞の集合が関与しているとすると
上述した「集合」というキーワードにリンクします。
つまり、身体にとって脅威となる細胞も
その勢力を強めるためには「集まったほうが強い」ということです。
集まった状態で癌化して、
それが循環器で分散して広がるイメージです。
そうであるとするならば、
B細胞の白血病の治療では
CD19というのがターゲットとされることが多くありますが、
その根本で、B細胞同士の密な集合による相互作用を小さくするために
B細胞の連結に関わる多様なたんぱく質に対して
薬剤などを含めて医療介入するという道が見えます。
Shoshana Levy(敬称略)がFig.2に示すように
B細胞の表面には
◎インテグリン
◎この節で述べるテトラスパニン
◎免疫グロブリンファミリー
これらなど多様な細胞接着分子が細胞膜で集合体を形成します。
これを 「Tetraspanin-enriched microdomain (TEM)」と呼びます。
これらの細胞接着分子がB細胞同士の密な連携、分化に関わっているとするならば、
いくつかの薬剤による介入の視点が挙げられます。
-
①活性結合部位の親和性を下げる
つまりそれぞれの受容体の結合の親和性を下げる事によって
直接的に他の細胞やタンパク質との連携を小さくさせます。
-
②細胞接着分子同士を完全に切り離す
これらの細胞接着分子は細胞内においてリン酸化したり
あるいは細胞骨格の関与などで複合体を作ります。
この複合体を作る機能に対して弱める介入を行う事です。
-
③負のアロステリック制御をおこな
それぞれの受容体を逆に密に絡ませることで
「緊張させることで」不活性化させるという考え方です。
例えば、インテグリンを他の細胞接着分子と多く絡ませて
細胞外の構造を曲げさせることで
活性な結合部位の露出度を下げさせるということです。
その細胞接着分子同士を絡ませるための架橋物質はあるかもしれません。
-
B細胞同士の連携、
B細胞に異常がある時のテトラスパニンなどの複合体(TEM)の
正の関与については明らかではありませんが、
この複合体に関わるテトラスパニンCD81が
B細胞癌で標的にされるCD19と密接に変わっているので、
この細胞接着分子の複合体が
小児の急性白血病の病理と関係している可能性を想定しています。
-
この小児がんについてテトラスパニンの背景として示した理由の一つとして
テトラスパニン4スパーファミリーに属するCD37の関与があります。
このCD37がB細胞リンパ腫に与える影響が
予後において良いか悪いかで情報が2極化しているからです。
一つの報告では予後の良化と正の相関があるとされています(124)。
しかしながら、急性白血病にいて
このテトラスパニンCD37は予後を予測するためのバイオマーカーになるほど
予後の不良と関連しているという報告もあります(125,126)。
従って、このCD37が標的とされるほど予後の悪化と関連しています(126)。
このテトラスパニンが複合体化も含めて
細胞接着に関わっているならば、
この節の背景でネットワーク理論と交絡させて述べた
細胞の集合化、それによる癌の悪性度、勢力の高まりと関連しているかもしれない。
その様な事が少なくとも脳裏をかすめたことが
テトラスパニンを集中的に記述するこの節における、
テトラスパニンと小児白血病に関する背景記述と関係します。
(参考文献(127)~)
--
(12)コネキシン(connexin)
小児医療に力を入れるという事が
少なくとも現時点における第一優先で、
その治療に貢献するのが細胞種特異的薬物送達システムです。
細胞種特異的薬物送達システムの優先度は
2020年9月以降、継続して高い状態にあり、
この活動の継続的な目標、中枢となるマイルストーンの一つです。
この細胞種特異的薬物送達システムは
ナノ粒子に特異的なリガンドと装飾させる事が
プロトコルとしてあります。
この肺高血圧症、大動脈瘤と密接に関わる
アテローム性動脈硬化症に対して
そのプロトコルはすでに示されています(139)。
このように薬物を効率的に病変部位(細胞種)まで
送達させる事を目的としているので
確立すれば小児医療だけではなく、
がんを含め、多くの疾患に適用できます。
しかし、
頭の中にはそれを小児医療に広く適用したい
というのが多くのケースで継続的にあります。
小児の難病は小児がんに始まり、
筋ジストロフィー、ダウン症、横隔膜ヘルニアなど
挙げればきりがないほど多種多様であります。
このような先天性疾患を含め、
希少疾患はおおよそ7000種類あり、
世界総計で3億人の人が影響を受けています(169,170)。
従って、世界の人口が80億人だとすると
約3.75%の人が影響を受けていることになります。
希少ではありますが、トータルで見ると
決して低い割合ではないことがわかります。
一方で、
一つ一つにおいては何千人に1人というように
罹患割合が低いわけですからロングテールの部分であります。
そうでありながら、
他の共通的な疾患と同様に、あるいはそれ以上に
病理の理解や治療が難しい難病なので
お子さんのライフスパンを考慮した形で
一つ一つの疾患を効果的に治癒させるためには
多くの資源が必要です。
さらに、それがロングテールで分散している状況です。
小児医療に力を入れるという事は
そういった難しい現実と向き合う必要があります。
当然、資金の問題も出てきます。
臨床試験をどう行うのか?という手続きの問題もあります。
そういった難しい状況において
細胞種特異的薬物送達システムは少なくとも
一つのアイテムとして手に入れたいというのがあります。
また、命を脅かすケースの少ない
(スマホなどで深刻化している)近視、虫歯、
鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギーも
当然、向き合うべき小児医療の対象となります。
私の時間的、力学的リソースが限られる中で
どうすれば現実的に小児医療を極大的に良くすることができるか?
それについては冷静に考える必要があります。
この記事では経済的な事も述べていますが、
それに奔走するあまり、
本当に自分の力を効率的に発揮できるところの
リソースが失われるようでは意味がありません。
「頼るところは頼る」というのが大切になりそうです。
また、どう続けるかも重要です。
--
新型コロナウィルス感染症はパンデミックになりましたが
幸いにも子どもは重症化しにくい性質を有していた
というのがあります。
しかし、どのようなウィルスが
今後、世界的に広がるかはわかりません。
今度は子どもに対しても重篤な疾患をもたらす
性質を持つものかもしれません。
そのようなリスク予測は
少なくとも私のような人間は
普通の人よりも正確にしておく必要があります。
また、そのようなリスクがあった時にどうするか?
それについて考え、その対策を事前に打っておく必要があります。
1つは「ワクチン」ということになります。
新型コロナウィルス感染症でも明らかになったように
感染症の中で脅威となるのは空気感染するものです。
その空気感染する場合において
症状として現れやすいのが呼吸器です。
気候変動、(人、モノの)国際化、
人-動物-植物境界の変化の中で
感染症のリスクは変化する事が想定されます。
そういった推定される変化の中で
リスクとして挙げられる感染症の種類の一つが
空気中を漂う蚊を媒介とするものであり、
発展途上国を中心に改善しないといけない感染症ですが、
蚊は少なくとも見えるので
新型コロナウィルスのように見えない感染源が
一番、管理の上で難しいということになります。
脅威となる感染症は健康な子どもにも影響を及ぼし、
疫学的に考えると
希少疾患よりも多くの割合の子どもに対して
脅威となり得るものですから、
小児医療に力をいれるのであれば、必然的に
感染症の脅威について多く時間を費やし
そのリスクに対して備える事に貢献するという事は
少なくとも必要になります。
これは、優先度を上げる必要があります。
--
日本、韓国、中国、台湾などで
特に向き合う必要がある川崎病があります。
Pietro Giorgio Spezia(敬称略)らの報告では
Torquetenovirusが関連している可能性が示唆されています(128)。
このウィルスは呼吸器から入るものではなく、
元々、腸にいて、口経路、環境を介して
別の個人に伝搬するとされています。
ただ、このウィルス自体は世界中に広く分布しているとあります。
この報告で強調されているのは
川崎病への発症ではなく
免疫グロブリン療法に対して抵抗性を示す予測スコアの一つである
Sanoスコアとの関連です(128)。
元々、川崎病は大動脈や冠動脈において瘤ができる病理を持つので
身体の場所としては消化器からよりも、
呼吸器の方が近いという事にもなります。
肺動脈に異常が出る肺高血圧症がHIVとの関連が強く
必ずしも身体的な距離が当てはまるとは限りませんが、
一方で、アジアに多いということを考えると
「発症」に関しては別のウィルスかもしれないという事は
少なくとも想定内に置いておく必要があります。
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例えば、インフルエンザは子どもでも重症化するウィルスです。
従って、新型インフルエンザはリスクの範囲に含まれます。
肺炎、気管支炎、心筋炎を引き起こすケースがあります。
インフルエンザは空気感染する感染症ですから、
気管や肺などの呼吸器だけではなく、
循環器の流れを考えた時にその位置が近い
心臓にも影響を与えます。
身体から静脈を通じて右心房に入った血流は
右心室を流れ、肺に到達します。
肺胞で呼吸によって二酸化炭素、酸素濃度を調整し
今度は呼吸で得た酸素の多い血流を動脈として
心臓の左心房に運びます。
その血液が左心室に運ばれ、大動脈から全身にいきわたります。
(参考文献(130) 図1参照)
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新型コロナウィルス、インフルエンザウィルスなどの呼吸器疾患、
あるいは川崎病において
医療マネイジメントとして重要なのが
参考文献(130)の図1に示されるような
肺と心臓を繋ぐ、大動脈
あるいは心臓の活動の為に血液を送る冠動脈、
これら循環器の中枢の健全性を維持することです。
具体的には、
これらの血管が狭窄、硬化したり(肺高血圧症)、
局所的に広がる(動脈瘤)ことを避けたいということです。
この事を含めて
子どもの公衆衛生において階層的に示すと、
まずは、
ウィルスの監視体制をしっかり築くことです。
局所的な広がりが生じた際には、効果的なワクチンが
できるだけ速やかに全世界に供給できる体制を築いておくことです。
この事はパンデミックを避ける、軽度にする上で重要です。
また、軽症化するという意義もあります。
一方で、歴史的な事も踏まえて、
ウィルスについて詳細を知る事も大切になります。
これはワクチンの開発にもつながります。
さらに身体側の防御体制として
免疫についてより深く知る事も求められます。
実際に新型コロナウィルス感染症の数年間で
免疫学の進展が見られたことはすでに公知のことです。
階層の最も深部、最後の砦としては
大動脈や冠動脈の狭窄、硬化、瘤(拡張)。
これらの治療もそうなのですが
それにつなげるための組織学的な物理、化学、生物学について
理解を深めていくことです。
これらは感染症だけではなく、
肺高血圧症そのものの治療や
川崎病の治療の最後の砦、
肺高血圧症のリスクが高い横隔膜ヘルニアの
後遺症の管理、治療にも役立ちます。
そのために、これら循環器の中枢である
大動脈や冠動脈において
血管壁を形成する細胞、細胞接着分子、細胞外マトリックス。
それらに影響を与える免疫細胞を含む血液成分が
どのように働いているかというのを
総合的な観点を含めて知りたいという需要があります。
この節で述べるコネキシンは
大動脈の中膜に当たる細胞のギャップ接合を形成するものです。
狭窄、硬化、拡張(瘤)が生じる際の
上述した血管壁を形成する
複数の因子の連携、異常に関わっている可能性が高い。
このように考えています。
多くの子どもの安全、健康を守る最後の砦として
コネキシンについて詳しく調査、研究する事が重要である。
そのつながりについて一つ一つ説明する必要があったので
具体的なコネキシンの内容に入る前の背景として
様々な派生的な事を含めて詳述するに至ったということです。
広く伝えるべき重要な内容が含まれるからです。
もう少し説明する必要があります。
大動脈の異常として考えないといけないのは
上述したように狭窄、硬化、拡張(瘤)です。
つまり狭く、硬くなるのも問題であるし、
過剰に広がる事も問題です。
形状を精緻な様式で守る必要があります。
それは、層流、流れを守るということでもあります。
Paul M. Hassoun(敬称略)は
肺高血圧症について臨床的な視点で総括されています(131)。
そのFigure 1では
①毛細血管を含む肺の血管の損傷、異常
②左心室/左心房を含む左側心臓病
③肺疾患、低酸素状態
④肺動脈の閉塞
⑤多要因、未知の機序
これら5つの分類があります。
これらはそれぞれ
①血管の組織の異常
②心臓の異常
③肺の異常
④血管の閉塞(血栓など)
⑤血液、免疫、内分泌(代謝)、腎臓などの異常
ということになります。
その病理の特徴では
〇血管壁を形成する内皮細胞、平滑筋細胞の異常形成(132)
〇組織の線維化(132)
〇炎症細胞の組織内侵入(133)
これらによって
〇内腔の狭窄、
〇内腔に網状物質形成
これらが生じます。
従って、血管壁が厚く、硬くなり、
血流がある内腔が狭く、塞がれることで
結果として肺高血圧が生じると考えられます。
これらの因果は
〇血管のせん断応力(機械的ストレス)
〇低酸素状態
〇自己免疫異常
〇ウィルス感染
〇薬物、毒物への暴露
〇遺伝子的な改変
これらが想定されています(134)。
病因のなかにウィルスというのがあって、
病理の一つに
〇血管壁を形成する内皮細胞、平滑筋細胞の異常形成があります。
これにコネキシンは関わっている可能性があります。
例えば、コネキシン37は
肺動脈の中膜に形成される平滑筋細胞の
つながりを示すギャップ接合を示す
細胞接着分子であることが示されています(135)。
コネキシン43は肺高血圧症の標的として挙げられています(136)。
これは心臓と肺に最も豊富に含まれるコネキシンです(136)。
このコネキシン43が過剰、過少になることで
肺高血圧につながる組織学的な異常になるという事です。
これがギャップ接合ということであれば、
過剰になるという事は異常に多く組織化するということが考えられます。
平滑筋の肥大やコラーゲンなどの細胞外タンパク質を
血管壁に誘引する原因となるかもしれません。
過少になれば、平滑筋のつながりが悪くなるため
出血などのリークにつながります。
この場合、高血圧との関連性に矛盾がありそうですが、
免疫細胞などとの関連で炎症が生じる原因になるかもしれません。
さらに正確に詳述するためには付加的な調査、時間が必要です。
ただ、細胞接着分子に着目した様式で
もう少し詳細な内容を共有する事が出来ます。
Sukriti Sukriti(敬称略)らがFigure.1に示すように(137)、
内皮細胞の連結は
カドヘリンなどの密着接合(Tight junction)
アドへリン接合の他に
このコネキシンが示すギャップ接合があります。
細胞接着分子は上述したように
多くの場合、細胞膜貫通タンパク質であって
単に細胞外において細胞同士、
周りのタンパク質と結合するだけの
機能を有しているものではありません。
他の細胞内経路に働きかけたり、
細胞質側のドメインにおいて
細胞の形状に関わるアクチンなどの細胞骨格と連結します。
ギャップ接合が直接、細胞骨格とつながる様子は描写されていませんが(137)、
複合的に組織の連結に関わる
密着結合やアドへリン結合は細胞骨格と連結しています。
ギャップ接合の健全性は
これらの接合と複合的に連携している可能性があります。
私たちの身体を想像したらわかるとおり
その体の「形の恒常性」が保たれているのは、
主には「骨格」の貢献に依ります。
細胞にとってその「形」を決めるものは
アクチンのような細胞骨格であると想定することができます。
なぜ、ここで「形」について詳述しているか?
その理由は、
中膜を形成する平滑筋細胞をつなぐ細胞接着分子が
大動脈の内皮の狭窄、硬化、拡張に影響を与えうる
その中膜にある平滑筋の形を支える細胞骨格に作用している可能性について
現時点で考察の範囲にあるからです。
もし、ある程度「真」であれば、
これは根本的な病理にアクセスできる可能性を有しています。
少なくともコネキシンの詳細な内容に触れる前に
上述した子どもの公衆衛生に関わる様々な背景と合わせて
これについては触れておく必要がありました。
-
<<要約>>(138)
コネキシンは膜貫通タンパク質で大きなファミリーからなります。
従って、コネキシンは数十のサブタイプがあります。
これらの少なくとも一部は
細胞間ににおいてイオンや信号分子を移動させることや
それらを通じる機序を含めた細胞間のコミュニケーションの役割を持ちます。
コネキシンの合成、成熟、それを通じた膜輸送、膜劣化は
細胞間をつなぐギャップ接合を介した細胞間コミュニケーションを改変します。
コネキシンは多様なたんぱく質と相互作用します。
細胞骨格タンパク質、接合タンパク質、酵素です。
その中でギャップ接合は単に隣接する細胞同士をつなぐ働きだけではなく、
細胞の機能や形質転換を制御する信号複合体としての機能も有します。
コネキシンはMariana C. Fiori(敬称略)らがFigure 1に示すように(140)、
上述したイオンや信号分子を細胞間で移動させる役割を持つ事から
イオンチャンネルと同様に筒のような分子が周りを取り囲み
それらが開閉するような構造を持ちます。
そのようなヘミチャンネルは今述べたような
イオンや信号分子を細胞間で移動させるチャンネル機能だけではなく、
細胞の生死や増殖など細胞の基本的な機能にも関わります。
しかし、これらのメカニズムはよくわかっていません。
-
<<序論>>
組織内に存在する細胞は組織としての恒常性を守るために
周りの(微小)環境から様々な合図を受け取っています。
サイトカイン、細胞成長因子などの可溶性物質、
細胞の周りに存在する細胞外マトリックス、
隣接細胞。
これらの影響を受けています。
コネキシンのような細胞接着分子は
細胞間、細胞-細胞外マトリックス間を接合させる役割があります。
しかしながら、細胞外で接合する役割にとどまらず、
細胞骨格を細胞質で健全に形成する事などを通して
細胞の形を支持、あるいは制御し、
その集合体である組織の構造的な支持、制御を行います。
また、細胞の生死や増殖などの
細胞の基本的な機能に関わる信号を誘発し、
それを雪崩式に伝える働きにも関与します(141,142)。
-
細胞接着分子、それを取り巻く分子を含めた複合体の不全は
通常の組織の機能の不全につながります。
コネキシンはギャップ接合に主に関与する細胞接着分子です。
このギャップ接合に隣接する接合様式である
密着接合、アドへリン接合は複合的に働き
細胞間の健全な接合、それに伴う組織としての健全な機能に貢献する
と考えられます。
従って、これら複合的な結合様式に不全が生じると
例えば、腫瘍組織の発達につながる可能性もあります(143)。
コネキシンが関与するギャップ接合は
今述べた様にアドへリン接合、密着接合と連携して働きます。
これらは組織のバリア機能、
細胞の移動に関わる極性などの機能を制御します(144)。
例えば、バリア機能に関しては
血液脳関門(145)、腸組織(146)、血管内皮(147)などの
バリア機能と関連します。
それを通じて、身体を感染症から守ったり、
脳神経の繊細な機能を維持する上で重要な働きを有します。
これら接合に関わるコネキシンは
人のケースでは21の異なる遺伝子が見つかっています(148)。
このコネキシンは冒頭で述べた様に
細胞間で構造的な空孔を通じて物質を移動させる働きがあります。
siRNAなどの核酸やIP3などの信号物質を移動させます(149,150)。
さらに筋組織の収縮、弛緩や
神経伝達物質の生成、伝達に関わる重要なイオンである
カルシウムイオンの細胞間の移動の重要なチャンネルです(149,150)。
血管の平滑筋細胞ではカルシウムイオンの量を調整する事で
収縮させたり、弛緩させたりします。
収縮時に表面積が小さくなることから血圧があがり、
弛緩時に表面積が大きくなることから血圧が下がります。
これらのダイナミックレンジは血管の弾力性、機能に密接に関わります。
コネキシンは、循環器の中枢である
肺や心臓をつなぐ大動脈の平滑筋細胞に発現されています。
これらにおいてCaイオンの伝達に関わっている事は
血管の最も重要な機能である収縮、弛緩や
血管内皮の連結性、バリア機能に関わっていると想定されます。
また、シナプスのCaイオンの伝達にも関わっている事が想定されます(151)。
Caイオンはドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質の
シナプスでの生成、その間の輸送にも密接に関わるため、
うつなどの精神疾患にも関わっている事が想定されます(151)。
-
コネキシンの構造は高く保持されているとされています(138)。
しかしながら、21種類ある細部タイプの間で
細胞質側にあるドメインの構造は変わるとされています。
細胞質側にあるドメインは
◎細胞骨格との連携
◎リン酸化
◎信号伝達
これらの役割を担います。
例えば、リン酸化はコネキシンのチャンネル構造の開閉に関与します(152,153)。
このコネキシンの発現が過少、過剰になったり、
その開閉機能に異常が出ると、癌などの疾患に関わるとされています(154)。
このコネキシンはCaイオンのチャンネルであり、
リン酸化によってCaイオンの取り込みを制御する働きがあるので
コネキシンの機能の不全がどのようにがん、精神疾患に影響を与えるか?
という事を理解するための一つの重要なピースは
Caイオンの恒常性がどのように人の健康に貢献しているか?
言い換えれば、Caイオンの過剰、過少が
どのように細胞の機能の異常をもたらすか?
それについて考える事が重要になります。
Shanliang Zheng(敬称略)らの総括の記述を参考にすると(155)、
少なくとも細胞が休息状態に入っている時には
Caイオン濃度が下がっている状態なので、
癌細胞が悪性度が高く異常な活性状態にある時には
Caイオンの流入機構/流出機構のバランスにおいて
細胞内のCaイオンを低下させる機能が失われてる場合がある
と推測しました。
一方で、がんが休眠状態(dormancy)に入っている時には
Caイオンが低い状態にあるかもしれません。
Caイオンだけで細胞の活性を一元的に記述する事はできませんが、
一つの因子として関連している可能性があります。
コネキシンは数あるCaイオンチャンネルの一つであり、
細胞間のカルシウムイオンの交換にも関与するので、
他のカルシウムイオンチャンネルにはない
どのような機能を有しているか?
それについても今後、調査していくにあたり
注意、考察していく事になります。
(参考文献(138)~)
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(14)ニューロリギン(neuroligin)
ニューロギリンは神経系の連結においてシナプス間の
神経伝達の受け側であるシナプス後細胞の細胞接着分子です(166)。
これは神経伝達物質、信号を送るシナプス前細胞の
ニューレキシンと"shake hands"。
つまり、握手をするように結合します。
シナプス間でこのような物質的な接触がある事は
おそらく重要な意味があります。
神経系が可塑的な性質を持って軸索を伸ばし、
受け側の神経細胞のシナプスを「選択」するときに
当然、無作為であっては機能的に問題が生じるので
そこには特定の位置決め、結合ルールがあると想定されます。
免疫細胞が目的の位置に行く走化性のような機序が
神経細胞が触手を伸ばしている時にもあるかもしれません。
神経系に関わる細胞接着分子は多種多様ですが、
ニューロギリン-ニューレキシン結合ペアは
このような連結の決定に関わると理解しています。
このニューロギリン-ニューレキシンは構造的な接触があるので
その「位置の決定、安定性」において重要な役割を持つ可能性があります。
そのシナプスの安定性(Synaptic stabilization)には
(プロト)カドヘリンやニューロギリン-ニューレキシンペアのように
直接的に結合するものの他に
上述した(12)コネキシンのヘミチャンネルのように
シナプス内外の物質の輸送に関わるものがあり、
これらが集合体を形成しています。
これは神経外の体細胞でも同じです。
しかしながら、位置の決定の精度は
シナプス間の方がより重要かもしれません。
シナプスの先端部の部屋(膨らみ)にはSynaptic vesiclesが
そのような伝達物質を細胞外小胞のように輸送するほか
そのふくらみの形状の決定、安定化のための
アクチンのような細胞骨格があります。
このアクチンなどの細胞骨格は
体細胞のように細胞接着分子を含む膜貫通タンパク質の
細胞質側のドメインと複合的に結合する事で
安定的に存在出来ている可能性があります。
また、Caイオンは神経伝達において
非常に重要な役割を持っていますが、
シナプス間の位置の正確性を決める
(プロト)カドヘリンやニューロギリン-ニューレキシンペアの
結合性にも関与しています
このような前後のシナプスの位置や間隔は
シナプスによる神経伝達の機能に大きく関わると考えられます。
ニューロギリンは自閉症、統合失調症など精神発達機能と
密接に関わることが一般的に示されています(166)。
構造的な観点で考えると
このようなシナプスの連結に関わる細胞接着分子が不全の時は
その細胞接着分子のシナプス先端での発現量が少ないのか?
それとも結合部位が構造的に欠けているのか?
もしくは構造全体が折れ曲がっているのか?
カルシウムの局所的な供給が不十分なのか?
細胞骨格が上手く形成されていないのか?
それら複合的な要因なのか?
一方で、全く逆で過剰に結合しているのか?
それについて調べる事は
遺伝子的な治療アクセスだけではなく、
分子構造生物学的なアプローチでの治療にもつながる可能性があります。
現時点では手続き上非常に困難かもしれませんが、
無脊柱動物なども含めて
神経細胞を固定(低温凍結)させた状態で取り出し、
それを低温電子顕微鏡で調べる事によって
シナプス間の全体的な構造が見えれば、
上述した事の構造的な事実の一部が見える事になります。
それができるとなると
異常と正常の違い、薬物による介入の影響など
様々な条件で構造(の違い)を調べる事ができるようになり、
最終的に人の治療のケースで貢献できる可能性があります。
筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、
あるいは認知症などにおいて
症状が進んだ状態で神経細胞を再建して
その症状を改善させる事は非常に難しく、
できれば症状が軽い状態で進行を完全に抑えたい
という多くの需要があります。
神経系の老年医療は日本において比重が高いので
そのような研究は実際に日本でも進められています。
うつ、自閉症、統合失調症でも
重症になった場合というのは上述した疾患と同様に
組織学的な事の影響も大きくなっている可能性があるので難しいですが、
例えば、うつなどでは薬によって
症状が改善する事があります。
すでに構築されて、ある程度正確性のある
神経細胞の連結性がある状態で、
一時的、過渡的にその神経伝達に異常が出ている場合には
その神経伝達を薬によって調整する事で
症状が改善するケースがあるということを示すものかもしれません。
これは完全に神経細胞が細胞死し、
神経連結が失われた後に治療する場合と
難易度が大きく異なる事を示すものかもしれません。
細胞としてまだ活動性を有していて、
患者さんの今までのライフスパンで築いた神経連結がある状態で
上述したシナプス間、周辺細胞との
◎細胞接着分子の連結
◎物質チャンネル
◎物質輸送小胞
◎細胞骨格
◎Caイオンなどの結合に関わる物質
これらなどの調整を多元的に微調整することができたら
精神疾患だけではなく、神経変性疾患においても
症状の進行を抑えることを実現する
一つの重要な要素を手に入れる事を示す可能性があります。
当然、人のケースでは神経細胞を取り出すわけにはいかないので
構造的なフィードバックが都度できない状況です。
バイオマーカーやiPS細胞などで
ある程度のフィードバックプロトコルが
動物モデルなどである程度確証を得た経緯の元で確立されれば、
治療の精度、合理性が変わってくる可能性があります。
また、神経連結に関与する星状膠細胞や
神経伝達を決めるミエリンを生成する乏突起膠細胞にも
このニューロギリンは多く発現されています(166)。
このような神経連結を補助する細胞が
機能的にシナプス結合に関与するためには
ニューロギリンを介した結合が必要になります。
(参考文献(166)~)
--
(15)ニューレキシン(neurexin)
(要約)(171)
神経回路の機能は個々の神経細胞の特性と
それらの連結に関わるシナプスの特性に依存します。
この節で述べるニューレキシンと
その結合相手である上述した(14)ニューロリギンを含めたリガンドは
シナプスの形成、再構築がどのように生じるか?
そのシナプスの特性をどのように明記できるか?
それについての基礎的な見識を与えます。
ニューレキシンの遺伝子変異は
発現させたニューレキシンの結晶構造の変化をもたらし、
シナプスでのニューロリギンやLRRTMs(※)との結合性に影響を与える
と考えられます(参考文献(172)Figure.7D参照)。
(※)このLRRTMsとは
Leucine-rich repeat transmembrane neuronal proteinsの事です。
シナプスの連結を強める興奮性シナプスを誘導する
神経伝達物質、イオンなどの受け側である
後シナプス組織化タンパク質LRRTMsの
前シナプス側のリガンドとして機能します(173)。
これらのシナプスでの物質の伝達が
ニューレキシン、細胞接着分子の遺伝子変異に依存した
構造変化によって改変されることは
神経発達疾患や精神疾患の病理に関わります。
ニューレキシンは現段階において
多くのアイソフォームが見つかっているわけではありませんが、
Andrea M. Gomez(敬称略)らは
これらそれぞれのアイソフォームの
「細胞種特異的な(Cell-type-specific)」制御について
議論されています(171)。
このような細胞種特異的な制御を可能にするのは
ニューレキシン、ニューロギリン、LRRTMなどと
共同的に結合する細胞膜表面に構築された
ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)構造の糖鎖修飾です。
これらの糖質構造が細胞種特異的な改変を伴ないます(174)。
従って、神経細胞で細胞種特異的薬物送達システムを実現するための
標的設定としては細胞接着分子に着目するだけではなく、
それと関連する糖鎖の細胞種ごと異なる構造多様性にも
注意を払う必要があります。
この記事で集中的に取り扱う細胞接着分子はタンパク質ですが、
それと同じくらい大切なのは上述した糖鎖です。
他方で、
Shufa Yang(敬称略)らは骨の形成においての
糖鎖生物学について総括されています(175)。
これは骨の形成だけではなく、
筋肉と骨の連携を通じた運動において
少なくとも一定の見識を与えるものであると認識しています。
Andrea M. Gomez(敬称略)らは
ニューレキシン、ニューロギリン、LRRTMなどのタンパク質と
糖鎖の共同的な連携において
細胞種特異的、シナプス特異的な振る舞いについて
焦点をあて総括されています(171)。
この事は細胞種まで解像度を上げた機能の理解だけではなく、
それに基づいた薬物送達、治療に役立つと考えられます。
(参考文献(171)~)
--
(16s)ネトリン(Netrin)
ネトリンはサンスクリット語では「誘導者、リーダー」という意味です。
このネトリンは神経細胞の軸索をガイダンスする役目があり、
そのような名前が付けられたと推測されます(176)。
例えば、大阪から東京まである特定の人を誘導したいとします。
その時に東京にいる特定の人が大阪の人を大声で呼び寄せても
大阪の人にはその声は当然、届きません。
近年では電波による電子機器によって声を届けることができますが、
これはたとえ話なのでここではそういった機能は無視します。
東京に呼び寄せたい場合にはどういった手段が有効でしょうか?
新大阪、京都、米原、岐阜羽島、名古屋、三河安城、豊橋、、、
といったように順々に近くから呼び寄せ、誘導することが重要です。
東京から声を出すよりも、京都から声を出したほうが
実際には届きませんが、物理的には距離が小さいので届きやすいです。
それが高槻になれば、もっと届きやすいし、
新大阪に対して東淀川区から声を出せば、さらに届きやすいです。
新大阪駅の1番ホームに対して、3番ホームになれば、
いよいよ現実的に声が届くとなります。
実際には循環器には流れがあり、このような極端な事は
ドラッグデリバリーでは起こりません。
また、灌流によって薬剤の拡散を促すような
アプローチも考えられます。
そうすると上述したような事と
実際の誤差はさらに大きくなります。
そうではあっても、上述した例に関連する
化学的アトラクタントの考え方は非常に重要になります。
-
ある細胞膜に発現している受容体に対して
非常に高い結合親和性を持つ対となる受容体があったとしても
その「距離」が非常に遠ければ、
その細胞を呼び寄せることはできません。
それを「ガイダンス」するためには、
より近い距離から少しずつ段階的に
目的とする細胞を呼び寄せる必要があります。
そのためには細胞表面に発現しているような
細胞膜タンパク質の場合には
細胞自体が様々な機能を有しているため適していません。
それよりも細胞から独立した
「細胞外の分泌物」である方が好ましいです。
免疫細胞に対してはこうしたガイダンスする分泌物質があります。
それを「ケモアトラクタント」と呼びます。
例えば、MCP-1、CCL2、 CCR2
これらなどがありますが(177)、
もっと多くの種類が実際にはあります。
これらのケモアトラクタントの濃度勾配によって
免疫細胞は標的とする細胞近くまで引き寄せられます。
そして、結合親和性の高い受容体と結合し、免疫機能を発揮します。
冒頭で例を挙げた遠い距離の走化性に関しては
このような「(細胞外の)飛び道具」が機能を発揮します。
-
この記事では細胞接着分子について
どのサイトよりも包括的に詳細に述べる事を目標としています。
ここで扱う細胞接着分子の代表格として
インテグリン、カドヘリンがありますが、
これらは細胞膜貫通タンパク質であり、
通常は細胞膜上に固定されて発現され、
細胞と連結した様式(独立しない形)で働く受容体です。
しかしながら、
この節で述べるネトリン(Netrin)は
細胞外の分泌物質として(178)
免疫細胞のケモアトラクタントのような機能を持ちます。
神経細胞は無作為に連結性を持つと不具合がでるので
その引き寄せ(もしくは反発)、
軸索の先端で発達するシナプスの成熟は
精緻な様式で制御される必要があり、
ネトリンは神経細胞のその軸索のつながりの制御因子の一つです、
しかし、こうした細胞を誘引する、
あるいは反発させる機能を持つことは
神経細胞に限らず、他の細胞でも機能を持つ事になります(176)。
例えば、妊娠後期には胎児のネフロン数はおおよそ決定されます。
ネフロンは4次元的に非常に複雑な組織を形成します。
めいめいのネフロンを正常な機能的構造とするためには
それぞれの組織の形態、形の制御が非常に重要になります。
そのような形態形成(Morphogenesis)に
ネトリンは関わっているといわれており(176)、
実際にネトリンのサブタイプの一つであるNetrin-1は
腎臓の発達における血管のパターニングに関わっている
という報告もあります(179)。
このような血管生成とネトリンの関係性については
複数の報告があります(180-184)。
他方で、
上述したケモアトラクタントは
薬剤送達学において非常に重要な役割を担います(185-187)。
細胞種特異的薬物送達システムでは
通常、細胞の受容体に焦点を当てる事が多いです。
この記事で詳述する細胞接着分子の一つの目的は
「自然な身体の機序を利用した」
細胞種特異的な薬物送達システムの実現にあります。
なぜなら、
細胞の細胞種特異的な動きの一つの重要な機序は
多様な細胞接着分子の組み合わせによって成立している
と考えられるからです。
しかしながら、
「長距離の輸送(動的機序)」に関しては別の機序が必要です。
具体的に脳腫瘍を呈した子どもに対して
脳への侵襲性を低くした状態で薬物を投与する事を考えます。
その時には鼻からスプレー上の薬物などの投与も考えられます。
そうした場合、
外科的に頭蓋骨を開いて薬剤を投与する局所投与や
近くまでカテーテルを通して薬剤投与する場合に比べて、
脳腫瘍まで距離がありますから
標的とする脳腫瘍の細胞の受容体に
その薬剤が高い結合性を有していて
鼻の粘膜からバリア層を通過して循環器に浸透した状態でも
すぐに高い標的性を示すわけではありません。
まずは、ケモアトラクタントのような物質によって
その薬剤を標的細胞まで「誘導、ガイダンス」させる必要があります。
そうした機能を組み込むことは
特に局所投与ではない場合にはおそらく必須となります。
従って、このネトリンは
そのような「長距離の薬物のガイダンス」を実現するにあたり
利用可能性があり、そのサブタイプ、
それぞれの機序について詳しく調べる事は
薬物送達学の発展の上でも非常に重要です。
(参考文献(177),(178)~)
(17)ニューロピリン(Neuropilin)
ニューロビリンは細胞表面受容体で
血管内皮成長因子(VEGF)と受容体として複合体を作る
あるいは神経細胞のセマフォリンと結合する事で
それぞれ血管新生や軸索ガイダンスに関わります。
軸索ガイダンスに関連するセマフォリンは
プレキシンファミリー信号受容体に属します。
このニューロピリンはそれ以外の多くの受容体と複合体を形成する事で
細胞内信号や細胞接着機能の多様な機能がある事がわかっています(188)。
例えば、心臓血管、神経システム、免疫システムに影響を与えます(189)。
あるいは細胞の機能として
ニューロピリンに物質が結合することよって誘発される
エンドサイトーシス機序があります(193)。
ニューロピリンには2つのファミリーメンバーがあります。
Nrp1, Nrp2です。
これらは細胞膜を貫通するタイプ1細胞膜貫通タンパク質です。
ニューロビリンの領域は5つの構造的ドメインから成ります。
〇リガンド結合
〇単一の膜貫通ドメイン
〇細胞内ドメイン(Short intracellular domain)(※)
(※)PSD-95/Dlg/ZO-1 (PDZ)-結合モチーフ
--
このニューロピリンは上述したように血管内皮成長因子と
受容体として相互作用するため、
機能として血管新生に関わります。
これが欠乏すると血管新生が不全になります。
一方で、過剰発現すると血管新生が異常に亢進されます(190)。
従って、異常な血管新生が確認される事がある癌と関わりがあります(191,192)。
表面受容体を糖鎖を除外して考えると
様々な不正確性を導く可能性があります。
受容体が糖鎖形成をすると
受容体を通じた細胞内信号に改変が生じます(194)。
例えば、受容体の2量体化(dimerization)を促すこともあります。
(参考文献(194) Table 2)
このような事はこの節で述べているニューロピリンにおいても生じます。
糖鎖の一種であるG]lucosaminoglycans (GAGs)は
ニューロピリンの2量体化を促し、
血管内皮成長因子などとの相互作用を亢進させる働きがあります(195-198)。
(参考文献(188)~)
(18)セマフォリン(Semaphorin)
インテグリンやカドヘリンなど細胞接着分子の代表格は
主に細胞膜貫通タンパク質です。
このセマフォリンは発現様式は多様です。
〇分泌型(Secreted)
〇膜貫通型(Transmembrane)
〇腔側のみの発現(GPI-anchored)(※)
(※)Glycosylphosphatidylinositol-anchored proteins
(参考文献(199) or (200)のFIGURE 1 Semaphoring 7を参照)
初めはそれら受容体を通して、
神経細胞の軸索ガイダンスの合図としての機能を持っている
ことが確認されています(200)。
この記事で扱う
(17)ニューロピリン(Neuropilin)
(18,セマフォリンサブタイプ)プレキシン(plexin)
これらと相互作用します。
Jing Hao(敬称略)らがFigure 1に示されるように(201)、
セマフォリンの一部の分泌型のサブタイプは
ニューロピリンを受容体として認識します。
このセマフォリンは神経細胞、軸索のガイダンス機能だけではなく、
動脈硬化など、循環器の病理にも密接に関わります。
〇血管内皮細胞の不全
〇白血球の浸潤
〇単球-マクロファージの保持
〇血小板の過反応性
〇血管新生
これらなどに関わります。
--
セマフォリンの構造は以下からなります。
構造が高度に保持されているドメインとして
〇Sema domain
〇A plexin-semaphorin-integrin domain (PSI domain)
また特異的なドメインとして
〇Immunogloulin-like (Ig) domain
〇Thrombospodin domain
〇Basin C-terminal domain
他には
〇IPT domain
〇GTPase bindin domain
〇PDZ binding site
〇CUB(a1/a2) domain
〇FV/FV3(b1/b2) domain
〇MAM domain
〇ADAM cleavage site
これらが存在します(200,202)。
(参考文献(200) FIGURE 1参照)
下述するサブタイプによってどのドメインを構造内に含むかが変わりますが、
Shuhong Hu(敬称略)らがFIGURE 1に示すように(200)、
それぞれのドメインが
分泌型、膜貫通型、膜外側接着型それぞれにおいて
直列につながる構造となっています
また、セマフォリンのサブタイプとして
〇8種類のクラス
〇20種類のファミリーメンバー
これらが現在確認されています(203)。
セマフォリンは例えば分泌型において
同種2量体(homodimer)を形成することがあります(204)。
分泌型のセマフォリンは自己分泌様(Autocrine)に働き、
上述した神経細胞の軸索ガイダンスや動脈硬化だけではなく、
癌の成長、その転移、
動脈硬化だけに限らない最も広範な炎症疾患、
さらには自己免疫疾患などにも関わります(204).
セマフォリンのサブタイプである
セマフォリン3A, 4Dは
身体の形の保持、子どもの成長に欠かせない(210)
骨の形成(3A)、再吸収(4D)にそれぞれ関わります(204)。
骨の形成と再吸収のバランスは精緻に保持される必要があります。
古い骨が破骨細胞によって破壊されて、
新しい骨が形成され、骨の恒常性は守られます。
しかし、骨粗しょう症などの疾患に罹ると
これらのホメオスタシスのバランスが崩れ、
骨の形成に異常がでます。
そうした際には医療介入によって
そのバランスを投薬などによって整える必要があります。
Mikihito Hayashi(敬称略)らは
上述したセマフォリン3Aは
単球やマクロファージ上に発現される(205)
ニューロピリン-1と結合する事により、
骨の再吸収(破壊)に関わる破骨細胞分化を誘導する
nuclear factor-kB ligand (RANKL)(206-208)の活性を抑制することで
骨の再吸収の程度を抑える事を示しています(209)。
セマフォリン3Aは分泌型なので、
それを投与する事で破骨細胞分化前の免疫細胞の
ニューロビリンと結合する事で破骨細胞量を減らし、
それによって骨の再吸収を抑制し、骨の形成を相対的に高めるという事です。
医療介入するときに重要になるのが、
そのような治療対象となる患者さんにおいて
破骨細胞の活性が健康な人よりも高まっているかどうか?
ということを実際にバイオマーカーなどで確認することです。
骨の異常があるときに考えられる原因として
破骨細胞の活性も考えられますが、
逆に骨の形成に関わる骨芽細胞の活性が抑制されている可能性もあるからです。
この場合は、破骨細胞の活性を弱めるよりも
骨芽細胞の活性を高める処置を行う必要があると考えられます。
また、セマフォリンを投与する際において
Thomas Worzfeld(敬称略)らが図に示すように(204)
セマフォリン自身が同種2量体を形成している事がありますが、
人為的に投与する場合、そのセマフォリンの状態が
単量体の状態か、多量体の状態がいいかというのは
検討する余地がある部分です。
(参考文献(200)~)
(19s)シンデカン(Syndecan)
シンデカンは4種類のサブタイプを持ちます。
細胞表面プロテオグリカンで、
硫酸化糖鎖(GAGs)やヘパラン硫酸(HS)などから構成されています。
細胞質側では高く構造的に保存されています。
つまり、シンデカンのサブタイプが変わっても
構造的に変化があまりないドメイン、領域です。
あるいは遺伝子的に構造的変異が生じにくいドメインです。
但し、細胞質側にもサブタイプによって
構造的に変化するドメインが存在します。
上述したヘパラン硫酸(HS)を含めて
コンドロイチン硫酸はシンデカンの細胞外のコアタンパク質の
側面から分岐して外側に複数、構成されます(以下、側鎖)。
コンドロイチン硫酸は構造的に分岐しない多糖であり、
水への可溶性を高める効果があります。
(参考文献(211) Fig.1参照)
これらのコアタンパク質から延びる側鎖は
シンデカンが様々なリガンドと相互作用する事に貢献します。
例えば、
〇成長因子
〇ケモカイン
〇サイトカイン
〇(他の)細胞接着分子
〇コラーゲン
〇細胞外マトリックス
これらです(212,213)。
例えば、シンデカン4は側鎖の
ヘパラン硫酸やコンドロイチン硫酸によって
フェブロネクチンとの結合を介してインテグリンと相互作用します。
(参考文献(214) Figure 1参照)
インテグリンと共受容体(Co-receptor)として働くことによって
細胞と細胞の接着に関与します(215-217)。
シンデカンには1~4の4つのサブタイプがあり、
それぞれが細胞外コアタンパク質の硫酸を側鎖を介して、
インテグリンと相互作用する際には
シンデガンのサブタイプごと
作用するインテグリンのサブタイプは異なるかもしれません。
例えば、以下のような組み合わせが報告されています。
〇シンデカン1⇒インテグリンβ4, αvβ5, αvβ3(222,223,225)
〇シンデカン2⇒インテグリンα2β1(224)
〇シンデカン4⇒インテグリンβ1(226)
インテグリンの他には上述した成長因子に含まれる
〇塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF)
〇血管内皮成長因子(VEGF)
これらと異種共受容体(Hetero-coreceptor)として働きます(219,220)。
加えて、
Gタンパク質共役型受容体とも異種共受容体として働きます。
(参考文献(214) Figure 1参照)
これらによって機能的な働きを示します。
例えば、上述した成長因子を介して
細胞増殖や創傷治癒などにも貢献します。
これらの際、シンデカンが創傷治癒に関わる
免疫機能を調整するサイトカインやケモカインを
調整する事も関与しているかもしれません(221)。
細胞外ドメインの多様な機能の一方で、
細胞質側のドメインでは少なくとも
構造的に高く保持されたC1領域が
Azrin/radixin/moesin proteinsを介して、
細胞骨格を形成するアクチンと結合する役割を果たします(218)。
従って、細胞質側で細胞骨格と結合する機能は
インテグリンやカドヘリンなどの他の細胞接着分子と
一定の類似性を持ちます。
シンデガンの細胞外ドメインの細胞膜近接部位には
酵素によってへき開できるドメインがあります。
特定の酵素(Sheddase Enzyme)によって
このドメインをへき開し、
シンデガンのコアタンパク質、硫酸から成る側鎖全体を
細胞から切り離すことができます。
この遊離したシンデガンを「Shed Syndecan」と呼びます。
Shedとは邦訳すると「脱皮する」という意味です。
従って、構造体から切り離されることを意味します。
(参考文献(211) Fig.2参照)。
上述したシンデガンを切り離す酵素は(Sheddase Enzyme)は
Matrix Metalloproteinase (MMP) 7,9,14です(227-230)。
このように切り離されたシンデガンが
細胞外へ可溶することで傍分泌様、自己分泌様に働き、
細胞とは独立した形で
上述した主に硫酸からなる側鎖を介した
機能的な働きを実現する事ができると考えられます(231)。
(参考文献(231) Figure 2参照)
このようなMMPからなるSheddase酵素による
細胞膜からの細胞接着分子の切り離しは
インテグリンなど他の細胞外接着分子でも見られます(232)。
この事は少なくとも細胞表面に発現される
細胞接着分子を酵素によって調整できる事を意味します。
また、薬学応用を見据えた派生的な観点では
近年注目されているタンパク質分解創薬(233、234)において
標的とするタンパク質をインテグリンなど
細胞接着分子にすることが可能かもしれません。
Shedding酵素のような構想では
その細胞接着分子が分解されず構造体として残るため
機能が移動性を持つ事が考えられます。
細胞同士の接着などの機能は低下するかもしれないですが、
例えば、そのインテグリンが癌と関連があるならば、
その移動性により転移を促進してしまう可能性があります。
一方で、切り離しではなく完全に分解させる事が出来たら、
特定の疾患において過剰に発現されている事が確認された時
その機能を抑制するための一つの方略となりえます。
今まででは結合(活性)部位の親和性、結合性を下げる事が
中心的なアプローチでしたが、
受容体を構成するタンパク質全体(もしくは大部分)を分解する
という方法も考えられるということです。
標的とする細胞接着分子が病変部位に限らず
広範囲にわたり重要な機序を持っている場合や
薬剤のタンパク質分解の特異性が低く、
多種類のタンパク質を分解してしまう場合などを含めて
副作用ももちろん考えられます。
一方で、細胞内のタンパク質を標的とするのではなく、
細胞外のドメインに作用させる事が自明な目的です。
当然、細胞外の構造体は露出しているため
細胞質内、細胞核内に薬物を送達させる場合と比べて
薬物送達効率が向上しやすいと想定されます。
ゆえに、適切な薬物設計がなされた場合において、
顕著な効果が表れやすい可能性もあります。
少し構想としては差異がありますが、
インテグリンを細胞内のリソソームを介して
分解させる構想は示されています(235)。
(参考文献(211)~)
(20s)ラトロフィリン(Latrophilin)
Gタンパク質共役受容体(G protein-coupled receptors (GPCRs))は
構造として特徴的な部分は細胞膜を複数回貫通する事です。
(参考文献(236) Figure 1より)
従って、細胞外、細胞質内で通常の受容体よりも
物質と結合できる多くのドメインを持っています。
少なくともそれらの一部は細胞生物学において
重要な役割を担うイオンであるカルシウムと相互作用しますが、
この節で述べるラトロフィリンにおいて
20年前に初めに発見されたα -latrotoxinに関しては
カルシウムイオン非依存的な機能を有していました。
これは様々なシナプスタイプの神経伝達物質の放出に関わっています(238)。
このα -latrotoxinは神経伝達物質の放出において
Pre-synaptic sideから
シナプス小胞に囲まれた神経伝達物質が
細胞外へエクソサイトーシスさせる機序に
連携的に関わっていると考えられています(237)。
(参考文献(237) Fig.1B)
神経伝達物質を
Pre-synaptic side(前シナプス)から
Postsynaptic side(後シナプス)へ送達させる事は
ドーパミン、セロトニン、ヒスタミン、ノルアドレナリンなど
様々な神経伝達物質の神経回路移動において基本的な事であり、
その為の一つの重要な要素は
出力側の前シナプスから
シナプス小胞内の神経伝達物質を出す、
つまりエクソサイトーシスさせることです。
上述したようにα -latrotoxinはカルシウム非依存的と
当初考えられていましたが、
latrotoxinはミトコンドリアやCaプールなどと協働し、
Caイオン依存的なエクソサイトーシスに関連します。
(参考文献(239) Fig.6参照)
従って、別名としてラトロフィリンとされる
latrotoxinは神経伝達物質に関わる脳の機能や
その神経伝達物質の異常に関わる疾患に
密接に関わると考えられます。
さらにGタンパク質共役受容体構造を持つ
ラトロフィリン受容体は
カルシウムイオンを初め、いくつかの種類のイオンチャンネルを
この受容体が異種、同種2量体を形成する事によって
前シナプス、後シナプス両方に形成します。
「参考文献(238) FIGURE 1の
イオンチャンネル内Gタンパク質共役受容体構造参照」
そのイオンチャンネルは
〇NMDA受容体(NMDAR)(※)
これは興奮性シナプス伝達、学習、記憶に重要な役割を果たします。
〇AMPA受容体(AMPAR)(※)
AMPARは、中枢神経系に広く分布し、記憶や学習に大きく関与しています。
(※)「これらイオンチャンネル(受容体)は
グルタミン酸が結合すると、
受容体の構造が変化し、隙間、トンネルが形成され、
ナトリウムやカルシウムイオンが細胞内に入って、
ニューロンが興奮することで、
シグナルが隣のニューロンに伝わります。
カルシウムイオンは神経伝達物質のシナプス間の移動を誘導するので
言い換えれば、
神経伝達物質のシナプス間の伝達効率が高まっている。
それによって神経系の信号伝達が亢進されているといえます。」
また、シナプス小胞(Synaptic vesicle)のエクソサイトーシス以外にも
ラトロフィリンは前シナプス、後シナプスの結合にも関わります。
この時にはFLRTやTeneurinsが結合相手となります。
このうちTeneurinsは細胞の形態形成に関わります(240)。
従って、ラトロフィリンがこれと結合するという事は
軸索ガイダンスを初め、神経系の回路のパターン、
またシナプス間のミクロな位置調整などを行う可能性もあります。
このようなシナプス間の接合の安定性だけではなく、
神経伝達物質の産生、移動に関わる
カルシウムイオンレベル、
環状アデノシン一リン酸(cAMP)レベルにも
関与することが示されています(241-243)。
一方で、このラトロフィリンは
プロトカドヘリンのように多くのサブタイプを有しません。
現在、哺乳類で確認されているのは3つです(244)。
しかしながら、様々なリガンドと結合することができます。
--
少し内容はラトロフィリンそのものから逸脱しますが、
脳神経系の難病を含めた疾患において重要であると考えられるので
それについて現時点の頭の中にあるものを提示します。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は現時点では遅らせることができても
基本的に予防や治癒させることができない難病です。
脳や脊髄の「運動神経が選択的に」退化することで引き起こされます。
上のラトロフェリンで
「様々なシナプス」と表現しました。
これはAna L. Moreno-Salinas(敬称略)らがアブストラクトで示す(238)
α -latrotoxin, a spider venom toxin with potent activity
directed at neurotransmitter release from a variety
of synapse types.
ここから考えの一部を拝借したものです。
この「バラエティー」というのはどういうことか?
ここがこの段落で述べる事の起点になります。
シナプスはそれぞれの神経細胞種によって
あるいは最も細かい様式で異種的なのか?
その異種性はシナプスの大きさや形なのか?
あるいは発現されている受容体の種類、組み合わせ、密度なのか?
それによって接合できる前後のシナプスの組み合わせが
ある程度決まってくるのか?
そういった疑問があります。
脳において「異種性」「選択性」が
細胞種特異的薬物送達システムと
高い親和性を将来的に持つ事にならないか?
そういった可能性、展望について考えました。
例えば、ALSであれば、
①大脳の第一次(上位)運動ニューロン
②脳幹、脊髄の第二次(下位)運動ニューロン
これらが障害されます。
なぜ、そのような選択性が生じるのか?
言い方を変えれば、他の種類のニューロンは
なぜ、障害されないのか?
関連する遺伝子変異の組み合わせがその選択性を決めているのか?
いずれにしてもこれらのニューロンの
遺伝子、場所、形、連結性、受容体など
特異的な特徴を掴むことで
選択的に治療することができる可能性はゼロではありません。
実際にボスチニブという薬は
数か月間ですがALSの進行をほぼ完全に止めた
という報告もあります(245)。
その薬理において、他の脳神経系の疾患にも生かせるような
何か重要なヒントが隠れている可能性もあります。
脳神経においてfMRIなどで
どの脳実質の領域がどのような機能を持つかは
その血流分析で明らかになっていますが、
神経細胞のタイプで見た時の割り当ては
私の知る限りにおいては
脳の領域に比べては進んでいないと理解しています。
例えば、プロトカドヘリンというのは
この細胞接着分子の記事において
特に脳神経学、精神医療の領域で
非常に重要な分子の一つです。
70種類近くのサブタイプが存在します。
そのプロトカドヘリンと神経細胞のタイプが
どのように割り当てられているか?
それに対して、人の機能がどのようにリンクしているか?
それがわかれば、
脳神経系疾患に対する治療も変わってくる可能性があります。
元々、この記事を始める動機は
細胞種特異的薬物送達システムの実現です。
その為には細胞種単位で構造的に変化のある
細胞表面に発現されている物質を掌握する必要があります。
また、細胞接着分子は人の身体の中の
物質の選択的移動に密接に関わっています。
それを包括的に調べる事で
最終的な結合部位、作用点だけではなく、
そこまでの経路の最適化にも貢献する可能性があります。
より次元の高い設計が必要です。
脳神経系は血液脳関門があるので
薬物送達効率が上がりにくい部位ではありますが、
一方で、上述したように選択性、異種性の高い特徴があるのであれば、
適切な設計をすれば、
特定の神経細胞だけに働く薬剤システムを
開発することができるかもしれません。
この「選択性」について遺伝子の観点を含めて
この段落の内容と一定の類似性が見られる疑問を
Martin Kampmann(敬称略)は2020年7月の時点で
神経学の総括論文で提示しています(246)。
また神経細胞の地図帳(Atlas)に関しては
Science, Science Advance誌が10を超える報告の中で
2023年10月13日に発表しています。
これは基礎的なリソースになると考えられます。
神経学をコンピューターのアルゴリズムの雛形として
考えられることは一つの主流です。
ニューラルネットワークという概念もあります。
神経回路、神経ネットワークの考え方が
電子デバイス、光デバイスを元にして動くことができる
コンピューターと相性がいいからです。
そのコンピューターやインターネットは
心臓部となる半導体やサーバーが故障すれば、
その系統に属するプログラムは動かなくなります。
しかし、インターネットの場合は
サーバーが分散しているため、
それによって生じる不全は部分的です。
脳の疾患の現時点のイメージはそのような感じです。
ALSでは血液を送る平滑筋を動かす機能にも
不全が出ると言われていますが、
心臓を拍動させる運動神経に異常が出ると
心不全のリスクが上がり、命に直結します。
広範な運動神経に影響が出る事には間違いないですが、
段階があって、より重要な機能は最後に影響を受けるように
なっているかもしれません。
もし、進化の過程で生命活動が優先されてきたなら
生命活動に直結する機能は
遺伝子的に、あるいは細胞の機能として
異常がでにくいように保護されてきたという推測も生まれます。
Martin Kampmann(敬称略)は遺伝子の観点で
細胞種特異的な考えを元に総括されている中で
「レジリエントな神経細胞」という文言を使われています(246)。
脅威となる遺伝子変異があったとしても
その遺伝子変異に耐える神経細胞種もあるという考え方です。
その観点で考えると、
すぐに生命に直結する神経系の神経細胞は
遺伝子変異に対する耐性は高いかもしれません。
この神経細胞の機能を元に治療を考える
というアプローチもあります。
--
(参考文献(238)~)
(21s)脳特異的血管生成抑制1(Brain-specific angiogenesis inhibitor BAI1)
(要約)(247)
BAI1は接着性のGタンパク質共役受容体です。
〇食作用(Phagocytosis)
〇炎症作用(Inflammation)
〇シナプス形成(Synaptogenesis)
〇血管生成抑制(Inhibition of angiogenesis)
〇筋芽細胞融合(Myoblast fusion)
これらにおいて重要な役割を担います。
名前から連想されるように、脳で主要に発現されます(248)。
ある程度組織が成熟した大人、
成長過渡期にある子ども両方で発現されています。
このBAI1は脳以外では
〇膵臓、大腸、胃、腎臓、肺
これらで発現されています(249-256)。
このBAI1は脳腫瘍で発現が低下します。
例えば、膠芽細胞種などです。
従って、少なくとも脳腫瘍に対しては癌抑制性を持つと考えられます。
また、上述したように基本的な機能としても
血管生成抑制を持つ事から血管生成が一つの命綱である
癌細胞、その集合体である腫瘍組織に対して抑制機能が働きます。
この点から、脳腫瘍だけではなくある程度広範な癌種に対して
BAI1は癌抑制性を持つ可能性があります。
現時点で、BAI1の発現が見られる
膵臓、大腸、胃、腎臓、肺の個別のがんに対する
BAI1の効果については治療を含めて具体的な情報にたどり着けていませんが、
一般的に癌抑制遺伝子とされるp53とBAI1が正の関連性を持つ
という報告があります(263)。
これはMitra Nair(敬称略)らの総括(247)でも
内容の一部として触れられていることです。
他方で、
このBAI1の発現を人為的な手法で促す事は
癌に対する一つの治療戦略になります。
腫瘍溶解性ウィルス(Vstat120-expressing oHSVs)。
これを使ってBAI1の発現を促すことが可能かもしれません。
-
(構造)(247)
BAI1の構造はMitra Nair(敬称略)らがFigure 1に示しています。
細胞外(ECM)、細胞膜貫通(Plasma membarane)、細胞内(Cytoplasm)。
細胞内外、膜中に細胞膜貫通タンパク質を形成します。
細胞外には
〇RGD TSRs HBD, GAIN+GPS
これらのドメインを持ちVstat120と呼びます。
上述したように腫瘍溶解性ウィルスでは
この細胞外ドメインVstat120を発現させるように設計されます。
細胞膜貫通ドメインとしては
要約で述べたGタンパク質共役受容体構造を取ります。
7回の膜貫通ドメインを持ちます。
細胞質、細胞内では
〇PRR PBD
これらのドメインを持ちます。
さらに細胞外のVstat120より外では
N末端の断片(N-terminal fragment (NTF) )を持ち
これが細胞同士、細胞外マトリックスとの相互作用を持ちます(261,262)。
つまり、BAI1が接着機能を発揮する上で重要なのが
最も細胞外の外側、断片にあるNTFであるという事です。
一方で、
細胞質側にあるC末端の断片(C-terminal fragment (CTF) )は
細胞膜にあるGタンパク質共役受容体構造と相互作用して
細胞内シグナルを誘導します(261)。
また、他のタンパク質と結合することも可能です。
例えば、細胞の形を決める細胞骨格のタンパク質と結合し、
その機能に影響を与える事があります。
この点においては他の細胞接着分子と機能は類似します。
従って、この細胞骨格を通じて
他の細胞接着分子と共受容体(Co-receptor)として
作用する事もあるかもしれません。
-
(血管新生の抑制機序)(247)
血管新生を抑制する事は癌の治療において重要です。
腫瘍微小環境において血管生成は
基本的な機能の一つです(264)。
その血管新生と免疫機能の相互作用に着目して
それを癌治療に生かそうという治療法もあります(257)。
BAI1を癌の治療に生かす事を考えた場合、
このBAI1が具体的にどのように血管新生を抑えるのか?
これについての詳細を把握する必要があります。
しかし、それについてはよくわかっていないとされています。
一方で、確認されていることもあります。
〇血管内皮細胞の細胞死(258)
これを促すことで血管の生成を抑制します。
また、BAI1の細胞外に構成されるTSRsドメインが
いくつかの物質と相互作用する事によって血管新生を抑制します。
〇CD36スカベンジャー受容体(259)
〇αvβ5インテグリン受容体(260)
〇血管内皮細胞
これらです。
(22t)クローディン(claudin)
<背景>
組織の「区画」を守るという事は体の中の
様々なシステムを正常に維持する上で重要です。
この区画に不全がでると
血液、リンパ液、その大部分である水の循環に影響が出ます。
様々な場所の浮腫、出血の原因になります。
それが呼吸器にできると、
またそれが未成熟な年少の子どもや
修復機能が低下している免疫不全の人、
あるいは高齢の方において時に生存を脅かすリスクとなります。
組織の区画はそれだけではなく、
免疫細胞、炎症物質、病原体、アレルゲン、有害物質を
ある特定の場所に留める、血液内に入れないなどの
重要な役割があります。
アレルギーや消化器、呼吸器、皮膚などの異常は
上皮組織の連結性に異常が出ることが一つの大きな病因です。
病原体、アレルゲン、有害物質が実質に入り、
そこに存在する免疫系を惹起するからです。
--
しかしながら、微視的には細胞にも区画があり、
連続的に膜を形成する事はできません。
言い換えば、細胞膜と細胞膜の間(細胞間)に
必ず隙間ができてしまいます。
そうした隙間は様々な物質の浸透のリスクになります。
そうしたリスクに備えるため
よりバリア機能が重要視される呼吸器、消化器では
液性の粘膜が満たされ、
それが体内への物質の侵入を制限します。
もう一つ重要な機序はこの節に関連する事です。
それが細胞間の物質による結合です。
この結合が密着して(タイトに)維持されることで
細胞間の距離を小さくし、その連結性を高める働きがあります。
それが体の中を区画化します。
この細胞間の結合様式は大きく2つが少なくとも存在します。
それが
①接着結合(Adherens junction)
②密着結合(Tight junction)
これらです。
これらの結合が細胞内外で共同的に働き、
細胞間をつなぎ、組織としての健全性を守ります。
Hasan Yuksel(敬称略)らはその単位、簡略的なイメージを
Figure 2に示しています(265)。
①の接着結合はAJsでカドヘリンを示します。
②の密着結合はJAM1、クローディン、オクルーディン。
これらを示します。
この節ではクローディン(Claudins)について詳述します。
ほとんどの細胞接着分子は細胞内で
細胞骨格である物質を含めて複数の物質と結合し、
他の細胞接着分子、受容体と協働的に機能します。
従って、これらの結合様式は
単体として考えられるものではなく、
それぞれの交絡因子(confounder)を考慮して、
連結性を考えていく必要があります。
また、参考文献(265)のFigure 2では簡略的なイメージのため
一つの細胞に対して一つしかありませんが、
実際にはそうではなく、
非常に多くの接着結合、密着結合が
各細胞、それを繋ぐ細胞間に存在します。
従って、組織の連結を考える際には1つを見るのではなく
統計的な考え方が重要になります。
すなわち何割の密着結合、接着結合が機能しているか?
その漸次的な視点が必要であるということです。
当然、これらは細胞骨格や細胞内信号にも関わります、
細胞骨格に関しては細胞の形を決めるものであるため、
機械的ストレスに対する応答や
その細胞、それの集合である組織の形を決めます。
時に、腫瘍を含めた突起物など異常な形を呈するときも
その一部の機序として細胞骨格が関わっています。
その細胞骨格に作用する一つの重要な接着因子です。
--
<要約>(266)
クラウディンは上皮細胞、内皮細胞(267)で形成される
密着結合を形成する一つの細胞接着分子です。
癌組織では特に固形癌では異常な組織の形成を示すため、
このクラウディンを初め密着結合が
異常に発現されることがあります。
このクラウディンの異常発現は癌に関連する
細胞内シグナルを反映して生じている可能性があります。
--
<序論>(266)
1998年にクラウディンは細胞連結性に関わる
密着結合を形成する一つの細胞接着分子として
発見されました(268)。
遺伝子ファミリーは27種類存在します。
腫瘍組織では異常な組織の成長がみられるわけですから
原理的には異常に(多く、バラバラの方向で)
(癌)細胞が連結していると言えます。
バラバラの方向というのは癌細胞一つ一つの形が
異常である事を反映するものかもしれないし、
癌微小環境において細胞の足場となる細胞外マトリックス
の異常形成によるものかもしれません。
通常の上皮組織、内皮組織では
細胞の連結の方向は非常に強固なシステムで守られているからです。
これはクラウディンだけではなく
カドヘリン、JAM1、オクルーディンなどを含めた
複数の細胞接着分子が関わり、
それらの発現密度、発現場所が問題になっている
ということが想定されます。
逆に、これらのタンパク質の発現が過少になったり、
タンパク質を分解する酵素などが多く存在すると
機能が低下することが考えられるため、
それによる通常組織の連結性の低下が懸念されます。
背景で述べた、
アレルギー性疾患、免疫系疾患、浮腫、出血などの
原因となる可能性があります。
(23t)オクルディン(occludin)
<背景>(269)
密着結合は上述したクラウディン、JAM1、
この節で述べるオクルーディン。
これらの複合体から少なくとも形成されます。
この密着結合はFarquhar MG, Palade GE(敬称略)によって
1963年に初めに発見され報告されました(270)。
無秩序に組織形成する腫瘍組織などを除いて、
通常の細胞群で働いている場合においては
形状が維持された状態、
つまり特定の方向性を持った(polarized)
組織のバリア機能を有します。
カドヘリンなどの接着結合(Adherens junction)や
デスモソーム(Desmosomes)とも共同的に働きます。
それによって水、溶解物、大きな分子、細胞などの
浸透率を制御する働きがあります。
他の接合様式、それらに属する細胞接着分子と同様に
オクルディンも細胞内の機能にも関わります。
具体的には細胞の分化、増殖、移動、信号伝達、遺伝子発現。
これらに関わります。
これはオクルディンが細胞膜貫通タンパク質です。
細胞質内に他の物質を結合する事が出来るドメインを持ち、
他のタンパク質などの物質と結合し、
細胞内信号経路を惹起する事で
上述した細胞の基本的機能に関与する事ができます。
この密着結合に異常が出ると
方向性を持った細胞結合やバリア機能が失われることから
上述した癌だけではなく、
脳卒中、糖尿病、網膜症、呼吸器疾患、消化器疾患に関わります(271)。
--
<構造>(269)
オクルーディンはLorenza González-Mariscal(敬称略)らが
Figure 1で示すようにクラウディンと
概略的な構造は類似します(272)。
また、細胞質内の構造の末端に当たる
NターミナルとCターミナルのうちCターミナルが
積極的に他のタンパク質と相互作用する点でも一致します。
Philip M Cummins(敬称略)らがFig.1で示すように(269)、
Cターミナルには
〇Coiled-coil domain
〇ZO-1 domain
〇GUK domain
〇SH3 domain
〇PDZ domain
これらを含み、ZO-1近傍のターミナルにおいて
細胞骨格であるアクチンなどと結合します。
細胞接着分子はインテグリンなどにおいて
同種のそれがクラスタリングする多量体化が確認されますが、
オクルーディンも同種2量体化(dimerization)する事が知られています。
その2量体化を仲介するのはタンパク質との結合機会の多い
Cターミナルであるとされています(273-277)。
この事から2量体に限らず、異種物質である
他のクラウディン、JAM1、カドヘリンなどの組織連結に関わる
細胞接着分子と協働的に働くためには
細胞質内において他の物質と結合する事が重要であるかもしれない
ということが推定されます。
一方で、細胞膜、細胞外に存在するドメイン群を総称して
MARVE domainと定義されています。
(参考文献(269) Fig.1 and Fig.2)
これは4回貫通ドメインであるTM1, TM2, TM3, TM4。
さらに細胞外ドメインであるEL1, EL2を含みます。
(24t)ゾヌリン(zonulin)
(序論)(288)
ゾヌリンは他の細胞接着分子と異なり、
遊離した(構造として独立した)分泌性の物質です。
このゾヌリンは食事や腸内細菌からの刺激によって
腸上皮細胞から自発的に放出される物質です(278)。
このゾヌリンは腸上皮細胞の隙間を開ける働きがあります。
従って、通常の健康な人ではこのゾヌリンの体内の分泌量は
低く抑えられています。
ゾヌリンは血漿中にも循環するため
腸の疾患だけに限らず、喘息の重症度のバイオマーカーとしての
利用も検討されています(279)。
ゾヌリンは腸疾患の中でもセリアック病と
密接に関わる指摘されているため、
セリアック病の治療の標的となることがあります(280)。
他方で、ゾヌリンは
上述したように腸上皮組織の物質浸透性を上げる作用があるので
バリア機能が低下する事を意味します。
腸上皮組織の下にはPeyer's patchesを含めた
リンパ系組織があり、免疫細胞が集まっています。
その集合した免疫系に強く作用する可能性があります。
また血液中への細菌、ウィルスなどの侵入のリスクを高めます。
こうした影響は脳を初め体全体に影響を与えます。
少なくとも今挙げた脳、
それ以外では心臓、肺、腎臓、肝臓、皮膚。
これらの疾患に影響を与える可能性があります(281-287)。
--
(ゾヌリンの循環器の影響)(288)
2000年にWang, W(敬称略)らはコレラ菌から放出される毒素Zotと
構造的に類似する人の腸から分泌される物質を発見しました(281)。
これを「ゾヌリン(zonulin)」と命名されました。
ゾヌリンは、ハプトグロビン2(Haptoglobin2)の前駆物質で
これが成熟し、血中に多く存在すると
(1)炎症性サイトカイン亢進(IL-1, IL-6, TNF-α)(289-291)
(2)へモグロビン分解⇒組織破壊(292)
これらを引き起こす可能性があります。
(26sp)Sec61
人の細胞内にある小胞体の被膜は
タンパク質トランスロコンを有します。
タンパク質トランスコンとはタンパク質構造の単位となる
新生ポリペプチドを細胞基質から小胞体内部空間に輸送させる
チャンネルの役割を果たす、膜貫通チャンネルタンパク質です。
この節のSec61はそのチャンネル構造を構成するタンパク質です。
このSec61が異種3量体構造を形成することがあります。
--
小胞体は細胞の1/3を占める大きくて、主要な細胞内小器官です。
この小胞体は動性を持ち、おおよそ15分以内で
細胞内の97%をスキャンすることができます。
従って、細胞の被膜で覆われた組織を含めて
多くの物質と接触機会を持っています。
細胞内に蓄積されている脂質ドロップレットや
ミトコンドリアとも相互作用します。
その機能は多岐にわたります。
〇脂質、ステロイド合成
〇カルシウム貯蔵
〇タンパク質輸送
〇(細胞の)成熟
〇タンパク質恒常性(Proteostasis)
これらの重要な機能があります(294)。
小胞体の被膜に存在する異種3量体構造をとるSec61からなる
チャンネル構造は最終的に細胞外から放出される
タンパク質の前駆体のほとんどを
このチャンネルを通して、取り込み、放出します。
このSec61は活性を制御するアロステリックサイトがあります。
(1)Translocon-associated protein(TRAP) complex
(2)The ER lumenal Hsp70-type molecular chaperone BiP
これらがSec61のアロステリックサイトに結合し、
このペプチドチャンネルの開閉に関わると考えられます(295)。
(27c)Glycosylation-dependent cell adhesion molecule-1 (GLYCAM1)
(要約)(296)
GLYCAM1は血管内皮細胞に発現される糖たんぱく質です。
ムチンに類似する構造を持ちます。
PRL遺伝子によって発現誘導されます。
一方で、女性ホルモンの一つであるプロゲステロンで抑制されます。
GLYCAM1はインスリン、デキサメタゾン、PRLによって
治療した細胞で誘導されます。
このGLYCAM1は母乳に含まれます。
--
ここからは仮説、考察(「」)になります。
「一般的に女性ホルモンの一つであるプロゲステロンは
妊娠中に高まります。このプロゲステロンが
血管拡張作用があるので、20%程度血管抵抗が下がる
と言われています(297)。
それによって胎児に効率的に血液を送達することができる
と考えられます。
太い血管は影響が少ないかもしれないですが、
血管の内皮に発現されるムチンに似た構造である
GLYCAM1はプロゲステロンによって抑制されます。
GLYCAM1が酵素によって
Shedding(切り離される)可能性も考慮すると
血管壁の近くだけではなく、
血管内の血液(流体)の粘性にも関わるかもしれません。
それによって血管抵抗に影響を与える可能性はあるか?
ムチンは基本的に粘膜では数%程度の分量でも
その液体の粘性に大きく影響を与えます。
血液は粘膜に比べて顕著に流動性が高い(粘性が低い)です。
〇血液:3.0-4.0(mPa・s)
〇母乳:5.1-89.3(mPa・s)(300)(※参考)
〇粘膜:(60-140)×1000(mPa・s)
最小でも15000倍差があります。
そうするとわずかなムチンlikeのGLYCAM1の量でも
血液の粘度に影響を与える可能性があります。
まだ、エビデンスが決定的に不足している状態ですが、
このGLYCAM1が血液の粘性(あるいは血管抵抗)に関わっているとすると
このGLYCAM1を抑制する薬剤が、
血液の循環を促したい治療などに使われる
ヘパリンなどの代替の治療、投薬手段として
利用できる可能性もあります。
例えば、上述したようにGLYCAM1発現を誘導する
デキサメタゾン(298)、インスリン(299)は
共に血圧を上げる効果があります。
分子レベルの機序の可能性として
GLYCAM1が誘導される事によって
血液の粘性や血管抵抗が上昇したことが
関連している可能性があります。」
--
(免疫系との関連)(296)
GLYCAM1は内皮細胞に多く発現される
ムチンに構造的に類似した糖たんぱく質です。
主に血管内皮に発現されます。
リンパ節に繋がる高内皮細[小]静脈(endothelial venules (HEV))。
ここに多く分泌されるとしています。
ここは素通りできないところです。
もう少し追究して考察します。
前提として、上の仮説は当てはまり、
GLYCAM1が血管内の血液の粘性や血管抵抗に関連しているとします。
そうするとこれが多く分泌される
高内皮細静脈(HEV)の血液成分の流れは
他の血管に比べて遅いと推定されます。
Jean-Philippe Girard(敬称略)らがFigure 1aで示すように(301)
高内皮細静脈(HEV)は2次リンパ節内に
連結される、形成される血管です。
この高内皮細静脈は血液中のリンパ球を
リンパ節に誘導する特殊な血管です。
このリンパ球の血管内の動きを遅くする事が
どのように重要か?という点です。
リンパ節では少なくとも濾胞化する必要があります。
従って、速度が遅い事によって、
細胞が必要な場所に捕獲されやすく、
濾胞化を促進するかもしれない
ということが一つ考えられます。
また、この高内皮細静脈内と
リンパ球が通過する際にどのような相互作用をするか?
これについて考える事も意味があります。
Jacob Amersfoort(敬称略)らがFig.1aに示すように(302)
〇免疫細胞の引付け
〇癌免疫治療効果の改善
〇免疫調整(Immunomodulation)
これらの相互作用が挙げられています。
このGLYCAM1はセレクチンと結合ペアであるため
セレクチンを通じた免疫細胞との結合はあると考えられます。
また、HEVの内皮細胞より免疫調整を行う分泌物があるのであれば、
その経路の細胞の滞在時間が長くなることは
免疫学的に意味があるかもしれません。
薬学応用として考えられることは
このGlyCAM1が免疫細胞を引き付ける、プライムすること。
これを利用することです。
GlyCAM1をコード化したmRNAをナノ粒子に入れます。
癌組織など特定の組織に特異的送達ができ、
そこでGlyCAM1の発現が上がれば、
セレクチンとの結合による結紮、
(仮説が正しければ)周辺体液の粘度上昇。
これらが実現されます。
局所的に流速を下げる事で
周りを遊走している免疫細胞を
特異的に誘導できる可能性もあります。
癌組織の周りは粘着質であり癌化を逆に促したり、
高血圧などの副作用も考えられますが、
上の仮説がある程度、真であれば、検討してみる価値はあります。
(28c)CD34(Cell surface sialomucin)
sialomucin CD34は人の腫瘍組織内のリンパ系内皮細胞で
発現されることががあります。
このsialomucin CD34の発現が見らえる癌は以下です。
結腸がん、乳がん、肺がん、皮膚がんです。
この時、リンパ管では同時に
LYVE-1、podoplanin。
これらの糖たんぱく質が発現されている事と、
ホメオボックス転写因子Prox1が発現されています(303)。
他方で、
CD34は前駆細胞、成熟型では血管内皮に広く発現されています。
大人の骨髄では、造血幹細胞などで発現が見られます。
組織常在型前駆細胞ではその他に
骨格筋、皮膚、内皮、皮膚の内皮(Dermal epithelia)。
これらにおいて発現が確認されています。
CD34タンパク質の細胞表面発現は
細胞が成熟するにつれて典型的には失われていきます。
このような特性から造血幹細胞移植をした際に
ドナーの移植組織の評価などに利用することができます。
CD34の生物学的機能はよく理解されていません(305)。
このCD34が吸着性を持つか、そうではないかは
どのような糖鎖を形成ているか(glycoform)によって決定されます。
Julie S Nielsen(敬称略)らがFigure 2で示すように(304)
CD34の細胞外表面に糖鎖が形成されていると
免疫細胞のL-セレクチンと相互作用し、
内皮組織上の免疫細胞の移動に貢献します。
一方で、糖鎖がなく、負に帯電していれば、
免疫細胞は内皮組織から反発されます。
--
構造はMichael R. Hughes(敬称略)らが
Graphical Abstractで示すように
CD34は細胞膜貫通タンパク質です。
細胞内:ICドメイン
膜内:TMドメイン
細胞外:ムチンドメイン
これらが存在します。
ムチンドメインでは
O型、N型の糖鎖がムチンの側鎖として複数結合しています。
また、部分的に硫酸化しています。
上述したようにこれらの糖鎖の結合の条件によって
細胞や分泌物質などの引付が変わると考えられます。
(Aa)フィブロネクチン(Fibronectin)
(要約)(306)
フィブロネクチンは遍在する細胞外マトリックスの糖たんぱく質です。
組織の修復において重要な役割を果たします。
フィブロネクチンの血漿形式(Plasma form)、
つまり、血液の液体成分に遊離した、
構造的に独立した様式で血液内の循環します。
組織が損傷するとすぐにフィブリンの塊(Fibrin clot)内に
赤血球などを取り込み、血小板の機能を活性化させ、
組織の恒常性に寄与します。つまり、組織の修復を促します。
細胞性のフィブロネクチンは細胞内で合成されます。
血塊部に移動し、損傷を受けた組織を再構成し、修復します。
生理学的な修復の間の複雑な3次元的なマトリックス内の
フィブロネクチンの構造は、
組織構造を形成する上での土台としてだけではなく、
修復の間の細胞機能の制御因子としても働きます。
フィブロネクチンの原線維形成(Fibrillogenesis)は複雑です。
また、複数の因子によって厳格に制御されます。
その形成においては段階的なプロセスを経ます。
線維症、細胞外マトリックスの過剰な蓄積があります。
フィブロネクチンもその要因の一つです。
異常なフィブロネクチンの構成は
通常の組織修復から制御不能な線維症にスイッチする
主要な因子の一つです。
異常な組織修復のプロセスを正常なものに是正するためには
それに関わる(免疫細胞を含む)細胞、線維素、その他分泌性物質が
どのように組織修復において
相互作用しているかを理解する必要があります。
(Ba)ラミニン(Laminin)
(要約)(307)
ラミニンは250~800kDa程度の大きな分子量を持つ糖たんぱく質です。
そのペプチドはジスルフィド結合でつながり、
α、β、γ鎖の3つの種類を有しています。
Monique Aumailley(敬称略)らがFigure 1に示すように(307)、
このα、β、γ鎖は異なるラミニンのサブタイプに
それぞれ独立して存在するポリペプチドではなく、
一つのラミニンの構造体に互いに絡まって共存します。
ラミニンのサブタイプは確認される限り、
少なくとも16種類は存在します。
それぞれがドメインの数、サイズ、組み合わせが異なります。
それによってそれぞれのサブタイプが
個別の重要な機能を持ちます。
また、ラミニンが持つ共通的な機能もあるとされています。
その共通的な機能はラミニンは
基底膜(basement membrane)の働きがあるということです。
この基底膜とは上皮細胞と間質細胞などの間に存在する
薄い膜上の細胞外マトリックスです。
より具体的には血管内でシェアストレスが罹った時に
その反応性が高くなり、血管拡張させる機能があります(308)。
従って、血圧の調整などにおいて重要な役割があります(309)。
このような収縮、拡張に関わる運動は
骨格筋でも行われるのでその基底膜として
ラミニン(例えば、211)は関連しています(310)。
上述した事と一部関連して、
ラミニンは細胞間、細胞外の区画を物理的につなぐ、形成する
細胞の組織化、連結を築くことにおいて欠かす事の出来ない
糖たんぱく質です。
(Ca)ビトロネクチン(Vitronectin)
(要約)(311)
ビトロネクチンは循環器中を含めた細胞外に遊離する
糖たんぱく質で細胞同士の接着を安定化させる働きがあります(312)。
従って、生物学的な糊(biological glue)と例えられることがあります。
このように細胞間の相互作用を高める事によって
組織の修復やリモデリングに貢献します。
組織の修復やリモデリングに寄与するので、
組織の修復に関わる好中球(312)やマクロファージ(313)の
引き付けに関連があります。
また、ビトロネクチンは血液の凝固とも関連があります(314)。
組織が損傷した時に血液を凝固することによって
血栓を形成し、それによって組織を酸化から保護します。
また、組織を修復させるためには細胞分裂が必要であり、
そのための分裂促進因子(mitogens)の貯蔵庫(リザーバー)にもなります。
メタロポロテイナーゼ(metalloproteinases)も
組織を修復、創傷治癒、臓器発達において重要な酵素です(315)。
その酵素ともビトロネクチンは相互作用すると言われています(316)。
他のタンパク質と複合体を作ることで
〇分子的な相互作用時間の延長
〇局所的な濃度の維持
〇細胞生物学的反応の強化
これらを実現します。
例えば、補体C5、C6、C7と複合体構造を作ります(317)。
このビトロネクチンは細胞に対して
「どこで」「いつ」「どのように」振る舞うか?
これに対して影響を与える可能性があります。
(Da)コラーゲン(Collagen)
(要約)(318)
コラーゲンは哺乳類の中では最も豊富にあるタンパク質です。
コラーゲンファミリーは28種類のメンバーからなります。
これらは少なくとも一つの3重螺旋ドメインを含みます。
これは「Collagen helix」と呼ばれます。
(参考文献(319) 図参照)
コラーゲンは細胞外マトリックス内に存在します。
コラーゲンは前述したように3重らせん構造を持ち、
プロテオグリカン、ヒヤルロン酸、糖たんぱく質、
ラミニン、エラスチンなどと共に
細胞外マトリックスとして間質に存在します。
(参考文献(320) Figure 1)
これらは多くの分子が集まって特異的な機能を発揮するので
超分子構造とも定義されます。
4つのコラーゲンはタイプII膜タンパク質です。
これは細胞膜を1回だけ横切るポリペプチドからなります。
それらが細胞膜から切り離され、可溶性分子として遊離します。
例えば、collargenXXⅢはエンドソームから細胞膜まで移動し、
細胞膜上での発現の後、同じく細胞膜上にあるFurinによって
細胞外ドメインの根元から切り離されます。
(参考文献(321) Figure 11)
コラーゲンは機械的な特性、組織化、組織の形に貢献します。
例えば、コラーゲンは原繊維となることで
機械的性質に関わります(322,323)。
コラーゲンは3重らせん構造なので、
非常に引っ張り応力に対して強い性質を持ちます。
どれくらい重合化しているかにもよりますが、
鉄の5-10倍の強度であるとも言われます。
螺旋構造によって弾性に富む構造なので、
その柔軟な構造が組織の内部や外部に絡まって構成されることで
その組織に引っ張り応力がかかったときに
その力を吸収してくれる働きがあります。
特に力が生じやすい皮膚、筋肉の腱、骨において
組織を強化する働きがあります。
特に激しい強度で運動する
プロフェッショナル、アマチュアのスポーツ選手
運動部に所属する学生さんにおいては
腱とコラーゲンの働きは重要です。
腱は骨とつながっている細い筋肉で11か所あるとされています。
(1)Tennis elbow(肘の外側)
(2)Golfer’s elbow(肘の内側)
(3)Biceps tendon(肩:二頭筋腱)
(4)Rotator cuff tendons(肩:(回旋)腱板)
(5)Iliopsoas (hip flexor) tendon(足の付け根(前):腸腰筋)
(6)Hamstring tendon(足の付け根(後):ハムストリング)
(7)Glute med tendinopathy(お尻の外側)
(8)Adductor tendons(股下内側:内転筋)
(9)Patellar tendon(ひざ下:膝蓋腱)
(10)Achilles tendon(アキレス腱)
(11)Tibialis posterior tendon(足首内側:後脛骨筋)
(参考文献(325) 解剖図参照)
従って、今のお子さんも含めて野球をやる人
特に投手は肘、肩に4か所の腱があり、
その部分を酷使するので、誰しも怪我のリスクを負っています。
筆者は小学校~大学(高校を除く)まで軟式の投手でしたが、
肘の内側と肩(肩が深刻)両方痛めています。
もうほとんど投げる事はできません。
肘は外側が痛むこともあります。
このことから関節の腱がある部分が
慢性的な(治らない)怪我のリスクが非常に高いと考えられます。
少なくとも現時点で怪我をどうやったら防げるか?
それについて様々な提案できる状況にはありませんが、
その出発点として
腱の位置と構造を知りましょうということがあります。
ちょうど、この節ではコラーゲンについてです。
コラーゲンは腱の強さについて考える上で非常に重要なので
スポーツには特別な想いがありますから、
ここで少しギアを上げて書いています。
この腱をどうやってケアするか考える必要があります。
サッカーの場合は膝やアキレス腱があります。
腱は筋肉ですから細長い繊維状の構造になっています。
(A)Tenoblasts along with endothelial cells
(※)この内皮細胞に沿ってという部分がイメージできません。
内皮細胞とは一般的には血管の内腔の壁を意味します。
(B)Chondrocytes (軟骨細胞)
(C)Proteoglycans (PGs), mainly decorin and hyaluronan
これは上述したように細胞外マトリックスです。
(D)Collagen
これらがあります。
少なくともコラーゲンはfilamentous collagen fibrils
という繊維構造を作っていて、
おそらくTenoblastsの成熟型のTenocytoと並行して形成されています。
(参考文献(326) Figure 5)
コラーゲンの質を考えるときにはいくつか考えられる要素があります。
3重螺旋構造がどれくらい重合化しているか?
単位構造間ではどのような配置でつながっているか?
コラーゲンはどれくらいで入れ替わるか?
コラーゲンの劣化についてはどうか?
コラーゲンの水和はどうか?(331)
この水和はどのように質(機械的性質)に影響を及ぼすか?
例えば、コラーゲンの入れ替えについては、
コラーゲンは新しいものと交換される必要があります。
なぜなら、入れ替わらないと物質的に
どんどん劣化すると考えられるからです。
それをターンオーバーといいますが、
それが年齢によって異なります。
20~40歳までで0.00728±0.00275/年(平均半減期95年)
50~80歳までで0.00323±0.000947/年(平均半減期215年)
と言われています。
但し、これは人体の椎間板のデータです(327)。
実際には様々な場所、数があるので、
逐次どこかは入れ替わっている可能性がありますが、
高齢の方のほうが入れ替わりにくいということをどう考えるか?です。
例えば、強いストレスでコラーゲンの構造が崩れてしまった時、
ターンオーバーが長ければ、入れ替わりにくいとも言えます。
腱は骨の付け根にいけばいくほど細くなるので
細い部分に損傷が入るとより慢性的な怪我のリスクがあがります。
コラーゲンは線維芽細胞から作り出され、
怪我が生じた時、コラーゲンがそこを埋めて、
修復機能がある間葉系幹細胞をDDR2(受容体)によって引き付けます。
間葉系幹細胞の位置を安定化させて
適切な細胞種に分化させて、新たな組織を形成します。
この時、コラーゲンは同時にコラーゲンそのものを生みだす
繊維芽細胞もDDR2で引き付けます(328)。
このような局所的な修復が働く可能性があるので、
上述したコラーゲンの回転率の年齢依存性をどのように解釈するか?
それについても付加的に考える必要があります。
筋肉の性能が年齢で衰えるというのは、
細胞の修復機能だけではなく、
細胞から生み出されるコラーゲンの質も関わっているかもしれません。
例えば、年齢でコラーゲンの構造、絡まり方が変わる
という報告もあります。
筋肉はどれだけ伸縮できるか?
その移動距離は運動の機能に一つ関わるので、
コラーゲンの弾性の高さは重要なはずです。
細胞に対する機械的ストレスも
コラーゲンを含む細胞外マトリックスのタンパク質産生に関わるので(329)
腱を守ろうとするのではなく、
怪我しない程度にゆっくり動かしながら、
定期的に細胞を刺激する事は重要かもしれません。
それがコラーゲン産生を促す可能性があるからです。
そういう意味で、ストレッチ(柔軟)は恐らく意味があります。
また、年齢が上がるとこうした反応が悪くなるという報告もあります(330)。
細胞の機能が生理学的に低下するので
より高齢まで高い運動能力を維持しようと思ったら、
どのように若い時に近いコラーゲンを生み出すか?
それについて考える事は重要かもしれません。
まだ、エビデンスレベルは非常に低く、仮説を含み
実情と異なる可能性はありますが、
上述したことを一つの視点として、
健康の上で大切な運動や
人々を熱狂させるスポーツをより発展させるために
科学に精通する人たちが情報提供などを含めて
サポートする事も重要かもしれません。
(Ea)テネイシン(Tenascin)
テネイシンは細胞外マトリックスの一種の糖たんぱく質です。
人を含めた脊柱動物の胚の発達期での細胞外マトリックス内に
豊富に含まれています。
テイネシンは1(血管、腫瘍)形成、
(腱、骨格筋、骨、皮膚)回復なども含めて
組織を発達させる働きがあるため、
通常はその発現は「一時的」であるとされています(339)。
このような視点から
人工臓器、オルガノイドを作製においては、
細胞外マトリックスを足場としますが(342)、
その構成の中でテイネシンは重要な役割を果たすと考えられます。
このテイネシンの一時的発現の中で
細胞を新たに増殖、移動させる必要がある
創傷治癒やいくつかの腫瘍組織の間質内で
発達後においても新たに産生されます。
テネイシンは細胞外マトリックスの一種なので、
その組織に存在する特異的な細胞種を含めた
線維芽細胞によって産生されます(332,333)。
また、間質細胞によって産生されることもあります(334)。
テイネシンのサブタイプの中のテイネシンCは
テイネシンの中で最も研究が進んでいるサブタイプです。
このテイネシンCは組織の発達と密接に関わる
血管新生に関連します。
具体的には血管新生に関わるβ3インテグリンの活性化、
細胞内信号(ERK1 and ERK2)に伴って細胞内で産生されます(335)。
このテイネシンCは血管の中膜に形成される平滑筋細胞を誘導します。
このテイネシンCは脳の損傷時に炎症物質分泌誘導を通じて
症状を悪化させる事に関与する可能性が指摘されています(336)。
Takeshi Okada(敬称略)らがFIGURE 1に示すように(336)
Nターミナルドメインを中心として放射状にドメイン構造が
複数伸びる構造を取ります。
(1)N-terminal domain with repeats
(2)EGF-like repeats
(3)Universal fibronectin type Ⅲ repeats
(4)Alternatively spliced repeats in fibronectin type Ⅲ
(5)C-terminal fibrinogen related domain
これらのドメイン構造からなります。
このうち特に一番外側のドメインである
(5)C-terminal fibrinogen related domainが
脳神経系にあるマイクログリアやマクロファージの
パターン認識受容体の一つであるトール様受容体4(TLR4)に結合します。
また、内皮細胞を含めた血管系細胞の
インテグリンαvβ3に結合し、活性化させます。
それによってMAPKs, MMP9, NF-κB依存的に炎症物質分泌を誘導し、
けいれん・血液脳関門破壊・微小血管破壊
神経炎症・神経細胞細胞死など
多様な経路で病状を悪化させます。
これは脳卒中のケースで示されています(336)。
一方で、上述したように
テイネシンは創傷治癒に関わっています。
テイネシンCは筋肉の腱の創傷治癒に関わっていると報告されています(337)。
筋肉の腱の60-68%(ドライ重量比)コラーゲンで(338)、
そのうちの60%程度はタイプⅠのコラーゲンであるとされています。
3重らせん構造の弾性の高い機械的性質と重量比から
筋肉の性能に大きく関与していると考えられます。
腱が運動によって損傷を負った後の回復過程においては
間葉系幹細胞、腱組織特異的な線維芽細胞などの細胞が
新たな組織形成を担う必要があります。
その細胞が損傷部位に集まる領域に、
このテイネシンCが多く発現している事が確認されています。
それらの治癒の為の細胞の増殖や移動に関わっている
細胞外マトリックスがテイネシンCである可能性が示唆されています(337)。
テイネシンは骨の形成においても重要な役割を果たします。
骨は破骨細胞による分解と骨芽細胞による形成のバランスの中で
代謝回転され、その品質の恒常性は守られています。
骨の実質の中の骨髄の外側に
コラーゲンなどを含めた細胞外マトリックスが間質に存在します。
その中の一つであるテイネシンは
骨を形成する骨芽細胞の吸着において重要な役割を果たしています。
骨折が生じた時の回復にも貢献します(339)。
このような再生において修復細胞の足場、増殖、移動において
重要な役割を果たすので
身体の組織の中で運動レベルに対してより柔軟に変化する
骨格筋の回復においても重要な役割を果たします(340)。
筋肉を含めて高齢になると回復が遅れる事は
中年の人でも今までの人生を振り返って感じることです。
その回復に関わると考えられるテイネシンCのmRNAレベルは
若いマウスに比べて、高齢のマウスでは
皮膚組織において大幅に減少している事が示されています(341)。
これは人のケースや皮膚以外の再生性の高い
骨、筋肉でも当てはまる可能性はあります。
従って、組織の機能、回復がなぜ高齢になると衰えるのか?
これについて考える際には、
細胞の性能だけではなく、
細胞から発現される糖たんぱく質である
細胞外マトリックスの性能、量も
研究の対象とする必要があります。
(Fa)フィブリノゲン(Fibrinogen)
(序論)(343)
フェブリノゲンは45nmの長さの血漿中に遊離している糖たんぱく質です。
肝臓で合成されます。正常な血漿中の濃度は1.5-3.5g/Lです。
構造は参考文献(344) Structureの項目に図示されています。
3つの鎖状構造があります。
(1)Aα chains / (2)Bβ chains / (3)γA chain
両端部のDドメインに
カルシウム、糖が結合しています
Dドメイン以外には
Cターミナルドメイン、Eドメインがあります。
これらの構造の中に17か所の鎖構造間を架橋する
ジスルフィド結合があります。
それによりフィブリノゲン分子の
構造的な安定性が維持されています(345,346)。
フィブリノゲンは血栓(凝固)の連続的な酵素を通じた反応において
重要な役割を果たします。
このフィブリノゲンが分解され活性化下フィブリンは
血液凝固に関わります。
このフィブリノゲン形成や
分解生成物であるフィブリンの重合化において不全がでると
血液凝固障害、虚血性脳卒中、産科合併症などに関わります(347)。
トロンビン、もしくはFactor II (FIIa)は出血に伴い
フィブリノゲンをフィブリンに変換します。
FIIaはタンパク質分解酵素によってフィブリンモノマーを形成させ
それらモノマーは自発的に重合化し、不溶性のゲルを形成します。
このポリマーは
Michał Ząbczyk(敬称略)らがFigure 1に示すように(347)
赤血球に網目状に巻き付きながら結合し、
血液の塊、血栓を形成します。
血栓の厳密な構成要素は赤血球だけではなく
血小板、白血球、好中球外胞子補足(NETs)を含みます。
重合化したフィブリンは共有結合を持ちません。
静電気力によって重合化し、
transamidating酵素、 factor XIIIaによって安定化しています。
フィブリノゲンは先天的に分泌がない、少ない
構造的に異常があるといった疾患もありますが、
後天的に異常が生じる場合もあります。
例えば、肝臓疾患、癌、散発的な血管内血栓、
後天的転写因子改変などによって生じることがあります(348)。
(Ga)オステオポンチン(osteopontin)
オステオポンチン(OPN)は
非コラーゲン性マトリックスリン酸化タンパク質(NCPs)であり(351)、
骨の細胞外マトリックスに存在する事が有名です。
骨芽細胞、骨細胞、骨髄細胞、肥大軟骨細胞から分泌されます。
S字の構造体として描写されます。
その他には樹状細胞、マクロファージなどの免疫細胞、
骨格筋の筋芽細胞、血管内皮細胞、
耳、脳、腎臓、(子宮)脱落膜、胎盤からも放出されます(352)。
この分泌型のタンパク質OPNの機能を考える上で
基礎的に最も重要なのがリン酸化タンパク質であるという事です。
この「リン酸化」という部分が
このオステオポンチンの多様な機能を考える上で肝心です。
細胞のエネルギー源と呼ばれるのはATPです。
これはADPがリン酸化(リン酸基)が加わることで生じます。
このATPは水と反応し脱リン酸化を通して、
エネルギーを放出します。
このエネルギーは細胞内では
通常、酵素などの物質を通して輸送され、
新たな化学反応のエネルギー源として利用されるか、
細胞骨格の分子モーターなどを直接的に動かす原動力となります。
従って、このリン酸基は
「エネルギーの送達媒体、運搬役」と言えます。
この脱リン酸化は水分子で生じることがあります。
オステオポンチン(OPN)はリン酸化タンパク質なので、
すでに構造内にリン酸基を有しています。
つまり、エネルギー源を持っているという事になります。
体内には豊富な水がありますから、
それらの水分子の作用によって脱リン酸化して
エネルギーを他の物質に受け渡す機会に溢れています。
こうしたエネルギーを免疫細胞に与えれば、
免疫細胞の活動は活発になります。
一般的に細胞では分化、増殖、浸潤など
エネルギーが必要な細胞内経路に関わる可能性があります。
実際にそうした機能はインテグリンとの結合を通して
いくつかの細胞内経路を介して有しています。
(参考文献(353) Fig.1)
ここで考える必要があるのが、
もともとオステオポンチン(OPN)に存在する
エネルギー源であるリン酸基がインテグリンとの結合を通して
どのような動的機序があり、どのような経路を取るか?
ということです。
例えば、細胞外からインテグリンと結合して、
そこからインテグリンの構造内をリン酸基が動いて
やがて、細胞質内のドメインまで到達し、
そのリン酸基が細胞質内の水などによって
脱リン酸化されて、特定の細胞内経路を誘発する
酵素などのタンパク質に伝えられるか?
あるいはリン酸基のエネルギーが
電子、イオンに伝わり、間接的にリン酸基を駆動するか?
このようにリン酸基を有する事がある他の細胞外マトリックスは
フィブロネクチン、ラミニン、テノニンがあります(354-356)。
コラーゲンもリン酸化し、
それがコラーゲンの合成、3重らせん構造の組み立て、
コラーゲンが与える細胞内信号、免疫反応に影響を与えます(357)。
従って、オステオポンチン(OPN)だけではありません。
基本的に受容体との結合によって
リン酸基を放出し、エネルギーを失ったら、活性を失うと考えられます。
もし、そうであるとするならば、
上述した細胞外マトリックスはリン酸基の数によって
エネルギー状態が変わるので、その機能は変化するとも考えられます。
また、それぞれの細胞外マトリックスが
どれくらいのリン酸基を単位構造内に収納できるかによって
周りの物質に対して与える影響も異なるという事です。
オステオポンチン(OPN)は
様々ながんの進行と関わっています。
細胞の移動や分裂を促進します。
免疫細胞の炎症性を促進すると言われています。
こうした機能から逆算的に考えると
これらの機能には多大なエネルギーが必要ですから、
オステオポンチンは多くリン酸基を有しているかもしれないし、
こうした病理があるときに
エネルギー状態の高いオステオポンチンが
過剰に分泌されているかもしれません。
あるいは、オステオポンチンは自由エネルギーを
より多く細胞に与える性質があるのかもしれません。
このような観点で細胞外マトリックスのリン酸化について
比較的に調べていく事は重要かもしれません。
他方で
この事は細胞種特異的薬物送達システムの設計において
標的化のための装飾因子のタンパク質において
事前にどれくらいリン酸化させるか?
これがその標的性やその薬効が変わる事を意味します。
標的細胞にエネルギーを伝えたいときには
装飾因子により多くのエネルギーをリン酸基を通して
事前の設計段階で詰め込んでおくという事も考えられます。
こうしたエネルギーの観点は癌の治療にも
影響を与えるかもしれません。
がんはエネルギーを多く必要とする細胞、組織ですから、
癌細胞、癌微小環境にできるだけ
エネルギー源となるリン酸基を与えない。
逆に癌細胞、癌微小環境からリン酸基を奪う
といった治療戦略です。
例えば、水分子は脱リン酸化を促すので、
水分子(と特定の物質)を供給する事で
エネルギー状態を下げる事ができるか?
少なくとも細胞種特異的薬物送達システムで
癌細胞に特異的に薬物を届けるときには
その薬物システムのエネルギー状態、リン酸基の状態には
注意を払う必要があります。
(Ha)ネトリン(netrin)
ネトリンは脳の軸索ガイダンスに関与するタンパク質です。
Ashton W Powell(敬称略)らがFigure 11に示すように(358)
ネトリン高分子の密度が高い方に神経細胞の軸索が誘導され、
その連結が制御されます。
ネトリンは初等生物から保持された機能で
マウスや人でも存在します。
構造の類似性から同じ細胞外マトリックスであるラミニンと
比較されることがります。
上述したようにネトリンは軸索をガイダンスするので
別の表現で言い換えれば、走化性を与えると言えます。
走化性を与えるケモカインと同じように
濃度勾配によって神経細胞を誘導することができますが、
どの様な力で引き付けられているかなど詳細な事が理解されていません。
しかしながら、誘引、反発に関わる受容体は特定されています。
誘引:UNC-40/DCC cell surface receptors
反発:UNC-5 receptors.
UNC-40/DCC cell surface receptorsは
少なくとも後シナプスに発現されている事が知られてます(359)。
これらの受容体は細胞の生死、分化などに関わる
Dependence receptorに分類されます。
(参考文献(360) Fig.2)
一方で、ネトリンを含め多様な細胞外マトリックスと結合できる
インテグリンは接着受容体と呼ばれ、
Dependence receptorと同様にガイダンス受容体に分類されます。
ネトリンはChristian Gespach(敬称略)がFig.9に示すように(360)、
UNC-40/DCC cell surface receptorsと
UNC-5 receptors.と結合しますが、
それぞれ結合するネトリンのドメインが異なります。
UNC-5 receptorsは反発となっていますが、
この図の説明ではUNC-5 receptorsとネトリンが結合した時には
細胞死信号が惹起されるとされています(360)。
つまり、反発しているように見えるけど、
実際は結合したら神経細胞は細胞死して
機能を失っているのかもしれません。
ネトリンは上述したようにDependence receptorと結合できるので
細胞の分化、増殖を促します。
これは言い換えると成長因子と言えます。
従って、ネトリンは脳の様々な部分の
神経線維形成に関わっている可能性があります。
例えば、海馬交連(hippocampal commissure)の形成に
関わっている可能性があります(361)。
上述したようにネトリンは細胞の生死、成長、分化に関わる
Dependence受容体に結合できるため、
神経細胞における恒常性や神経発達において
非常に重要な制御をおこなっている可能性があります。
(Ia)トロンボスポンジン(thrombospondin: TSPs)
トロンボスポンジン(TSPs)は血管新生を防ぐ機能を持つ
分泌型の糖たんぱく質です。
従って、TSPsのサブタイプ(TSP1, TSP2)は
血管新生の活性が高まっている悪性度の高い癌では
この発現が欠失しているといわれています。
このうちTSP1は
血管の内膜に存在する血管内皮細胞、
同じく中膜に存在する平滑筋細胞、
血液内にある血小板からの
血管拡張作用のある一酸化窒素(NO)の分泌を
抑制する働きがあります(362)。
このNOは血管内皮、平滑筋細胞において自己分泌の機序で
血管新生に関与しているといわれています(363)。
これは細胞外マトリックスを形成するタンパク質です。
Nancy L. Baenziger(敬称略)によって
1971年にTSP1が初めて発見されました(364)。
このTSPsは5つのサブタイプがあります。
(TSP1, TSP2 TSP3, TSP4 TSP5)
このうちTSP1, TSP2はホモ3量体を作ります。
(参考文献(365) Figure 2)
一方、TSP3、TSP4、TSP5はホモ5量体を作ります。
(参考文献(366) Figure 1)
このTSP1, TSP2は循環器で発現されますが、
発達期の脳でも発現が見られます。
マウスの網膜神経節細胞によるシナプス形成において、
アストロサイト依存的機序における
分泌物質として寄与していると報告されています(367)。
TSP1は量依存的にシナプス形成量を増加させます。
TSP2はシナプスのアライメント、
位置調整に関与している可能性があります。
これはラミニン4の欠失の機序と類似します(368)。
(Ja)エンタクチン(entactin)
基底膜は、組織において上皮細胞層と間質細胞層の間に存在する
薄い膜上をした細胞外マトリックスから構成される層です(369)。
構造的に細胞からなる層の安定性に寄与します。
この基底膜は4つの定義される主要な
糖たんぱく質、プロテオグリカンから構成されます。
ラミニン、タイプ4コラーゲン、 perlecan、ニドゲン(nidogen)です(370)。
このニドゲンは別名、エンタクチン(entactin)と呼ばれます。
エンタクチンは特に胚の発達期の内皮、上皮組織をサポートする
基底膜に存在します(371)。
このような組織の形成初期に関わるので、
特にエンタクチン1は肝細胞の拡張、分化において
重要な役割を担うとされています(370)。
エンタクチンはG1、G2、G3ドメインから成る
比較的直線性の高い構造をとり、
これらのドメインを繋ぐ構造があります。
G2とG3をつなぐRodの部分は
〇Epidermal growth factor like module
〇Thyroglobulin-like module
これらの直列構造からなり、
これらの組み合わせが異なることでサブタイプを二つ有します。
(参考文献(370) Figure 1)
(La)アグリン(agrin)
アグリンは神経筋接合部を始め、多様な組織に発現される
ヘパラン硫酸プロテオグリカンです。
ヘパラン硫酸プロテオグリカン
Heparan sulfate proteoglycans (HSPGs)。
これは細胞表面や細胞外マトリックス(ECMs)内に発現され、
その一種であるアグリンは
下述する神経筋接合部や免疫細胞表面など
多様なリガンドと結合し、相互作用します。
構造的にはヘパラン硫酸側鎖が
共有結合の様式で糖たんぱく質に結合しています(375, Figure.2)。
筋組織は神経支配(Neuronal innevation)を受け、
神経系と連携して体の運動機能に関わっています。
その神経支配においてミクロにみれば、
筋組織と神経系が接合しています。
その接合部を神経筋接合部と呼びます(372)。
一方で、免疫学的シナプスにも関わっています。
免疫細胞は複数の受容体が一斉に結合する(374, Figure 1c)
免疫学的シナプス(373)と呼ばれる免疫系の連携にも関わっています(374)。
細胞レベルでは細胞骨格の組織化にも関わっています。
上述した筋組織においては
機能的に病状を示した筋組織を修復します(374)。
アグリンは神経筋接合部において
後シナプスに密接に関わります。
この神経筋接合部は運動神経の軸索で産生された
シナプス連結に関わる多様なたんぱく質
例えば、アセチルコリン受容体などを
筋組織側の結合部で受け取ります。
この接合部ではシナプス結合をしますから
免疫学的シナプスと同じように
接合時には「同時に多くのリガンド-受容体」が
その接合に関わります。
従って、神経筋接合部に
タンパク質を集中させる必要があり、
そこでの凝集メカニズムが働きます。
一方、接合に関わらない筋組織では
そのたんぱく質の発現を抑える機序が働きます(376)。
(参考文献(374 Figure 2e)
アグリンは神経筋の表面に神経筋とほぼ平行に形成される
主にラミニンからなる基底膜と
神経筋を接合させる働きがあり、
組織学的にも筋組織を支持すると考えられます。
(参考文献(374) Figure.5)
Gabriela Bezakova(敬称略)らがFigure 2aに示すように(374)
神経細胞が筋組織と連携する際には
後シナプスと関わりますから、
神経筋側に多く発現されます。
(Figure 2a:黄色で示された部分がアグリン)。
免疫学的シナプスでは
構造的にT細胞受容体(TCRs)に並行して接合し
それらの受容体のクラスタリング(束化)に関わります。
(参考文献(374) Figure 3a)
構造的によりミクロにみると
このアグリンは糖たんぱく質を軸として
ヘパラン硫酸が側鎖として多く結合しています。
このヘパラン硫酸は様々な物質と結合能力を有しているので
構造的にこの側鎖は
細胞表面の受容体を凝集させる際の
架橋物質として働くアグリンの結合に
密接に関わっている可能性があります(375)。
このアグリンはギリシャ語で
「To assemble」という意味があり、
アセンブリ、
日本語では「組み立てる」という意味になります。
(~参考文献(374,376)
(Ma)アグレカン(aggrecan)
アグレカンは一般的に高分子量を持ちます。
その分子量はおおよそ300kDaであり(377)、
同じ細胞外マトリックスの一種である
コラーゲンと同等の分子量を誇ります。
高分子の形はPreethi L. Chandran(敬称略)らが
Fig.1aで示すように(377)、
コップを内部から洗浄するブラシのような
「Bottlebrush-shaped」の特徴を持ちます。
アグレガンは細胞外マトリックスで
親水性のヒアルロン酸と複合体を形成する事があります。
このヒアルロン酸は
例えば、血管内皮細胞表面に形成される
多糖の凝集構造を持つグリコカリックスと結合性を持ち
他方でCD44と結合性を持ちながら細胞表面に形成します。
(参考文献(378) Figure 1)
さらに、このグリコカリックス内で
多くの結合部位において非共有結合的に
ヒアルロン酸の側鎖と結合します。
(参考文献(379) Figure 1)
ヒアルロン酸はアグレカンよりも分子量がさらに大きく
1~10MDaの高分子構造を持ちます。
このヒアルロン酸は上述したように親水性で
水分子と複合体を作り、
固相と液相の間の相状態を取る
ヒドロゲルの構造を取りますが、
この時、ヒアルロン酸に
アグレカンが複合体化していることがあります(380)。
このアグレカンは軟骨細胞に発現されています。
軟骨細胞は関節の動きを滑らかにする働きがあり、
その円滑性にアグレカン、
さらにはヒアルロン酸とアグレカンの複合体と
その複合体と水分子の複合体である
ヒドロゲル構造が貢献すると考えられます。
関節はいくつかの層に分かれています。
関節の中心から骨側に向かって
①髄膜(Synovium)
②髄液(Synovial fluid)
③軟骨(artilage)
これらがあり、膝や肘の関節においては少なくとも
関節の内側に脂肪組織(Joint adpose tissue)があります。
(参考文献(381) Figure 1)
さらに上述した関節の両サイドの骨の表面にある
③軟骨の中にさらに以下、4つの層が存在しします
(1)Superficial zone
(2)Transition zone
(3)Deep Zone
(4)Calcified zone
(参考文献(382) Figure 1)
(1)の軟骨の最表面にあるSuperficial zoneには
アグレカンの発現が観られる軟骨細胞において
細長く平坦な軟骨細胞が存在します。
一方でそれよりも深部になると
この軟骨細胞は円形に近い形を取ります(382)。
従って、軟骨細胞の表現型は
軟骨組織のどの層にあるかで異なる可能性があります。
調査する限り、はっきりしたことはわかりませんが、
骨はカルシウムを含む石灰化された構造で
それは当然、固相、固体の性質を色濃く持ちます。
そこから髄液は細胞外マトリックスを含む
粘性を持つ液体の近い相構造を取ると考えられます。
その髄液まで骨から上述したようにいくつかの層がありますが、
それらの複数の層の状態は
ヒドロゲルに代表されるように
固相と液相の間の相状態を取ると考えられます。
これらの層ではおそらく
髄液と骨を柔軟性を持って固定するために
固体と液体の性質を併せ持つ
ヒドロゲルの構造を取って、緩衝的な役割を持つと考えられます。
そのような「おそらく徐々の(Gradual)」
相転換の層状態を決める一つの要素として
ヒドロゲル構造の骨格となるタンパク質
細胞外マトリックスがあり、
その細胞外マトリックスのタンパク質の構成の中に
ヒアルロン酸やアグレカンが含まれます。
また、引っ張り応力など
骨の運動の際に必然的にかかる力に対する
堅牢性(丈夫な事)を発揮するために
同じ細胞外マトリックスであるコラーゲンも含みます。
上述したように軟骨細胞は
軟骨組織に表層では細長く、平坦な形をとり
中間層、深層では円形の形を取ります。
これは、関節を伴なう運動をしたときにかかる
機械的ストレスが軟骨組織の表層の方が大きくなるため
軟骨細胞はそのストレスに強い形を取る必要があるため
細長く、平坦な形に表現型を変更している
可能性があります。
他方で、機械的堅牢性に関わる細胞外マトリックスである
螺旋構造を持つコラーゲンが
運動時、軟骨組織の力が加わりやすい
表層において重要な役割を担っている可能性があります(384)。
-
アグレカンは3つの球形のドメイン(G1,G2,G3)を持ちます。
それぞれのドメインはボトルブラシ構造の
中心の骨格部分の両サイドに並んで位置し、
このうちG1ドメインはヒアルロン酸と結合性を持ちます。
(参考文献(380) Fig.2)
上述したようにこれらの複合体は
網目状に形成されると想定される
コラーゲンの間を縫うように形成されている可能性があります。
(参考文献(380) Fig.1)
従って、骨の関節の巨視的、微視的両方の視点での
解剖学的、組織学的理解、
それに必然的に伴う
細胞、細胞外マトリックス、水分などの
構成物質の変化と物理化学的特性(相状態、機械的特性など)の理解は
例えば、骨の疾患である
変形性関節症、関節炎(Osteoarthritis)の
病理の掌握や治療に治療に貢献する可能性があります。
軟骨は加齢とともにすり減って硬くなる傾向があります。
当然、軟骨がすり減ると
物理的な力である摩擦などを緩衝する能力が低下しますから、
運動能力が著しく低下したり、痛みを伴う事もあります。
従って、生物工学的に軟骨の成分の主要な一つである
ヒドロゲルを人工的に注入する技術も
関節炎の治療における
将来的に有望な主要な方法の一つとして想定されています(383)。
-
もう一つ、非常に重要な視点があります。
関節、その中の軟骨組織の柔軟性を高めるためには
骨格となる細胞外マトリックスが
できるだけ多くの水分を収納し
構造的に安定なヒドロゲル構造を取る必要があります。
アグレカンが親水性を持つかどうかは明らかではありませんが、
少なくともヒアルロン酸は親水性の性質を持ちます。
C HRIS KIANI(敬称略)らがFig.1に示した
構造を詳細に分析すると(380)、
ヒアルロン酸の側鎖としてアグレカンがあり
アグレカンにはさらにブラシのように側鎖が存在します。
この構造は植物などでも良く見られる
「多段的なフラクタル構造」を取ります。
このフラクタル構造は
例えば、植物では単位体積当たりの表面積を上げ
葉でいえば、水分を効率的に吸収するための
進化的な適応と言えます。
このようなフラクタル構造は自然界で共通的で(385)
ヒドロゲルで言えば、骨格としての表面積を上げるため
結果として多くの水分子を収納する事に貢献すると考えられます。
従って、アグレカンが親水性を持つか?
より具体的には水分子とどのような結合様式を持って
相互作用するかを理解する事が大切です。
従って、さらに詳細には
ヒアルロン酸とアグレカン複合体が
その表面積をさらに微視的に高めると考えられる
糖鎖とどのように結合するかの理解も重要です(386)。
どのように水分子の収納性を高めるかは
実際に老化に伴う関節炎の病理の掌握や治療だけではなく
人工関節の設計や生物工学的、再生医療などを含めた
新手の関節の回復に物理化学的な視点として貢献する可能性があります。
(Na)シンデカン(syndecan)
シンデカンは細胞膜貫通タンパク質で
細胞信号伝達、細胞増殖、細胞接着の機能に関わります。
サブタイプは細胞外の最も先端に位置するドメインである
タンパク質に多糖として連結したヘパラン硫酸(heparan sulfate)と
細胞質内のサブタイプに依らず構造的に保存されたC1,C2領域に
挟まれたVariable regionの構造によって分類されます。
主に4つのサブタイプがあります。
(参考文献(387) Fig.1)
最も細胞外側にあるN-terminal domainには
多糖(ヘパラン硫酸)かなる糖鎖が
複数、側鎖として共有結合の様式で連結しています。
共有結合なので骨格となるタンパク質に対して
比較的高い強度で安定して
構造的に分岐していると考えられます。
このヘパラン硫酸は特異的な構造を形成します。
シンデカンの最も細胞外に存在するタンパク質の骨格を形成する
ドメインのヘパラン硫酸として定義される側鎖は
成長因子(388)、ケモカイン(389)、サイトカイン(399)、プロテイン分解酵素(400)、
接着受容体、コラーゲンを含む細胞外マトリックス(401)など
様々な生体内物質と相互作用します。
成長因子と相互作用したシンデカンの一つの機能としては
組織の修復を促進します(388)。
シンデカンのサブタイプであるシンデカン1,3は
グリコサミノグリカンと定義される枝分かれしない
長鎖の多糖を側鎖として形成し、水溶性の特質と関連します(387)。
この長鎖のグリコサミノグリカンの分子量は
非常に広範に変化し、数KDaから数百kDaまであります。
グリコサミノグリカンはシンデカンのN-terminalから
何本も絡まりながら先端方向に伸長し、
コラーゲンやフィブロネクチンなど細胞外マトリックスとの
連結に関わります。
インテグリンと協調的に細胞と細胞外マトリックスの
連結に関与します。
(参考文献(401) Figure.3)。
このシンデカンに連結した多数のグリコサミノグリカンは
例えば、筋肉の腱においてコラーゲンとの接点となり
筋肉の機械的強度を支えている可能性があります(402)。
この可溶性のシンデカン3はケモカインと相互作用し、
白血球の移動性を低減させて
自己免疫疾患の一つであるリウマチ性関節炎の病状を
改善させる効果があるかもしれません(389)。
シンデカンは免疫系を介する組織の炎症と深くかかわっています。
上述した白血球の血管外への滲出などの動的機序と関連する(389)だけではなく、
免疫機能に広く関連する分泌物質である
サイトカインとも相互作用し、組織の炎症機能の調整に関わります(399)。
また、全てのシンデカンの細胞外ドメインには
タンパク質分解酵素(proteinase)に対して高い感受性を持つ
二塩基のリシン-アルギニンサイト(KR in Sdc2 and Sdc4)
アルギニン-リシンサイト(RK in Sdc1, Sdc2 and Sdc3)を含みます(400)。
これは細胞膜2重構造に内に存在する膜貫通ドメインの近くに存在するため
へき解サイトと関連があり、
(参考文献(387) Fig.1)
シンデカンそのものの構造変化や分解に関わっていると考えられます。
ヘパラン硫酸はSOイオンの負電荷(-2,-4)に応じて
正味の負電荷を高密度で持つため
正電荷を持つ生体内分子構造と静電気的に強い結合力を持ちます。
また、柔軟な配座構造を持ち、
長鎖の中でその途中を含めて、多くの結合サイトを保有しています。
従って、原理的に特に正電荷を帯びた物質に対して
高い親和性で豊富な結合機会を有します。
(Oa)ニューロカン(neurocan)
ニューロカンは下記のバーシカンのアイソタイプで
コンドロイチン硫酸からなる糖鎖をを含みます。
分類上はレクチカン(Lectican)のファミリーとされています(405)。
ニューロカンは基質の細胞接着分子に分類されるので
一般的には細胞外マトリックスに発現されます。
細胞外マトリックスは細胞外マトリックス同士が複雑に結合し、
網目状の構造を形成します。
従って、細胞外マトリックス上に発現されるニューロカンは
周囲の神経系の細胞と結合するだけではなく、
細胞外マトリックスとも結合します。
神経周辺の網目状構造(Net structures)を形成し、
例えば、シナプス細胞外マトリックス
(Synaptic Extracellular matrix)。
これを形成します。
この時、ニューロカン同士の結合因子として
テナシンR(Teascin-R)が働きます。
このニューロカンは
電位依存性のカルシウムチャンネルと結合する事もあります。
(Voltage-gated calcium channel)。
(参考文献(406) Figure.1)
このニューロカンを含むレクチカンが
電位依存性のカルシウムチャンネルの機能にどのように関与するか?
それについては明らかではありませんが、
このカルシウムイオンチャンネルは一般的に
カルシウムのシナプス内外での移動に関与し、
シナプス性の神経伝達物質の放出に関与します(407)。
従って、この機能に関与する可能性はあります。
このニューロカンは
小脳、視神経、複合知覚神経(vestibulocochlear nerve)、
Trapezoid body、三叉神経脊髄路(spinal trigeminal tract)
Facial nerve 。
これらの神経系に少なくとも
発現されている事が確認されています(405)。
このニューロカンは
上述した一部の神経系の発現で示されたように
主に運動、感覚、自律神経に関わる
中間神経(intermediate nerve)に局在化されている可能性があります。
(Pa)バーシカン(versican)
バーシカンはコンドロイチン硫酸からなる糖たんぱく質で
細胞外マトリックス内に位置します。
構造的に類似するアイソフォームとして
他の節でも取り扱う
ニューロカン、ブレビカン、アクレカンなどがあります。
(参考文献(403) Fig.1)
軸となる構造から側鎖として伸長していると考えられる
コンドロイチン硫酸は硫酸イオンによって負に強く帯電した残基によって
正に帯電した部位と強いイオン性相互作用によって結合すると考えられ
この部分はCD44, セレクチン、ケモカイン、LDLコレステロール、
糖脂質など多様な物質と結合することが想定されています。
しかしながら、他のドメインにおいても結合し、
細胞外マトリックスと結合性を持つ
細胞表面に主に発現される代表的なタンパク質である
インテグリン(β鎖)とも結合性を持ちます。
(参考文献(403) Fig.2)
こうした細胞外マトリックスを形成する
細胞や内分泌物質と結合性を持ち、
その移動性に関与すると考えられるバーシカンなどの物質は
比較的、冗長性(Redundant)な特性を持つかもしれません(404)。
この冗長性はおそらく身体の中の自然な働きを理解する上で
一つ非常に重要な概念です。
分かりやすく説明すると
冗長性とは身体には
「必要最低限ではない必要以上のシステムがある」
ということです。
従って、例えば、バーシカンの発現を抑えても、
それ以外の物質が補償的に働くという事です。
例えば、生体内での物質の運搬に関わる
エクソソームを含む細胞外小胞は
おそらく一般的な薬剤で精製されるような
「単一の」標的を有しているのではなく、
複数の補償的に働く、言い換えれば、冗長性を持つ
システムを有しており、
それによって複雑に臓器、組織向性を有していると考えられます。
また、その送達特異性もそれほど顕著ではないかもしれません。
なぜなら、エクソソーム以外の運搬システムも
ある可能性があるからです。
そうした観点はこの記事を立ち上げた時点で気づいています。
こういった冗長性は人のケースでいえば、
簡単に体の健康を支える恒常性が破壊されない事からも裏付けられます。
考えてみると、人は様々なストレスにさらされています。
一般的なストレスよりももっと広義な意味でです。
近年ではオフィスワークが増え、日向に出る時間は
平均的には減りましたが、
人を含めた生物は太陽光は必要ですが、
一方ではそのエネルギーがストレスになります。
大気中を含め、水、土など環境中には認識はされていませんが
人にとって有害な微生物が一定割合存在します。
日々、食する食べ物もそうです。
しかし、多くの場合、そうしたストレスにさらされても
学生であれば、学校にいけたり、
大人の(方)であれば、仕事にいけたりします。
それをなぜか考えた人は実はあまりいないかもしれません。
あまりにも当たり前すぎるし、
一般に健康な人は研究対象にされないからです。
おそらく、そのホメオスタシスを支える
生体内の重要なシステムの概念の一つは「冗長性」に収束します。
詳しくは長くなるので説明しません。
ただ、小児がんのケースで少し説明します。
決定的にリスク因子となる遺伝子変異が
必ずしも発症につながらないという疫学で、
腸内細菌など免疫系などとも関連があり、
様々な因子が「重複した時に」罹患してしまう。
これを「2 hit model」と呼ばれています。
これは。「冗長なシステム」が
あまりにも大きなストレスに耐えられなくなり、
閾値を超えたとも考えられないでしょうか?
言い換えれば、人、生物はそんなに弱くないということです。
なぜなら、過酷な過去に耐えてきた歴史があるからです。
その進化の過程で冗長なシステムを構築してきました。
従って、逆に様々な負の因子が重なり、
難しい疾患を抱えたあらゆる年齢の人を治療するときには
当然、冗長なシステムを持って治療する必要性が出てきます。
細胞接着分子のケースでそのことを少し説明します。
インテグリンは24のサブタイプ程度しかもたず、
それが全身の多くの細胞に普遍的に発現されているので
「インテグリン単一だけで」
細胞種特異的薬物送達を実現するのは
原理的に難しいと想定されるのは自明です。
実際にインテグリンを標的とした薬剤で成功を収めているのは
一部の腸の疾患などに限られます。
私が2020年の9月に細胞種特異的薬物送達システムを考案した時、
最初に注目したのがインテグリンでした。
しかし、より詳しく詰めていくと、
インテグリンだけでは
おそらく私が目的とする薬物送達は達成できないと考えました。
アメリカのペンシルベニア大学、ジョンズホプキンス大学から
それぞれ癌、心臓のSurfacomeの報告が
それぞれNature Cancer、Nature Cardiovascular Researchより報告され、
その中でひょっとしたら
癌、心臓特異的なたんぱく質が見出される可能性があります。
これは、私が考えるロードマップにおいて
非常に重要な2つの報告であったことは間違いありません。
それでもなお、私はなぜ、
生命科学の包括的なブログ活動を通じて、
私自身の知識、知恵が高まってきて最終的に
細胞接着分子に着目して2つの記事を立ち上げているでしょうか?
その理由は、
細胞接着分子は
生体内の物質の「移動」「固着」「浸潤」を決める
重要な物質群であるという事はほぼ間違いないからです。
日本の電機メーカーであるシャープ株式会社には
「ネイチャーテクノロジー」という技術があります。
ホームページを見たらわかります。
様々な生物の能力を生かして
それを電化製品の技術に転化して効率を高めています。
これは生物が持つ「自然な」システムを利用して
現在の技術を融合して、人々の豊かな暮らしに貢献するというものです。
シャープ株式会社はソニー株式会社などと比べて
事業ポートフォリオの選択など、経営において苦しんでいる側面がありますが、
液晶テレビなどにおいても技術革新に貢献してきた歴史があり、
このネイチャーテクノロジーは
そうした技術者の「目の付け所」の結晶です。
私はその成功を身近で学んでここまできたので、
当然、医学薬学の分野でもそうした視点が色濃く残ります。
すなわち、生命科学においては
人、もっと広義には生物の自然な生物学をより精緻に理解して
それを利用して、現在の発達した科学技術を融合して、
目的とする難しい疾患の治療を達成するために
薬物を人為的に制御するということです。
現代科学は発展して、わずか200年程度です。
私がこのブログ活動を始めてわずか4年弱です。
生物が地球上に誕生してからの歴史を考えると、
そうした年月で理解しようとすることが自体がおこがましいですが、
そうした進化の過程で生物が適応してきた歴史の結果を
謙虚な姿勢を持って学び続けていく事。
それがとても大切で、
その神聖なシステムには抗う事が出来ないです。
自然科学(自然の摂理)は極めて平等です。
原理的には実験者の地位、名誉、資産に依らず、
自然の摂理に従って結果が示されます。
シャープ株式会社は多くの新しいアイデアを大切にするという文化があります。
現在は変わっているかもしれないですが、
大手企業の中ではおそらく
比較的、自由に研究開発できるという風土がありました。
その中でうまくいかない技術もありましたが、
ネイチャーテクノロジーに関しては
比較的高い割合で成功を収めたのではないかと私は分析しています。
世界規模で見ると狭い分析ではありますが、
私のこの推測はそれ以降の様々な学習を含めて総合的に考えると
大きな間違いないという自信があります。
上述したように細胞接着分子は
生体内の物質の移動、固着、浸潤などに関わる基本的な生理を持ちます。
薬物送達学の一つの重要な理念は
薬物がどのように標的部位まで送達されるかの理解ですから、
当然、生体内の物質の移動、固着、浸潤などに関わる
物質群を理解する事はこの学問の基本的な要素となります。
そうなると必然的に
細胞特異的薬物送達システムを本気で実現する事を考えた場合、
また、私の学んできた大切な歴史を生かす事を考えた場合、
細胞接着分子に掛けてみようと思ったわけです。
上述したように体は冗長なシステムがあると
ほぼ確信に近い仮説があるので、
細胞接着分子にも当然、冗長性があり、
その冗長性の中で生物工学を実現する事を考えます。
具体的にはこの記事の冒頭で述べていますが、
細胞接着分子だけに絞ったプロテオーム解析を
病変部位、健康な状態と比較的にして、
その中で違いを明らかにします。
それだけで、「Nature誌」に採用されるレベルであると思いますが、
私の展望はそれをさらに超越します。
この記事ですでに実施しているように
それぞれの細胞接着分子の結果の詳細を理解して、共有して
その結果からどういうことが考えられるか?
人と人工知能によって考えます。
冒頭で述べたように
人工知能、スーパーコンピューターで
細胞接着分子のデータを載せたら、
それに対する動画、画像、文章データを出力できるようにします。
それだけでは不十分で、当然、
私を含めた人の頭によっても考えます。
この細胞接着分子は生体内の自然なシステムを利用するので
そのペアとなるリガンドを含めて遺伝子と関連付けられるはずです。
日本で力を入れて開発が進められている
細胞外小胞、エクソソームは様々な難しさはありますが、
2011年にイギリスのオックスフォード大学が
エクソソームの標的送達をマウスのケースで実現し、
それをNature Biotechnologyで発表しています。
この研究からも示唆されるように、
エクソソームは細胞内で「自然な」遺伝子制御によって
エクソソームの膜表面に発現されるたんぱく質を
その遺伝子制御のコードに応じた様式で制御できる可能性があります。
基本的に薬物というのは
標的が定まっても、それに作用する物質をどう合成するか?
この絶対的な課題があります。
これは完全な逆問題だからです。
例えば、フロケポテンシャルを持つ化合物を
どのように選定し、合成するか?
そのような逆問題と同様です。
細胞種特異的薬物送達をまだ解像度が低い状態で
すでに実現している技術があります。
それが「抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate)」です。
これはモノクローナル抗体と薬物を連結して、
そのモノクローナル抗体の標的性を利用するものですが、
このモノクローナル抗体の生成は
人が人工的にゼロベースで合成するものではなく、
細胞の液性免疫に頼っています。
細胞外小胞、エクソソームを利用した
細胞接着分子の装飾化は
こうした自然のシステムに依存して
逆問題を突破できる可能性があるからです。
もちろん、遺伝子的に生み出されたタンパク質が
エクソソームの表面に細胞内で運搬されるかどうかはわかりませんから、
課題は当然ありますが、
ゼロベースで合成する場合と比べて、
ゼロベースで合成する事とモノクローナル抗体を使う事
遺伝子発現を利用する事の選択肢がありますから、
当然、装飾化においては成功する確率が高まりますし、
結果として様々な標的に対する装飾化が可能になるかもしれません。
私は、「日本人として」
精製の難しさはありますが、
日本人は細かい管理を含めた製造能力に優れているので、
細胞外小胞、エクソソームを使った、
細胞接着分子を利用した細胞種特異的薬物送達。
それに掛ける。そうした展望はずっと持っています。
今まで4年間、非常に大切にしてきたハーバード大学に気を使って
細胞外小胞に優先してナノ粒子について書いてきましたが、
そうしたことはもうこれからはしません。
当然、ボストンやニューヨークは
新型コロナウィルスmRNAワクチンの成功があり、
その投資があり、それを有効活用したいという展望がある。
それを私は理解していたからです。
今までボストンを大切にしてきましたから、
そこには絶対的な配慮が必要である。
だから、私の奥底の思いを隠してきた側面があります。
新型コロナウィルスの世界的流行は
私がこの生命科学のブログを始めたきっかけであり、
細胞種特異的薬物送達システムを考案したきっかけでもありました。
それを最も初めに高く評価してくれたのは
みなさんはご存知ないかもしれないですが、
実は「NASA」です。そしてハーバード大学でした。
だからそうした気持ちは決して裏切る事はできない。
例え、母国と異なる国であっても。そのように考えていました。
新型コロナウィルスのmRNAワクチンは賛否両論はあります。
実は、死亡した人はニュースで伏せられているかもしれません。
ここで重要な話をします。
日本で2021年の夏にデルタ株が流行しました。
その時にはアメリカのファイザー社、モデルナ社の
mRNAのワクチンが国の補助で無料で接種可能でした。
医学薬学の特にワクチンにおいてネガティブな事は
「予防されたことは認識されない」ということです。
この意味、みなさんはわかりますか?
つまり、ワクチンで無病で助かった人は
当然、病気にならないわけですから
それがワクチンの効果がどうかはわからないということです。
でも、副作用である発熱や場合によっては死亡は、
それが、顕著に負の因子として認識されるということです。
The New England Journal of Medicine誌などをみればわかりますが、
ワクチンの効果は間違いなくあります。
おそらく、私の見立てでは、
もしデルタ株が日本で広がった時にワクチンがなかったら、
おそらく男性を中心とした高齢の方はかなり命を落としたと思います。
アルファ株よりも毒性が高かったからです。
「予防医学」というのは、ワクチンを含め、
ネガティブな因子を潜在的に含んでいるということです。
例えば、私が小児がんの記事を書きました。
それで、腸内細菌を含めた免疫系が重要で、
そのプロバイオティクスとしてビフィズス菌、
プレバイオティクスとして食物繊維が重要であると紹介しています。
代謝経路なども詳しく書いています。
それは、専門の研究者の方々の貢献もある事は追記します。
もし、それが正しく、
リスク遺伝子のある人がそうした生活習慣を取り入れて
結果として小児がんにならなかったとしても、
本当に、それが予防によってそうなったのかわかりません。
あるいは、そうした検査もせず、
そうした生活習慣を取り入れた人が
実は、それは効果があったのだけど、無病だったら
当然、その本人は健康なわけですから、予防できたとは自覚できません。
でも、私としたら、その情報が予防に関係しているとしたら
小児がんの治療にすでに潜在的に貢献していることになります。
でも、それは気づいてもらえません。
アメリカのモデルナ社、ファイザー社が
そういった面で損している事には当初から気付いていましたし、
私もワクチンで助けられたと思っているし、
私が考えた細胞種特異的薬物送達システムは
脂質ナノ粒子に包まれたmRNAワクチンの発展形であるという事が
ずっと認識としてありました。
mRNAワクチンの課題は非特異性にあるということがあるからです。
それを制御できれば、もっと色んな病気に適応できるし、
副作用も低減できると想定しているからです。
すでに、生産設備を増強して投資してきた、
また、世界に貢献してきたモデルナ社、ファイザー社があり、
ボストン、ハーバード大学があり、
The New England Journal of Medicine誌があるという背景から、
ナノ粒子を私の選択肢から排除できないでいました。
こういった記載をするのは
これからの私の選択に対する
少なくとも一定のあなた方へ配慮です。
私は日本人として細胞外小胞、エクソソーム、
細胞接着分子、そのCAMome、
それを利用した私が一貫して取り組んできた
細胞種特異的薬物送達システムを構築し、
身体のあらゆる部位に対する
薬物の送達効率を高める事を実現します。
そうすると今まで利用できなかった
毒性の強い薬をリパーポスすることもでき、
様々な疾患に対する治療を一つ変える事ができます。
私に関しては、その最先端の医療技術を
特に小児がん、精神疾患を始め、
病気を持つ子供、若い人の為に利用する事に掛けます。
私が最も苦しんでいる時に
そうではなくても多くの場合、
味方になってくれた地域もあります。
そういったことは当然、忘れず、覚えていて
正の記憶として蓄積されています。
あるいは細胞種特異的薬物送達システム実現において
重要な地域も含まれます。
もちろん相手の気持ちもあることですが、
少なくともこれらの地域の方々と協力して、
CAMome分析、細胞外小胞、
それを利用した細胞種特異的薬物送達システムを実現することが
できたら喜ばしいということです。
しかしながら、
私の今の状況が極めて理不尽である事には変わりありませんし、
負の感情を誘発する様々な事象が
特に国内であったことは事実ですから
記事は削除しましたが、牽制球は投げる
ということは忠告しておきます。
上述したように
私には明確な目的があるので、
ブログは今までのように長期的に中断したりはせずに
まっすぐ進んで続けていきます。
(Qa)ブレビカン(brevican)
上述したニューロカンと同じように
ブレビカンは脳の細胞外マトリックスに発現される、
コンドロイチン硫酸基を結合因子として持つ
糖たんぱく質で基質の細胞外接着分子の一つに分類されます。
細胞外マトリックスの機能の一つは
神経系に限らず、細胞の集合から成る組織の
構造的な支持がありますから、
神経系の細胞外マトリックス、
その細胞、細胞外マトリックス同士の結合因子である
ブレビカンの役割は
神経系の可塑性、頑強性のバランスの調整です(408)。
神経細胞の連結は常に変化します。
また、神経細胞は同時に細胞分裂機能がありませんから
ストレスに応じて減少していくという性質もあります。
従って、それらの機能は
星状膠細胞を始めとしたグリア細胞や髄鞘、
ここで述べる細胞外マトリックスによって保護されています。
ブレビカンはその保護のシステムの一翼を担っているということです。
上述したニューロカンは脳の発達に欠かせないと
考えられている一方で、
その発現を抑制したマウスにおいて
顕著な脳発達の障害はみられなかったとされています(404)。
これはバーシカンの節の中で詳しく述べた冗長性におそらく関与するものです。
上述したように脳の発達を支持する要素として
細胞外マトリックスだけではなくグリア細胞、あるいは、
神経系周辺の細胞外マトリックスの中においても
ニューロカン以外のブレビカンのような結合因子、節として働く
別の細胞接着分子が存在します。
従って、脳神経系のシステムは単一のシステムに頼らない
冗長性を持つシステムによって守られているという事が想定されます。
ブレビカンは中心の骨組みに対して
両サイドに複数のドメインを持つ
ダンベルのような構造を取ります、
(参考文献(408) Fig.2)
ブレビカンは一つの遺伝子コードで複数のタンパク質アイソフォームを
生み出すことができるAlternatively spliced GPI-anchored formを持つ
唯一のレクチカンファミリーであるとされています。
これはブレビカンからなる高分子の結合因子の一つで
末端ドメインGPIが構造的な可変性を有しているという事です。
これにより、細胞外マトリックスや神経系細胞などに対して
異種的な、言い換えれば様々な結合部位に対して
結合性を獲得していると考えられます。
テナシンR(tenascin-R)は放射上に延びた3つの骨組みを持ち
それぞれが結合する事で
ニューロカンやブレビカン同士を結合させる
これら細胞接着分子の節としての機能を持ちます。
これにより、ニューロカンやブレビカンは
一つの結合ドメインを複数利用することができ、
細胞外マトリックス同士の連結を
ニューロカン、ブレビカン依存的に可能にします。
これは精緻な神経系周辺の細胞外マトリックスの3次元構造、
網目構造の構築に貢献していると考えられます。
従って、ブレビカンが欠損すると
細胞外マトリックスの構造に影響を与えます(410)。
(Sc)アドレッシン(addressin、mucosal vascular addressin cell adhesion molecule 1 (MAdCAM-1) )
アドレッシン(MAdCAM-1)は
消化器、腸の免疫細胞が集合するリンパ系器官に当たる
Peyer's patchesや腸の粘膜の制御に関連する
細胞表面に発現される細胞接着分子であるインテグリンα4β7の
対となる結合因子(Counter ligand)です(411)。
このインテグリンα4β7は上述したように
インテグリンを標的とした数少ない薬剤に関連します。
抗α4β7インテグリン抗体製剤(ベドリズマブ)は
潰瘍性大腸炎やクローン病の治療薬として承認されています。
従って、細胞外小胞に
細胞上に発現されるインテグリンα4β7を装飾させると
消化器の粘膜のアドレッシンに特異的に結合する可能性があり、
アドレッシンについて調べる事は
消化器、特に腸への特異的薬物送達システムを構築するにあたり
重要な背景知識の一つとなります。
アドレッシンは免疫グロブリンスーパーファミリーに属する
細胞接着分子です。
インテグリンα4β7は多様な免疫細胞に発現されています(412)。
従って、インテグリンα4β7の過剰発現は
免疫系を過剰に引き寄せる事になり、
それが組織の修復に関与する場合もありますが(412)、
例えば、腸においては大腸炎につながることもあります。
従って、大腸炎が生じた場合には
上述した抗α4β7インテグリン抗体製剤(ベドリズマブ)は
そうしたインテグリンの機能を抑え、
腸の炎症に対する免疫系を調整する働きがあると考えられます。
また、その対となる結合因子である
アドレッシン(MAdCAM-1)は腸の炎症と関連があります(413)。
このMAdCAM-1は人の内皮細胞に発現され、
免疫細胞をインテグリンα4β7との結合を通じて
捕獲する事に関与します(参考文献(414) Figure.6)。
このアドレッシンは抗体として定義される免疫グロブリンの
構造的特徴を持つ免疫グロブリンスーパーファミリーIgSF
からなるドメインを二つ有します。
ドメイン1のCDループ構造のAsp42残基が
インテグリンとの結合性を有する鍵となる構造部位です(415)。
また、ドメイン2の高分子量を持つ長鎖のD、Eらせん構造は
このドメイン2の母体を超えて伸張し、
負に帯電しています。
これが正に帯電したインテグリンと静電引力によって結合すると考えられます。
このリボン構造はドメイン1のAsp42残基と同様に
インテグリンとの結合に関与しています(415)。
//細胞接着分子の分類//
a:接着結合 / d:接着斑 / h:半接着斑 /
g:ギャップ結合 /s:シナプス結合 /
t:密着結合 / sp: 隔壁結合
c:接触結合
--
<<細胞膜上に発現>>
(1)インテグリン(Integrin)
α1β1、α2β1、α3β1、α4β1、α5β1
α6β1、α7β1、α8β1、α9β1、α10β1
α11β1、αvβ1、αDβ2、αLβ2、αMβ2
αMβ2、αXβ2、αⅡbβ3、αvβ3、α6β4(1-1h)
αvβ5、αvβ6、α4β7、αEβ7、αvβ8
(1-1h)インテグリン(Integrin)α6β4
-
(2)カドヘリン(Cadherin)
(2-1)Classical
(2-1-1)Eカドヘリン(E-cadherin)(CDH1)
(2-1-2)Nカドヘリン(N-cadherin)(CDH2)
(2-1-3)Nカドヘリン2(Cadherin 12, type 2 (N-cadherin 2))(CDH12)
(2-1-4)PカドヘリンP-cadherin(CDH3)
(2-2d)Desmosomal
(2-2-1d)デスモグレイン(desmoglein)
(2-2-2d)デスモコリン(desmocollin)
(2-3)プロトカドヘリン(Protocadherins)
PCDH1 PCDH7 PCDH8 PCDH9 PCDH10 PCDH11X/11Y PCDH12
PCDH15 PCDH17 PCDH18 PCDH19 PCDH20 PCDHA1 PCDHA2
PCDHA3 PCDHA4 PCDHA5 PCDHA6 PCDHA7 PCDHA8 PCDHA9
PCDHA10 PCDHA11 PCDHA12 PCDHA13 PCDHAC1 PCDHAC2
PCDHB1 PCDHB2 PCDHB3 PCDHB4 PCDHB5 PCDHB6 PCDHB7
PCDHB8 PCDHB9 PCDHB10 PCDHB11 PCDHB12 PCDHB13
PCDHB14 PCDHB15 PCDHB16 PCDHB17 PCDHB18 PCDHGA1
PCDHGA2 PCDHGA3 PCDHGA4 PCDHGA5 PCDHGA6 PCDHGA7
PCDHGA8 PCDHGA9 PCDHGA10 PCDHGA11 PCDHGA12 PCDHGB1
PCDHGB2 PCDHGB3 PCDHGB4 PCDHGB5 PCDHGB6 PCDHGB7
PCDHGC3 PCDHGC4 PCDHGC5 FAT FAT2 FAT4
(2-4)Unconventional/ungrouped
Rカドヘリン(CDH4 R-cadherin )(retinal)
VEカドヘリン(CDH5 VE-cadherin)(vascular endothelial)
Kカドヘリン(CDH6 – K-cadherin)(kidney)
CDH7 – cadherin 7, type 2
CDH8 – cadherin 8, type 2
T1カドヘリン(CDH9 – cadherin 9, type 2 (T1-cadherin))
T2カドヘリン(CDH10 – cadherin 10, type 2 (T2-cadherin))
OBカドヘリン(CDH11 – OB-cadherin) (osteoblast)
Tカドヘリン、Hカドヘリン(CDH13 – T-cadherin – H-cadherin (heart))
Mカドヘリン(CDH15 – M-cadherin (myotubule))
KSPカドヘリン(CDH16 – KSP-cadherin)
LIカドヘリン(CDH17 – LI cadherin (liver-intestine))
CDH18 – cadherin 18, type 2
CDH19 – cadherin 19, type 2
CDH20 – cadherin 20, type 2
CDH23 – cadherin 23 (neurosensory epithelium)
CDH22, CDH24, CDH26, CDH28
CELSR1, CELSR2, CELSR3
CLSTN1, CLSTN2, CLSTN3
DCHS1, DCHS2,
LOC389118
PCLKC
RESDA1
RET
(2-**s)CELSR(Cadherin EGF LAG seven-pass G-type receptor)
-
(3)免疫グロブリンスーパーファミリー(Immunoglobulin superfamily:IgSF)
(3-1)抗原受容体(Antigen receptor)
・抗体(Antibodies) or 免疫グロブリン
IgA、IgD、IgE、IgM
・T細胞受容体(T-cell receptor)
(3-2)抗原提示分子(Angigen presenting molecules
・Class I MHC
・Class Ⅱ MHC
・beta-2 microglobulin
(3-3)コレセプター(Co-receptor)
・CD4
・CD8
・CD19
(3-4)抗原受容体アクセサリー分子
・CD3-γ、-δ and -ε chain
・CD79a and CD79b
(3-5)共刺激(Co-stimulatory) or 抑制分子(inhibitory molecules)
・CD28
・CD80 and CD86
(3-6)NK細胞上受容体(Recetors on Natural killer cells)
・Killer-cell immunoglobulin-like receptor (KIR)
(3-7)白血球上受容体(Recetors on Leukocytes)
・Leukocyte immunoglobulin-like receptors (LILR)
(3-8)IgSF
(3-8-1s)神経細胞接着分子(N-CAM、neural cell adhesion molecule)
(3-8-2a)ICAM(Intercellular adhesion molecule)(テレンセファリン telencephalin)
・CD2サブセット
・Type IIa and Type IIbs RPTPs,
(RPTPs)Receptor type protein tyrosine phosphatase
(3-9)サイトカイン受容体
・インターロイキン-1(Interleukin-1 receptor)
・コロニー刺激因子1受容体(Colony stimulating factor 1 receptor)
(3-10)成長因子受容体(Growth factor receptors)
・血小板由来成長因子受容体
(Platelet-derived growth factor receptor (PDGFR)
・肥満、幹細胞成長因子受容体前駆物質
(Mast/stem cell growth factor receptor precursor(SCFR, c-kit, CD117 antigen)
(3-11)チロシンキナーゼ(フォスファーゼ)受容体(Receptor tyrosine kinases/phosphatase)
・チロシンタンパク質キナーゼ受容体Tie-1前駆物質
(Tyrosine-protein kinase receptor Tie-1 precursor)
・Type IIa and Type IIbs RPTPs,
(RPTPs)Receptor type protein tyrosine phosphatase
PTPRM, PTPRK, PTPRU, PTPRD, PTPRF
(3-12)Ig結合受容体(Ig binding receptors)
・ポリマー免疫グロブリン受容体(Polymeric immunoglobulin receptor(PIGR))
・Some Fc receptors
(3-13)細胞骨格(Cytoskeleton)
・マイヨチリン(Myotilin)、マイヨパラディン(Myopalladin)、パラディン(Palladin)
・チチン(Titin)、オブスクリン(Obscurin)
・MYOM1, MYOM2
(3-14)TAG-1(transiently expressed axonal surface glycoprotein-1)
・Axionin-1
・TAX-1
(3-15)Others
・CD147
・CD90
・CD96
・CD7
・ブティロフィリン(Butyrophilins (Btn))
(3-14-1a)ネクチン(nectin)
(3-14-2a)血小板内皮細胞接着分子(Platelet endothelial cell adhesion molecule(PECAM-1)(CD31))
(3-14-3a)血管細胞接着分子1(vascular cell adhesion molecule 1)(VCAM1)(CD106)
(3-14-4s)コンタクチン(contactin)(F3、F11)
(3-14-5s)ファシクリン2(fasciclin 2)ショウジョウバエのNCAM
(3-14-6s)L1
(3-14-7s)SYG-1
(3-14-8t)ジャム(Junctional adhesion molecule (JAM))
-
(4)セレクチン(Selectin)
(4-1c)E-セレクチン (内皮細胞:endothelial)
(4-2c)L-セレクチン (白血球:leukocyte)
(4-3c)P-セレクチン (血小板:platelet)
(4-4c)P-selectin glycoprotein ligand-1 (PSGL-1)
-
(5s)エフリン(Ephrins)
(5-1)エフリンA(Ephrins A)
(リガンド)Eprin-A1,2,3,4,5
(受容体)EphAs-1,2,3,4,5,6,7,8,10
(5-2)エフリンB(Ephrins B)
(リガンド)Eprin-B1,2,3
(受容体)EphBs-1,2,3,4,6
-
(6)キスペプチン(Kisspeptins)
Kisspeptins-10,13,14,54*,145(human)
Kisspeptins-54(Metastin)
(受容体:KISS1R)
GPR54,Kiss1(human)
(参考文献(87) TABLE 1)
(7)サルコグリカン(Sarcoglycan)
Sarcoglycan(α, β, γ, δ or ε)
(8a)β-ジストログリカン(β-Dystroglycan)
(9d)コルネオデスモシン(corneodesmosin)
(10h)XVII型コラーゲンα1(Collagen, type XVII, alpha 1)(BP180)
(11h)テトラスパニン(Tetraspanin)(CD151)
TSP-1,2,3,4(NAG-2),5,6,7(CD231,TLLA-1,A15),8(CO-029)
TSP-9(NET-5),10(OCULOSPANIN),11(CD151-like),12(NET-2)
TSP-13(NET-6),14,15(NET-7),16(TM4-B),17,18,19
TSP-19,20(UPK1B,UP1b,UPK1B),21(UP1a,UPK1A)
TSP-21(UP1a,UPK1A),22(PRPH2,RDS),23(ROM1)
TSP-24(CD151),25(CD53),26(CD37),27(CD82)
TSP-28(CD81),29(CD9),30(CD63),31(SAS),32(TSSC6),33
(12g)コネキシン(connexin)
Cx43,46,37,40,33,50,59,62,32,26,31,(30.3),(31.1),
Cx30,25,45,47,(31.3),36,(31.9),39,(40.1),23
(12-1g)パネキシン(pannexin)(コネキシンF)
Panx1, Panx2, Panx3
(13g)イネキシン(innexin):無脊椎動物
(14s)ニューロリギン(neuroligin)
NLGN1,2,3,4,4Y(human)
(15s)ニューレキシン(neurexin)
α-neurexin1,2,3
β-neurexin1,2,3
(16s)ネトリン(Netrins)
Netrin-1,3,G1,G2
(17s)ニューロピリン(Neuropilin)
Neuropilin-1,2
(18s)セマフォリン(Semaphorin)
Class1,2(無脊柱動物のみ)
Class3,4,5,6,7(脊柱動物)
Class3:3A,3B,3C,3D,3E,3F,3G
Class4:4B,4C,4D,4F,4G
Class5:5A,5B
Class6:6A,6B,6C,6D
Class7:7A
(受容体)プレキシン(Plexins)
ClassA:1,2,3,4A
ClassB:1,2,3
ClassC:1
ClassD:1
(19s)シンデカン(Syndecan)
Syndecan-1.2.3.4
(20s)ラトロフィリン(Latrophilin)
Latrophilin-1,2,3
(21s)脳特異的血管生成抑制1(Brain-specific angiogenesis inhibitor BAI1)
BAI-1,2,3
(22t)クローディン(claudin)
Claudin-1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15
Claudin-16,17,18,19,20,21,22,23
(23t)オクルディン(occludin)
(24t)ゾヌリン(zonulin)
(25sp)CG3921
(26sp)Sec61
(27c)Glycosylation-dependent cell adhesion molecule-1 (GLYCAM1)
(28c)CD34(Cell surface sialomucin)
--
<<基質に発現>>
(Aa)フィブロネクチン(Fibronectin)
(A-1)血漿フィブロネクチン(plasma fibronectin、pFN)
(A-2)細胞性フィブロネクチン(cellular fibronectin、cFN)
(A-3)胎児性フィブロネクチン(fetal fibronectin、fFN)
(A-4)単鎖フィブロネクチン(single-chain fibronectin)
(Ba)ラミニン(Laminin)
α鎖(1-5)、β鎖(1-4)、γ鎖(1-3)からなる
Laminin-1(EHS laminin α1β1γ1 Laminin-111)
Laminin-2(Merosin α2β1γ1 Laminin-211)
Laminin-3(S-laminin α1β2γ1 Laminin-121)
Laminin-4(S-merosin α2β2γ1 Laminin-221)
Laminin-5/Laminin-5A(Kalinin, epiligrin, nicein, ladsin α3Aβ3γ2 Laminin-332 / Laminin-3A32)
Laminin-5B(α3Bβ3γ2 Laminin-3B32)
Laminin-6/Laminin-6A(K-laminin α3Aβ1γ1 Laminin-311/Laminin-3A11)
Laminin-7/Laminin-7A(KS-laminin α3Aβ2γ1 Laminin-321/Laminin-3A21)
Laminin-8(α4β1γ1 Laminin-411)
Laminin-9(α4β2γ1 Laminin-421)
Laminin-10(Drosophila-like laminin α5β1γ1 Laminin-511)
Laminin-11(α5β2γ1 Laminin-521)
Laminin-12(α2β1γ3 Laminin-213)
Laminin-14(α4β2γ3 Laminin-423)
Laminin-?(α5β2γ2 Laminin-522)※番号の割り当て未
Laminin-15(α5β2γ3 Laminin-523)
(Ca)ビトロネクチン(Vitronectin)
(Da)コラーゲン(Collagen)
コーラゲンI,II,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ,Ⅵ,Ⅶ,Ⅷ,Ⅸ,Ⅹ,Ⅺ,Ⅻ,
コラーゲンXIII,XIV,XV,XVI,XVII,XVIII,XIX,XX
コラーゲンXXI,XXII,XXIII,XXIV,XXV,XXVI,XXVII,XXVIII,XXIX
※コラーゲン1-29,COL1A1-29A1
(Ea)テネイシン(Tenascin)
Tenascin-C、Tenascin-R、Tenascin-X、Tenascin-W
(Fa)フィブリノゲン(Fibrinogen)
(Ga)オステオポンチン(osteopontin)
OPN-R、OPN-L
(Ha)ネトリン(netrin)
netrin-1, netrin-3, netrins-G
(Ia)トロンボスポンジン(thrombospondin)
thrombospondins 1-5
(Ja)エンタクチン(entactin)
(Ka)α-ジストログリカン(α-Dystroglycan)
(La)アグリン(agrin)
(Ma)アグレカン(aggrecan)
cluster1-5(参考文献(96))
(Na)シンデカン(syndecan)
syndecan1,2,3,4,310,201,346,198
(Oa)ニューロカン(neurocan)
(Pa)バーシカン(versican)
Versican0,1,2,3,4
(Qa)ブレビカン(brevican)
80-kDa, 125-kDa, 145-kDa(参考文献(97))
(Rh)ラミニン(laminin)332
(Sc)アドレッシン(addressin、mucosal vascular addressin cell adhesion molecule 1 (MAdCAM-1) )
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