2026年3月5日木曜日

磁気共鳴-経頭蓋集束超音波装置の基本構想

<事前計画、展望>
MRIガイド経頭蓋集束超音波装置は既にイスラエル製(ExAblate 4000)の商品化されたものが存在します。磁気共鳴分析(MRI)では重水プロキシを使った薬物送達状況音の評価、超音波低出力では気泡生成(キャビテーション)による薬物キャリア(エクソソーム)の複合体開放/血管外滲出、気泡生成による機械的刺激、少しの温度上昇による神経伝達の制御による脳神経機能調整、超音波エコー信号取得によるマルチモダルな頭蓋内組織画像解析、超音波高出力では脳腫瘍の焼灼、水頭症解消/予防の為の開窓形成(造窓)を目的とします。全ての機能を兼ね備える装置を開発するのは非常に挑戦的で2035年に100%実現しますと約束するのは、少々無謀かもしれませんが、私が従事する医療プロジェクトにおいて、広島大学、東京大学と協力して行う細胞外小胞と並ぶ、最も重要なテーマであり、一生涯かけて実施する覚悟で臨み、お約束した時期に納入できる確率を1%でも上げられるように冷静かつ着実に進行させます。上述した複数の目的を兼ね備えることは原理的に難しい可能性もあり、装置の分離を含めて妥協案を含めて実現を目指します。すでにExAblate 4000が世界に存在するため付加価値をつけて装置開発、製造する計画が必要です。一方で、最善のシナリオで実現した時の事を考えてプロジェクトを始める段階でそれを合理的に研究開発に組み込むことは重要です。こうしたことは、大学、研究機関の専門家(先生)、企業の開発者の方々と慎重に議論したうえで最終的には決定する事ですが、現時点の私の評価では、磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置は一体化は絶対条件ではなく、個別の機能ごと切り離した状態でも高度医療を提供できる可能性があるとみています。実際に超音波を使った頭蓋内の評価は私が見る限り、コントラストや空間分解能に大きな改善の余地があるとみていますが。新生児は頭部が小さく、大きな損失因子である頭蓋骨が薄く、超音波伝達抵抗が小さい物質としての一様性を保証する水分が多く、これらの複合的因子により超音波伝達効率が高いことと、超音波は高エネルギー線被ばくなどがなくMRIと同様に比較的安全な装置であることから新生児を中心に研究されています(8-10)。小児脳腫瘍では放射線治療が2歳以下では被ばくのリスクが大きいことから対象外とされるので、この一体型装置を開発し、脳腫瘍焼灼、水頭症予防/解消の為の開窓形成可能になることは新生児の治療を改善する上で潜在的需要は決して低くありません。超音波発生立体角が従来のハンディーと変わらない現在の状況でも研究されて、一定の研究結果が示されていることから、原理的に無理ということはなく、トランスデューサー数を増やし、立体角(超音波発生表面積)を顕著に上げることによって、結果も改善されると推測されます。現時点ではこの一体型装置ではエコー信号も取得し、画像モニタリングできるようにすることを目指しますが、公開されている頭蓋内の組織の超音波映像を見ると、画像解像度は低く、組織解析としては十分ではなく、改善が必要な事と、そのことは、超音波集束させる組織焼灼/造窓の位置解像度にもまだまだ課題が山積していることを明示します。現時点で上述した複数の機能を兼ね備えたフルスペックの磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置を目指す決意に現時点で一切の逸脱はありませんが、本当に想定に近い仕様の装置を提供できるとなった時には倫理的な事も含めていくつかの課題が存在します。まず初めに、この一体型装置は頭部全体から超音波信号を集束させるため、脳幹、間脳、小脳など脳の深部への信号伝達に優れます。この領域は、通常、非常に高度に保護された領域の為、進化の過程で外部刺激に対する強靭性を兼ね備えたとは考えにくく、もし、有効に超音波集束できるとなるとこの脳領域は呼吸、心拍、その他内臓の機能など生命活動の根幹にかかわる為、誤って刺激を与えたときに生命活動に影響を与えてしまう可能性があります。特に低出力のメンタルヘルスの治療では脳深部への刺激が新たな治療の道を切り開く可能性がありますが、装置が独り歩きし、安全性評価、法律が十分に整わないうちに市場に出回ってしまうと、信頼できる情報にアクセスできない患者さんが非常に大きなリスクにさらされてしまうことになります。従って、装置開発段階から法整備なども含めて、信頼できる大学、病院、企業と共に段階を踏んで慎重に開発していく必要があります。複数の目的をもし兼ね備えることができたら装置の需要が非常に高まる可能性があります。装置の販売価格は100億円を超える可能性がある事と、空間分解能を上げるため温度/振動/ノイズ/湿度など様々な環境を高度かつ適切に備える室内環境が必要になる可能性もあり、環境整備費用も考えると病院が簡単に購入できる装置にはならないです。現在の3TのMRI装置でも数十億円するからです。世の中に普及するまでには長い時間がかかりますが、目指す方向としてはり多くの患者さんがこの一体型装置の恩恵を安全な様式で得られるように仕様も含めた装置の分離ができるように開発を進めていきます。例えば、経頭蓋超音波装置がエコー画像解析もできるようにすると仕様によっては装置価格の大部分を占める磁気共鳴装置と切り離せるため、販売価格、環境整備費用を大幅に減らすことが可能になります。初めに研究/準備を含めて導入する病院は東京大学病院を含めた大学病院ですが、大学病院は研究、教育の役割も担っている為、治療だけに専念できない部分もあり、装置仕様が集約され、完成に近づいた段階で専門的な地域中核病院でも医療が受けられるように現在の病院間連携システムに倣いながら(6)、環境整備していきます。この点からも切り離しできる装置になるように研究段階から十分議論を重ねて、道筋を立てていく必要があります。様々な需要に応えられることは、協力していただく企業の利益にも関わるので現時点においてこの視点を持つことは重要です。これらの磁気共鳴、超音波の一体化装置を開発することは現在普及しているMRI装置と超音波エコー装置の技術の底上げになるので、そのような貢献性を考慮に入れて開発を進めていきます。磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置の研究開発から製造/生産までの費用は膨大となる為、患者数が少ない小児脳腫瘍だけを対象にすると費用対効果に大きな乖離が生じる為、高齢の方を含めた大人の脳神経系疾患全体の治療につながるように計画を立て、研究を進めていきます。経頭蓋集束超音波装置を磁気共鳴装置から切り離して独立化できる場合には、装置価格としては最終的には数億円程度に下げられるかもしれないし、フットプリント(装置占有面積)も小さくて済むので、ここは追究/追求する必要がある点ですが、その際に必要となるのが超音波装置としての独立したイメージング解析です。経頭蓋装置の場合はハンディーと比べて、立体角が大きいということがありますが、画像/動画評価の為、エコー信号をとるときに超音波が干渉してしまうという可能性が高く、ここをクリアする必要がある事と、(10:Fig.2)にCTの像と比較がありますが、明暗も解像度も低い事がわかります。ただ、エコー画像解析の技術が最高レベルまで上がると、磁気共鳴の付加的な役割は上の目的でいうと重水プロキシの薬物送達評価とそれに基づく気泡生成の位置決定とマルチ手法による高次画像解析以外の基本的な機能は経頭蓋集束超音波で事足りるという可能性も出てきます。すなわち、神経刺激、腫瘍焼灼、開窓形成などは、磁気共鳴装置がなくてもできる可能性も出てくるため、最終的にはここを目指すのがいいです。ただ、この場合、温度測定、モニタリングは超音波信号を利用して磁気共鳴に依存せず実施できるようにする必要があります。後は超音波照射強度に応じて、装置を分けるということも考えられます。発生材料の耐性、トランスデューサの仕様を考えると合理的ですが、そうすると強度の高い腫瘍焼灼、開窓形成の位置決定の為の画像解析は基本的には今の既存のExAblate 4000と同様にMRIにガイドしてもらう事になります。特に脳腫瘍の場合には予後の脳の発育も考えて脳内の脊髄液、血液の流れを焼灼後も障害しないように、脳圧が上がったり、下がったりしないように焼灼/開窓位置を最適に決定し、施術を行うことがもとめられますが、この解析の為には流体解析がおそらく必要なため、測定速度の速い超音波エコー画像解析は少なくもマルチモダル手法としてMRIに対して付加的に欲しいということになります。逆に言うとここがないと既存の装置に対しての明確な付加価値を訴求できず、アップグレード程度でしかないため、費用と時間をかけてする意味も薄まってきます。強度に応じて装置を分けるにしても、高強度でもその強度範囲で少なくとも超音波イメージングができるような仕様にしたいです。今は装置開発の現状を知らず、机上の考察でしかないので、色んな困難/制約等があると思いますが、頭蓋内だけに限らず、全身への集束超音波への発展の可能性、この装置が潜在的にできることを想定すると少なくとも簡単に諦めるテーマではないことはすでに伝わっていると信じていますし、私自身は生涯かけてでも実施すべきテーマです。指定させて頂いた大学、病院もこうした背景もあり、少なくとも私にとって意義、意味が非常に大きいということです。免疫系、脊髄、末梢神経系への治療などお伝えしきれていないことも多くあります。体のあらゆるところに対して位置を指定して外因的/人為的に温度刺激、機械的刺激を非常に精巧に制御した様式で与えられることは現在の手術、放射線治療、薬物治療を補償する、代替する代表的な治療になる潜在性があります。


<小児脳腫瘍治療における本装置の意義>
子どもの頃の脳の成長は非常に急峻です。脳の神経細胞が配置される肺白質に関しては2歳までに大人と変わらない水準になります(11:Fig.1b)。受精して胎児のころから2歳までは急速に神経系細胞と脳の組織が成長していきますから、未分化の幹細胞からグリア細胞も含めた成熟神経系細胞への分化成熟/細胞増殖が非常に盛んな時期です。脳の組織しての成長は人生の非常に速い段階で飽和水準に達するため、細胞増殖の異常である癌化のリスクは脳に関しては組織の成長期にある2歳までに集中すると考えて自然です。大人でも脳腫瘍のリスクはあります。大人は2.6-3.7/100,000の割合です(12)。子供では、日本3.6/100,000、ヨーロッパ3.0/100,000、アメリカ5.2/100,000です(13)。悪性度の高い神経膠腫に関しては0-4歳までが子供の中でも顕著に高いです(14)。疫学上は発生確率に大きな差はないものの他の子どものがんの罹患率が大人と比べて明らかに低い事を考慮すると脳腫瘍の確率は高いと評価できますし、大人になってから脳腫瘍になる人の特に遺伝子的な素因が2歳までの成長期に生じた可能性を考慮すると疫学上のデータだけで判断することはできません。(15:Fig.2b)で示されるように大人で生じる脳腫瘍のほとんどが大脳新皮質です。おそらく脳幹は神経細胞死が直接的に生命活動に関わる為、一定の免疫特権があり、グリア細胞活性化/増殖などによる癌化が生じにくく、神経劣化しやすい前頭前野に集中していると推定されます。(15:Fig.2a)で示されるように子供の脳腫瘍は外部から内部まで(Layer:Ⅰ-Ⅵ)ほぼ全ての領域ががん化することがあります。このことから子供のがんにおいては2歳までの活発に細胞が増殖する時期にがん化する素因が集中していると推定されます。(16:Fig.2)で示される神経膠腫のサブタイプの多様性、(15:Fig.2a)の場所多様性を考慮すると、特に年少の子供のがんでは、画一的な薬物治療が明らかに存在しにくいです。仮に分化誘導療法なども含めて将来的に未分化性の神経系癌細胞に対して一定の汎用性を持って細胞死/非癌化/増殖抑制などの効果を示したとしても多様な場所にできることから薬物送達機序(ドラッグデリバリー)についても考慮する必要があります。子供の脳腫瘍は手術による摘出が圧倒的な第一治療選択肢であり、現在ではびまん性の癌、脳幹部のがんなど手術適応とならない脳腫瘍において2次的な選択肢として、放射線治療や薬物治療を行っている、あるいは摘出に対する補助的な治療に薬物治療はとどまっている状況だと認識しています。経頭蓋集束超音波装置は外科手術適応となりにくい脳の深部での超音波信号集束に原理的に高い適応性がある事から、外科手術に対する相互補完的な強力な治療手段となる潜在性があります。焼灼は多くの場合、癌細胞損傷に感受性が高く、温度ストレスの場合、たんぱく質損傷が遺伝子損傷に先立つと考えられるため遺伝子的リスクも条件を最適化すれば下げられます。従って、2歳以下の年少のお子さん(患者)にも、あるいは再発時の繰り返し治療として適用できる可能性があります。画像診断、あるいは流体解析から任意の場所を選んで焼灼や温度ストレスを与えられるため、脳の広範囲に腫瘍形成する可能性のあるアクセスが難しい小児脳腫瘍に対して高い適応性があります。他方で、小児脳腫瘍罹患者の約半数(56.7%)が水頭症併存するという推計も存在します(16)。集束超音波は水頭症解消のための開窓形成の実現も可能という評価もあり、一体型装置の開発の一つの大きな目的です(17)。また、脳腫瘍摘出後(18)、あるいは超音波焼灼後には周辺組織の変性を含めて、脳圧に異常が生じる可能性がある事から、適切な脳圧の管理の為にも、腫瘍焼灼だけではなく、造窓も同時に行うことができます。あるいは、手術後、開窓形成することも可能です。磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置において、目指す仕様としてマルチ手法を含めた画像分析において、脳脊髄液、血液など患者(お子さん)の脳内の流体分析があります。術前/術後の脳圧の変化は、心臓の機能を含めた循環器の影響など従来よりも複雑な様式で生じていると現在は考えられていることから(19)、治療/管理/予防(水頭症発展予測)の観点で脳内の液体の流れを分析する事は高い需要があると推定されます。また、液体の流れを見ることは、コントラストによる脳腫瘍診断とは別の方式で腫瘍形成部の分析ができる可能性があります。脳腫瘍診断自体の感度や信頼性を上げる潜在性があることから、この観点でも流体解析は需要があります。脳腫瘍は再発率の高いがんなので、繰り返し介入ができる可能性は大きな付加価値になると期待され、よりリスクが少ない様式で温度ストレスを与えられるように条件の最適化、温度管理/計測が求められます。さらにいえば、重水素励起のMRI/(将来的には)経頭蓋集束超音波で重水信号の薬物キャリアの代替材料(プロキシ)として用意する重水ヒドロゲルを検出できれば、血流が仮に病巣の周りに集まる性質があれば、あるいは、重水ヒドロゲル自体の設計(たんぱく質成分/大きさ/電荷/形)に一定の標的性を組む混めば、その重水ヒドロゲルの視覚的分布そのものが細胞レベルの小児脳腫瘍のがん細胞の検出になる為、薬効を示した後、その位置を記憶して、周辺部を含めて、程度を最適化して予備的に超音波焼灼することもできます。極端には、そうであるなら、イメージングによるシグナル発信が機能があれば、外因的に超音波焼灼で確実にがん細胞を死滅させることができるので、薬物送達媒体に癌細胞を死滅させる薬効を乗せる必要はないかもしれません。そうするとエクソソーム自体が必要なくなるかもしれません。それで細胞外小胞の開発をやめることは絶対にありませんが、エクソソーム自体が場合によれば必要なくなる可能性が小児脳腫瘍にあるとしたら、小児脳腫瘍のための医療プロジェクトとして最も重要な上位項目はこの磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置の開発とフラグメンテーション/造影の為の重水ヒドロゲルの開発となります。少なくとも若干の重みづけの修正は必要です。腫瘍が播種、分散的であっても正確な個別の腫瘍の位置がわかれば、それを記憶して、現在のガンマナイフの放射線治療に移行する事ができます。それも選択肢の一つでしょう。一方で、超音波焼灼の場合、リアルタイムでしかも照射したときには重水ヒドロゲルが超音波刺激によって破壊されるので、それによる信号強度の変化をリアルタイムでモニターしながら、場合によれば播種した癌細胞を空間分解能に応じて非常に高精度で、焼灼(細胞壊死)させることできます。小さな組織-細胞レベルで見れば、常時細胞、組織は移動するので重水ヒドロゲルでモニタリングしたときに、リアルタイムで施術したいということが絶対的にあります。様々な可能性を総合的に考慮すると、磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置は私の構想が絶対的に無理でなければ、生涯かけてでも最も優先度を上げて実現を目指す必要があります。


<課題>
 磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置は新生児から成人までの(特に低年齢の)子どもを中心に大人までを対象とします。経頭蓋集束超音波装置の頭部表面の超音波発生装置(トランスデューサ)の配置の際、頭の形、径を考慮して設計する必要があります。頭の半径は新生児で約5.4cm、2歳では約7.6cm、大人では約9cmとなり、最大で4cm程度の調整可能域が必要です。一方で、頭の形は理想的な球ではなく一定の楕円率があり、表面の微妙な凹凸をもあります。また、こうしたトポロジカルな頭部の形は個人差があります。超音波伝導では間に少しの空気層が入ると非常に大きな損失(媒質内/反射を考慮すると数桁以上の損失になる可能性がある)となることから、隙間のない接地が必要であり、それを実現するためにシリコーン樹脂などを封入した柔らかい緩衝材が必要です。この緩衝材の弾性、厚さが調整可能域の主要な決定因子となりますから、脳神経系の組織内超音波集束性/集束位置精度/緩衝材吸収係数などの一部拮抗する因子を考慮した上であらゆる人の頭に整合する最適設計を定義/実現する必要があります。場合に依れば、緩衝材を数種類用意し、個々の頭に合わせて緩衝材を取り換えることも検討項目です。
 本装置の意義の章でも述べたように多大な資源に見合う価値の装置仕様の中に超音波エコーイメージングがあります。世界的な研究レベルでも経頭蓋集束超音波でエコーイメージングに関する研究はほとんどありません。その理由の一つは、経頭蓋集束超音波の最も大きな課題の一つは頭蓋骨での超音波信号の損失の大きさです。反射/吸収があり、エコー信号を超音波受信機で検出するためには、頭蓋骨を2回通る必要がある為、少なくとも数桁程度は強度が下がる可能性があります。また頭蓋骨で反射するということは、一定の周期の超音波パルス信号で入射し、患部での散乱、反射の2次信号を受信し、イメージング画像数値分析を行う際に、頭蓋骨で反射があるため、前回のパルス信号情報が頭蓋内に残る可能性があり、それによって、超音波信号が複雑に干渉する可能性があります。時間確保/周期的周波数変更/フィルタリングなど真の信号を差別化/強調させるさせる工夫が必要です。
 知的財産の問題もあります。イスラエルの企業(INSIGHITEC社)は特許を出願していると思うので、まずは日本で出願されているか?それを調査する事が前提ですが、小児脳腫瘍の治療は対象は全世界である為、世界の知的財産の出願状況を調査し、特許請求範囲の回避可能性の可否判断やライセンス料の支払い額/期間を装置開発計画と照らし合わせながらコストとして見積もる必要があります。一連の磁気共鳴/経頭蓋集束超音波における私の情報は世界の公の知的財産として公知扱いとすべきですが、アップロードした日付に相違がある為、いつの情報かの信頼できるデータがないため、私のブログ情報の公知化にも課題があります。
 経頭蓋集束超音波装置は頭部表面に沿うように配置する数多くのトランスデューサを一点に集束させて初めてその価値が本格的に発揮されます。立体角の小さなハンディーのトランスデューサの場合は(20:Fig.2a)に示されるように超音波発信方向の空間分解が相対的に低くなり、焦点位置のアスペクト比は大きく横長になります。経頭蓋集束超音波のように立体角が場合によれば2軸共に180°以上と共に大きくなると超音波集束位置の超音波信号の重なりの対称性が上がり(球対称)、理想的には円に近い焦点強度が得られることから、強度だけではなく、空間分解能も顕著に向上します。しかし、このような対称性は主に視床などが位置する脳の深部の話であり、LayerがⅥからⅠへと小さくなり、脳の外側に行けば行くほど、この対称性は崩れ、トランスデューサーの超音波発信角度が仕様によって制限されることから、一部のトランスデューサーは利用できなくなります。それにより大きな利点の一つである焦点のアスペクト比は大きくなり、強度共に、空間分解能も低下します。頭蓋内のあらゆる位置に対して全てのトランスデューサを利用できるようにするためには、トランスデューサの超音波発信の為の可動角度を大きくすることが前提としてありますが、基本的な設計項目として頭蓋内中心からトランスデューサの距離を大きくとる必要があります。どちらにしろ頭部表面とトランスデューサの間には緩衝層挟み、その距離は低年齢の子どもになればなるほど大きくなる可能性がありますが、あまり距離を取りすぎると、焦点位置とトランスデューサの距離が平均的に大きくなるため、位相アレイトランスデューサの発信角度1°あたりの空間的な位置変動が大きくなります。経頭蓋集束超音波装置において腫瘍焼灼/開窓形成/(ドラッグデリバリー/神経刺激)の為の気泡形成/免疫系調整の為の緩温度調整/エコーイメージングいずれの用途でも高い空間分解能が必要であり、これが基本性能となりますから、焦点位置から発信位置をとることは距離に応じて必ず集束超音波位置整合の精度が低下するので、この観点では距離は最小化したいという需要があります。距離(空間分解能)/全頭蓋内集束性が機能として拮抗する(相反する)ため、目的の仕様に対してこれらが両立するように最適設計する必要があります。


<課題解決>
経頭蓋集束超音波における音響伝達の効率を上げるためには媒質そのものの物質波伝導効率と媒質変化界面での損失です。患者さんの頭の中の材料は造影剤など物質を添加する事はできますが、大幅には変えられないため、均一性の高い水分の多い経路を探し、入射、反射アルゴリズムを調整するなどは考えられますが、主にはトランスデューサーから頭部表面の空間材料構成の最適化にあります。緩衝材を覆うパッキング材料の厚さ/材料の最適化、緩衝材の気泡/水泡抑制、音響インピーダンスの段階的調整(AR(ジェル) > AR(表面膜) > AR(頭部皮膚))など技術介入できる要素はいくつか考えられます。また、頭蓋骨の高い吸収率を補償するために入射超音波強度をその吸収を見越して高くすることが考えられますが、患者(お子さん)の頭部でのエネルギー損失による熱発生があるため、緩衝材を含めて冷却する必要があります。


<機能>
2035年に一番最初に東京大学病院に納入する時の装置仕様をどうするか?という問題があります。それに対する私の現在の指針として、東京大学病院は高度医療以外に高度人材育成(教育)、世界最高水準の研究が使命としてありますから、磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置の第1号機として納入するときにどのような機能を搭載するかというのはこうした背景を考慮する必要があります。また、すぐに一般的に販売できるような完成に近い段階で納入するのではなく、他の病院を含めた商品として販売できるまでの数年の準備段階を含みます。数年後の販売の段階で最終的に機能を絞り込み協力していただく企業の商品ラインナップを考えればいいので、準備段階を含めた初めの段階では、絞り込みも含めて想定される最大限の機能が利用できるような装置にしたいです。現場で医師(先生)、技師に使用して頂いて初めてわかることも多く、仕様の調整、絞り込みができるようにする必要があります。以下に磁気共鳴、経頭蓋集束超音波装置でできる機能を列挙します。
(磁気共鳴)
0- 基本機能
重水シグナル分析 / 重水/水素画像重ね合わせ
1- 構造画像測定(Anatomical Imaging)
T1/T2加重画像 / FLAIR(Fluid Attenuated Inversion Recovery) / 反転回復法(Inversion Recovery)
2- 機能画像測定(Functional Imaging)
fMRI(Functional Magnetic Resonance Imaging)/ DTI(Diffusion Tensor Imaging) / MRS(Magnetic Resonance Spectroscopy)
3- 血流・灌流測定(Perfusion Imaging)
CT/MRI灌流 / ASL(Arterial Spin Labeling) / MRV(Magnetic Resonance Venography)
4- 動態測定(Dynamic Imaging)
動態コントラスト強調画像(Dynamic Contrast-Enhanced MRI) / 動的CT(Dynamic Contrast-Enhanced CT)
5- 血管イメージング(Vascular Imaging)
MRA(Magnetic Resonance Angiography)/ VRM(Vessel Wall Imaging)
6- 温度測定(Thermal Imaging)
(超音波)
0- 基本的機能
組織焼灼 (tissue ablation) / 組織開窓 / 機械的刺激 (via cavitation) / 軽温度刺激
1- 画像診断(Imaging Techniques)
Bモード超音波(B-Mode Ultrasound) / (カラー/パルス/連続)ドップラー超音波(Doppler Ultrasound) / パルスエコー法(Pulse Echo Method) / 3D/4D 超音波
2- 組織特性の測定(Tissue Property Measurement)
弾性測定(Elastography) / 硬度マッピング(Ultrasound-Based Stiffness Mapping) / 超音波パルス波速度(Ultrasound Pulse Wave Velocity) 
3- 温度計測
超音波温度計測 (Ultrasonic Thermometry)


<分解能:磁気共鳴>
 MRIの空間分解能を決める上で重要なのが傾斜磁場の定量化です。基本的に普及している3TのMRIでの傾斜磁場は大きくて30-45 mT/mと言われています(28)。この値から目指す空間分解能を周波数コーティングで200μmとすると、そこでどれくらいの磁場の変化があるかが計算できます。そうすると6.0-9.0μT/200μmとなります。これをΔB0とすると式(4)が成立します。
Δf0 = γ×ΔB0・・(4) 重水素は15.35MHz/2.349T (水素は100MHz/2.349T)/重水素γ= 6.53 MHz/T
重水素信号と水素は共鳴周波数に大きな違いがあるので(29:Table 1)重水ヒドロゲルで重水素信号を検出することは薬物キャリア/細胞レベル腫瘍イメージングの為のフラグメンテーションプロキシとして優れていると評価できます。式(4)よりΔf0 = 39.2-58.8Hz/200μmとなります。従って、3T-MRIで周波数コーディングによる空間分解能を200μmにするためにはその周波数正確性を決める入射ラジオは周波数半値幅はラジオ波周波数の10MHzに対して1-10ppmオーダーの(5桁から6桁落ちの)20-30Hzくらいが必要です。


<磁気共鳴装置高分解能達成の為の技術>
 その性能到達の為に考える必要があるのが、ラジオ波を発生させる入射系についての物理です。磁気共鳴装置は本当に良く考えられていて、最適化を進められた方に敬意を表します。日本においては高校生で習うレベルの基本的な交流回路、電磁誘導、電磁波の内容になりますが、ブランクがあって、頭の中で整理して考えるとなると複雑な処理が必要です。RF coilは磁場空間に対して物質的な損失を最小限にするため、MRI装置の最も内側にまかれます。その外側ににはGradient coilsがあり、真空層、液体窒素層(77.4K)、液体ヘリウム層(4.2K)があり、真空で温度伝搬を最小限にし、温度を段階的に下げていって最も内側に超電導コイルを形成します(30)。真空層は日本の水筒の魔法瓶のメカニズム、コンセプトと同じで、真空で分子振動の伝搬をなくすことにより温度の閉じ込め(保温)が可能になります。Gradient coilsはその名の通り、MRimaging測定において位置をエンコードするための傾斜磁場をx軸、y軸、z軸に掛けるためのコイルです。超電導コイルは直流電流ですが、電流キャリアは超電導なのでクーパー対です。この直流電流が安定した主磁場(静磁場)を形成します。交流信号は電流の向きが周期的に反転するので、電磁誘導に対して直交する磁場も同様に反転します。これらの電場-磁場の振動が電磁場そのものなので、その振動数に応じたラジオ波が生じます。放出されるラジオ波のフーリエ変換した時の周波数成分はδ関数のように1本の線にはならず、ガウシアン分布を持っています(47:Fig.3)。その周波数成分の正確性が周波数コーディングによる空間分解能に相関があります。電磁誘導による電磁波生成は電子の動きの損失を減らす事と電子のスピンの向きをそろえる事が重要ですから、ラジオ波周波数でのインダクタンスが高く、抵抗が低い強磁性/低抵抗の材料を選ぶことが大切ですし、同じ材料でもラジオ波周波数でこれらの特性が高くなるように材料を分子レベルで品質を上げることが大切です。これが品質ファクター(Q factor)です。当然、コイルの各領域から放出される電磁波の周波数特性に偏差があると半値幅が広がりますから、インダクタンス/インピーダンス/Q factor/幾何学的材料均一性(設置)の特性ばらつきを最小限にすることが求められます。温度/湿度/その他外部ノイズ(機械的振動/音/電磁場(光)など)に対する特性変動を減らすこと、また環境(室内)でそれらの因子の変動を最小限にすることが求められます。また、ベースとなる交流信号のラジオ波領域での周波数振動制御の正確性も求められます。RFコイルから発生する電磁波は主磁場とも干渉しますから、その主磁場摂動がある状態で任意強度のラジオ波が出るように設計する必要がある事と、主磁場の変動をシミングなどで減少させ、安定させることが重要です。ただ、主磁場干渉を減らすためにRFコイルが生み出す磁場の方向が主磁場に対して直交すると影響が原理的には0になるので、コイルの設置精度がQファクター均一性の確保と合わせて非常に重要になるので、材料を実際に装置に組み立てるときの製造技術の精度が非常に重要です。


<MRIによる重水ヒドロゲル追跡実現性評価>
 私が志す医療を実現するためには重水ヒドロゲルの設計/合成技術と重水素励起MRIによる生体内追跡が現時点の段階ではほぼ必須なので、この様式で重水ヒドロゲルを追跡できる感度が実現できるかの評価は必要です。実際には血管の中の重水ヒドロゲルの分布を評価したいです。また、重水ヒドロゲルは先入観を持ちすぎるわけではありませんが、現時点の評価では普通に考えて毛細血管に分布させたいですから、病変部位の毛細血管で捕獲されるような設計が重要です。そのための一つ有力な方法としてカベオリン亢進が悪性度の高い脳腫瘍で生じている事実が複数報告されており(32,33)、癌細胞周辺で多くあるかもしれない50nm程度の小窩に幾何学的に入り込み/固定されるような機序を考えています。流速/シェアストレスがある中で細胞のように柔軟に形に応じて入り込むかわかりませんが、その窪みに合うように突起をデザインして、小窩で高まっている可能性がある荷電性と表現されるたんぱく質結合を利用して、小窩に固定されるような重水ヒドロゲルの微小構造の最適化を考えています。その想定場所は毛細血管です。人の血管の内径は大動脈:2,000-25,000 (μm)/動脈:1,000-4,000(μm)/細動脈:20-30 (μm)/毛細血管:1-8 (μm)/細静脈:2-20 (μm)/静脈:500-5,000(μm)の範囲となります(34:Fig.2)。従って、現時点での重水ヒドロゲルの大きさは数μm程度を想定しています。従って、計算の為の設定としてヒドロゲルの大きさを5μmとします。最終的に脳の各領域に延びる血管系の範囲を1-200 (μm)とします(35:Supplementary Video 1)。磁気共鳴分析装置の空間分解能を500μm角ボクセルとします。ヒドロゲルが血液中でどれくらいの濃度になるかわかりませんが、参考として大きさとして2桁程度小さいエクソソームでは、血液中の濃度は10^8-10^11/cm^3です。そこから計算されるMRI-1ボクセル相当する500μm^3では約10^4-10^7個となります。エクソソームはヒドロゲルよりも二桁小さいわけですから(50nm:5μm)体積比でいうと10^6異なるので、多くても1-10個程度ということになります。これは仮に500μm^3ボクセル全体に血液が100%充填されたとしても、通常の血液中のエクソソーム濃度程度では大きさを考慮するとその中に重水ヒドロゲルが1-10個程度しかない事を示します。毛細血管は当然、斑に分布してますから平均的な毛細血管の空間占有率がどれくらいになるかを見積もる/考慮する必要があります。脳全体に対する毛細血管の空間占有率は2-4%くらいと見積もられます(Open AI)。血管が多いところを選択的に造影するにしても1ボクセル内に対して1個程度のヒドロゲルの信号と取らないと検出できないということになります。もし1つだとすると1ボクセル中の重水ヒドロゲルの体積占有率は10^-6となります。通常、MRIが検出している水素の体全体の体積占有率は60-70%(0.6-0.7)くらいです。重水ヒドロゲルの重水素は体積比で水素に対して1.4-1.7*10^-6程度信号が小さくなります。しかも、重水素は水素よりも6倍程度感度が低いので2.4-2.8*10^-7程度信号が弱くなります。ヒドロゲルは最適化次第ではほぼ100%(98-99%)に近い形で水にできるのでここを頑張って、100%とすると2.4-2.8*10^-7感度の信号をどうやって検出するかを考える必要性が出てきます。ガドニウム添加など磁性を上げて感度を5倍にすると10^-6の信号強度です。仮に重水ヒドロゲルの密度が薬物送達性を上げて、毛細血管で局所的に10倍程度高くなるという想定で10^-5です。それでも、まだ、5桁信号強度が低いです。今の水素の検出感度がMRIにおいてどれくらいマージンがあるか?すなわち水素信号の検出下限値よりも何桁高いか?人体の水素濃度が6.7*10^22個/cm^3であり、臨床用の最小検出可能プロトン密度が10^19程度なので3桁程度検出限界を上回っている事を加味すると、検出下限値よりも重水ヒドロゲルの信号強度は2桁程度低いという事になります。仮に1mmのボクセルにすると体積は8倍程度になるので、10倍とすると不足信号強度は1桁ということになります。この見積もりからわかるようにわずかな信号を検出する形になるので、より高精度な分析が求められる速度の分析はさらに難易度が高いです。但し、毛細血管ではなく主要血管にある重水ヒドロゲルはより明るく出る可能性があるので、血管造影などから血液の順路を明確化し、主要血管と毛細血管の検出信号強度の違いと距離から毛細血管にある重水ヒドロゲルを識別できるかもしれません。重水ヒドロゲルは体積比でほとんど重水にできる可能性があり、ゲル状で安定しているので、赤血球よりは重水信号代替材料としては適しているし、細かい微小構造も作れる可能性があるので標的性でも最終的には優れる可能性があります。ただ、精度をどこまで求めるかという事によっても状況が変わります。100-1000ボクセル単位くらいで識別可能であり、病変部位が特定できればいいという精度になるとより条件は緩和的になります。
 ここからはすでにお気づきの方もいることで、非常に重要な事です。体の中にある重水素は少ないとは言っても身体の中に150ppm(0.015%:1.5*10^-4)は存在します。上述した様に体の中に薬物送達/造影媒体として存在する重水ヒドロゲルの重水素は体積比で水素に対して1.4-1.7*10^-6程度です。従って、バックグランドにある重水素の方が重水ヒドロゲルよりも2桁程度高く、バックグラウンド信号に完全に重水ヒドロゲルが隠れてしまいます。ではどうすればいいでしょうか?いくつか技術的に考えられることがあります。一般的に成人では1日に5-10%程度の(液体成分としての)水(水素)が入れ替わるとされています。子供ではもう少し多いとされます。仮に10%として、全ての水が入れ替わるのは10日かかるという(単純)計算になります。従って、余裕を見て、治療前の2週間程度は飲食物に含まれる水はほぼ完全に重水を抜き、それによる特別な食事によってバックグラウンドの液体成分としての重水を桁で減らす必要があります。重水を完全に体内から抜くことが健康にどのように影響があるか?ないとは思われますが、それは調べる必要があります。ここで最低2桁、理想的には3,4桁落としたいということがあります。造影/治療/施術前の数時間に重水を含まない水素ガスを含む生理食塩水を点滴によってできるだけ多く投与して重水の濃度を一時的に減らすことも検討します。従って、ppbオーダーで天然の水から重水を脱離させる非常に高精度なフィルター技術の開発が(場合によれば)必要になります。これは困難な仕事かもしれません。サイズ/化学結合/量子トンネル効果などいくつかの分離方法を検討する必要があります。しかしながら、この方法でも液体成分としての水(水素)は抜けても、体の中の水以外のたんぱく質等に含まれる固形成分としての水素の中のわずかに含まれる重水はおそらく桁では置換されません。では、どうすればいいか?結論から言うと、液体成分/固体成分の重水素バックグランド濃度の相違を考慮した様式で重水ヒドロゲルとしての重水素で生じるスピン緩和時間の固有信号を最大限引き出すべく、重水ヒドロゲルの設計、磁気共鳴信号取得の緩和時間設定/測定プロトコルを最適化することです。磁気共鳴の横緩和時間は水素/重水素のラジオ波によるスピンの整列から元の状態に戻るまでの緩和時間で緩和時間に応じてスピンの方向がランダムになる為、磁気共鳴の信号は弱くなります。水の水素は液体なので自由度が高く束縛エネルギーが小さいため、スピンの緩和時間は長くなります。一方で、たんぱく質中に固形成分として結合により束縛された水素は横緩和時間が短くなります。このことから束縛状態が固体と液体の間にあると考えられるゲル状態はその間の固有の緩和時間をとることになると考えられます。間なので単純に緩和時間を長くしたり、短くしたりすることで信号をゲルだけ強調することはできませんが、その固有の緩和時間を識別することを考えます。例えば、緩和時間を変えた複数の信号をとり、その変化率(変曲点など)を見ることで環境中にある固体や液体成分のバックグラウンド重水素と信号を得たいゲル状態の重水素の信号を足し合わせ信号の中から計算上(ソフトウェア上)で抽出できる可能性があります(49)。おそらく環境中に自然にあるどの重水素も重水素同士が固まって存在するのではなく、多くの水素に混合した分散状態であると考えられるため、人為的に設計した重水素が固まった状態のゲルとは個別の重水素の束縛エネルギーが異なり、ゲルの重水素は物理特性として特定方向のラジオ波によってそろえられたスピンの緩和時間において、どの状態の自然にある重水素に対しても固有の横緩和時間を取る可能性が高いです。また、励起された電子が基底状態に緩和するまでの縦緩和時間も固有である可能性があります。これらの固有値を複合信号の中から抽出して最終的にコントラストとして計算後に出力できれば、S/N比(ゲル重水素/環境中自然にある重水素)が低くてもゲル状態の固まった重水素をMRI信号として識別できる可能性が出てきます。体の中の重水ヒドロゲルの弱い信号を抽出することは重水ヒドロゲルの設計/合成/製造技術、バックグラウンドの重水素を下げる必要な飲食物制限の為の重水素脱離(フィルタリング)技術、MRIの固有緩和時間識別解析なども含めると複数の針の穴に糸を通すような超難関の技術になります。ただ、まだ本格的プロジェクトが始まる前の現時点でここまで考える事ができます。できる可能性は十分にあります。但し、ゲル中のガドニウムの効果は重水素分子の自由運動が液体に比べて束縛される為、液体のような高い造影効果が見込まれません。一方で、ゲル中は分子が比較的固定されるので固体の不純物ドーピングに近い形で磁性材料を添加できる可能性があり、液体よりも局所的な磁場効果が高い可能性もあります。いずれにしても重水ヒドロゲルは重水(重水素)の運動、配置が特別な状態なので、その特別な物理特性を最大限生かす形で設計、造影する事が周辺の条件を緩和的にするためにも求められます。ゲル状態はこのような特異性があるからこそ、技術的に価値があり、造影媒体として重水ヒドロゲルを選択する事の特別な付加価値が大きく見出されます。


<重水フィルタリングプロセス>
磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置で1ボクセル/ppm空間占有率の感度で重水ヒドロゲル信号を検出するためにはMRI測定手法の新規開発を含めた改善が必要ですが、基本的に必要な事として体の中に150ppmほど存在する水素に混じった重水素信号低減させる必要があります。そのためには患者さん(お子さん)に大変ですが、施術から2週間まえほどから少なくとも水分摂取に関しては、特別な重水を抜いた飲料だけを飲んでもらう必要があるかもしれません(しかし、固形の食事は難しい。食事に関しては直前だけ)。そのためには重水を抜いた飲料を作る必要がありますから、ベースとして150ppmよりも非常に高い精度での重水をフィルタリングする技術が求められす。この技術を付加的に開発する事は確かに資源を要しますが、よく考えると、どのみち必要な技術です。なぜなら、重水ヒドロゲルを使った薬物を開発するにあたり、重水が基本的資源として当然必要だからです。そのためには水から重水をフィルタリングして抜き取る技術が必要であり、この技術により残りの重水を含まない水が副産物として出ますから、これをそのまま患者さんに施術の前に飲んでもらう飲料の資源として利用することができます。


<分解能:集束超音波>
ハンディーなどの超音波エコー装置で利用できるスポット径の理論式は以下式(3)で示します。
D(Focal spot size) = (F * λ) / A ・・(3) A:アパーチャーサイズ(開口径)/F:焦点距離/λ:超音波波長
従って、開口径が焦点距離対して大きくなればなるほど、スポットサイズは小さくなります。では位相アレイトランスデューサの配置が弦のように曲がっている場合は開口径の定義はどうなるか?その焦点位置から弦の端部に向かって母線を引いて行ったときの延長線上にあり弦の中点とこれらの延長線上の2つの交点で描かれる直線の距離です。そうすると、経頭蓋集束超音波では開口径はどうなるでしょうか?半球上にトランスデューサを配置するのでこれらで描ける直線は無限遠にも存在しないことになります。そうすると開口径は無限大です。それを式(3)に当てはめると無限小ということになりますが、実際にはそういうことはなく、この式では無限小になるので、もはやスポット径の律速因子は波動としての回折限界にほぼ完全に依存することになります。従って、複数のトランスデューサーの位置制御が回折限界オーダーに対して無視できるくらい高ければ、経頭蓋集束超音波の空間分解能は位相のずれ、超音波波形のノイズなどを考慮しない条件では超音波波長の半波長となります。仮に高解像度の超音波エコー装置で使われる超音波周波数30MHzくらいであり(24)、λ=(音速)/(超音波周波数)で計算すると超音波波長が50(μm)となります。そうすると回折限界は25μmとなります。今のINSIGHITEC社ExAblate 4000の経頭蓋集束超音波の分解能は1mmくらいですから(25)、理論的には40倍くらいの改善の余地があるということです。音波など物質はでも高調波干渉が生じるといわれています(26)。その干渉によって。集束された患部で、実効的な超音波波長が2倍、3倍と短くなるとそれに応じて回折限界が変わり、小さくなります。従って、高周波信号は減衰も大きいですが、患部での局所的な干渉によって波長を小さくできる為、より低い超音波周波数入射で患部で高い空間分解能が得られます(27)。そういう観点でいえば、10μmくらいのオーダーは原理的には到達することができます。それに対して、今の市販商品が2桁も低いということは他に決定的に空間分解能に影響を与える律速因子がある事を示します。仮に100μmくらいの空間分解能になり、そのレベルでイメージング/腫瘍焼灼/開窓形成/機械的刺激を行えるとなると、今の放射線治療のガンマナイフ(Gamma Knife)の最大の分解能が100μmくらいですから、最先端の放射線治療の空間分解能で治療ができるし、実際には温度分布の勾配を考慮するともっと細かく制御できる可能性もあります。また温度による焼灼なので、周りの組織に対する遺伝子傷害のリスクも小さくなります。空間分解能は全ての機能の基本的性能に関わるので高調波干渉などの利用を含めて妥協せずに限界を設けずに改善していく必要があります。原理的はガンマナイフ以上の空間分解能到達が可能です。


<高速圧電素子>
PZT(チタン酸ジルコン酸塩:Lead Zirconate Titanate)は最も共通的に使われる超音波トランスデューサーです(36)。圧電応力定数(piezoelectric stress constant)は石英の約50倍の9.2(N/Vm)です(36:Table 1)。このPZTの結晶構造はペロブスカイト構造を持ちます(ABO3)(37)。PZTは、温度や組成によって四方晶または斜方晶相を取ります。四方晶構造において、ジルコン酸(Zr)とチタン酸(Ti)の比率によって、結晶内でc軸方向に強い分極が形成されます。この分極は、PZTが圧電特性を持つ理由です。基本的に生物学で弾性の高い材料はらせん構造となっていることが一般的ですが、ペロブスカイト構造で螺旋型が存在し、その螺旋型の極性を線状(1次元)に揃えた材料が開発されています(38)。材料などの最適化は必要かもしれませんが、少なくとも結晶構造のコンセプトとしては応答速度の非常に速い圧電素子になるかもしれませんし、すでにこの材料が非常に特性の良い圧電素子として特性を示すかもしれません。


<実験/評価環境>
 磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置の開発するにあたり、どのように評価環境を構築し、研究開発/実験を進めていくか細かく具体化する必要があります。マウスの頭部は人の頭部に比べて顕著に小さいため、マウス専用の経頭蓋集束超音波装置を構築する場合、より高い分解能を擁します。頭/脳の形も大きく異なり、人の環境と大きく異なることから、装置開発の為のコストも考えると初めから最終設計に近いデザインの装置で実験系を構築したいということがあります。その為、評価/実験環境には工夫が必要です。人に近い類人猿を利用することも倫理/コストの問題があります。当然、いきなり人で実験するわけにもいきません。現時点での提案は、人(子ども)の頭部と形/大きさ/物質的特性を合わせたマネキンを作製する事です。当然、マネキンですからマウスのように超音波を照射したことによる身体全体の機能について評価することはできませんが、生物では不可能ないくつかの利点があります。まず、マネキンの中の物質を積み木のように区分けして、取り外せるようにすれば、任意の位置に超音波の(周波数/強度/パルス波形)などの特性/温度など基本特性を評価するための計測機器を設置できることです。また、任意にマネキン内の物性を変更できることと、任意の位置に脳神経細胞からできたオルガノイドを置けば(これも一定倫理的な問題がある)、超音波を当てたことによる細胞/組織レベルの応答を見ることができます。試験管の精度の基本的な実験が類似した測定系でできるという事です。当然、様々なサブタイプの小児脳腫瘍に対応した組織/癌細胞を設置する事も出来き、同時に通常細胞も隣接して設置することができます。それにより、周辺の通常細胞の遺伝子傷害を最小限に抑えた状況で、腫瘍組織を焼灼するための条件の最適化ができます。また、焼灼後の排出も重要ですから、焼灼後の組織の経時的な変化も見ることができます。従って、このマネキン実験系はiPS細胞の初期化技術を必要とし、適切な分化誘導/オルガノイド形成の技術が上がればあがるほどより有効な実験系となります。基本的性能確認/腫瘍組織焼灼だけではなく、脳神経系細胞腫特異的薬物送達システム確立の為の気泡生成と(複合体解消/血管外滲出)の評価/(水頭症解消の為の)開窓形成/流体評価を含めたイメージング技術/神経細胞刺激/免疫細胞穏温度刺激など実現できる機能を明確化し、それに合わせた実験系を組織構築の技術と合わせて構築することはおそらく原理的には可能です。当然、動物を犠牲にすることもありません。動物実験を経ないため最終的に人への治験に移行する条件設計が非常に難しいですが、非常にマイルドな条件/最小限の条件で頭の形/大きさが近い動物を利用させていただく。そうしたことも検討する必要がありますが、それは色んな条件をクリアした後のより後期の検討項目となります。
 人(特に子供)の脳に近いマネキンの材料としての特性がこのプロジェクトの成功可否に関わります。これがないと装置の最適化が円滑に進まないだけではなく、効果確認やデータベースの構築などもできません。頭蓋骨は炭酸アパタイトなどが挙げられると思います。脳の実質の部分は特に子供の組織は水が多いので区画ごと取り外しができる安定性の高いヒドロゲルが必要になると思います。脳の中には空気層がほとんどなく、特に大きな空洞があると超音波信号が大きく減衰してしまうので、区画形成しながらどうやって細孔も含めて充填率をほぼ100%にできるかがマネキン技術開発の上で一つの重要な課題になると思います。硬い材料の場合は区画化すると特に界面でほぼ確実に空洞ができるので好ましくありません。弾力性のあるゲルで界面濡れ性をどうやって上げて、しかも取り外しができるようにするか?硬い人工材料よりも有望であり、一方で技術障壁は決して低くないと推定されますが、この点を考慮すると実質部を模倣する材料はやわらかいヒドロゲルが良いと現時点で評価しています。この医療プロジェクトにおいて重水ヒドロゲルが薬物送達媒体/造影媒体として重要になること、このマネキン実験系の脳の実質部にあたる材料がヒドロゲルになる可能性がある事を考慮するとヒドロゲルの技術がカギを握る事になると推定されます。技術が特定の分野に集中する事は確かにリスクもありますが、研究開発資源を集中投資できるのでその点で好ましいといえます。


<経頭蓋集束超音波の利点>
経頭蓋集束超音波はいくつか従来にはできない新手の付加価値があります。既に少し述べましたが、頭部表面に沿うように配置するトランスデューサから出す超音波信号特性(周波数/リズム/強度/Dutyなど)は必ずしも一様にする必要がありません。何種類か固有の超音波信号でフラグメンテーションする(目印をつける)ことで干渉の問題を解決可能性があるだけではなく、同時に複数箇所超音波分析ができる可能性があります。そうするとその点数だけスキャン速度が速くなるので、測定空間/時間範囲を上げられるので特定の範囲の高精細な画像分析や比較的広い範囲のリアルタイム動画分析ができる可能性があります。また、うまく超音波発生源/タイミングを最適化すれば、エコー分析の反射信号だけではなく、散乱や吸収(透過)も分析できる可能性があります。それによってより詳しい物質特性がわかる可能性があります。例えば、コントラストだけではわからない通常組織と悪性腫瘍組織のより信頼性高い区分けができる可能性がありますし、弾性や組織の異方性などより詳しい組織物性もわかる可能性があります。こうした高次の信号分析は超音波発生源と異なる位置で超音波受信できるため可能になります。従って、設計段階でトランスデューサの超音波特性や個別に発生タイミングを制御できるようにする必要があります。また、異なる方向からの周波数/強度/位相を最適化することでより高い(高次)の周波数成分を抽出できる可能性があるし、単一周波数で規定される回折限界を超越する可能性もあります。また、流体解析でも高次(発散的)ドップラー解析法によって物質の動きのベクトルをより精細に評価できるかもしれません。高次のドップラー解析法は脳内の流体解析を高精度に行うためには必須であり、周波数だけではなく、強度、Duty(onn/off比、周期)などで高次にフラグメンテーションすることで、反射、散乱した超音波信号の特異的識別性(検出した信号の発生源を特定する事)を上げることを目指します。フーリエ変換を応用し、血流の速度変化や微細な揺らぎ(加速度変化)を解析することで、従来のドップラー法よりも高い精度で血流の異常を検出できる可能性があります。頭の微動によるノイズも全方向からの照射によってキャンセルしやすいかもしれません。少なくとも分析できる特徴量/数学的計算の次元が顕著に上がる為、人工知能による画像推論の精度も上がることが期待されます。


<経頭蓋集束超音波の課題>
基本的にマイクロメートルレベルの位置精度を保証する装置性能を目指すため多数取り付けたトランスデューサーの位置を高度に保存する必要があります。従って、トラスデューサーの位置精度を保証するためには装置はできるだけ動かさずに固定する必要があるかもしれません。上述したような機能を搭載するとシステム/データ処理が複雑になる為、開発/メンテナンスコストが高くなる可能性があります。また、トランスデューサーも多く、個別の発信機の故障を考慮すると、故障頻度が高くなりやすい装置になる可能性があります。重要な治療を行うので、開発製造段階で装置の信頼性を上げることが求められます。経頭蓋のタイプ共通でいえる事ですが頭蓋骨での吸収はかなり大きいです。ハンディーの超音波エコー装置では患部に直接手動であてますが、経頭蓋集束超音波は固定型なので、頭の大きさ/形に応じて感度に大きな個人差が生じます。従って、患部で超音波装置の強度を計算して調整できる自動システムが必要です。経頭蓋集束超音波では焦点位置の分解能よりも1桁程度は高い照射位置精度が各(位相アレイ)トランスデューサで必要であり、それに応じて位相アレイトランスデューサーの照射角度分解能を上げる必要があります。そのためにはピエゾ素子材料応答性/電気回路時間精度を非常に高くする必要があります。


<実現可能性の評価(計算)>
 ハンディーの超音波装置の表面積は約12.6cm^2、平均的なお子さんの頭部の表面積は約250cm^2(200-300)ですので、頭部の表面積を覆うようにトランスデューサを配置する経頭蓋集束超音波装置は単純計算で約20倍の表面積/トランスデューサー数を利用でき、理想的には一点に集束することができます。従って、原理的には同じ集束強度の場合、頭の表面積では約1/20の強度にすることができ、頭部での熱の影響を軽減することができます。逆に、しっかり冷却システムを整えれば、数十倍以上の超音波強度を照射することができ、頭蓋骨の吸収が仮に3-4桁程度あったとしても、一部、その損失を照射強度を上げることで吸収することができます。今述べたように頭蓋骨での吸収が経頭蓋集束超音波では位置精度と並び、最重要課題です。超音波強度の減衰は式(1)で定義できます。
A = A0 exp(-αt)・・(1) 
A:焦点位置の超音波強度/A0:初期の超音波強度/α:減衰係数(-cm-1)/t:浸透深さ
頭蓋骨減衰係数が5(/cm):頭蓋内実質減衰係数を0.06(/cm)/頭蓋骨厚さ5mm(×2:往復で)とすると頭蓋骨だけで減衰率は99.4%となります。これにインピーダンス差による反射も加わります。そうすると3-4桁程度超音波強度は下がるかもしれないことを覚悟しておいたほうがいいかもしれません。一方で実質内の減衰率が低いので、ほとんど超音波強度の減衰は頭蓋骨で律速することになりますし、頭蓋骨厚さの個人差は非常に大きな焦点強度の誤差につながります。その分、ダイナミックに焦点強度を一定とするために自動調整機能を装置は備える必要があります。
 頭部表面に配置したトランスデューサー全てを頭部内位置に超音波を向けられるわけではありません。機械的/幾何学的/損失などの物理的条件で指向角度の変更範囲が限られます。位相アレイトランスデューサの放射可動角は最大で60°~90°程度のすなわち斜め30°から45°くらいの広がり角になるかもしれません。上述した様にこの角度が上がれば上がるほど、位置精度の向上や実質内全領域で全てのトランスデューサ利用可能な装置デザイン制約が緩和される為、発信機デバイスの特性としては重要です。また、外周部に行けば行くほど照射位置が近くなるトランスデューサも一部ありますが、前述した様に超音波減衰率は頭蓋骨にほとんど律速するため、頭蓋内で位置が近づくことのメリットはほぼありません。むしろ全て等間隔に近くなる頭蓋内深部の照射に適性を持ちます。この経頭蓋集束超音波の利点を最大限引き出すために頭表面に配置した全てのトランスデューサ照射可能範囲に全ての頭蓋内領域が収まるようにするための条件は式(2)です。
(超音波照射可能断面積Su)≧(半径rの半球の表面積Sh)・・(2)
 例えば、子ども/大人の頭部の半径が8/9cmだとします。2cm程度のジェル緩衝層を挟みおおよそ半径11cmの半径で頭部の形におおよそ合うようにトランスデューサーを配置するとします。トランスデューサーの超音波発振器の放射角が機械的な制約で二軸に対して±30°しか動かせないとします。母線の傾斜角が30°の円錐となるので上の(2)式から境界条件半径rを計算するとr = 3.19(cm)となります。従って、子どもの頭の中心からだいたい3cmくらいのところまでしか全てのトランスデューサーを使用することはできません。この範囲を超える外側に近い中心から7cmのところではこの条件では利用できるトランスデューサは全体の5%程度になり、ほぼ、ハンディーと変わらない性能となります。この条件でトランスデューサーの可動範囲を±45°まで改善すると中心から約4.5cmくらいのところまでは全てのトランスデューサーが超音波信号を届ける事ができるようになります。子どもの頭部の半径が8cmだとするとそのうち半径比で50%以上の領域をカバーできるようになります。例えば、装置開発を改善し、頭部表面と超音波発振器(トランスデューサー)までの距離を10cm距離を取ることができる良い緩衝条件を確立したら、計算上は48.6°のトランスデューサー可動範囲で半径8cmmの子どもの頭全ての領域において全てのトランスデューサーを理論的に使えることになります。装置開発においてはこの臨界的な仕様を目指すべきです。例えば、10cmシリコーンジェルでは吸収率が31.6%です。従って、68.4%の超音波が透過可能です。ゆえに、シリコーンは同じ材料なのでしっかり均一性を保って緩衝材として使用すれば、1cmでも8.9%は吸収するので、その距離を10cmにすることの伝搬効率の損失幅は少なくとも桁で変わるようなレベルではありません。ここの距離を取れることは現実的には色んな頭の形の人がいますからそれに柔軟に形をあわせていく上で有利です。おそらく、トランスデューサーの可動角を上げるほうが難易度が高いので、可動角の限界値に合わせて、距離を調整すれば、頭部全体の全ての領域に対して、経頭蓋集束超音波装置の利点を最大限生かせる仕様になります。しかしながら、経頭蓋集束超音波装置ではあらゆる方向からの超音波信号を一点に集める事を考えますから最終的に目指すスポット径よりも1桁以上は精度のよい超音波照射位置解像度がそれぞれの位相アレイトランスデューサに求められます。ここが私が考える最重要課題の一つです。上述した様に全ての頭蓋内位置に対して全てのトランスデューサを使用できるように焦点位置までの距離を離すと位相アレイトランスデューサーで対象範囲全体で焦点位置を動かすことが容易になりまうが、高い精度が求められる位置精度を保証する事が難しくなります。こうしたトレードオフ(拮抗因子)があります。目指す仕様は高いほうがいいので現在のExAblate 4000のボクセル比(体積比)で約100倍くらい高い精度である200μmボクセルを目指すとします。例えば、この精度に対してそれぞれの位相アレイトランスデューサの位置精度が200μmであれば、最大で両サイド400μmくらい外れますから、強度も下がるし、焦点形状も崩れ、スポット径も位置精度律速で低下します。これを防ぐためには少なくともスポット径の1/10程度の高い位置制御精度が求められます。20μmに対して最大で10cm程度スポット径を動かすわけですから、4桁程度(200ppm)の精度が必要になりますから、位相角360°で10cm動く設計とすると超音波周波数10MHzに対する時間精度は20psとなります。少なくともピエゾ素子の振動の時間精度として20psくらいの時間精度が必要となります。圧電素子の格子振動/駆動回路の応答速度をGHz帯域にすることはほとんど最先端に近く、超音波強度の仕様も合わせて考えると材料自体の研究開発も必要かもしれません。


<超音波イメージングの利点>
超音波照射による焼灼/開窓/気泡生成などの機能に特化し、イメージングは磁気共鳴装置に完全に委ねるという道も確かに存在しますが、そうすると一体型装置が前提となってしまいます。販売価格が100億円を超える可能性もあり、一部の機能しか必要のない場合には、非常に割高で、装置占有面積も大きく都合がよくないということになります。より多くのお客様(病院、患者様)に利益をもたらすためには、経頭蓋集束超音波装置を独立した装置として成立させたいです。焼灼/開窓などを行う際には位置を決定する必要がある為、独立装置とする場合には超音波イメージングが必須となります。経頭蓋集束超音波で超音波イメージングが一般的でないのは、ほぼほとんどの理由は頭蓋骨による非常に高い信号減衰の為です。脳のイメージングの適正は磁気共鳴装置のほうが高いです。ただ、この高い障壁を乗り越え、超音波イメージングが達成されたときのメリットは大きい為、これは開発における必須の項目(仕様)として指定しています。上述した様に超音波信号をフラグメンテーションして一度に複数点数同時に解析できるとなると、もともと超音波測定装置は磁気共鳴装置よりも測定スキャン速度に優れ、リアルタイム動画測定に適性がありますから、脳の画像解析としては今までにない範囲でのリアルタイム動画測定が可能になります。また、超音波はドップラー効果がありますから、速度解析もできる可能性があるので、毛細血管は難しくても、主要な血管の血流/主要脳室の脳脊髄液の循環評価ができる可能性があります。循環器の評価ができると小児水頭症の診断/(治療/予防)の為の開窓位置の決定の信頼性があがり、小児脳腫瘍に多くの場合水頭症も併存する事も考えると主要な目的を果たせるだけではなく、コントラスト診断と並列した循環器依存による高次の小児脳腫瘍診断ができる可能性があります。一方で、超音波は比較的安全な信号なので、脳卒中の(初期)診断や脳循環器の定期健康診断にも利用できますし、研究成果次第では血管閉塞、血管病理に対する治療の可能性も秘めています。必ずしも血管組織を直接機械刺激で改変するだけではなく、より緩やかで安全な信号で免疫機能や血管内皮の血管新生を促すような介入も含まれます。これが磁気共鳴イメージングに依存することなくでるということです。装置価格も高くても数億円くらいでできるでしょうし、緩衝材の冷却装置はおそらく必要ですが、頭蓋骨に直接的に沿うように配置するだけなので装置も原理的にはコンパクトで室内環境も含めて病院としては扱いやすい装置になると思います。磁気共鳴装置が必要になると超電導維持の為、非常に低温に冷却する必要もあり、装置も大型になります。逆に本当に仕様を満たすような装置ができると、比較的安くて整備環境条件も緩やかなので、普及しやすくなり、脳内深部刺激できることの患者さんに対する安全性の懸念が生じます。繰り返しになりますが、経頭蓋集束超音波では頭蓋骨減衰が非常に高いため、イメージングは困難ですが、もしできれば、それによる利点はかなり大きいです。それだけではなくて、一体化できる磁気共鳴装置とイメージングを組み合わせることで、少なくとも一度に測れる特性が多くなるので、より脳内の詳細な情報がわかるようになると推定されます。その他、考えられる応用としては超音波発生源をコンパクトにして背負うようなことができたら、ヘルメットのように装置を装着して、患者さんが運動しながらでも測定できるようになるかもしれません。トレッドミルの場合は背負う必要もありません。もちろんこの場合、位置ずれの補正は厳しくなります。


<超音波イメージングの課題>
前述した様に超音波イメージングでは反響/散乱/透過信号をとる為、単に照射する場合と比較して、検出器でその信号をとるために最低1回は多く頭蓋骨を通過する必要があり、最大で数桁の損失がある事から、パワーを多く必要とします。例えば、イメージングしながら、低強度で機械的刺激/温度刺激を実施したい場合、イメージング強度と照射強度に開きが出て、同じ装置で同時に照射とイメージングを両立させようとした場合、超音波発生装置のダイナミックレンジがその条件を満たすことができるかどうか?という課題があります。また、磁気共鳴装置と完全に切り離す場合には、イメージングによって位置を特定して、温度モニタリングもしながら、機械的刺激/焼灼/開窓を行う必要がある為、基本的にはイメージング/照射施術のタイミングに差がどうしても生じる為、少なくともソフトウェア上でイメージング画像を一時保存/記憶して、それに基づいて照射施術の為の位置決定をする必要があります。イメージングと照射施術では患部の温度上昇が生じる為、その影響を避けるために両者において一定の時間間隔を取る必要がある可能性もあることから、イメージングプロセスと照射施術プロセスを完全に分けて、逐次イメージングしながら照射施術する事が仕様上難しい可能性もあります。従って、イメージングするときに強固なフラグメンテーションをして、照射施術しながら、そのフラグメンテーションした信号をチェックの為、検出して、位置整合性を確認する必要が場合によれば必要になります。イメージングと照射施術の一部の機能は両立しない可能性があり、独立した装置としての機能が制限される可能性とダイナミックレンジの限界の為、照射施術手法により装置を完全に分離するか/超音波発信装置を都度交換する必要が出てくるかもしれません。


<磁気共鳴/経頭蓋集束超音波イメージング統合の利点>
体の中は局所的な温度変化/格子振動の(強度/向き)のばらつき/磁化率の変化があります。超音波信号は制御して照射すれば、温度変化、格子振動の向き、磁化率の変化を外因的に調整できる可能性があります。これが磁気共鳴の測定精度/再現性を上げる可能性があります。また、こうした物理的因子によってT1/T2強調でのコントラストの感度が変わる可能性があり、磁気共鳴画像分析に新たな材料特性評価項目を与える可能性があります。また、超音波画像データと磁気共鳴画像データを座標を一致させて統合することは少なくともソフトウェア上のデータ改変の余地が大きくなります。例えば、磁気共鳴で分析できる空間分解能精度で超音波画像分析の動画分析が計算や人工知能の画像推論によって可能になるかもしれません。複数のデータを高次に扱いコンピューター解析/強化学習をすることでより効果的な画像推論実現の可能性もあります。超音波装置で求められるパワーレンジの厳しい仕様の一部を磁気共鳴が補償的に緩めてくれる可能性もあります。


<磁気共鳴/経頭蓋集束超音波イメージング統合の課題>
マルチモダルなイメージングの付加価値を最大限引き出すためには、両装置の座標系を空間分解のよりも1桁,2桁以上の高い精度で整合させる必要があります。座標系照合を行う際には、両測定法によって得られた組織画像/(あるいは)お子さんの頭部の輪郭部などからも補正することが考えられますが、その時に当然、コントラストの示し方は違うため、照合の為の新たなソフトウェア/人工知能アルゴリズムが必要になるかもしれません。基本的に経頭蓋集束超音波は磁気共鳴と一体型装置の場合、磁気共鳴装置が生み出す強い磁場の中に装置を置くことになる為、超音波発生の為の回路系も含めて磁性材料(鉄/ニッケル/コバルトなど)は使用しにくいです。非磁性材料(銅・アルミ・銀など)でも強い磁場によるローレンツ力で振動する可能性があります。それによって超音波発生装置の回路系の時間制御性に影響を与える可能性があります。また、この回路が磁場に干渉し、信号を発生させると磁気共鳴分析の信号に対するノイズになりS/N比を顕著に低下させる可能性があります。特に磁性材料がわずかにでも含まれている場合は、お子さんの頭部で発生させるための磁場強度が集束超音波装置の材料によって減衰する可能性があります。また、この経頭蓋集束超音波装置が常に強い磁場にさらされることで材料の寿命(劣化速度)に影響を与える可能性があるので、逐次、測定以外では磁場から退避させる必要があります。ケーブルや配線がループを形成しないようにツイストペア構造(撚り線)にして、渦電流形成を防ぐこと、グラウンディング(接地)を適切に行い、誘導電流を逃がす必要があります。また、磁場に対して力を受けにくように磁場ベクトルに対して直交方向に近くなるように特に干渉すると考えられる回路の配置を最適化する必要があります。基本的に磁気共鳴集束超音波装置では位相アレイトランスデューサの位置制御が生命線であり、超音波発生の為の材料、電気回路をピコ秒オーダーで制御する必要がある為、外部ノイズを非常に低い状態にする必要があります。従って、磁気共鳴装置による強い外部磁場があることは、この仕様を満たすことをより挑戦的に(困難に)します。内部の磁場信号の強度に影響を与えない形で集束超音波装置内部にある回路系/材料系を高度にシールドする必要があります。例えば、MRI の影響を受ける可能性の高い領域では、重要な信号処理を行わず、光ファイバーや非導電経路で外部ユニットに信号を転送し、超音波トランスデューサの直近には最小限の回路のみ配置し、磁場の安定した場所に制御ユニットを設置することも重要です。カーボン系は磁性を持たず、透磁率がほぼ 1(真空と同じ)であり、実際にMRI 用の患者ベッドの多くはCFRP製(カーボンファイバー)で作られています。電気制御自体もカーボン材料であるグラフェン/カーボンナノチューブ(CNT)は高速処理に適している可能性があります(22:グラフェン/23:CNT)。磁性信号に対するカーボン材料の強靭性を考慮すると材料開発として有力な候補となる可能性があります。また、患者さん(お子さん)に微動/顕著な動きが生じた時、その動きに対する機械的な相対的位置が磁気共鳴装置と経頭蓋集束超音波では異なります。すなわち、磁気共鳴装置はその動きに連動してハードウェアが移動せず固定されている一方で、経頭蓋集束超音波は緩衝材で一部動きは吸収されるものの、大きな動きでは超音波発生装置もそれに応じて連動するため、動作ノイズに対する補正の仕方をそれぞれ変える必要があります。


<磁気共鳴温度測定の原理、課題>
磁気共鳴/経頭蓋集束超音波装置において温度モニタリングは必須の機能であるため、磁気共鳴/超音波いずれか(両方)の手法でより正確に患部の温度測定を行う必要があります。磁気共鳴による温度測定は、水分子の水素結合の温度による変化、それによる局所磁場の変化によって生じるわずかな周波数、位相シフトを検知します(0.01ppm/℃)。基本的に水が少ない脂肪組織、骨、表皮では温度測定を磁気共鳴ですることは原理的に難しいです。温度に対するプロトン共鳴周波数シフト(PRF, Proton Resonance Frequency Shift)は式(5)で示されます。
(Δν/ν(0)) = α * ΔT・・(5)Δν:共鳴周波数変化/ν(0):初期温度共鳴周波数/α:温度感受性係数/ΔT:温度変化。温度感受性係数はおおよそ-0.01ppm(-1.03±0.02 * 10^-8)です(39,40)。
ラーマー共鳴周波数が短くなり、レッドシフトする理由は温度が上昇すると水分子の水素結合が弱くなり、それによって水素分子の自由度が高まるため、局所的な磁場が遮蔽される(弱まる)からです。従って、1℃の精度で温度変化をモニタリングするためにはRFコイルで検出される周波数に対して0.01ppmの正確性で分析する必要性が出てきます。水素のラーマー周波数は3Tで約127.74 MHzなので、その0.01ppmなので約1.28 Hzの精度の精度で分析する必要があります。そのための受光系の必要仕様は位相検出精度3.6×10^−6(degrees)/時間分解能7.86 fs/信号対雑音比>7.81となります。超高精度の局部発振器/高SNR RFコイル/デジタル受信機の高速サンプリング/高精度の信号処理が必要になります。他方で、温度変化による位相の変化は、試料内の他の要因によって引き起こされる位相変化と比較すると極めて小さいものとなります。具体的には、生体組織内の磁化率(susceptibility)の変動や、MRI装置内部の静磁場(static magnetic field)の不均一性などが、温度変化よりもはるかに大きな位相変化を引き起こす要因として挙げられます。温度変化が起こる前の基準画像(reference image)を取得し、それと比較することで、温度変化とは関係のない静的な位相の変動を除去すべく、温度変化が生じた後の画像と差分をとることで、温度変化に起因する純粋な位相変化のみを抽出する事を試みます(41)。実際にマネキン実験系で中に温度計測ができるデバイスを置いて、絶対的な温度がわかる状態にしておき、熱デバイスで0.1-1℃単位など細かい温度を変化をつけて、温度に対する水素信号の周波数-位相シフトのデータベースをあらかじめ構築することも重要です。


<超音波温度測定>
超音波は材料の熱膨張/ドップラー効果が温度特性を持つため、複数の要素で材料特異的に物質波特性に対する温度特性を持つ可能性があるため、材料事異なる様式で任意の温度に対して超音波周波数/位相シフトを持つ可能性があります。計算できるとは思いますが、一方で、実際にマネキン実験系で患部の温度モニタリングを侵襲的にデバイスでしながら、温度を変えて超音波入射周波数に対する反響信号の向き/周波数シフト/位相シフトの基礎/参照データベースを構築する事を考えます。磁気共鳴と経頭蓋集束超音波の2つの様式で温度に対する基礎/参照データベースがあると実際に患者さんの頭部での温度モニタリングの重要な基準となります。


<機能的磁気共鳴解析>
機能的磁気共鳴画像法(Functional magnetic resonance imaging(fMRI))は脳の各領域の活性化に応じて、関連する組織に流れる血液の酸素レベルを依存性に基づき、血液動態を画像化するための手段です。デオキシヘモグロビン(Deoxyhemoglobin)は酸素を持たない形態のヘモグロビンで血流が増加することによって局所的に減少する事が知られています。鉄から酸素が切り離された状態で、磁性を持つ鉄を構造内に有します(44)。従って、身体の中に自然に存在する常磁性のコントラスト剤(造影剤)として機能します。これが磁気共鳴イメージングシグナルの横緩和時間を変化させるため、T2強調の条件で撮影すると差別化してコントラストを取ることができます(43)。デオキシヘモグロビンの量でT2強調で頭脳をイメージングすると脳の各領域の血流量を造影することができます(42:Figure 3)。これは低強度の集束超音波刺激と組み合わせることができます。低強度で神経刺激すると神経系の活動が上がる可能性があります(45)。そうするとその領域の酸素消費量が上昇するためにfMRIで検出することができます(46)。それそのものが治療として利用できますが、エクソソーム細胞腫特異的薬物送達システムを含めた重水ヒドロゲル病変部位特異的送達において重水ヒドロゲルを投与する直前に脳腫瘍組織(がん細胞)があると疑わしい領域をfMRIで特定して、さらにその領域に低強度で集束超音波を照射して、重水ヒドロゲルを集めて、重水ヒドロゲルに腫瘍組織をより詳細に分布表示してもらうという段階的な方法も考えられますし、fMRIだけで代謝活性から腫瘍組織の位置を特定して、経頭蓋集束超音波でその領域を焼灼するという方法もあります。実際にマネキンの状態で液体中の成分と腫瘍組織/通常組織(基準)の遊動/浮遊を最適化して、fMRI様式で腫瘍組織と通常組織で実際に組織としてそこにある/ないとわかっている状態でfMRIの画像コントラストがどう変わるかがわかれば、それを基礎データとして使うこともできます。そうすると場合によれば、重水ヒドロゲルの造影もなしで腫瘍組織を荒くはなるかもしれないですが、焼灼できるため、医療プロジェクトの成功確率は確実に上昇します。


<ExAblate 4000脳腫瘍臨床試験の状況>
集束超音波の報告は1959年が初めとされています(51,52)。2005年くらいから報告数が増え始め、2018年の時点で年間報告が150件ほどになります(50:Fig.1)。世界の臨床試験の状況は、脳腫瘍に限らず、全ての疾患を対象にした集束超音波でいうと都市としてはカナダのトロントが一番、多くの疾患に対して集束超音波を利用した臨床試験を行っています。実施都市数、臨床試験件数で一番多いのはアメリカで、アジアでは韓国のソウルが4つの疾患に対して臨床試験を行っていて最大です(50:Fig.5)。日本ではExAblate 4000を使った臨床試験では神奈川県(藤沢市(2))、北海道、埼玉(熊谷市)、東京都、大阪府(2:吹田市)、兵庫県、愛媛県で実施されています。藤沢市/吹田市のパーキンソン病を除き本態性振戦に対して臨床試験が行われています。日本では大阪府が中心になり(貴島先生,平林先生)、日本経頭蓋集束超音波治療学会が設立されています。ExAblate 4000の脳腫瘍に関する臨床試験は以下です。
<Blood Brain Barrier disruption> NCT03322813(Baltimore, Maryland, United States:Status Suspended)/NCT03712293(Seoul, Korea: Status: Completed)/NCT03551249(Baltimore, Boston, Charlottesville, Morgantown, United States; Status Completed)/NCT05733312(Rochester, Minnesota, United States: Status Recruiting)/NCT04667715(Baltimore, Houston, United States: Status Suspended)/NCT04998864(Milano, Italy, Móstoles, Spain: Status Unknown)/NCT03616860(Toronto, Canada: Status Completed)/NCT04440358(Toronto, Canada, Milano, Italy, Seoul, Korea: Status Active, not recruiting)/CT04417088(Palo Alto, Baltimore, Boston, Cleveland: United States :Status Active, not recruiting)/NCT05630209(Washington, Miami, United States: Status Recruiting)※小児脳腫瘍/ NCT05615623(Toronto, Canada: Status Recruiting)※小児脳腫瘍/ NCT05879120(Houston, United States: Status Withdrawn)/NCT05383872(18 locations in United States: Status Recruiting)※Liquid biospy/NCT05317858(8 locations in United States: Status Recruiting) 
<Sono-Dynamic Therapy> NCT04845919(Milan, Italy: Status Completed)/NCT05123534(San Francisco, Washington, Miami, United State; Suspended)※小児脳腫瘍/NCT05370508(Phoenix, San Francisco, Rochester, New York, United State: Status Terminated)
<Ablation>NCT03028246(Washington, District of Columbia,Miami, Florida,United States: Status Recruiting)※Benign tumor/NCT01698437(Zurich, Switzerland: Status Completed)(Phase 1 2016-05)/
NCT04940507(Toronto, Canada: Status Recruiting)※Liquid biospy
まとめると、ExAblate 4000を利用した脳腫瘍の治療の目的で多いのが薬物送達の為の血液脳関門の破壊、解放です。臨床試験件数は14件(アメリカ9件、カナダ3件、韓国2件、イタリア2件、スペイン1件)です。超音波力学的療法(SDT)は超音波に対する感受性物質を投与し、腫瘍組織を壊死させる方法です。臨床試験件数は3件でアメリカ2件、イタリア1件です。熱焼灼は3件でアメリカ1件、スイス1件、カナダ1件です。小児脳腫瘍は3件でアメリカ2件、カナダ1件です。完全な熱焼灼が少ないのは、まだ強度、安全性などに問題があるからと、放射線治療に対する顕著な付加価値を見いだせていないこともあるかもしれません。より弱い強度で介入可能な血液脳関門のオープニングがほとんどを占めます。2000年代後半からの基礎研究の歴史も関係していると思います(53,54)。ExAblate 4000を使った脳腫瘍の臨床応用において先進的なのはアジアでは韓国のソウルとなります。日本では脳腫瘍の臨床試験実績はまだないものの、学会設立などの流れを見ると大阪が現在ではこの分野の中心ということになります。世界ではアメリカが中心ですが、カナダが次に多く(4件)、都市はトロントに集中しています。実際に集束超音波の総括論文(50)の著者の団体もすべてがカナダのトロントです。小児脳腫瘍に関してはアメリカのワシントンD.C.とマイアミが2件全てで関与しています。

<追記>
  HIFUは従来から研究されているもので、すでに一部のメーカーから世の中に出ている。超音波イメージング、特にフラグメンテーションを使ったもの、設計の基本的な指針、ぺログスカイト構造を使ったトランスデューサ、水頭症の開窓形成の為の流体イメージングの構想、血管、免疫系を使った熱の治療、その為の流体イメージングの構想。心臓など組織に穴をあける事もできる可能性がある。脳外科だけではなく、心臓外科にも関わる可能性がある。マネキンを使った実験系。マネキンはヒドロゲルにできるが、簡易的には水でもよい。容器を工夫すればできる可能性がある。人工骨の形成モデル、豆腐、ゼリー食品などから着想を得たヒドロゲルのバルク形成の考え方。骨の部分は音響特性の近い人工物質でもいい。重水ゲルを使った薬物トラッキング、組織解析、非侵襲細胞治療。流体解析、重水ゲルによる腫瘍などのマルチモダルな信頼性の高い診断、解析、一番基本的な事として熱の神経刺激、焼灼、緩やかな熱刺激による治療。色んな応用が考えられる私の医療の部屋史上、現代医療において実質的に最も価値のある科である「外科」に影響を与える、「外科」と「内科」と「検査科」を横断する事ができる「最も重要な」技術です。
  経頭蓋集束超音波で今実現不可能な技術として一番大きなものは「経頭蓋集束超音波イメージング」です。これができると非常に色んな可能性が広がってくる。ハードウェア(装置)、ソフトウェア(計算、アルゴリズム)上の問題は現物を知らないので私の中で付加価値の高い情報は現時点で出せないですが、ボトルネックは音(超音波領域の物質の振動)が頭蓋骨で非常に大きく減衰し、それを2回通らないといけない事です。組織分析位置では超音波は収束しますが、受音素子位置では発散した個別の信号をとらないといけないため、発信強度と受信強度の桁が数桁以上異なる信号を検知しないといけない。受信の感度が重要になります。分析タイミングを基準とした過去の音の情報が頭蓋骨反射の反響によって残るようであれば、それはノイズにはなるけど、逆に利用する事もできるかもしれない。そのノイズの振動と共鳴して強め合うようにできないか?ということを検討する余地がある。分析の時間幅を大きくすれば、受信強度はその分大きくできるかもしれない。あるいは、装置が複雑になって避けたいことですが、磁場、低エネルギーの電磁波を使って、頭蓋骨を含めた脳全体の音響特性を変えられないか?あるいは、骨が超音波を受けることによって周辺環境も含めた材料特性が変わる可能性がある。それを利用して「継続的な分析の中でよい音響特性を維持しながら分析できないか?」などが考えられる。生体内というのは、無機の材料とは異なり、細胞も含めて動くので、その前提で考える必要がある。実験系は、ヒドロゲル(食品のゼリーができるならバルク形成はできる)、それが無理であれば水でもいいです。骨の部分は音響特性の近いバルク形成、3次元プリンティングが可能な物質を選べばいいと思うが、この実験系では、超音波を当てたときに変わる音響特性、特に影響が大きい骨の部分の再現ができないということがあります。骨の部分の超音波変動は動物で簡易的な評価系システムを作って実施する必要がある可能性がある。超音波イメージングの安全性が確保されれば、実際に人の頭で実施します。非常に難しい技術ですが、超音波信号のフラグメントも含めて工夫の余地は今の時点でもこれだけ考えられるわけですから、実際に実験すれば、より色んなアイデアが出てくると思います。経頭蓋集束超音波イメージングに関しては乗り越えたときに得られる医療的価値が非常に大きいです。分析は重要ですよね。装置系統のトポロジカルな特徴から、組織の形、流れの方向を見ることに優れると思います。組織の形での分析ができると単に硬さによる明暗だけではなく、形で、癌細胞、脳神経変性疾患の診断ができる可能性があるので、診断の信頼性があがるかもしれない。しかも、血流や脳脊髄液の流れも見れるかもしれない。それでも診断ができる可能性がある。形の分析はAIが最も画像診断で得意とする所の一つです。経頭蓋集束超音波イメージングだけでも十分に価値があり、それで今の焼灼、ドラッグデリバリー、温熱治療、重水トラッキングができるとなると、もう、この装置を扱うだけの国家資格ができるくらい装置を完全に使いこなせる人が限られるような多機能な装置になる可能性がある。決して絵空事ではありません。将来の医療に貢献できる潜在性は「非常に」高いと評価できる。乗り越えたときに如何に「素晴らしいか」が重要で、その壁の高さ、難易度が重要ではありません。乗り越えたときの医療付加価値が非常に大きければ、その壁が非常に高くても資源を使ってでも乗り越えるべきです。「できたら医療が変わる」。だったら、実施しないという選択肢はない。
 トランスデューサーのピエゾ素子の材料の設計指針について述べます。基本的に超音波に当たる周波数の音響フォノン、物質波は測定系で指向性があるので、その指向に共鳴した配向特性を持つ、優れたバネ特性、弾性を持つ結晶が好ましい。その指針でいえば、超音波が伝わる方向と一致した結晶軸の周りにキラリティー(対掌性、右巻き、左巻き)が制御されたらせん構造を持つ結晶が好ましい。さらに、実際に磁気共鳴集束超音波装置で使う超音波周波数において高い弾性を示すような、このバネ特性、らせん構造の設計指針に従う構造を定義する。結晶成長は、パターン基板がいいかもしれない。一定の格子間隔を持つ螺旋状のバネが配向性、かつ対掌性を維持された形で成長するためにその格子間隔、軸を真っすぐに立てるためのパターン基板を考える。バネの軸が傾斜して、面欠陥が入ると、ピエゾ素子としての弾性特性が著しく低下すると考えられる。また、点欠陥、貫通転位なども品質を低下させるので、こうした結晶性、結晶品質の高い、言い換えれば欠陥の少ないらせん構造を持つ結晶をキラリティーが混在しないように成長するには一つの必要条件としてパターン基板が結晶成長の専門家の意見として提案できる。成長はゆっくり平衡条件に近い状態で行う。ペロブスカイト構造の配向性が重要になるので、私の結晶成長の専門性を生かして、ピエゾ素子の螺旋構造の特性を最大限生かすべく、材料の開発から私は関わる。本当に一番、私の専門性が生かせるところはピエゾ素子の材料の製造に関わるところかもしれない。ここが高品質化すると、土壌が整うので、超音波としての可能性が広がってくる。
 この装置のハードウェア上の鍵を握るのは、前段落で述べたピエゾ素子の機械的特性と骨です。骨は、無機に近い、すなわち構造的に安定なヒドロキシアパタイトから形成されますが、先入観を取り去って、超音波をある程度、当て続ける、あるいは温度が少し上昇したときに骨の音響特性が変わらないかどうかを調べる必要がある。骨が絶対的な壁なので、ここの音響特性が変わるかどうかの確認は必要です。もう一つ考えられることとして、音響特性が抜けやすい頭蓋骨以外の部分を特定して、そこにいくつか超音波受信機をつける。その超音波信号のパターンを生かして、経頭蓋上に張り巡らされた超音波信号のパターンを人工知能あるいは計算上、推論し、ソフトウェア上で感度を上げられないかも検討する。
  残響を使ったフラグメントも考えられる。残響において、頭蓋骨円弧の面(接線)と垂直に当たる物質波(超音波)は、次の入射超音波信号と強く干渉します。弱めあう、強め合うという事です。時間・位相が揃いやすい「強い残響核(echo nucleus)」が生じる。また、脳実質内から下側に向かって抜ける時間も短いです。例えば、頭蓋骨円弧の面(接線)に対して低角で入射すれば、複数回頭蓋内で反射し、超音波信号の残響信号の時間が長くなる。原理的には下側(首側)の反射がなければ、1回のみの反射で抜けます。すなわち、この干渉の大きさ、残響時間を共にフラグメントすることも原理的にできる。測定点で散乱した超音波の中で頭蓋骨の頭蓋骨円弧の面(接線)と垂直方向の超音波の干渉の大きさ、残響の時間を割り出し、それをフラグメントすることで、全体的な信号の一定の骨組み、メッシュ構造を構築し、全体信号の推定に生かすことができるかもしれない。
 もう一つは、物質波の情報の高次化ができるかという問題がある。特定のキラリティーを持つらせん構造に基づいたピエゾ素子は、その螺旋構造に基づく極性があるので、物質波の一つの情報である音響渦(acoustic vortex)の情報も原理的に検知できるはずです。通常超音波は「強度」と「周波数」だけですが、キラル検出器では「強度」「位相勾配」「回転数」「位相欠陥」などを扱う事ができるとされている。情報の高次化が可能です。キラル検出器の特徴を考えて、音響情報を高次化し、冗長化することで検出情報の信頼性を上げる取り組みをします。位相欠陥は消えにくい。トポロジカル量は連続変形に強い、キラリティは符号情報として安定という特徴を最大限生かすことを考えます。通常の集束超音波は一点にエネルギーを集中させるだけですが、そこに「回転」の情報を加えることで、以下のような高度な機能が実現します。集束超音波の位相を空間的にずらし、らせん状の等位相面(ヘリカル波面)を形成させることで、音響渦(Acoustic Vortex)が生成されます。しかし、、焦点(中心軸)における強度は物理的にゼロになります。音響渦(ヘリカル波面)を形成すると、中心軸上では全方位からの位相が互いに打ち消し合うため、強度がゼロになる「位相欠陥(Phase Defect)」が生じます。点状のスポットではなく、エネルギーが円環状に分布するドーナツ型になります。ドーナツの「穴」の部分は極めて鋭いため、この暗点を利用した超解像センシング(光学のSTED顕微鏡に近い概念)への応用が可能です。粒子を焦点の「外側」から包み込むように保持できるため、対象を破壊せずに捕捉・操作するのに適しています。「トポロジカル量(回転数や位相勾配)」は保存されます。
ノイズに埋もれやすい「弱くなった強度信号」を追うのではなく、強度が低くても変化しない「回転の性質」をキラル検出器で捉えることで、トータルの検出信頼性(S/N比の概念を超える安定性)を担保する戦略は非常に合理的です。ペロブスカイトの配向性を持った螺旋構造を構築できると、こういった音響特性を検出することが可能になるので、入射条件としての幅が広がる事は間違いないです。経頭蓋集束超音波の最大の弱点は頭蓋骨での顕著な信号の減衰です。頭蓋骨を透過すると超音波強度は激しく減衰しますが、トポロジカル量(回転数やキラリティの符号)は減衰しても変化しません。頭蓋骨の厚みの不均一さは位相をバラバラにしますが、音響渦の「中心にある位相欠陥(暗点)」や「全体の回転性」といった構造的特徴は連続的な変形に強い(トポロジカル・プロテクション)という性質があります。「強度が弱まっても、構造化された情報は消えにくい」という特性をペロブスカイト螺旋素子で拾い上げることで、脳深部からの微弱な信号を、ノイズと混同せずに高精度で回収できるようになるという可能性を想定すると、トポロジカル特性を利用した入射、検出系を模索する事は一つの重要な研究開発案件といえるでしょう。


<コメント>
 2025年3月6日は私にとって歴史的な日になりました。色んな干渉があったと思われます。細かい事を含めて本当によく考えて下さったという思いです。2018年からの6年間は相当苦しくて、精神的/社会的/経済的にも安定しない日々が続きました。私が最も苦しい状況で入院しているとき、あなた方はリハビリの総括論文を上梓してくれましたね。それは忘れません。色んな干渉はあったかと思われますが、あなた方ほど異国でありながら私の価値を認め、味方してくれた団体はありませんでした。その継続的な事実はあなた方と私しか知らない事です。私はあなた方の期待に応えるべく、(色んなパワー抵抗はあるかもしれないですが)世界の臨床医学の発展に貢献しますし、より具体的には小児脳腫瘍で命を落とすお子さんを撲滅し、お子さんの生存後の小児がんサバイバーシップを上限を定めることなく改善することに従事する事を約束します。
 March 6, 2025 (Thursday) became a historic day for me. The six years since 2018 have been incredibly difficult with ongoing instability in my mental, social, and financial life. There were countless moments when I consider about meaning of my survival. When I was hospitalized in the most desperate situation, you published a review paper on rehabilitation toward my full recovery. I will never forget that. I imagine there may have been various interferences, but no other organization —despite being in a foreign country — recognized my value and stood by my side as you did. Only your institution and I know this continuous truth, so today is much special for me. To live up to your expectations, I will dedicate myself to the advancement of global "clinical" medicine. More specifically, I promise to work toward eradicating childhood brain tumors and improving childhood cancer survivorship without any upper limits (with continuous efforts). Considering the past four and a half years with misfortune, anxiety, loneliness, suffering, and sorrow that I have endured and your continuous kindness almost without bruising my emotion, there has never been a more special day than March 6, 2025 and I believe there never will be. I do express my gratitude for your courtesy, today.



(参考文献)
(1)
INSIGHTEC
EXABLATE Neuro
(2)
Theodore J Dubinsky 1, Carlos Cuevas, Manjiri K Dighe, Orpheus Kolokythas, Joo Ha Hwang
High-intensity focused ultrasound: current potential and oncologic applications
AJR Am J Roentgenol. 2008 Jan;190(1):191-9. 
(3)
Tai-Tong Wong 1, Muh-Lii Liang, Hsin-Hung Chen, Feng-Chi Chang
Hydrocephalus with brain tumors in children
Childs Nerv Syst. 2011 Oct;27(10):1723-34
(4)
Sarah J. Pfau, Urs H. Langen, Theodore M. Fisher, Indumathi Prakash, Faheem Nagpurwala, Ricardo A. Lozoya, Wei-Chung Allen Lee, Zhuhao Wu & Chenghua Gu
Characteristics of blood–brain barrier heterogeneity between brain regions revealed by profiling vascular and perivascular cells
Nature Neuroscience (2024)
(5)
Viola Rieke 1, Kim Butts Pauly
MR thermometry
Magn Reson Imaging. 2008 Feb;27(2):376-90.
(6)
慶應義塾大学病院 Keio University Hospital
さまざまな連携による適切な医療の実践
医療連携の概要
(7)
BENTHOWAVE INSTRUMENT INC Acoustic Transducer & System 
Phased Array Transducer
(8)
Monica Fumagalli, Alessandro Parodi, Luca Ramenghi, Catherine Limperopoulos, Sylke Steggerda & eurUS.brain group
Ultrasound of acquired posterior fossa abnormalities in the newborn
Pediatric Research volume 87, pages25–36 (2020)
(9)
Jeroen Dudink, Sylke Jeanne Steggerda, Sandra Horsch & eurUS.brain group
State-of-the-art neonatal cerebral ultrasound: technique and reporting
Pediatric Research volume 87, pages3–12 (2020)
(10)
Chiara Robba 1, Alberto Goffi 2, Thomas Geeraerts 3, Danilo Cardim 4, Gabriele Via 5, Marek Czosnyka 6, Soojin Park 7, Aarti Sarwal 8, Llewellyn Padayachy 9, Frank Rasulo 10, Giuseppe Citerio 11
Brain ultrasonography: methodology, basic and advanced principles and clinical applications. A narrative review
Intensive Care Med. 2019 Jul;45(7):913-927.
(11)
R. A. I. Bethlehem, J. Seidlitz, S. R. White, J. W. Vogel, K. M. Anderson, C. Adamson, S. Adler, G. S. Alexopoulos, E. Anagnostou, A. Areces-Gonzalez, D. E. Astle, B. Auyeung, M. Ayub, J. Bae, G. Ball, S. Baron-Cohen, R. Beare, S. A. Bedford, V. Benegal, F. Beyer, J. Blangero, M. Blesa Cábez, J. P. Boardman, M. Borzage, J. F. Bosch-Bayard, N. Bourke, V. D. Calhoun, M. M. Chakravarty, C. Chen, C. Chertavian, G. Chetelat, Y. S. Chong, J. H. Cole, A. Corvin, M. Costantino, E. Courchesne, F. Crivello, V. L. Cropley, J. Crosbie, N. Crossley, M. Delarue, R. Delorme, S. Desrivieres, G. A. Devenyi, M. A. Di Biase, R. Dolan, K. A. Donald, G. Donohoe, K. Dunlop, A. D. Edwards, J. T. Elison, C. T. Ellis, J. A. Elman, L. Eyler, D. A. Fair, E. Feczko, P. C. Fletcher, P. Fonagy, C. E. Franz, L. Galan-Garcia, A. Gholipour, J. Giedd, J. H. Gilmore, D. C. Glahn, I. M. Goodyer, P. E. Grant, N. A. Groenewold, F. M. Gunning, R. E. Gur, R. C. Gur, C. F. Hammill, O. Hansson, T. Hedden, A. Heinz, R. N. Henson, K. Heuer, J. Hoare, B. Holla, A. J. Holmes, R. Holt, H. Huang, K. Im, J. Ipser, C. R. Jack Jr, A. P. Jackowski, T. Jia, K. A. Johnson, P. B. Jones, D. T. Jones, R. S. Kahn, H. Karlsson, L. Karlsson, R. Kawashima, E. A. Kelley, S. Kern, K. W. Kim, M. G. Kitzbichler, W. S. Kremen, F. Lalonde, B. Landeau, S. Lee, J. Lerch, J. D. Lewis, J. Li, W. Liao, C. Liston, M. V. Lombardo, J. Lv, C. Lynch, T. T. Mallard, M. Marcelis, R. D. Markello, S. R. Mathias, B. Mazoyer, P. McGuire, M. J. Meaney, A. Mechelli, N. Medic, B. Misic, S. E. Morgan, D. Mothersill, J. Nigg, M. Q. W. Ong, C. Ortinau, R. Ossenkoppele, M. Ouyang, L. Palaniyappan, L. Paly, P. M. Pan, C. Pantelis, M. M. Park, T. Paus, Z. Pausova, D. Paz-Linares, A. Pichet Binette, K. Pierce, X. Qian, J. Qiu, A. Qiu, A. Raznahan, T. Rittman, A. Rodrigue, C. K. Rollins, R. Romero-Garcia, L. Ronan, M. D. Rosenberg, D. H. Rowitch, G. A. Salum, T. D. Satterthwaite, H. L. Schaare, R. J. Schachar, A. P. Schultz, G. Schumann, M. Schöll, D. Sharp, R. T. Shinohara, I. Skoog, C. D. Smyser, R. A. Sperling, D. J. Stein, A. Stolicyn, J. Suckling, G. Sullivan, Y. Taki, B. Thyreau, R. Toro, N. Traut, K. A. Tsvetanov, N. B. Turk-Browne, J. J. Tuulari, C. Tzourio, É. Vachon-Presseau, M. J. Valdes-Sosa, P. A. Valdes-Sosa, S. L. Valk, T. van Amelsvoort, S. N. Vandekar, L. Vasung, L. W. Victoria, S. Villeneuve, A. Villringer, P. E. Vértes, K. Wagstyl, Y. S. Wang, S. K. Warfield, V. Warrier, E. Westman, M. L. Westwater, H. C. Whalley, A. V. Witte, N. Yang, B. Yeo, H. Yun, A. Zalesky, H. J. Zar, A. Zettergren, J. H. Zhou, H. Ziauddeen, A. Zugman, X. N. Zuo, 3R-BRAIN, AIBL, Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative, Alzheimer’s Disease Repository Without Borders Investigators, CALM Team, Cam-CAN, CCNP, COBRE, cVEDA, ENIGMA Developmental Brain Age Working Group, Developing Human Connectome Project, FinnBrain, Harvard Aging Brain Study, IMAGEN, KNE96, The Mayo Clinic Study of Aging, NSPN, POND, The PREVENT-AD Research Group, VETSA, E. T. Bullmore & A. F. Alexander-Bloch 
Brain charts for the human lifespan
Nature volume 604, pages525–533 (2022)
(12)
Melissa L Bondy, Michael E Scheurer, Beatrice Malmer, Jill S Barnholtz-Sloan, Faith G Davis, Dora Il’yasova, Carol Kruchko, Bridget J McCarthy, Preetha Rajaraman, Judith A Schwartzbaum, Siegal Sadetzki, Brigitte Schlehofer, Tarik Tihan, Joseph L Wiemels, Margaret Wrensch, Patricia A Buffler, on behalf of the Brain
Brain Tumor Epidemiology: Consensus from the Brain Tumor Epidemiology Consortium (BTEC)
Cancer. 2008 Oct 1;113(7 Suppl):1953–1968
(13)
Kimberly J Johnson 1, Jennifer Cullen 2, Jill S Barnholtz-Sloan 3, Quinn T Ostrom 3, Chelsea E Langer 4,5,6, Michelle C Turner 4,5,6,7, Roberta McKean-Cowdin 8, James L Fisher 9, Philip J Lupo 10,11, Sonia Partap 12, Judith A Schwartzbaum 9, Michael E Scheurer 1
Childhood Brain Tumor Epidemiology: A Brain Tumor Epidemiology Consortium Review
Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2014 Sep 5;23(12):2716–2736
(14)
Said El Hage 1, Mohamad Kawtharani 2, Sanaa Nabha 2, Jad El Masri 3, Mohamad Saad 2 4
Distribution of Primary Brain Tumor Subtypes in Lebanon: A Multicenter Eleven-Year Study of 695 Patients
Cureus. 2021 Sep 13;13(9):e17918
(15)
Michael Weller, Patrick Y. Wen, Susan M. Chang, Linda Dirven, Michael Lim, Michelle Monje & Guido Reifenberger 
Glioma
Nature Reviews Disease Primers volume 10, Article number: 33 (2024)
(16)
Tai-Tong Wong 1, Muh-Lii Liang, Hsin-Hung Chen, Feng-Chi Chang
Hydrocephalus with brain tumors in children
Childs Nerv Syst. 2011 Oct;27(10):1723-34.
(17)
Focused Ultrasound Foundation
Hydrocephalus 
Focused Ultrasound Therapy
(18)
After brain tumour surgery
Cancer Research UK
(19)
William E. Whitehead, M.D., and Howard L. Weiner, M.D
Infantile and Childhood Hydrocephalus
The New England Journal of Medicine 2022;387:2067-2073
(20)
Wynn Legon & Andrew Strohman 
Low-intensity focused ultrasound for human neuromodulation
Nature Reviews Methods Primers volume 4, Article number: 91 (2024) 
(21)
Paul J Campagnola & Leslie M Loew
Second-harmonic imaging microscopy for visualizing biomolecular arrays in cells, tissues and organisms
Nature Biotechnology volume 21, pages1356–1360 (2003)
(22)
グラフェンを用いてTHz電気信号の制御に成功、NTTがGHz超えの高速信号処理で成果
(23)
鈴木 大地
カーボンナノチューブ膜によるテラヘルツ帯撮像デバイスの長期安定化技術の開発
The Murata Science Foundation
(24)
Dominik Neumann and Eva Kollorz.
Chapter 11Ultrasound
Medical Imaging Systems: An Introductory Guide [Internet].
(25)
Exablate 4000 Operator's Manual
(26)
Lei Feng, Jiazhong Hu, Logan W. Clark, and Cheng Chin 
Correlations in high-harmonic generation of matter-wave jets revealed by pattern recognition
Science 1 Feb 2019 Vol 363, Issue 6426 pp. 521-524
(27)
O. Michailovich D. Adam
A high-resolution technique for ultrasound harmonic imaging using sparse representations in Gabor frames
IEEE Xplore
(28)
Questions and Answers ​in MRI
The MR sales representative is telling me about his scanner's strong gradients. How do I interpret the specification sheet?
(29)
Ralf Stannarius 
Magnetic resonance imaging of granular materials
Rev Sci Instrum. 2017 May;88(5):051806.
(30)
Joseph P. Hornak
The Basics of MRIs Chapter 9
(31)
Marc-André Delsuc & Peter O’Connor 
The Fourier transform in analytical science
Nat Rev Methods Primers volume 4, Article number: 49 (2024)
(32)
Yu’e Liu, Yi Chen, Fei Wang, Jianghua Lin, Xiao Tan, Chao Chen, Lei-lei Wu, Xiaoling Zhang, Yi Wang, Yufeng Shi, Xiaoli Yan & Kaijun Zhao
Caveolin-1 promotes glioma progression and maintains its mitochondrial inhibition resistance
Discover Oncology Volume 14, article number 161, (2023)
(33)
Chiara Moriconi, 1 , 2 , † Prospero Civita, 1 , 3 , † Catia Neto, 1 Geoffrey J. Pilkington, 1 , 3 , 4 and Mark Gumbleton
Caveolin-1, a Key Mediator Across Multiple Pathways in Glioblastoma and an Independent Negative Biomarker of Patient Survival
Front Oncol. 2021; 11: 701933.
(34)
Müller, Bert ; Lang, Sabrina ; Dominietto, Marco ; Rudin, Markus ; Schulz, Georg ; Deyhle, Hans ; Germann, Marco ; Pfeiffer, Franz ; David, Christian ; Weitkamp, Timm
High-resolution tomographic imaging of microvessels
Proceedings of the SPIE, Volume 7078, article id. 70780B, 10 pp. (2008).  
(35)
Sarah J. Pfau et al.
Characteristics of blood–brain barrier heterogeneity between brain regions revealed by profiling vascular and perivascular cells
Nat Neurosci. 2024 Oct;27(10):1892-1903.
(36)
Website created by Nayan Patel University of California, Irvine
Ultrasound Background
(37)
CHAPTER 2
CHARACTERISTICS OF FERROELECTRIC PZT CERAMICS 
(38)
Ayumi Ishii,* Ryohei Sone, Tomohide Yamada, Mizuki Noto, Hikari Suzuki, Daiki Nakamura, Kei Murata, Takuya Shiga, Kazuyuki Ishii, and Masayuki Nihei 
Giant Bulk Photovoltaic Effect in a Chiral Polar Crystal based on Helical One-dimensional Lead Halide Perovskites
Angewandte Chemie International Edition e202424391 29 January 2025
(39)
Viola Rieke, PhD,* and Kim Butts Pauly, PhD
MR Thermometry
JOURNAL OF MAGNETIC RESONANCE IMAGING 27:376–390 (2008)
(40)
Jing Yuan1, Chang-Sheng Mei2, Lawrence P. Panych2, Nathan J. McDannold2, Bruno Madore
Towards fast and accurate temperature mapping with proton resonance frequency-based MR thermometry
Quant Imaging Med Surg. 2012;2(1):21-32. 
(41)
Matthew A Lewis 1,*, Robert M Staruch 3,1, Rajiv Chopra
Thermometry and Ablation Monitoring with Ultrasound
Int J Hyperthermia. 2015 Mar 10;31(2):163–181.
(42)
Rakesh Sharma & Avdhesh Sharma 
Physiological basis and image processing in functional magnetic resonance imaging: Neuronal and motor activity in brain
BioMedical Engineering OnLine volume 3, Article number: 13 (2004) 
(43)
Questions and answers in MRI
Forms of Hemoglobin
What are the different forms of hemoglobin and why do they have different magnetic properties?
(44)
Govind B. Chavhan, MD, DNB, Paul S. Babyn, MD, Bejoy Thomas, MD, Manohar M. Shroff, MD, and E. Mark Haacke, PhD
Principles, Techniques, and Applications of T2*-based MR Imaging and Its Special Applications1
Radiographics. 2009 Sep; 29(5): 1433–1449.
(45)
Sven Bestmann 1, Eva Feredoes
Combined neurostimulation and neuroimaging in cognitive neuroscience: past, present, and future
Ann N Y Acad Sci. 2013 Aug;1296(1):11-30.
(46)
Joshua A. Cain, Shakthi Visagan, Micah A. Johnson, Julia Crone, Robin Blades, Norman M. Spivak, David W. Shattuck & Martin M. Monti 
Real time and delayed effects of subcortical low intensity focused ultrasound
Scientific Reports volume 11, Article number: 6100 (2021)
(47)
Marc-André Delsuc & Peter O’Connor 
The Fourier transform in analytical science
Nature Reviews Methods Primers volume 4, Article number: 49 (2024) 
(48)
Nicole Korchinsky 1,✉, Anne M Davis 1, László G Boros 
Nutritional deuterium depletion and health: a scoping review
Metabolomics. 2024 Oct 13;20(6):117
(49)
Stefan Posse
Multi-echo acquisition
NeuroImage Volume 62, Issue 2, 15 August 2012, Pages 665-671
(50)
Ying Meng, Kullervo Hynynen & Nir Lipsman 
Applications of focused ultrasound in the brain: from thermoablation to drug delivery
Nature Reviews Neurology volume 17, pages7–22 (2021)
(51)
R MEYERS, W J FRY, F J FRY, L L DREYER, D F SCHULTZ, R F NOYES
Early experiences with ultrasonic irradiation of the pallidofugal and nigral complexes in hyperkinetic and hypertonic disorders
J Neurosurg. 1959 Jan;16(1):32-54. 
(52)
E NELSON, P A LINDSTROM, W HAYMAKER
Pathological effects of ultrasound on the human brain. A study of 25 cases in which ultrasonic irradiation was used as a lobotomy procedure
J Neuropathol Exp Neurol. 1959 Oct:18:489-508
(53)
Manabu Kinoshita 1, Nathan McDannold, Ferenc A Jolesz, Kullervo Hynynen
Noninvasive localized delivery of Herceptin to the mouse brain by MRI-guided focused ultrasound-induced blood-brain barrier disruption
Proc Natl Acad Sci U S A. 2006 Aug 1;103(31):11719-23. 
(54)
Nathan McDannold 1, Natalia Vykhodtseva, Kullervo Hynynen
Effects of acoustic parameters and ultrasound contrast agent dose on focused-ultrasound induced blood-brain barrier disruption
Ultrasound Med Biol. 2008 Jun;34(6):930-7.
 

0 コメント:

コメントを投稿

 
;